熱戦譜〜2009年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.06.02 10回戦  宮 将来  9R負傷判定  八木橋淑郎
2009.06.02 8回戦  出田裕一  判定  二見広信
2009.06.02 8回戦  松本晋太郎  TKO1R  ルートサヤム・ポーティティマ
2009.06.06  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 松田直樹  TKO10R  上野則之
2009.06.06  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 中川大資  TKO7R  斉藤幸伸丸
2009.06.06 8回戦  亀海喜寛  判定  ヘリ・アンドリヤント
2009.06.06 8回戦  田中教仁  TKO3R  島崎博文
2009.06.06 8回戦  林 徹磨  判定  八巻裕一
2009.06.08  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 木村章司  KO9R  金沢知基
10 2009.06.08 10回戦  小林タカヤス  判定  升田貴久
11 2009.06.08 8回戦  福島 学  判定  小野澤洋次郎
12 2009.06.14 10回戦  坂田健史  判定  全 鎭萬
13 2009.06.14 10回戦  渡部あきのり  KO4R  古川明裕
14 2009.06.21  日本ミニマム級
 王座決定10回戦
 八重樫東  判定  堀川謙一
15 2009.06.21  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 大橋弘政  KO7R  ロリー松下
16 2009.06.27  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ホルヘ・リナレス  TKO8R  ホサファト・ペレス
17 2009.06.27 6回戦  下田昭文  TKO1R  マウリシオ・ベセリル

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                        2009年6月2日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
              東洋太平洋S・バンタム級14位   負 傷 判 定   日本フェザー級(ノーランク)
              ○   宮 将来         9回1分36秒    八木橋淑郎   ●
                     (ヨネクラ) 126 lbs                            (オサム) 126 lbs

 開始早々からプレッシャーをかける宮。36歳の八木橋も果敢に左右のショートアッパーで応戦。中盤には右ストレートでぐらつかせてから攻勢に出て,左右の連打で宮を青コーナーに追う。宮は2回にも前に出るが,手が出ない。逆に八木橋が下がりながら機を見てショートの連打を浴びせた。
 しかし,3回,宮が一発で試合をひっくり返した。接近戦で左右アッパーの応酬となる。終了間際の激しい打ち合いで右ストレートから切り返した左フックが顔面に決まり,八木橋は仰向けにダウン。カウント8で再開となったところで,ゴングに救われた。
 4回以降は攻守がコロコロと変わるシーソーゲームが続いた。有効打で両目上から出血した八木橋も負けじと打ち返すが,宮が的確なパンチで徐々に流れを引き寄せる。
 8回はやや休息の構えを見せる宮に対して,八木橋がワンツーを浴びせる場面が見られた。
 一進一退の展開が続いたが,9回,宮がバッティングで左目上をカット。ドクターチェックの結果続行不能との判断が下り,ここで試合がストップされた。

 八木橋の果敢な攻撃に苦しんだ場面はあったが,宮が2−0の負傷判定で勝利を得た。左ジャブ,ワンツー,左フック,上下への左右アッパーなど多彩なコンビネーションとしっかりしたテクニックは相変わらず。しかし,早くからホープと期待されている割りに伸び悩んでいる印象が拭えないのはなぜか。相手が攻勢に出ると簡単に攻めさせてしまうことが気になる点。しっかりブロックしているが,ガードの上からでも連打を許すのは相手を調子に乗せることになる。攻防のON・OFFが明確過ぎることが相手にとっての恐さが薄い原因だろう。ここでカウンターが取れるようだと相手にとっては脅威になる。
 八木橋はベテランの意地を存分に見せた立派な試合である。右ファイタータイプで,接近してショートの連打が良く出る。ガッツ溢れる試合ぶりでホールを沸かせたが,パンチの的確さを含めた総合力で宮に屈した。

9回までの採点 八木橋
主審:福地勇治 *** ***
副審:中村勝彦 89 83
副審:ウクリッド・サラサス 87 85
副審:熊崎広大 86 86
参考:MAOMIE 87 84


     ○宮:21戦19勝(13KO)1敗1分
     ●八木橋:23戦7勝(2KO)15敗1分

     放送:スカイA
     解説:本間暁
     実況:田野和彦

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                      2009年6月2日(火)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本ウェルター級12位        日本ウェルター級9位
                ○   出田裕一    判 定    二見広信   ●
                       (ヨネクラ) 149 lbs              (北陸イシマル) 149 1/4 lbs
                   出田裕一=いでた・ゆういち

 初回,二見は左右フックのボディブローを見舞う。出田はすぐに反撃に転じ,二見をロープに詰めて左右フック,ワンツーを浴びせる。
 2回,細かく左ジャブを突いてプレッシャーをかける出田。終盤,左右フックで攻勢に出れば,これが効いた二見は思わずクリンチに逃れた。3回,二見の右ストレート,左フックでのけぞる出田だが,すぐに反撃。接近戦からの離れ際に見舞った相打ちの右ショートフックが決まり,二見がぐらつく。
 中盤以降も出田が圧倒的な手数の差で二見を押し込む展開が続いた。出田は鼻から出血するが,左右フック,ワンツーの連打でどんどん攻め込み,常に主導権を握った。
 7回,二見の左フックで出田のアゴが上がる。しかし,その後は再び出田の攻勢が続いた。

