熱戦譜〜2009年10月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.10.03  東洋太平洋スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO7R  アーロン・メルガレホ
2009.10.03  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 河野公平  判定  マルビン・タンポス
2009.10.03 8回戦  伊藤和也  5R負傷判定  大川泰弘
2009.10.03 8回戦  金城智哉  KO4R  「 基錫
2009.10.03 8回戦  佐藤祐太  引き分け  渡邉卓也
2009.10.03  WBA世界ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 ビアチェスラフ・センチェンコ  判定  佐々木基樹
2009.10.06  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 デンカオセーン・カオウィチット  判定  亀田大毅
2009.10.10 4回戦  日野慎吾  KO1R  後藤拓也
2009.10.10  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ファン・カルロス・サルガド  TKO1R  ホルヘ・リナレス
10 2009.10.10  WBC世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 西岡利晃  TKO3R終了  イバン・エルナンデス
11 2009.10.10  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 細野 悟  判定  榎 洋之
12 2009.10.10  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 三浦隆司  判定  小口雅之
13 2009.10.10 8回戦  下田昭文  TKO6R  セーンヒラン・ルークバンヤイ
14 2009.10.12  東洋太平洋スーパーミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 清田祐三  TKO3R  ヤント・シマモラ
15 2009.10.12  日本ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 宮崎 亮  10R負傷判定  嘉陽宗嗣
16 2009.10.12  女子東洋太平洋フライ級
 王座決定10回戦
 四ヶ所麻美  TKO8R  OA・ゴーキャットジム

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                       2009年10月3日(土)    後楽園ホール
                    東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級1位)
               ○   内山高志    7回1分01秒   アーロン・メルガルホ   ●
                       (ワタナベ) 130 lbs                     (比国) 130 lbs
                    WBA4位,WBC2位               比国S・フェザー級チャンピオン

 内山が初回からリラックスしてプレッシャーをかけ,左ジャブから打ち下ろしの右ストレートで迫る。
 2回,内山は右ストレートから角度の良い左アッパーでボディを抉る。終了間際には内山の左ジャブからの右アッパーがカウンター気味にボディを捉えた。
 内山は右ストレートに次ぐボディへの左アッパーで徐々にメルガルホを弱らせた。6回終了間際,左アッパーをボディに刺され,追い打ちの右ストレートを浴びたメルガルホは白いマウスピースを覗かせ,苦しそうに青コーナーに戻った。
 7回,メルガルホのダメージを見て取った内山が勝負に出た。ワンツー,ボディへの左アッパーに続き,左ジャブ,ストレートでどんどん追い詰める内山。後退を余儀なくされたメルガルホは必死の抵抗を試みるが,青コーナーで内山が連打を浴びせたところでタオルが投入された。

 内山は盤石のTKOで5度目の防衛に成功。そのパワーは図抜けており,このクラスではまさに東洋に敵なしである。主武器の右ストレート,左アッパーのボディブローでメルガルホを弱らせた末の完勝であり,スピードも切れも十分。しかし,狙い過ぎてやや手数が止まる場面もあった。接近するまでのパンチが不足気味なのが気になる点。東洋レベルでは通用しても,世界レベルではそこを突かれ,接近する前に打たれる危険がある。
 メルガレホは右ボクサーファイターで,右ストレート,左フックを武器としている。バランスの良さが目につく。内山のパワーに屈したが,良くまとまった好ファイターという印象である。

6回までの採点 内山 メルガレホ
主審:柳完洙(韓国) 60 54
副審:エピファニオ・アルメダ(比国) 60 54
副審:土屋末広 60 54
参考:MAOMIE 60 54

     ○内山:13戦13勝(10KO)
     ●メルガレホ:25戦17勝(6KO)7敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                      2009年10月3日(土)    後楽園ホール
                   東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
               ○   河野公平   判 定   マルビン・タンポス   ●
                       (ワタナベ) 115 lbs            (比国) 114 3/4 lbs
                        WBA3位,WBC5位

 初回に波乱が見られた。タンポスの右から左のアッパーに次ぐ左フックをテンプルに受けた河野は左膝から落ちてダウンを取られる。河野はワンツーで反撃に出るが,ガードを固めたタンポスは力が籠った左右アッパー,フックで応戦。
 2回,タンポスの左フック,アッパーでぐらつく河野。河野は右ストレートでタンポスの左目上を切り裂くが,右アッパーからの左フックを許した。
 いきなりのビハインドを背負った河野だが,3回に入ると落ち着きを取り戻した。右ストレートからボディへの左右アッパーを浴びせて主導権を握る。5回にはタンポスもパワフルな右アッパー,左右フックを見せるが,終盤には河野が右ストレートからラッシュを仕掛けた。
 しかし,タンポスのパンチも衰えない。6回には左右アッパーのボディ攻撃からの左フックを受けた河野の足がもつれる場面が見られた。さらにタンポスの左フックが再三ヒットし,河野の足元が怪しくなる。
 中盤以降はしぶとく打ち返してくるタンポスに手を焼きながらも,河野が攻勢を仕掛けてリード。
 12回,再び波乱が見られた。タンポスの攻勢に手数が止まった河野は大きな右フックで吹っ飛ばされるようにキャンバスに落ちる。これは引っ掛けたパンチで有効打とは見なされずにスリップダウンと判定されたが,微妙な場面だった。再開後,今度は右アッパーの打ち終わりに合わせた河野の左フックがタンポスのテンプルにヒット。直後に左フックを空振りしたタンポスは勢い余ってキャンバスに落下し,ダウンを取られた。これも微妙な場面だったが,河野にとっては幸運なノックダウンとなった。河野のワンツーの連打で棒立ちになったタンポスは赤コーナーを背負う。

