熱戦譜〜2009年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.08.01  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 近藤明広  TKO1R  三垣龍次
2009.08.01 8回戦  冨山浩之介  判定  井川政仁
2009.08.01 8回戦  瀬川正義  判定  田口良一
2009.08.01 8回戦  高山樹延  TKO2R  和田直樹
2009.08.01 6回戦  カルロス・リナレス  KO1R  タタク・ハリウィヤント
2009.08.10  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 小野寺洋介山  判定  和宇慶勇二
2009.08.10 8回戦  大村光矢  判定  大沢宏晋
2009.08.10 8回戦  淵上 誠  TKO8R  岡田山金太郎
2009.08.10 8回戦  大川泰弘  TKO6R  平井良維
10 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
60kg級準決勝(4回戦)
 澤永真佐樹  引き分け  小沢大将
   ※ 延長1ラウンド判定により澤永が勝者扱い。
11 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
60kg級準決勝(4回戦)
 小林生人  判定  真鍋圭太
12 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
65kg級準決勝(4回戦)
 山口裕司  判定  清田広大
13 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
65kg級準決勝(4回戦)
 前川洋昭  判定  森田 瞬
14 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
70kg級準決勝(4回戦)
 岳たかはし  TKO1R  江口啓二
15 2009.08.22 A級ボクサー賞金トーナメント
70kg級準決勝(4回戦)
 渡部あきのり  KO1R  海老根範充
16 2009.08.23  WBA女子世界ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 多田悦子  判定  ヤニ・ゴーキャットジム
17 2009.08.23 6回戦  秋田屋まさえ  判定  小田美佳
18 2009.08.28  WBC世界フライ級
 暫定タイトルマッチ12回戦
 ポンサクレック・ウォンジョンカム  TKO6R  升田貴久
19 2009.08.29  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 中広大悟  判定  本田秀伸
20 2009.08.29 8回戦  板垣幸司  判定  太田垣雅之
21 2009.08.29 4回戦  重田優介  TKO4R  原田正志
22 2009.08.30  WBA世界スーパーウェルター級
 暫定王座決定12回戦
 石田順裕  判定  マルコ・アベンダーニョ

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                      2009年8月1日(土)    後楽園ホール
                       日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                  挑戦者(同級8位)   T  K O   チャンピオン
               ○   近藤明広     1回45秒   三垣龍次   ●
                      (日東) 134 1/2 lbs                (MT) 134 1/2 lbs
                                           WBA9位

 開始早々から緊迫し,迫力十分の左ジャブの刺し合いが展開された。積極的に右フックをかぶせる近藤。余裕の表情で対応する三垣だが,35秒過ぎに思わぬ落とし穴が待っていた。リング中央で左ジャブからすかさず踏み込んで放った近藤の右フック一発。これをアゴに直撃されてグラリと体が傾いた三垣は思わず踏鞴を踏んだ。確かな手応えを感じ取った近藤が勝負を賭け,一気にスパート。後退してロープを背にした三垣は右ストレートでロープにもたれる。逃れようと背中を向けたところでマーチン主審が試合をストップした。

 8月にして今年一番の大番狂わせになりそうな衝撃的な幕切れ。圧倒的不利を予想されていた近藤が思い切った先制攻撃で一気に勝利を引き寄せた。何と言ってもこれが最大の勝因。格上の三垣に臆することなく,左の刺し合いに堂々と応じた試合度胸の良さが光る。右ボクサーファイターで右ストレート,左右フックにパンチ力がある。
 試合巧者でパンチ力も十分の三垣だが,一瞬の隙を突かれて王座から滑り落ちた。左ジャブ,ストレートの刺し合いを制して中盤にKOという目論見だったと思われるが,近藤の電光石火のラッシュに屈した。

     主審:ビニー・マーチン,副審:浦谷信彰&中村勝彦&安部和夫
     ○近藤:13戦12勝(6KO)1敗     ●三垣:15戦13勝(9KO)2敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:高橋雄一

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                      2009年8月1日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                    日本バンタム級4位        日本バンタム級(ノーランク)
                ○   冨山浩之介    判 定    井川政仁   ●
                         (ワタナベ) 118 lbs             (角海老宝石) 118 lbs

 初回,格上の冨山がいきなり貫禄の違いを見せた。井川は思い切り良くワンツーを放つが,冨山は構わず右ストレート,アッパーを見舞う。2分過ぎ,オーバーハンドの右フックからすぐに切り返した右ストレートが顔面に命中し,井川は膝から落ちてダウン。ダメージが残る井川に右ストレート,アッパーを浴びせて攻勢に出る冨山。
 3回,井川の左フックで冨山の顔が向く。しかし,冨山は前に出る井川の動きを冷静に見極めてワンツー,左右アッパーをまとめるうまさを見せた。
 井川は果敢に攻め込むが,中盤からは鼻血で苦しくなった。冨山は下がりながら動きを良く見て,空いているところにコツコツとパンチを浴びせる。井川は左目上の腫れにも悩まされた。
 8回は井川が意地を見せた。冨山を赤コーナーに詰めて左右アッパーのボディ攻撃を浴びせる。冨山も応戦するが,さすがに疲れが見える。終盤には死力を振り絞った打ち合いが展開されたが,井川の右ストレートで冨山がニュートラルコーナーに詰まったところで終了ゴングを聞いた。

 両者が持ち味を出し,見応えのある好ファイトとなった。
 今年4月の世界挑戦で名城信男(六島)に逆転のTKO負けを喫した冨山はこれが再起第1戦。意欲的に攻め込む井川の動きを冷静に見極め,空いているところにワンツー,右アッパーを狙い打ちする老獪な試合運びが光る。初回のダウンシーンはかなりのダメージだったので一気に勝負に出て欲しかったが,まずまずの試合内容だろう。鼻っ柱の強さだけがクローズアップされるが,クレバーなテクニシャンとしての存在意義は非常に大きい。世界挑戦失敗後に一度は引退を表明したと伝えられたが,苦い経験を糧にすればさらに飛躍が期待できる。今後注目したい選手の一人である。
 井川はグイグイと前に出る右ファイタータイプ。右ストレート,ボディへの左アッパーを武器としている。果敢に攻め込む姿勢は好感度が高いが,接近するまでのパンチが出ず,そこを狙い打ちされた面がある。フェイントや捨てパンチを使い,変化を持たせることが必要だろう。

