熱戦譜〜2009年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.05.02  東洋太平洋スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 内山高志  TKO5R  トーン・ポー・チョークチャイ
2009.05.02  東洋太平洋スーパーフライ級
 王座決定12回戦
 河野公平  判定  ダニエル・フェレーラス
2009.05.02  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 大久保雅史  TKO7R  ユーチ・キャリーボーイ
2009.05.02  WBC女子世界ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 富樫直美  判定  OA・ゴーキャットジム
2009.05.02  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  判定  池山 直
2009.05.13 10回戦  亀田大毅  判定  ブンブン東栄
2009.05.19 8回戦  湯場忠志  KO1R  中堀智永
2009.05.19 8回戦  芹江匡晋  判定  瀬藤幹人
2009.05.19 8回戦  天笠 尚  KO7R  永田浩司
10 2009.05.23  WBC世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 西岡利晃  TKO3R  ジョニー・ゴンザレス
11 2009.05.26  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 内藤大助  判定  熊 朝忠
12 2009.05.26  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 デンカオセーン・クラティンデンジム  判定  久高寛之

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                          2009年5月2日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン    T   K   O    挑戦者(WBC5位)
                ○   内山高志    5回1分05秒   トーン・ポー・チョークチャイ   ●
                       (ワタナベ) 129 3/4 lbs                    (タイ) 129 1/2 lbs
                     WBA9位,WBC6位

 サウスポーのトーンに対し,内山は左ジャブから右ストレート,さらに左右アッパーでプレッシャーをかける。2回にはトーンが左目上をカット(内山の有功打による傷)。トーンはぎこちなく右に回るだけで消極的。
 3回,試合は一方的になった。ボディを攻められてトーンの動きが鈍る。4回には内山が右アッパーのボディブローから攻勢に出る。トーンは抱きついてピンチを逃れる。
 5回,左右アッパーのボディブローでプレッシャーをかける内山。攻勢からの左フックを受けたトーンはロープ際で崩れ,仰向けにダウン。立ち上がったが,内山が左右フックをまとめたところで福地主審が試合をストップした。

 内山が圧勝で2度目の防衛に成功した。上下に強打を散らしてプレッシャーをかけ続けたワンサイドゲームである。狙い過ぎる面があるが,パワーは抜群。低いガードによってパンチがスムーズに出る面はあるが,世界上位とぶつかった場合には要注意。陣営は一気に世界挑戦をさせる意向と伝えられているが,今夜の相手では参考にならない。再度シッカリした上位ランカーとの手合せをして欲しい。
 世界5位,日本人に7戦全勝(5KO)という触れ込みで登場したトーンだが,全くの期待外れ。サウスポーのファイタータイプだが,足の運びがぎこちなく,バランスも良くない。おまけにスピード不足であり,内山の敵ではなかった。肩書に大きな疑問符が付く。

     主審:福地勇治,副審:ノパラット・スリチャロン(タイ)&キム・ジェボン(韓国)&ビニー・マーチン
     ○内山:12戦12勝(9KO)     ●トーン:29戦21勝(14KO)7敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:鈴木健

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                       2009年5月2日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フライ級王座決定12回戦
                  WBA世界S・フライ級5位       東洋太平洋S・フライ級1位
                ○   河野公平     判 定   ダニエル・フェレーラス   ●
                        (ワタナベ) 115 lbs              (比国) 114 1/2 lbs
                         WBC12位                比国S・フライ級チャンピオン

 初回,左右フックで攻勢に出る河野。ベタ足のフェレーラスは執拗な左右アッパーのボディブローで応戦。フェレーラスの左ストレートがヒットする。
 2回,左アッパーがボディに決まってフェレーラスは思わず尻餅をつく。ダメージはないものの明らかなノックダウンだったが,足が交錯したと見たのかプラヤドサブ主審はスリップダウンとした。しかし,これ以降は河野がワンツー,左右フックで押す展開になった。フェレーラスはボディブローで反撃を見せるが,手数が少ない。5回には河野のタイミングの良い右アッパーが決まる。
 6回はフェレーラスが執拗なボディブローで食い下がる。やや動きが鈍った河野はボディ攻撃を嫌ってクリンチに出た。
 8回,右ストレートからの連打でフェレーラスをコーナーに詰める河野。しかし,ここは自らのスリップダウンで攻撃が途切れてしまう。フェレーラスも応戦して打ち合いになるが,河野は右アッパーでチャンスを掴み,右ストレートからの連打でコーナーに詰めた。
 終盤は河野も打ち疲れが出て手数が思うように出ず,フィニッシュを逸した。

