熱戦譜〜2009年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.12.05  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 中川大資  TKO10R  山川和風
2009.12.05 8回戦  亀海喜寛  KO2R  JR・ソラノ
2009.12.05 8回戦  人見斉光  判定  伊藤圭太
2009.12.05 4回戦  横山雄一  KO1R  高島裕樹
2009.12.05 4回戦  日野慎吾  KO1R  青山潤一
2009.12.06  WBA女子世界ミニマム級
 WBC女子世界ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 多田悦子  引き分け  富樫直美
2009.12.06 8回戦  風神ライカ  KO4R  パンティップ・ムアンウボン
2009.12.06 8回戦  真道ゴー  判定  カニタ・トーンソンタクシン
2009.12.06 6回戦  アムラ・ゴーキャットジム  判定  秋田屋まさえ
10 2009.12.14  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 芹江匡晋  判定  木村章司
11 2009.12.14  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 小野寺洋介山  TKO6R  西尾彰人
12 2009.12.14 8回戦  大村光矢  TKO8R  中川健司
13 2009.12.14 6回戦  荒井遼晴  判定  中村幸裕
14 2009.12.18  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 長谷川穂積  TKO4R  アルバロ・ペレス
15 2009.12.18 10回戦  粟生隆寛  判定 フェイデル・ビロリア
16 2009.12.20 5回戦(ライトフライ級決勝)
第56回全日本新人王戦
 知念勇樹  判定  前田健太
17 2009.12.20 4回戦(スーパーライト級決勝)
第56回全日本新人王戦
 菊地祐輔  TKO3R  竹内則雄
18 2009.12.20 5回戦(ミドル級決勝)
第56回全日本新人王戦
 胡 朋宏  TKO1R  下野喜道
19 2009.12.29  WBA世界スーパーウェルター級
 暫定タイトルマッチ12回戦
 石田順裕  判定  オネイ・バルデス
20 2009.12.29 10回戦  井岡一翔  判定  國重 隆

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                      2009年12月5日(土)    後楽園ホール
                       日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   T   K   O    挑戦者(同級12位)
               ○   中川大資   10回2分01秒      山川和風   ●
                      (帝拳) 146 3/4 lbs                      (金子) 147 lbs

 初挑戦の山川が動きを生かした攻撃で打ち合いを避け,伸びの良い左ジャブを見せる。中川は例によってジリジリと前に出て,右ストレートを上下に打ち分ける。2回,中川は右ストレート,右クロスを当ててプレッシャーを強める。終盤には山川を青コーナーに詰めて攻勢。
 3回,今度は山川が自分から攻撃に出て果敢なところを見せた。接近戦で左右アッパーを上下に連打し,そして距離を取って中川の右に自分も右ストレートを合わせる。
 4回,山川は良く動いて左アッパーのボディブローから左ジャブも的確にヒットする。バッティングで右目上をカットした中川は,負傷判定を視野に入れて攻撃を加速させた。5回にも山川が動きを生かした試合運びでリードした。ウィービングしながら小刻みに左ジャブを連打し,さらに足を使って出バナに左ジャブを決めた。
 予想外の善戦を見せる山川だが,中川のプレッシャーが徐々に厳しさを増す。7回,中川が明白にポイントを奪った。ロープに詰めて右ストレート,左右アッパーの連打で山川を追う。体力に任せて攻撃に出る中川。
 8回,山川も根性があるところを見せた。7回の劣勢を跳ね返すように逆に中川をロープに詰めてワンツー,左右フックの攻勢。後半は中川が攻勢に出るが,山川の健闘が光る。
 しかし,山川の善戦もここまで。9回には中川が再び攻勢を強め,ロープに詰めて右ストレート,左フック,アッパーの連打を浴びせた。山川はロープを背負う場面が多くなった。
 10回,ついに中川が善戦の挑戦者を捉えた。足を使ってリズムを取り戻そうとする山川。しかし,中川はそこに右ストレートをかぶせて攻勢。右ストレートからチャンスを掴んだ中川はニュートラルコーナーに詰まった山川に細かいパンチを浴びせる。山川がコーナーポストにもたれたところで,土屋主審が試合をストップした。

 中川は2度目の防衛に成功。6月の初防衛戦に続いて動きがある挑戦者に苦戦したが,終始プレッシャーをかけて終盤に山川を捉えた。長身の右ボクサーファイターで,右ストレートからの連打を得意としている。パワーはあるが,スロースターター気味でエンジンのかかりが遅いことが欠点。得意の右ストレートを狙い過ぎ,動かれて攻め倦んだところに左ジャブを浴びる悪循環が苦戦の原因。リーチを生かした左ジャブを有効に使って早目に自分の流れを作ることが大事である。
 初挑戦に失敗した山川だが,大善戦と言える。右ボクサーファイターで,左ジャブ,ワンツーに良いものがある。軽快なフットワークがあり,動いて中川の正面に立つことを避けたことが善戦につながった。出バナにタイミングと伸びの良い左ジャブを決め,ワンツーから隙を突くように接近して左右アッパーを連打するなど,スロースターターの中川を意識してかなり研究した痕が窺えた。した。劣勢の次のラウンドには自ら攻勢に出るなど,果敢さとクレバーさの両面を持つ好素材である。今夜の貴重な経験を生かして再挑戦して欲しい。

9回までの採点 中川 山川
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 87 84
副審:山田一公 86 86
副審:安部和夫 86 85
参考:MAOMIE 86 85


     ○中川:18戦15勝(11KO)2敗1分
     ●山川:15戦9勝(2KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                         2009年12月5日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                    日本S・ライト級1位    K      O    比国ライト級5位
                ○   亀海喜寛      2回0分43秒     JR・ソラノ   ●
                       (帝拳) 141 3/4 lbs                        (比国) 141 1/2 lbs