 ダウンを跳ね返した河野が初防衛に成功。タンポスの強打に再三ぐらつきながらも,最後まで手数が衰えなかったのは豊富な練習量の賜物。しかし,被弾が多く,不安定感は拭えない。世界への再挑戦を希望しているが,今夜の内容ではファンが納得しないだろう。攻撃と防御の境界がハッキリし過ぎているのも気になる点。
 タンポスは右ファイタータイプで左右フック,アッパーにパンチ力がある。力が入ったダイナミックなパンチを振って攻め込む。タフでしぶといため,相手にとっては厄介なタイプである。河野の連打でさすがに終盤は動きが衰えたが,最後までパンチは生きていた。

採点結果 河野 タンポス
主審:キム・ジェボン(韓国) 116 111
副審:エピファニオ・アルメダ(比国) 116 110
副審:浦谷信彰 116 111
参考:MAOMIE 115 111

     ○河野:28戦24勝(8KO)4敗
     ●タンポス:32戦21勝(13KO)9敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:中野謙吾

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                       2009年10月3日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・ライト級6位     負 傷 判 定    日本S・ライト級(ノーランク)
               ○   伊藤和也     5回1分18秒     大川泰弘   ●
                      (宮田) 139 1/2 lbs                      (ワタナベ) 140 lbs

 超変則の伊藤がどんどん前に出ながら左右のスイング気味のパンチで迫る。左フックが大川の顔面に再三ヒット。回り込みたい大川だが,押し込まれる。
 2回,大川はようやく回り込んで伊藤の突進をかわし,左アッパーのボディブロー,右アッパー,左フックを返す。伊藤はバッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受けた。
 3・4回は伊藤が休む間を与えない攻撃で大川を追い詰める。大川は3回にバッティングで右目上をカットする。4回にはさらに鼻からの出血で苦しい展開。大川は出バナにパンチを浴びせて突進を阻止しようと試みるが,伊藤の右ストレート,左右フックの執拗な攻勢にタジタジ。
 5回,大川の右目上の傷が深くなり,ドクターチェックを経て試合がストップされた。恐縮した伊藤とそれに応じた大川がともにキャンバスに膝をついて健闘を讃え合う微笑ましい姿に,ファンから大きな拍手が送られた。

 ともに流血する激しい打ち合いになったが,手数で押し捲った伊藤が大川を制した。
 伊藤は右ファイタータイプ。変則的でぎこちない足の運びながら,相手に余裕を与えない連打で迫るのが得意の攻撃パターン。右ストレートからの左右フックを得意としている。スイング気味のパンチで,相手を見ないで打っている面はあるが,旺盛な闘志と執拗な攻撃は相手にとっては脅威だろう。律義で謙虚で礼儀正しい姿勢に好感が持てる。
 大川は右ボクサーファイターで右ストレート,左フックを得意としている。回り込みながら伊藤の出バナに右ストレートを打って突進を止められれば良かったが,押し込まれてしまったことが敗因。伊藤の執拗な連打に後退し,ときおり弱気な面を見せていた。

5回までの採点 伊藤 大川
主審:杉山利夫 *** ***
副審:葛城明彦 48 47
副審:ビニー・マーチン 49 47
副審:山田一公 49 46
参考:MAOMIE 48 47


     ○伊藤:12戦9勝(4KO)3敗
     ●大川:19戦7勝(2KO)9敗3分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                        2009年10月3日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本フライ級(ノーランク)   K      O    韓国フライ級3位
                ○   金城智哉      4回2分02秒     「 基錫   ●
                       (ワタナベ) 112 1/4 lbs                     (韓国) 112 1/2 lbs
                                               「 基錫=ベ・キスク

 金城が好調な立ち上がりを見せた。ベタ足の「は右ストレートを伸ばすが,金城の右ストレート,ボディへの左アッパーが決まる。
 3回,積極的な攻撃を見せる金城が左アッパーのボディブローで「の動きを止めにかかる。「もボディ攻撃で応戦するが,金城は左右アッパーのボディブロー,右ストレートで攻勢に出て「にロープを背負わせる。
 4回,ワンツーを伸ばす「だが,スピードがない。金城は左右アッパーをボディに集め,右ストレートを交えた攻撃で「を青コーナーに詰める。「も必死の抵抗を試みるが,ロープ際での連打から最後はカウンター気味の右ストレートをアゴに受け,ガックリと膝から落ちてダウン。立ち上がったが,そのままカウントアウトされた。

 金城は右ボクサーファイターで伸びのある右ストレート,左右アッパーに良いものがある。今夜は左アッパーのボディブローを多用し,これを突破口とした攻撃を展開していた。積極的な試合運びが良い結果につながった。昨年8月に日本の暫定タイトル決定戦で敗れ,さらに今年2月には痛烈なKO負けを喫したが,今夜のような積極的な姿勢を貫けば再浮上も十分に期待できる。
 「は右ボクサーファイターで右ストレート,左アッパーのボディブローを得意としている。ベタ足でスピードに欠けることが欠点。金城のボディブローで動きが鈍らせたことが敗因。

     主審:浦谷信彰,副審:山田一公&ビニー・マーチン&杉山利夫
     ○金城:22戦17勝(8KO)3敗2分     ●「:14戦7勝(4KO)6敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                       2009年10月3日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)        日本フェザー級(ノーランク)
                ×   佐藤祐太    引き分け    渡邉卓也   ×
                       (ワタナベ) 123 1/4 lbs              (青木) 123 1/2 lbs

