熱戦譜〜2010年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.10.02  WBA世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 李 冽理  判定  プンサワット・クラティンデンジム
2010.10.02  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 三浦隆司  TKO9R  稲垣 孝
2010.10.02  WBC女子世界ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 富樫直美  判定  イルマ・サンチェス
2010.10.11  東洋太平洋ライトヘビー級
 王座決定12回戦
 ジェームソン・ボスティック  TKO1R  清田祐三
2010.10.11 10回戦  名城信男  KO3R  イワン・キー
2010.10.11 8回戦  安田幹男  KO1R  ラファエル・パンガリヴァン
2010.10.21  東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 宮崎 亮  TKO11R  戎岡淳一
2010.10.24  WBC世界ス-パーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 西岡利晃  判定  レンド-ル・ムンロー
2010.10.24 10回戦  ホルヘ・リナレス  TKO4R終了  ヘスス・チャベス
10 2010.10.24  WBA世界ライトフライ級
 暫定王座決定12回戦
 ローマン・ゴンザレス  KO2R  フランシスコ・ロサス
11 2010.10.24 10回戦  亀海喜寛  KO6R  ホセ・アルファロ
12 2010.10.28  東洋太平洋スーパーフライ級
 王座決定12回戦
 粉川拓也  6R負傷判定  ダニーロ・ペーニャ

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                       2010年10月2日(土)    後楽園ホール
                    WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級14位)                チャンピオン
                ○   李 冽理    判 定    プンサワット・クラティンデンジム   ●
                      (横浜光) 121 3/4 lbs                   (タイ) 122 lbs

 開始早々からプンサワットが厳しいプレスで迫る。どんどん距離を詰め,ワンツー,右クロスをかぶせるプンサワット。李も足がよく動いている。
 2回,李のアウトボクシングが冴える。変幻自在のフットワークで的を絞らせず,左ジャブを多用してプンサワットの前進を捌く。出バナに右アッパーをヒットした李は,プンサワットがひるんだところに右ストレート,左フックをまとめる。
 プンサワットはプレッシャーを強めるが,ロープを背にした李はスルリと体を入れ替えてかわし,左ジャブ,カウンターの右ストレートを浴びせた。4回終盤,右アッパーからの左フックでバランスを崩すプンサワット。
 5回,李の足と左が冴える。プンサワットは左目上をカット(李の有効打による傷)。6回に入ると試合は完全に李のペースになった。動いてかわし,プンサワットの攻撃の切れ目に右ストレート,左右フックの釣瓶打ちを浴びせる。7回,プンサワットの右ボディブローに合わせて,タイミングの良い右アッパーをヒットする李。
 9回,形勢はさらに李の方に傾いた。焦りの色を増すプンサワットは右フックでバランスを崩す。
 10回は逆にプンサワット。青コーナーに追い込んで放ったワンツーで李がバランスを崩す場面が見られた。しかし11回には李が再び主導権を握る。成り振り構わず前に出て逆転を狙うプンサワットだが,李は右ストレートのカウンターから左右フック。サークリングして左ジャブを多用する李。終了間際,意表を突くような左アッパーをアゴにヒットする。
 12回,プンサワットは必死の形相で距離を詰めにかかるが,最後まで李の足は止まらなかった。

 圧倒的不利の予想を覆し,初挑戦の李が見事なアウトボクシングで王座奪取に成功した。評価の高い王者プンサワットに大差の判定勝ちという見事な試合内容。距離を詰めにかかる王者に対し,常に自分の距離を保って戦ったことが勝因。打ち合いを避け,フットワークと左ジャブでプンサワットを翻弄した。出バナに突き上げる左右アッパーも効果的。これにより,キャリアで大きく上回る王者の焦りを誘ったことが大きい。プンサワットの手が止まると右ストレートのカウンターから左右の連打を浴びせる心憎いまでの試合運びも見せた。本年度の殊勲賞と技能賞の有力候補になったとも思えるほどの会心の勝利である。
 プンサワットは4度目の防衛に失敗。身長164cmという小柄だが,鋭い踏み込みと相手の逃げ道を塞ぐようなフットワークでどんどんプレッシャーをかける右ファイタータイプ。右ストレート,左右フック,アッパーなどの多彩な攻撃が武器だが,無名で初挑戦の李を甘く見ていたフシがある。李のペースに嵌り,焦って攻め込むところにパンチを受ける場面が目立った。