 初回,思い切ったソラノのワンツーに場内がどよめいた。亀海も負けじと右ストレートを返す。迫力ある強打の応酬に緊迫感が充満する。亀海は左フック,右ストレートで攻め立てるが,終了間際,ソラノの右ストレートがクリーンヒットした。
 期待十分の試合は2回に呆気なく決まった。ソラノの入り際に右ストレートをカウンターする亀海。ここから攻勢に出て,ソラノをロープに詰める。右ストレート,左アッパーを浴びせれば,ソラノはたまらずロープ際に崩れ落ちる。パンチが目を直撃したか,再開に応じられず,カウントアウトされた。

 来春のチャンピオンカーニバルでタイトル挑戦が濃厚になっている亀海が自慢の強打を披露した。右ストレートの破壊力は抜群。今夜はほとんど見せなかったが,左アッパーのボディブローも強力な武器になっている。狙い過ぎて手数が減る傾向があるので,左ジャブ,ワンツーを主体に細かく手数を出して組み立てることを心掛けるべきだろう。
 ソラノは右ボクサーファイター。思い切って放つ豪快な右ストレートを武器としている。パンチ力に加えて恐れを知らぬ面があり,調子に乗せると厄介な相手である。

     主審:杉山利夫,副審:葛城明彦&山田一公&土屋末広
     ○亀海:14戦14勝(12KO)     ●ソラノ:28戦16勝(12KO)12敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:寺島淳司

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                    2009年12月5日(土)    後楽園ホール
                            8回戦
                日本フェザー級(ノーランク)      日本フェザー級(ノーランク)
              ○   人見斉光    判 定    伊藤圭太   ●
                     (帝拳) 125 1/2 lbs             (花形) 125 3/4 lbs
               人見斉光=ひとみ・むねみつ

 ともに慎重な立ち上がりを見せるが,序盤は伊藤が左フックをヒットし,さらに大きな右フックで人見を脅かした。
 後手に回っていた人見だが,3回に入るとようやく左ジャブからの右ストレートが伸び始め,自分のリズムが出た。4回,上体を小刻みに振ってワンツーからボディへの左アッパーで攻める人見。伊藤も右フックを合わせて応戦するが,人見の攻撃が上。
 7回,激しく打ち合う両者。人見が右ストレートからボディに左アッパーを返してリード。8回,人見の回転力が伊藤を上回る。伊藤はスタミナ切れか,動きが鈍くなった。

 激しく打ち合った割には両者ともに決定力に欠け,盛り上がらない試合となった。
 人見は右ボクサーファイターで右ストレート,左アッパーのポディブローを得意としている。序盤は伊藤の攻撃で後手に回ったが,3回から左ジャブ,ワンツーによる積極的な攻撃に切り替えたことが奏功した。フットワークがあるのだから,出入りを利用して左ジャブ主体の攻撃を組み立てるべきだろう。ややスピード不足が目につくので,その克服が課題になりそう。
 伊藤はがっしりした体躯の右ファイタータイプで,左右フックを武器としている。特に捻じ込むように打つ右フックが武器になっている。左フックをボディに打って右フックを返すのが得意の攻撃パターン。こちらもスピード不足に加えて後半の失速が惜しまれる。スタミナの養成が求められる。

採点結果 人見 伊藤
主審:葛城明彦 *** ***
副審:安部和夫 78 77
副審:山田一公 77 77
副審:杉山利夫 77 76
参考:MAOMIE 77 75


     ○人見:16戦11勝(5KO)5敗
     ●伊藤:18戦7勝(3KO)9敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                       2009年12月5日(土)    後楽園ホール
                                  4回戦
                日本S・フェザー級(ノーランク)   K      O    日本S・フェザー級(ノーランク)
              ○   横山雄一        1回1分37秒      高島裕樹   ●
                    (帝拳) 129 3/4 lbs                             (宮田) 129 1/2 lbs

 バネを利かせた左ジャブ,ワンツーで攻める横山。30秒過ぎ,左フックから猛然と攻め立てるが,逆に高島が出したタイミングの良い左アッパーでガクンと腰を落としてダウン寸前のピンチ。ロープにつかまって事無きを得たが,ロープがなければ完全にダウンしていた場面だった。このチャンスに高島が一気に攻勢に出る。横山もこれに応じ,両者ガードを開けたままエンジン全開で正面衝突の激しい打ち合いに突入する。しかし,これはパンチ力がある横山の思うツボ。右ストレートからの相打ちの左フックは横山の方が一瞬早かった。この左フックでアゴを打ち抜かれた高島はロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がったが,飯田主審はそのままカウントアウトした。

 壮絶な打ち合いになったが,パンチ力の差を見せた横山が鮮烈なKO勝ち。右ストレート,左フックに威力がある。体全体にバネがあることが長所で,これがパンチ力を増す要因になっている。ただし腰高で体全体が浮足立ってしまう欠点も目につく。チャンスには重心を低くして攻めることが大事。正面に立ってガードが開いてしまう場面も目立つが,これは非常に危険である。
 高島は右ファイタータイプで左右フックを武器としている。思い切りの良さが身上である。左アッパーでぐらつかせて一気に攻め込んだが,ガードが下がったところに左フックを受けて沈んだ。強打で話題になっている横山を相手に一歩も引かず渡り合った度胸は大したものである。

     主審:飯田徹也,副審:安部和夫&杉山利夫&葛城明彦
     ○横山:3戦3勝(3KO)     ●高島:6戦2勝(1KO)3敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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                      2009年12月5日(土)    岐阜商工会議所
                                 4回戦
                日本フライ級(ノーランク)    K      O    日本フライ級(ノーランク)
              ○   日野慎吾      1回1分52秒      青山潤一   ●
                   (コパン星野) 110 1/4 lbs                       (東海) 110 1/4 lbs