 初回から一進一退の展開が続いた。前に出て左フック,右ストレートを伸ばす佐藤。渡邉は左ジャブで距離を取り,出バナにうまくパンチを合わせる。
 2回,佐藤は潜り込んで右アッパーからボディに右フック。ロープを背にした渡邉は右フックでぐらついた。
 3回は再び渡邉がリード。左アッパーのカウンターが佐藤のアゴに決まる。渡邉は佐藤の反撃を巧みなフットワークと左ジャブで捌き,巧さを見せた。
 中盤は佐藤が主導権を握った。4回開始早々,佐藤のオーバーハンドの右フックがテンプルに決まり,渡邉はぐらついてロープに詰まる。佐藤,左右フックの攻勢。6回には左フックで渡邉が再びぐらつくが,右アッパーからワンツーをヒットして反撃を見せた。終盤には佐藤が左右フックで攻め込み,ロープを背にした渡邉も激しく打ち返して応じた。
 7回,今度は渡邉が右ストレート,アッパーをヒット。佐藤も応戦するが,渡邉が打ち勝つ。8回,渡邉の右アッパーがクリーンヒット。最後までともに譲らない打ち合いが続いた。

 結果は三者三様のドロー。佐藤は左右フック,右ストレートを得意とする右ファイタータイプ。ややスピードに欠けるが,果敢に潜り込んで手数で押すスタイルを身上としている。良い攻撃を見せる反面で不用意な被弾が目立つことが惜しまれる。ディフェンスの強化が課題になるだろう。
 パンチパーマにリーゼントがトレードマークの渡邉は右ボクサータイプ。長身でリーチに恵まれており,足と左ジャブで距離を取ると持ち味が出る。しかし,佐藤の打ち合いのペースに合わせてしまった面がある。自分のスタイルを守ること,スピード不足の欠点の克服が必要になる。特に不用意にロープを背負う場面が多く見られた。

採点結果 佐藤 渡邉
主審:葛城明彦 *** ***
副審:山田一公 77 76
副審:土屋末広 76 78
副審:浦谷信彰 76 76
参考:MAOMIE 76 76


     ×佐藤:13戦7勝(1KO)4敗2分
     ×渡邉:11戦9勝(2KO)1敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:中野謙吾

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              2009年10月3日(土)     ウクライナ:ドネツク ドリュジュバ・スポーツパレス
                      WBA世界ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級15位)
             ○   ビアチェスラフ・センチェンコ   判 定   佐々木基樹   ●
                       (ウクライナ) 147 lbs                  (帝拳) 147 lbs

 開始ゴングと同時に奇襲攻撃を仕掛ける佐々木だが,勢い余って王者のコーナーに突っ込む場面が見られた。センチェンコはこれに乗らず,上下に左ジャブを放ち,左右アッパーを見せる。
 距離を詰めて打ち合いに持ち込みたい佐々木。しかし,センチェンコは速い左ジャブ,ワンツーとフットワークを絡めて冷静沈着な試合運びを貫いた。コンスタントに伸びる左ジャブ,ワンツーに,佐々木はブロックが忙しく,手数が出ない。
 6回,佐々木は『打って来い』と挑発するが,通じない。センチェンコがバッティングで右目上をカットし,故意のヘディングと見たクリストドーロー主審は佐々木に減点2を課した。
 中盤までに大きなビハインドを背負った佐々木は何とか距離を詰めて連打したいところだが,センチェンコの長いリーチに阻まれた。
 9回,佐々木は左右フックでセンチェンコを追い詰める。右フックでセンチェンコの左目上から出血を見る。血が目に入ってやりにくそうなセンチェンコはやや消極的な姿勢を見せた。
 しかし,佐々木の見せ場はここだけ。10回以降は再びセンチェンコが主導権を握る。足を使い,長いリーチを生かした左ジャブ,右ストレートで突き放された佐々木は突破口を見出せない。
 12回,王者は完全に逃げ切りの態勢に入る。足でかわし,左ジャブ,ワンツーを浴びせて佐々木の出足を封じる。死力を振り絞って前に出る佐々木だが,センチェンコはこれに乗らず,最後まで自分の距離を保った。

 敵地に乗り込んで日本人初のウェルター級での世界奪取を狙った佐々木だが,センチェンコのアウトボクシングに攻め口を封じられて完敗。前半から揺さぶりをかけるべきだったが,センチンコの左ジャブ,ワンツーをブロックするのに手一杯で手数が出なかった。堂々と渡り合った健闘は賞賛に値するが,実力の差は如何ともしがたかった。
 センチェンコは初防衛に成功。シドニー五輪の代表からプロ入りしたテクニシャンで,右ボクサータイプ。178cmの長身で,長いリーチをフルに生かした左ジャブ,右ストレートを軸として基本に忠実な試合運びを見せる。常に自分が得意とするスタイルを維持できるところが強味だろう。両目からの出血でやや消極的になる場面は見られたが,乱戦を狙う佐々木のペースに乗らない冷静さが光った。

採点結果 センチェンコ 佐々木
主審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) *** ***
副審:イグナシオ・ロブレス(パナマ) 119 107
副審:スティーブ・ワイスフェルド(米国) 119 107
副審:ロバート・ホイル(米国) 119 107
参考:MAOMIE 119 108


