熱戦譜〜2010年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.03.06  東洋太平洋フェザー級
 王座決定12回戦
 松田直樹  判定  ビンビン・ルフィーノ
2010.03.06 8回戦  五十嵐俊幸  TKO6R  アベル・オチョア
2010.03.06 8回戦  山中慎介  KO1R  森本一春
2010.03.07 10回戦  大場浩平  判定  エリック・バルセロナ
2010.03.07  日本バンタム級
 王座決定10回戦
 安田幹男  TKO2R  児玉卓郎
2010.03.07 8回戦  林 翔太  TKO2R  ニンダム・シットサイトーン
2010.03.09  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ロッキー・フェンテス  判定  大久保雅史
2010.03.25  東洋太平洋&日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 チャーリー太田  TKO8R  柴田明雄
2010.03.25 8回戦  和宇慶勇二  判定  塩谷智行
10 2010.03.25 6回戦  竹内佑典  判定  梅津宏治
11 2010.03.27  WBC世界フライ級
 王座統一12回戦
 ポンサクレック・ウォンジョンカム  判定  亀田興毅

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                        2010年3月6日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フェザー級王座決定12回戦
                   WBC世界フェザー13位       東洋太平洋フェザー級1位
                ○   松田直樹    判 定    ビンビン・ルフィーノ   ●
                        (帝拳) 126 lbs                (比国) 124 1/2 lbs
                                        比国フェザー級チャンピオン

 右の松田,左のルフィーノという対照的な両者の顔合わせ。ともに慎重な立ち上がりを見せたが,先に強打を爆発させたのはルフィーノ。3回,ルフィーノが忙しく動き始め,左ストレートから素早く回り込んで右フックを放つ。動きに対応できない松田は終盤に左フックを受けて体を泳がせる。左ストレートから左アッパーを追い打ちされた松田はロープ際で崩れるようにダウン。カウント8で立ち上がったが,松田は足がもつれてゴングに救われた。
 4回,ダメージを引きずる松田。フィニッシュを狙うルフィーノは左ストレート,アッパーを振って攻勢。松田は右目上をカットするハンデを負う(ルフィーノの有効打による傷)。しかし,中盤に松田が放った右ストレートでルフィーノは腰から落ち,両グラブをついてダウンを取られた。起死回生の右ストレートだった。
 5回,松田は伸びる左ストレートに苦しむが,ルフィ−ノが不用意に出たところに右ストレートを決めてダウンを奪う。効いているルフィーノに松田が攻勢を仕掛ける。カウンター気味の右ストレートが決まり,腰から落ちたルフィーノはもんどりう打ってこの試合3度目のダウンを喫した。
 6回,再びルフィーノが調子を取り戻した。鋭く伸びる左ストレートに苦しむ松田。ルフィーノは軽く足を動かしながら左ストレート,アッパー,回り込んで右フックを浴びせる。
 7回はルフィーノが松田の右ストレートでぐらついて足がふらつく場面を見せたが,終盤は松田が待っているところにルフィーノが左ストレート,アッパーを返す。
 リードして終盤戦を迎えた松田だが,ダメージと疲労で精彩を欠く場面が目立った。11回,逆に元気が出たルフィーノは松田が出るところに左ストレート,アッパー,右フックを浴びせる。右目上と鼻からの出血で苦しくなる松田。ロープ,コーナーを背負った松田は足の動きが衰え,終了間際にはクリンチで窮地を脱した。
 12回,ロープに下がる松田にワンツーを浴びせて攻勢に出るルフィーノ。ロープを背負った松田は左ストレートでのけぞる。動きが鈍って苦しい展開のまま終了ゴングを聞く松田。

 両者合計4度ダウンという激戦の末,松田が難敵ルフィーノを破って日本タイトルに続いて東洋太平洋王座を獲得した。前に出て右ストレートを浴びせたが,ルフィーノの良く伸びる左ストレートに苦しんだ。右目上と鼻からの出血に加えてダメージの蓄積で終盤は苦しい展開を強いられたが,2−1の勝利は執念の賜物だろう。
 ルフィーノはサウスポーのボクサータイプ。ロングレンジから放つ伸びの良い左ストレート,アッパーが武器。柔軟な上体と良く動く足が強味になっている。2006年9月に宮田芳憲(角海老宝石)を左一発で沈めたように,リーチを生かした左ストレートに威力がある。