 河野が以前保持していた王座への返り咲きを果たした。手数で上回ったことが勝因であるが,攻撃のつながりの悪さが目立つ。バタバタと攻めるだけでせっかくの連打もウェイトが乗っておらず,手打ち気味になっていることが気になった。
 フェレーラスは20歳という若い右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,接近してボディに放つ執拗な左右アッパーを武器としている。タフでスタミナもある。

採点結果 河野 フェレーラス
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:テオドロ・アリビオ(比国) 116 112
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 115 113
副審:浦谷信彰 116 112
参考:MAOMIE 116 112


     ○河野:27戦23勝(8KO)4敗
     ●フェレーラス:12戦8勝(3KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:高橋雄一

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                       2009年5月2日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級14位)
               ○   大久保雅史   7回2分36秒   ユーチ・キャリーボーイ   ●
                        (青木) 112 lbs                      (タイ) 112 lbs

 序盤からシッカリとガードを上げてプレッシャーをかける大久保。2回には大久保の右ストレートがヒットする。
 長身からの右ストレートで大久保を脅かしていたユーチだが,4回に大久保がボディにパンチを集めれば,これを嫌ってクリンチ,ホールドに出る。
 6回,大久保のボディ攻撃に上体が丸くなるユーチ。大久保は右ストレートを再三ヒットして追い込む。上にも下にもパンチが当たり始めた大久保は完全に主導権を握った。
 7回中盤,左フック,右ストレートでユーチをロープ際に追う大久保。さらに左右アッパーのボディブローで攻め立てる。右ストレートを受けたユーチがロープに詰まったところで,マーチン主審が試合をストップした。

 大久保が初めてのTKOで3度目の防衛を飾った。ユーチの右強打を警戒して慎重な立ち上がりだったが,左右アッパーのボディ攻撃で動きを止めたことが勝因。上下にパンチを散らした点も良かった。王者になってから自信を深めたことが大きいようで,確実に進歩している。もう少し強引さがあっても良かったが,まずまずの内容だろう。ややスピード不足が目立つので,これが今後の課題になりそう。
 ユーチは長身の右ボクサータイプ。リーチを生かした右ストレートに威力がある。ただし,打たれ脆いのが欠点。弱点のボディにパンチを集められて急速に動きが衰えた。

     主審:ビニー・マーチン,副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ)&キム・ジェボン(韓国)&土屋末広
     ○大久保:18戦15勝(5KO)2敗1分     ●ユーチ:31戦20勝(14KO)11敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:田中毅

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                       2009年5月2日(土)    後楽園ホール
                     WBC女子世界ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級15位)
                ○   富樫直美    判 定   OA・ゴーキャットジム   ●
                       (ワタナベ) 107 3/4 lbs             (タイ) 107 3/4 lbs

 富樫が序盤から左右フックの連打で積極的に出る。サウスポーのOAは左ストレートを伸ばして応戦。2回にはOAが出てくるところに右ストレートを合わせ,さらに青コーナーに詰めて左フックから右ストレートを浴びせた。
 しかし,中盤からは揉み合い状態の展開が続いた。5回,富樫の両腕を脇で抱え込んだOAはホールディングで減点された。富樫はOAをロープに押し込んで左右フックを連打。6回には富樫の右から左のフックがヒット。
 揉み合いでスタミナをロスしたためか,終盤の富樫は疲れが出て動きが鈍った。逆に余力を残すOAの反撃を許す。
 10回は富樫。左フックでぐらついたOAが棒立ちになる場面があった。

 富樫は2度目の防衛に成功。やりにくい相手だったが,攻めの姿勢に徹したことが勝因。攻撃の単調さが気になるところ。左右からの揺さぶりや上下にパンチを散らすなどの変化が欲しい。後半にスタミナ切れの様相を呈したことは大いなる反省点である。相手のペースに乗って揉み合いに付き合い,スタミナをロスしている。スタミナの養成は重要だが,ロスを少なくする工夫も必要だろう。
 OAは長身のサウスポーで左ストレートを得意としている。長いリーチを誇っており,懐の深さが武器になっている。