     ○センチェンコ:30戦30勝(20KO)
     ●佐々木:41戦32勝(20KO)8敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ 第6ラウンドのヘディングによる佐々木の減点2を含む採点。

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                       2009年10月6日(火)     大阪市中央体育館
                        WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級11位)
            ○   デンカオセーン・カオウィチット   判 定    亀田大毅   ●
                        (タイ) 112 lbs                    (亀田) 112 lbs

 得意の左フックで迫る亀田に対し,デンカオセーンは右アッパー,左フックでボディを攻める。序盤は王者がボディ攻撃でリードした。
 5回,亀田は右ストレートからボディへの左フック。さらに上への左フックを返す。デンカオセーンも右フックのボディブローで応戦するが,この回は亀田が積極的な攻撃で上回った。
 6回前半,激しい打ち合いになるが,亀田が打ち勝っている。亀田は上から下への左フックをダブルで打ちこみ,どんどんプレッシャーをかける。
 7・8回はデンカオセーンが左右フックのボディブローからすぐにクリンチに出て,亀田の攻撃を封じる老獪な試合運びを見せた。
 中盤をやや攻め倦んだ亀田だが,終盤は再び積極的な攻撃で主導権を握る。ボディ攻撃が効いたか,デンカオセーンはクリンチ,ホールドが多くなり,やや消極的な戦いぶりになった。
 10回,上下への左フックから右ストレートをアゴに打ちおろしてプレッシャーをかける亀田。11回には左フックを連発してデンカオセーンに迫る。亀田もクリンチ,ホールドに悩まされ,後一歩の詰めを欠いた。
 12回,右ストレート,左フックで王者を追い込む亀田。デンカオセーンはクリンチが多くなる。亀田はさらに左アッパーをボディに見舞う。

 淡々として盛り上がりに欠け,世界戦としては淋しい試合内容となった。終盤に追い込みを見せた亀田がやや上回ったかと見られたが,2−0という僅差でデンカオセーンが2度目の防衛に成功した。
 正攻法での攻撃が主体の亀田は,力任せだった従来とはひと味違う進歩した姿を見せた。得意の左フックを顔面に放ち,ボディにも同じ左フックを見舞う積極的な攻撃は評価されて良いだろう。デンカオセーンの動きが鈍った終盤に追撃をクリンチで阻まれたことが響いた。ここで後一歩の詰めがあればと惜しまれる。
 デンカオセーンはスピードが今一つで,相変わらず後半の落ち込みが目立つ。老獪な試合運びで亀田の攻撃をかわしたが,坂田健史(協栄)から痛烈なKOで王座を奪取したときの迫力は感じられなかった。今後,キャリアが浅い挑戦者からの挑戦が殺到することが考えられる。

採点結果 デンカオセーン 亀田
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:シルベストレ・アバインサ(比国) 115 113
副審:レビ・・マルチネス(米国) 115 113
副審:セルジオ・カイズ(米国) 114 114
参考:MAOMIE 114 115


     ○デンカオセーン:50戦48勝(20KO)1敗1分
     ●亀田:17戦15勝(11KO)2敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                        2009年10月10日(土)    豊橋市総合体育館
                                   4回戦
                   日本L・フライ級(ノーランク)   K      O   日本L・フライ級(ノーランク)
                ○   日野真吾       1回2分04秒     後藤拓也   ●
                      (コパン星野) 106 1/4 lbs                       (緑) 106 1/4 lbs

 左の日野,右の後藤の対戦。開始早々から日野が積極的に仕掛ける。左ストレート,フックを振って後藤をロープ際に追い込む日野。後藤もワンツーで応戦するが,やや後手に回る。1分40秒,日野が左ストレートをミスしたところに右ストレートを返す後藤。しかし,次の瞬間,すかさず返した日野の左ストレートが決まれば,大きくアゴが上がった後藤は腰からドスンとキャンバスに落ちた。カウント8で再開されたが,日野が鮮やかな詰めを見せる。フェイントからのワンツーがアゴに決まり,後藤は再び腰から落ちて2度目のダウン。4回戦ルールにより,ここでKOとなった。

 日野はサウスポーのファイタータイプで,左ストレートに切れがある。フィニッシュとなったのはフェイントから右ジャブにつなげて放った矢のような左ストレート。アグレッシブな攻めの姿勢が非常に良い結果を生み,うれしい初勝利につながった。その一方で左ストレートのミスによって,体が流れて両足が揃ってしまう場面が目立った。最初に奪ったダウンも両足が揃っており,危ない場面だった。この辺りの矯正が課題になるだろう。ボディを良く攻めているが,外側からの左フックだけでなく,鳩尾に真っすぐ伸ばす左ストレートが一枚加われば,さらに幅が広がるはず。
 惜しくもデビュー戦を落とした後藤は日野の攻勢で後手に回る場面が目についた。右ボクサーファイターで,軽いフットワークから放つ左ジャブ,右ストレートを得意としている。アゴが上がることが気になる点。

     主審:宮崎久利,副審:堺谷一志&堂本康夫&石川和徳
     ○日野:4戦1勝(1KO)2敗1分     ●後藤:1戦0勝1敗
     放送:生撮りビデオ     解説:なし     実況:なし

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                     2009年10月10日(土)    国立代々木競技場第二体育館
                        WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     挑戦者(同級6位)     T   K  O     チャンピオン
               ○   ファン・カルロス・サルガド   1回1分13秒    ホルヘ・リナレス   ●
                          (メキシコ) 130 lbs                           (帝拳) 129 3/4 lbs

