熱戦譜〜2009年11月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2009.11.01  東洋太平洋&日本
 スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
 柴田明雄  判定  野中悠樹
2009.11.01 8回戦  村澤 光  TKO5R  田中翔途
2009.11.01 6回戦  大前貴史  判定  大西一生
2009.11.01 4回戦  友重 峻  KO1R  川端哲也
2009.11.03 5回戦(フライ級決勝)
第66回東日本新人王戦
 時松友二  KO1R  塩澤直紀
2009.11.03 5回戦(バンタム級決勝)
第66回東日本新人王戦
 森島勇治  TKO4R  益田健太郎
2009.11.03 5回戦(スーパーバンタム級決勝)
第66回東日本新人王戦
 鳥本大志  KO2R  長井 一
2009.11.03 5回戦(スーパーフェザー級決勝)
第66回東日本新人王戦
 石川昇吾  TKO4R  健太郎マイモンコンプロモーション
2009.11.03 4回戦(ミドル級決勝)
第66回東日本新人王戦
 胡 朋宏  TKO2R  加藤大樹
10 2009.11.07  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 松田直樹  判定  梅津宏治
11 2009.11.07 8回戦  五十嵐俊幸  TKO5R終了  エリック・ディアス・シレガー
12 2009.11.07 8回戦  山中慎介  TKO1R  上谷雄太
13 2009.11.07 8回戦  石本康隆  判定  和氣慎吾
14 2009.11.07 6回戦  カルロス・リナレス  判定  相澤健治
15 2009.11.22  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 大場浩平  TKO9R  池原信遂
16 2009.11.22 8回戦  児玉卓郎  引き分け  松元雄大
17 2009.11.22 8回戦  林 翔太  TKO3R  山本 直
18 2009.11.22 6回戦  松名瀬 元基  判定  山本直輝
19 2009.11.22 4回戦  田中裕士  TKO1R  小林優也
20 2009.11.29  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  判定  内藤大助

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2009年10月に戻る     2009年12月に進む →


                      2009年11月1日(日)    松下IMPホール
                  東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(OPBF2位・日本1位)         チャンピオン
                ○   柴田明雄      判 定    野中悠樹   ●
                        (ワタナベ) 154 lbs                   (尼崎) 154 lbs

 王者の意表を突くように開始ゴングと同時に突っ込む柴田。サウスポーの野中に対して,積極的に右ストレートを振って攻め込む。
 立ち上がりを取られた王者も黙って引き下がらない。2回には左ストレートをヒット。2分過ぎにも左ストレートがヒットして,柴田が後退する。
 しかし,3回以降は再び柴田が主導権を握った。右ストレートにバランスを崩す野中。流れを変えたい野中だが,柴田のノーモーションの右ストレートに手を焼く。
 野中が持ち味を出したのは6回。本来の足の運びを取り戻し,丹念に右ジャブを突く得意の攻撃パターンで流れを変えにかかる。40秒過ぎ,右ジャブから鮮やかな左ストレートが柴田のアゴに決まる。これで動きが止まったところに攻勢に出て,左右フックを浴びせる野中。柴田も右アッパーで応戦するが,この回は右ジャブから組み立てる王者の攻撃が冴えた。
 しかし,野中が良いところを見せたのはここだけ。7回に入ると再び柴田が主導権を握った。野中はバッティングで右目上をカットし,2度のドクターチェックを受ける。柴田は小刻みな動きでフェイントをかけながら,右ストレート,左フックを上下に放ってリードする。柴田の右ストレートを警戒するあまり腰が引けた野中は決め手の左ストレートが流れてバランスを崩す場面が目立った。
 10回終了間際,クリンチからの離れ際に放った柴田の左フックでわずかにぐらつく野中。柴田の右ストレートに思い切って入って行けない状態が続く。終盤の柴田は焦りの見える野中を足で撹乱する余裕を見せた。

 柴田が2度目の挑戦で2つのベルトを一挙に奪取した。充実度を増している野中が相手とあって不利を予想されていたが,序盤に主導権を握ってしっかり自分の流れを構築したことが最大の勝因だろう。何よりも積極的な姿勢が奏功したと言える。サウスポー殺しの定石である右ストレートを有効に使ったことも特筆される。これによって野中の攻撃パターンを潰したことが大きい。梅津正彦トレーナーをはじめとする陣営の作戦勝ちという側面も見逃せない。低いガードから放つ右ストレート,左フックを武器とする右ボクサーファイター。足も使えて,やや変則的なところがある。
 進境著しく安定王者への道を歩みかけていた野中だが,東洋太平洋は初防衛,日本は3度目の防衛にそれぞれ失敗し,一気に無冠となった。柴田の積極的な攻めにほぼ完敗。最後まで自分のリズムに乗れなかったことが響いた。6回に見せたようなフットワークと右ジャブから組み立てる本来の試合運びに徹するべきだった。スピードを生かしたボクシングは重量級としては貴重な存在であるだけに,もう一度組み立て直して再起して欲しい。

採点結果 柴田 野中
主審:土屋末広 *** ***
副審:原田武夫 116 113
副審:宮崎久利 117 113
副審:島川威 116 114
参考:MAOMIE 118 112


     ○柴田:19戦13勝(7KO)5敗1分
     ●野中:29戦19勝(7KO)8敗2分

     放送:スカイA
     解説:荒木慶大&浅沢英
     実況:田野和彦

このページのトップに戻る


                         2009年11月1日(日)    松下IMPホール
                                   8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)   T   K   O    日本フェザー級(ノーランク)
                ○   村澤 光        5回0分53秒      田中翔途   ●
                       (尼崎) 126 lbs                             (大阪帝拳) 125 3/4 lbs