採点結果 松田 ルフィーノ
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 114 111
副審:レイ・ダンセコ(比国) 111 114
副審:安部和夫 114 112
参考:MAOMIE 113 112

     ○松田:45戦32勝(13KO)8敗4分1無効試合
     ●ルフィーノ:42戦28勝(13KO)11敗3分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                     2010年3月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本フライ級2位    T   K  O    メキシコ フライ級(ノーランク)
             ○   五十嵐俊幸    6回2分38秒     アベル・オチョア   ●
                      (帝拳) 113 lbs                         (メキシコ) 112 3/4 lbs

 試合は初回から五十嵐のペースで進んだ。前に出て右ストレート,左フックで迫るオチョアだが,スピードの差は歴然。2回終了間際,ニュートラルコーナーに下がった五十嵐はボディ攻撃で迫るオチョアの隙を突いて左ストレートを一閃。ガラ空きのアゴに痛烈なカウンターを打ち込まれたオチョアは右膝を折るように腰から落ちてダウン。足元がふらつくが,辛うじてゴングに救われた。
 執拗に前に出るオチョアを足で捌き,出バナにパンチを浴びせる五十嵐。5回,オチョアの実力を見切った五十嵐は初めて自ら攻勢を仕掛けた。ロープに詰めて左ストレート,右フックのボディブローで攻め込む。
 6回,五十嵐が一気に攻めて出る。赤コーナーからロープに詰めて手数で押す五十嵐。バッティングで右目上をカットしたオチョアはドクターチェックを受ける。ほどなく再開されたが,五十嵐の左ストレート,右フックが飛ぶ。ワンツーが決まったところで土屋主審が一方的な試合をストップさせた。

 五十嵐がスピードの差を見せつけて圧勝。立ち上がりは足とスピードでオチョアの前進を捌き,実力を見切った5回以降は自ら積極的に攻めた。見事なギヤチェンジと言える。左ストレート,上下への左右フックなどのコンビネーションブローが冴え,会心の勝利だろう。日本タイトル再挑戦に向けて,絶好のアピールとなったはず。
 オチョアは右ファイタータイプ。執拗に前に出て右ストレート,ボディへの左右アッパーを連打する。しかし,ベタ足のため動きは鈍重。五十嵐とのスピードの差は歴然で,出バナにパンチを浴び続けた。

5回までの採点 五十嵐 オチョア
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 50 44
副審:安部和夫 50 46
副審:ビニー・マーチン 50 44
参考:MAOMIE 50 44


     ○五十嵐:12戦10勝(8KO)1敗1分
     ●オチョア:29戦15勝(11KO)14敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                      2010年3月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                日本バンタム級2位    K      O    日本バンタム級(ノーランク)
             ○   山中慎介     1回1分44秒     森本一春   ●
                   (帝拳) 120 1/4 lbs                        (江坂) 120 lbs

 初回,右ストレートで上下を狙って前に出る森本。しかし,山中も左ストレートでボディを脅かす。山中は矢のようなワンツーから右フックをヒットして森本を下がらせた。なおも左ストレートで追う山中。リング中央でガードが下がった瞬間,狙い澄ましたような左ストレートがアゴに炸裂。このワンパンチで森本はたまらず腰から落ちてダウン。すぐさまタオルが投入され,呆気なく試合が終わった。

 短い試合だったが,スリル満点の好ファイトとなった。山中はこれで5連続KO勝ち。圧巻の速攻だった。左ストレートの切れ,タイミングは抜群。天性のシャープなパンチに加えて,倒すコツを完全に身につけたと言える。何よりも自信を持ったことが大きい。右で距離を測って放つ矢のような左ストレートが最大の武器だが,上から突き刺すように独特の角度から放たれる右フックとも右ストレートともつかないパンチを持っている。これも強力な武器である。アマチュア(南京都高→専大)でも高い評価を受けた逸材が,いよいよプロらしく成長した。破壊力,スピードが増して,タイトル挑戦がさらに楽しみになった。
 森本は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。その右ストレートを上下に放って前に出たが,山中が左を狙って前に出ると呑まれたように押されてしまった。果敢に挑んだが,残念ながら実力の差は歴然だった。