 開始ゴングと同時に鋭い左ジャブをボディに伸ばして前に出るリナレス。サルガドは慎重な動きを見せるが,こちらの左ジャブも良く伸びる。45秒,前に出るリナレスを迎え撃つように,一瞬の隙を突いて左フックを放つサルガド。大きく弧を描いたこのパンチが,ガードの間を潜り抜けるようにリナレスのテンプルに着弾。この一撃で半ば意識が飛んだリナレスはフォローの右フックより早く腰から落ち,背中をしたたか打ちつけてダウン。再開されたが,朦朧とするリナレス目がけてサルガドが突進する。ガードも間に合わずニュートラルコーナーで捕まったリナレスは,右ストレート,フックを浴びて崩れ落ちるように2度目のダウン。立ち上がったが,もはや戦える状態ではなく,パボン主審が試合をストップした。

 わずか73秒,衝撃の王座陥落劇だった。リナレスは2度目の防衛に失敗。2年8ヶ月ぶりの日本のリング,世界チャンピオンになってからは初めての凱旋試合とあって,微妙な緊張があったのか。あるいは格下と見られていたサルガド相手に目に見えぬ油断があったのか。いずれにしても序盤にして,不用意で致命的な一発を食ったものだ。最初の左フックですべてが決まっていたと言える。敗因の分析は当然だが,再起に向けて精神的なダメージからいかにして立ち直るかを考えることが必要になる。実力は折り紙付き。これで終わるような男ではない。
 サルガドは右ストレート,左フックに一発がある右ボクサーファイター。パンチには非常に伸びがある。長引いては勝ち目がないだけに,短期決戦の覚悟でリングに上がったはず。最初にダウンを奪った左フックは一瞬の隙を突いた会心の一発である。実力的には未知数の部分があまりにも多いが,今後自信をつけると怖い王者に化ける可能性がある。

     主審:ルイス・パボン(プエルトリコ),副審:ラウル・カイズ(米国)&グスタボ・パディージャ(パナマ)&ピニット・プラヤドサブ(タイ)
     ○サルガド:23戦22勝(16KO)1分     ●リナレス:28戦27勝(18KO)1敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                 2009年10月10日(土)    国立代々木競技場第二体育館
                    WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T K O    挑戦者(同級5位)
               ○   西岡利晃    3回終了    イバン・エルナンデス   ●
                      (帝拳) 121 3/4 lbs                (メキシコ) 122 lbs

 初回,高く上げた右ガードから右ジャブで牽制する西岡。エルナンデスの左に回り込んで左アッパーを突き上げる。右ストレートに合わせて放った西岡の左ストレートがヒット。見事なカウンターだった。
 2回,西岡は左ストレートを上下にヒットして好調。エルナンデスもスピーディなところを見せるが,西岡の左ボディブローに合わせた右ストレートは空を切る。バッティングで額(右目上)をカットしたエルナンデスはドクターチェックを受ける。WBCルールにより,西岡には減点1が課された。
 3回,減点にもめげず,西岡のパンチが冴えた。エルナンデスの左フック,右ストレートを巧みにかわし,左ストレートのクリーンヒットを重ねる。2分過ぎ,エルナンデスが右を振って入ろうとした瞬間だった。それをかわしざまに放った西岡の左ストレートが鈍い音を立ててアゴに炸裂。この一撃は強烈で,エルナンデスの動きは急に消極的なものに変わった。
 結局,3回終了後のインターバルにエルナンデス陣営が棄権を申し出て試合がストップされた。下顎骨骨折の疑いがあるとのアナウンスがあった。

 西岡,盤石のTKOで3度目の防衛に成功。今年5月に強豪ジョニー・ゴンザレス(メキシコ)を敵地で豪快に沈めたことが大きな自信につながっている様子。主武器の左ストレートは踏み込みもタイミングも抜群で,まさに”伝家の宝刀”である。エルナンデスは弱い挑戦者ではないが,左ストレートを上下に打ち分け,付け入る隙を全く与えなかった西岡が見事だったということに尽きる。ここ数試合の充実ぶりには目覚ましいものがある。本場進出の期待が膨らむ。
 エルナンデスは右ボクサーファイターで,軽快なフットワークに乗せた右ストレート,左フックを得意としている。非常にスピードがあり,足を使いながら伸びるパンチをどんどん出して積極的に攻める。足をフルに動かした試合運びをした場合は,かなり厄介な相手だったはず。

     主審:マイク・グリフィン(カナダ),副審:ダグラス・ベルトン(ニュージーランド)&ブルース・マクタビッシュ(比国)&グレン・トゥローブリッジ(米国)
     ○西岡:42戦35勝(22KO)4敗3分     ●エルナンデス:30戦25勝(15KO)4敗1分
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ WBCルール = 偶然のバッティングで一方の選手が負傷した場合,負傷していない他方の選手に減点1を課す。

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                2009年10月10日(土)    国立代々木競技場第二体育館
                    東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン        挑戦者(同級2位)
                ○   細野 悟   判 定   榎 洋之   ●
                       (大橋) 125 3/4 lbs         (角海老宝石) 126 lbs
                      WBC13位