 開始ゴングと同時にサウスポーの日野が小刻みに上体を振りながら前に出てチャンスを窺う。左ストレートをボディに放ってどんどん前に出れば,青山は後手に回る。右ストレートで応戦するが,日野は構わず左フックを連発して攻勢。左フックでのけぞる青山。さらに踏み込んだ日野は,ボディブローでガードが下がった青山に左ストレート一閃。これをアゴに直撃された青山はロープ際で腰から落ちてダウン。再開されたが,日野は追撃の手を緩めずに一気に攻勢。左ストレートがアゴに決まれば,青山はたまらず腰から落ちて2度目のダウンを喫して万事休す。

 日野が鮮やかな速攻で2連続KO勝ちを飾った。負けが先行していたが,これで勝敗を五分に持ち込んだ。左フック,アッパーを振って積極的な先制攻撃に出たことが好結果を生んだ。サウスポーのファイタータイプで,前進力に乗せた左ストレート,フックに威力がある。パンチにウェイトが乗っており,フライ級にしては非常にパンチ力があるのが長所。チャンスを逃さない詰めの鋭さがある。ボディにパンチを集中し,ガードが下がった隙にアゴへのパンチを見舞ううまさも光った。ただし,得意の左だけに頼る面も目につく。4回戦クラスでは通じても,ここから上に進出した場合には単調な攻撃では読まれてしまうだろう。返しの右フックが欲しいところ。
 青山は右ボクサーファイター。右ストレートで応戦したが,日野の気迫に呑まれ,後手に回って完敗。

     主審:堺谷一志,副審:ビニー・マーチン&中村勝彦&石川和徳
     ○日野:5戦2勝(2KO)2敗1分     ●青山:3戦3敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

※ 4回戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

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                   2009年12月6日(日)    ATCホール(大阪)
             WBA女子世界ミニマム級&WBC女子世界ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
            WBA女子世界ミニマム級チャンピオン         WBC女子世界ライトフライ級チャンピオン
           ×    多田悦子       引き分け       富樫直美    ×
                 (フュチュール) 103 3/4 lbs                      (ワタナベ) 104 3/4 lbs

 序盤は富樫のペースで進んだ。前に出て打ち合いを挑み,2回終盤には左フック,右ストレートで多田をロープに詰めた。多田は冷静に対処するが,富樫の攻勢にやや手数が少ない。
 中盤は多田のアウトボクシングが冴えた。5回,富樫の出方が見えてきたのか,出バナに右フック,左ストレートが当たり始める。6回終了間際,多田が右フック,左ストレートで攻勢に出る。
 富樫は右目上を腫らしながら激しく攻めるが,多田は冷静。7回には富樫の右ストレートに合わせるようにタイミング良く右フックがヒット。
 8回は富樫。多田の左ストレートに合わせて富樫の左フックが決まる。富樫が飛び込みざまに放った右ストレートもヒット。
 10回は多田。疲労が見える富樫をさばくように右に回り込み,右フック,左ストレートを巧打して明白にポイントを奪った。

 チャンピオン同士にふさわしい,ジャッジ泣かせの熱戦。ともに譲らず,お互いのベルトを防衛する結果となった。
 サウスポーの多田は序盤こそ富樫に押し込まれたが,これは足が動かなかったためである。中盤から右に回り込んでクリーンヒットを奪う本来のスタイルで挽回した。後半の多田は足を使って中間距離やロングレンジからワンツー,右フックを巧打するテクニシャンとしての姿を存分に披露した。
 富樫は多田にボクシングをさせては不利とばかりに終始衰えぬ手数で押したが,中盤以降は単調な動きを試合巧者の多田に読まれていた面がある。直線的な攻撃だけでなく,左右への揺さぶりや前後の出入りなどが出ていれば楽に戦えただろう。

採点結果 多田 富樫
主審:福地勇治 *** ***
副審:原田武夫 97 94
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 94 96
副審:レイ・ダンセコ(比国) 95 95
参考:MAOMIE 96 95


     ×多田:7戦6勝(2KO)1分
     ×富樫:6戦5勝(3KO)1分

     放送:スカイA
     解説:藤原俊志&石津純一郎     ゲスト:名城信男
     実況:田野和彦

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                      2009年12月6日(日)    ATCホール(大阪)
                                 8回戦
             WBA・WBC女子世界ライト級7位   K      O    タイ国女子ライト級(ノーランク)
             ○   風神ライカ         4回1分48秒    パンティップ・ムアンウボン   ●
                (竹原慎二&畑山隆則) 131 3/4 lbs                        (タイ) 128 3/4 lbs

 小刻みに上体を振って前に出るライカ。2回に入ると地力の差が表れた。ライカは左右フックをボディから顔面に放って主導権を握った。
 3回,ライカは右ストレート,左フックをヒット。終了間際に,相打ちの右ストレートが見事なカウンターになり,パンティップの右膝が落ちた。
 4回,ライカが鮮やかに試合を決めた。左右アッパーのボディブロー,右ストレートで攻め立てる。ボディを打たれて苦しげな表情を見せるパンティップ。左右フックのボディブローに次ぐ左フック,右ストレートが決まり,パンティップは腰から落ちてダウン。辛うじて立ち上がったが,川上主審はそのままカウントアウトした。

 ライカ,見事なKO勝利である。上下への打ち分けが回転し,会心の試合内容と言える。33歳だが,まだまだやれる。手数と上下への打ち分けを前面に押し出すことが一番だろう。
 パンティップは19歳の新鋭。そのボクシングは未熟な部分が多く,豊富なキャリアを誇るライカとの実力差は歴然。ライカの攻勢に右ストレート,フックで応戦していたが,ナックルパートがヒットしていないために威力の半減が目立つ。

     主審:川上淳,副審:野田昌宏&土屋末広&北村信行
     ○ライカ:5戦2勝(1KO)3敗     ●パンティップ:4戦3勝1敗
     放送:スカイA     解説:石津純一郎     実況:田野和彦

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                     2009年12月6日(日)    ATCホール(大阪)
                              8回戦
               東洋太平洋女子フライ級3位         タイ国女子フライ級(ノーランク)
              ○   真道ゴー       判 定    カニタ・トーンソンタクシン   ●
                     (クラトキ) 112 lbs                     (タイ) 110 3/4 lbs

