熱戦譜〜2010年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.07.03  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 松田直樹  判定  蘇 晶錫
2010.07.03  東洋太平洋ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 佐藤幸治  KO3R  尹 仁栄
2010.07.03 8回戦  五十嵐俊幸  KO1R  レクソン・フローレス
2010.07.11  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 マルコム・ツニャカオ  判定  大場浩平
2010.07.11 8回戦  林 翔太  判定  ポンサトーン・スリスリー
2010.07.11 4回戦  児玉善徳  KO1R  沖田陽彦
2010.07.20  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 亀海喜寛  TKO4R  塩谷智行
2010.07.20  東洋太平洋スーパーライト級
 タイトルマッチ12回戦
 佐々木基樹  判定  ランディ・スイコ
2010.07.20 4回戦  三浦広光  KO2R  白坂貴昌
10 2010.07.25 10回戦  亀田興毅  KO4R  セシリオ・サントス
11 2010.07.25 10回戦  亀田大毅  判定  ロセンド・ベガ
12 2010.07.25 10回戦  井岡一翔  TKO9R  アルバート・アルコイ
13 2010.07.28 8回戦  柴田明雄  判定  渡辺浩三
14 2010.07.28 8回戦  田口良一  TKO6R  平川聖也

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                      2010年7月3日(土)    後楽園ホール
                     東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級5位)
               ○   松田直樹    判 定    蘇 晶錫   ●
                       (帝拳) 126 lbs               (韓国) 125 1/2 lbs
                    WBA11位,WBC9位           韓国フェザー級チャンピオン

 初回,サウスポーの蘇に対し,いきなり右ストレートをヒットする松田。これで蘇は早くもバランスを崩した。松田は2回にも右ストレートを多用してプレッシャーをかける。4回終了間際,松田の左フックが顔面に決まり,再びバランスを崩す蘇。6回,松田は右ストレートをボディに放ってプレッシャーをかけた。さらに左アッパーをヒットし,右ストレートで積極的に出る。この回は手数が増えて優位に立つ松田。
 しかし,それも長く続かない。松田の手数が止まると息を吹き返したように積極的な攻撃を見せる蘇。
 9回,松田は右ストレート,アッパーでプレッシャーをかける。蘇も鼻から出血しながら右ジャブ,左右フック,左アッパーを返す。終盤,松田の左フックがカウンターでヒット。
 11回,蘇の左ストレートの打ち終わりに右ストレート,左フックをヒットする松田。12回,松田も鼻からの出血を見る。右ストレート,左フックで攻めるが,ここに及んでも待ちのボクシングが目立った。バッティングで右目上をカットした蘇も応戦するが,終盤松田はようやくワンツーで攻勢をかけて追い込む。

 松田は初防衛に成功。しかし,考え過ぎて狙い過ぎたために攻撃のつながりの悪さが目立った。反省の弁ばかりが口をついていたように,会心の勝利とは程遠い。右ストレートや返しの左フックで決めようとする意図が明白で,自ら攻撃パターンを絞ってしまったことが拙戦の原因。考え過ぎず,軽いパンチをどんどん出すことが必要だろう。念願の世界挑戦を実現するためには東洋無敵であることを示し,ファンを納得させる必要がある。
 蘇はサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,アッパーなどの手数で押す試合運びを身上としている。170cmの松田に対して162cmという小兵だが,タフでしぶといボクシングが特徴。松田の手数が止まると果敢に攻撃を仕掛けた。

採点結果 松田
主審:シルベストレ・アバインザ(比国) 118 110
副審:チェ・チュンクー(韓国) 115 114
副審:島川威 119 111
参考:MAOMIE 118 111

     ○松田:46戦33勝(13KO)8敗4分1無効試合
     ●蘇:20戦10勝(2KO)9敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:中野謙吾

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                       2010年7月3日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O    挑戦者(同級8位)
               ○   佐藤幸治     3回2分06秒     尹 仁栄   ●
                       (帝拳) 160 lbs                       (韓国) 159 3/4 lbs

