熱戦譜〜2010年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2010.02.06  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 三浦隆司  判定  岡田誠一
2010.02.06  日本フェザー級
 王座決定10回戦
 李 冽理  判定  高山和徳
2010.02.06 8回戦  鈴木 徹  判定  中真光石
2010.02.07  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田大毅  判定  デンカオセーン・カオウィチット
2010.02.08  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 清水智信  TKO7R  小林タカヤス
2010.02.08 8回戦  杉田純一郎  判定  福本雄基
2010.02.08 8回戦  加藤健太  TKO2R  鎧塚真也
2010.02.20 10回戦  坂田健史  KO1R  エリック・ディアス・シレガー
2010.02.20  東洋太平洋女子スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 山口直子  TKO9R  藤本りえ
10 2010.02.21 10回戦  闘将青木 誠  TKO5R  デディ・パンザー
11 2010.02.21 8回戦  大沢宏晋  判定  エディ・コマロ
12 2010.02.21 8回戦  川口 裕  TKO6R終了  ムハマド・アフリザル
13 2010.02.21  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 宮崎 亮  4R負傷引き分け  滝澤 卓
14 2010.02.21 8回戦  脇本雅行  判定  森島祐介

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                       2010年2月6日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
               ○   三浦隆司     判 定     岡田誠一   ●
                       (横浜光) 130 lbs                (大橋) 129 3/4 lbs
                     WBA11位,WBC13位

 左の三浦,右の岡田という強打自慢同士の対決は開始早々から緊迫した展開になった。三浦は細かく右ジャブを使い,左アッパーのボディブローから左ストレートでプレッシャーをかける。後半,左右アッパーから打ち合いになる。岡田もノーモーションの右ストレート2発で応戦。
 2回,三浦は多彩な攻撃で主導権を握った。ワンツーを受けてバランスを崩す岡田。三浦はさらに左アッパーのボディブローからタイミングの良い左アッパーをアゴに決めて岡田をぐらつかせる。
 4回にも三浦の左アッパーをアゴに受けた岡田がバランスを崩す場面が見られる。ここで三浦は大振りせず,力を抜いたワンツー,右フックをコツコツと当ててプレッシャーをかけながら強打を見舞うチャンスを窺う。
 5回,今度は岡田が積極的に出て右ストレート,左右アッパーで盛り返した。三浦はバッティングで右目上をカット。
 7回,岡田の左フックがカウンターになり,三浦のアゴが上がる。しかし,三浦は細かいワンツー,左右フックを連打して逆に前に出る。潜り込んで放った右アッパーから左ストレートがアゴに決まり,岡田がぐらつく。一気に攻勢に出る三浦。左右アッパーが効く岡田。
 8回,左アッパーが低く入り,三浦はローブローにより減点1を食う。9回,三浦は細かい連打で迫るが,岡田は右ストレート,左アッパーのボディブローでプレッシャーをかける。終了間際,右ストレート,左フックでマウスピースを飛ばした三浦は動きが鈍ってピンチ。
 10回,我慢大会のような死力を振り絞った打撃戦が続くが,手数が多い三浦がややリードした。

 ともに譲らぬ激しい打ち合いの死闘の末,三浦が2度目の防衛に成功した。左強打に依存する欠点がある三浦だが,今夜は多彩な攻撃を見せた。特に前半は左ストレートに加え,右フック,アッパーが良く出ていた。強打一辺倒ではなく,力を抜いたパンチを連打して機先を制していたのは大きな進歩だろう。細かいパンチと強打を織り交ぜた攻撃には,今までにない幅が感じられた。中盤以降は岡田の追い上げに苦しんだが,後半の落ち込みの克服が最大の課題だろう。修羅場を潜り抜けた経験は間違いなく生きるはず。
 岡田はアマチュア出身(横浜高→東京農大)らしからぬ激しいファイトと強打で定評のある右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックに威力がある。前半に先手を取られ,ポイントを奪われたことが響いた。後半の追い上げはわずかに及ばなかったが,こちらもキャリアを積めば非常に楽しみな存在である。