 初回,真道が気合十分の表情でスピーディなワンツー,左右フックを放って積極的に立ち上がった。
 3回,押し合いながらボディブローの応酬。カニタの左ストレートで真道がのけぞる場面が見られた。カニタは接近戦でボディ攻撃を見せる。押し込まれないようにしたい真道。
 6回,主導権はカニタが握っている。左右アッパーのボディブロー,右ストレート。出入りが欲しい真道。
 ズルズルと流れがカニタに傾きかけたが,終盤は真道が意地を見せた。7回,真道の右ストレートが再三ヒット。カニタは効いたのか,動きが鈍い。
 8回,激しくパンチを応酬する両者。真道の右ストレート,左右フックが上回る。

 真道は身長168cmの右ボクサーファイターで,このクラスにしては上背とリーチに恵まれている。右ストレート,左右フックに威力がある。スピードがあって,パンチの伸びが良い。真っすぐ下がって押し込まれることがないようにしたい。サイドに回り込んで戦うことが望まれる。
 カニタは右ファイタータイプ。接近して放つ左右フック,アッパーのボディブローを得意としており,手数が良く出る。

採点結果 真道 カニタ
主審:野田昌宏 *** ***
副審:川上淳 78 76
副審:土屋末広 77 76
副審:北村信行 79 75
参考:MAOMIE 77 76


     ○真道:6戦5勝(4KO)1敗
     ●カニタ:4戦3勝1敗

     放送:スカイA
     解説:藤原俊志
     実況:田野和彦

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                       2009年12月6日(日)    ATCホール(大阪)
                                 6回戦
                 東洋太平洋女子アトム級10位        WBC女子世界L・フライ級14位
              ○   アムラ・ゴーキャットジム    判 定    秋田屋まさえ   ●
                        (タイ) 102 1/2 lbs                  (ワイルドハート) 103 lbs

 開始早々からガチャガチャと攻め込むアムラ。秋田屋はこれを迎え撃ち,アゴへの左フックでのけぞらせた。
 しかし,2回以降はアムラの突進に手を焼く場面が目立つ。右ストレート,左フックにボディ攻撃も交えてどんどん出てくるアムラ。回り込みたいところだが,手数と勢いに押される秋田屋。
 4回,秋田屋は得意のフットワークを使ってリズムを取り戻そうとするが,すぐに打ち合いに巻き込まれた。左フックを受けた秋田屋はロープに詰まり,クリンチに逃れる。
 6回,秋田屋は右アッパーを連発して出足を止めようと試みるが,アムラの攻勢は止まない。逆に左フックで腰が落ちてピンチを迎える秋田屋。最後までアムラの突進を止められないまま終了ゴングを聞いた。

 日本女子ボクシング界きってのテクニシャン秋田屋だが,未熟な面を露呈してしまった。左ジャブが出ず,真っすぐ下がってしまったことが敗因である。アムラのような馬力のある相手に左ジャブが出なくては,突っ込まれるのは自明の理。サイドに回り込んで,左ジャブやワンツーを浴びせるなどの工夫が欲しい。持ち味のフットワークが見られず,押し込まれたのは残念。どんな状況でも自分のスタイルを守れることが世界の上位に進出するための必須条件である。足もテクニックもあるので,この敗戦を薬に捲土重来を期してほしい。
 アムラはヤニ・ゴーキャットジムの双子の姉。右ストレート,左右フックを連打してどんどん攻め込む右ファイタータイプ。単なる突進ではなく,上下への打ち分けができることが強味である。

採点結果 アムラ 秋田屋
主審:土屋末広 *** ***
副審:川上淳 57 58
副審:野田昌宏 58 56
副審:北村信行 58 57
参考:MAOMIE 58 56


     ○アムラ:4戦4勝(1KO)
     ●秋田屋:6戦5勝(1KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:田野和彦

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                     2009年12月14日(月)    後楽園ホール
                    日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                  挑戦者(同級1位)             チャンピオン
               ○   芹江匡晋    判 定    木村章司   ●
                      (伴流) 121 1/2 lbs              (花形) 122 lbs
                     
芹江匡晋=せりえ・まさあき          WBA9位,WBC9位

 スタンスを広く取り,変則的な動きでチャンスを窺う芹江。木村はオーソドックスに左から切り込む。2回,芹江はスウェイバックで左ジャブをかわしてボディに左アッパーを放つ。
 柔軟な上体から左ジャブを放つ芹江にやりにくそうな木村。4回,芹江は左アッパーのボディブローから右アッパー。木村も左フックを返すが,攻め倦んでいる様子。
 左ジャブが出ない木村は芹江に飛び込まれ,手数が少なくなる。伸び伸びとやっている芹江に対し,木村はやりにくそう。
 終盤も元気いっぱいの芹江が主導権を握り,単発ながらも左ジャブ,ボディへの左アッパーでリードした。

 芹江が初挑戦で見事にタイトルを獲得した。動きを止めず,とにかくベルトを奪おうとする気迫が感じられた。元気いっぱいの戦いぶりが好印象。右ボクサーファイターで,左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーを得意としている。広いスタンスからやや変則的な攻撃を仕掛ける。器械体操で鍛えた柔軟な上体を駆使したスウェイバックを見せるので,相手にとっては懐が深くてやりにくいだろう。自信をつければさらに飛躍が期待できる。パンチが単発になったことは反省点。
 木村は2度目の防衛に失敗。これから世界に打って出ようという矢先の手痛い陥落である。変則的な動きに的が絞れず,攻め倦んで手数が少なくなったことが芹江を調子に乗せる要因になった。左アッパーのボディブローで対応していたが,後続打が出ず,芹江の動きを止められなかったことが響いた。

採点結果 芹江 木村
主審:福地勇治 *** ***
副審:土屋末広 95 96
副審:中村勝彦 97 95
副審:浅尾和信 98 95
参考:MAOMIE 98 95