 初回,じりじりと前に出る尹。佐藤は下がりながら左に回って左ジャブを突く。佐藤が踏み込んで放った左フックに反応して芯は外したものの,尹はバランスを崩した。
 2回,尹は右ストレート,左フックで足を止めて打ち合う。尹の左ジャブも伸びるが,打ち合いになれば佐藤の思うツボ。佐藤の左右フックが唸りを上げる。
 3回,尹は強気に出て右ストレートを打ち込む。しかし,右ストレートの相打ちでバランスを崩して青コーナー付近のロープに詰まった尹に襲いかかる佐藤。強烈な右フックをテンプルに打ち込まれた尹はロープ際で崩れるように沈む。立ち上がれず,そのままカウントアウト。

 佐藤は王座奪回後,2度目の防衛に成功。果敢に打ち返す尹にも動じることなく,左ジャブ,フックで冷静に対処した。尹が打ち気に出たところを見逃さず,一気に勝負を決めた。ディフェンスの不安もやや改善された。
 尹は右ファイタータイプ。右ストレート,左フックを武器としており,左ジャブも伸びる。佐藤の強打に普通ならば引いてしまうところだが,果敢に打ち返して気の強さを見せた。

     主審:ノパラット・スリチャロン(タイ),副審:チェ・チュンクー(韓国)&熊崎広大
     ○佐藤:18戦17勝(15KO)1敗     ●尹:10戦8勝(3KO)2敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:高橋雄一

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                           2010年7月3日(土)    後楽園ホール
                                   8回戦
                   WBC世界フライ級12位    K      O    比国フライ級15位
                ○   五十嵐俊幸     1回1分46秒    レクソン・フローレス   ●
                         (帝拳) 113 lbs                          (比国) 112 1/4 lbs

 五十嵐が開始早々からスピーディな右ジャブを飛ばし,右に回って自分の距離を保つ。何度かバッティングが発生して中断するが,試合は唐突に幕切れを迎えた。踏み込んだ両者の頭がぶつかるが,それより一瞬早く五十嵐の左アッパーがレバーを抉っていた。フローレスはワンテンポ遅れて苦悶の表情を浮かべながら崩れ落ちた。スリップダウンとアナウンスがあったが,マーチン主審は途中からカウントを開始してカウントアウトした。

 五十嵐がスピードの差を見せつけた。サウスポーのボクサーファイターで軽快なフットワークに乗せて放つスピーディな右ジャブ,ワンツー,左右アッパーを武器としている。いきなり世界挑戦は無理だが,日本,東洋太平洋タイトルは十分に射程範囲内にある。
 フローレスは右ボクサーファイター。右ストレートを得意としているが,五十嵐と比べるとスピードの差は歴然。左をボディにもらって呆気なく沈んだ。

     主審:ビニー・マーチン,副審:熊崎広大&土屋末広&杉山利夫
     ○五十嵐:13戦11勝(9KO)1敗1分     ●フローレス:33戦21勝(8KO)8敗4分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

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                     2010年7月11日(日)    名古屋国際会議場
                     東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン            挑戦者(WBC5位)
              ○   マルコム・ツニャカオ    判 定    大場浩平   ●
                      (真正) 117 3/4 lbs                (大一スペースK) 118 lbs
                                                
     WBA9位

 大場は左ジャブ,フック,ツニャカオは右ジャブから左ストレート。ともにスピードがあり,好調な滑り出しを見せた。
 2回,ツニャカオは右ジャブから左ストレートで大場をコーナーに詰める。終盤,大場はワンツーを返すが,ツニャカオは右の打ち終わりに左ストレートを打ち下ろす。
 3回,接近してボディブローを応酬する両者。ツニャカオは4回,大場の入り際に左アッパーをカウンターで決めた。
 大場が明白にポイントを奪ったのは7回。接近して執拗な左右アッパーをボディに集める。大場のワンツーでクリンチに出るツニャカオ。
 しかし,8回以降は再びツニャカオのペース。ツニャカオの右ジャブと足に苦しむ大場。ツニャカオは巧みに回り込んでワンツー,左フックを浴びせる。9回にはツニャカオの右アッパーが決まる。大場は鼻から出血し,苦しい戦いを強いられた。
 11回は大場が手数で上回ったが,12回は再びツニャカオ。大場は激しく打って出るが,ツニャカオは良く見て動きを止めず,右フック,左ストレートで要所を締める。