 初回,田中の右ストレートをもらう村澤。しかし,右ジャブを突きながら前に出て左ストレートを浴びせる。
 村澤は2回にも右ストレートをもらうが,右ジャブ,左ストレートで追い込む。鼻から出血した田中は終了間際には右フックでバランスを崩した。田中は右目上をカット(村澤の有効打による傷)。
 田中は左右フックで乱戦に持ち込もうとするが,地力の差が出た。村澤には余裕が窺える。
 5回,田中は食い下がるが,粘りもここまで。左ストレートでぐらついたところを見逃さず,村澤が一気に攻め立てる。ニュートラルコーナーで右フック,左ストレートの攻勢に晒される田中。守勢一方に陥ったところで宮崎主審が試合をストップした。

 1年ぶりのリングとなった村澤が鮮やかな速攻で再起戦を飾った。175cmという長身のサウスポーで,ボクサータイプに近い。一昨年度の全日本新人王戦では敗退したが,伸びの良い右ジャブ,左ストレートを持っている。田中の右を再三もらっていたが,ガードの甘さが気になる点。
 田中は右ファイタータイプで右フック,ストレートが武器。果敢に前に出て攻撃を仕掛けていたのは良かったが,右を振るときに両足が揃うことが欠点。ここが改良すべき点だろう。

     主審:宮崎久利,副審:半田隆基&原田武夫&土屋末広
     ○村澤:11戦9勝(3KO)2敗     ●田中:15戦8勝(2KO)6敗1分
     放送:スカイA     解説:荒木慶大&浅沢英     実況:寺西裕一

このページのトップに戻る


                     2009年11月1日(日)    松下IMPホール
                              6回戦
                   日本フライ級(ノーランク)       日本フライ級(ノーランク)
                ○   大前貴史    判 定    大西一生   ●
                        (東海) 110 lbs               (姫路木下) 110 lbs

 サウスポーの大西を迎え撃った大前が右ストレートから左フックを返し,初回から押し気味に進める。大西は慎重な姿勢を崩さないが,やや後手に回った印象。
 大前は右ストレート,大西は左ストレート・・・・・ともに相手の打ち終わりを狙う展開が続く。前に出ているのは大西だが,大前がうまく戦っている。
 6回,大西の打ち終わりに左ストレート,右フックを打ち込む大前。ともにクリーンヒットはないが,大前が主導権を握ったまま終了ゴングを聞いた。

 町田昌丈(グリーンツダ)の骨折により,2週間前に代役出場が決まった大前が勝利をモノにした。カウンターを警戒して慎重な試合運びで盛り上がりに欠ける展開に終始したが,大前が手数でやや上回った。右ボクサーファイターで右ストレートあるいは返しの左フックを得意としている。パンチ力はないが,なかなかシャープ。左ガードが下がることが欠点。サイドに回り込んで打てるようになると良いだろう。
 大西はサウスポーのボクサーファイター。左ストレートを得意としている。大前のカウンターを警戒して消極的な戦いぶりが目についた。

採点結果 大前 大西
主審:半田隆基 *** ***
副審:宮崎久利 58 56
副審:原田武夫 59 56
副審:土屋末広 59 55
参考:MAOMIE 59 57


     ○大前:8戦4勝(1KO)2敗2分
     ●大西:7戦4勝3敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:寺西裕一

このページのトップに戻る


                          2009年11月1日(日)    松下IMPホール
                                   4回戦
                  日本ウェルター級(ノーランク)   K      O    日本ウェルター級(ノーランク)
                ○   友重 峻        1回1分15秒      川端哲也   ●
                        (江坂) 146 lbs                            (姫路木下) 146 1/2 lbs

 開始ゴングと同時にどんどん前に出て攻撃を仕掛ける友重。左右フックから右ストレート,フックを受けた川端の顔面が早くも紅潮する。左右フックで応戦する川端だが,友重の迫力に押されて後退を余儀なくされる。ニュートラルコーナー付近で右フックでひるんだところに左ジャブからの右ストレートを打ち込む友重。アゴの先端を打ち抜かれた川端は左膝を折るようにキャンバスに落下し,仰向け倒れる。痛烈なダウンシーンにカウント途中で青コーナーからタオルが投入された。

 友重が見事な先制攻撃を見せ,圧勝でデビュー戦を飾った。右ファイタータイプで,ガードを固めてクラウチングスタイルで前に出ながら放つ左右フックにパンチ力がある。新人らしい思い切りの良い攻撃に好感が持てる。左右フックの中にストレート系のパンチを織り交ぜているのが非常に良い。フィニッシュとなったのも左右フックからの右ストレートだった。上体の振りと戻しを生かせればさらに良くなるだろう。
 川端は右ボクサーファイターで,ワンツー,左右フックを得意としている。友重の先制攻撃に押し込まれて上体が起きてしまい,棒立ちになったところに被弾する場面が目立った。おまけにガードが下がり,標的になってしまった。

     主審:原田武夫,副審:北村信行&半田隆基&宮崎久利
     ○友重:1戦1勝(1KO)     ●川端:3戦3敗
     放送:スカイA     解説:なし     実況:寺西裕一

このページのトップに戻る


                        2009年11月3日(火)    後楽園ホール
                      第66回東日本新人王決勝戦(フライ級)
                                5回戦
                  日本フライ級(ノーランク)    K      O   日本フライ級(ノーランク)
               ○   時松友二     1回2分59秒     塩澤直紀   ●
                      (熊谷コサカ) 112 lbs                      (角海老宝石) 112 lbs
                 時松は技能賞を受賞

 右に左にと忙しく動きながら攻める時松。塩澤は時松の変則的なスタイルにやりにくそう。回り込もうとしたところにタイミングの良い左ストレートが決まり,塩澤は尻餅をついてダウン(カウント8)。挽回を狙うが,終了間際に時松が思い切って放った左ストレートを顔面に受け,もんどり打って2度目のダウン。ここで万事休す。

