熱戦譜〜2010年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.05.01  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 八重樫 東  判定  武市晃輔
2010.05.01  日本スーパーフライ級
 暫定王座決定10回戦
 佐藤洋太  TKO7R  翁長吾央
2010.05.01 8回戦  細野 悟  TKO3R  ソニー・フォニー
2010.05.01 8回戦  岡田誠一  TKO3R  アビ・メティアマン
2010.05.08  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ウーゴ・カサレス  判定  名城信男
2010.05.09 10回戦  内藤大助  KO5R  リエンペット・ソーウィラポン
2010.05.17  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO6R  アンヘル・グラナドス

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                       2010年5月1日(土)    後楽園ホール
                       日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
               ○   八重樫 東     判 定    武市晃輔   ●
                       (大橋) 105 lbs                  (金沢) 105 lbs
                    WBA10位,WBC13位

 初回から最軽量級に相応しいスピーディな展開になった。武市は左ジャブから思い切ったワンツーを放つ。後半,八重樫の左フックに対応した武市がサウスポーにスイッチして左フックを打つ。これが命中し,八重樫はもんどり打ってダウンを喫した。
 勢いに乗った武市は2回にも好調なところを見せる。終盤には再びスイッチして左ストレートをヒットする。
 八重樫も落ち着きを取り戻すが,武市もトリッキーな動きで対抗する。一進一退の展開が続くが,5回に入ると八重樫がキャリアの差を見せ始めた。スピーディな左ジャブ,右フックでプレッシャーをかける八重樫。八重樫はさらに左アッパーのボディブローで徐々に攻め上げる。
 7回,八重樫はワンツーをヒット。好調だった武市がやや後手に回る。八重樫はワンツーを連発して積極的に攻め,主導権を握った。8回,すっかり余裕が出た八重樫に対し,武市は追い込まれる。左アッパーのボディブローが効いて,武市は苦しくなった。9回,八重樫は右ストレートからボディに左アッパー。10回,激しい打ち合いになるが,右ストレート,左右フックで武市の足元がわずかにふらつく場面が見られた。

 八重樫は2度目の防衛に成功。初回にダウンを奪われる苦戦となったが,落ち着いて徐々に主導権を奪回したことが勝因。武市のスピードに戸惑った面はあるが,キャリアの差がモノを言った。5回以降は単発ながらもワンツーや左ボディブローでダメージを与えた。欲を言えば,まとめたパンチが欲しいところ。
 武市はスピードのある右ボクサーファイター。得意の左ジャブ,ワンツーで思い切った攻撃を見せて善戦したが,八重樫の落ち着いたボクシングに屈した。変則的な動きを見せる面がある。

採点結果 八重樫 武市
主審:浅尾和信 *** ***
副審:土屋末広 95 94
副審:吉田和敏 97 94
副審:安部和夫 96 94
参考:MAOMIE 96 93


     ○八重樫:15戦13勝(7KO)2敗
     ●武市:13戦10勝(4KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:中野謙吾

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                      2010年5月1日(土)    後楽園ホール
                    日本スーパーフライ級暫定王座決定10回戦
               日本S・フライ級1位    T   K  O    WBA・WBC世界S・フライ級11位
            ○   佐藤洋太      7回0分32秒       翁長吾央   ●
                   (協栄) 115 lbs                              (大橋) 115 lbs

 世界ランカーの翁長が貫録を見せ,積極的な攻撃で序盤戦をリードした。初回,翁長は左ストレートからロープに詰め,左右ショートフックのスピーディな連打を浴びせる。
 2回,翁長のワンツーでぐらついた佐藤は苦しくなり,その後の展開は想像ができなかった。
 しかし,4回に入ると様子が変わり始めた。後手に回っていた佐藤が積極的な攻撃に切り替える。正面に立つ悪い癖が出た翁長は被弾が目立つようになった。終盤,左の打ち終わりに佐藤の右ストレートが決まり,翁長がのけぞる場面が見られた。
 5回,試合は完全に佐藤に傾いた。佐藤の右ストレートでのけぞる翁長。6回,右ストレートでぐらつく翁長。勢いに乗る佐藤は攻勢に転じる。左目が塞がった翁長はドクターチェックを受ける。
 7回,このままでは不利と見て挽回を狙う翁長だが,左目上の腫れで視界が乏しいのか,右ストレートを食う場面が目立つ。再びドクターチェックのために中断。結局続行不能とされ,中村主審はここで試合をストップした。