 大場は初黒星。4年前にドローに終わったツニャカオに再挑戦したが,今回は完敗に近い試合内容となった。左右アッパーのボディブローで動きを止めにかかったが,見ている時間が長く,ツニャカオに余裕を与えてしまった。左ジャブ,フックが少なく,いきなり接近を試みる場面が目立った。単調な攻撃をうまく読まれてしまったことが敗因。
 ツニャカオは初防衛に成功。スピーディなサウスポーのボクサーファイター。大場の出方を冷静に見極め,全般を通じて足と右ジャブでコントロールした。回り込んでのワンツー,右フックも秀逸で,適度に休んでスタミナを温存しながら要所を締める老巧な試合運びで大場を翻弄した。

採点結果 ツニャカオ 大場
主審:福地勇治 *** ***
副審:村瀬正一 116 112
副審:土屋末広 116 112
副審:坂本相悟 116 112
参考:MAOMIE 117 113


     ○ツニャカオ:31戦26勝(15KO)2敗3分
     ●大場:29戦27勝(11KO)1敗1分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士
     実況:高田寛之

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                   2010年7月11日(日)    名古屋国際会議場
                             8回戦
                   日本S・バンタム級9位        タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○   林 翔太    判 定    ポンサトーン・スリスリー   ●
                        (畑中) 126 lbs                (タイ) 125 3/4 lbs

 サウスポーのポンサトーンに対し,林は回り込みながら左ジャブ,ワンツーさらに左フック,アッパー。ポンサトーンは執拗に前に出て左ストレート,アッパーを放つ。
 3・4回,林のコンビネーションブローが回転する。前に出るポンサトーンに上下への左右アッパーからカウンター気味の左フックを見舞う。
 5回,ポンサトーンの左アッパーにのけぞってひやりとさせる林。しかし,それ終盤は再び主導権を握った。8回,中間距離での打ち合いになるが,林は右ストレート,左フックを浴びせて攻勢。さすがのポンサトーンも手数が減った。

 試合10日前に相手がサウスポーに変更されるというハンデはあったが,林がやりにくい相手に判定勝ちをマークした。どんどん前に出るポンサトーンの攻撃に手を焼く場面はあったが,中間距離からのワンツー,左フック,接近戦での左右アッパーなど,コンビネーションブローが良く出ていた。
 ポンサトーン(19歳)はサウスポーのファイタータイプ。パンチ力はないが,左ストレート,左右アッパーがどんどん出る。とにかく旺盛な手数と執拗な攻撃が特徴。

採点結果 ポンサトーン
主審:土屋末広 *** ***
副審:坂本相悟 78 76
副審:村瀬正一 77 76
副審:福地勇治 77 75
参考:MAOMIE 78 74


     ○林:17戦14勝(9KO)3敗
     ●ポンサトーン:16戦10勝(1KO)5敗1分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士
     実況:宮部和裕

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                       2010年7月11日(日)    名古屋国際会議場
                                  4回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)    T   K  O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   児玉善徳      1回2分57秒      沖田陽彦   ●
                       (畑中) 121 1/2 lbs                         (正拳) 121 1/2 lbs

 サウスポーの児玉が右フックを振って開始早々から襲い掛かる。タイミングの良い右ストレートで早くもバランスを崩す沖田。右フック,左ストレートで積極的に攻める児玉に対し,沖田は早くも腰が引け,顔面が紅潮する。終盤,ニュートラルコーナーに下がる沖田。ここで右の打ち終わりに左ストレートを合わされ,沖田は腰から落ちてダウン。カウントの途中でタオルが投入された。