 出田がランク上位の二見に大勝した。右ファイタータイプで,左ジャブを小刻みに突きながらアグレッシブに距離を詰める試合運びが特徴。接近すると左右フック,アッパー,ワンツーがどんどん出る。大振りせずにコンパクトにまとめている点が長所。その一方で上体が立ってしまい相手の真正面から入るため,両足が揃ってしまう弱点がある。攻撃が一本調子になっている点も気になるところ。
 二見は右ボクサーファイターで左フック,右ストレートを武器としている。ときおり鋭いパンチで出田をのけぞらせたが,押し込まれて後手に回る場面が続いた。

採点結果 出田 二見
主審:杉山利夫 *** ***
副審:福地勇治 80 73
副審:ウクリッド・サラサス 78 75
副審:浅尾和信 80 73
参考:MAOMIE 80 72


     ○出田:11戦11勝(6KO)
     ●二見:14戦9勝(2KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:本間暁
     実況:田野和彦

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                           2009年6月2日(火)    後楽園ホール
                                   8回戦
                  日本S・ミドル級(ノーランク)    T   K   O     タイ国S・ミドル級(ノーランク)
               ○   松本晋太郎       1回2分36秒    ルートサヤム・ポーティティマ   ●
                      (ヨネクラ) 167 3/4 lbs                             (タイ) 167 1/2 lbs

 アゴが上がって動きもぎこちないルートサヤム。松本は開始早々からプレッシャーをかけ,左アッパーのボディブローを見舞う。中盤,松本の右ストレートが決まり,ルートサヤムは膝から落ちてあえなくダウン。立ち上がったが,すでに勝負の興味は失せていた。ニュートラルコーナーでワンツーからの左フックがテンプルに決まれば,ルートサヤムはうつ伏せに沈む。中村主審がカウント中に試合をストップした。

 松本の圧勝。右ファイタータイプで右ストレート,左フックに威力がある。かなりの体格差があり,当然の結果である。このクラスのマッチメイクは困難を極めるが,もう少し骨のある相手とグラブを交えなければ進歩が止まるだろう。
 ルートサヤムはベタ足で動きがぎこちなく,いかにも素人という印象。おまけにアゴが上がってしまっては,いずれ松本の強打に捕まることは目に見えていた。

     主審:中村勝彦,副審:杉山利夫&熊崎広大&浅尾和信
     ○松本:3戦3勝(3KO)     ●ルートサヤム:11戦7勝(1KO)4敗
     放送:スカイA     解説:本間暁     実況:田野和彦

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                       2009年6月6日(土)    後楽園ホール
                        日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級5位)
                ○   松田直樹   10回2分08秒     上野則之   ●
                       (帝拳) 125 3/4 lbs                     (ワタナベ) 125 1/2 lbs
                       WBC14位

 気迫十分の両者。ともに左ジャブ,フックから立ち上がるが,松田の左ボディブロー,上野の右ストレートが決まる。
 2回,打ち気満々だった上野が足を使って距離を取り,流れを変えにかかった。松田は右アッパーからボディに左アッパー。松田が右を打つところに一瞬早く上野の右ストレートがヒット。浅いパンチだったが,松田は思わず尻餅をついてダウンを取られた。
 ダウンのダメージはなかったが,松田にとっては3回の方が危ない場面だった。松田は左ボディブロー,上野もすぐに打ち返して気が強いところを見せる。松田がリズムを掴みかけるが,終了間際に上野の鋭い右ストレートがアゴに決まる。このパンチで腰が落ちた松田はダウン寸前のピンチを迎えた。上野も鼻から出血して試合は緊迫の様相を呈した。
 劣勢で中盤を迎えた松田だが,徐々に経験と地力の差を見せた。5回,右・左・右のコンビネーションが出る松田。気が強い上野も負けじと打ち返すが,終了ゴングと同時にヒットした松田の右ストレートで上野は足をもつれさせながらコーナーに戻る。
 上野は気迫を見せるが,鼻からの出血で徐々にスタミナをロスして動きが鈍くなった。7回,松田はそこに追い打ちをかけるように左アッパーでボディを攻める。右ストレートでぐらつく上野。
 8回,上野のダメージを読んだ松田がゴングと同時に攻勢に出る。右アッパーでぐらついた上野はピンチ。浦谷主審が止めに入るタイミングを窺う気配を見せる,それを察知したのか上野は打ち返して辛うじてストップを免れた。
 9回,持ち味の足を使ってリズムを取り戻しにかかる上野。左ジャブで組み立て直そうとするが,もはやここまで。10回は逆に松田が左ジャブから細かいパンチで組み立てる。さすがの上野も鼻血が止まらず,足の踏ん張りが利かない。ダメージを見た浦谷主審が割って入り,ここで試合をストップした。

 壮絶な打ち合いを制した松田が2度目の防衛に成功した。序盤こそ上野の気迫十分の攻撃にリードされたが,中盤から左ジャブや右ストレート,左右アッパーで細かく攻めた。慌てずにリズムを掴んで上下に散らしながら上野の失速を誘った試合運びは,長い下積みを経てベルトを掴んだ松田ならではのものだろう。上野との決定的な差はそこにある。
 上野は気の強さが前面に出る右ボクサーファイター。前半のリードは良かったが,接近戦や細かい駆け引きでは松田が二枚も三枚も上。ボディ攻撃を交えた松田の反撃にペースダウンし,鼻血の影響もあってスタミナを大きくロスしたことが響いた。敗れたが,気迫に満ちた戦いぶりは賞賛に値する。闘志満々の好戦的なスタイルに見えるが,どちらかというと足を使って距離を保ちながら左ジャブ,フックで攻めるボクサータイプに近い試合運びの方が持ち味が出る感じがする。自分が好むスタイルと実力が出るスタイルが異なる場合もあるだろう。どのスタイルが最も実力が出るかを見つめ直せば,伸びしろを感じさせる素材である。再挑戦に期待する。