採点結果 三浦 岡田
主審:土屋末広 *** ***
副審:ビニー・マーチン 96 93
副審:島川威 96 94
副審:中村勝彦 94 96
参考:MAOMIE 95 94


     ○三浦:21戦18勝(14KO)1敗2分
     ●岡田:11戦10勝(6KO)1敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:寺島淳司

※ 第8ラウンドのローブローによる三浦の減点1を含む採点。

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                      2010年2月6日(土)    後楽園ホール
                      日本フェザー級王座決定10回戦
                 WBA世界フェザー級14位         日本フェザー級1位
                ○   李 冽理     判 定     高山和徳   ●
                      (横浜光) 125 1/2 lbs             (船橋ドラゴン) 125 3/4 lbs

 松田直樹(帝拳)が返上して空位となった王座を争う一戦。試合は序盤から積極的に攻める李のペースで進んだ。初回終盤には高山が入ろうとするところにタイミングの良い右アッパーがアゴに決まる。3回には高山がバッティングで左目上をカットする。
 4回,李が完全に主導権を握り,右アッパー,ストレートを浴びせて優位に立った。李のパンチを警戒して攻め倦む高山は手数が少ない。高山は前に出るか引くか迷って動きを読まれ,ジリジリと蜘蛛の糸に絡め取られるように李の術中に嵌った。
 中盤の高山はようやく右ストレート,フックを決めて応戦するが,流れを引き寄せるまでには至らない。
 8回終盤,右ストレートが効いてぐらつく高山。KOチャンスと見た李は一気に攻勢に出る。9回にも力が入った左右フックの応酬が続く。
 10回,高山は死力を振り絞るように相打ちの右ストレートを繰り出す。終了間際にも高山の右ストレートがヒットしたが,時すでに遅し。

 李が積極的な試合運びで念願のタイトルを手中にした。終始攻めの姿勢を崩さず,高山を後手に回らせたことが勝因。右ボクサーファイターでアウトボクシングにも打ち合いにも応じられる万能型のテクニシャンである。今夜は力が入った右ストレート,左右フックでプレッシャーをかけ続け,攻撃の糸口を与えなかった。右アッパーを効果的に使ったことにより,高山が消極的になったことも見逃せない。昨年7月に榎洋之(角海老宝石)を破ったことが自信につながっている模様。
 高山は右ボクサーファイターで,カウンター気味の右ストレートを得意としている。李の右アッパーを警戒して攻め倦む場面が目立った。迷って中途半端なボクシングに陥り,そこを老巧な李に突かれた。最終回にようやく自分から攻めたが,前半から思い切った攻撃が欲しかった。

採点結果 高山
主審:杉山利夫 *** ***
副審:安部和夫 97 95
副審:中村勝彦 97 94
副審:島川威 98 94
参考:MAOMIE 98 94


     ○李:17戦15勝(8KO)1敗1分
     ●高山:27戦17勝(4KO)6敗4分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                      2010年2月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                 日本S・フェザー級(ノーランク)       日本S・フェザー級11位
                ○   鈴木 徹     判 定     中真光石   ●
                      (横浜光) 128 1/2 lbs          (沖縄ワールドリング) 128 3/4 lbs

 上背で勝る中真が小気味良く左ジャブを突き,ワンツー,右ストレートのボディブローから立ち上がる。鈴木も左ジャブ,フックで応戦。中真は終了間際に鈴木をロープに詰め,ワンツーを浴びせるが,鈴木も右ストレートを返す。
 3回,ともに手数は多くないが,中真はワンツーからボディに左アッパーを決める。
 5回は鈴木が明確にポイントを奪う。中真のワンツーに対し,ボディへの左右フックで応戦する鈴木。終盤には激しい打ち合いになるが,鈴木の左フック,右ストレートで中真が一瞬ぐらつく場面が見られた。
 6回,鈴木はワンツーからロープに詰めて右ストレートのボディブロー。中真も右ストレートで応じるが,鈴木が上回った。
 8回,手数を多くして攻める中真。しかし,終盤に鈴木の右ストレートでのけぞる。鈴木はなおも右アッパー,左フックを浴びせて勝利を決定的なものにした。