採点結果 プンサワット
主審:浅尾和信 *** ***
副審:デレク・ミルハム(豪州) 118 110
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 115 113
副審:ジャン・フランソワ・トゥーパン(フランス) 115 114
参考:MAOMIE 118 110


     ○李:19戦17勝(8KO)1敗
     ●プンサワット:43戦41勝(29KO)2敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                       2010年10月2日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級1位)
               ○   三浦隆司     9回1分21秒     稲垣 孝   ●
                       (横浜光) 130 lbs                      (フラッシュ赤羽) 130 lbs
                    WBA9位,WBC11位

 開始早々から前に出てプレッシャーをかける三浦。緊張のためか動きに硬さが見える稲垣は,三浦の左ストレートからの右フックで早くもロープに詰まる。左ストレートで稲垣のアゴが上がる。終了間際にも左ストレートでぐらつく稲垣。
 三浦は2・3回に引っ掛けるような右フックで1度ずつのダウンを奪った。稲垣は鼻から出血し,苦しい展開を強いられた。
 序盤にして一方的となった試合の興味は三浦がどこで仕留めるかに絞られた。しかし中盤以降の三浦はKOを狙い過ぎて単発に陥り,攻め倦む場面が目立つ。6回,体を預けるようにして左右アッパーのボディブローから右フックを浴びせる稲垣。
 7・8回,稲垣の抵抗に遭いながらも三浦は左ストレート,右フック,ボディへの左アッパーを決めてパワーの違いを見せる。
 9回,粘る稲垣を三浦がようやく仕留めた。左ストレートで大きくよろめいてロープに詰まる稲垣。三浦は左右アッパーのボディブローでガードを下げさせ,矢のようなワンツーを一閃。アゴをかすめるようなこのパンチでドスンと腰から落ちた稲垣は,ロープを枕に痛烈なダウンを喫した。ここで杉山主審が試合をストップした。

 三浦が鮮やかなパンチで稲垣を沈め,4度目の防衛に成功した。序盤からワンサイドに試合を進めながら,KOを意識して単発になったことによって長引かせたことは反省点である。右ジャブ,フックが出ているときは良い流れを作るが,単発になると拙戦が目立つ。切望する世界挑戦で単発では通用しない。上下への打ち分け,右の使い方などが常にできるようになることが必要。
 初挑戦の稲垣は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。中盤以降に粘りを見せたが,パワーの差は歴然。状態の動きがなく硬直したまま体を預けるように攻撃を仕掛けるところにパンチを浴びた。

8回までの採点 三浦 稲垣
主審:杉山利夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 80 70
副審:土屋末広 79 71
副審:安部和夫 80 73
参考:MAOMIE 80 71


     ○三浦:23戦20勝(16KO)1敗2分
     ●稲垣:22戦12勝(5KO)9敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:藤田大介

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           2010年10月2日(土)    メキシコ:グアダラハラ コリセオ・オリンピコ
                  WBC女子世界ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン        挑戦者(同級シルバー王者)
             ○   富樫直美   判 定   イルマ・サンチェス   ●
                    (ワタナベ) 107 lbs             (メキシコ) 107 lbs

 初回から激しい打ち合いが展開された。伸びの良い右ストレートを見せるサンチェスに対し,富樫は左フックのクリーンヒットを決める。
 2回以降も富樫が積極的な攻撃で押し気味に試合を進める。体を預けるようにしてロープに押し込み,左右アッパーのボディブローから右ストレートを見舞う。4回終盤,コーナーにサンチェスを追い込み,連打を回転させる富樫。サンチェスはマウスピースがこぼれそうになりながら必死に打ち返すが,後手に回る。
 7回,それまで前に出て攻撃一辺倒だった富樫が戦い方を変えた。一転して足を使ったアウトボクシングに切り替え,左ジャブ,フックを決める。
 9回,富樫は前に出て左右フックを浴びせる。10回は再びアウトボクシングに戻し,左に回りながら左ジャブ,右ストレート,左フックを的確に決めた。