9回までの採点 松田 上野
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:土屋末広 84 86
副審:山田一公 87 85
副審:熊崎広大 87 85
参考:MAOMIE 87 84


     ○松田:43戦30勝(13KO)8敗4分1無効試合
     ●上野:23戦10勝(3KO)9敗4分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:寺島淳司

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                        2009年6月6日(土)    後楽園ホール
                        日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級2位)
                ○   中川大資    7回2分36秒    斉藤幸伸丸   ●
                       (帝拳) 146 1/2 lbs                   (輪島功一スポーツ) 147 lbs

 動きが硬い183cmの長身・中川に対し,171cmの斉藤が変幻自在の動きで序盤からリードした。前後左右に目まぐるしく動きながら右フックをヒットする斉藤。さらに激しい動きで撹乱し,飛び込んでは左右フックでボディを攻める。
 2回,中川は激しい出入りを繰り返す斉藤に戸惑いを隠せない。斉藤は左右フックから中川の出バナに右ストレートを浴びせる。動きを止めたい中川だが,見てしまう場面が目立った。
 3回,相変わらず動き回る斉藤。出バナに右ストレートを決め,飛び込んで左右フックを連打する。
 斉藤の動きに撹乱されっ放しの中川も4回から徐々に王者の意地を見せた。前に出て単発ながらもワンツー,右フックを浴びせてプレッシャーをかける。
 6回,斉藤は右ストレートで中川をロープに追い込む。後半には中川もワンツーを主体に手数を増やすが,終了間際には斉藤の左フック,右ストレートがヒット。斉藤は王座奪取に向けた意欲を見せる。
 しかし,斉藤が大きくリードして迎えた7回。疲れが出てややペースが落ちたところを中川が捉えた。斉藤は右ストレートを浴びせて中川をロープに詰めるが,善戦もここまで。中川はワンツー,左右アッパーをコツコツと上下に散らして追い上げを見せる。やや動きが鈍った斉藤は初めてクリンチに出た。激しい打ち合いになったが,斉藤は足が止まってピンチ。中川は右ストレート,フックを浴びせて一気に攻め立てる。打ち下ろしの右ストレートをアゴに受けた斉藤はついに右膝をついてダウン。マーチン主審が抱きかかえるように試合をストップ。力尽きたように仰向けに沈んだ斉藤は担架で搬出された。

 中川が圧倒的不利の展開を跳ね返し,逆転劇で初防衛に成功した。斉藤の動きに苦しんだが,4・5回頃から徐々にプレッシャーをかけて最後はパンチ力の差でねじ伏せた。斉藤の動きが鈍るのを粘り強く待った精神力は素晴らしい。慌てなかったことが逆転につながった。苦戦の原因は左ジャブが出ず,斉藤の激しい出入りを許してしまったことにある。動かれたとしても,左さえ出ていれば飛び込まれることを封じられただろう。スピードに難があるが,長身から放つワンツー,左右アッパーに威力がある。
 斉藤は右ボクサーファイターで足があり,スピーディに良く動く。動きながら飛び込んで放つ左右フックを得意としている。前半は前後左右に動いて出入りの激しさで中川を苦しめた。倒されるまでの試合運びは間違いではないし大善戦ではあるが,7回のピンチの場面でもう少し粘りを見せて欲しかった。厳しい見方をすれば,勝負に対して淡泊という印象が残る。

6回までの採点 中川 斉藤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 56 59
副審:山田一公 55 60
副審:浦谷信彰 55 60
参考:MAOMIE 55 60


     ○中川:17戦14勝(10KO)2敗1分
     ●斉藤:15戦11勝(6KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:高橋雄一

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                      2009年6月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                    日本S・ライト級1位         インドネシア ライト級1位
                ○   亀海喜寛     判 定   ヘリ・アンドリヤント   ●
                       (帝拳) 141 3/4 lbs              (インドネシア) 141 1/2 lbs

 亀海が開始早々からプレッシャーをかける。左ジャブから相打ちの右ストレート。アンドリヤントも右ストレートを返すが,パンチ力があるところを見せ,緊迫感が漂う。
 3回,左フック,アッパーのボディブローが効いたアンドリヤントは消極的な面を見せる。4回,亀海は右ストレートからボディに左アッパーを放ってアンドリヤントを追い上げた。
 左アッパーのボディブローを多用して攻める亀海だが,中盤以降はタフなアンドリヤントをやや持て余し気味。7回,左アッパーのボディ打ちに動きが止まったところで一気に攻勢に出るが,仕留めるには至らない。
 8回中盤,アンドリヤントの右ストレートが決まり,闘志に火がついたかのように攻勢に出る亀海。

 木村登勇引退後のスーパーライト級を背負うと見られているホープ亀海が無傷の12連勝。タフなアンドリヤントを倒し切れなかったが,終始押しまくっての圧勝である。主武器の右ストレートに加え,今夜は左アッパーのボディブローを多用していたことが特筆すべき点。しかし,倒すことを過剰に意識したためか,やや力が入っていたことが気になる。もっともっと左ジャブを多くしてフェイントで崩していくことが必要。
 アンドリヤントは右ファイタータイプで右ストレート,フックにパンチ力がある。タフなことが特徴。亀海にボディを抉られて消極的になった。