採点結果 冨山 井川
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 80 71
副審:中村勝彦 78 74
副審:安部和夫 78 75
参考:MAOMIE 79 72


     ○冨山:21戦19勝(6KO)2敗
     ●井川:15戦9勝(2KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:田中毅

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                      2009年8月1日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本L・フライ級1位       日本L・フライ級11位
                ○   瀬川正義    判 定   田口良一   ●
                       (横浜光) 108 lbs            (ワタナベ) 107 1/2 lbs

 右ストレートでボディを狙って前に出る田口。瀬川は動きながら左右フックを放つ。2回に入ると瀬川が接近戦から巧みに回り込んで上下に左フック,アッパーをヒットした。
 4回,田口は右ストレート,左フックで押し込む。しかし,終盤には逆に瀬川が左右フック,左アッパーの攻勢で田口を後退させ,ロープ際に追い込んで見せ場を作る。5回にも瀬川が手数で田口を押し込む場面が見られた。
 瀬川にとって唯一のピンチは6回終盤。打ち合いの中で田口が放った左フックを受けた瀬川の足がもつれた。
 しかし,それ以降は瀬川の手数が上回った。田口も右ストレートを振って応戦するが,空転。

 ともに手数の限りを尽くした好ファイト。
 瀬川はサウスポーのファイタータイプ。接近戦で放つ左右フック,アッパーの連打を得意としている。パンチにウェイトが乗っていない面はあるが,手数が良く出ることが強味になっている。しかし,タイトルを狙う位置にいるトップコンテンダーとしては,アピールするプラスアルファが欲しいという感じは否めない。
 田口はストレート系のパンチを得意とする右ボクサーファイター。特に右ストレートが武器になっている。今夜は瀬川の手数に押されて初の黒星を喫した。

採点結果 瀬川 田口
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:土屋末広 77 76
副審:ビニー・マーチン 78 74
副審:安部和夫 77 75
参考:MAOMIE 78 74


     ○瀬川:19戦17勝(6KO)2敗
     ●田口:10戦9勝(3KO)1敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                      2009年8月1日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                 日本ウェルター級10位   T   K   O   日本ウェルター級(ノーランク)
              ○   高山樹延      2回2分19秒     和田直樹   ●
                    (角海老宝石) 146 3/4 lbs                   (花形) 146 1/2 lbs
                高山樹延=たかやま・すよん

 初回,左ジャブで牽制する和田をジリジリ追う高山。さらに右ストレートでロープに追い詰め,攻勢に出る。下を向いたところに右ストレートを受けた和田はロープ際で腰から落ちてダウン。
 2回,高山がパンチ力の差を見せた。左右のショートフックで和田を青コーナーに詰める高山。2分過ぎ,鮮やかなワンツーが決まり,和田はニュートラルコーナーで両膝から落ちてダウン。カウント9で再開されたが,高山は不用意に出た和田のガードが下がった瞬間を見逃さなかった。左ジャブから踏み込んで放った右ストレートがアゴを直撃。この一発で後頭部をしたたかキャンバスに打ちつけた和田は大の字に沈む。杉山主審は即座に試合をストップした。

 高山が日本ランカーの貫録を見せて豪快に試合を決めた。右ファイタータイプで左右フック,右ストレートを武器としている。特に右ストレートは踏み込みも十分で威力がある。3割少々という低いKO率だが,パンチ力はあるので今後KO率も上がるだろう。
 和田は右ボクサータイプで左ジャブ,右ストレートを得意としている。肩をいからせた独特の構えから変則的な動きを見せ,右ストレートを伸ばす。しかし,アゴのガードの甘さと打たれ脆さは致命的。2回に全く同じパンチを2度続けてもらってダウンしたのは,いかにも不用意である。

     主審:杉山利夫,副審:浦谷信彰&中村勝彦&安部和夫
     ○高山:9戦9勝(3KO)     ●和田:15戦7勝(1KO)6敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:田中毅

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                          2009年8月1日(土)    後楽園ホール
                                  6回戦
                    日本ミドル級(ノーランク)   K      O  インドネシア ミドル級(ノーランク)
                ○   カルロス・リナレス    1回1分55秒    タタク・ハリウィヤント   ●
                          (帝拳) 158 lbs                        (インドネシア) 158 1/4 lbs

 まるでタコ踊りのように,左ジャブを伸ばすとなぜか右足が浮いてしまうハリウィヤント。素人同然の屁っ放り腰に,会場からは早くも失笑が漏れた。リナレスが踏み込んで放った左ストレートが低く入り,ハリウィヤントは露骨に両グラブで股間を押さえ,大袈裟な苦悶の表情でのたうち回る。呆れたファンから嘲笑まじりの『頑張れ』の声援が飛ぶ中,しばしの中断を経て再開に応じる。リナレスが攻勢に出るとハリウィヤントは逃げ腰で青コーナーに詰まった。リナレスが左アッパーのボディブロー,右フックで畳みかければ,あえなくしゃがみ込むハリウィヤント。股間を押さえて『ローブローだ』とアピールするが,マーチン主審は取りあわず容赦なくカウントアウトした。

 リナレスの圧勝と言えば聞こえはいいが,相手の不甲斐なさばかりが目立った。安っぽいコントのようなドタバタ劇であり,プロボクシングの試合とは言い難い。ハリウィヤントは全くの素人で,見るべきものは何もない。ここ最近で来日した外国人ボクサーの中でも最低の部類に入るだろう。このような選手を招聘したプロモーターの責任が問われるべきである。ファンを愚弄するにも程がある。節制してリングに上がったリナレス自身には何の落ち度もないが,このような試合で何連勝しても評価は得られないだろう。

     主審:ビニー・マーチン,副審:浦谷信彰&中村勝彦&杉山利夫
     ○リナレス:5戦4勝(4KO)1敗     ●ハリウィヤント:6戦3勝2敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                   2009年8月10日(月)    後楽園ホール
                   日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                  チャンピオン          挑戦者(同級3位)
           ○   小野寺洋介山   判 定   和宇慶勇二   ●
                    (オサム) 140 lbs              (ワタナベ) 139 3/4 lbs
                   WBA14位           和宇慶勇二=わうけ・ゆうじ