 中部の新しいホープとして期待される高校王者・児玉(愛知・享栄高)が鮮烈なデビュー戦を飾った。サウスポーのファイタータイプで,右フック,左ストレートにパンチ力がある。鋭い踏み込みに乗せたパンチに魅力がある。気の強さが持ち味である。タレント不足の中部ボクシング界にとっては貴重なタレントになるだろう。成長に期待したい。倒そうとする意識が先行したことが気になった。力みをなくして細かく打つことが大事である。
 沖田は右ボクサータイプ。右ストレートを得意としているが,児玉の鋭い踏み込みに押され,いいところを出せないままに敗れた。

     主審:坂本相悟,副審:土屋末広&堺谷一志&福地勇治
     ○児玉:1戦1勝(1KO)     ●沖田:3戦3敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:高田寛之

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                        2010年7月20日(火)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級5位)
                ○   亀海喜寛    4回1分45秒     塩谷智行   ●
                         (帝拳) 140 lbs                      (レパード玉熊) 139 1/4 lbs
                      WBA・WBC10位

 開始早々から亀海のペースで進んだ。ポジションを変えながら右ストレートからボディを左フックで叩き,強打で塩谷を圧倒する。塩谷はガードを固めるが,前に出られない。
 2回,自信満々の表情で右ストレートから脇腹への左フックを多用する亀海。塩谷も左右フック,アッパーの連打を試みるが,亀海はしっかり見極めてガードを固める。
 3回に入ると試合は早くもワンサイドゲームの様相を呈した。右ストレート,左右フックを軽く打ち,脇腹に左フックを。塩谷をロープ際に追って攻勢に出る亀海。
 4回,呆気なく勝負が決まった。亀海は脇腹への左フックで塩谷を痛めつける。このパンチで動きが鈍った塩谷を捉え,一気にラッシュする亀海。ワンツー,左右フック,左アッパーの猛攻にロープからニュートラルコーナーに下がって防戦一方の塩谷。ここで土屋主審が試合をストップした。

 亀海,圧巻の初防衛。タフな塩谷をKOできるかどうかが注目されたが,左フックの脇腹打ちで圧倒して見事なTKO防衛である。軽いパンチと強いパンチを巧みに使い分けていた点が目立った。ときおり見せる塩谷の反撃も巧みなウィービング,ダッキング,スウェイバックでかわし,ディフェンス面でも優れたテクニックを見せた。早くも国内無敵の感がある。このクラスは世界挑戦自体が容易ではないが,久々に表れた大器・逸材に期待が高まるのも無理はない。
 塩谷はサウスポーのボクサータイプ。超変則とも言うべき独特のスタイルで,執拗な連打を身上としているが,亀海の鋭いパンチの雨にガードを固めるのが精いっぱい。左フックのボディブローで動きが鈍ったところに連打をまとめられてしまった。

     主審:土屋末広,副審:浦谷信彰&中村勝彦&葛城明彦
     ○亀海:16戦16勝(14KO)     ●塩谷:28戦12勝(8KO)15敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&飯田覚士     実況:中野謙吾

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                       2010年7月20日(火)    後楽園ホール
                    東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)              チャンピオン
                ○   佐々木基樹    判 定    ランディ・スイコ   ●
                        (帝拳) 138 3/4 lbs               (比国) 139 1/2 lbs