採点結果 亀海 アンドリヤント
主審:土屋末広 *** ***
副審:熊崎広大 80 73
副審:ウクリッド・サラサス 80 72
副審:ビニー・マーチン 80 72
参考:MAOMIE 80 72


     ○亀海:12戦12勝(10KO)
     ●アンドリヤント:23戦14勝(9KO)8敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                         2009年6月6日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                   日本ミニマム級(ノーランク)  T   K   O   日本ミニマム級9位
                ○   田中教仁      3回2分04秒    島崎博文   ●
                       (ドリーム) 104 1/4 lbs                        (帝拳) 105 lbs

 上背でやや勝る島崎,小柄な田中。ともに左ジャブで距離を測る。島崎は出バナに右アッパーを狙う。
 3回,打ち合いになるが,島崎の右ストレートに合わせた田中の左フックがアゴに決まり,島崎は右膝をついてダウン。立ち上がった島崎が反撃に出て再び激しい打ち合いになったが,正面に立ったところを突かれる。右ストレートを打ち込まれた島崎はロープ際で脆くも2度目のダウン。カウントの途中で山田主審が試合をストップした。

 軽量級らしくキビキビとした好ファイト。ノーランカーの田中が見事なTKOでランカーの島崎を破り,ランクインを有望にした。
 田中は右ファイタータイプで,154cmの小兵ながらも右ストレート,左フックにパンチ力がある。ガムシャラに打ち合うのではなく,左ジャブで慎重に組み立てながらチャンスを窺う面がある。接近するまでのパンチやフェイントを工夫すれば,さらに上位進出が期待できる。
 島崎は右ボクサーファイターで右ストレートを武器としている。打ち合いに出たところにうまくパンチを合されて完敗となった。反撃に出たが,アゴが上がって正面から行ってしまったところを仕留められた。冷静に戦った田中が一枚上。

     主審:山田一公,副審:不明
     ○田中:12戦10勝(5KO)2敗     ●島崎:14戦8勝(1KO)5敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                     2009年6月6日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                    日本フライ級10位        日本フライ級(ノーランク)
                ○   林 徹磨     判 定    八巻裕一   ●
                       (帝拳) 111 1/2 lbs              (野口) 112 lbs
                                     八巻裕一=やまき・ひろかず

 右の林,左の八巻。距離を取りたい八巻に対し,前に出てプレッシャーをかける林が序盤から優位に立った。八巻は得意の左ストレートを伸ばすが,林は構わず左右フック,右ストレート。さらにロープに詰めてボディ攻撃で迫る。
 4回終盤,アゴへの右フックで動きが止まった八巻を追って林が攻勢を仕掛けた。八巻はロープを背負うピンチ。
 距離を取って左ストレートを決めたい八巻だが,正面に立って右をもらう場面が目立つ。7回,右ストレート,左右フックを細かく連打して攻勢に出る林。劣勢の八巻も自分から前に出る姿勢を見せた。
 8回,林がようやく積極的に攻撃に出る。右フック,左ストレートを受けた林は鼻血を流すが,終盤は攻勢に出た。

 終始積極的に攻めた林がワンサイドゲームを制した。右ファイタータイプで,右ストレート,フックが武器。右を当てておいて攻勢に出る攻撃パターンを得意としている。チャンスに連打が出ることが長所。上体の振りを生かしてどんどん潜り込む攻撃に磨きをかけたい。
 八巻はサウスポーのボクサータイプ。やや距離を取り,伸びの良い左ストレート,ワンツーを繰り出す。今夜は距離を詰められて後手に回ってしまったことが敗因。パンチの引きが遅いことが欠点で,そこに右をもらう場面が目立った。攻め込まれて消極的な試合運びに終始した感じがする。終盤に見せたように積極的な攻撃を展開することが求められる。

採点結果 八巻
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:土屋末広 78 75
副審:浦谷信彰 79 74
副審:山田一公 80 74
参考:MAOMIE 79 73


     ○林:12戦11勝(2KO)1分
     ●八巻:14戦6勝(4KO)8敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                        2009年6月8日(月)    後楽園ホール
                      日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   K      O   挑戦者(同級6位)
               ○   木村章司   9回1分34秒     金沢知基   ●
                       (花形) 122 lbs                    (角海老宝石) 122 lbs
                   WBA8位,WBC12位

 キャリアで勝る木村が序盤から主導権を握った。初回,まず打ち下ろしの右ストレートがヒット。終盤には攻め込もうとしてガードが下がったところに左フックを受けた金沢が早くもぐらつく場面があった。金沢は早くも鼻からの出血を見る。
 2回にも木村のスピーディな試合運びが冴える。体を沈めて左ジャブから右ストレートで金沢を脅かす。終盤に決まった左フックで金沢のマウスピースが落ちた。
 木村のうまいボクシングに翻弄された金沢は全く糸口が見出せず,試合は中盤で早くもワンサイドゲームの様相を呈した。6回終盤,木村の左フックがカウンター気味にアゴを捉えれば,金沢がガクッと体をぐらつかせてピンチ。木村もこのKOチャンスに後一歩の詰めを欠いたが,展開はさらに一方的なものになった。。7回には右をミスしたところに左ストレートを合された金沢が大きくのけぞる。
 そして9回,木村が鮮やかに試合を決める。金沢はワンツーを振って攻めるが,冷静な木村には全く通じない。リング中央でわずかにステップバックして距離を作った木村は次の瞬間,飛び込んで体ごと突き上げるような左アッパーを一閃。これがガードの隙間を割るようにアゴを捉え,金沢はロープ際まで飛ばされて腰から落ちてダウン。そのままカウントアウトされた。