 右の小野寺,左の和宇慶。ともにジャブで牽制しながら相手の出方を窺う。2回,和宇慶は右フック,左ストレートから回り込んで左フックをヒット。頭を低くした小野寺は上体を振りながら大きなパンチで迫るが,空振りが目立つ。
 比較的静かだったのはここまで。3回に入ると試合は大きく動いた。和宇慶が左フックのヒットから攻勢に出る。しかし,終盤,小野寺の豪快な右フックがアゴに決まり,和宇慶はドッとキャンバスに横転。風車のように左右フックを振り回して猛攻に出る小野寺。
 4回,細かく右フック,左ストレートをまとめる和宇慶だが,ラウンドの後半は小野寺が猛然とラッシュに出る。
 壮絶な打ち合いが続くが,6回以降の小野寺は叩きつけるような左右フックのボディブローを交えた猛攻で主導権を握った。8・9回には終了10秒前の拍子木を待っていたかのように,小野寺が和宇慶をロープに押し込んでラッシュを敢行する。場内は興奮の坩堝と化した。
 10回,小野寺の右ストレート,左フックでロープを背にした和宇慶。右フックを受けて上体が揺らいだ和宇慶は良く踏み止まって応戦するが,疲れとダメージのために押し返すだけの余力はなかった。終盤,バランスを崩した和宇慶をニュートラルコ−ナーに押し込んで猛然とラッシュを敢行する小野寺。和宇慶もこれに応じ,凄まじい打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 今年4月の初挑戦で木村登勇(横浜光)から王座を奪った小野寺は初防衛に成功。和宇慶の細かい連打に手を焼く場面はあったが,持ち味の豪快なラッシュで終始押しまくった。特にラウンド終了10秒前の拍子木を合図にしたかのような猛ラッシュはインパクト十分。フルラウンドを狂った風車のような全開の攻撃で通す手数とスタミナは豊富な練習量の証明である。その反面,いつになくパンチが大きくてミスブローが目立ったのは残念である。それがなければ終盤にフィニッシュできていただろう。
 和宇慶はサウスポーのボクサーファイター。小野寺のような派手さはないが,右フック,左ストレート,フックの細かい連打で丹念に攻める。小野寺のラッシュににひるむことなく応戦していたが,最後はエネルギッシュな攻撃に屈した。

採点結果 小野寺 和宇慶
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:土屋末広 97 91
副審:ビニー・マーチン 98 91
副審:福地勇治 97 92
参考:MAOMIE 98 92


     ○小野寺:22戦20勝(7KO)1敗1分
     ●和宇慶:15戦12勝(6KO)3敗

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:福永一茂

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                      2009年8月10日(月)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本ライト級(ノーランク)         日本ライト級7位
                ○   大村光矢    判 定    大沢宏晋  ●
                       (三迫) 134 1/2 lbs              (大星) 134 1/2 lbs
                                      大沢宏晋=おおさわ・ひろしげ

 初回,伸びの良い左ジャブを多用し,右ストレートにつなぐ大沢。
 2回,接近戦で左右フック,アッパーの応酬になるが,大沢が左ジャブ,ストレートでややリード。しかし終盤,右の打ち終わりに放った大村の左フックがアゴに決まり,大沢の腰が落ちた。
 離れて戦うと有利な大沢だが,接近戦では大村が一枚上。3回,大村が左右フック,アッパーで攻勢に出る。バッティングでストップがかかった瞬間に放った左フックがアゴに決まり,大沢はガクンと右膝が落ちてダウン寸前に陥った。終了間際の大村の攻勢でロープを背にする大沢。
 終盤も大村が押し気味に進めた。6回,激しい打ち合いになるが,接近戦での大村の左右アッパーが上回る。やや効いて後退した大沢は鼻からの出血で苦しくなった。
 8回は大沢が打ち勝ってランカーの意地を見せた。大沢はヘディングで減点1を課せられたが,左右フック,アッパーで大村を追い詰める。離れ際の右ストレートでガクンと左膝が落ちた大村は,思わずクリンチにのがれてピンチを凌いだ。

 ノーランカーの大村がランカーの大沢を破り,ランク入りを確実にした。大村は右ファイタータイプで接近戦での左右アッパーを得意としている。立ち上がりは距離を取る大沢の左ジャブ,ワンツーに主導権を握られたが,接近戦での連打に勝機を見出した。
 大沢は右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを武器としている。インファイトにも応じるが,距離を取って左ジャブ,ワンツー主体のアウトボクシングをしている方が持ち味が出る。そのような流れを作りたいところだったが,接近戦狙いの大村のペースにはまったことが敗因。

採点結果 大村 大沢
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:浦谷信彰 76 75
副審:中村勝彦 75 76
副審:土屋末広 77 75
参考:MAOMIE 77 75


     ○大村:15戦11勝(7KO)4敗
     ●大沢:21戦15勝(7KO)3敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

※ 第8ラウンドのヘディングによる大沢の減点1を含む採点。

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                       2009年8月10日(月)    後楽園ホール
                                8回戦
                    日本ミドル級4位   T   K  O    日本ミドル級(ノーランク)
                ○   淵上 誠     8回2分08秒    岡田山金太郎   ●
                     (八王子中屋) 159 1/4 lbs                    (オサム) 160 lbs

 初回,サウスポーの淵上が右ジャブの牽制から左ストレートのボディブローを多用して早くも主導権を握った。動きが鈍い岡田山。右ジャブから踏み込んで放った左ストレ−トを直撃された岡田山はドスンと腰から落ちてダウン。立ち上がったが,ダメージを引きずる岡田山はクリンチで攻勢を逃れるのが精一杯。
 2回,岡田山は打たれっ放しで手が出ない。ボディを打たれて注意が下に行った岡田山は淵上の左ストレートをアゴに食ってガクンと腰が落ちる。
 試合はワンサイドゲームとなり,淵上がどこで仕留めるかに焦点が絞られた。しかし,左ストレートを上下に打ち分ける淵上も決め手を欠き,ズルズルとラウンドを重ねる。岡田山もときおり大きな左右フックを振り回して反撃の構えを見せるが,空転が続く。
 5回までは左ストレート主体だった淵上だが,6回に入ると小さな左右アッパーの連打をまとめてストップを呼び込む作戦に切り替える。3回にバッティングでカットした右目上の傷によって再三のドクターチェックを受ける淵上だが,試合はますます一方的な内容になった。
 8回,淵上の攻勢が続く。淵上の右目上の傷によるドクターチェックからの再開後,左ストレートが決まって岡田山の腰が落ちたところで福地主審が試合をようやくストップした。