 ともにチーフセコンドについているのが実父という両選手の顔合わせ。鈴木は右ファイタータイプで右ストレート,左フックが主武器。中真のパンチを警戒して前半は手数が少なかったが,後半は中真を迎え撃つかのように効果的なパンチでポイントを奪った。下半身が安定しており,攻撃力がある。待ちのボクシングに入らず,積極的に攻めることが大事。
 中真は右ボクサーファイターでアマチュア出身(沖縄尚学高→東洋大)らしく,基本に忠実な組み立てが特徴。左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーというオーソドックスな攻撃を身上としている。ややアップライトスタイルで良く手数が出るが,腰高な面がある。後半は鈴木にうまく合わされてしまった。

採点結果 鈴木 中真
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:安部和夫 79 74
副審:土屋末広 78 75
副審:杉山利夫 79 74
参考:MAOMIE 77 75


     ○鈴木:19戦18勝(4KO)1敗
     ●中真:17戦14勝(6KO)3敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                   2010年2月7日(日)    神戸ワールド記念ホール
                      WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級11位)                チャンピオン
                ○   亀田大毅    判 定    デンカオセーン・カオウィチット   ●
                         (亀田) 112 lbs                 (タイ) 110 3/4 lbs

 開始早々いきなり左フックを応酬する両者。終盤には早くも打ち合いになるが,亀田は打ち終わりを左フックで狙い撃ちした。
 デンカオセーンも負けてはいない。2回には右ストレートで亀田をロープに詰め,打ち下ろしの右ストレートを浴びせて攻勢。さらに左右フックでボディを叩く。
 5回,飛び込んでいきなり放った亀田の右ストレ−トが顔面を捉える。さらにロープに詰めて左右フックのボディ攻撃を見せる亀田。
 6回,デンカオセーンは密着して左右フックでボディを狙う。しかし,ホールディングで減点1を課せられた。これはクリンチであり,気の毒な減点。
 後半の失速が弱点として指摘されるデンカオセーンだが,案の定その兆候が表れた。7回2分過ぎ,再び飛び込んで放った亀田の右ストレートがヒットする。
 8回以降は亀田のペースで進んだ。デンカオセーンに太腿を抱えられた亀田はロープ際でもつれるように倒れる。右ストレートからデンカオセーンをロープに詰めて攻勢に出るが,体を預けられて自ら倒れ込む場面が続き,試合は盛り上がらない。元気がないデンカオセーンに対し,亀田の表情には余裕が窺えた。
 11回,デンカオセーンはホールディングを取られて2度目の減点。これもクリンチであり,デンカオセーンの表情には嫌気がさした様子がありあり。
 12回,気を取り直して必死の形相で反撃に出るデンカオセーンだが,亀田の攻撃で逆にポイントを奪われた。

 盛り上がりに欠け,世界戦としては技術的にも低調な試合内容となったが,亀田が3度目の挑戦でタイトルを獲得した。終始落ち着いて戦ったことが勝因。打ち終わりに合わせる左フック,飛び込みざまに放つ右ストレートあるいは脇腹への左フックが効果的だった。ただし,精彩を欠いたデンカオセーンに救われた勝利であり,前途は洋々ではない。
 デンカオセーンは3度目の防衛に失敗。序盤こそ右ストレートやボデイへの左右フックで攻勢を見せていたが,後半に失速する弱点は相変わらず。2度の減点はいずれもクリンチであり,ホールディングとしてしまうには気の毒だったが,特に11回の減点で気持ちが切れてしまったように見受けられた。

採点結果 亀田 デンカオセーン
主審:ラーセン・オウムガー(オランダ) *** ***
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 116 110
副審:パスカレ・プロコピオ(カナダ) 114 112
副審:グレン・フェルドマン(米国) 116 110
参考:MAOMIE 117 110


     ○亀田:18戦16勝(11KO)2敗
     ●デンカオセーン:51戦48勝(20KO)2敗1分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

※ 第6・11ラウンドのホールディングによるデンカオセーンの減点各1を含む採点。

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                       2010年2月8日(月)    後楽園ホール
                         日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(WBA12位)
                ○   清水智信   7回0分59秒     小林タカヤス   ●
                        (金子) 112 lbs                        (川島) 112 lbs
                       WBC6位                        WBC13位