 木村が堂々たる横綱相撲で初防衛を飾った。キャリアの差を見せつけた圧勝である。出バナや打ち終わりにタイミング良くクリーンヒットを重ねた。距離を取っては左ジャブから射程の長い右ストレートが冴えていた。まさにテクニシャンの面目躍如である。ただしもう少し早くフィニッシュできそうな場面は何度か見られた。特に6回に迎えたKOチャンスに一気の攻撃が見られなかったことは反省点である。
 初挑戦の金沢は右ストレート,左フックを得意とする右ボクサーファイター。上ばかり狙って前に出るだけの単調な動きを読まれたことが敗因。もう少し上下にパンチを散らしながら崩すなどの工夫が欲しかった。最後まで良く食い下がったが,試合運びの面でベテランの木村には遠く及ばなかった。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&中村勝彦&安部和夫
     ○木村:27戦23勝(9KO)2敗2分     ●金沢:18戦12勝(6KO)4敗2分
     放送:フジテレビNEXT     解説:徳山昌守     実況:鈴木芳彦

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                       2009年6月8日(月)    後楽園ホール
                               10回戦
                     日本フライ級7位         WBC世界フライ級6位
                ○   小林タカヤス    判 定    升田貴久   ●
                       (川島) 113 3/4 lbs              (三迫) 113 3/4 lbs
                                          WBA9位

 序盤から一進一退の展開が続いた。まず先手を取ったのは升田。初回,軽快なフットワークで距離を取り,左ジャブから右フックをボディに。距離を詰めたい小林だが,スピーディな升田を攻め倦む。升田は終了間際にも小林を青コーナーに詰めて,右フックのボディブローを見舞う。
 2回,一転して前に出ながら左ジャブの連打からワンツー,ボディへの右フックを打って快調に飛ばす升田。しかし終盤,小林の右フックがカウンターになり,ぐらついてクリンチに出る升田。小林はチャンスと見て攻勢に出る。升田は4回,バッティングで左側頭部をカットし,ドクターチェックを受ける。
 後半は小林が見事な追い上げを見せた。7回,踏み込んで放った小林の左ジャブが再三ヒットする。さらに飛び込んで左フックからの右ストレートを決め,気持の強さを見せる小林。この辺りから升田にやや疲れが見えるようになった。
 8回は升田の左ストレート,ワンツーが冴えるが,9回は再び小林。左右フックのボディブローに押し込まれる升田。終盤,小林は右ストレートをヒット。
 10回,小林はフェイントを使い,左ジャブ,ストレートを上下に放ち,うまさを見せる。接近して激しい打ち合いになるが,小林が押し込んで左右フックを浴びせ,優勢のまま終了。

 新鋭・小林が世界ランカー升田を気迫で破る番狂わせを演じた。序盤は升田のスピーディなアウトボクシングの前に攻め倦んだ。中盤からはフェイントを交えた上下への左ジャブ,右ストレート,ボディへの左右フックで積極的に攻めたことが勝因。2−0の僅差ではあるが,見事な試合内容である。最後まで足が良く動き,スタミナも十分。終盤には疲れが見える升田を押し込むなど,気迫で上回った。この終盤の追い込みが勝利につながった。これで一気に上位にランクされることは確実。タイトル挑戦も有望である。左フック,右ストレートを武器にテンポの良い攻撃を展開する右ボクサーファイター。どちらかと言うとファイタータイプに近いが,足と左ジャブがあり,アウトボクシングにも対応できる器用な面も持ち合わせている。
 世界挑戦を目論んでいた升田だが,小林の気迫の前に手痛い星を落とした。中盤から距離を取り切れず,小林の打ち合いのペースに合わせてしまったことが敗因。本来のアウトボクシングに徹するべきだった。中盤以降は小林のボディ攻撃で足が止まったことも響いた。

採点結果 小林 升田
主審:吉田和敏 *** ***
副審:中村勝彦 98 94
副審:島川威 96 96
副審:福地勇治 96 95
参考:MAOMIE 96 94


     ○小林:19戦15勝(2KO)2敗2分
     ●升田:31戦20勝(5KO)8敗3分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:徳山昌守
     実況:森 昭一郎

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                      2009年6月8日(月)    後楽園ホール
                             8回戦
                   日本バンタム級7位        日本フェザー級(ノーランク)
                ○   福島 学    判 定   小野澤洋次郎   ●
                       (花形) 126 lbs               (ワタナベ) 125 3/4 lbs

 初回,動きながら左ジャブ,フックで牽制する福島。小野澤は前に出て左ジャブからワンツー,右フックで追い,接近して右アッパーを放つ。
 しかし2回に入ると福島がベテランらしい試合運びで流れを掴みかけた。小野澤が右ストレートを打とうとしたところに左アッパーを突き上げる福島。
 4回は小野澤。終了間際に左ジャブ,右フックが決まる。福島は動きでかわそうとするが,被弾が目立つ。一進一退のシーソーゲームが続くが,6回には福島が左ジャブから右フックを浴びせる。さらに左フック,アッパーを下から上に連打する福島。
 7回は小野澤が上回った。福島は足を使って動くが,後半は小野澤がバランスを崩した福島の顔面に左ストレートから右フックを決めた。
 8回,両者必死に手を出すが,ともに決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 47戦目の大ベテラン福島が若手の小野澤に手を焼いたが,僅差で判定勝ち。足を使って動きながら左右フック,アッパーを打つベテランらしい老獪な試合運び。しかし,相変わらず被弾が多いことが気になるところ。ここから再浮上するためには,ディフェンスに気を配ることが必須となる。
 小野澤は右ファイタータイプで左ジャブからの左右フックや接近戦での右アッパーを武器としている。良く攻め込んだが,福島のテクニックにかわされた。