 3度目の日本タイトル挑戦を目指す淵上が曲者・岡田山を土壇場で仕留めた。サウスポーのボクサータイプで,右ジャブ,左ストレートを中心として基本に忠実な試合運びをする。初回にダウンを奪いながらも,最終回まで長引いてしまったことは大いなる反省点だろう。手こずったのは岡田山のしぶとさだけが原因ではない。6回に明らかに連打でストップを呼び込む作戦に切り替えていたが,これは良かった。しかし,タイトル挑戦に向けてはもう一歩の決定力が欲しい。
 岡田山はアンコ型の超変則右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,とにかくタフでしぶとい。左肘の靭帯断裂から1年ぶりの復帰戦だったが,動きが鈍く,精彩を欠いた。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&中村勝彦&吉田和敏
     ○淵上:17戦11勝(3KO)6敗     ●岡田山:22戦10勝(4KO)11敗1分
     放送:フジテレビNEXT     解説:川島郭志     実況:森昭一郎

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                          2009年8月10日(月)    後楽園ホール
                                   8回戦
                   日本S・ライト級(ノーランク)   T   K   O   日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   大川泰弘       6回2分54秒     平井良維   ●
                       (ワタナベ) 142 1/4 lbs                         (三谷大和) 142 lbs
                                               平井良維=ひらい・りょうすけ

 3回,左ジャブを伸ばしながら前に出る平井。大川は動きながら右ストレートを伸ばすが,平井は右の打ち終わりに左フックをクリーンヒット。
 しかし,4回に入ると大川が盛り返した。平井は右ストレート,左フックをうまくヒットするが,終盤に大川が攻勢に出て右フック,アッパーで平井をロープに追い込んだ。
 5回,やや疲れが見える平井に対し,終盤に大川が右ストレートを中心に攻勢に出た。
 6回,打ち合いを制したのは大川。終盤,大川の右ストレートを受けてひるんだ平井の動きが急速に鈍った。これを境に大川がワンツー,右アッパー,左フックの攻勢に出る。応戦する平井だが,大川の攻勢に押されてロープを背にする。大川がワンツー,左フックの連打をまとめれば,失速した平井はロープ際で守勢に回る。ここで土屋主審が試合をストップした。

 中量級の中堅同士による好ファイト。失速の兆候を見せた平井を大川が連打で仕留めた。大川は右ボクサーファイターで,ワンツー,右アッパー,左フックを得意としている。チャンスに連打がまとめられることが強味。どちらかと言うと,動きながらチャンスを窺う。6回に右ストレートで掴んだワンチャンスをモノにした勝負強さは見事である。
 平井も右ボクサーファイターだが,こちらはファイタータイプに近い。前に出ながら自分でチャンスを作る。左ジャブ,右ストレートを得意としている。6回に右ストレートを受けて急速に動きが鈍ったところを攻め込まれてしまった。

     主審:土屋末広,副審:福地勇治&ほか2名不明
     ○大川:18戦7勝(2KO)8敗3分     ●平井:14戦8勝(2KO)4敗2分
     放送:フジテレビNEXT     解説:なし     実況:なし=薬師寺保栄&三浦利美&野呂佳代(AKB48)の音声のみ

※ 第1・2ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                        2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                     A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                          4回戦(60kg級・準決勝)
                    日本フェザー級12位         日本S・フェザー級(ノーランク)
                ×   澤永真佐樹    引き分け    小沢大将   ×
                        (赤城) 131 3/4 lbs              (全日本パブリック) 132 1/2 lbs
                                                  小沢大将=おざわ・だいすけ
               ※ 公式記録はあくまで引き分け。大会規定により,延長戦1ラウンド2−1の判定で澤永が勝者扱い。

 初回,澤永の左ストレートに対し,不敵な笑みを浮かべて鋭く右ストレートを合わせる小沢。しかし,2分過ぎに澤永の左ストレートが決まり,小沢はロープ際でたまらずダウン。足がもつれた小沢はダメージの色を滲ませるが,ここは辛うじて踏ん張る。今度は澤永が不敵な笑みを浮かべて攻勢に出るが,小沢も右アッパーで応戦。
 2回に入ると小沢が形勢を逆転した。1分過ぎ,頭を低くして攻め込む澤永のアゴに狙い澄ました右アッパーが炸裂。この一発で今度は澤永が痛烈なダウン。試合は混迷の様相を呈した。
 3回,小沢は右ストレートを上下に狙い打ち。さらに澤永の出バナに右ストレート,下から右アッパーを突き上げて曲者ぶりを発揮した。澤永も譲らず,終盤には左右フックの攻勢を見せる。
 4回,澤永の動きを良く見て右ストレート,アッパーを合わせる小沢。澤永の左フックも決まり,激しい展開のまま終了ゴングを聞いた。甲乙判別しがたい激戦は1−0のドロー。公式記録はあくまでドローだが,大会規定によって延長戦にもつれ込んだ。

【延長戦】
 小沢の右アッパー,澤永の左フックで激しい主導権争いが続く。終盤,澤永の左フックで小沢の顔が上を向く場面があった。

 ベテランのテクニシャン同士の興味深い顔合わせは期待を裏切らない好ファイトになった。実力伯仲の熱戦は秀逸で,敗者扱いになった小沢にも惜しみない拍手が送られた。
 サウスポーの澤永は地味だが,バランスの良さが光る。やや打たれ脆いところがあるが,的確な左ストレート,フックで小沢を苦しめた。
 小沢は澤永の入り際に合わせる右ストレート,アッパーが効果的で,曲者の面目躍如である。相手の出方を実に良く見ており,冷静な試合ぶりが光る。

採点結果 澤永 小沢 延長戦(1ラウンド)
主審:安部和夫 *** *** ***
副審:浦谷信彰 38 37 小沢支持
副審:ビニー・マーチン 37 37 澤永支持
副審:土屋末広 37 37 澤永支持
参考:MAOMIE 37 37 澤永支持


     ×澤永:37戦23勝(10KO)9敗5分
     ×小沢:23戦17勝(9KO)4敗2分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                     2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                   A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                        4回戦(60kg級・準決勝)
                 日本S・フェザー級(ノーランク)      日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   小林生人     判 定     真鍋圭太   ●
                      (角海老宝石) 132 1/2 lbs           (MT) 132 1/2 lbs