 開始早々に大波乱があった。右を振って両者が入ろうとした瞬間,激しいバッティングが発生。清水が思わず膝をつく。ダウンと見た安部主審はカウントを開始するが,すぐにスリップダウンと訂正した。このバッティングで清水が左側頭部,小林が左目尻をカット。
 2回,再び右の相打ちで両者が交錯するが,清水の右ショートストレートが一瞬早く着弾し,小林は膝から落ちてダウン(カウント9)。清水は右カウンターを警戒して手が出しにくい小林の心理を見透かしたかのように左ジャブ,ワンツーを浴びせた。
 それ以降も清水の優勢は動かない。4回,コンスタントな左ジャブで接近を阻まれた小林は思うように戦えず,首をかしげる。清水の左ジャブ,ワンツーに対し,小林のパンチは空を切る。5・6回,清水の左ジャブが冴え,流血に顔面を染めた小林は策がない。
 7回,清水の左ジャブ,ワンツーでワンサイドゲームになった。手が出ず,後退する小林。右ストレートからのワンツーでロープを背にのけぞったところで安部主審が試合をストップした。無念の小林は泣いて抗議するが,これは妥当なストップだろう。

 清水,会心の勝利で3度目の防衛に成功。同じ世界ランカーの小林を全く寄せつけない見事な勝利である。タイミングの良い左ジャブをコンスタントに浴びせ,小林が目論む接近戦を阻んだことが勝因。左ジャブからのワンツー,右ストレートのカウンターやボディブローも効果的。多彩なパンチをタイミング良くまとめた最高の試合内容と言える。見極めの良さも光った。過去2度の世界挑戦に失敗しているが,今夜の試合内容ならば十分に3度目の挑戦も期待できるだろう。
 小林は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。接近戦で清水の動きを止めたかったが,左ジャブで出足を止められてしまったことが響いた。後手に回り,右のカウンターを警戒してさらに手が出なくなるという悪循環に沈んだ。

採点結果 清水 小林
主審:安部和夫 *** ***
副審:浦谷信彰 60 52
副審:島川威 60 52
副審:山田一公 60 53
参考:MAOMIE 60 52


     ○清水:20戦16勝(7KO)3敗1分
     ●小林:20戦15勝(2KO)3敗2分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:徳山昌守
     実況:竹下陽平

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                       2010年2月8日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本S・フライ級7位       日本S・フライ級10位
                ○   杉田純一郎   判 定   福本雄基   ●
                         (ヨネクラ) 115 lbs             (三谷大和) 115 lbs

 序盤,接近戦に前に出て右ストレートを放つ福本。足を使って迎え撃つ杉田はワンツーから右アッパーをヒット。
 3回,福本は右フックをヒット。さらに左フックも決まって流れを掴みかけるが,4回以降はほぼ杉田が主導権を握ったまま進んだ。5回,杉田は福本が飛び込むところに右アッパーを決める。さらに左アッパーをボディブローにヒットする。福本はホールディングで減点1。
 6回,揉み合うような打ち合いが続く。杉田は右ストレートからの連打で福本をロープ際に追い込む。7回,杉田は踏み込んで右アッパーを決める。福本は疲労が目立つ。
 8回,杉田は右ストレートから左右アッパーの連打で福本にロープを背負わせた。福本も負けじと右フックを返す。

 打ち合いになったが,出バナに的確なパンチを決めた杉田が大差の判定勝ちを飾った。杉田はワンツーをを得意とする右ボクサーファイター。左右アッパーを上下に打ち分け,特に出バナに合わせる右アッパーで福本の接近戦を阻んだことが勝因。持ち味のフットワークを絡めた攻撃を忘れないことが大事である。
 福本は右ファイタータイプ。右ストレート,左フックを武器とした果敢なインファイトを身上としている。最後まで良く食い下がったが,杉田に出バナを叩かれたことが敗因。

採点結果 杉田 福本
主審:染谷路朗 *** ***
副審:山田一公 80 74
副審:葛城明彦 78 74
副審:安部和夫 79 74
参考:MAOMIE 79 72