 下馬評を覆し,佐藤が暫定王座を獲得した。世界ランカーの翁長を破る堂々たる勝利である。右ボクサーファイターで右ストレートを武器としている。序盤こそ後手に回ったが,中盤から積極策に切り替えたことが勝因。サウスポー殺しの右ストレートを多用し,思い切りの良さで翁長を追い込んだ。後手に回らず,積極的に攻めることが大事である。
 圧倒的有利を予想されていた翁長だが,まさかのプロ入り初黒星となった。サウスポーのボクサファイターで,左ストレートにKOを生む威力がある。しかし,正面に立ち,佐藤の右ストレートを許したことが敗因。せっかくの序盤のリードだったが,これで流れが変わってしまった。攻撃も一本調子で,途中から佐藤に余裕を与えてしまった。

6回までの採点 佐藤 翁長
主審:中村勝彦 *** ***
副審:安部和夫 58 56
副審:島川威 57 57
副審:浅尾和信 58 57
参考:MAOMIE 58 57


     ○佐藤:21戦18勝(10KO)2敗1分
     ●翁長:17戦15勝(11KO)1敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:藤田大介

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                       2010年5月1日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
              WBA世界S・バンタム級9位    T   K   O   インドネシア フェザー級7位
             ○   細野 悟        3回2分57秒     ソニー・フォニー   ●
                    (大橋) 128 lbs                            (インドネシア) 126 1/2 lbs

 開始早々からプレッシャーをかける細野。慎重なフォニーをニュートラルコーナーに追い込み,左右フックをボディに狙う。
 2回,細野の左右フック,右ストレートでフォニーはロープに腰を落としてピンチを迎え,クリンチで逃れる。
 3回,細野がプレッシャーを強める。フォニーも機を見て右ストレート,左フックを返すが,細野は動じない。ロープ際での右ストレートをボディに受けたフォニーは間をおいてダウン(カウント8)。細野の追撃に横を向き,腰にしがみついて耐えるフォニーはヘディングで減点された。赤コーナーを背負ったフォニーは左右フックで崩れるように2度目のダウン。ここで吉田主審が試合をストップした。

 今年1月の世界挑戦でプンサワット・クラティンデンジム(タイ)に敗れた細野がTKOで再起を飾った。パワーの差でねじ伏せた細野らしい勝ちっぷりである。パンチは健在だが,もう少し強弱をつけたメリハリが欲しいところ。接近するまでの工夫がないと,世界レベルで思惑通りの攻撃を展開することは難しいだろう。
 フォニーは右ボクサーファイター。細身から繰り出す右ストレート,アッパー,左フックにはスピードがある。しかし,細野のパンチ力に腰が引けてしまい,最後は半ば戦意を失ったように見えた。

     主審:吉田和敏,副審:土屋末広&島川威&中村勝彦
     ○細野:18戦17勝(13KO)1敗     ●フォニー:11戦7勝(1KO)3敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:加藤聡

※ 第3ラウンド,ヘディングによってフォニーは減点1。

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                      2010年5月1日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
               日本S・フェザー級4位    T   K   O   インドネシア S・フェザー級9位
             ○   岡田誠一      3回0分55秒     アビ・メティアマン   ●
                   (大橋) 131 1/4 lbs                        (インドネシア) 130 3/4 lbs

 初回,早くも接近戦での打ち合いになる。岡田の左アッパーをボディに受け,メティアマンの動きが止まる。右アッパーから上下への左アッパー,フックで迫る。終了間際にはメティアマンの右フックも決まる。
 2回,思わぬ波乱が起きた。初回とは打って変わって左ジャブを突きながら中間距離からジックリ攻める岡田。しかし,足を止めての打ち合いでガラ空きになったアゴにメティアマンの右フックを食い,右膝を折るようにダウンを喫した(カウント8)。大きな左右フックにふらついてコーナーからロープ伝いに逃れる岡田。辛うじてゴングに救われた。
 3回,岡田が奮起した。右ストレートをもらった岡田はダメージを引きずるが,パワーで徐々に押し返す。ロープを背負ったメティアマンのレバーに左アッパーを一閃。カウンターの強烈なボディ打ちに崩れ落ちたメティアマンはマウスピースを吐き出して悶絶する。安部主審はカウント途中で試合をストップした。