採点結果 福島 小野澤
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:安部和夫 77 76
副審:島川威 77 76
副審:吉田和敏 77 76
参考:MAOMIE 77 77


     ○福島:47戦35勝(19KO)8敗4分
     ●小野澤:19戦8勝(5KO)7敗4分

     放送:フジテレビNEXT
     解説:徳山昌守
     実況:福永一茂

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                    2009年6月14日(日)    後楽園ホール
                             10回戦
                  WBA世界フライ級6位       韓国フライ級チャンピオン
               ○   坂田健史    判 定   全 鎭萬   ●
                      (協栄) 114 3/4 lbs             (韓国) 115 lbs
                     WBC9位

 動きが硬い坂田に対して序盤は全がどんどん前に出てリードした。左フック,アッパーから左右フックの連打で迫る全。
 3回,下がっては相手の思うツボと見た坂田は左ジャブを多用して前に出る。左右アッパーのボディブローから右ストレートを打ち込んで優位に立った。全の左フックを受けて後退する場面があったが,坂田は終盤に左フックで全をぐらつかせた。
 中盤以降は完全に主導権を握った坂田のワンサイドゲームとなる。5回,右フック,ストレートからボディへの連打で全をロープに詰める。7回には動きが鈍った全がボディ攻撃を嫌って後退し,上体が丸くなる。終盤にはフィニッシュを狙って左右フックで猛然と攻勢に出る坂田。
 8回,全の左目上の腫れが酷くなり,ドクターチェックのために中断する一幕があった。よく粘る全だが,さすがに序盤ほどの出足がない。全は10回にも必死に前に出るが,坂田は冷静に動きを見て右ストレート,左フックのカウンターを取った。

 昨年12月にデンカオセーン・シンワンチャー(タイ)に痛烈なKO負けを喫して王座を明け渡した坂田が大差の判定勝ちで再起戦を飾った。動きの硬さが目立った序盤は全の攻勢を許したが,自ら攻撃に出た3回以降はワンサイドに押し切った。左右フックの連打に加え,全の出バナに右ストレート,アッパー,左フックのカウンターを決め,うまさも披露した。足も良く動いて,まずまずの試合内容だろう。課題は従来から指摘されているスロースターターで序盤に打ち込まれる場面が多いこと。再び世界を目指すためには,この欠点の克服が必須となる。
 全は典型的な右のコリアンファイター。左右フック,アッパーなどとにかく良く手数が出る。後半はボディ攻撃が効いて出足が鈍ったが,手強い相手である。

採点結果 坂田
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:葛城明彦 99 91
副審:山田一公 99 92
副審:熊崎広大 97 94
参考:MAOMIE 98 92


     ○坂田:41戦34勝(15KO)5敗2分
     ●全:13戦10勝(1KO)2敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:佐藤修
     実況:新夕悦男

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                        2009年6月10日(日)    後楽園ホール
                                10回戦
                    日本ウェルター級8位   K   O   日本ミドル級6位
                ○   渡部あきのり   4回38秒   古川明裕   ●
                         (協栄) 156 1/2 lbs              (ワールド日立) 155 1/4 lbs

 初回,グイグイと突進して大きな左右フックを強振する古川。しかし,渡辺は良く見てロープを背に右フック一発でぐらつかせた。さらに古川の出バナに左ストレートをカウンターする渡部。右フックをミスした古川は足を滑らせてキャンバスに落下する。直前に左フックがヒットしたと見た福地主審はノックダウンとしてカウント8を数えた。再開後激しい打ち合いになるが,渡部の右フック,左ストレートがビシビシと決まる。
 2・3回にも激しい打ち合いが続くが,渡部は突進する古川の動きをいなして左ストレート,右フックあるいはボディへの左アッパーをヒット。
 4回,渡部が豪快な一発で試合を決めた。渡部をロープに詰めて左右フックで迫る古川。しかし,右アッパーを強振してアゴが上がったところに渡部の右フック一閃。見事なカウンターを食らった古川はニュートラルコーナーに突っ込むように膝から倒れる。立ち上がったものの,戦える状態ではなく,カウント途中にタオルが投入された。

 3連続KO負けで不振が続いていた渡部が1年9ヶ月ぶりに豪快なKO勝利を披露し,再起を果たした。左右フックを強振しながら突進する古川との正面衝突を避け,いなしながら攻撃の隙間にカウンターを取るうまさを見せた。打ち合い上等と言わんばかりだった以前と比べ,小さな左ストレートも混じり,幅が広がったところを見せた。まだ23歳という若さ。節目の20戦目を豪快に飾ったことでスランプから脱すれば,再浮上は十分に期待できる。今後の動向が楽しみな存在である。
 古川はこれで3連続KO負け。右ファイタータイプで猛牛のようなブルファイトを身上としており,”怪力男”の異名を取る。しかし,並はずれた強打の反面でガードの甘さが致命的。いなしながら巧みに打っていた渡部に比べると,いかにも真正直なところが目立った。