     主審:中村勝彦,副審:葛城明彦&ほか2名不明
     ○山中:13戦11勝(7KO)2分     ●森本:16戦9勝(1KO)4敗3分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:寺島淳司

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                     2010年3月7日(日)    名古屋国際会議場
                              10回戦
                  WBC世界バンタム級3位         比国S・フライ級1位
                ○   大場浩平     判 定   エリック・バルセロナ   ●
                       (大一スペ-スK) 121 lbs              (比国) 119 1/2 lbs
                        WBA9位

 積極的に攻め立てるバルセロナの前進を足でかわし,左ジャブを突く大場。バルセロナはサウスポースタイルから左ストレート,ボディへの右フックを放つ。
 2回以降は大場が主導権を握る。力を籠めた左ストレート,左右フックで攻め込むバルセロナ。大場はロープを背にボディに左フック,左右アッパーを打ち返す。バルセロナの突進を迎撃するかのような巧みな試合運びが光った。
 唸り声を発しながら手数を多く出すバルセロナだが,5回,大場はロープ際でスルリと体を入れ替えて左右アッパーでボディを叩く。わずかに動きが鈍るバルセロナ。
 大場は7回にバッティングで右目上をカットするが,8回には右ストレートのカウンターをヒット。バルセロナも左ストレートを返すが,大場はすぐに左ジャブでペースを取り戻した。
 9回開始早々,バルセロナの左ストレートが大場の出バナにヒット。ここまでかなりボディを打たれているはずのバルセロナだが,逆に足の動きが良くなる。前に出る大場に対して右ジャブ,ボディへの右フック,顔面への左ストレートを浴びせてしぶといところを見せた。
 10回,大場は足を止めて左右フックを下から上に連打する。中盤,大場の左フックがカウンターになり,バルセロナの動きが一瞬止まる。しかし,タフなバルセロナを最後まで倒せなかった。

 世界挑戦を目指す中部の雄・大場。危なげない勝利だが,タフなバルセロナを倒し切れず,やや持て余す場面も見受けられた。左右フック,アッパーのボディブローを多用したが,思いのほかタフなバルセロナはその都度反撃した。ときおり良いパンチがヒットしてバルセロナの動きが鈍る場面があったが,まとめ打ちでストップを呼び込むようなテクニックが欲しい。世界を目指すホープと言われて久しいが,もう一皮剥けた姿を見せることが要求されるだろう。
 バルセロナはサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,フックを上下に打ち,どんどん手を出す。あれだけボディを打たれても足が良く動いて手数が止まらないのは驚異的である。左ストレートを打って攻め込むときに両足が揃ってしまう欠点がある。

採点結果 大場 バルセロナ
主審:浅尾和信 *** ***
副審:石川和徳 97 93
副審:堺谷一志 97 94
副審:福地勇治 97 95
参考:MAOMIE 98 92


     ○大場:28戦27勝(11KO)1分
     ●バルセロナ:72戦50勝(18KO)17敗5分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士&星野敬太郎
     実況:伊藤敦基

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                          2010年3月7日(日)    名古屋国際会議場
                            日本バンタム級王座決定10回戦
                  WBC世界バンタム級8位    T   K   O    日本バンタム級1位
                ○   安田幹男        2回0分30秒     児玉卓郎   ●
                        (六島) 118 lbs                          (岐阜ヨコゼキ) 117 1/2 lbs

 開始早々から緊迫感が充満する展開になった。サークリングしながら鋭い左ジャブ,ストレートを連発する安田。児玉は右ストレートをヒットする。左フックでバランスを崩す安田。しかし中盤,アゴのガードが開いたまま攻め込んだところに左フックを合わされ,児玉の体が大きく泳ぐ。チャンスと見た安田は右ストレート,アッパーを浴びせて勝負を賭ける。引き倒した面はあるが,児玉が足をもつれさせて前に倒れたところで福地主審はダウンを宣告した(カウント8)。一気に仕留めにかかる安田。足がもつれてフラフラになりながらも必死に食い下がる児玉。右目上から出血(安田の有効打による傷)に見舞われ,やっとの思いでゴングに救われた。
 2回開始早々,大きなビハインドを背負った児玉が左右フックで果敢に攻め込む。しかし,アゴが上がったまま前に出たところに小さな左ショートフックを食う。追撃の右アッパーが飛ぶ。体を預けるように前に落ちる児玉。福地主審は押さえ込んだと見てスリップダウンとしたが,児玉のダメージの深刻さは誰の目にも明らかだった。
 再開後,定まらない足元で前に出て必死にパンチを繰り出す児玉。安田がこれに応じて激しい打ち合いが展開された。ダメージの色が濃い児玉。安田の左フックがヒットしたところで,福地主審が試合をストップした。