 小林が開始早々から積極的に前に出た。軽く動いて左ジャブを突きながらこれに対処する真鍋。初回終盤,小林はバッティングでひるんだ真鍋をロープに追い込み,ワンツー,左フックで攻勢に出る。
 2回,ワンツー,左右フックで真鍋をロープに詰める小林。真鍋もロープを背に左右フックで応戦するが,ここは小林が打ち勝つ。3回に入ると真鍋は足でリズムを取って力を抜いたパンチで流れを変えにかかるが,小林の左フックでぐらつく。
 4回,逆転を狙う真鍋は攻勢に出るが,逆に小林の右ストレートでぐらついて後退。最後まで激しい打激戦が展開されたが,真鍋は小林の右フックで再三ぐらついた。

 強打の真鍋,怖いもの知らずの小林。これも興味深い顔合わせだったが,小林が予想外の大差で真鍋を破った。
 小林の持ち味はどんな場合でも物怖じしない試合度胸にある。今夜も強打自慢の真鍋に一歩も引かぬどころか,終始攻勢に出て圧倒した。相手を見ずに打っている面もあるが,パンチ力はなかなかのもの。モチベーションを上げていけば,再び上位に進出することは十分に可能である。
 一打必倒のハードパンチャーとして鳴らした真鍋も30歳。歴戦のダメージからか,パンチに対する反応がやや鈍っている感じがする。軽く動いて本来のリズムを取り戻そうと試みていたが,小林の攻勢に完敗。

採点結果 小林 真鍋
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 40 37
副審:中村勝彦 40 36
副審:染谷路朗 40 36
参考:MAOMIE 40 36


     ○小林:23戦18勝(11KO)5敗
     ●真鍋:33戦26勝(22KO)6敗1分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                      2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                    A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                        4回戦(65kg級・準決勝)
                   日本ウェルター級4位        日本ウェルター級(ノーランク)
                ○   山口裕司    判 定    清田広大   ●
                      (JB SPORTS) 143 lbs            (協栄) 142 1/4 lbs

 初回,右フックをヒットする清田だが,KOを意識し過ぎて手数が少ない。一方の山口はスピードに乗った試合運びに徹し,ポイント差を広げる。
 2回,左フックからの右ストレートで腰が落ちる清田。山口は先手の攻撃を展開した。
 3・4回も山口の小気味の良い左ジャブ,ワンツーが冴えた。

 スピードが身上の山口に強打自慢の清田。対照的な両者だが,元OPBF王者・山口のキャリアが上回った。
 山口は無謀な打ち合いを避け,スピードを生かした試合運びに徹して清田を完封した。フットワークに乗せた左ジャブ,ワンツーが冴える。好調な動きであり,再浮上が十分に期待できる。
 勝ち星が全部KOという清田はサウスポーのファイタータイプ。アップライトスタイルから放つ右フック,左ストレートに一発があり,スリリングなファイトで人気がある。体の硬さと手数の少なさが欠点であり,今夜もそこを突かれた。

採点結果 山口 清田
主審:染谷路朗 *** ***
副審:安部和夫 40 37
副審:ビニー・マーチン 40 36
副審:中村勝彦 40 37
参考:MAOMIE 40 36


     ○山口:23戦18勝(11KO)3敗2分
     ●清田:17戦9勝(9KO)6敗2分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                       2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                     A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                         4回戦(65kg級・準決勝)
                    日本S・ライト級5位         日本S・ライト級(ノーランク)
                ○   前川洋昭     判 定     森田 瞬   ●
                       (帝拳) 142 1/2 lbs               (金子) 142 1/4 lbs
                                        森田は元日本ライト級チャンピオン。伊藤俊介より改名。

 開始早々から前川が積極的に仕掛ける。距離を取って迎え撃つ森田。前川は森田をニュートラルコーナーに詰めて,左右フックのボディブローで攻め込む。
 アグレッシブな前川に守勢が目立つ森田。3回,左フックでぐらついた森田はそのままロープを背にする。
 4回,前川の左フックでぐらつく森田。前川もラフになり,フィニッシュまで持ち込めずに終了ゴングを聞いた。

 前川は左右フックの強打を武器とする右ファイタータイプ。終始積極的に攻め,元日本王者の森田を大差で破った。しかし,ラフで雑な攻撃が目立ち,一方的にリードしながらもフィニッシュを逃した。接近するまでのパンチが欲しい。さらに上位を目指すにはこの点が大きな課題になるだろう。
 2年ぶりのリングとなった森田は動きが鈍く,前川の攻撃で後手に回る場面に終始した。右ストレート,左フックに強打を秘める右ボクサーファイターだが,良いところを見せられないままに敗退したのは残念。

採点結果 前川 森田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:土屋末広 40 36
副審:ビニー・マーチン 40 36
副審:浦谷信彰 40 36
参考:MAOMIE 40 36


     ○前川:15戦14勝(7KO)1敗
     ●森田:27戦22勝(17KO)4敗1分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                         2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                       A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                            4回戦(70kg級・準決勝)
                 日本S・ウェルター級(ノーランク)   T  K O    日本ミドル級3位
                ○   岳たかはし       1回36秒     江口啓二   ●
                       (新田) 154 lbs                        (姫路木下) 154 1/2 lbs
                      岳たかはし=がく・たかはし

 サウスポー同士の対決。開始ゴングと同時に,リング中央で火を噴くような激しい打ち合いになった。圧倒的有利を予想されていた江口だが,岳の右フック,左ストレートを受け,ロープ際に腰から落ちてダウン。これが効いてしまい,辛うじて立ち上がった江口の足元はおぼつかない。勝負所と見た岳が立ち直る余裕を与えずに猛然とスパートする。左ストレート,右フックに江口の体がグラリと傾いたところで,浦谷主審が試合をストップした。

 短い試合となったが,重量級らしくスリリングで迫力満点の展開。
 岳はサウスポーのボクサーファイター。リーチを生かした左ストレート,右フックを武器としている。身長180cmの細身はアマチュア相撲出身のガッシリとした江口と対峙すると華奢に見えたが,短期決戦で一気に勝負を賭けたことが勝因。ぐらつかせてからの詰めも鋭く,今夜のMVPと殊勲賞を両方あげたいほどの会心のTKO勝利となった。
 まさかのTKO負けを喫した江口はこれで3連敗。日本タイトル5度防衛の実力者で,相撲で鍛えた強靭な足腰とタフネスで鳴らしたが,すっかり打たれ脆くなった感じがする。得意の左フック,アッパーで長身の岳を下から崩したいところだったが,先制攻撃に沈む結果となった。