     ○芹江:18戦15勝(6KO)3敗
     ●木村:28戦23勝(9KO)3敗2分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                       2009年12月14日(月)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン    T   K  O    挑戦者(同級12位)
               ○   小野寺洋介山  6回1分36秒     西尾彰人   ●
                       (オサム) 139 3/4 lbs                     (姫路木下) 139 3/4 lbs
                      WBA15位

 両グラブで西尾のパンチを捌きながら前に出てプレッシャーをかける小野寺。西尾は距離を取って右ジャブから左ストレート。終了間際,小野寺は西尾をニュートラルコーナーに押し込んで,エンジン全開の猛ラッシュを敢行する。
 西尾もときおり右フック,左ストレートをヒットするが,小野寺の圧力を封鎖するには至らない。小野寺は各ラウンド終了10秒前を示す拍子木を合図に,ロープやコーナーに押し込んで仕掛ける猛ラッシュで主導権を握る。
 5回,小野寺の猛攻に西尾は鼻血を流して敗色濃厚。動いて左ストレート,右フックを返すが,小野寺の猛攻は止まない。粘る西尾だが,さすがに苦しくなり,応戦するのがやっとの状態になる。
 6回,ロープを背にしては小野寺の思うツボ。豪快な右フックを叩きつけて圧倒する小野寺。青コーナーに詰まった西尾に猛烈な乱れ打ちを浴びせる。強烈な右フックがボディに決まる。西尾は耐えるが,ニュートラルコーナーで左アッパーをボディに打ち込まれ,たまらず下を向いたところで土屋主審が試合をストップした。

 小野寺は2度目の防衛に成功。実力差があるだけに予想通りの結果だが,各ラウンドの終了間際に見せる猛烈なラッシュは圧巻。粗っぽい攻撃だけが目立ってしまうが,いずれのラウンドも序盤はセーブし,終盤を中心に猛攻に出るクレバーな面が小野寺の真骨頂だろう。左右フックの乱打に右ストレートが加われば,さらに攻撃力が増すはず。礼儀正しく,人間的な魅力も十分。
 西尾はサウスポーのボクサータイプ。長身でリーチに恵まれており,右フック,左ストレートを得意としている。小野寺の出バナに鋭いパンチを返して健闘したが,あのパワーに対抗するには不十分だった。

     主審:土屋末広,副審:染谷路朗&福地勇治&浅尾和信
     ○小野寺:23戦21勝(8KO)1敗1分     ●西尾:21戦14勝(8KO)6敗2分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:竹下陽平

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                      2009年12月14日(月)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本ライト級9位    T   K   O   日本S・フェザー級(ノーランク)
              ○   大村光矢     8回1分49秒    中川健司   ●
                      (三迫) 130 lbs                       (花形) 129 3/4 lbs
                大村光矢=おおむら・みつや

 ともに鋭い左ジャブを突いて立ち上がる。足を使いながらチャンスを窺う大村に対して,中川は前に出て右フックを狙う。
 2・3回,逆に大村が前に出て,中川が間合いを取る展開。大村は左フックをミスしたところに右ストレートを返される。巧みに間合いを取る中川に手を焼く大村。
 しかし,5回に入るとパンチ力の差が出て,中川は距離が取りにくくなった。6回,大村は強引な攻撃を仕掛ける。ボディブローが効いた中川は足が止まりかける。大村も雑な攻めでミスブローが多いが,中川の腰が引ける。
 8回,大村の強引な攻撃に動きが鈍る中川。左アッパーでボディを攻められ,体を預けて耐える中川。さらにボディに左アッパーを受けてロープに後退。クリンチで逃れようとするが,ロープを背負ったところに大村が左右フックを浴びせる。この攻撃で中川がロープにもたれたところで中村主審が試合をストップした。

 大村がパワーの差で中川を制したが,ミスブローが多く,雑な攻撃が目立った。左ジャブがなく,りきんだ攻撃が多い。いきなり強打ではなく,強弱が欲しい。ランク上位を狙うためには,接近するまでのパンチを磨くことが必要だろう。
 中川は右ボクサーファイター。左ジャブを突いて右ストレート,左フックを浴びせる試合運びを得意としている。序盤は巧みに間合いを取って捌いていたが,中盤からボディ攻撃を受けて失速したことが響いた。

     主審:中村勝彦,副審:福地勇治&浅尾和信&土屋末広
     ○大村:16戦12勝(8KO)4敗     ●中川:14戦8勝(2KO)5敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:森昭一郎

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                    2009年12月14日(月)    後楽園ホール
                            6回戦
               日本フェザー級(ノーランク)        日本フェザー級(ノーランク)
             ○   荒井遼晴     判 定     中村幸裕   ●
                  (角海老宝石) 124 1/2 lbs           (ピューマ渡久地) 124 1/2 lbs
               荒井遼晴=あらい・りょうせい

 右ファイターの中村,左ボクサーの荒井という対照的な両者の対戦。短躯の中村が潜り込んで左右フックを振り,長身の荒井がこれを避けて左右アッパーを突き上げる展開。
 3回序盤,中村の右ストレートで荒井のアゴが上がった。荒井は中村を持て余して押し込まれる場面が多くなる。右ジャブが出ない荒井はロープを背に上体が立ってしまう。
 4回,荒井は足を使って右ジャブを伸ばす作戦に切り替えた。突進する中村を右フックで回し,左アッパーを突き上げる。右に左にとスイッチを繰り返しながら対応する荒井。5回,荒井の右フック,左アッパー。しかし,後半は押し込まれて中村の右フックを受ける。
 6回,荒井は再び足を使って距離を取り,右構えから左ジャブ,右ストレート,アッパーを出バナに浴びせる。