 富樫が敵地で5度目の防衛に成功。序盤から積極果敢な攻撃を仕掛け,地元のサンチェスを圧倒した。ボディ攻撃から右ストレート,左フックを返すなど上下への打ち分けが見事。終盤はアウトボクシングに切り替えるなど,スタミナの不安をカバーしていた。これも逃げのボクシングではなく,足を使いながら的確にパンチをヒットするクレバーな面を見せた。
 サンチェスは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックを得意としているが,ナックルの返しが甘いためにパンチ力は今一つという印象。富樫の攻撃的なボクシングで,終始後手に回ったことが敗因。

採点結果 富樫 サンチェス
主審:スパークル・リー(米国)  *** ***
副審:フランク・ジェンティル(米国) 97 93
副審:キャッシー・レナード(米国) 99 91
副審:デーブ・モレッティ(米国) 99 92
参考:MAOMIE 100 91


     ○富樫:8戦7勝(3KO)1分
     ●サンチェス:23戦18勝(5KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:渡辺均&富樫直美
     実況:田野和彦

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                              2010年10月11日(月)    後楽園ホール
                            東洋太平洋ライトヘビー級王座決定12回戦
                     東洋太平洋L・ヘビー級3位   T   K  O    東洋太平洋S・ミドル級チャンピオン
                ○   ジェームソン・ボスティック    1回2分08秒     清田祐三   ●
                            (ニュージーランド) 175 lbs                         (フラッシュ赤羽) 175 lbs

 大柄なサウスポーのボスティックが慎重に下がりながら右ジャブを突く。前に出て右ストレートを狙う清田。ボスティックは清田の出バナに左アッパーを合わせる。清田が右を振って入ろうとした瞬間,再び狙い澄ましたような左アッパーを放つ。この一発がすべてだった。アゴを直撃された清田は腰から落ちて仰向けにダウン(カウント8)。立ち上がったものの足元がふらつく。チャンスと見たボスティックは一気にまとめにかかる。左ストレート,左右アッパーの猛攻に清田はコーナー,ロープに詰まってピンチの連続。最後は青コーナーを背によろめいたところで柳主審が試合をストップした。

 2階級制覇を狙った清田だが,ボスティックの強打を浴びて完敗を喫した。積極的にプレッシャーをかけていたが,懐の深さに阻まれた。不用意に出たところにカウンターの左アッパーをもらったのが致命傷となった。ガードを固めて上体を揺すりながら接近できれば違う展開になっていただろう。
 ボスティックは195cmという破格の身長と長いリーチを誇る大型サウスポー。非常に懐が深いことが特徴で,下がりながら誘い込んでカウンターを合わせる勘に優れている。右ジャブを突きながら相手を引きつけておき,長いリーチを生かした左ストレート,アッパーをカウンターする。ダウンを奪った左アッパーは青コーナーに下がって誘い込み,清田が入ろうとした瞬間をジャストミートしたもの。

     主審:柳完洙,副審:福地勇治&グレグ・バージス(ニュージーランド)
     ○ボスティック:27戦23勝(13KO)4敗     ●清田:23戦19勝(17KO)3敗1分
     放送:フジテレビ739     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                       2010年10月11日(月)    大阪:住吉区民センター
                                 10回戦
                WBA世界S・フライ級4位     K      O   インドネシア S・バンタム級4位
              ○   名城信男       3回1分42秒      イワン・キー   ●
                      (六島) 118 lbs                          (インドネシア) 115 3/4 lbs
                    WBC12位

 開始早々から名城がプレッシャーをかける。キーは足を使いながら左ジャブ,ワンツーを伸ばす。名城は赤コーナーにキーを詰め,左右フックのボディブローから右フックを顔面に持っていく。
 2回にも名城がロープに詰めて右ストレートからボディへの左アッパーを見舞う。中盤,回り込んだところに左フックがヒットし,キーがダウン。一気に攻勢に出る名城。左右のボディブローからの右ストレートがテンプルに決まれば,キーは2度目のダウン。立ち上がったところでゴングに救われるキー。
 3回,キーは足を使ってリズムを取ろうと試みる。名城は再びボディ連打から右ストレート。ニュートラルコーナーに詰まったキーは右ストレートでダウン。そのままカウントアウトされた。