     主審:浦谷信彰,副審:土屋末広&ビニー・マーチン&染谷路朗
     ○岳:14戦10勝(5KO)3敗1分     ●江口:22戦18勝(12KO)4敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                        2009年8月22日(土)    後楽園ホール
                      A級ボクサー賞金トーナメント(レイジング・バトル)
                            4回戦(70kg級・準決勝)
                     日本ウェルター級7位    K      O   日本ミドル級(ノーランク)
                ○   渡部あきのり    1回1分06秒    海老根範充   ●
                        (協栄) 153 3/4 lbs                        (国際) 154 1/4 lbs

 開始ゴングと同時にガードを固めて前に出る海老根。軽く足でリズムを取りながらこれを迎え撃つ渡部。海老根が前に出ようとした瞬間,待ち構えていた渡部の右フックがテンプルに炸裂。この一発でキャンバスに沈んだ海老根は意識朦朧としながらもムクッと起き上がって大きな歓声を浴びる。しかし,ダメージは深刻で,マーチン主審は慎重に見極めた末にカウントアウトした。

 スリリングなワンパンチKOの醍醐味を満喫させる好ファイト。
 渡部は前に出る海老根の動きを冷静に見極め,出バナに合わせた右フック一発で試合を決めた。3連続KO負けというどん底を味わったが,これで2連続KO勝ち。完全に復調したと見て良いだろう。苦しい状況から這い上がり,今後が非常に楽しみになってきた。タイトル挑戦も十分に期待できる。亀田陣営と決別して,まさに正解。
 海老根は右ファイタータイプで,タイでの試合経験を持つ。ベタ足だが,左右フックにパンチ力がある。果敢に前進したが,出バナにカウンターを合わされて沈んだ。

     主審:ビニー・マーチン,副審:土屋末広&中村勝彦&安部和夫
     ○渡部:21戦18勝(17KO)3敗     ●海老根:14戦8勝(5KO)5敗1分
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                      2009年8月23日(日)    よみうり文化ホール
                      WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級7位)
               ○   多田悦子    判 定    ヤニ・ゴーキャットジム   ●
                      (フュチュール) 104 lbs                (タイ) 103 lbs

 開始早々から積極的に手数を出すヤニ。多田はリーチを生かした右ジャブ,左ストレートで対抗する。ヤニの右ストレートがヒットするが,多田の左ストレート,右フックが決まる。
 3回,多田の左ストレートのカウンターでわずかに腰が落ちるヤニ。終盤にも多田の左ストレートがクリーンヒットする。
 5・6回はヤニが接近戦で連打を仕掛けるが,空を切る場面が目立った。
 7回終了間際,左ストレートをクリーンヒットした多田が足を止めて打ち合いに出る。
 終盤のヤニは疲労が見え,バランスを崩したり自らクリンチに出ることが多くなる。9回終了後にヤニがパンチを出したことで両者がエキサイトする場面が見られた。
 10回,多田は左ストレートをヒットするが,狙い過ぎて手数が出ない。

 多田は初防衛に成功。体格とリーチの差を生かして終始優位に立った。サウスポースタイルから出バナに伸ばす左ストレート,接近して突き上げる左アッパーが良かった。しかし,初防衛戦のプレッシャーのためか手数が少ないことがフィニッシュを逃した原因。一発ではなく,手数の積み重ねで押すスタイルに徹することだろう。正面から打ち合うヤニのペースに合わせていたが,足を使って回り込みながら攻撃するのが良いだろう。
 ヤニは右ファイタータイプ。左右フックの連打を得意としており,手数が良く出ることが長所。しかし,正面からの攻撃が目立ち,ガードが開いたところに被弾する場面が多い。パンチを出すときに体が前にのめり,バランスを崩すことが欠点。

採点結果 多田 ヤニ
主審:フェルディナンド・エストレーリャ(比国) *** ***
副審:イー・クワンユー(韓国) 97 93
副審:ユン・ウォンタク(韓国) 96 94
副審:キム・ビョンキ(韓国) 96 94
参考:MAOMIE 98 92


     ○多田:6戦6勝(2KO)
     ●ヤニ:7戦6勝1敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&長谷川穂積
     実況:桑原学

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                       2009年8月23日(日)    よみうり文化ホール
                                6回戦
                   東洋太平洋ミニフライ級4位       東洋太平洋ミニフライ級6位
                ○   秋田屋まさえ    判 定    小田美佳   ●
                       (ワイルドビート) 105 3/4 lbs            (宮田) 107 1/4 lbs

 前に出る小田に対し,秋田屋は足を使って左ジャブを見舞う。2回終盤,今度は小田の左フックがきれいにヒットする。
 3回,小田は前に出るが,秋田屋は巧みに足で間合いを取り,伸びのある左ジャブ,ストレートで小田の出バナを叩いた。この攻撃で主導権を引き寄せた秋田屋は小田が出るところに合わせて左フックのカウンターを決めた。
 4回,タイミング良く左ジャブ,ストレートを決める秋田屋。さらに,頭を低く入ってくる小田にカウンターの右アッパーを突き上げるうまさを見せた。
 うまく間合いを取られて思うように接近できない小田は苦しい展開。逆に5回,秋田屋が余裕を見せ,自ら接近戦を挑む。左右フック,アッパーを上下にまとめた秋田屋は再び素早く距離を置き,左ジャブ,ストレートを浴びせて小田の攻撃を封じる。
 6回,左ジャブ,右ストレートから返す左フックを的確にヒットする秋田屋。小田は果敢に攻めたが,最後まで秋田屋のうまさに翻弄された。

 テクニックで勝る秋田屋が持ち味を存分に披露した。右ボクサーファイターで,離れて良し,打ち合って良しの幅広さがある。距離を取りながら見舞う左ジャブ,ストレートは非常にタイミングが良く,攻撃の主軸になっている。右から返すカウンターの左フックあるいは接近戦で放つ右アッパーなど多彩なパンチが強味になっている。間合いの取り方が非常に巧みで,出入りのフットワークも良い。ガードが下がる欠点があるが,今後が非常に楽しみな存在であり,動向を注目したい。
 小田は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。果敢に前に出て手数も多いが,秋田屋に間合いを取られ,左ジャブを浴びた。攻め倦んでいるところに逆に被弾する場面が目立った。