 接戦となったが,正確さで荒井が上回った。174cmの長身で長いリーチに恵まれたサウスポーのボクサータイプ。足を使い,相手の出バナや入り際にパンチを合わせる。基本はサウスポースタイルだが,頻繁に右構えにスイッチする。しかし,このスイッチは戦術的に必要とは見えず,中途半端な印象を否めない。どちらかに徹底した方が良いだろう。足とジャブが止まると途端に押し込まれていた。足とジャブを有効に使うことが大事である。
 中村(160cm)は右ファイタータイプで,左右フックを武器としている。荒井とは14cmの身長差があり,接近戦狙いは当然の作戦だったが,足を使われると策がない面を見せた。左右に揺さぶったり,逃げ道を塞ぐような足の運びなどが欲しいところ。

採点結果 荒井 中村
主審:染谷路朗 *** ***
副審:福地勇治 58 58
副審:中村勝彦 58 57
副審:安部和夫 58 56
参考:MAOMIE 57 57


     ○荒井:10戦6勝(1KO)3敗1分
     ●中村:10戦8勝(4KO)1敗1分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:薬師寺保栄&三谷大和
     実況:なし

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                    2009年12月18日(金)    神戸ワールド記念ホール
                       WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級9位)
               ○   長谷川穂積    4回2分38秒    アルバロ・ペレス   ●
                       (真正) 117 3/4 lbs                      (ニカラグア) 117 lbs

 初回,変則的な動きからワンテンポ遅れて左ストレートを振るペレス。独特のタイミングに戸惑う長谷川だが,鋭いワンツーをヒットして優位に立つ。
 2回,思い切って放った左ストレートを食う長谷川。左ストレート,フックでボディを叩いて盛り返すが,終盤に足を踏まれて尻餅をつきそうになり,ヒヤリとさせる場面があった。
 4回,パンチのタイミングが合ってきた長谷川。ペレスは相変わらず思い切った攻撃を仕掛けるが,長谷川はそこにうまく右フック,左ストレートを合わせる。小さく放ったワンツーでバランスを崩すペレス。打ち返しに出るが,待ってましたとばかりに左ショートストレートを見舞う。間髪入れずにフォローした左ショートストーレートが再びアゴを打ち抜けば,ペレスはたまらず膝から落ちてうつ伏せにダウン。カウントの途中でマクタビッシュ主審が試合をストップした。

 長谷川は具志堅用高(協栄)に次ぐ日本人歴代2位の10度目の防衛に成功。これで5連続KO防衛という快進撃である。立ち上がりこそペレスの変則的な攻撃に戸惑ったが,すぐにタイミングを掴んだ。この落ち着きはさすがである。試合を決めた左ショートストレートは長谷川ならではのもの。減量がきついこともあって,このままバンタム級に留まるか上のクラスを狙うか動向が注目される。いずれにしても来年が大きなターニングポイントであり,大きなハイライトになるだろう。
 ペレスはサウスポーのボクサーファイター。ロングレンジから思い切り踏み込んで放つ左ストレート,フックを得意としている。パンチがワンテンポ遅れて飛んでくるので,相手にとってはタイミングが取りにくい。

3回までの採点 長谷川 ペレス
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 29 28
副審:ブルマロ・カンプザーノJr(米国) 30 27
副審:ビクトル・マヌエル・セルバンテス(メキシコ) 30 27
参考:MAOMIE 29 28


     ○長谷川:30戦28勝(12KO)2敗
     ●ペレス:24戦18勝(12KO)2敗1分3無効試合

     放送:G+&日本テレビ
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:鈴木健

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                  2009年12月18日(金)    神戸ワールド記念ホール
                              10回戦
                 WBC世界S・フェザー級3位       コロンビア S・フェザー級(ノーランク)
                ○   粟生隆寛     判 定    フェイデル・ビロリア   ●
                       (帝拳) 129 3/4 lbs              (コロンビア) 129 1/4 lbs

 初回,ゆったりとプレッシャーをかける粟生。右で牽制し,ボディに左ストレートを送る。2回にはビロリアが下がりながら左ジャブ,右ストレートを先に打つ。粟生は落ち着いて,終了間際に右フックから左ストレート。この攻撃でビロリアがバランスを崩す場面が見られた。
 3回,粟生の左ストレートで再び大きくバランスを崩したビロリアが,赤コーナーに詰まる。中盤の粟生は力みが見られ,ビロリアの堅いディフェンスに手を焼いた。6回,ビロリアは戦法を変え,自分から右ストレート,左フックをうまく当てる。粟生の攻撃を巧みにかわすビロリア。
 8回にもビロリアの右ストレート,左フックがヒット。粟生も攻撃を仕掛けるが,うまくかわされた。
 9回,粟生はビロリアをロープに詰めて,左右アッパーのボディブローからワンツーでリード。ビロリアは10回に入ると疲労とダメージの色を滲ませ,動きが鈍くなった。KOを狙って攻め続ける粟生だが,フィニッシュはならなかった。

 今年7月の初防衛戦でエリオ・ロハス(ドミニカ)に敗れた粟生の再起戦。やりにくいビロリアを倒せなかったが,まずまずの試合内容だろう。攻めの姿勢が前面に出ていたことが良かった点。KOを意識して手数が止まる場面が多かったことが惜しまれる。上下に散らし,手数を多くして勝負したいところ。
 ビロリアは右ボクサータイプ。172cmの長身で,リーチを生かした左ジャブ,右ストレートを得意としているテクニシャン。アマチュアで3度のナショナルチャンピオンに輝いた実績があり,プロでも2度の世界挑戦を経験している。目と勘の良さが目立ち,粟生の攻撃を巧みなスウェイバックでかわしていた。ベタ足で追い足は鈍いが,決定打を許さないディフェンスが光る。クリンチワークにもうまさを見せた。

採点結果 粟生 ビロリア
主審:川上淳 *** ***
副審:宮崎久利 98 92
副審:野田昌宏 97 93
副審:半田隆基 100 90
参考:MAOMIE 98 94


     ○粟生:21戦18勝(8KO)2敗1分
     ●ビロリア:30戦22勝(15KO)6敗2分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:寺島淳司