採点結果 富樫 OA
主審:テオドロ・アビリオ(比国)  *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 96 93
副審:キム・ジェボン(韓国) 96 94
副審:浦谷信彰 97 92
参考:MAOMIE 97 94


     ○富樫:5戦5勝(3KO)
     ●OA:10戦7勝(2KO)3敗

     放送:G+
     解説:原功
     実況:中野謙吾

※ 第5ラウンドのホールディングによるOAの減点1を含む採点。

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                        2009年5月2日(土)    後楽園ホール
                      WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級1位)
                ○   小関 桃     判 定     池山 直   ●
                       (青木) 101 1/2 lbs            (西日本協会) 101 1/2 lbs

 上体を揺すって前に出る池山。サウスポーの小関はうまく距離を保って左ストレートで応戦する。池山は初回に早くも鼻からの出血を見た。2回にはその鼻血により,池山がドクターチェックを受ける。
 果敢に攻める池山だが,正面に立ってパンチを受ける。5回,小関の左フックがカウンター気味に決まる。6回,小関の左ストレート。終了間際にも小関の左アッパーがボディを捉える。
 9・10回は小関も疲れが出たか,池山の手数が上回った。

 小関,大差の判定で2度目の防衛に成功。直線的に出る池山に対して左ストレートを上下に浴びせて終始リードした。池山を良く研究した痕跡が見られる。攻撃が単発であることが欠点だが,これは今後の課題になる。レベルアップのためには,コンビネーションブローを磨くことが必要である。
 池山は右ファイタータイプで右フック,ストレートを得意としている。打ち合いを好んでどんどん前に出るが,真正面に立って両足が揃ってしまう場面があまりにも多い。力が入り過ぎて,体の硬さも目立つ。闘志は買うが,技術的には発展途上である。

採点結果 小関 池山
主審:土屋末広 *** ***
副審:福地勇治 100 90
副審:テオドロ・アリビオ(比国) 99 91
副審:キム・ジェボン(韓国) 100 92
参考:MAOMIE 98 92


     ○小関:5戦5勝(2KO)
     ●池山:3戦2勝(1KO)1敗

     放送:G+
     解説:原功
     実況:藤田大介

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                      2009年5月13日(水)    後楽園ホール
                             10回戦
                WBA世界S・フライ級11位        WBA世界ミニマム級13位
              ○   亀田大毅      判 定    ブンブン東栄   ●
                     (亀田) 114 3/4 lbs                (一力) 113 3/4 lbs
                   WBC世界フライ級14位

 亀田が距離を詰め,サウスポーの東栄が下がりながら左ストレート,右アッパーを返す展開に終始した。2・3回,亀田は東栄をロープに詰め,頭を密着させてボディに左フック,アッパーを打ち込む。東栄も長いリーチから繰り出す左ストレート,左右アッパーで応戦。
 4回,亀田の左アッパーで大きくのけぞる東栄。亀田はボディへのパンチで東栄の動きを止めにかかる。
 中盤は亀田の手数が減って東栄のパンチを受ける場面が見られた。6回,東栄が左ストレートのボディブローから返した右アッパーでのけぞった亀田は鼻から出血。
 しかし,終盤は再び亀田がパワーで押した。8回にはロープに詰めて右ストレート,フックでぐらつかせて攻勢に出る。東栄も打ち返すが,パンチにウェイトが乗っていない。9・10回にも亀田の攻勢が目立った。

 亀田は一昨年の世界挑戦での惨敗から再起後,これで4連勝。パンチの打ち方が良くなって,バリエーションも増えており,確実に進歩はしている。力が入り過ぎている面はあるが,左フック一本槍だった従来と比べ,右ストレート,アッパーが加わって幅が生まれた。東栄はやりやすい相手ではなかったが,フルラウンドを戦ったことは今後のプラスになるだろう。ただし,ミニマム級相手ではなく,ナチュラルなスーパーフライ級との対戦が望まれる。そのときにパワーで押し切れるかが問われる。
 東栄は比国からの”輸入ボクサー”。サウスポーのボクサータイプで,長いリーチと懐の深さが持ち味。リーチを生かした左ストレート,死角から突き上げる右アッパーを武器としている。攻め込まれても防戦一方になることなく,必ず打ち返してくる。踏み込まれると上体が突っ立ち,パンチが手打ちになる欠点がある。