     ○杉田:18戦15勝(7KO)3敗
     ●福本:13戦10勝(3KO)3敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:徳山昌守
     実況:鈴木芳彦

※ 第5ラウンドのホールディングによる福本の減点1を含む採点。

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                      2010年2月8日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                日本ライト級(ノーランク)   T   K   O  日本ライト級(ノーランク)
              ○   加藤健太     2回0分12秒    鎧塚真也   ●
                    (三谷大和) 134 1/2 lbs                    (協栄) 134 3/4 lbs

 左ジャブの刺し合いから立ち上がった。右ストレートをかぶせ,左フックを返して積極的に出る加藤。鎧塚は鼻から出血して早くもタジタジ。さらに加藤は右ストレートからの連打でコーナーに追い込む。終盤,左フックでぐらついた鎧塚は右フックをフォローされてダウン。
 2回,加藤の攻勢は止まらない。開始早々に振り抜いた左フックがカウンターになり,たまらず後退する鎧塚。加藤が襲い掛かったところで浦谷主審が試合をストップした。

 パンチ力に定評がある右ファイター同士の対決。
 加藤は左フックを最大の武器としている。特に飛び込んで放つ左フックに非常に威力がある。右ストレートあるいは右アッパーも良く出る。思い切りの良さ,チャンスに一気に手が出ることが長所。これを生かすことが上位進出のカギとなる。
 鎧塚は左ジャブ,右ストレート,左フックを武器としており,こちらもパンチ力がある。しかし,加藤に先手を取られ,ガードが下がったところに左フックを合わされてしまった。

     主審:浦谷信彰,副審:中村勝彦&染谷路朗&ほか1名は不明
     ○加藤:11戦9勝(7KO)1敗1分     ●鎧塚:17戦11勝(5KO)5敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:徳山昌守     実況:立本真吾

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                        2010年2月20日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                 WBA世界フライ級7位    K      O   インドネシア フライ級チャンピオン
              ○   坂田健史      1回2分44秒    エリック・ディアス・シレガー   ●
                      (協栄) 112 lbs                          (インドネシア) 112 lbs

 開始早々から左右フックのボディブローでプレッシャーをかける坂田。シレガーはトリッキーな動きで応じるが,右ストレートからの左アッパーでボディを抉られてうずくまるようにダウン(カウント8)。立ち上がったシレガーに対し,一気に攻勢に出る坂田。ワンツーがアゴに決まり,シレガーは呆気なくうつ伏せにダウン。辛うじて立ち上がったものの朦朧として戦える状態ではなく,そのままカウントアウトされた。

 坂田が格下のシレガーをあっさりKOし,王座返り咲きへの狼煙をあげた。キャリアを積み,落ち着きのある試合運びが目立つ。右ストレート,ボディへの左右フックが威力を増し,パワーアップしたところをアピールした。ややスピード不足が気になるが,手数が多い長所は大事にするべきだろう。
 シレガーは右ボクサーファイターで長い手足が印象的。右ストレートを得意としているが,打たれ脆さが目立つ。

     主審:ビニー・マーチン,副審:熊崎広大&安部和夫&ウクリッド・サラサス
     ○坂田:43戦36勝(17KO)5敗2分     ●シレガー:27戦14勝(2KO)10敗3分
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:土井敏之

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                          2010年2月20日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋女子スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)    T   K   O     チャンピオン
                ○   山口直子     9回1分55秒     藤本りえ   ●
                       (白井・具志堅) 115 lbs                     (協栄) 114 3/4 lbs

 開始早々から男子顔負けの迫力ある打ち合いが展開された。左の刺し合いになるが,山口のタイミングの良い左ジャブが上回る。山口はさらに右フックでボディを叩く。
 4回,藤本が形勢をひっくり返す見事なダウンを奪った。正面に立ってしまう悪い癖が出た藤本は右ストレート,左右フックを受けて劣勢。しかし,リング中央で突き上げるような左ジャブから間髪入れずに放った藤本の右ストレート。この見事なワンツーが決まり,山口は仰向けにダウン(カウント8)。痛烈なダウンを喫した山口が打ち返し,激しいパンチの応酬が見られた。
 しかし,中盤以降はパワーで勝る山口が重量感溢れる攻撃で押し気味に進めた。7回,右ストレート,左フック,さらに右アッパーで藤本のアゴが上がる。藤本もワンツーで応戦するが,力負けという印象は拭えない。
 8回に入ると藤本の劣勢は明白になった。山口はウィービング,ダッキングからタイミングの良い左ジャブを的確にヒット。鼻からの出血で藤本はさらに苦しくなった。
 9回,山口が激戦に自らケリをつけた。左ジャブ,右ストレートを的確に決める山口。さらに右ストレートからボディへの左アッパーで追撃する。左フックで動きが止まった藤本に一気に襲いかかる山口。攻勢に晒された藤本がロープに詰まったところで土屋主審が試合をストップした。