 時松はサウスポーの変則ファイタータイプ。左ストレートを振って積極的に攻めたことが勝利につながった。ガードが大きく開いてしまう欠点があるが,思い切りの良さが長所。塩澤に硬さが見えて調子が出ないうちに叩いて栄冠をものにした。
 塩澤は右ボクサーファイター。右ストレート,左フックを得意としているが,時松の変則的な動きに戸惑い,力を発揮できないまま敗れた。

     主審:浅尾和信,副審:安部和夫&ほか2名不明
     ○時松:6戦6勝(1KO)     ●塩澤:9戦5勝(2KO)3敗1分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:上重聡

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

このページのトップに戻る


                         2009年11月3日(火)    後楽園ホール
                      第66回東日本新人王決勝戦(バンタム級)
                                  5回戦
                  日本バンタム級(ノーランク)    T   K  O   日本バンタム級(ノーランク)
               ○   森島勇治      4回1分50秒     益田健太郎   ●
                        (大橋) 118 lbs                         (新日本木村) 118 lbs

 先に主導権を握ったのは益田。初回,長いリーチから繰り出す右ストレート,左右フックを浴びせて攻勢を仕掛ける。森島はクリーンヒットこそ許していないが,慎重な立ち上がり。
 しかし,2回,下がっては不利と見た森島が作戦を変えた。ガードを固め,自ら前に出て左右フック,アッパーをボディに集める。中盤には森島の強い右フックがヒットした。益田も応戦するが,攻勢に押されて後退が目立つようになった。
 3回,益田の得意な距離を潰してどんどん前に出る森島。右ストレート,左右フックで動きが鈍った益田は左フックでのけぞる。
 4回,益田は距離を取ってパンチを浴びせ,挽回を図る。しかし,構わず前に出る森島。益田は下がりながら反撃するが,左フックを受けてよろめいたところで福地主審が試合をストップした。

 森島は右ファイタータイプで,左右フック,アッパーを得意としている。体の硬さが欠点だが,旺盛な手数が武器。益田の先制攻撃に戸惑ったが,2回以降は自ら前に出る試合運びに変えて主導権を奪回した。密着することにより,益田の得意な距離を潰したことが勝因。ボディブローが奏功した。セコンドとのチームワークによる勝利と言えるだろう。
 益田は長いリーチから繰り出す右ストレート,左右フック,アッパーにパンチ力がある。右ファイタータイプの部類だが,グイグイ前に出ながらリーチを生かしたパンチを矢継ぎ早に浴びせる。変則的で足が良く動く。中間距離に強いが,2回以降は森島に密着されて自分の得意な距離を殺されていた。

     主審:福地勇治,副審:杉山利夫&ほか2名不明
     ○森島:7戦6勝(4KO)1敗     ●益田:11戦7勝(6KO)4敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

このページのトップに戻る


                          2009年11月3日(火)    後楽園ホール
                     第66回東日本新人王決勝戦(スーパーバンタム級)
                                    5回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)    K       O   日本S・バンタム級(ノーランク)
               ○   鳥本大志        2回2分14秒      長井 一   ●
                     (角海老宝石) 122 lbs                           (ワタナベ) 121 1/2 lbs

 初回,長井が右フックのボディブローから顔面に左フックを放って積極的に攻める。鳥本は正面から迎え撃つが,動きに乏しい。
 2回,鳥本が一転して積極的に攻める。右ストレート,左フックを振って攻勢。リング中央で右アッパーから返した左フックがアゴに決まり,ガクンと膝を落とした長井は腰からダウン(カウント9)。再開されたが,右ストレートに次ぐ左フックで腰が砕け,ロープを背にピンチが続く。右アッパー,左フック,右ストレートの攻勢に膝が硬直する長井。ロープ際で相打ちの左フックをアゴに受け,腰から落ちて2度目のダウンを喫し,万事休す。

 鳥本は右ボクサーファイター。右ストレート,アッパーから返すタイミングの良い左フックを武器としている。チャンスを掴むと嵩にかかって攻め立てる。動きが直線的になる面が見受けられるので,横の動きを加えること,左ジャブを多くすることが必要だろう。
 長井はパワフルな左右フックを武器とする右ファイタータイプ。右フックのボディブローから上に返す左フックに威力がある。積極的な攻撃で初回こそリードしたが,2回に入って鳥本が攻勢に出ると後手に回った。2度のダウンはいずれもガードが下がったところに左フックをカウンターされたもの。ディフェンスが課題である。

     主審:杉山利夫,副審:浅尾和信&安部和夫&ほか1名不明
     ○鳥本:11戦7勝(1KO)2敗2分     ●長井:11戦7勝(2KO)3敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:藤田大介

※ 新人王戦ルール = 1ラウンドに2度のダウンを喫すると自動的にKO負けとなる。

このページのトップに戻る


                          2009年11月3日(火)    後楽園ホール
                     第66回東日本新人王決勝戦(スーパーフェザー級)
                                    5回戦
                 日本S・フェザー級(ノーランク)    T   K   O    日本S・フェザー級(ノーランク)
               ○   石川昇吾        4回3分01秒   健太郎マイモンコンプロモーション   ●
                      (新日本木村) 130 lbs                           (TI山形) 129 1/4 lbs
                  石川は敢闘賞を受賞

