熱戦譜〜2009年9月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.09.05  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 八重樫 東  判定  金田淳一朗
2009.09.05 10回戦  亀田興毅  KO5R  ウンベルト・プール
2009.09.05 8回戦  亀田和毅  TKO3R  ヘスス・ペリバン
2009.09.19 8回戦  天笠 尚  判定  福島 学
2009.09.19 8回戦  蔦谷貴法  KO8R  中嶋孝文
2009.09.19 6回戦  尹 文鉉  判定  斉藤正樹
2009.09.19 8回戦  関本純太  5R負傷引き分け  小野澤洋次郎
2009.09.21 10回戦  坂田健史  KO2R  ディッキー・プトラ
2009.09.30  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 名城信男  引き分け  ウーゴ・カサレス
10 2009.09.30 8回戦  安田幹男  TKO2R  メッグン・シンスラット

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                      2009年9月5日(土)    後楽園ホール
                      日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級1位)
               ○   八重樫 東   判 定   金田淳一朗   ●
                       (大橋) 105 lbs             (白井・具志堅) 105 lbs
                   WBA13位,WBC15位

 初回,動きながら積極的に左ジャブ,右ストレートで攻める金田。八重樫も左ストレートをヒットし,右ストレートから左アッパーを決める。2回に入ると八重樫が金田の出バナにうまく左右フックを合わせるようになる。
 やや八重樫のペースで進んだ前半だが,試合の流れが明確に八重樫に傾いたのは5回。正直な攻めが目立つ金田は動きを読まれ,八重樫の右ストレートのカウンターあるいは左ジャブを浴びる。
 6回,うまく間合いを取って休みながら要所に右ストレートのカウンター,左ジャブを決める八重樫。終了間際には左右フックの攻勢で金田をぐらつかせてロープに追い込む。
 8回,八重樫はバッティングで左目上をカットするが,金田も右目上を腫らして苦しくなる。9回,金田が出るところに右ストレート,左フックを狙い打ちする八重樫。ダメージがある金田はよく打ち返すが,終了間際に見せた八重樫の左右フックでぐらついてロープを背負う。
 10回,金田はバッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受けるが,死力を振り絞って打ち合いを挑む。右ストレート,左フックを浴びてぐらつきながらも前に出て左右フックを振る金田。しかし,この打合いは余力を残している八重樫が上回った。

 八重樫がひと味違った姿を見せ,初防衛に成功した。攻めに出る金田の動きを見極め,右ストレートのカウンターを中心に要所を締める安定した試合運びを見せた。距離を取ってタイミング良く左ジャブを浴びせるアウトボクシングも冴えた。無駄な動きを排除してスタミナを温存しながら,ここというところにパンチを浴びせる省エネ戦法が光る。7戦目で敢行した世界挑戦で王者・イーグル京和(角海老宝石)に惨敗を喫した経験が今になって生きている様子。再び世界を目指す位置に到達することも十分に可能である。終盤にぐらつかせたところで一気に仕留めに出る荒々しさがあればなお良かった。
 金田は日本,東洋太平洋を含めて4度目のタイトル挑戦に失敗。良く攻めていたが,動きを読み切られてしまい,完敗。正直過ぎる攻撃が目についた。

採点結果 八重樫 金田
主審:浅尾和信 *** ***
副審:杉山利夫 98 92
副審:浦谷信彰 98 92
副審:土屋末広 99 91
参考:MAOMIE 99 91


     ○八重樫:14戦12勝(7KO)2敗
     ●金田:24戦19勝(12KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:田中毅

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                         2009年9月5日(土)    ディファ有明
                                 10回戦
                   WBA世界フライ級1位   K      O   メキシコ フライ級(ノーランク)
                ○   亀田興毅      5回2分29秒    ウンベルト・プール   ●
                       (亀田) 113 1/4 lbs                        (メキシコ) 113 1/4 lbs

 ほとんど手を出さないプールに対し,亀田は右ジャブから左ストレートを伸ばす。2回,亀田は左アッパーのボディブローから右フックを浴びせる。左フックでバランスを崩すプール。終盤には亀田がスピードに乗った左右のコンビネーションブローを見せた。
 3回,亀田は接近して左右アッパーをボディに連打する。ロープを背にしたプールのアゴに右アッパーをヒット。
 プールが反撃らしものを見せないまま,試合は一方的に進んだ。5回,左右アッパーをボディに受けたプールはロープ際でしゃがみ込んで最初のダウン。さらにボディ攻撃の後,右から左のフックで2度目のダウン。最後は連打を浴びせたところで福地主審が試合をストップした。