 初回,榎がコンスタントに左ジャブを突いて試合を作って行く。細野も左ジャブから左フック。終盤,榎は左ジャブに次ぐ右フックから攻勢。
 2回には細野も負けずに反撃に出た。榎はワンツーで攻めるが,細野は左フックで起こし,接近戦で左アッパーをボディに突き上げる。さらに左ボディブローから右フックを浴びせる細野。相打ちの左フックで榎の腰が落ちる。終盤は榎も重いワンツーで反撃を見せ,試合は打撃戦の様相を呈した。
 中盤は一進一退の展開。ともにぐらついて危ない場面が見られる好ファイトになった。7回,前に出る榎に対して細野はうまく間合いを取り,左フック,アッパー,右フックを浴びせてリード。榎はやや手数が減り,左フックを受けてバランスを崩す場面があった。
 8回,榎の左ジャブで右目の腫れが大きくなる細野。しかし,動きながら機を見て左フック,アッパーから右ストレートを浴びせるうまい攻撃で上回った。前に出ている榎だが,手数が減って攻め倦んでいるところを打たれた。
 中間採点の発表でリードされていることを知った榎は9回,積極的な攻撃で挽回を図る。左ジャブ,右ストレートから左右フックの連打で押す榎。細野の左フックが決まるが,終盤には榎の右ストレートがクリーンヒット。
 10回,目のチェックのために両者が相次いでドクターチェックを受ける。11・12回は両者ともに疲労がピークに達するが,動きながらパンチを浴びせる細野が上回った。

 国内中量級屈指の好カードは期待を裏切らぬ激しい打撃戦となった。強豪・榎を制した細野が3度目の防衛に成功。
 榎の激しいアタックに対し,細野は足を使って動きながら出入りに乗せたうまい攻撃を見せた。榎の強打に終盤はさすがに消耗が見られたが,スピードとテクニックの面で一日の長があったと言える。その一方,強打の反面で被弾も目立った。正面からだけでなく,動きを取り入れてかわしながら打つことを心がけるべきだろう。
 良く攻め続けた榎だが,細野のメリハリのある攻撃に一歩及ばなかった。左ジャブ,右ストレートに加えて接近戦で浴びせる左右フックは威力十分。最後まで衰えを見せなかった勝利への執念は見事である。

採点結果 細野
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 116 113
副審:杉山利夫 116 113
副審:島川威 117 112
参考:MAOMIE 115 113


     ○細野:16戦16勝(12KO)
     ●榎:33戦28勝(20KO)3敗2分

     放送:WOWOW
     解説:飯田覚士
     実況:赤平 大

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              2009年10月10日(土)    国立代々木競技場第二体育館
                   日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級5位)
               ○   三浦隆司   判 定   小口雅之   ●
                     (横浜光) 129 3/4 lbs         (草加有沢) 130 lbs
                      WBC11位

 開始早々に三浦が強打で度肝を抜いた。オープニングブローは左ストレートのボディブロー。中盤,右ジャブから矢のような左ストレートが炸裂すれば,小口はロープ際で腰から落ちてダウン(カウント9)。小口の右フックでバランスを崩す場面があったが,三浦はロープに小口を詰めて左右フックの攻勢に出る。終了間際にも三浦の左ストレートで小口の腰が落ちる。
 2回にも三浦の強打が猛威を振るう。三浦の右ジャブからの左ストレートがアゴに決まり,小口はニュートラルコーナーに弾き飛ばされるように腰から落ちてダウン。三浦は青コーナーに詰めて攻勢に出るが,狙い過ぎて雑な攻めでチャンスを逃した。
 序盤に2度のダウンを奪った三浦は3回以降,KOを意識して左強打に頼る悪い癖が出た。小口も良く耐えるが,動きが足りないために左ストレートの標的になる場面が目立った。5回,単発ながらも三浦の左ストレートが再三ヒット。6回にはその左強打で小口がニュートラルコーナー付近のロープに背中から叩きつけられる場面があった。
 7回,左ストレートで大きくのけぞる小口。再び左が効いてぐらついた小口はダウン寸前だが,良く耐える。三浦は一気の攻勢に出るが,ここでも雑な攻めで好機を逸した。健闘する小口に大声援が飛ぶが,さすがに動きが鈍る。
 9回,小口が右ストレートをヒット。これで目が覚めたように三浦が小口をロープ際に押し込んで猛然と攻勢を仕掛ける。終盤には左右アッパーのボディ連打を見せる三浦。
 10回終了間際,三浦は左右アッパーのボディ連打から左ストレート,さらにロープに詰めて左右アッパーのボディブローで最後までKOに拘る攻めを見せた。

 三浦は初防衛に成功。序盤に2度のダウンを奪った左ストレートはフェイント気味の右ジャブからつないだ目にも止まらぬ左ストレート。鮮やかを通り越してあきれるほど凄まじいワンツーである。これは三浦ならではの強打だろう。しかしこのダウンでKOを狙い過ぎ,手数が減ったことが最大の反省点である。倒そうと焦って,左強打に頼る欠点も目立った。上下の打ち分けや揺さぶり,あるいは右フックの返しが欲しい。ロープに押し込んでの連打も,正面に立って両足が揃ってしまう弱点を露呈した。さらに上を目指す場合,うまい相手なら必ずここにカウンターを合わせてくる。今の三浦はあまりにも無防備である。
 小口は試合中にカツラが外れるハプニングで話題になった異色の右ボクサーファイター。ワンツー,左右フックを得意としており,足も使える。頭や上体の振りが乏しいために三浦の左強打をまともに食う場面が目立ったのは残念。追い足の鈍い三浦を足を使って揺さぶれば,ここまで大差はつかなかっただろう。何度もKO寸前まで追い込まれながらも,最後まで食い下がった闘志に脱帽である。

採点結果 三浦 小口
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 100 87
副審:土屋末広 99 89
副審:安部和夫 100 90
参考:MAOMIE 99 88