 今年5月にウーゴ・カサレス(メキシコ)に王座を追われた名城がKOで再起を飾った。強烈なボディブローと顔面への右ストレートを組み合わせた攻撃は健在。立ち上がりは硬かったものの,スピード,切れともに申し分ない。足を絡めた攻撃を取り入れることが大事だろう。
 キーは右ボクサータイプ。足があり,スピーディな左ジャブ,右ストレートを得意としている。動きながら積極的に手を出すが,打たれ脆いことが弱点。パンチはやや手打ち気味である。

     主審:宮崎久利,副審:原田武夫&野田昌宏&坂本相悟
     ○名城:17戦14勝(9KO)2敗1分     ●キー:16戦6勝7敗3分
     放送:スカイA     解説:徳山昌守&浅沢英     実況:山下剛

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                       2010年10月11日(月)    大阪:住吉区民センター
                                  8回戦
                    日本バンタム級4位    K      O    インドネシア S・バンタム級7位
                ○   安田幹男      1回1分32秒    ラファエル・パンガリヴァン   ●
                        (六島) 122 lbs                           (インドネシア) 123 1/2 lbs

 パンガリヴァンのパンチをパリーしながら前に出て左ジャブを上下に打ち分ける安田。右ストレートからの左アッパーを鳩尾に突き上げられたパンガリヴァンは後方にうずくまってダウン(カウント9)。一気に攻勢に出る安田に逃げ腰のパンガリヴァン。左アッパーのボディブローであっさり倒れ込み,そのままカウントアウトされた。

 今年6月に山中慎介(帝拳)に敗れてタイトルを失った安田がKOで再起を飾った。技巧に優れた右ボクサーファイターで,軽快なフットワークに乗せて放つ左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーに鋭いものがある。呆気ない試合で復調ぶりを確認できないうちに終わってしまったが,安田の再起は朗報である。
 パンガリヴァンは右ボクサーファイター。前日の計量でウェイトオーバーとなり,グラブハンデを負ってのリングインとなった。意気込みを語った試合前のインタビューとは裏腹に,少しボディを打たれただけで腰が引けてしまう不甲斐ない戦いぶりが目立った。

     主審:野田昌宏,副審:原田武夫&宮崎久利&北村信行
     ○安田:24戦17勝(14KO)5敗2分     ●パンガリヴァン:20戦12勝(5KO)6敗2分
     放送:スカイA     解説:徳山昌守&浅沢英     実況:寺西裕一

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                      2010年10月21日(木)    神戸文化ホール
                      東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   T   K   O   挑戦者(同級12位)
                ○   宮崎 亮   11回2分37秒    戎岡淳一   ●
                        (井岡) 108 lbs                     (明石) 107 3/4 lbs
                     WBA9位,WBC6位

 やや慎重な立ち上がりを見せた宮崎だが,早くも左フックをヒット。素早い左ジャブ,フックを上下に巧打し,初回にして主導権を握った。2回,戎岡は相打ちの左ジャブを決めて前に出るが,逆に宮崎のワンツーからの左アッパーでアゴが上がる。
 身長で10cm劣る宮崎が鋭い左ジャブ,フックでベテランの戎岡を翻弄する展開が続く。正直なボクシングが目立つ戎岡は突破口を見出せない。5回,いきなりの右ストレートをまともに食う戎岡。鼻からの出血で苦しくなった。
 7回,左フックでぐらつかせた宮崎は戎岡をロープに詰めて攻勢。このピンチは脱した戎岡だが,ワンツ−でのけぞり,再びロープを背にする。
 劣勢の戎岡が見せ場を作ったのは9回。宮崎のスピードに苦しむ戎岡だが,宮崎が右目上をカットしてドクターチェックを受ける。これが自らの有効打による傷との裁定が示されると,戎岡は俄然攻勢に転じた。逆転TKOのチャンスと見た戎岡は激しく攻め立てる。宮崎はこの試合初めて守勢に回った。
 しかし,戎岡が良かったのは9回だけ。10回,右目上の傷を意識してか,宮崎は無理な打ち合いを避ける作戦に切り替える。足でかき回し,左ジャブ,フックあるいは左アッパー,右ストレートで細かくポイントを重ねた。
 11回,敗色濃厚の戎岡。2分過ぎ,宮崎の右ストレートがヒット。宮崎の左ジャブでのけぞる戎岡。左フックが決まったところで,ついに川上主審が試合をストップした。