採点結果 秋田屋 小田
主審:福地勇治 *** ***
副審:野田昌宏 58 56
副審:半田隆基 58 57
副審:中村勝彦 58 57
参考:MAOMIE 59 55


     ○秋田屋:5戦5勝(1KO)
     ●小田:4戦3勝(1KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&藤原俊志
     実況:桑原学

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                    2009年8月28日(金)    タイ チェンマイ : ガップチュンロイ公園
                          WBC世界フライ級暫定タイトルマッチ12回戦
                     暫定チャンピオン       T  K  O    挑戦者(同級22位)
            ○   ポンサクレック・ウォンジョンカム   6回1分06秒     升田貴久   ●
                         (タイ) 112 lbs                              (三迫) 112 lbs

 開始早々からポンサクレックのペースで試合が進んだ。いきなりの左ストレートをボディに放って前に出るポンサクレック。升田は足を動かすが,ポンサクレックをロープに詰めようとして逆に左ストレート,右アッパーを返される。
 2回,左ストレートを受けてバランスを崩す升田。中盤,ポンサクレックの左ストレートに右を合わせようとしたところに右フックを返される。このカウンターで升田はたまらず腰から落ちてダウン。立ち上がったが,左ストレート,右フック,アッパーの攻勢に晒され,抱きついて逃れるのに忙しい。
 減量苦で精彩を欠く升田に対して,ポンサクレックは元気いっぱい。後退する升田に上下へのパンチを浴びせ,徐々にやりたい放題になってきた。5回,ポンサクレックは右アッパーをボディに集める。左ストレート,上下への右フック,アッパーで攻勢に出るポンサクレック。試合はいよいよワンサイドゲームの様相を呈した。
 6回,左アッパーでアゴを跳ね上げられた升田はロープを背にする。これを機に猛然と攻勢に出るポンサクレック。上下への左右フック,アッパーで升田はロープに釘付けとなる。最後は左右アッパーを浴び,腰から崩れるようにダウン。ここでボカレ主審が試合をストップした。

 ポンサクレックは暫定王座の初防衛に成功。サウスポースタイルからの左ストレート,左右アッパーを上下に打ち分けるスタイルは健在である。全盛時ほどではないが,スピードもパンチの回転もまずまず。モーションのない左ストレートで意表を突く攻めを見せたかと思うと,接近戦で下から右アッパーを連打するなどのうまさを見せた。
 6月の前哨戦で小林タカヤス(川島)に敗れた升田。引退も考え,モチベーションが下がり切ったところに暫定王座挑戦が発表されたのが本番11日前という慌しさだった。10kg以上に及ぶ急激な減量によってウェイトを作るのが精いっぱいで,スパーリングもほぼゼロという状態で迎えた試合と伝えられている。調整不足は明白である。厳しい言い方だが,負けるべくして負けた試合と言える。こういう状態で挑戦させた三迫ジム陣営の責任は大きい。

     主審:ブラッド・ボカレ(豪州),副審:金谷武明&キム・ジェボン(韓国)&モントン・スリヤチャン(タイ)
     ○ポンサクレック:77戦73勝(39KO)3敗1分     ●升田:32戦20勝(5KO)9敗3分
     放送:TBSチャンネル     解説:佐藤修     実況:土井敏之

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                2009年8月29日(土)    三次市カルチャーセンター(広島県)
                      日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級7位)
               ○   中広大悟    判 定    本田秀伸   ●
                     (広島三栄) 114 1/2 lbs          (グリーンツダ) 114 1/2 lbs
                      WBC4位

 相手の出方を窺って慎重な立ち上がりになったが,初回中盤に早くも試合が動いた。ロープに下がった中広に対し,本田が左ストレートから右フックを返そうとしたところ,逆に中広の右ショートストレートが飛ぶ。これをアゴにカウンターされた本田は思わず膝をついてダウンを取られた(カウント8)。
 しかし,2回以降,先制のダウンで一発狙いになった中広の手数が止まる皮肉な展開になった。逆にふっ切れたかのように本田が老巧な試合運びで徐々に挽回する。フェイントをかけながら,左右アッパー,左ストレートを細かくヒットする本田。3回,中広は上体を揺すりながら前に出るが,肝心の手が出ない。本田はそれを見透かしたかのように左右アッパー,左ストレートを上下に打ち分けた。
 4回,本田の右フックで中広のアゴが上がる。中広は構わず距離を詰めて右ストレートをヒットするが,本田は冷静に左右のショートフックをまとめた。
 5回は中広が優位に立ち,左アッパー,右ストレートをヒット。本田はニュートラルコーナーに詰めていくが,逆に中広の左から右のフックがクリーンヒットした。
 6回は本田,7回は中広というように一進一退の展開が続く。8回,中広はアグレッシブな攻めを見せて右ストレートをヒット。本田も左右アッパーのボディブロー,左ストレートで応戦。
 9・10回はともに譲らず,終了ゴングを聞いた。

 中広が本田の巧技に苦しんだが,僅差で2度目の防衛に成功した。初回にダウンを奪った右ショートストレートのカウンターは抜群のタイミングでKOも予感させたが,狙い過ぎて手数が減り,本田の反撃を許した。スピードも切れも非凡なものがあるが,単発で攻撃のつながりが乏しいことが気になる。世界4位という世界挑戦圏内に位置しているが,このままではやや苦しいだろう。
 敗れた本田は地味なサウスポーだが,相変わらずのテクニシャンぶりを見せ,最後まで中広を苦しめた。相手の動きを見切り,左右アッパーを上下に,さらにタイミングの良い左ストレートをフォローするなど回転の速いコンビネーションブローを浴びせた。

採点結果 中広 本田
主審:牧角健次郎 *** ***
副審:岩崎国浩 96 95
副審:桑田和昌 95 95
副審:古田厳一 97 93
参考:MAOMIE 96 95