 短い試合だったが,一瞬たりとも目が話せないスリリングな好ファイトになった。
 初挑戦で安田が見事なTKOで王座奪取に成功した。パンチ力があってタフな児玉を相手に正面から打ち合って危ない橋を渡った面はあるが,パンチのシャープさの違いが明暗を分けた。右ボクサーファイターだが,どちらかというとボクサータイプに近い。サークリングしながら鋭い左ジャブ,ストレートを突いて流れを作る。最大の武器はカウンター気味の左フック。これは水平に放つものと,やや下からアッパー気味に突き上げるように打つものの2種類のパターンを持っている。左ジャブ,フックだけでなく,右ストレート,アッパーあるいはボディブローなどの豊富なバリエーションが強味になっている。タフの権化のような児玉をガタガタにさせたハードパンチは魅力的である。近い将来,世界挑戦も期待できる逸材として要チェックである。ただし,今後は無謀な打ち合いは避け,持ち味の足と左で組み立てるべきだろう。
 敗れはしたが,児玉は”岐阜の破壊王”としての意地を十分に見せた。安田が正面からの打ち合いに応じただけにチャンスは十分にあったが,コンパクトなパンチに屈したと言える。初回に食った左フックがすべてだろう。それ以降は足が追随しないままに標的になった。

     主審:福地勇治,副審:浅尾和信&坂本相悟&村瀬正一
     ○安田:22戦16勝(13KO)4敗2分     ●児玉:33戦21勝(15KO)7敗5分
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士&星野敬太郎     実況:高田寛之

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                          2010年3月7日(日)    名古屋国際会議場
                                   8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)    T   K  O    タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○   林 翔太         2回2分29秒    ニンダム・シットサイト-ン   ●
                        (畑中) 127 lbs                              (タイ) 125 1/4 lbs

 体格差を利して攻め込む林が初回から圧倒した。左ジャブからプレッシャーをかけて接近し,左右アッパーをボディに見舞う。後退しながらチャンスを窺うニンダムだが,プレッシャーをかけられて防戦に忙しい。終了間際,林は左右フック,左アッパーをボディに。
 2回,林が鮮やかに試合を決めた。左ジャブから左右アッパーをボディに集中して攻勢。左フックでニンダムから明白なダウンを奪うが,堺谷主審はスリップダウンとした。再開後,林は追撃の手を緩めず,左右アッパーに次ぐ連打を浴びせる。ニンダムはたまらず崩れるようにダウン。堺谷主審は即座に試合をストップした。

 中部のホープ林が見事なTKO勝ち。体格差が追い風になった面はあるが,それを差し引いても会心の勝利と言えるだろう。左ジャブから落ち着いてプレッシャーをかけたことが良かった。左アッパー,右フックのボディブローで徐々に弱らせ,最後は連打で仕留めた。足を絡ませながら上下に打ち分けた攻撃は見事。アゴのガードが開くので,そこは要注意である。
 ニンダムは右ボクサーファイター。パワーのある林に押され,良いところが出ないままに後退を続けた。

     主審:堺谷一志,副審:坂本相悟&浅尾和信&福地勇治
     ○林:16戦13勝(9KO)3敗     ●ニンダム:18戦10勝(4KO)8敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                    2010年3月9日(火)    後楽園ホール
                   東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(同級1位)              チャンピオン
             ○   ロッキー・フェンテス   判 定   大久保雅史   ●
                     (比国) 111 1/2 lbs               (青木) 112 lbs
                                         WBC8位