 KOシーンが見られたのに観客が一向に沸かないという不思議な試合。会場の静寂が異様に映った。亀田はワンサイドに攻め立てた末にKO勝ちでまたも”前哨戦”を飾ったが,相手の実力がこれでは会場が沸かないのも当然。力を抜いてスピード重視とした左ストレート,右フックあるいはボディへの左右アッパーは良かったが,もう少し骨のある相手を選ばなければファンの支持は得られないだろう。
 プールは右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを武器としている。しかし,胴回りがだぶついており,スピード不足は明白。ほとんど攻撃らしいものを見せずに終わった。不甲斐なさばかりが目立ち,ロートルという印象は拭えない。
 5回の2度目のダウンから試合を再開した際,福地主審はプールが吐き出したマウスピースを青コーナーに放り投げてしまうという理解に苦しむ行動に出た。これは安全管理上非常に問題が大きい。

     主審:福地勇治,副審:安部和夫&中村勝彦&ビニー・マーチン
     ○亀田:21戦21勝(14KO)     ●プール:27戦15勝(9KO)9敗3分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:土井敏之

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                         2009年9月5日(土)    ディファ有明
                                 8回戦
                  日本バンタム級(ノーランク)  T   K   O   メキシコ バンタム級(ノーランク)
                ○   亀田和毅      3回2分00秒     ヘスス・ペリバン   ●
                        (亀田) 118 lbs                          (メキシコ) 117 1/2 lbs

 初回,広いスタンスから左ジャブで牽制する亀田。2分過ぎ,ペリバンが出てくるところに左フックから小さく右ストレートのカウンターをヒットする。
 3回,亀田が豪快に試合を決めた。左フックからボディに左アッパーを放つ亀田。ペリバンが入ろうとしてガードが下がった瞬間,アゴに見事な右アッパーが命中。この一撃でガクンと腰が落ちたペリバンは大きく泳いでロープに詰まる。ロープがなければ倒れていたと見た安部主審はここでカウント8を数える。再開したが,ここからは亀田の一方的な攻撃が続く。ノーモーションからの右ストレートや左フックで攻勢に出る亀田。ペリバンが不用意に前に出たところを見逃さず,右アッパーを一閃。まともにアゴを打ち抜かれたペリバンは意識が飛んで,腰から落ちて大の字。安部主審が即座に試合をストップした。

 亀田三兄弟の末弟・和毅はこれで無傷の10連勝。左フック,右ストレートにパンチ力がある右ボクサーファイターである。パンチ力だけを考えれば,おそらく三兄弟の中で筆頭だろう。ややアップライトな構えから,どんどん手数が出る。ただし,これは2人の兄にも共通して言えることだが,時期を選んで強敵にぶつけなければ成長しないだろう。
 ペリバンは右ファイタータイプ。スピードもパンチ力も並み以下であり,快進撃を続ける和毅がグラブを交えても何も得るものはない。

     主審:安部和夫,副審:不明
     ○亀田:10戦10勝(9KO)     ●ペリバン:26戦7勝(3KO)18敗1分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:伊藤隆佑

※ 第1・3ラウンドのみを放送。

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                 2009年9月19日(土)    後楽園ホール
                           8回戦
                日本フェザー級5位       日本バンタム級6位
             ○   天笠 尚    判 定    福島 学   ●
                  (HS山上) 125 1/2 lbs           (花形) 125 1/4 lbs

 初回,変則的な動きで若い天笠を撹乱する福島。しかし,天笠は伸びの良い左ジャブから左右アッパーの連打で攻め立てて早くも優位に立った。終盤,福島も左アッパーから右ストレートをヒット。
 積極的に攻撃を仕掛ける福島だが,2回,離れ際を突いて天笠が左右アッパー,右ストレートをつるべ打ち。終盤右ストレートのカウンターを受けた直後にプッシングで腰からキャンバスに落ちる福島。これはスリップダウンとなったが,微妙な場面だった。
 5回は福島が出入りを繰り返しながら左右フックを決めて優位に立つ。ロープを背にした天笠は右フックのカウンター一発でぐらついてピンチ。ここは福島がベテランの味を披露した。
 しかし,6回以降は再び天笠のペース。福島の老獪なボクシングにやや手数が止まる天笠だが,右ストレート一発で流れを変え,得意の左右アッパーを乱れ打ちする。7回にも右アッパーでぐらつく福島。天笠は長い腕を振って左右フック,アッパーを浴びせる。福島は右目上をカット(天笠の有効打による傷)。
 8回,左ジャブから右フックを浴びせる福島。しかし,左フックでのけぞる。最後まで必死に手を出す福島だが,天笠の左右フック,アッパーに晒された。