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                 2009年12月20日(日)    後楽園ホール
               第56回全日本新人王決勝戦(ライトフライ級)
                          5回戦
                  西軍代表             東軍代表
            ○   知念勇樹    判 定    前田健太   ●
                   (琉球) 107 lbs              (角海老宝石) 108 lbs
             知念は敢闘賞を受賞

 長身の好戦派・知念が開始早々に左フックをヒット。これで早くもバランスを崩す前田。知念はさらに右ストレートから接近して右アッパーを突き上げる。終盤,回り込もうとしたところに左フックを受け,前田はもんどり打ってダウン。長い腕を巻き込むように死角から飛ばしたパンチに,背中をキャンバスに打ちつける痛烈なダウンシーンだった。攻勢を仕掛けた知念はゴング後にパンチを振って減点される。
 序盤で大きなビハインドを背負った前田が2回から反撃に出た。細かい左ジャブの連打から右ストレート,左右フックを上下に打ち分けて迫る。知念も大きな左フック,右アッパーで応戦するが,小刻みな連打で前田が徐々に挽回した。
 5回,激しい打ち合いが続く。前田の右フックで知念のマウスピースが飛んだ。知念の左フックが決まるが,前田も負けじと右フックでお返し。前田は大振りせず,小刻みな左ジャブの連打を見せる。終了間際には知念も攻勢に出て,激戦のままゴングを聞いた。

 攻守が頻繁に変わる好ファイト。
 知念は172cmの長身で,長いリーチに恵まれている右ファイタータイプ。非常に好戦的で,左フック,右ストレート,アッパーが武器。大きいパンチを思い切り振って攻めるので威力はあるが,その半面ロスも大きい。終盤は疲れが出て動きが鈍ったが,初回に奪ったダウンのポイントを守り切った形になった。
 前田は右ファイタータイプ。小刻みな左ジャブからの連打で積極的に攻勢を仕掛ける。スタミナも十分。大振りせず,とにかく手数が出るのが強味である。わずかに上回ったかに見えたが,やはりダウンが響いたということだろう。

採点結果 知念 前田
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 47 46
副審:杉山利夫 46 47
副審:福地勇治 47 46
参考:MAOMIE 46 47


     ○知念:7戦7勝(4KO)
     ●前田:7戦6勝(1KO)1敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:藤田大介

※ 第1ラウンドの終了ゴング後の加撃による知念の減点1を含む採点。

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                 2009年12月20日(日)    後楽園ホール
              第56回全日本新人王決勝戦(スーパーライト級)
                          4回戦
                 東軍代表    T   K  O    西軍代表
           ○   菊地祐輔   3回1分46秒   竹内則雄   ●
                (新日本仙台) 139 1/2 lbs           (大一スペースK) 138 3/4 lbs
             菊地は技能賞を受賞

 サウスポー同士の対決。低いガードから鋭い右ジャブ,ワンツーを飛ばして積極的に攻める菊地。竹内も左ストレートで応戦するが,右ジャブを出している菊地が主導権を握る。
 2回,竹内の左フックが決まるが,菊地は足を使って右ジャブを多用し,自分の距離を守る。竹内が入ってくるところに右フック,さらに左ストレートを飛ばす菊地。
 3回中盤,試合は唐突に決着がついた。竹内が攻め込もうとした瞬間,菊地が踏み込んでオーバーハンドの左フックを放つ。これをテンプルに受けた竹内はワンテンポ遅れて膝を揺らす。足元が定まらなくなったところでマーチン主審が試合をストップした。

 見応え十分の好ファイト。
 菊地はサウスポーのボクサータイプで,177cmの長身で長いリーチに恵まれている。フットワークがあり,右ジャブ,フックから左ストレートを飛ばして積極的に攻める。右ジャブ,フックが良く出るために左ストレートが生きている好例だろう。技能賞に相応しいテクニックを十分に見せたと言える。ガードの低さはスムーズはパンチと背中合わせになっている。攻め込まれたときの対応は今後試されるだろうが,自分の距離を常に保っていることが好結果を生んでいる。今後が楽しみな好素材。
 竹内もサウスポーだが,こちらはファイタータイプ。左ストレート,右フックに威力があるだけに,菊地をロープに押し込めれば面白かったが,右ジャブの差が出てしまったと言える。菊地の右ジャブとフットワークに攻め口を見出せず,後手に回ったことが敗因。

     主審:ビニー・マーチン,副審:浅尾和信&福地勇治&杉山利夫
     ○菊地:7戦6勝(2KO)1敗     ●竹内:8戦3勝(3KO)4敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:加藤聡

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                  2009年12月20日(日)    後楽園ホール
                 第56回全日本新人王決勝戦(ミドル級)
                           5回戦
                  東軍代表    T   K   O    西軍代表
             ○   胡 朋宏    1回2分49秒   下野喜道   ●
                   (横浜光) 160 lbs              (西日本ボクシング協会) 160 lbs
              胡はMVPを受賞

 開始早々から重量級らしい迫力あるパンチの応酬となった。胡の左右フックに対し,下野も右アッパー,左ストレートの連打でコーナーに詰めて攻勢に出る。胡はすぐに体を入れ替えて左右フック,ボディへの左アッパーで迫る。終盤,ロープを背負った下野に右ストレートからボディへの左アッパーが決まる。この攻撃に下野が足元をふらつかせたところで,福地主審が試合をストップした。

 短い試合となったが,豪快なファイトが展開された。
 胡はアマチュアで国体を制した実績を持つ右ファイタータイプ。破壊力十分の左右フックを武器としている。華麗さはないが,重量感溢れる攻撃が売り物。ガードの低さが気になるが,自信をつければ”大化け”する潜在能力を秘めている。持ち味のパワーがどこまで通じるか注目される。
 下野はサウスポーのボクサーファイター。右アッパー,左ストレートの連打に威力がある。果敢に応戦したが,胡の鋭い踏み込みに押し切られる形になった。