 左の健太郎,右の石川という対照的な顔合わせは緊迫感のある立ち上がりとなった。石川は右ストレート,左フックで打ち合いを挑む。後半になると健太郎もタイミングが取れるようになり,左ストレート,右フックがヒットする。
 2回開始早々,石川の左フックのカウンターが決まる。石川は健太郎をロープに詰めて攻勢。
 3回,健太郎が出ようとしてアゴが上がったところに左フックが決まる。健太郎も右アッパーをヒットする。
 4回,攻勢に出る健太郎。石川は正面からの打ち合いを避け,動きながら右ストレート,左フックを返す。健太郎の左ストレートで動きが止まる石川だが,ここから鮮やかな攻撃で試合を決めた。揉み合いからの離れ際,ガードが下がったところに左フックを受けた健太郎はニュートラルコーナーまで吹っ飛んでダウン。何とか立ち上がったものの,よろめいて戦える状態ではなく,土屋主審が試合をストップした。

 石川は右ボクサーファイター。アマチュアで全日本実業団優勝,国体ベスト8という実績がある。6戦目で初のTKO勝ちだが,戦績以上にパンチ力がある。右ストレート,左フックを武器としており,バランスの良さが長所。正面からの打ち合いを避けて動き,ガードが下がったところを見逃さずにカウンターの左フックを決めた。
 健太郎はサウスポーのファイタータイプ。左ストレート,右フック,アッパーにパンチ力がある。果敢に前に出ながら,矢継ぎ早のパンチを浴びせて攻撃を仕掛ける。前に出るときに自らの両足が交錯したり,アゴが上がる欠点がある。やや体の硬さが見られるので,上体を振るなどの工夫が必要だろう。

     主審:土屋末広,副審:杉山利夫&安部和夫&ほか1名不明
     ○石川:6戦6勝(1KO)     ●健太郎:10戦7勝(3KO)3敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:中野謙吾

このページのトップに戻る


                        2009年11月3日(火)    後楽園ホール
                      第66回東日本新人王決勝戦(ミドル級)
                                 4回戦
                 日本ミドル級(ノーランク)    T   K  O   日本ミドル級(ノーランク)
               ○   胡 朋宏       2回3分00秒     加藤大樹   ●
                      (横浜光) 160 lbs                         (宮田) 158 3/4 lbs
                  胡はMVPを受賞

 開始早々から重量感溢れる強打の交錯が見られた。ともに動きながら,胡は左アッパーのボディブローから左右フック。加藤がひるんだところに左フックが決まる。終了間際には加藤も右ストレートから左フックを返した。
 2回,ともにガードが下がってヒヤリとする場面が続く。エンジン全開の打ち合いを展開する両者。終了間際,右ストレートで棒立ちになった加藤のアゴに左フックが炸裂。加藤はたまらず背中と後頭部をしたたか打ちつけてキャンバスに沈む。杉山主審はためらわず,ノーカウントで試合をストップした。

 胡は左右フックに一発の破壊力がある右ファイタータイプ。軽く動きながら右ストレート,左右フックを振って打ち合いに持ち込む。フィニッシュとなった左フックは強烈なカウンターである。パンチ力が最大の売り物だろう。ただし,ときおりガードが下がることが気になる。上体の振りが欲しいところ。
 加藤は右ストレート,左フックを得意とする右ボクサーファイター。パンチの伸びが良い。こちらもガードが下がる欠点がある。

     主審:杉山利夫,副審:浅尾和信&ほか2名不明
     ○胡:4戦4勝(4KO)     ●加藤:6戦5勝(2KO)1敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:加藤聡

このページのトップに戻る


                     2009年11月7日(土)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
                ○   松田直樹   判 定   梅津宏治   ●
                       (帝拳) 126 lbs              (ワタナベ) 125 3/4 lbs
                       WBC12位

 初回,前に出て攻撃を仕掛ける梅津。松田は冷静に右アッパーを一つヒット。さらに左ジャブ,フックから右ストレートで梅津を迎え撃つ。2回,松田は右ストレートから返しの左フックをヒット。
 3回,梅津は距離を潰して得意の乱戦に持ち込む。松田をロープに押し込んで強引な攻撃に出ると,松田はクリンチに出る。
 試合の流れが明白に松田に傾いたのは6回。肉迫する梅津に右ストレートをクリーンヒットする松田。梅津は左目上をカット(松田の有効打による傷)。ここから試合は急速に松田のペースになった。
 流血が目に入るのか,6回を境にパンチに対する反応が鈍る梅津。7回,松田は梅津の動きを冷静に見極め,出バナに左ジャブ,右ストレート。さらに右アッパーから左フックをヒット。
 8・9回,焦りが目立つ梅津に対し,松田の表情や動きにはゆとりが見られるようになった。食い下がる梅津の出バナに小気味良い左ジャブがヒットする。
 10回,執拗に食い下がる梅津に手数が止まる松田だが,終了間際に放った右ストレートで梅津が大きくのけぞる。

 今年2月にドローに終わった両者だが,再戦となった今回は明白な判定で決着がついた。
 松田は3度目の防衛に成功。密着したい梅津と距離を取りたい松田の間で激しい主導権争いが展開されたが,松田が的確なパンチで梅津を引き離した。特に小気味良い左ジャブ,出バナに浴びせる右ストレート,左フックが効果的。乱戦に巻き込まれているように見えて実は梅津の攻撃をうまく殺しており,ベテランらしい試合運びが光る。しぶとくやりにくい梅津を退けたことで,今後さらに上を狙うことも期待できる。
 梅津は執拗に食い下がったが,6回に左目上をカットしてから被弾が多くなった。足を止め,密着して打ち合いに持ち込む攻撃パターンを得意とする右ファイタータイプ。左右フックと右アッパーを得意としている。フィジカル,メンタル両面の強さは天下一品である。あのスタミナと勝負根性は誰がやってもイヤなタイプだろう。

採点結果 松田 梅津
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 99 93
副審:土屋末広 98 92
副審:杉山利夫 97 93
参考:MAOMIE 99 91