 白熱した好ファイト。人気の盛り上がりが今一つという感じの女子ボクシングだが,この一戦のような試合が続けば見直されるだろう。
 山口は右ファイタータイプで重心が低くて安定感のあるスタイルが特徴。足が良く動くことが長所である。これでリズムを取り,ウィービング,ダッキングを繰り返しながらタイミングの良い左ジャブを多用する。この左ジャブによって自分のペースで試合を組み立てていることが非常に良い点。ガムシャラな打ち合いではなく,クレバーな試合運びが光る。右ストレートのボディブローや接近戦では右アッパーも出るなど,多彩な攻撃が強味である。女子ボクシングの牽引車になるべき素質を秘めており,注目株として今後の動向を見守りたい。
 藤本とは初防衛に失敗。右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートなどのストレート系のパンチに伸びがある。ワンツー主体の攻撃で良く応戦したが,山口のパワーと上下への打ち分けに屈した。

8回までの採点 山口 藤本
主審:土屋末広 *** ***
副審:安部和夫 77 74
副審:ビニー・マーチン 77 74
副審:熊崎広大 77 74
参考:MAOMIE (48) (46)


     ○山口:7戦6勝(6KO)1敗
     ●藤本:6戦4勝(2KO)2敗

     放送:TBS
     解説:佐藤修
     実況:杉山真也

※ 第2・3・5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                           2010年2月21日(日)    松下IMPホール
                                   10回戦
                   日本S・ライト級(ノーランク)    T   K  O   インドネシア S・ライト級(ノーランク)
                ○   闘将 青木 誠     5回1分41秒     デディ・パンザー   ●
                       (グリーンツダ) 139 3/4 lbs                        (インドネシア) 137 3/4 lbs

 初回,青木は前に出て左ジャブから右ストレート。さらに体を寄せて左アッパーをボディに放つ。パンザーも左右フックのボディブローを見せるが,スピードがない。
 2・3回,対格差を生かして青木が手数で上回る展開が続く。
 4回,左右アッパーでボディを攻められ,パンザーは動きが鈍って待ちのボクシングになる。打ち疲れか,青木も息が切れる場面を見せた。鼻から出血したパンザーも右アッパーを返して意地を見せる。
 5回,左右アッパーのボディ攻撃で押しまくる青木。鼻血を流して苦しい戦いを強いられるパンザーが右ストレートで後退したところで福地主審が試合をストップした。

 青木は右ファイタータイプ。派手な外見とは裏腹に,非常にオーソドックスな試合運びを見せる。右ストレートからボディへの左右アッパーが攻撃の主体。対格差を生かしてボディ攻撃で押し捲った。ただし,効いている場面で相手を休ませてしまう点が気になるところ。4回に息切れする場面を見せるなど,スタミナの面の不安を露呈した。
 パンザーも右ファイタータイプだが,ベタ足でスピード不足が目立つ。大きな右フック,アッパーを武器としている。

     主審:福地勇治,副審:坂本相悟&半田隆基&川上淳
     ○青木:22戦12勝(9KO)8敗2分     ●パンザー:10戦5勝(2KO)3敗2分
     放送:スカイA     解説:久高寛之&浅沢英     実況:山下剛

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                     2010年2月21日(日)     松下IMPホール
                              8回戦
                   日本ライト級(ノーランク)      東洋太平洋S・フェザー級8位
                ○   大沢宏晋    判 定    エディ・コマロ   ●
                        (大星) 130 lbs                (インドネシア) 133 lbs
                      大沢宏晋=おおさわ・ひろしげ