     主審:福地勇治,副審:島川威&土屋末広&ビニー・マーチン
     ○胡:5戦5勝(5KO)     ●下野:8戦5勝(4KO)3敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:加藤聡

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                  2009年12月29日(火)    大阪府立体育会館第1競技場
                   WBA世界スーパーウェルター級暫定タイトルマッチ12回戦
                     暫定チャンピオン          挑戦者(同級15位)
                ○   石田順裕    判 定    オネイ・バルデス   ●
                         (金沢) 154 lbs                (コロンビア) 152 3/4 lbs

 初回,石田は得意の左ジャブ,ストレートから立ち上がる。終了10秒前,攻勢に出てバルデスをロープに詰め,ワンツーを浴びせた。
 5回,ベタ足のバルデスはサウスポーにスイッチして強引な左右フック,アッパーで迫る。しかし,石田の右ストレートが決まるとバランスを崩した。石田はバルデスをロープに詰め,左右フックのボディブロー,右ストレートで攻勢に出る。
 7回,バルデスが強引に出るところ,石田の右アッパー,左フックがアゴを捉える。石田はさらに右フックをボディに打った。
 9回も石田の優勢は動かない。石田は顔面への右フックから左フックのボディブロー。さらに青コーナーに詰めて,ワンツーを連打すれば,バルデスのマウスピースがこぼれる場面が見られた。
 この試合最大のヤマ場は10回中盤。石田が放ったクロス気味の右ストレートがテンプルに決まり,バルデスは腰から崩れ落ちてダウン。出バナを捉えた鮮やかなカウンターだった。立ち上がったバルデスは強引な反撃に出たが,力が入らない。
 11回,石田の左から右のショートストレートが顔面にヒットし,バルデスがぐらつく。左目尻から出血しながらラフな攻撃に出るが,石田のワンツーが飛ぶ。石田は終了間際にバルデスをロープに詰めて攻勢に出た。
 12回,バルデスは左アッパーのボディブローから左右アッパーを振って強引に出る。石田は手数が止まるが,右ストレートでぐらつかせたところから攻勢に出る。バルデスも応戦し,激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 石田は初防衛に成功。タフなバルデスにKOこそ成らなかったが,スピーディなパンチで圧倒してほぼ完勝である。左ジャブ,ワンツーを主体とするアウトボクシングに加え,各ラウンド終了直前の攻勢が効果的だった。左ジャブが止まって接近を許す場面があったが,生命線である足と左を忘れてはいけない。もう少しボディブローを多くして動きを止められれば,フィニッシュできていた可能性もある。
 バルデスは右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,強引に振る左右フック,アッパーには威力がある。非常にタフで,前に出させるとうるさい。ディフェンスはブロック主体だが,なかなか堅固である。ただし,攻め込む時は無防備になり,出バナにカウンターを合わされる場面が目立った。

採点結果 石田 バルデス
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 117 110
副審:セルジオ・カイズ(米国) 119 108
副審:柳完洙(韓国) 118 109
参考:MAOMIE 118 110


     ○石田:29戦22勝(7KO)5敗2分
     ●バルデス:30戦19勝(14KO)10敗1分

     放送:スカイA
     解説:荒木慶大&飛天かずひこ
     実況:河路直樹

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                 2009年12月29日(火)    大阪府立体育会館第1競技場
                               10回戦
                    日本ミニマム級6位         WBA世界L・フライ級9位
                ○   井岡一翔     判 定     國重 隆   ●
                       (井岡) 107 3/4 lbs             (大阪帝拳) 107 1/4 lbs
                                           WBC12位

 右の井岡,左の國重。お互いに軽いジャブで牽制しながらチャンスを窺う。
 2回以降は積極的にプレッシャーをかける井岡のペースで試合が進んだ。井岡は右ストレートをボディに打ち,顔面にノーモーションの右ストレートを2発。さらに左右アッパーのボディブローで攻める井岡。ここから國重のクリンチが多くなった。
 3回,井岡は右ストレート,左フックを見舞う。國重は一発打ってはクリンチに持ち込むので,試合は一向に盛り上がらない。
 6回,井岡が一気に試合の流れを引き寄せた。左右アッパーをボディに集めて國重を追い詰める井岡。ノーモーションの右ストレートがアゴに決まれば,國重は膝を落としてピンチ。チャンスと見た井岡は國重を青コーナーに詰めて攻勢に出る。
 ポイントを取りに行かなければならない國重だが,一発打ってはくっついてしまうことの繰り返し。9回,國重は左目上をカットしてドクターチェックを受ける。クリンチ,ホールドが多い國重に苛立ちの色を隠せない井岡。会場からは國重に対して『世界ランカーだろ』という厳しいヤジが飛んだ。
 10回,井岡は左フック,右ストレートで攻勢。カウンター気味の右アッパーが國重のボディを捉える。

 井岡がプロ3戦目で世界ランカーの國重を破った。シャープな右ストレート,左右アッパーを上下に打ち分ける右ボクサーファイター。抜群の将来性を備えた文字通りの逸材である。天性のスピードに加え,目と勘に優れている。誰がやってもやりにくく凡戦になってしまう國重を相手にフルラウンドを戦ったことは大きなプラスになるだろう。ボディブローが打てることが強みである。
 國重はサウスポーのボクサーファイター。井岡のカウンターを警戒し,消極的な姿勢に終始したのは残念。老獪ではあるが,一発打っては自らクリンチ,井岡が打ち気に出ると抱きついてしまうのでは盛り上がるわけがない。とにかく倒されまいとする意図が目につき,どちらが世界ランカーかわからない有様だった。

採点結果 井岡 國重
主審:川上淳 *** ***
副審:大黒利明 99 92
副審:原田武夫 97 94
副審:宮崎久利 97 93
参考:MAOMIE 99 93


     ○井岡:3戦3勝(2KO)
     ●國重:26戦20勝(2KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&名城信男
     実況:田野和彦

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