     ○三浦:20戦17勝(14KO)1敗2分
     ●小口:27戦19勝(7KO)6敗2分

     放送:WOWOW
     解説:飯田覚士
     実況:赤平 大

※ 第1・2・3・10ラウンドのみを放送。

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                  2009年10月10日(土)    国立代々木競技場第二体育館
                                8回戦
               WBC世界S・バンタム級7位    T   K  O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
              ○   下田昭文       6回2分23秒    セーンヒラン・ルークバンヤイ   ●
                      (帝拳) 124 lbs                            (タイ) 126 1/4 lbs
                    WBA11位

 下田が初回から積極的な攻撃を展開した。右ジャブからジリジリ前に出て,左ストレート。セーンヒランも右ストレートをボディに伸ばす。これを迎え撃った下田は左ストレートから右フックを返す。さらに終盤,右から左のフックをボディに見舞う。
 2回にも下田が右ジャブから上下に左ストレートを打ち分けて前に出た。ベタ足のセーンヒランは音無しの構え。3回,下田の左ストレートをボディに受けたセーンヒランはロープを背にする。セーンヒランも右ストレートをヒットするが,下田は左右アッパーをボディに集めて攻勢。
 4回,セーンヒランが打ち気に出た瞬間,待ってましたとばかりに下田が左ストレートを打ち込む。
 5回はやや小休止した下田だが,6回に鮮やかな攻撃で試合を決めた。左ストレート,左右アッパーのボディブローで攻撃の手を緩めない下田。セーンヒランも右ストレートを振るが,このボディ攻撃で動きが鈍る。体を寄せた下田が右フックを脇腹に打ち込む。この一撃でたまらず横を向いたところに右アッパーからの左ストレートを打ち込まれ,セーンヒランはドッとキャンバスに崩れ落ちて大の字に沈む。カウントを途中で止めた安部主審が試合をストップした。

 下田が絵に描いたような鮮やかなコンビネーションブローで元世界ランカーのセーンヒランを沈めた。ボディ攻撃で弱らせ,動きが鈍ったところに仕掛けた見事な詰めである。従来は長引くと雑な攻撃に陥って拙戦を演じることが多かったが,今日は丹念な攻撃の積み重ねによる組立てで,ひと味違う姿を披露した。積極的な攻撃が目立ち,何よりも振りがコンパクトで手数が多く出ていたことが良かった。非凡なセンスは誰もが認めるところであり,これに今日のような冷静さが加われば非常に楽しみである。
 元世界ランカーの強豪セーヒランは右ファイタータイプ。ほぼ一方的に打ち込まれたが,けっして弱い相手ではない。しかしながら,ベタ足でスピードが今一つ。下田のスピーディでアップテンポな攻撃で徐々に動きが鈍り,ほとんど何もできないままに敗れた。

     主審:安部和夫,副審:浦谷信彰&杉山利夫&土屋末広
     ○下田:23戦20勝(10KO)2敗1分     ●セーヒラン:24戦21勝(15KO)2敗1分
     放送:WOWOW     解説:飯田覚士     実況:赤平 大

※ 第1・3・4・6ラウンドのみを放送。

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                         2009年10月12日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O    挑戦者(同級10位)
               ○   清田祐三    3回2分52秒     ヤント・シマモラ   ●
                     (フラッシュ赤羽) 168 lbs                      (インドネシア) 168 lbs

 かなりの体格差が見られる両者。これを生かした清田が初回から積極的な攻撃を展開した。左ジャブ,右ストレートからボディへの右フック。ゴングと同時に赤コーナーに向かったシマモラが清田に”指示”されて青コーナーに戻り,場内が爆笑の渦に包まれる場面があった。
 2回に入っても清田の優勢は変わらない。落ち着いて左ジャブから顔面への細かいパンチ,さらにボディへの左アッパーを見舞う清田。このボディ打ちが効いてシマモラの表情が歪む。
 3回,試合は呆気なく決着がついた。清田の左右フック,ワンツーにシマモラはクリンチに出る。右フックのボディブローが効く。右アッパーをアゴに打ち込まれたシマモラは腰が砕けてピンチ。右ストレートでよろめいたシマモラに追撃の手を加えようとしたところで,ハドレー主審が試合をストップした。

 清田,圧勝で3度目の防衛に成功。これで6連続KO勝ちという快進撃である。重量級にありがちな力任せの攻撃ではなく,左ジャブ,ワンツーを中心とした基本に忠実な試合運びができることが好調の要因だろう。ボディへの左アッパー,右フックも加え,上下への打ち分けが良くできていた。このクラスのマッチメイクは困難を極めるが,そろそろワンランク上との手合わせを見たい。
 シマモラは右ファイタータイプ。左右フックを得意としているが,ベタ足でスピードがなく,体にも締まりが見られない。

     主審:フランク・ハドレー(豪州),副審:ロッキー・ジョー(比国)&土屋末広
     ○清田:21戦18勝(16KO)2敗1分     ●シマモラ:22戦13勝(3KO)4敗4分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

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                     2009年10月12日(月)    後楽園ホール
                      日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                挑戦者(同級6位)    負 傷 判 定     チャンピオン
             ○   宮崎 亮      10回1分13秒   嘉陽宗嗣   ●
                    (井岡) 108 lbs                     (白井具志堅) 107 1/2 lbs
                                                   WBA9位,WBC9位