 今年2月の日本タイトル挑戦で三浦隆司(横浜光)に敗れた岡田の再起戦。強烈な左ボディブローでメティアマンを沈めたが,右フックで不覚のダウンを喫するなど反省点が多い試合内容である。接近するまでのパンチが出ず,正面に立って自らピンチを招く場面が目立った。元々ガードが低いので,正面に立つのは非常に危険。パンチ力は魅力だが,ディフェンスの強化が最大の課題だろう。
 メティアマンは右ファイタータイプ。左右フックを武器としているが,脇がやや甘い面がある。

     主審:安部和夫,副審:吉田和敏&中村勝彦&浅尾和信
     ○岡田:12戦11勝(7KO)1敗     ●メティアマン:32戦16勝(7KO)14敗2分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:加藤聡

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                  2010年5月8日(土)    大阪府立体育会館第1競技場
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)               チャンピオン
                ○   ウーゴ・カサレス    判 定    名城信男   ●
                         (メキシコ) 115 lbs                  (六島) 115 lbs

 序盤の名城は左ジャブから右ストレートあるいは左フックからの右ストレートという積極的な攻撃でリードした。慎重な立ち上がりを見せるカサレスに対し,名城はタイミングの良い左ジャブを決める。3回には右ストレート,左フックをヒット。さらに右ストレートでカサレスの腰が落ちる。終了間際にはコーナーに詰めて攻勢に出る名城。
 3回までは完全に名城のペースで進んだ。しかし,4回に入るとカサレスが動きながら先手先手の攻めに切り替える。ここから試合の流れが急に変わった。一方の名城は前に出るものの手数が出ない。カサレスはそれを見透かしたようにガードの上からでも手を出し,徐々にポイントを挽回した。
 6回,カサレスは左右アッパー,サウスポーにスイッチして右アッパー,左ストレートをコツコツと当てて完全に主導権を握った。まともには打たせていない名城だが,左ジャブが出ず,連打することができない。
 9回,疲れが見えるカサレスだが,動きながら上下への左アッパーから右ストレートを出バナに浴びせる。この回は明白にカサレスが押さえたラウンドとなった。10回もカサレス。名城は動きが鈍り,被弾する場面が多くなる。
 12回,死力を振り絞った打ち合い。前に出て必死にパンチを出す名城だが,カサレスの左右アッパー,ストレートが上回った。

 激しいパンチの応酬が続く好ファイトになったが,名城は3度目の防衛に失敗。3回までは積極的な攻撃で主導権を握ったが,4回からはカサレスに先手を取られて後手に回る場面が目立った。左ジャブが出ていれば,連打につながって中盤以降の展開が違うものになっていたはず。前に出ている割に手が出ず,カサレスに動きを読まれて出バナを叩かれたことが敗因。中盤以降のカサレスはやや失速の兆候を見せていただけに,もう少しボディブロー中心に手数が出ていたらと悔やまれる。
 カサレスは右ボクサーファイターだが,昨年9月の第1戦と同様に頻繁な左へのスイッチを繰り返した。序盤こそ慎重な姿勢を見せたが,4回以降は作戦を切り替えて自ら流れを変えた。この辺りは試合巧者の面目躍如である。ただし,後半のスタミナ不足が弱点だろう。

採点結果 カサレス 名城
主審:ラッセル・モラ(米国) *** ***
副審:グレン・フェルドマン(米国) 117 111
副審:ラウル・カイズ(米国) 117 111
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 115 113
参考:MAOMIE 116 112


     ○カサレス:39戦31勝(22KO)6敗2分
     ●名城:16戦13勝(8KO)2敗1分

     放送:テレビ大阪
     解説:徳山昌守
     実況:植草結樹

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                      2010年5月9日(日)    後楽園ホール
                              10回戦
               WBC世界フライ級3位    K      O     タイ国フライ級(ノーランク)
             ○   内藤大助     5回2分12秒    リエンペット・ソーウィラポン   ●
                     (宮田) 115 lbs                          (タイ) 114 3/4 lbs