     主審:福地勇治,副審:山田一公&他2名不明
     ○渡部:20戦17勝(16KO)3敗     ●古川:17戦12勝(9KO)4敗1分
     放送:TBSチャンネル     解説:佐藤修     実況:伊藤隆佑

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                      2009年6月21日(日)    松下IMPホール
                       日本ミニマム級王座決定10回戦
                    日本ミニマム級3位          日本ミニマム級1位
                ○   八重樫 東     判 定     堀川謙一   ●
                       (大橋) 104 3/4 lbs               (SFマキ) 105 lbs

 同型のスピーディな右ボクサーファイター同士の顔合わせは,序盤から軽量級らしいハイテンポな展開になった。堀川は足を使いながら思い切ったワンツーを放つが,八重樫は左右アッパー,フックの連打でプレッシャーをかける。序盤は堀川が打とうとするところを先に攻めた八重樫がやや有利に試合を進める。
 4回,今度は終了間際に堀川の右ストレート,左フックが決まる。5回にはやや攻め倦む八重樫に,堀川が動きながら左右フックを放つ。
 中盤以降も激しい打ち合いが続くが,接近戦ではやや八重樫が上回る。8回には八重樫の打ち下ろしの右フックが決まる。
 終盤も激しい打ち合いになったが,ともに雑な攻撃で決め手を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 3月の王座決定戦で10回KO負けを喫した辻昌建(帝拳)が試合後に死亡し,新王者になった金光佑治(六島)も硬膜下血腫によって引退を余儀なくされるという悲劇に見舞われた。今回の王座決定戦はその後を受け,新たに王者を決める一戦。
 八重樫が攻勢で上回って新王座についたが,やや雑な攻めに終始し,不本意な試合内容になった。パンチを思い切り振ってくる堀川に合わせてしまい,ラフな攻撃が目立った。本来は出入りの鋭いフットワークに乗せて細かい左ジャブ,フック,ワンツーあるいは上下に打ち分ける左右アッパーなどの多彩な攻撃を持ち味としている。アゴを割られるという完敗に終わった2007年6月の世界挑戦から2年。プロ入り当初の弾けるような勢いが感じられないのが残念。再度世界戦線に浮上するためには,もう一度原点に戻って自分本来のボクシングを取り戻すことが必要だろう。

採点結果 八重樫 堀川
主審:宮崎久利 *** ***
副審:浦谷信彰 96 95
副審:坂本相悟 97 95
副審:原田武夫 97 94
参考:MAOMIE 98 95


     ○八重樫:13戦11勝(7KO)2敗
     ●堀川:25戦17勝(4KO)7敗1分

     放送:スカイA
     解説:中出博啓
     実況:田野和彦

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                       2009年6月21日(日)    愛知県産業貿易館
                     東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級12位)     K      O   チャンピオン
                ○   大橋弘政     7回1分50秒   ロリー松下   ●
                       (HEIWA) 121 3/4 lbs                 (カシミ) 121 1/2 lbs
                                          WBA世界バンタム級12位,WBC世界S・バンタム級5位

 実力・実績の差を見せつけるかのようにロリーが開始早々から飛ばした。左アッパーから伸びの良い右ストレート。さらに距離を詰めたロリーは上下への左フック,アッパーから右ストレートを打ち込んで大橋を追い込む。
 初挑戦の緊張で動きが硬い大橋に対し,ロリーは2回にも鋭いコンビネーションブローで圧倒。しかし,大橋も終盤には意を決したようにロリーをニュートラルコーナーに押し込んで猛然と反撃に出た。
 3回に入っても果敢に攻める大橋だが,ロリーの容赦ないパンチに不利の形勢は変わらない。左フックを受け,ふらついて後退する大橋。しかし後半には再び猛然と右ストレート,左右フックでロリーに襲い掛かる。
 5回,鬼気迫る反撃を見せる大橋に対して,ロリーも世界ランカーの意地を見せる。激しく攻め込む大橋だが,ロリーの鋭い左右アッパー,右フックを浴びる。バッティングで負った右目上の傷に加え,有効打で左目上もカットした大橋はドクターチェックを受ける。
 6回,大橋の根性も凄い。有効打で上回るロリーだが,その表情からは1・2回のような余裕は消えていた。
 死闘とも言える試合は7回に壮絶なクライマックスを迎えた。根比べのような打激戦は消耗戦の様相を呈していた。30秒過ぎ,一瞬の隙を突くように大橋が猛然とスパートした。ニュートラルコーナーにロリーを釘付けにした大橋は左右フック,ワンツーでエンジン全開の猛攻。ロリーも必死に打ち返すが,明らかに動きが鈍っている。辛うじてコーナーから逃れたロリーだが,リング中央で左アッパーを鳩尾に打ち込まれ,力尽きたように右ひざをキャンバスについてダウン。半ば戦意を失ったロリーは再開に応じられず,そのままカウントアウトされた。

 大橋が強豪王者ロリーを大番狂わせの逆転KOで破り,デビュー10年目で初めて掴んだタイトル挑戦のチャンスを見事にモノにした。圧倒的不利の予想を覆して正真正銘の実力派世界ランカーのロリーを堂々とKOしてのタイトル奪取だから,その価値は大きい。序盤から鋭いパンチを浴びて出血し,早い段階でのKO負けを予感させたが,3回あたりから打ち合いに活路を見出した。最後はロリーが根負けし,心を折られる形になった。これで8連続KO勝ちという右ファイタータイプで,ワンツー,左右フックの連打を武器にしている。7回の攻勢も大振りにならず,ショートでまとめたことが逆転につながったと言える。根性・執念に脱帽である。
 ロリーは序盤こそ世界ランカーに相応しい実力を見せたが,大橋の猛烈な反撃は誤算だったろう。鋭い左フック,アッパー,右ストレートは圧巻。しかし,3回以降は大橋の反撃に押される場面が目立った。