 23歳の若い強打者・天笠がひと回り年上の大ベテラン福島に打ち勝った。
 天笠は強打の右ボクサーファイター。このクラスでは破格の長身(179cm)と長いリーチを誇る。左ジャブでアウトボクシングもできるし,打ち合いにも強い。チャンスを掴むと長い腕を振って左右の乱れ打ちとも言える連打を浴びせる攻撃が特徴。特に左右アッパーを武器としている。一発のパンチ力もあるが,チャンスにまとめ打ちができることも強味である。ただし福島の出入りの多さに戸惑って手数が減る場面があった。相手に変幻自在に動かれたときにどう対処するかが課題である。
 天笠の連打に屈した福島だが,随所にベテランの味を見せた。特に出入りを生かして繰り返す細かい右ストレート,左右フックが光る。間合いをずらして仕掛ける連打は福島の真骨頂だろう。豊富な練習量と節制には脱帽するばかりである。ただし,打たれたときにアゴが上がるなどの見栄えの悪さが目につく。

採点結果 天笠 福島
主審:浅尾和信 *** ***
副審:ビニー・マーチン 77 76
副審:土屋末広 76 76
副審:福地勇治 78 75
参考:MAOMIE 78 74


     ○天笠:19戦14勝(11KO)3敗2分
     ●福島:48戦35勝(19KO)9敗4分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎&本間暁
     実況:河路直樹

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                          2009年9月19日(土)    後楽園ホール
                                   8回戦
                 日本S・バンタム級(ノーランク)    K      O   日本S・バンタム級8位
                ○   蔦谷貴法       8回0分51秒     中嶋孝文   ●
                       (博多協栄) 122 lbs                          (ドリーム) 121 3/4 lbs

 ともにスピードがある同型の右ボクサーファイター同士の顔合わせ。2回,蔦谷はボディに右ストレート,左アッパーを放つ。しかし,中盤,ワンツーで蔦谷をぐらつかせた中嶋が攻勢に出る。蔦谷は左目上をカット(中嶋の有効打による傷)。
 3回,スリリングな展開が続く。序盤,相打ちの右フックをカウンターされた蔦谷はぐらついて再びピンチ。チャンスと見た中嶋は一気に攻勢に出る。しかし2分頃,蔦谷が飛び込んで放った左フックをアゴに直撃され,中嶋は腰から落ちてダウン。これで流れが急変し,蔦谷が左右アッパーで攻勢に出た。
 4回,俄然元気が出た蔦谷は打ちおろしの右ストレートを浴びせる。やや消極的なところを見せる中嶋。
 5回,今度は中嶋が挽回を狙って積極的な攻撃に出る。左右アッパーで応戦する蔦谷だが,終盤中嶋の右ストレートがカウンターになり,ぐらつく場面を見せた。一気にKOを狙って中嶋が猛攻を見せる。抱きついてピンチを切り抜ける蔦谷。手に汗握るスリリングな熱戦になった。
 8回,劇的なカウンターによるKOシーンが用意されていた。死力を振り絞って手を出す両者。クリンチからもつれ合うようにして蔦谷をロープ際に押し込む中嶋。フィニッシュの右一発を打ち込もうとした瞬間,ロープを背にした蔦谷が待ってましたとばかりに右ストレートを返す。このショートのカウンターをアゴに打ち込まれた中嶋はたまらず腰から落ちて仰向けにダウン。立ち上がったが,そのままカウントアウトされた。

 攻守が目まぐるしく変わるスリル満点の好ファイト。
 蔦谷はアマ(東福岡高→拓大)を経てプロ入りした右ボクサーファイター。左フック,右ストレートを武器としており,パンチは非常にシャープ。カウンターのタイミングに優れたものがある。アマチュア仕込みのしっかりしたテクニックを備えている。試合を決めたショートの右カウンターは押し込まれてロープの反動を利用した絶妙な一発であり,勝負勘にも非凡なものを見せた。8位の中嶋を破ったことで,ランクインは確実。地方のジムというハンデはあるが,非常に楽しみな注目株である。アゴのガードの甘さがあるので,そこが課題だろう。
 中嶋は右ストレート,左フックにパンチ力を秘める右ボクサーファイター。こちらも右のカウンターに非凡なものがある。蔦谷を再三ピンチに追い込んだが,攻め込まれると消極的になる面が気になった。技術面以上に精神面の差が結果に表れたという印象が強い。