 パンチ力で勝るフェンテスが初回から積極的に攻める姿勢を見せた。キャンバスをしっかり踏み,右ストレートから強烈な左アッパーのボディブローで迫る。ボカレ主審はローブローと見て注意したが,これは低くない。
 2回終了間際,大久保は落ち着いてパンチを返すが,バッティングで左目上をカットするハンデを負った。
 3回,大久保は右フックのカウンターを決める。しかし,フェンテスは左ジャブ,右ストレート,左フックを浴びせて前に出る。終了間際にはフェンテスの左フックがヒット。
 大久保はまともにパンチをもらってはいないが,手数が少ない。7回は明白にフェンテスのラウンドとなった。フェンテスはバッティングで右目上をカットするが,ワンツーから左アッパーを連打して大久保を後手に追い込んだ。
 大久保は8回に右ストレート,左右アッパーを放って挽回。しかし,9回以降はフェンテスが手数で主導権を掌握した。11回,フェンテスは出入りを生かして右ストレート,上下への左右アッパーを放ち,アマチュア75戦というキャリアで鍛えたうまさを見せた。12回,ともに決め手がないまま終了ゴングを聞いた。

 大久保は4度目の防衛に失敗。フェンテスの強打を警戒して手数が少なかったことが敗因。しっかりガードを固めて対応していたが,決定的なポイントにつながる攻撃ができなかったことが響いた。
 フェンテスは右ボクサーファイター。右ストレート,左右アッパーを得意としており,手数が多いことに加えてパンチには伸びと切れがある。多用していた上下への左アッパーは非常に鋭いパンチである。

採点結果 フェンテス 大久保
主審:ブラッド・ボカレ(豪州) 114 114
副審:浅尾和信 116 114
副審:セベリノ・ネセサリオ(比国) 115 113
参考:MAOMIE 117 112

     ○フェンテス:31戦23勝(14KO)6敗2分
     ●大久保:20戦16勝(5KO)3敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修&内藤大助
     実況:新夕悦男

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                      2010年3月25日(木)    後楽園ホール
                 東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(OPBF4位)    T   K   O    チャンピオン
              ○   チャーリー太田     8回2分26秒    柴田明雄   ●
                    (八王子中屋) 153 3/4 lbs                  (ワタナベ) 153 1/2 lbs
                   日本S・ウェルター級1位

 スピーディなボクサータイプ柴田と豪腕・チャーリーという対照的な両者。中盤までは柴田のアウトボクシングが冴え,ほぼ王者のペースで試合が進んだ。初回,柴田は足を使って距離を取り,左ジャブから肩越しに右ストレートを放つ。
 3回,柴田はチャーリーの出バナに右アッパーを突き上げる。さらにボディに左アッパーを打ち,ワンツーにつなげた。緊迫した展開が続くが,4回,思うように距離を詰められずに苛立ったチャーリーは揉み合いからすくい投げで柴田をキャンバスに落下させてしまい,福地主審から注意を受けた。一方の柴田は冷静さを保ち,足で撹乱しては出バナに右ストレート,アッパーを浴びせた。
 5回,柴田はセコンドの指示に応答するかのように左ジャブを突き始める。柴田の左アッパーが低く入って一時中断するが,次の左アッパーは見事にボディを抉った。チャーリーは攻め倦んで手数が出ない。
 6回,相打ちの右ストレートで柴田の動きが一瞬止まる。パワーで勝るチャーリーがようやくプレッシャーをかけ始めた。
 7回,再び足で撹乱する柴田は左右ショートフックを連打。チャーリーが右アッパーをミスした瞬間を捉え,左フックをクリーンヒットした。
 ここまでの展開はほぼ柴田のペース。しかし,8回に思わぬ落とし穴が待っていた。このままでは勝利は望めないと見たチャーリーがプレッシャーを強める。ここでバッティングにより柴田が右目上をカットしてドクターチェックを受ける。再開後,柴田が応戦して激しい打ち合いになるが,これが裏目に出た。大振りでガラ空きになったアゴにチャーリーの右フックが命中。ぐらついて柴田の腰が落ちる。右ストレートをフォローされた柴田はロープ際で崩れるようにダウン。逆転を狙って一気に攻勢に出るチャーリー。柴田はロープを背に必死の応戦を試みるが,左フックでロープにもたれたところに左右フックを追撃され,ここで福地主審が割って入った。