6回までの採点 大橋 ロリー
主審:土屋末広 *** ***
副審:島川威 56 59
副審:福地勇治 55 59
副審:堂本康夫 56 58
参考:MAOMIE 56 58


     ○大橋:31戦20勝(14KO)8敗3分
     ●ロリー:36戦27勝(14KO)8敗1分

     放送:スカイA
     解説:三谷将之
     実況:田野和彦

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                2009年6月27日(土)    メキシコ ヌエボ・ラレド:プラザ・デ・トロス
                      WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級11位)
               ○   ホルヘ・リナレス   8回1分40秒    ホサファト・ペレス   ●
                        (帝拳) 130 lbs                      (メキシコ) 130 lbs

 サウスポーのペレスが低いガードから変則的な動きで虎視眈眈とチャンスを狙う。リナレスは小刻みな動きから高速の左ジャブで突破口を窺う。
 3回,カウンターを恐れず思い切った左ストレートを振って攻めるペレス。リナレスもすぐに右ストレートでお返し。さらに丹念に左ジャブを突いて慎重なところを見せた。
 5回,リナレスは慎重に左ジャブ,ワンツーをヒット。一発当ててやろうという意気込みがありありのペレスは強引に出るが,リナレスのスピーディな左フック,右ストレートにバランスを崩す。
 6回,やりにくそうなリナレスだが,徐々に動きが読めてタイミングが合うようになった。ペレスの出バナにワンツーから返しの左フックを見舞う。なおも前に出るところに小さな左フックが決まれば,一瞬ペレスの足がもつれる場面があった。
 8回,リナレスが怒涛の速攻で試合を終わらせた。開始早々,右ストレートからの左アッパーがアゴを捉える。これで闘志に火がついたペレスが反撃に出る。これを合図にしたかのようにリナレスも応じて,激しい打ち合いが始まる。左フックでふらつくペレス。正面衝突となるが,右ストレート,左アッパーに次ぐ相打ちの右ストレートはリナレスが一瞬早く,これを直撃されたペレスは仰向けにダウン。もはやこれまでと思われるほどの痛烈なダウンだったが,カウント9で辛うじて再開。ふらつく足元で応戦するペレスだが,勝負の山は越えていた。リナレスの左アッパーで腰が砕けるペレス。右ストレートを追い打ちされ,力なくロープにもたれたところでパボン主審が抱きかかえるようにペレスを救って試合をストップした。

 リナレスが敵地で堂々たるTKOによる初防衛に成功。やりにくい相手だったが,攻め急がずコンスタントに左ジャブ,ワンツーで攻め続けて崩した。8回,強引に打ち合いに出たところを見逃さず,一気に決着をつけた。勝負所の読みは天下一品。小刻みな上体の動きと出バナをタイミング良く叩く左ジャブでペレスに決定打を許さなかった。さらに3階級・4階級制覇も期待できる。
 ペレスはサウスポーの変則ファイター。ガードを低く下げたスタイルから上下に思い切って放つ左ストレートを武器としている。リーチの長さに加え,半身に近く構えるので非常に懐が深い。その上,意外なほどの当て勘とかわすうまさがある。怖いもの知らずの側面も備えていることも相手にとってはやりにくい。

     主審:ルイス・パボン(プエルトリコ),副審:リーバイ・マルチネス(米国)&ギジェルモ・ペレス(パナマ)&リチャード・ダンカン(パナマ)
     ○リナレス:27戦27勝(18KO)     ●ペレス:28戦26勝(20KO)2敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                 2009年6月27日(土)    メキシコ ヌエボ・ラレド:プラザ・デ・トロス
                                  6回戦
                 WBA世界S・バンタム級11位  T   K   O   メキシコ バンタム級(ノーランク)
                ○   下田昭文       1回2分15秒    マウリシオ・ベセリル   ●
                        (帝拳) 123 lbs                          (メキシコ) 120 1/4 lbs
                       WBC14位

 ぎこちない足さばきのベセリルを追って,立ち上がりから下田がプレッシャーをかける。小刻みにリズムを取りながらチャンスを窺い,ロープを背にしたベセリルにワンツーを浴びせる下田。ベセリルは前に出て強引にパンチを振るが,右フックでぐらつき,思わずクリンチに出る。このクリンチからの再開後,下田が右フックから打ち込んだ左ストレートがアゴに一閃。ロープ際で仰向けに倒れたベセリルはピクリとも動かず,試合はノーカウントでストップされた。

 初の海外での試合に臨んだ下田。格下相手とあって当然のような圧勝だったが,非常に良い経験になったはず。持ち前の試合度胸の良さが出た。慣れない敵地での調整や試合は今後にとって大きなプラスになるだろう。試合を決めた左ストレートは踏み込み十分でタイミング,切れともに申し分ない。これに上下への右ジャブ,フックが加われば,鬼に金棒となる。
 ベセリルは変則的な右ファイタータイプで右ストレートを得意としている。スピードはなく,動きはぎこちない。アゴが上がる欠点がある。

     主審:不明,副審:不明
     ○下田:22戦19勝(9KO)2敗1分     ●ベセリル:8戦7勝(2KO)1敗1分
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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