 宮崎が見事なTKOで初防衛に成功。抜群のスピードと身体能力を誇る右ボクサーファイター。身長155cmという小柄だが,インファイトもアウトボクシングもできる変幻自在なテクニシャンである。これこそが宮崎の強味だろう。目と勘の良さ,ハンドスピードは抜きん出ている。小柄な宮崎が長身の戎岡を足と左ジャブでコントロールしたのは非常に立派である。同門のホープ井岡一翔の影に隠れているが,素質と将来性は負けていない。キャリアを積めば,世界も十分に期待できる逸材である。
 悲願のタイトルに及ばなかった戎岡。このクラスとしては恵まれた上背(身長165cm)とリーチを誇っており,軽快なフットワークに乗せて低いガードから放つワンツー,左フック,左右アッパーを得意としている。終始積極的に攻めていたが,宮崎のスピードについていけず,完敗となった。スマートな右ボクサーファイターであるが,試合内容にムラがあるのが欠点。

10回までの採点 宮崎 戎岡
主審:川上淳 *** ***
副審:野田昌宏 99 91
副審:福地勇治 99 91
副審:宮崎久利 99 91
参考:MAOMIE 99 91


     ○宮崎:15戦12勝(7KO)3分
     ●戎岡:37戦21勝(9KO)13敗3分

     放送:BS日テレ
     解説:六車卓也&井岡一翔
     実況:鈴木健

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                     2010年10月24日(日)    両国国技館
                   WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン             挑戦者(同級1位)
              ○   西岡利晃    判 定    レンドール・ムンロー   ●
                      (帝拳) 121 lbs                (英国) 120 1/4 lbs

 左右にサークリングしながら右ジャブを多用する西岡。ムンローは前に出て左フックでボディを狙う。西岡はムンローの出足が止まるとすかさずワンツー,右フックをまとめる。
 動きながら上下に散らす西岡が序盤で主導権を握った。右ジャブが良く出て,ボディに左フック,ストレートを打ち込む。4回,ムンローは流れを変えようと前進を加速するが,動きの速い西岡を捉えられない。
 5回,西岡最初の見せ場。1分過ぎ,右ジャブからの小さな左ストレートがテンプルに刺されば,ムンローは足がもつれてピンチ。一気に攻勢に出る西岡。ムンローをロープに詰め,左ストレート,右フック,ボディへの左右フックで攻め込む。
 7回,西岡の右アッパーが鳩尾に突き刺さり,前に出ていたムンローがたまらず後退。この回,西岡は右アッパー,左フックでボディ中心に攻める。
 8回,ムンローは右目下をカット(西岡の有効打による傷)。執拗に前に出るが,西岡は足を止めず,上下にパンチを散らした。
 10回,西岡が再び見せ場を作った。終盤,踏み込んで放った左フックがレバーを抉れば,膝が折れかかったムンローは苦しげな表情を浮かべて後退。KOチャンスに色めき立つ西岡。
 11回にも西岡の攻勢が続く。顔面へのショート連打から右フックのボディブローでムンローはロープを背にする。右アッパーのボディブローで膝が落ちるムンローだが,驚異的な粘りを見せて凌いだ。
 12回,敗色濃厚のムンローが右ジャブを突いてどんどん出るが,西岡の左ストレート,右フックを受けてロープ際でよろめく。攻勢を仕掛ける西岡。終盤,ムンローを青コーナ付近のロープに釘付けにして猛攻を浴びせる。