採点結果 亀田 東栄
主審:福地勇治 *** ***
副審:島川威 99 94
副審:山田一公 98 94
副審:浦谷信彰 98 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○亀田:15戦14勝(10KO)1敗
     ●東栄:16戦11勝(6KO)4敗1分

     放送:TBSチャンネル
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                         2009年5月19日(火)    後楽園ホール
                                  8回戦
                   日本S・ウェルター級7位   K      O   日本ミドル級5位
                ○   湯場忠志      1回2分38秒    中堀智永   ●
                     (都城レオスポーツ) 153 1/2 lbs                   (本多) 153 1/2 lbs

 開始早々から湯場が左強打を振ってプレッシャーをかける。中堀はこれを避けるように後退するが,湯場の左ストレートが伸びる。湯場はロープを背にクリンチに出た中堀が気を抜いた瞬間を見逃さなかった。クリンチの体勢から右グラブで軽く顔面を”タッチ”し,中堀の注意を逸らしておいてすかさずボデイに左アッパーを一閃。腹をまともに抉られた中堀はたまらずその場に崩れ落ち,うずくまったままカウントを聞く。立ち上がりかけたが,そのままカウントアウトされた。

 前人未到の4階級制覇を狙う湯場が見事なワンパンチKOで健在ぶりをアピールした。中堀の隙を突き,フェイントから放った左ボディアッパーは技ありの一撃。足も良く動いており,まだまだ期待できる。ただし,過去にも何度か苦汁を飲まされているように,ディフェンスと打たれ脆さに対する不安が消えたわけではない。復活に向けては不用意な一発に対する注意が求められる。
 中堀は右ボクサーファイターだが,ミドル級としてはやや小柄。一階級下げるためにかなりの減量を強いられたようだが,スーパーウェルター級辺りが適正なウェイトではなかろうか。それにしても,今夜は湯場の強打よりもキャリアに屈したと言った方が良い。あのクリンチの体勢でフェイントをから強打がボディに来るとは思ってもいなかっただろう。気を抜くことがいかに恐ろしいかを見せられた一戦である。

     主審:杉山利夫,副審:葛城明彦&吉田和敏&浅尾和信
     ○湯場:41戦34勝(25KO)5敗2分     ●中堀:22戦15勝(6KO)6敗1分
     放送:スカイA     解説:今岡武雄&本間暁     実況:河路直樹

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                      2009年5月19日(火)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本S・バンタム級2位       日本S・バンタム級1位
                ○   芹江匡晋    判 定    瀬藤幹人   ●
                      (伴流) 121 1/2 lbs              (協栄) 121 1/2 lbs
                   芹江匡晋=せりえ・まさあき

 アグレッシブな両者の対決は開始早々から激しい主導権争いになった。ともに左ジャブを突いて変則的に動きながら強打を見舞うチャンスを窺う。芹江は左右フックからボディに右フック。
 しかし,2回に入ると瀬藤の動きが激しくなった。左ジャブを多用し,右アッパーからすかさず右フックを浴びせる。この攻撃に芹江は後手に回った。3回,瀬藤は左アッパーのボディブローから右ストレートを決める。芹江も右ストレートのボディブローで反撃し,試合は激しいぶつかり合いが続いた。
 4回,左から入ろうとして芹江の体が流れたところに瀬藤が右フックを打ち下ろす。このパンチでバランスを崩す芹江。芹江も激しく押し返して瀬藤は鼻から出血を見た。
 5回,右アッパーからチャンスを掴んだ瀬藤は芹江を赤コーナーに詰めて攻勢に出る。
 中盤に主導権を握った瀬藤がそのまま押し切るかと思われたが,6回,芹江は右アッパーから連打を浴びせて瀬藤に迫る。さらに左フックがヒットした芹江は手数で押した。8回,瀬藤は激しく迫るが,後半は芹江が先手でパンチを浴びせた。

 日本ランク1位・2位の激突という近来にない顔合わせはジャッジ泣かせの接戦となった。中盤のリードで瀬藤が上回ったかと思われたが,終盤の手数が評価され芹江がわずかに競り勝った。
 芹江は手数が多く,非常にアグレッシブな攻撃を身上とする右ファイタータイプ。変則的に攻める試合運びは瀬藤と似たところがある。右ストレート,アッパーからまとめる連打を武器としている。押し合い,揉み合いに強い。一方でガードが開いて下がってしまうことが欠点。
 タイトル挑戦目前だった瀬藤は手痛い星を落とした。押し込んで自分の態勢を作ってからパンチをまとめようとしていたが,序盤に見せたように左ジャブを多用して距離を取りながら芹江の出バナを叩くべきだったろう。