 柴田は初防衛に失敗。一発があるチャーリーに対して,足と左ジャブ,フック,右ストレートで突き放す作戦で7回までは思惑通りに進んでいた。しかし,疲れが見えた8回に色気を出し,挽回を狙うチャーリーと正面からの打ち合いに応じて墓穴を掘った。最後まで自分の試合展開を守れば勝てた内容だけに,悔いが残る結果となった。183cmの長身と長いリーチに恵まれている右ボクサータイプ。
 豪腕で鳴らすチャーリーは右ファイタータイプ。身長170cmだが,身長の割に長いリーチは柴田に対して見劣りしない。見事にビルドアップされた肉体から繰り出す右フックに一発KOの破壊力を持つ。柴田のアウトボクシングに接近を阻まれて手詰まり状態だったが,パワーのある選手は恐い。今までの試合は一発で倒す印象が強かったが,今夜は一発に頼らず徐々にダメージを積み重ねて後半にも倒せることを証明した。柴田の動きに鈍りが見えた8回に一気に勝負に出たことが勝利につながった。

7回までの採点 チャーリー 柴田
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 64 69
副審:安部和夫 64 69
副審:坂本相悟 64 69
参考:MAOMIE 65 68


     ○チャーリー:15戦13勝(10KO)1敗1分
     ●柴田:20戦13勝(7KO)6敗1分

     放送:スカイA
     解説:飛天かずひこ&渋谷淳
     実況:河路直樹

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                     2010年3月25日(木)    後楽園ホール
                            8回戦
                  日本S・ライト級6位        日本S・ライト級5位
              ○   和宇慶勇二   判 定   塩谷智行   ●
                      (ワタナベ) 142 lbs             (レパード玉熊) 142 lbs
                     和宇慶勇二=わうけ・ゆうじ

 サウスポー同士だが,超変則・塩谷とボクサータイプの和宇慶という対照的な顔合わせ。初回,塩谷は左ストレート,フックを浴びせて前に出る。和宇慶はバッティングで早くも右目上をカット。回り込んで塩谷の前進をかわしながら右フックを打つが,戸惑いは隠せない。しかし,終了間際には左ストレートからチャンスを掴んだ和宇慶がロープに詰めて攻勢に出る。
 2・3回,鼻からの出血にめげず,ひたすら前に出る塩谷。
 中盤からはバッティングで再三中断する場面があった。6回にもバッティング,塩谷のローブローで試合が中断。和宇慶は回り込んで右ジャブ,フック,さらにワンツーから右アッパーをボディに。
 7回,塩谷は執拗に前に出て攻撃を仕掛けるが,パンチは届かない。和宇慶は足を使い,右ジャブ,フック。終盤,ロープ際でワンツーを浴びせて攻勢に出る和宇慶。
 和宇慶は8回にも足を絡ませ,右ジャブ,フック,左ストレートで塩谷の突進をかわした。

 サウスポーのランカー対決となったが,下位の和宇慶が上位の塩谷を制した。
 和宇慶は足を使いながら右ジャブ,フック,左ストレートを放つ左ボクサータイプ。スピーディなパンチを身上としており,基本に忠実な試合運びをする。勝利者インタビューにおける真摯で礼儀正しい応対が好印象である。
 塩谷は和宇慶とは全く逆で超変則の左ファイタータイプ。愚直に前進を繰り返し,左ストレート,左右フックを振る。スピードはないが,タフで執拗な攻撃が売り物である。今夜は和宇慶の動きに追随できず,完敗となった。

採点結果 和宇慶 塩谷
主審:土屋末広 *** ***
副審:坂本相悟 79 74
副審:葛城明彦 78 74
副審:福地勇治 78 75
参考:MAOMIE 79 75


     ○和宇慶:16戦13勝(6KO)3敗
     ●塩谷:27戦12勝(8KO)14敗1分

     放送:スカイA
     解説:飛天かずひこ&石津純一郎
     実況:河路直樹

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                      2010年3月25日(木)    後楽園ホール
                              6回戦
                 日本フェザー級(ノーランク)        日本フェザー級3位
                ○   竹内佑典    判 定    梅津宏治   ●
                      (JB SPORTS) 128 lbs             (ワタナベ) 128 lbs
                     竹内佑典=たけうち・ゆうすけ