 初回,前に出てじりじりとプレッシャーをかけるスイコ。左フックから飛び込んでボディへの左アッパーを振る。佐々木は下がりながら様子を見て終了間際に右ストレートを見舞う。
 2回,佐々木は不意を突くように右ストレートから左フックをクリーンヒット。佐々木は3回にも動いてスイコの焦りを誘い,右のフェイントから左フックを見舞う。さらに右アッパーから左フックをヒットする佐々木。
 4・5回はスイコが重いパンチで上回った。しかし6回,佐々木は動きを止めず,スイコの出バナに右ストレート,左フックから右ストレートをまとめて浴びせる。
 スイコの重いパンチに鼻血を流す佐々木だが,終盤は完全に主導権を握って一気に試合の流れを引き寄せた。9回,打ち疲れで手数が減ったスイコはプレッシャーも弱くなった。佐々木は良く見て左フック,右ストレートを巧打する。
 佐々木にとって最大のヤマ場は10回終了間際。青コーナーに下がった佐々木に右を振って入ろうとする。しかし,その打ち終わりに佐々木の右ストレートから左フックが決まる。フォローの左フックで大きくバランスを崩したスイコは腰から落ちて痛恨のダウンを喫した(カウント9)。
 11回,ダメージを引きずるスイコに襲い掛かる佐々木。終了間際には左右フックのラッシュで迫った。
 12回,動いてスイコの反撃をかわしながらチャンスを窺う佐々木。機を見て左右フックを浴びせれば,スイコは足元がふらついてピンチ。

 佐々木が見事な王座奪取。強豪王者スイコを破る値千金の勝利である。プレッシャーに耐え,動いてかわしながら右ストレート,左フックを巧打した。正面からの打ち合いを避け,一瞬の隙を突く作戦が奏功した。スイコの打ち疲れを待って終盤に勝負を賭けるクレバーな試合運びが光る。
 スイコは初防衛に失敗。重く鋭いワンツー,左右アッパーを武器とする右ボクサーファイターで,東洋太平洋3階級制覇の強豪。序盤から攻勢に出たが,佐々木にうまくかわされ,終盤に疲れが出たところを打ち込まれた。これはスイコの衰えよりも,佐々木の頭脳的なボクシングを褒めるべきだろう。

採点結果 佐々木 スイコ
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 115 113
副審:浦谷信彰 115 113
副審:エドガル・オラロ(比国) 113 114
参考:MAOMIE 115 112


     ○佐々木:43戦34勝(21KO)8敗1分
     ●スイコ:36戦29勝(25KO)6敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:寺島淳司

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                           2010年7月20日(火)    後楽園ホール
                                    4回戦
                  日本クルーザー級(ノーランク)    K      O   日本クルーザー級(ノーランク)
                ○   三浦広光        2回1分50秒     白坂貴昌   ●
                       (帝拳) 183 3/4 lbs                           (BMB) 189 1/4 lbs

 上背で劣る三浦が小刻みな動きから左ジャブを突き,ロープに白坂を追って右ストレートを浴びせる。大柄な白坂は左に回って左ジャブを突くが,動きは鈍重。左ジャブから右ストレートでプレッシャーをかける三浦。ロープに詰めて右ストレートで白坂をのけぞらせる。ニュートラルコーナーに下がったところに鋭い踏み込みに乗せたワンツーを打ち込まれ,白坂は背中からキャンバスに巨体を落下させた(カウント8)。立ち上がったものの,赤コーナーで右ストレートのカウンター一発で2度目のダウン。これで自動的にKO負けとなった。

 総合格闘技から転向し,米国で2戦した三浦の国内デビュー戦。このクラスとしては小柄だが,小刻みな上体の動きから鋭い踏み込みに乗せて放つ右ストレートを武器とする右ファイタータイプ。狙い過ぎず,フェイントをかけて崩すなどの試合運びが大事。層が薄い国内ではマッチメイクが難しいが,タレント不足の重量級では貴重な存在。
 白坂は大柄な右ボクサーファイター。左ジャブ,右ストレートを得意としているが,スピードがないことが欠点。

     主審:杉山利夫,副審:浦谷信彰&土屋末広&中村勝彦
     ○三浦:3戦3勝(1KO)     ●白坂:5戦2勝(2KO)3敗
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