     ○松田:44戦31勝(13KO)8敗4分1無効試合
     ●梅津:27戦15勝(6KO)9敗3分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

このページのトップに戻る


                        2009年11月7日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                     日本フライ級2位   T  K O   インドネシア フライ級チャンピオン
                ○   五十嵐俊幸    5回終了    エリックス・ディレス・シレガー   ●
                          (帝拳) 114 lbs                    (インドネシア) 114 lbs

 ガードを固めて音無しの構えのシレガーに対し,五十嵐は初回から右フック,左アッパーのボディ攻撃で積極的にリードした。シレガーもときおり右ストレート,フックを振ってくる。
 4回,左ストレートが決まってぐらつくシレガー。五十嵐は接近して左右フック,アッパーをボディに見舞う。このボディ攻撃が効いて,シレガーのガードが下がり始める。
 5回,ボディ攻撃を嫌うシレガーはサウスポースタイルにスイッチして流れを変えようとする。ボディブローが効いたシレガーは動きが鈍る。ロープに詰めて攻勢を仕掛ける五十嵐。シレガーは右目上をカット(五十嵐の有効打による傷)。結局5回終了後のインターバル中にシレガー陣営が棄権を申し入れた。

 五十嵐がやりにくいタイプのシレガーをボディ攻撃で崩したことは見事。右フック,左アッパーをボディに集めたことにより,堅いガードが徐々に下がっていた。スピードは折り紙付きなので,今夜のように上下へのコンビネーションブローを積み重ねることに徹するべきだろう。
 シレガーは右ファイタータイプで右ストレート,フックを得意としている。ベタ足でスピードはないが,ガードを固めながら打ち終わりに右を返す。ときおり左構えにスイッチする。

     主審:中村勝彦,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&浦谷信彰
     ○五十嵐:11戦9勝(7KO)1敗1分     ●シレガー:26戦14勝(2KO)9敗3分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:田中毅

このページのトップに戻る


                         2009年11月7日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                    日本バンタム級4位   T   K  O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   山中慎介     1回2分02秒    上谷雄太   ●
                        (帝拳) 118 lbs                        (井岡) 117 1/4 lbs
                                              上谷雄太=うえたに・ゆうた

 ともにアマチュアの実績十分で基礎がしっかりした無敗のホープ同士による好カード。2分余りの短いファイトだったが,非常にハイレベルで中身の濃い攻防が展開された。
 左の山中,右の上谷。先手を取ったのは上谷。ロングレンジからの右ストレートが山中のアゴに伸びた。しかし,山中もすぐにワンツーをお返しする。上谷も譲らず,山中がワンツーを伸ばした瞬間,その打ち終わりを狙っていたかのようにタイミング良く右ストレートを決める上谷。
 早くも実力派同士の拮抗した展開になるが,そこから抜け出したのは山中。左ストレートをもらった上谷は思わず後退。ロープを背に棒立ちになったところで矢のような右から左のストレートがアゴを襲う。これを直撃された上谷は追い打ちの左ストレートでたまらず仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったが,朦朧として戦える状態ではなく,カウントの途中で土屋主審が上谷を抱きかかえるようにして試合をストップした。

 バンタム級の次代を担う期待のホープ山中が鮮やかな勝ちっぷりを見せた。アマチュア時代(南京都高→専大)に国体とインターハイを制した実力派。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレートには一打必倒の切れ味がある。上谷の右ストレートに戸惑う場面はあったが,主武器の左ストレートですぐに主導権を握った。パンチ力だけでなく,見切りの鋭さや決断の速さが最大の長所。4連続TKO勝ちだが,仕留め所や倒すコツが完全に身についた模様。ランキングも4位まで上がり,タイトル挑戦も視野に入っている。来年もっとも注目すべき存在である。
 上谷は右ボクサーファイター。こちらもアマチュア(興国高)で全国高校選抜優勝という実績を持つ。上下に放つ右ストレートに鋭いものがある。基礎がしっかりしており,バランスの良さが光る。得意の右ストレートを有効に使って先制していたが,山中が一枚上だった。好素材であることは間違いないので,これを糧に再起を図って欲しい。

     主審:土屋末広,副審:浦谷信彰&葛城明彦&中村勝彦
     ○山中:12戦10勝(6KO)2分     ●上谷:11戦9勝(3KO)1敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:田中毅

このページのトップに戻る


                       2009年11月7日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本S・バンタム級(ノーランク)      日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   石本康隆     判 定     和氣慎吾   ●
                       (帝拳) 121 3/4 lbs                (古口) 121 3/4 lbs
                                         和氣慎吾=わけ・しんご

 初回,サウスポーの和氣がスピーディな左ストレート,左右フックを飛ばして積極的に攻める。石本の右ストレートがヒット。さらに右ストレートで和氣の腰が落ちる。
 2回,石本の右ストレートを警戒して慎重になる和氣。赤コーナー付近で石本の右ストレートを受けてぐらつく。膝の動きに硬さがある和氣は正面に立ったところを打たれる場面が目立つ。
 4回,石本の左フックで和氣がのけぞる。やや手打ちの和氣に対し,石本はガードを固めながら右ストレート,アッパーを見舞う。5回も石本が激しい打ち合いを制す。右ストレートでぐらつく和氣。終盤には石本の右ストレート,左フックで和氣がロープに詰まる。
 激しく手を出す両者。右目上から出血した石本に対し,和氣は3回に負ったバッティングによる右目上の傷と鼻からの出血に加え,左目下の腫れが目立つ。
 8回,激しく攻める和氣。しかし,終了間際にゴングとほぼ同時に放った石本の右ストレートで大きくロープに飛ぶ和氣。