 速く鋭い左ジャブを多用し,左右フックでボディを叩く大沢。2回には距離を置いて左ジャブ,フックを上から下に放つ。コマロもときおり左右フックを振るが,これは重いパンチだ。
 好調な序盤戦を見せた大沢だが,考え過ぎるのか中盤からは左ジャブが出ず,攻め倦む。
 7回終了間際,大沢は右フック,ストレートを浴びせる。コマロが振る右フックも恐い。
 8回,コマロはバックハンドブローで原点を食う。後半,大沢は左右フックのボディブローから右フックを浴びせて攻勢に出る。しかし,攻め切れずに終了ゴングを聞いた。

 スピードがある右ボクサーファイターの大沢が大差の判定勝ち。序盤こそ左ジャブを多用していたが,しだいにそれが消えてしまった。左右フックのボディブローでポイントはリードしていたが,終盤はしぶといコマロに手を焼く場面が見られた。持ち味の足と左ジャブを生かすべきだろう。
 コマロは右ファイタータイプ。手数は多くないが,思い切って放つ左右フック,右アッパーに威力がある。ベタ足でスピードはない。

採点結果 大沢 コマロ
主審:坂本相悟 *** ***
副審:宮崎久利 79 74
副審:福地勇治 80 72
副審:川上淳 80 72
参考:MAOMIE 80 73


     ○大沢:23戦17勝(8KO)3敗3分
     ●コマロ:34戦22勝(8KO)8敗4分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:山下剛

※ 第8ラウンドのバックハンドブローによるコマロの減点1を含む採点。

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                        2010年2月21日(日)     松下IMPホール
                                  8回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)    T K O    東洋太平洋フェザー級5位
                ○   川口 裕         6回終了      ムハマド・アフリザル   ●
                       (グリーンツダ) 121 lbs                        (インドネシア) 126 1/2 lbs

 サウスポーのアフリザルは右ガードを下げてジリジリと迫る。川口は距離を取り,動きながら左右フックでボディを攻める。
 2回,左フックのボディブローから右ストレート,左フックというスピードのあるコンビネーションブローを見せる川口。
 4回,川口の表情には余裕が見られる。5回には足を使いながらアフリザルをロープに詰め,左フック,右ストレートから左右フックのボディブローをまとめる。
 6回,川口は左フックのダブルを下から上にヒット。アフリザルは右目上をカットしてドクターチェックを受ける(川口の有効打による傷)。再開後,右ストレートでアフリザルをニュートラルコーナーに詰めて攻勢に出る川口。結局6回終了後のインターバル中にアフリザルの右目上の傷が続行不能とされ,試合がストップした。

 川口は右ボクサーファイターで右ストレート,左右フックを武器としている。足が使えてスピードがあることが長所。前半はアフリザルのプレッシャーに戸惑ったが,中盤からは余裕を持っていた。しかし,後半はやや慎重な試合運びに終始した面がある。もう少し思い切りの良さを前面に押し出した方が良い結果が得られるだろう。
 アフリザルはサウスポーのボクサーファイター。右ガードを下げて誘いながら,前に出てプレッシャーをかける。変則的な左ストレートを放つが,前に出ている割には手数が少ないことが欠点。

6回までの採点 川口 アフリザル
主審:宮崎久利 *** ***
副審:野田昌宏 60 54
副審:坂本相悟 60 54
副審:川上淳 60 54
参考:MAOMIE 60 54


     ○川口:15戦11勝(4KO)4敗
     ●アフリザル:25戦20勝(10KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:久高寛之&浅沢英
     実況:渡邊哲夫

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                     2010年2月21日(日)     松下IMPホール
                     日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン    負傷引き分け     挑戦者(同級1位)
             ×   宮崎 亮    4回0分55秒     滝澤 卓   ×
                    (井岡) 108 lbs                       (タキザワ) 108 lbs
                 WBA10位,WBC10位               滝澤卓=たきざわ・すぐる