 西岡がトップコンテンダーのムンローに圧勝し,5度目の防衛に成功した。世界のトップ同士が力を出し切り,期待以上の白熱した好試合となった。
 テクニックの粋をすべて披露した,西岡にとっては会心の試合内容である。打ち合うとうるさいムンローに対して終始足を止めることなく,上下にパンチを散らし続けた。動いてかわし,出ないと見るやパンチをまとめる心憎いまでの試合運び。まさに円熟の境地に達したと言える。真っすぐ下がらず,常に左右に動いたことが奏功した。本場のリングへの進出が期待される。
 ムンローはサウスポーのファイタータイプ。リーチが長く,右ジャブ,左ストレート,ボディブローなどどんどん手数が出る。執拗な連打は相手にとって脅威である。やや腰高なところが弱点だが,特に真っすぐ下がる相手には滅法強い。何度かダウン寸前のピンチに追い込まれたが,その度に驚異的な回復力を見せた。今回は敗れたが,手強い相手であることに変わりはない。

採点結果 西岡 ムンロー
主審:グアダルペ・ガルシア(メキシコ) *** ***
副審:ジェームス・ジェンキン(米国) 119 109
副審:アレハンドロ・ロチン(メキシコ) 119 109
副審:デビッド・サザーランド(米国) 119 109
参考:MAOMIE 120 108


     ○西岡:44戦37勝(23KO)4敗3分
     ●ムンロー:23戦21勝(9KO)2敗

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:香川照之
     実況:高柳謙一

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                           2010年10月24日(日)    両国国技館
                                   10回戦
                   WBA世界S・フェザー級1位    T  K O    米国S・フェザー級(ノーランク)
                ○   ホルヘ・リナレス        4回終了      ヘスス・チャベス   ●
                         (帝拳) 133 lbs                            (米国) 133 lbs

 初回,リナレスは鋭い左ジャブからスタート。チャベスはこの左ジャブに右クロスをかぶせてくる。しかし,リナレスは右ストレートからロープに詰め,左アッパーをヒット。打ち下ろしの右ストレートが鮮やかに決まる。終盤,右ストレートでぐらついたチャベスがロープに詰まる。リナレスは左右ショートの高速連打で場内を沸かせた。
 乱打戦に活路を見出そうとするチャベスだが,リナレスはこれを許さない。3回,チャベスは左にスイッチして突破口を開こうとするが,リナレスは右ストレートから左右アッパーのボディブロー。終盤,ボディへの左ジャブからつないだ右ストレートが顔面に決まり,チャベスは膝が落ちてピンチ。
 4回,リナレスが見事なアウトボクシングを見せた。前に出るチャベスを足で捌き,左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーを浴びせる。結局4回終了後に左肩の故障を訴えたチャベスが棄権を申し入れ,ここで試合がストップされた。

 衝撃的な初回TKO負けで王座陥落したファン・カルロス・サルガド(メキシコ)戦から1年,久々に日本のリングに上がったリナレス。不完全燃焼の幕切れとなったが,まずまずの試合内容だった。リーチを生かした左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーなどの多彩なパンチでチャベスを寄せつけず,健在ぶりを示した。左ジャブから打ち下ろす右ショートストレートが圧巻。3階級制覇に向け,好発進というところだろう。
 チャベスは2階級制覇の実績を持つベテラン。ズングリとした体躯から放つ右ストレート,左右フックを武器としている。非常にタフで,粘り強いことが強味。しぶとく食い下がるので,相手にとっては嫌なタイプである。前に出ていたが,リーチを生かしたリナレスのパンチに距離を詰められず完敗となった。

     主審:福地勇治,副審:浅尾和信&杉山利夫&浦谷信彰
     ○リナレス:31戦30勝(19KO)1敗     ●チャベス:52戦44勝(30KO)8敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:香川照之     実況:高柳謙一

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                            2010年10月24日(日)    両国国技館
                         WBA世界ライトフライ級暫定王座決定12回戦
                    WBA世界L・フライ級1位   K      O   WBA世界L・フライ級2位
                ○   ローマン・ゴンザレス    2回1分38秒    フランシスコ・ロサス   ●
                         (ニカラグア) 107 3/4 lbs                       (メキシコ) 108 lbs