採点結果 芹江 瀬藤
主審:福地勇治 *** ***
副審:飯田徹也 77 76
副審:葛城明彦 76 77
副審:杉山利夫 77 76
参考:MAOMIE 76 77


     ○芹江:17戦14勝(6KO)3敗
     ●瀬藤:37戦28勝(15KO)8敗1分

     放送:スカイA
     解説:今岡武雄&本間暁     ゲスト:木村章司
     実況:河路直樹

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                         2009年5月19日(火)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本フェザー級8位    K      O   日本フェザー級(ノーランク)
                ○   天笠 尚      7回1分33秒     永田浩司   ●
                     (HS山上) 125 1/2 lbs                      (WOZ) 125 3/4 lbs

 まず永田が積極的に前に出てテンポ良く攻撃を仕掛ける。やや様子見の天笠だが,後半に右ストレート,左右アッパーが回転した。
 2回,ロープを背にした天笠を右ストレートでぐらつかせて攻勢に出る永田。しかし,ここでも後半に上背で勝る天笠が右から返す左アッパー,フックで盛り返す。2分過ぎに飛び込みざまに放ったアッパー気味の小さな左フックがアゴに決まれば,永田は腰が落ちてダウン寸前のピンチ。天笠は一気に連打を浴びせて形勢を逆転した。
 3回にも天笠の左アッパーで永田の腰が落ちる。
 強打を恐れずに果敢に前に出る永田だが,動きが鈍るラウンドの後半にパンチをまとめられて苦しい展開が続いた。
 そして7回,天笠の強打が火を噴く。永田はダメージにもめげず前に出るが,天笠が小さく突き上げた左アッパーがガードを割ってアゴを捉える。ダメージの蓄積に耐えていたところに食った強打で,永田はたまらず膝から崩れ落ちる。うつ伏せに深々と沈んだまま,カウントの途中でタオルが投入された。永田のダメージは深刻で,担架で運び出された。

 ハードパンチャー天笠が見事なワンパンチKOを披露した。179cmというこのクラスでは破格の長身と長いリーチを誇る右ボクサータイプである。足を使って距離を取り,チャンスに一気に左右アッパー,右ストレートの連打をまとめる試合運びが特徴。一発でも連打でも倒せることが強味だろう。右ストレートから切り返す左アッパーを武器としている。ただし,ガードが下がり,ややアゴが上がるので危険もある。打ち合いを好む割には接近戦はそれほどうまくない。過去にはガードを固めて長いリーチを折り畳み,ファイタータイプ以上に接近戦を巧みに戦った長身のボクサータイプもいる。ぜひ過去の名選手から学んで接近戦を習得することが望ましい。そうすれば攻撃力がさらに増すだろう。
 永田は右ファイタータイプで左右フックの連打を得意としている。良く食い下がったが,各ラウンドの後半にパンチをまとめられてポイントの面でもアピールできなかった。最後はパンチ力の差が明暗を分けた。

     主審:吉田和敏,副審:浅尾和信&飯田徹也&福地勇治
     ○天笠:18戦13勝(11KO)3敗2分     ●永田:14戦7勝(0KO)4敗3分
     放送:スカイA     解説:今岡武雄&本間暁     実況:河路直樹

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                  2009年5月23日(土)    メキシコ:モンテレイ  アレナ・モンテレイ
                      WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T   K  O    挑戦者(同級2位)
                ○   西岡利晃    3回1分20秒   ジョニー・ゴンザレス   ●
                       (帝拳) 122 lbs                       (メキシコ) 122 lbs