 初回に早くもダウンシーンが見られた。30秒過ぎ,宮崎が左アッパーのボディブローからすぐに切り返した左フックが顔面に決まり,滝澤は呆気なく尻餅をついてダウンを喫した(カウント8)。左ジャブを突いて立て直しにかかる滝澤に対し,宮崎はややラフな攻撃でチャンスを潰した。
 3回,バッティングで左目上をカットした滝澤はドクターチェックを受ける。再開後,滝澤が先手を取り,宮崎が応じる形で勝負を急ぐ両者による激しいパンチの応酬が展開された。しかし,終盤,リング中央での右の相打ちは一瞬早く滝澤のパンチが着弾。宮崎は思わず右膝をつき,カウント8のダウンを取られた。滝澤はバッティングで左側頭部もカットする。
 4回早々,滝澤の左側頭部からの出血が酷くなり,ドクターチェックとなる。これは辛うじて再開となったが,再び両者が勝負を急ぐかのように激しくパンチを交換する。しかしそれも長続きせず,再びドクターチェック。結局,滝澤の左側頭部の傷が続行不能とされ,試合がストップされた。

 ダウンの応酬でこれから白熱するという矢先だっただけに,残念な幕切れとなった。
 宮崎は初防衛に成功。小柄な右ファイタータイプで,リーチ,上背での不利をカバーして余りある敏捷な動きから繰り出す左フック,右ストレートを武器としている。ディフェンスはダッキング,スウェイバック主体で,目と勘の良さが光る。先制のダウンを奪ったのは下から上に素早く切り返した左フック。ダブルパンチのお手本のような鮮やかなパンチである。
 滝澤は宮崎とは対照的に右ボクサータイプで,このクラスとしては長身で長いリーチに恵まれている。左ジャブ,ワンツー主体の試合運びを身上とする。しかし,恵まれたリーチを生かしたとは言えず,宮崎の鋭い踏み込みに被弾する場面が目立った。

     主審:福地勇治,副審:宮崎久利&坂本相悟&川上淳
     ×宮崎:13戦10勝(5KO)3分     ×滝澤:21戦19勝(8KO)1敗1分
     放送:スカイA     解説:本田秀伸&浅沢英     実況:山下剛

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                   2010年2月21日(日)     松下IMPホール
                           8回戦
               日本フェザー級(ノーランク)      日本フェザー級(ノーランク)
             ○   脇本雅行    判 定    森嶋祐介   ●
                   (高砂) 123 1/2 lbs            (岐阜ヨコゼキ) 123 1/2 lbs

 クラウチングスタイルで入ろうとする森嶋に対し,サウスポーの脇本はサークリングしながら出バナに左ストレート,右ジャブ,フックを浴びせる。
 3回,森嶋は右目尻をカットしてドクターチェックを受ける(脇本の有効打による傷)。脇本はガムシャラに出る森嶋に左ストレートを決め,さらに自ら前に出て左アッパーを浴びせた。5回序盤,脇本の右アッパーでぐらつく森嶋。森嶋をロープに詰めた脇本はワンツー,右フック,アッパーで攻勢に出る。
 脇本は6回にもワンツーからチャンスを掴んで攻勢に出る。森嶋は消耗しているが,ガムシャラに前に出て左右フックをボディに放った。
 10回,森嶋はとにかく前に出て手を出して手数で上回ったが,形勢を逆転するには至らなかった。

 脇本はサウスポーのボクサータイプ。足があり,173cmの長身から左ストレート,右アッパー,フックを的確に決める。右ジャブが出ないことが気になる。恵まれた上背,リーチを生かすためには右ジャブを使うことが必要だろう。
 森嶋は脇本とはとは対照的な右ファイタータイプ。タフでとにかく手数が出る。体を低くしたクラウチングスタイルから,左右フックを上下に打ってどんどん前に出る。前に出るときに両足が揃ってしまうこと欠点がある。

採点結果 脇本 森嶋
主審:坂本相悟 *** ***
副審:野田昌宏 80 73
副審:半田隆基 79 74
副審:川上淳 80 73
参考:MAOMIE 79 73


     ○脇本:14戦12勝(5KO)2敗
     ●森嶋:42戦21勝(6KO)16敗5分

     放送:スカイA
     解説:本田秀伸&浅沢英
     実況:渡邊哲夫

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