 ガードを固めて前に出る梅津。竹内は間合いを取って左ジャブ,ワンツー,左フックでこれを迎え撃つ。
 3回,梅津は押し込んで行くが,パンチは届かない。竹内は右フックのボディブローから左フックを返す。4回,前半は竹内が足を使って左ジャブ,ワンツーを浴びせるが,後半は梅津がプレッシャーをかけて右フックをヒットした。
 5回は梅津の攻勢が上回った。離れ際に右フックをヒットする梅津。
 6回,梅津は激しくプレスするが,竹内は足で捌き,左ジャブ,右ストレート,左フックを出バナに浴びせた。

 ノーランカーの竹内が元日本王者・梅津を破る見事な金星を上げ,うれしいランクインを確実にした。足を使い,左ジャブ,右ストレート,左フックを相手の出バナにまとめるのが得意の攻撃パターン。梅津の激しいプレスを受けたが,うまくパンチをまとめてポイントを奪った。パンチ力はないが,テクニックに優れる右ボクサーファイターである。
 梅津はフィジカルの強さが売り物の右ファイタータイプ。しぶとい乱戦を得意としている。今夜も執拗に食い下がったが,竹内の矢継ぎ早の攻撃に出足を止められる場面が見られた。

採点結果 竹内 梅津
主審:浅尾和信 *** ***
副審:飯田徹也 59 56
副審:安部和夫 58 57
副審:土屋末広 59 55
参考:MAOMIE 58 56


     ○竹内:17戦11勝(2KO)6敗
     ●梅津:28戦15勝(6KO)10敗3分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎&渋谷淳
     実況:河路直樹

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                          2010年3月27日(土)    後楽園ホール
                          WBC世界フライ級王座統一12回戦
                     暫定チャンピオン                正規チャンピオン
             ○   ポンサクレック・ウォンジョンカム    判 定    亀田興毅   ●
                       (タイ) 111 1/2 lbs                         (亀田) 112 lbs

 ポンサクレックが前に出て,亀田がこれを迎え撃つという展開で立ち上がる。ポンサクレックは左ストレートをボディに。さらに左ストレートから右アッパーを狙って前に出る。亀田も下がりながら右アッパーをボディに。
 2回,ポンサクレックの右フックがアゴに決まり,ぐらついた亀田は必死に抱きついて窮地を脱した。力を抜いた小さなパンチでプレッシャーをかけるポンサクレックが試合の流れを作った。
 5回,バッティングで右目上をカットするハンデを負った亀田は2度に及ぶドクターチェックを受ける。負傷判定を意識してピッチを上げたい亀田だが,思うように手数が出ない。
 8回,左ストレートからの右アッパーをアゴに受けてのけぞる亀田。コツコツと当ててポイントを積み上げるポンサクレックが,11回には同じ左ストレートからの右アッパーをヒットした。
 12回,亀田はガッチリとガードを固めて前に出るが,決定打が出ない。

 亀田は初防衛に失敗。ポンサクレックのパンチを警戒し,全般的に手数が少なかったことが敗因。これでポンサクレックにポイントが流れてしまったことが響いた。”青菜に塩”という感じの戦いぶりで,元気のなさが気になった。攻撃が単調で,ポンサクレックを崩すには不十分。やはり積むべきキャリアを迂回してここまで来たツケが回ったと言える。
 王座奪回に成功したポンサクレックはサウスポーのボクサーファイターで,ワンツー,右フック,アッパーなどの多彩な攻撃パターンを誇る。派手さはないが,ガードの上からでもコツコツと当ててポイントを積み重ねたテクニックが光った。

採点結果 ポンサクレック 亀田
主審:グアダルペ・ガルシア(メキシコ) *** ***
副審:プレドラク・アレクシク(モンテネグロ) 114 114
副審:ジョン・キーン(英国) 116 112
副審:マキシモ・デルカ(米国) 115 112
参考:MAOMIE 117 111


     ○ポンサクレック:79戦75勝(39KO)3敗1分
     ●亀田:23戦22勝(14KO)1敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土居敏之

※ 第5ラウンド,WBCルールによるポンサクレックの減点1を含む採点。
※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない選手に減点1を課す。

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