 激しい打ち合いに終始した好ファイト。
 石本は右ファイタータイプ。右ストレート,左右フックに加えて右アッパーもある。スピーディな攻撃が身上で,ガードを固めながらノーモーションの右ストレートを繰り出すのが得意の攻撃パターン。ただし左ジャブが出ないことが欠点。パンチはシャープで手数も多く,スタミナも十分。ここに左ジャブが出るようになれば,一皮剥けてランクインも有望。上昇株であり,次回はランカーとの対戦が望まれる。
 和氣はアマチュア(岡山商大付属高)でインターハイに2度連続出場の実績がある。サウスポーのボクサーファイターで,スピーディな左ストレート,左右フックで積極的に攻める。パンチにウェイトが乗らず,やや手打ちになっていることが惜しまれる。膝の硬さが欠点で,相手の正面に立って石本の右ストレートを被弾する場面が目立った。もう少しリラックスし,膝を柔らかく動かして攻めることを心掛けるべきだろう。

採点結果 石本 和氣
主審:杉山利夫 *** ***
副審:浦谷信彰 80 73
副審:葛城明彦 79 73
副審:土屋末広 79 73
参考:MAOMIE 79 73


     ○石本:18戦13勝(3KO)5敗
     ●和氣:10戦6勝(3KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:中野謙吾

このページのトップに戻る


                       2009年11月7日(土)    後楽園ホール
                                6回戦
                    日本ミドル級(ノーランク)        日本ミドル級(ノーランク)
                ○   カルロス・リナレス    判 定    相澤健治   ●
                        (帝拳) 158 3/4 lbs                (オサム) 158 lbs

 左ジャブから左右フックのボディブローで迫る相澤。リナレスは距離を取って,長いリーチから左ジャブ,フックを見舞う。リナレスの右ストレートはヒットしないものの,相澤を脅かすには十分な迫力があった。
 3回,接近を試みる相澤の出バナにリナレスの左ジャブ,フックが飛ぶ。終了間際の右ストレートでぐらついた相澤は追撃を受けてキャンバスにグラブをついてしまうが,これはゴング後。
 4回,ロープを背にした相澤にリナレスの右ストレート,左右フックが容赦なく飛ぶ。相澤の左アッパーでリナレスがのけぞる場面があったが,逆に右ストレートをヒット。
 6回,相澤をロープに詰めて右ストレート,左右アッパーのボディブローを連打するリナレス。相澤は闘志を見せて食い下がるが,リナレスの鋭い左ジャブに阻まれて思うように出られない。

 リナレスが格段の実力を見せた。長身の右ボクサータイプで,距離を置いて放つ左ジャブ,フックからの右ストレートに一発で決める破壊力がある。左右アッパーのボディブローという武器もある。しかし,今夜は決め手の右ストレートが芯を外す場面が目立った。KOを逃した原因はやや力みが見られたこと。スピードと切れは抜群なので,力まずに数を打つことを心掛ければKOは後からついてくるはず。
 相澤は右ファイタータイプ。低いガードから左ジャブ,左右フックを振って積極的に仕掛けたが,スピードの差は歴然としていた。フェイントをかけて前に出るなど,強打のリナレスに最後まで食い下がった健闘が光る。

採点結果 リナレス 相澤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:浦谷信彰 60 54
副審:中村勝彦 60 54
副審:杉山利夫 60 53
参考:MAOMIE 60 54


     ○リナレス:6戦5勝(4KO)1敗
     ●相澤:11戦6勝(1KO)5敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:中野謙吾

このページのトップに戻る


                    2009年11月22日(日)    名古屋国際会議場
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級1位)
               ○   大場浩平    9回2分58秒    池原信遂   ●
                     (大一スペースK) 118 lbs                   (大阪帝拳) 118 lbs
                    WBA10位,WBC5位

 開始早々から逃げ道を塞ぐような鋭い追い足でプレッシャーをかける池原。大場は左右に素早いサークリングを見せ,左ジャブ,フックを浴びせる。
 3回,大場を青コーナーに詰めた池原がボディブローから右フックで攻勢に出るが,大場はこれを巧みなロープワークでかわす。2分過ぎ,池原が入ろうとした瞬間,大場の左アッパーがカウンター気味にボディに決まり,池原は尻餅をついた。ノックダウンとしても良い場面だったが,福地主審の判定はスリップダウン。大場は池原の攻撃の間隙を突くように右アッパーでボディを叩く。終了間際には池原がロープを背にしたところに左フックから右ストレートを浴びせる大場。
 中盤以降も大場の足と左ジャブ,フックが冴えた。5回,池原はバッティングで右目上をカット。終了間際,大場は池原がミスブローでバランスを崩した隙を見逃さず,ニュートラルコーナーに詰めて攻勢を仕掛けた。
 6回,左目上をカットした池原は大場の速い動きに追随できず,さらに苦しい局面を迎えた。終了間際,左右フック,右ストレートを浴びせる大場。
 7回,大場がヒラリヒラリと身をかわして鋭いパンチを浴びせ,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。左右フック,右ストレートの速攻に棒立ちの池原。さすがに動きが鈍る。
 そして9回,大場が試合を決めた。食い下がる池原だが,大場のスピーディなコンビネーションブローにもはや敗色濃厚。ロープ際で左フックを受けて腰が砕けたところで福地主審が試合をストップした。

 大場は5度目の防衛に成功。元王者で世界挑戦経験者の池原をストップするという価値ある勝利である。目まぐるしく動きながら,機を見て鋭いコンビネーションブローを浴びせた。前に出る池原を足と左ジャブ,フックで翻弄した完璧に近い試合内容と言える。前半から見せていたボディ攻撃も池原の出足を止める効果があった。ラウンドの前半はブロックしながら凌ぎ,後半から終了間際に集中打を浴びせる心憎いほど頭脳的な試合運び。最後までスピードが落ちることなく,スタミナも十分だった。この内容なら,世界も十分に期待できる。ただし,前に出る池原と噛み合った面もある。出てこない相手に対してどのように流れを作るかが課題だろう。
 健闘した池原だが,直線的で単調な攻撃を読まれて完敗。大場の鋭いパンチを浴び,後半はさすがに動きが鈍った。元王者のプライドを十分に見せたが,大場の足とスピードにインファイトを封じられたことが響いたと言える。