     主審:浦谷信彰,副審:中村勝彦&土屋末広&浅尾和信
     ○蔦谷:5戦5勝(3KO)     ●中嶋:20戦14勝(5KO)5敗1分
     放送:スカイA     解説:石津純一郎&本間暁     実況:河路直樹

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                     2009年9月19日(土)    後楽園ホール
                             6回戦
                   日本S・ライト級11位       日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   尹 文鉉    判 定    斉藤正樹   ●
                       (ドリーム) 140 lbs             (湘南RYUJU) 138 1/2 lbs

 長身の斉藤が左アッパーのボディブローから右フックを振って積極的に攻め込む。
 初回は斉藤の攻勢が目立ったが,2回に入ると尹がうまさを見せて流れを引き寄せた。前に出る斉藤の動きを良く見て,揉み合いのような打撃戦の中で左右アッパーでボディを叩く尹。このボディ攻撃で出足が鈍った斉藤は構わずロープに押し込むが,尹はスルリと体を入れ替えて右フックを浴びせた。
 4回,斉藤はヘッディングで減点1。尹は斉藤の攻撃の切れ目に的確な左ボディブロー,左右ショートフックを浴びせるうまさを見せた。
 6回,接近戦で激しい打ち合いが続く。尹の左アッパーが再三脇腹をえぐる。斉藤は動きが鈍るが,死力を振り絞って最後まで応戦した。

 激しい打撃戦の好ファイト。尹は的確なパンチを要所に決め,ほぼ全般を通して主導権を握っていた。左アッパー,フックのボディ打ちを中心に,接近戦でのうまさが目立つ。特に相手の動きを良く見て攻撃の切れ目を突くようにパンチを返すうまさが光る。右ファイタータイプだが,テクニシャンの部類に入るだろう。
 斉藤は181cmという長身の右ファイタータイプ。長身で優男の外見とは裏腹に好戦的で,接近戦での激しい打ち合いを身上とする。武器は左右フック,アッパーの連打。旺盛な手数は豊富な練習量の証明である。今夜は尹に動きを読まれ,手が止まったところに的確なパンチを返された。ボディ攻撃が効いて終盤はさすがに動きが鈍ったが,最後まで食い下がって試合を盛り上げたプロ根性は脱帽モノである。

採点結果 斉藤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:浦谷信彰 59 55
副審:土屋末広 59 55
副審:中村勝彦 59 54
参考:MAOMIE 59 55


     ○尹:7戦7勝(2KO)
     ●斉藤:9戦4勝4敗1分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎&本間暁
     実況:河路直樹

※ 第4ラウンドのヘディングによる斉藤の減点1を含む採点。

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                        2009年9月19日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                日本フェザー級(ノーランク)   負傷引き分け    日本フェザー級(ノーランク)
              ×   関本純太      5回1分06秒     小野澤洋次郎   ×
                     (勝又) 125 lbs                           (ワタナベ) 126 lbs

 左の関本,右の小野澤の対決。まず関本が積極的に仕掛けるが,小野澤は下がりながらさばいて右ストレートからの左アッパーでのけぞらせる。小野澤は良く見てパンチを浴びせる。
 2回に入ると今度は関本が執拗な連打で優位に立った。左ストレート,右フックを上下に放って前に出る関本。小野澤はバッティングで右目上をカット。3回,負傷判定を意識した両者の手数が急激に増える。前に出て連打をまとめる関本が上回る。出血が増した小野澤はドクターチェックを受けた。
 4回は小野澤。激しい打撃戦になるが,終盤小野澤の右ストレート,左アッパーに次ぐ右フックで関本の腰が落ちる。関本は両目上をカットしたが,左目上は小野澤の有効打,右目上はバッティングによる傷と発表された。
 5回,激しい打ち合いが続く。左ストレート,フックを叩きつけ,接近戦で左右フック,アッパーのボディブローを連打する関本。小野澤も右ストレート,左から右のフックをヒット。ここで福地主審が相次いで両者を呼び,ドクターチェックを受けさせる。結局両者の右目上の傷が続行不能と判断され,試合がストップされた。