     ○中広:23戦21勝(8KO)2敗
     ●本田:38戦31勝(14KO)7敗

     放送:スカイA
     解説:名城信男
     実況:田野和彦

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                2009年8月29日(土)    三次市カルチャーセンター(広島県)
                              8回戦
                  日本フライ級(ノーランク)        日本フライ級(ノーランク)
                ○   板垣幸司    判 定    太田垣雅之   ●
                       (広島三栄) 112 lbs             (オール) 111 3/4 lbs

 開始早々から強引な攻撃を仕掛ける板垣。右ストレート,左右フックで太田垣をロープに押し込む。
 4回,右ストレートで太田垣にロープを背負わせて左右フックを浴びせる板垣。力みが目立つが,主導権は完全に板垣のものだ。
 6回中盤,左フックで腰が落ちてバランスを崩す太田垣。ロープに下がったところに左右フックを浴びせる板垣。終盤には太田垣も左右アッパーのボディブローを返すが,流れは変わらない。
 8回,右ストレートでぐらつかせた板垣は太田垣を青コーナーに詰めて攻勢。太田垣も打ち返すが,終盤にも右ストレートでぐらつく場面を見せた。

 旺盛な手数と果敢な攻撃で圧倒した板垣の圧勝。右ストレート,左右フックで再三ロープに押し込み,文句のない勝利である。最後まで手数が減らなかったのは,豊富な練習量の賜物だろう。ただし,力みが目立ち,ラフな攻撃になる面が気になる。もう少しコンパクトに打つことを心掛けるべきである。
 太田垣は右ボクサーファイターで,右ストレート,左右アッパーを得意としている。板垣の攻撃に押され,良いところを出せないまま敗れた。

採点結果 板垣 太田垣
主審:古田厳一 *** ***
副審:姫野俊道 80 73
副審:岩崎国浩
79 73
副審:桑田和昌 79 74
参考:MAOMIE 80 73


     ○板垣:13戦9勝(3KO)3敗1分
     ●太田垣:15戦10勝(4KO)5敗

     放送:スカイA
     解説:名城信男
     実況:田野和彦

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                    2009年8月29日(土)    三次市カルチャーセンター(広島県)
                                    4回戦
                  日本S・バンタム級(ノーランク)   T   K   O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   重田優介        4回1分25秒     原田正志   ●
                       (中内) 121 1/2 lbs                          (広島三栄) 121 1/2 lbs

 右の原田,左の重田。初回,変則的な動きで強引に攻め込む原田。重田はこれを迎え撃って左右ショートフックを浴びせるが,頭から入る原田に押し込まれる。原田はバッティングで右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。
 2回,原田が強引に出るが,ヘッディングで減点1を食う。落ち着きを取り戻した重田は原田をロープに詰めて連打を浴びせる。
 4回,俄然重田が攻勢に出た。ロープに押し込んで左右ショートフック。急激にスローダウンした原田はロープを背にする。右フックを脇腹に受けた原田は苦しげな表情を見せる。重田が攻勢を強めたところでタオルが投入された。

 重田はサウスポーのファイタータイプ。左右ショートフックの連打を武器に,果敢に攻め込む展開を得意としている。手数は良く出るが,パンチが手打ちになっていることが惜しまれる。左ストレートを真っすぐ打ち抜けるようにしたい。
 右ボクサーファイターの原田は頭から突っ込むことが多く,バッティングで試合が中断する場面が多く見られた。右ストレートを得意としているが,ナックルパートが当たっていないように見受けられる。初勝利に向けて,大幅な見直しが求められる。

     主審:古田厳一,副審:姫野俊道&牧角健次郎&桑田和昌
     ○重田:15戦5勝(1KO)7敗3分     ●原田:3戦3敗
     放送:スカイA     解説:名城信男     実況:田野和彦

※ 第2ラウンド,ヘッディングにより原田は減点1。

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                    2009年8月30日(日)    大阪府立体育会館第一競技場
                     WBA世界スーパーウェルター級暫定王座決定12回戦
                  WBA世界S・ウェルター級3位        WBA世界S・ウェルター級4位
                ○   石田順裕      判 定     マルコ・アベンダーニョ   ●
                         (金沢) 154 lbs                    (ベネズエラ) 154 lbs

 長身の石田が序盤から伸びのある左ジャブでアベンダーニョを寄せつけない。右ストレートから返した石田の左フックがヒット。右フックのカウンターにヒヤリとさせられる場面があったが,これはアベンダーニョの空振り。
 石田は2回以降も前に出るアベンダーニョをコンスタントに繰り出す左ジャブでコントロールする。4回,左フックでバランスを崩したアベンダーニョをロープに詰めて攻勢に出る石田。アベンダーニョの右アッパーが空を切ったところに左フックがヒットする。
 6回,ようやくアベンダーニョが反撃の糸口を掴んだ。石田をニュートラルコーナーに追い込んで右フックからボディへの左アッパーを浴びせる。さらに右フックのボディブローから左フックを決めて石田にロープを背負わせるアベンダーニョ。
 しかし,アベンダーニョの見せ場はここだけ。7回以降は再び石田のアウトボクシングが冴え,アベンダーニョは攻め倦む場面が目立つ。8回終盤,石田が放ったノーモーションの右ストレートがヒット。
 終盤にも石田は足を使って左右に動きながら,要所に左ジャブを浴びせる自分のボクシングを貫いた。

 石田は昨年9月以来の再戦となったアベンダーニョに大差の判定勝ちを飾り,暫定タイトルながらも念願の世界のベルトを手にした。185cmという長身から繰り出す左ジャブで終始アベンダーニョをコントロールした。打ち終わりなどにタイミングよく合わせたり,出バナを叩く左ジャブが光る。欲を言えば左ジャブにつなげる右ストレートあるいは返しの左フックが少なかったことが惜しまれる。
 アベンダーニョは右ファイタータイプで左ジャブから放つ左右フックを武器とする。動きそのものは悪くなかったが,石田の左ジャブと足にコントロールされたことが敗因。終始前に出ていたが,攻め口を見出せないままに敗れた。

採点結果 石田 アベンダーニョ
主審:ギジェルモ・ペレス・ピネダ(パナマ) *** ***
副審:ルーベン・ガルシア(米国) 119 109
副審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ) 118 110
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 117 111
参考:MAOMIE 119 109


     ○石田:28戦21勝(7KO)5敗2分
     ●アベンダーニョ:35戦27勝(19KO)7敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修
     実況:土井敏之

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