 初回,足を踏み鳴らす独特のフェイントで迫る内藤。リエンペットの右アッパーに右フックを合わせる。
 2回,リエンペットの右フックを受けてバランスを崩した内藤は苦笑い。リエンペットは内藤の入り際に右ストレートをヒット。軽いパンチだが,これは要注意だ。
 3回に入るとパンチのタイミングが合い始める内藤。右ストレートからの左フックがヒットする。
 4回,内藤はバッティングで左目上をカットするが,左右フックのボディブロー,右ストレートで主導権を握る。終盤には右アッパーから攻勢に出た。
 そして5回,開始早々の左アッパーがボディに決まり,イヤな表情を浮かべるリエンペット。それを察知した内藤は一気に攻勢。激しい打ち合いになるが,左でボディを軽く叩いた内藤が右フックを打ち込めば,リエンペットはたまらず膝をついてダウン(カウント8)。立ち上がって応戦するが,内藤の詰めは鋭い。連打に次ぐ右フックのボディブローで大の字に沈むリエンペット。これも再開に応じて喝采を浴びるが,もはやここまで。内藤が左右フックを浴びせたところで福地主審が試合をストップした。

 内藤が亀田興毅(亀田)に敗れて以来の再起戦を見事なKOで飾った。右ストレート,フックを食う場面があったが,3回にはタイミングが合い始めた。フェイントを織り交ぜた攻撃は健在。フィニッシュにつなげた連打は鮮やかだった。特に右から切り返す左フックが良かった。動きを止めず,フェイントをかけながら攻めることを前面に押し出すのが良いだろう。
 リエンペットは右ストレート,フックにパンチ力がある右ボクサーファイター。2回にはこのパンチで内藤を脅かした。しかし,まともに打ち合っては内藤が数段上だった。過去に八重樫東(大橋)あるいは金田淳一朗(白井具志堅)と対戦して敗れているが,侮れない相手である。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&吉田和敏
     ○内藤:42戦36勝(23KO)3敗3分     ●リエンペット:25戦18勝(10KO)7敗
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:土井敏之

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                      2010年5月17日(月)    さいたまスーパーアリーナ
                      WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K  O    挑戦者(同級13位)
                ○   内山高志    6回1分42秒    アンヘル・グラナドス   ●
                        (ワタナベ) 130 lbs                      (ベネズエラ) 129 1/4 lbs

 開始早々から内山が左ジャブを上下に打ってプレッシャーをかけ,右フック,ストレートで早くもグラナドスをロープに追い込む。グラナドスも左ジャブで応戦する。
 2回,腰高のグラナドスに対し,内山は左アッパーをボディに。リング中央で左からの右フックが決まる。
 3回,内山は右ストレートでボディを叩く。さらに中盤,右フックがテンプルに決まり,グラナドスの膝が揺れる場面が見られた。
 6回,内山が豪快なワンパンチで試合を決めた。プレッシャーをかけ続ける内山。グラナドスも左ジャブ,右ストレートで応戦するが,パンチは届かない。ニュートラルコーナー付近で左ジャブから踏み込んで右フックを一撃すれば,グラナドスはロープ際でたまらずうつ伏せにダウン。アバインザ主審は立ち上がったところでファイティングポーズを取るように促すが,グラナドスはこれに応じる気配を見せずストップされた。セコンドが抗議したが,これは妥当な処置だろう。

 内山が豪快なワンパンチで初防衛に成功した。左ジャブ,右ストレートあるいはボディへの右フックでプレッシャーをかけ,立ち上がりから主導権を握った。フェイントを多く取り入れ,左ジャブを使いながら積極的に攻撃を展開した。試合を決めた右フックは左ジャブからすかさず打ち込んだパンチ。これをまともに食らっては堪らない。
 グラナドスは185cmという破格の長身を誇る右ボクサータイプ。長いリーチから繰り出す左ジャブ,右ストレートを武器としている。ときおり右ストレートで応戦したが,内山のプレッシャーに押されて終始後手に回った。

5回までの採点 内山 グラナドス
主審:シルベストレ・アバインザ(比国) *** ***
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 50 45
副審:ラウル・カイズ(米国) 49 46
副審:デレク・ミルハム(豪州) 49 46
参考:MAOMIE 50 45


     ○内山:15戦15勝(12KO)
     ●グラナドス:27戦18勝(8KO)9敗

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&内藤大助
     実況:斉藤一也

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