     主審:福地勇治,副審:野田昌宏&土屋末広&村瀬正一
     ○大場:27戦26勝(11KO)1分     ●池原:33戦29勝(19KO)4敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:伊藤敦基

※ 第2ラウンドをカットして放送。

このページのトップに戻る


                     2009年11月22日(日)    名古屋国際会議場
                               8回戦
                    日本バンタム級2位         日本バンタム級(ノーランク)
                ×   児玉卓郎    引き分け    松元雄大   ×
                      (岐阜ヨコゼキ) 118 3/4 lbs            (グリーンツダ) 118 3/4 lbs

 執拗に距離を詰めて打ち合いを挑む児玉。しかし,前半は左右にサークリングしながら足で捌いて左ジャブ,フックで迎え撃つ松元のペースで進む。
 足の動きに苦しんで松元を捕まえられない児玉。3回,松元はサークリングしながら左ジャブを突き,右ストレート,フックを浴びせる。4回には右フックがクリーンヒット。児玉は構わず前に出るが,逆に右ストレートを食う。
 松元の足に手を焼く児玉だが,5回から反撃に転じた。バッティングで左目上をカットするが,執拗に接近して左右アッパーをボディに集める。6回に入るとしつこい児玉の本領が発揮された。松元は足が止まり,徐々に児玉のペースに巻き込まれた。
 7回,児玉はバッティングで右目上もカットするが,密着して左右フック,アッパーをボディに集める。8回,児玉の左目上の傷が深くなり,再びドクターチェック。激しい打ち合いが続く展開のまま終了ゴングを聞いた。

 ”岐阜の破壊王”と異名を取る児玉は左右フック,アッパーの連打を武器とする右ファイタータイプ。愚直とも言える前進を続け,執拗な連打で攻め上げるスタイルが売り物。KO率が高いが,一発の威力よりも連打による攻撃力に特徴がある。前半は松元の足に苦しんだが,後半は執拗な攻撃で挽回した。
 松元は右ボクサーファイター。左右にサークリングしながら左ジャブ,フックを浴びせて前半は完全にリードした。ランク入りの絶好のチャンスだったが,後半はさすがにペースダウンし,児玉の反撃を許した。

採点結果 児玉 松元
主審:土屋末広 *** ***
副審:野田昌宏 77 77
副審:村瀬正一 77 77
副審:福地勇治 77 75
参考:MAOMIE 77 75


     ×児玉:32戦21勝(15KO)7敗4分
     ×松元:16戦8勝(1KO)6敗2分

     放送:CBC中部日本放送
     解説:飯田覚士
     実況:
伊藤敦基

※ 第1・7・8ラウンドのみを放送。

このページのトップに戻る


                        2009年11月22日(日)    名古屋国際会議場
                                   8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)   T   K   O   日本S・バンタム級9位
                ○   林 翔太        3回2分51秒     山本 直   ●
                       (畑中) 125 1/4 lbs                         (守口東郷) 127 1/4 lbs

 初回,山本はトリッキーな動きで撹乱する。林は距離を詰め,左ジャブを当てにいく。
 硬さが見られる林だが,2回に山本を捉えた。連打からの右ストレートにぐらついた山本はたまらずダウン。山本はノラリクラリと追撃をかわすが,林は左右アッパー,左フックで攻め立てる。グロッギーの山本だが,良く持ちこたえる。
 3回,ワンサイドゲームになるが,林も詰め切れない。山本は左目上をカットしてドクターチェックを受ける(林の有効打による傷)。林はなおも左右フック,アッパーのボディブロー,右ストレートを浴びせて一方的な試合になった。結局2度のドクターチェックを経て続行不能となり,試合がストップした。

 中部のホープ林が今年7月に苦敗を喫した宿敵・山本に雪辱を果たした。2回に鮮やかなコンビネーションブローでダウンを奪ったが,その後の詰めの甘さが目立った。上体が突っ立って腰高になり,チャンスに見過ぎてしまう悪い癖が出たと言える。チャンスには前傾姿勢に切り替え,重心を低くして攻め切るような”ギヤチェンジ”を身につけて欲しい。
 一度は林に土をつけている山本だが,やや消極的な試合運びで墓穴を掘った。右ボクサータイプで,トリッキーな動きから放つワンツーを得意としている。

     主審:坂本相悟,副審:野田昌宏&石川和徳&福地勇治
     ○林:15戦12勝(8KO)3敗     ●山本:16戦8勝(4KO)7敗1分
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

このページのトップに戻る


                      2009年11月22日(日)    名古屋国際会議場
                                6回戦
                    日本フライ級(ノーランク)        日本フライ級(ノーランク)
                ○   松名瀬 元基    判 定    山本直輝   ●
                        (畑中) 111 1/2 lbs               (塚原京都) 111 3/4 lbs

 初回,山本がウィービング,ダッキングしながら勢い良く前に出て果敢に手を出す。松名瀬は下がりながら回り込み,左ジャブ,右ストレートで迎え撃つ。
 2・3回にも攻め込む山本を松名瀬が足を使って捌き,出バナに左ジャブ,フック,右ストレート,アッパーを決める。
 4回,松名瀬は右ストレート,ボディへの左アッパーに加え,右ストレートのカウンターをヒット。松名瀬はひるんだ山本をロープに詰め,ワンツー,左右アッパーを浴びせた。
 5回,右ストレートで腰が落ちてピンチを迎えた松名瀬だが,山本の見せ場はこれだけだった。