 パワーで勝るゴンザレスが初回からプレッシャーをかける。右アッパーからのボディへの左アッパーを受けたロサスは上体を折り曲げてピンチ。中盤,ロサスの左フックを引っかけられたゴンザレスは直後の右アッパーを受けて転倒。判定はスリップダウンだったが,ダウンと取られても仕方のない場面だった。ヒヤリとさせたゴンザレスだったが,すぐに態勢を立て直して左右アッパーのボディブロー,右ストレートを浴びせて優位に立つ。
 2回,ゴンザレスが圧倒的な力の差を見せつけた。ロサスの右ストレートもヒットするが,ゴンザレスは右ストレート,左フック,アッパーのコンビネーションブローで勝負に出る。右アッパーでロサスは膝から落ちてダウン。立ち上がったが,ゴンザレスの詰めは鋭い。右ストレートから上下への左右アッパーが火を噴く。右アッパーを打ち込まれたロサスはロープ際で腰から落ちて2度目のダウン。何とか再開に応じたが,鮮やかな左アッパーがボディからアゴに決まれば,再びロープ際に落ちて万事休す。

 怪物ゴンザレスが圧巻の攻撃を見せ,暫定王座ながらも2階級制覇に成功した。パンチの切れはもちろん,左右アッパーを交えた多彩なコンビネーションブロー,チャンスの詰め方は見事というより他にない。空いているところに正確に打ち込む勘は天性のもの。特にボディからアゴに切り返すダブルの左アッパーは見事である。まだまだ伸びる要素十分であり,当分の間ゴンザレス旋風は止まらないだろう。
 ロサスはズングリとした右ファイタータイプ。左右フック,アッパーを武器としているが,ゴンザレスの矢継ぎ早の連打に晒されて完敗。タフで鳴らしているが,実力の差は明白だった。

     主審:島川威,副審:シルベストレ・アバインザ(比国)&デレク・ミルハム(豪州)&ロバート・ホイル(米国)
     ○ゴンザレス:27戦27勝(23KO)     ●ロサス:31戦21勝(12KO)8敗2分
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:香川照之     実況:高柳謙一

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                            2010年10月24日(日)    両国国技館
                                    10回戦
                   WBA世界S・ライト級11位    K      O   ニカラグア S・ライト級(ノーランク)
                ○    亀海喜寛        6回2分36秒     ホセ・アルファロ   ●
                         (帝拳) 143 lbs                               (ニカラグア) 142 lbs
                       WBC12位                          元WBA世界ライト級チャンピオン

 強打自慢の両者の対決。まずは探り合いの静かな立ち上がりとなった。
 2回,アルファロはプレッシャーをかけるが,亀海はカウンターの左フックでぐらつかせ,右ストレートをヒット。フェイントをかけながら鋭い眼光でチャンスを狙う亀海。左アッパーでボディを抉る亀海。アルファロをロープに詰めて攻勢。
 3回,鉄壁のディフェンスでアルファロを空転させ,フェイントから左ジャブ,右ストレート,左フックを当てていく亀海。終了間際,脇腹に強烈な左アッパーを打ち込まれたアルファロは思わずクリンチに出る。さらに右ストレートでぐらつき,青コーナーに下がる。
 4・5回,アルファロのパンチはことごとく外される。逆に亀海の強打が面白いように決まった。アルファロは鼻から出血し,苦しい試合を強いられた。
 6回,左右アッパーで挽回を図るアルファロ。しかし,亀海の固いディフェンスに阻まれる。アルファロに振らせておいて左ジャブ,右ストレート,左フックをビシビシと決める亀海。後半,右ストレート,左フックで亀海が攻勢に出る。ダメ−ジが蓄積したアルファロはこの攻撃でよろよろと青コーナーに後退し,右膝をついてダウン。立ち上がったものの,そのままカウントアウトされた。