※ 4回戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                     2010年7月25日(日)    大阪府立体育会館第一競技場
                                 10回戦
                   WBC世界フライ級1位    K      O   メキシコ S・バンタム級(ノーランク)
                ○   亀田興毅      4回0分49秒     セシリオ・サントス   ●
                       (亀田) 115 3/4 lbs                        (メキシコ) 119 lbs
                       WBA5位

 初回,亀田は右ジャブ,フックから回り込んで左ストレートをヒットする。サントスもボディに右ストレートを。
 2回,左ストレートから左右アッパーのボディブローを見舞う亀田。右の打ち終わりに左フックでボディを抉られたサントスは一瞬間をおいてニュートラルコーナーに下がり,右膝をついてダウンを喫した。
 4回,試合は呆気なく決まった。サントスの技量を見切った亀田は体を寄せて左ストレートから左右アッパーのボディ攻撃で迫る。リング中央で動きが止まったところに左アッパーからの右フックがボディに。フォローの左アッパーを鳩尾に打ち込まれたサントスは右膝をついたままカウントアウトされた。

 今年3月にポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との王座統一戦で王座を追われた亀田が再起第一戦をKOで飾った。その一方でサントスが計量で契約ウェイトの52.5kgに対して1.4kgもウェイトオーバーするという失態を演じた。今更中止するわけに行かず,試合前日に契約ウェイトが53.9kgに変更されるというドタバタの末に決行された試合。
 JBCルール第52条には許容される両選手間者の最大ウェイト差について定められているが,今回のケースで許されるのは4ポンドの差まで。契約ウェイトを変更したとしても,危うく試合を中止せざるを得ないところだった。
 亀田は左ストレート,ボディへの左右アッパーが回転してまずまずの内容でスピードもあった。しかしながら相手の不甲斐なさばかりが目につき,緊迫感が全く感じられない試合になった。もう少し骨のある相手との手合わせが見たいところ。その辺が他の世界王者と比べて高い評価を得られない原因だろう。
 サントスは右ボクサーファイター。右ストレートを伸ばして応戦していたが,ボディを打たれてあっさり退いてしまう情けなさ。1.4kgものウェイトオーバーということは,最初から戦う意思がなかったと見られても仕方ない。

     主審:福地勇治,副審:半田隆基&野田昌宏&中村勝彦
     ○亀田:24戦23勝(15KO)1敗     ●サントス:43戦25勝(14KO)15敗3分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:土井敏之

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                 2010年7月25日(日)    大阪府立体育会館第一競技場
                          ノンタイトル10回戦
                 WBA世界フライ級チャンピオン     メキシコ バンタム級(ノーランク)
                ○   亀田大毅    判 定    ロセンド・ベガ   ●
                        (亀田) 117 lbs               (メキシコ) 117 lbs

 開始早々からぐいぐいとプレッシャーをかける亀田。下がるベガの逃げ道を塞ぐように前に出て,左フック,アッパーを上下に見舞う。
 3回,ロープ際に下がったところにきれいなワンツーがヒットし,ベガは赤コーナーまで飛んでダウンを喫した。一気に勝負に出る亀田。終了間際にも右ストレートでのけぞらせた。
 5回,ベガが放った左から右のボディブローの直後に両者の足が交錯し,バランスを崩した亀田は尻餅をついてひやりとさせた。ベガもようやく手数が出るようになる。
 6回,前に出るベガを足でかわして左ジャブ,フックで迎え撃つ場面を見せる亀田。しかし,終盤は再び攻勢に出た。ぐいぐいと距離を詰め,執拗な左フック,アッパーでボディを狙う。10回,左フックのボディブローからプレッシャーをかけ,右ストレートでベガをのけぞらせる亀田。

 亀田が世界タイトル獲得後の第一戦を大差の判定勝ちで飾った。格下相手ではあったが,まずまずの動きである。左フックだけでなく,右ストレートに進歩が認められた。ボディブローを中心にプレッシャーをかけたり,足と左ジャブ,フックで捌きながら休んだりというメリハリが見られたことも大きい。
 ベガは右ボクサーファイターで右ストレート,左右フックを得意としている。亀田に比べれば小柄だが,足が良く動いて手数も多い。