 けれんみのない好ファイト。激しい主導権争いが続いたが,地力に勝る松名瀬が山本を制した。
 松名瀬はスピードのある左ジャブ,フック,右ストレートを得意とする右ボクサーファイター。フットワークがあり,スピーディなパンチに良いものがある。
 山本は右ファイタータイプで,ウィービング,ダッキングしながら勢い良く攻める。松名瀬のスピーディなパンチに屈した。

採点結果 松名瀬 山本
主審:野田昌宏 *** ***
副審:坂本相悟 59 56
副審:村瀬正一 58 56
副審:土屋末広 59 56
参考:MAOMIE 59 55


     ○松名瀬:9戦6勝(2KO)3敗
     ●山本:13戦4勝(3KO)7敗2分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし


このページのトップに戻る


                       2009年11月22日(日)    名古屋国際会議場
                                   4回戦
                  日本S・フライ級(ノーランク)   T   K   O   日本S・フライ級(ノーランク)
                ○   田中裕士       1回1分36秒     小林優也   ●
                       (畑中) 114 1/4 lbs                         (KOZO) 114 lbs

 小柄な小林が開始早々から上体を振り,勢いに乗って猛然と攻勢に出る。小林の左フックがヒットするが,上背で上回る田中は慌てずに左ジャブ,右ストレートからボディへの左アッパーで盛り返す。田中のボディ攻撃に小林がペースダウンし,形勢が逆転。さらに右ストレート,左右アッパーを浴びせたところで石川主審が試合をストップした。

 全国高校選抜3位,国体3位というアマチュア実績を引っ下げた田中(=享栄高)が見事にデビュー戦を飾った。左ジャブ,右ストレート,左右アッパーなどのスピーディなパンチを得意とする右ボクサーファイター。小林の激しい先制攻撃に遭ったが,冷静に対処した。後手に回らず,自分から積極的に攻めることが大事。中部ボクシング界を盛り上げる貴重なタレントへの成長に期待したい。
 デビュー戦を飾れなかった小林。アマチュアエリートを食ってやろうという気迫十分の先制攻撃だったが,結局は地力の差が出てしまった。

     主審:石川和徳,副審:福地勇治&野田昌宏&村瀬正一
     ○田中:1戦1勝(1KO)     ●小林:1戦1敗
     放送:CBC中部日本放送     解説:飯田覚士     実況:高田寛之


このページのトップに戻る


                  2009年11月29日(日)    さいたまスーパーアリーナ
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級3位)             チャンピオン
               ○   亀田興毅    判 定    内藤大助   ●
                       (亀田) 112 lbs                 (宮田) 112 lbs

 初回,気合十分の表情でフェイントから右ストレート,左右フックで仕掛ける内藤。慎重な立ち上がりを見せる亀田は軽い左ストレートをヒットする。
 2回,この試合の流れを大きく左右するクリーンヒットが見られた。1分50秒,ノーモーションの左ストレートを顔面に直撃された内藤は思わず腰を落とす。このパンチで鼻血を流した内藤は以後,眉間の周囲の腫れに苦しむことになった。
 3回,内藤は接近戦で右フックを決める。しかし,4回以降はスピード重視で力を抜いたパンチを巧打する亀田が徐々に主導権を握った。
 6回,ノーモーションの左ストレートから右フックをボディに決める亀田。内藤も左右フックで迫るが,この辺から眉間の周囲の腫れが目立ち始める。7回終盤,亀田を青コーナーに追い込んだ内藤は右フックを放つが,亀田はすぐに体を入れ替えて左右フックを浴びせる。
 8回,内藤が攻め込もうとするところに右フックをヒットする亀田。このパンチで内藤がバランスを崩す場面が見られた。
 大きく顔面を腫らしながら攻める内藤だが,亀田は自分のペースを崩さない。10回,内藤の左アッパーのボディブローに合わせてノーモーションの左ストレートをヒットする。11回,内藤の出バナに右フック,左ストレートが的確に決まる。
 12回,内藤は左右フックで反撃を見せるが,亀田の小さな左ストレートで腰が落ちる。亀田はスピーディな右フック,左ストレートで最後まで主導権を譲らなかった。

 前に出て打ち合いに持ち込みたい内藤に対し,亀田は終始冷静に自分の距離を保った。出て来るところにカウンター気味の右フック,左ストレート,出て来ないと見るや左ストレートを浴びせるクレバーな試合運び。さらに打った後は深追いせずサイドに回って内藤の攻撃を封じるなど,勝つことに拘った。無駄な動きを排除し,コンパクトで力を抜いたパンチを要所に打つというスタミナを温存した戦い方も目立った。ただし,以後の防衛戦ではアグレッシブなところも見せないと評価は上がらないだろう。
 内藤は6度目の防衛に失敗。最後まで王者のプライドを見せたが,亀田のスピードと冷静さに屈した。体の切れやスピードが今一つだったが,今夜は亀田の試合運びを賞賛すべきだろう。左右から揺さぶり,ボディ攻撃で足を止められれば面白かったが,それを許さなかった亀田が一枚上だった。

採点結果 亀田 内藤
主審:エクトール・アフー(パナマ) *** ***
副審:ヒューバート・ミン(米国) 117 111
副審:マキシモ・デ・ルカ(米国) 116 112
副審:ダニエル・ヴァン・デ・ヴィーレ(ベルギー) 117 111
参考:MAOMIE 118 111


     ○亀田:22戦22勝(14KO)
     ●内藤:41戦35勝(22KO)3敗3分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2009年10月に戻る     2009年12月に進む →

ホームページのトップに戻る