 中量級期待の亀海が元世界王者アルファロを翻弄し,見事なKO勝利を披露した。スウェイバック,ブロッキング,スリッピングなど鉄壁のディフェンスでアルファロを空転させ,終始冷静に試合を進めた。振らせて隙が生まれたところに的確なパンチをヒットした。相手を見切る勘に優れており,上下への打ち分けは見事。層の厚いクラスとはいえ,十分に世界に通用する。左アッパーのボディブローが効果的だった。実績のあるアルファロに圧倒的な勝ち方をしたことにより,次のマッチメイクが注目される。
 一昨年5月の初来日で小堀佑介(角海老宝石)に敗れて以来2度目の来日となったアルファロ。左右フック,アッパーに破壊力のある右ファイタータイプ。ベタ足で動きは鈍重だが,タフでしつこい連打を身上としている。足を止めた打ち合いに滅法強いが,器用なタイプではない。亀海に完全に読まれ,完封された印象が強い。

5回までの採点 亀海 アルファロ
主審:浅尾和信 *** ***
副審:ビニー・マーチン 50 46
副審:福地勇治 50 45
副審:杉山利夫 50 45
参考:MAOMIE 50 46


     ○亀海:17戦17勝(15KO)
     ●アルファロ:32戦24勝(21KO)7敗1無効試合

     放送:WOWOW
     解説:飯田覚士
     実況:赤平大

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                            2010年10月28日(木)    後楽園ホール
                         東洋太平洋スーパーフライ級王座決定12回戦
                  東洋太平洋S・フライ級2位    負 傷 判 定     東洋太平洋S・フライ級1位
                ○   粉川拓也        6回1分50秒     ダニーロ・ペーニャ   ●
                        (宮田) 115 lbs                             (比国) 113 3/4 lbs
                       WBA12位                           比国S・フライ級チャンピオン

 丸太のように太い腕から繰り出す左フックを振って,ペーニャが開始早々から強引でラフな攻撃を仕掛ける。クリーヒットこそ許さないものの,粉川は押し込まれて苦しい立ち上がりになった。
 3回,相変わらず強引に出るペーニャだが,2分過ぎ,粉川が放った右ストレートからの左フックで尻餅をついてダウンを喫した(カウント8)。ダメージはなく,立ち上がったペーニャはそれ以前にも増してラフな攻撃に転じるが,バッティングで頭部をカット。
 4回,粉川の左フックがヒット。バッティングで右目上をカットしたペーニャはドクターチェックを受ける。ペーニャはますます荒っぽくなり,上手投げ,ヘディングなど反則行為が飛び出した。
 そのペーニャも飛ばし過ぎが響き,5回に入ると明白に失速気味。前に出たいはずの粉川も単発で決定打に欠け,試合は盛り上がらない。
 6回,ペーニャが再び強引に出てラフファイトを展開する。粉川の右アッパーのボディブローが決まるが,ペーニャの左フックでヒヤリとさせた。右目上の傷により,ペーニャは再びドクターチェック。これが続行不能と判断され,試合がストップされた。

 ラフファイトの凡戦の末,粉川が初のタイトルを獲得した。ワンツーを得意とする右ボクサーファイター。横への動きに乏しいために,強引に突っ込むペーニャのペースに巻き込まれてラフファイトに付き合ってしまったことが拙戦の原因。キャリアが浅く,未熟な面を露呈したと言える。回り込んでカウンターを取れるようでないとここから上は望めない。左ジャブが出なかったことも突っ込まれる原因を作った。
 ペーニャはサウスポーのファイタータイプ。丸太のような太い腕,ガッシリした上体,見るからにいかつい顔が印象的なラフファイターである。左フック,アッパーを振り,とにかく強引に突っ込んでくる。タフで恐れを知らぬ面があるので,非常にやりにくいタイプである。その反面,最初から飛ばしたことが影響して5回に失速した。後半にもつれ込んだときのスタミナに弱点がある。粉川はもう少しボディを攻めるべきだった。

5回までの採点 粉川 ペーニャ
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 59 54
副審:ビルジリオ・ガルシア(比国) 57 56
副審:吉田和敏 59 55
参考:MAOMIE 58 56

     ○粉川:18戦17勝(10KO)1敗
     ●ペーニャ:32戦22勝(10KO)8敗2分

     放送:TBS
     解説:佐藤修&内藤大助
     実況:新夕悦男

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