採点結果 亀田 ベガ
主審:中村勝彦 *** ***
副審:福地勇治 100 90
副審:原田武夫 100 90
副審:宮崎久利 100 90
参考:MAOMIE 100 91


     ○亀田:19戦17勝(11KO)2敗
     ●ベガ:21戦17勝(12KO)4敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                     2010年7月25日(日)    大阪府立体育会館第一競技場
                                   10回戦
                  WBC世界L・フライ級10位    T   K  O     比国フライ級8位
                ○   井岡一翔        9回1分57秒    アルバート・アルコイ   ●
                       (井岡) 108 lbs                              (比国) 106 3/4 lbs
                       WBA12位

 初回,小柄なアルコイを追って鋭い左ジャブ,ストレートでプレッシャーをかける井岡。4回,井岡は左から右のワンツーでバランスを崩したアルコイを赤コーナーに詰め,攻勢に出る。アルコイも大きな左右フックで応戦するが,井岡はクリーンヒットを許さない。
 中盤でのKOシーンも期待されたが,しぶといアルコイに手を焼いた井岡は思惑どおりに試合を進められない場面が続いた。6回,打ち合いの中で左フックをヒットしてぐらつかせるが,アルコイも大きな左右フックを振って立ち向かう。ボディ攻撃で迫る井岡に対し,アルコイの右フックがカウンターでヒット。
 7回,井岡は左右アッパーのボディ攻撃で攻勢に出る。終盤には左からの右ストレートでぐらつかせて再び攻勢。さすがのアルコイも動きが鈍る。
 9回,ようやく決着がついた。右をミスした井岡はすぐに返した小さな左フックでぐらつかせる。粘るアルコイだが,ワンツーでロープに体を預けたところで宮崎主審が試合をストップした。

 世界を狙える逸材と期待される井岡だが,しぶといアルコイに手を焼いて未熟な面を露呈した。地元のファンの前で格好いいところを見せようとする意識が先行したためか,単調な攻撃に終始したことが拙戦の原因。アルコイが打ち気に出ると手数が止まってしまうことも目についた。ガードをガラ空きにして打ってくるので,カウンターを合わせるなどの対処方法があるはず。上ばかり狙い過ぎ,ボディブローが少ないことも気になる点。アルコイのような相手にはボディから崩すのが定石。6戦目での世界挑戦を実現させたい意向を示しているが,勉強すべきことは山のようにある。ファンは最短奪取記録など望んでいない。焦って挑戦しても良い結果は得られないだろう。
 アルコイは右ファイタータイプ。160cmという小柄だが,大きな左右フックを武器に果敢な攻撃を見せる。手数が多く,タフでしぶといことが特徴。

     主審:宮崎久利,副審:中村勝彦&野田昌宏&原田武夫
     ○井岡:5戦5勝(3KO)     ●アルコイ:22戦12勝(3KO)7敗3分
     放送:スカイA     解説:徳山昌守&浅沢英     実況:田野和彦

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                      2010年7月28日(水)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本S・ウエルター級3位      日本S・ウエルター級(ノーランク)
                ○   柴田明雄    判 定    渡辺浩三   ●
                        (ワタナベ) 154 lbs             (斉田) 153 1/4 lbs