 中堅同士の激しい打ち合いで好ファイトとなった。
 関本はサウスポーのファイタータイプで連打を身上としている。今夜は打って行くところに被弾する場面が目立ったが,全般的には手数で上回っていた。一発の破壊力には欠けるが,左ストレート,左右フックの間断ない連打が武器。
 小野澤は基本スタイルとしては右ファイタータイプだが,出方を見ながら相手が打って出るところに右ストレート,左アッパーを巧打するうまさがある。肉体的な強さ,特に上体の強さが持ち味になっている。

5回までの採点 関本 小野澤
主審:福地勇治 *** ***
副審:浦谷信彰 48 48
副審:ビニー・マーチン 48 48
副審:中村勝彦 49 47
参考:MAOMIE 48 47


     ×関本:17戦11勝(4KO)5敗1分
     ×小野澤:20戦8勝(5KO)7敗5分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:河路直樹

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                        2009年9月21日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                WBA世界S・フライ級5位   K      O    インドネシア フライ級5位
              ○   坂田健史      2回2分47秒     ディッキー・プトラ   ●
                    (協栄) 114 1/4 lbs                        (インドネシア) 113 1/4 lbs
                  WBC世界フライ級6位

 開始早々から坂田が積極的に前に出る。サウスポーのプトラは左ストレートを多用し,左アッパーでボディを狙う。構わず前に出た坂田は左右フック,アッパーをボディに集める。終盤,プトラの左ストレートをバックステップでかわし,すかさず右アッパーのカウンターを決める。
 2回,試合は呆気なく決着がついた。左ストレートを振るプトラに対し,坂田はボディ攻撃で迫る。右ストレートからの左フックで動きを止めると左右アッパーをボディに集中。プトラはニュートラルコーナーに腰から落ちてダウン。立ち上がったもののカウントアウトされた。

 スーパーフライ級で王座返り咲きを狙う坂田が鮮やかにプトラを沈めた。左ストレートで積極的に攻めるプトラをボディブローを交えた連打で弱らせた末のKOである。格下相手だけに当然の結果だが,冷静な試合運びは42戦目というキャリアの賜物だろう。層の厚いスーパーフライ級だが,坂田の参入によってさらに面白くなるはず。
 プトラはサウスポーのボクサーファイター。アップライトスタイルからノーモーションの左ストレートを多用し,ボディにも左アッパーを突き上げてどんどん攻めてくる。やや手打ちでガードが開き気味なところが欠点。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&染谷路朗&安部和夫
     ○坂田:42戦35勝(16KO)5敗2分     ●プトラ:9戦5勝(2KO)4敗
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:新夕悦男

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                  2009年9月30日(水)    大阪府立体育館第2競技場
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ×   名城信男   引き分け   ウーゴ・カサレス   ×
                       (六島) 115 lbs                (メキシコ) 114 lbs

 初回,スイッチヒッターのカサレスが早くも右構えから左に切り替えて見せた。名城は右ストレートをヒット。さらに右ストレートから左フックをヒットして好調な立ち上がり。
 しかし,2回に入ると指名挑戦者カサレスも本領を発揮した。カサレスは左アッパーから右ストレートを打ち下ろし,すぐに左にスイッチ。3回,名城がバランスを崩したところに左右フック,アッパーで攻勢に出る。4回には足を使って放つカサレスの左ジャブ,フック,アッパーから右ストレートが回転する。
 カサレスのスピードに戸惑う名城だが,5回,カウンター狙いに転じたカサレスにワンツーでプレッシャーをかける。終了間際にはロープに詰めて,右ストレートのボディブローを見舞う名城。
 6・7回,名城は左右フックのボディブロー,右ストレートでプレッシャーをかける。ボディを打たれたカサレスがイヤな表情を見せる場面があった。
 8回,カサレスは距離を取って左ジャブ,ワンツーで名城の出バナを叩くが,ラウンドの終盤には急激に疲れを見せた。9回,名城のボディブローが効いたのか,カサレスの足の動きが鈍り,口が開く。
 10回,カサレスは左アッパー,右ストレートをどんどん出す。右・左・右という3連打を浴びて腰が落ちる名城だが,逆に自分の右ストレート,左フックもヒットした。
 終盤の2ラウンドは明白に名城が押さえた。ワンツー,左右フックに後退するカサレス。明らかに前半よりも足の動きが鈍っている。名城は12回,バランスを崩したカサレスを赤コーナーに押し込んで攻勢を仕掛けた。