 初回,大ブーイングを受けてコーナーを出た西岡がフェイントをかけながらジリジリと迫る。ゴンザレスは慎重な立ち上がりを見せるが,得意の左フックで脇腹を狙う。2分過ぎ,ゴンザレスの左フックをかわして息が抜けたところに右ストレートを追い打ちされ,西岡は腰から落ちてダウン。チャンスと見たゴンザレスは地元の大声援に押されるように嵩にかかって攻め立てる。
 気を良くしたゴンザレスは2回にも距離を詰めるが,西岡は落ち着いて左ストレートを上下に放ってチャンスを窺う。
 そして3回,西岡の”伝家の宝刀”が火を噴いた。ゴンザレスは右ストレートを多用してプレッシャーをかけるが,西岡は冷静に対処。フェイントの右ジャブからすかさず踏み込んで放った左ストレートをアゴに直撃されたゴンザレスは背中と後頭部をキャンバスに打ちつける痛烈なダウン。辛うじて立ち上がったものの,ダメージは明白で再開に応じられなかった。

 西岡は2度目の防衛に成功。敵地メキシコで強豪の呼び声高いゴンザレスを沈めての堂々たる逆転劇であり,その価値は非常に高い。日本ボクシング界としては渡辺二郎(大阪帝拳),オルズベック・ナザロフ(協栄),徳山昌守(金沢)に次ぐ4人目の”海外防衛”という快挙である。立ち上がりにダウンを喫するという展開になったが,慌てずに対処したことが逆転につながった。フィニッシュの左ストレートはスピードも踏み込みも抜群で,真っ直ぐ下がったところを直撃されたゴンザレスはよけ切れなかった。32歳を迎えてかつての圧倒的なスピードはやや衰えているが,それをカバーして余りある円熟味が感じられる。今後さらに海外での活躍に期待したい。
 ゴンザレスは長身で長いリーチに恵まれた右ボクサーファイターで,非常にパンチ力がある。初回にダウンを奪った右ストレートも良いが,外側から巻き込むように打つ左フックも大きな武器になっている。ただし,以前からディフェンス面の不安と打たれ脆さを指摘されており,今回もそれを露呈した感じがする。

     主審:ケニー・ベイレス(米国),副審:ゲイル・バン・ホイ(米国)&デビッド・サザーランド(米国)&ナサン・パルマー(米国)
     ○西岡:41戦34勝(21KO)4敗3分     ●ゴンザレス:47戦40勝(34KO)7敗
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

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                      2009年5月26日(火)    ディファ有明
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級10位)
                ○   内藤大助    判 定    熊 朝忠   ●
                        (宮田) 112 lbs                (中国) 112 lbs

 フェイントをかけながらチャンスを窺う内藤。飛び込んで左フックを見舞う熊だが,初回終盤には内藤の左からの打ち下ろしの右フックが決まる。
 2回,熊が飛び込むところに左フックのカウンターをヒットする内藤。熊は構わず突進するが,右アッパーが決まる。終了間際にも内藤の右フックがヒットした。
 しかし,3回に入ると小柄な熊がダイナミックな左右フックで内藤を脅かす。左フックで腰が落ちる内藤。10秒前の拍子木をゴングと勘違いした熊が背を向けてしまうハプニングがあった。ラフな熊のペースに巻き込まれた内藤はバッティングで4回に左目上,5回に右目上をカットして苦しい展開になった。
 6回中盤,熊の突進をかわそうと不用意に後退したところに右フックを受けた内藤は腰から落ち,不覚のダウンを喫した。
 8回中盤,熊の右フックで足に来た内藤がクリンチでピンチを切り抜ける場面があった。嵩にかかって攻め立てる熊に,後手に回った内藤のダメージは明白だった。内藤は前に出たいところだが,自ら後退して苦しい展開に追い込まれた。
 9回,下がりながら右フックをヒットする内藤。10回には熊がバッティングで右目上をカットし,波乱の展開が続く。
 11回,内藤は左アッパーのボディブローから右フックを浴びせる。しかし,終盤には熊が左右フックで内藤をロープに追い込む。疲労の色が見える内藤は動きが鈍い。
 12回,熊の突進も前半ほどの威力がない。内藤は熊の出バナに右フックをヒット。荒れた大味の試合のまま,終了ゴングを聞いた。

 当初は上海・蘆湾体育館での開催が予定されていたが,5日前の段階で興行が中国国家体育総局から認可されていないことが判明し,急遽ディファ有明に会場が変更されるという前代未聞のドタバタ劇があった。試合も騒動を反映したかのように大荒れの展開で,世界戦とは名ばかりのお粗末な内容となった。
 内藤は苦しんだ末に5度目の防衛に成功。突進する熊に対して真っ直ぐに下がってしまったことが苦戦の原因である。相手のラフなペースに合わせてしまい,大味な左右フックによる荒れた試合展開に巻き込まれた。下がるのではなく,体格差を生かして自ら前に出てプレッシャーをかけることが必要だった。
 熊は小柄な右ファイタータイプ。突進して体ごと振る左右フックを武器としており,タフでしつこい面もある。体にバネがあるため,短いリーチの割にパンチは伸びる。