 初回,渡辺は丹念に左ジャブを突きながら前に出て右フックを狙う。柴田はサークリングしながら左ジャブで様子見。2回に入ると柴田が左アッパーのボディブローから左ジャブを多用して試合をコントロールした。
 3回開始早々,柴田の左アッパーがローブローとされ,一時中断。再開後,左ジャブからボディへの右フックでチャンスを掴んだ柴田。飛び込みざまに左フックを一閃すれば,渡辺はたまらず腰から落ちてダウン。しかし,渡辺も負けてはいない。逆に左フックで柴田がひるむ場面が見られた。
 柴田は4回終了間際にバッティングで右目上をカットしたが,5回,フットワークを絡めた巧みなアウトボクシングで一気に差を広げた。サークリングしながら左アッパーのボディブローから左ジャブ,フックをヒットする。
 6回,柴田は右フックのボディブローでガードを下げさせ,上に右フックを切り返す。攻め倦んだ渡辺は手数が出ない。7回,左に回りながら左ジャブ,右ストレートを浴びせる柴田。左目上をカットした柴田はドクターチェックを受けるが,主導権は譲らない。
 8回,柴田の左ジャブ,右ストレートが冴える。軽快なフットワークで最後まで自分の距離を保った。

 日本,東洋太平洋の2冠を制した前王者・柴田が再起戦を飾った。サークリングしながらタイミングの良い左ジャブ,左アッパーのボディブロー,左フック,右ストレートを浴びせる見事なアウトボクシングである。強打の渡辺に的を絞らせない巧みな試合運びが光る。このクラスとしては珍しいスピード主体の右ボクサータイプで,重量級屈指のテクニシャンである。今年3月にチャーリー太田(八王子中屋)に敗れて王座を失ったが,再浮上のチャンスは十分にある。
 渡辺は右ファイタータイプで右フックにKOの威力を秘める。ラフなところはなく,左ジャブを突いて丁寧に組み立てるなど,オーソドックスな攻め方をする面がある。柴田のうまさに攻撃を封じられて完敗を喫したが,左ジャブを突いて流れを作る試合運びが印象的である。

採点結果 柴田 渡辺
主審:杉山利夫 *** ***
副審:染谷路朗 80 72
副審:福地勇治 79 72
副審:安部和夫 80 73
参考:MAOMIE 79 73


     ○柴田:21戦14勝(7KO)6敗1分
     ●渡辺:20戦13勝(8KO)6敗1分

     放送:スカイA
     解説:今岡武雄&渋谷淳
     実況:河路直樹

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                         2010年7月28日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本L・フライ級9位    T   K  O    日本L・フライ級(ノーランク)
                ○   田口良一     6回2分30秒     平川聖也   ●
                       (ワタナベ) 108 lbs                         (斉田) 107 1/2 lbs

 初回,上背で劣る平川が距離を詰めて左ジャブから左右フックで積極的に攻める。様子見の田口はガードを固めながら,左アッパーのボディブローを見舞う。
 しかし,2回に入ると田口が良く見ながら的確なパンチを返して主導権を握った。3回,田口は打ち合いに出る平川を迎え撃つように左ジャブ,右ストレートからボディに左右アッパーを浴びせる。2分過ぎ,左アッパーのボディブローに上体を折り曲げて耐える平川。
 5回,田口は良く見て左ジャブ,右ストレート。ボディへの左アッパーで平川の動きが止まる。
 6回,田口は右ストレートからボディに左アッパーを狙い打ちする。地力の差が明確になった。平川は左目上をカット。右ストレートがヒットしたところで浅尾主審が試合をストップした。

 田口がランカーの貫録を見せた。リーチに恵まれた右ボクサーファイターだが,接近戦にも長けている。相手の動きを冷静に見極め,ガードを固めながら右ストレートからボディへの左アッパーなどの多彩な攻撃を展開する。序盤こそ平川の手数に戸惑ったが,3回以降はテクニック,パンチ力の差を見せつけた。
 平川は右ファイタータイプで接近戦での打ち合いを身上としている。武器は左ジャブからの左右フックの連打。積極的な攻撃で迫ったが,田口に読まれて出バナにパンチをを打たれたことが敗因。ボディブローが効き,4回以降は手数が減った。

     主審:浅尾和信,副審:吉田和敏&福地勇治&杉山利夫
     ○田口:13戦12勝(4KO)1敗     ●平川:14戦7勝(2KO)7敗
     放送:スカイA     解説:今岡武雄&渋谷淳     実況:河路直樹

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