 名城は2度目の防衛に成功。強敵との呼び声が高かった指名挑戦者カサレスに価値あるドローである。前半はカサレスのスピードに苦しんだ面はあるが,ボディブローを交えた攻撃で足を止めたことが奏功した。冨山浩之介(ワタナベ)に大苦戦した4月の初防衛戦と比べれば,名城の動きは別人のように良かった。終盤の2ラウンドはカサレスの足が止まっていただけに,あと一歩の追い込みがあればダウンシーンもあっただろう。世界的な実績があるカサレスを退けたことにより,評価を上げたことは間違いない。安易な日本人相手の防衛戦でその評価が逆戻りしないようにして欲しい。
 元WBO世界L・フライ級王者として5度防衛の実績を誇るカサレスは足が速い右ボクサーファイター。頻繁にサウスポースタイルにスイッチするのが特徴。目と勘に優れるだけでなく,右でも左でも戦える器用な面を持っている。左ジャブ,右ストレート,左アッパーなどの多彩なパンチでどんどん攻める攻撃的な面がある一方で,攻め込まれると後手に回る弱点も垣間見られた。L・フライ級の王者だった頃の映像と比較すると,計量パス後の”増量”のためか体がふっくらした印象を持った。ここにボディブローを受けて後半に足が止まったことが敗因。

採点結果 名城 カサレス
主審:ヒューバート・アール(カナダ) *** ***
副審:尹元鐸(韓国) 116 112
副審:フィリップ・ベルベケ(ベルギー) 114 114
副審:アルバート・ウィレンスキー(米国) 112 116
参考:MAOMIE 115 113


     ○名城:15戦14勝(8KO)1敗
     ●カサレス:38戦30勝(22KO)7敗1分

     放送:テレビ東京&BSジャパン
     解説:大橋秀行&長谷川穂積
     実況:島田弘久

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                  2009年9月30日(水)    大阪府立体育館第2競技場
                                8回戦
                   日本バンタム級11位   T  K  O   WBC世界バンタム級15位
                ○   安田幹男     2回1分23秒   メッグン・シンスラット   ●
                       (六島) 119 1/4 lbs                     (タイ) 118 3/4 lbs
                                             元WBC世界フライ級チャンピオン

 開始早々から安田が鋭い左ジャブを多用してプレッシャーをかける。メッグンは前に出て左右フックのボディブローで迫るが,安田は左ジャブから右ストレートさらに左フック,アッパーを連打して,下から上へと攻め上げる。メッグンはロープに詰めていくが,安田はロープを背にしながら強烈な左フック,アッパーをボディに見舞う。
 2回,安田が圧巻のパンチ力を見せつけて試合を終わらせた。攻め込むメッグンを鋭い左ジャブで迎撃する安田。メッグンはなおも攻め込むが,スルリと体を入れ替えた安田は逆にメッグンをロープに詰め,左アッパーのボディブロー。さらに続けてボディに放った左アッパーが効いて,上体を海老のように曲げて苦しげに後退するメッグン。確かな手応えを感じ取った安田は一気に攻勢。右ストレートに次ぐ上下への左フック,アッパーで崩れるようにダウンするメッグン。辛うじて再開されたが,安田の詰めは見事。ワンツー,ボディへの左アッパーを打ち込んだところで川上主審が試合をストップした。

 ハードパンチャーとして急上昇中の安田が元世界王者メッグンを鮮やかなTKOに屠った。右ボクサーファイターで,軽快なフットワークに乗せて放つ多彩なコンビネーションブローを得意としている。特に左ジャブ,ストレートの鋭さが目を引く。この左ジャブに続いて放つ右ストレート,上下への左フック,アッパーが武器になっている。いずれもしなるようなパンチで,KOにつなげる威力十分。一発に依存するのではなく,上下への打ち分けが間断なくスムーズにできることが最大の強味だろう。ガードの低さがマイナス要因だが,非常に楽しみ。日本ランクの最下位に顔を出したばかりだが,間違いなく上位に進出してくる逸材と言える。今後の動向を注視しておく必要がある。

     主審:川上淳,副審:北村信行&野田昌宏&宮崎久利
     ○安田:21戦15勝(12KO)4敗2分     ●メッグン:69戦63勝(44KO)6敗
     放送:テレビ東京&BSジャパン     解説:大橋秀行&長谷川穂積     実況:不明

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