採点結果 内藤
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 113 111
副審:キム・ジェボン(韓国) 114 111
副審:福地勇治 114 110
参考:MAOMIE 114 111


     ○内藤:40戦35勝(22KO)2敗3分
     ●熊:15戦12勝(8KO)2敗1分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也
     実況:土井敏之

※ 偶然のバッティングによる負傷が発生した場合,WBCルールでは負傷していない選手に減点1を課すことになっている。
  同ルールにより第4および第5ラウンドに熊,第10ラウンドに内藤がそれぞれ減点1を課せられている。


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                  2009年5月26日(火)    タイ ウタラディット:セントラル・スタジアム
                         WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン                挑戦者(同級12位)
           ○   デンカオセーン・クラティンデンジム    判 定    久高寛之   ●
                           (タイ)                           (仲里・ATSUMI)

 開始早々いきなり右フックを振って迫るデンカオセーン。左ストレートをボディに伸ばし,前に出て右ストレート,左フックでさらにボディを攻める。2回にもデンカオセーンが久高をロープに押し込み,左右フック,左アッパーでボディを叩く。久高も右ストレートのカウンターを見せるが,タイミングは合っているものの芯は外している。
 3回は久高。踏み込んで右ストレートを見舞えば,デンカオセーンのアゴが上がる。やや出足が止まったデンカオセーンに対し,久高は終盤に鋭い左ジャブを突きながら自ら前に出る。
 4回,後手に回っては不利と見たデンカオセーンが再び強引な攻撃に出る。久高を押し込んで左右フックのボディ攻撃から打ち下ろしの右ストレートを浴びせる。
 久高が見せ場を作ったのは5回中盤。デンカオセーンが左でボディを突こうとしたところに返した右ストレート。このカウンターがテンプルに決まり,デンカオセーンは思わず左グラブをキャンバスに付いてしまう。明らかなノックダウンだったが,判定はスリップ。苦笑いしながら立ち上がったデンカオセーンが強引な反撃を見せた。
 中盤からはデンカオセーンの強引な攻撃が目立った。久高は手数が少なく,見栄えが悪い。8回,久高の背後に回ってパンチを振ったデンカオセーンは減点1。9・10回も攻撃を仕掛けるのはデンカオセーン。前に出てはいるものの手が出ない久高に対し,デンカオセーンは要所で強引な攻撃を見せてポイントをモノにした。
 久高は終盤にようやく積極的な攻撃を仕掛けた。11回,右ストレートのカウンターの応酬が見られる。さらに久高が放った右ストレートが効き,デンカオセーンの動きが鈍る。12回も久高が前に出る展開。失速気味のデンカオセーンはクリンチに出て,辛うじて終了ゴングを聞いた。

 敵地での王座奪取を狙った久高だが,カウンター狙いの試合運びが消極的と取られ,勝てる試合を落とした。せっかく鋭い左ジャブ,右ストレートのカウンターを持ちながら,待ちのボクシングに終始した。左ジャブを突きながら前に出て,自ら流れを作ることが必要だった。11・12回に見せた積極的な攻撃を前半から見せていればと悔やまれる。
 デンカオセーンは初防衛に成功。右フックの強打あるいは左右フックのボディブローなどで攻勢を維持したことが勝因。ただし以前から指摘されているように,後半にスピードが落ちて動きが鈍る傾向が見られた。終盤は久高の反撃を何とかクリンチで凌ごうとする場面が目立った。

採点結果 デンカオセーン 久高
主審:不明 *** ***
副審:シルベストレ・アバインザ(比国) 114 115
副審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) 115 112
副審:ユン・クァン・タク(韓国) 116 112
参考:MAOMIE 115 113


     ○デンカオセーン:49戦47勝(20KO)1敗1分
     ●久高:26戦17勝(6KO)8敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史
     実況:高柳謙一     アシスタント:中島そよか

※ 第8ラウンドの背後からの攻撃によるデンカオセーンの減点1を含む採点。

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