 開始早々のバッテイングで腰を落とした宮崎はドクターチェックを受けた。嘉陽は左ストレートで積極的な攻めを見せる。
 2回,一発打ってはクリンチ,ホールドという展開。距離を取る宮崎は嘉陽の隙を突いて右ストレートを決め,また距離を取るという試合運びでリードした。3回,出バナに右ストレートを打ち込まれた嘉陽は腰が落ちる。嘉陽も左右アッパーのボディブローで応戦。終了間際,宮崎はバッティングで左前頭部をカットして,ドクターチェックを受ける。
 4回,宮崎が明確なポイントを取った。出バナに右アッパー,さらに右ストレートをヒットされた嘉陽は鼻から出血。やや効いている嘉陽。試合前半の山場となった。
 6回,今度は積極的に左右フック,左ストレートを浴びせて嘉陽がリード。右フックで宮崎の動きが止まる。嘉陽は右目上をカット(宮崎の有効打による傷)。やや消極的になる宮崎だが,終了間際には鮮やかな右ストレートを決めて見せる。
 持ち直しかけた嘉陽だが,7回以降は宮崎が浅いキャリアに似合わぬ老獪な攻撃で主導権を握った。距離を取り,隙を突いて右ストレートを打ち込む試合運びで嘉陽を翻弄する。
 9回,宮崎が完全にリズムを掴み,嘉陽は攻め倦んで苦しい展開になった。ロングレンジからの右ストレート,さらに出バナに左フックを浴びせる宮崎。
 10回,バッティングで右目上をカットした嘉陽。ドクターチェックの結果,試合続行不能とされてストップとなった。この傷は6回に負った有効打による傷とは別物との発表があり,試合は負傷判定に持ち込まれた。

 新王者となった宮崎は右ボクサーファイターで,気持ちの強さに定評がある。足を使って自分の距離を保ち,一瞬の隙を突いて右ストレート,フックを打ち込む攻撃パターンを得意としている。キャリアで勝る嘉陽を老獪さで翻弄するという皮肉な結果となった。イキの良さ,パンチ力,うまさを兼ね備えた好素材である。ただし,首を押さえつけて打ったり,6回に浦谷主審の目を盗むようにして嘉陽の右目上の傷にヘッドバットを入れるなどの反則スレスレの行為も散見された。老獪さと紙一重だが,これは反省点だろう。
 嘉陽は6度目の防衛に失敗。宮崎の速い動きや右ストレートに悩まされ,7回以降は完全にペースを握られた。左ストレートの切れはあったが,攻め倦んでいるところにパンチを浴び,内容的には完敗に近い。正直過ぎる試合運びが災いしていると言える。再浮上を目指していただけに,手痛い王座陥落となった。

10回までの採点 宮崎 嘉陽
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:山田一公 99 94
副審:土屋末広 98 94
副審:福地勇治 97 94
参考:MAOMIE 97 94


     ○宮崎:12戦10勝(5KO)2分
     ●嘉陽:23戦17勝(9KO)3敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:西岡孝洋

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                        2009年10月12日(月)    後楽園ホール
                      女子東洋太平洋フライ級王座決定10回戦
               女子東洋太平洋フライ級2位   T   K   O   女子東洋太平洋フライ級3位
             ○   四ヶ所麻美       8回0分46秒    OA・ゴーキャットジム   ●
                   (フラッシュ赤羽) 112 lbs                              (タイ) 111 lbs
                   WBC女子11位                        WBC女子世界L・フライ級10位

 初回,ともに左ジャブから立ち上がる。後半,四ヶ所は右ストレートから左右フックでOAをロープに詰めて攻勢に出る。
 2回,四ヶ所はOAの強引な攻撃に距離を潰されるが,3回に入って主導権を握った。四ヶ所は左右フックでロープに押し込んで攻勢に出る。4回には四ヶ所の右フックのボディブローからの右ストレートで大きくのけぞるOA。
 6回,揉み合いのような打ち合いが続く。四ヶ所の右ロングフックが決まるが,OAが接近戦で左右アッパーのボディ連打を見せる。さらにOAの左ストレートのカウンターが決まる。
 しかし,7回,四ヶ所が決定的なリードを奪った。OAは後頭部にパンチを浴びせて減点1を課せられる。四ヶ所は構わずOAをロープに詰め,左右フックで攻勢。右ストレートで再三棒立ちになり,ややグロッギー気味のOA。
 8回,再び強引に出て執拗な左右アッパーでボディを攻めるOA。しかし,四ヶ所も左右フックのボディブローで応戦。OAが前に出ようとしたところにカウンターの右ストレートが決まる。このパンチでOAがよろめいたところで,安部主審が試合をストップした。

 四ヶ所がTKOで初代王座についた。重量感のある攻撃を売り物にする右ファイタータイプ。武器は左右フック,右ストレート。攻め急ぐためか,前傾し過ぎて体を預けるようにパンチを出しており,動きに柔軟性が乏しくなっていることが惜しまれる。正面からの攻撃が目立つが,サイドに回り込んで打ったり,出入りを利用して自分の距離を溜めて打つことが望ましい。そうすればパワーがより際立つだろう。
 OAはサウスポーのファイタータイプ。左右フック,左ストレートを繰り出して攻め込むが,こちらも下半身の柔軟性が乏しく,突っ立ったまま打ち合ってしまって被弾する欠点がある。

     主審:安部和夫,副審:山田一公&ビニー・マーチン&福地勇治
     ○四ヶ所:4戦3勝(2KO)1敗     ●OA:10戦6勝(1KO)4敗
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:鈴木芳彦

※ 第7ラウンド,後頭部への加撃によってOAは減点1。

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