熱戦譜〜2009年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.02.07 10回戦  河野公平  TKO6R  ヘンドリック・バランガイ
2009.02.07 8回戦  殿村雅史  KO4R  金城智哉
2009.02.08 10回戦  池原信遂  判定  ガオナー・クロンパジョン
2009.02.08 8回戦  水本昌寛  TKO2R  福森智史
2009.02.08 10回戦  ラタナポン・ソーウォラピン  TKO1R  小松則幸
2009.02.08 8回戦  本田秀伸  判定  太田垣雅之
2009.02.09  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 中川大資  判定  沼田康司
2009.02.21  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 松田直樹  引き分け  梅津宏治
2009.02.21 10回戦  下田昭文  3R負傷引き分け  ホセ・アルボレダ
10 2009.02.21 8回戦  川村貢治  判定  ペットバンプラン・サクチャートリー
11 2009.02.21 6回戦  岩佐亮佑  TKO1R  花木章年

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                          2009年2月7日(土)    後楽園ホール
                                 10回戦
                  WBA世界S・フライ級6位   T   K   O   東洋太平洋S・フライ級13位
                ○   河野公平      6回2分28秒    ヘンドリック・バランガイ   ●
                        (ワタナベ) 117 lbs                        (インドネシア) 115 3/4 lbs
                       WBC13位

 初回から積極的に攻める河野。終盤,攻勢に出てロープに詰め,右アッパーを決めてダウンを奪う。
 2回,低いダッキングを繰り返したバランガイはヘディングで減点された。3回,弱気になったバランガイは半ば自分から膝をついてスリップダウンを繰り返した。
 4回,河野の左右フックに抱きついてピンチを脱しようとするバランガイ。そのたびに膝をついて中断し,一向に盛り上がらない試合となった。抱きつこうとして膝をつく寸前に河野の右フックがボディに入ったと見た安部主審はダウンを宣告してカウントを取った。バランガイはホールディングで再び減点される。
 5回,河野も正確さに欠けて決定打を打ち込めない。ますます弱気になったバランガイは河野の攻勢に自ら膝をついてしまい,この試合実に3度目のダウンを取られた。
 ダラけた試合にようやくピリオドが打たれたのは6回。河野は左右アッパーでボディを攻撃する。戦意を見せないバランガイに,ストップするタイミングを窺う安部主審。ロープ際で河野のワンツーがヒットしたところで,ついに安部主審が割って入った。

 全く締りのない凡戦。河野は昨年9月の世界挑戦失敗からの再起戦となったが,パンチに切れも正確さもなく,精彩を欠く試合内容。倒そうとする意識が強かったためか,攻撃のつながりの悪さだけが目立ち,見ている側にフラストレーションだけを残す結果となった。バランガイのクリンチ,ホールドに手を焼いていたが,振りほどいて打つくらいの強引さが欲しい。再び世界挑戦を目指しているようだが,今夜の内容では到底無理である。路線変更を求められだろう。
 バランガイは右ボクサーファイターだが,覇気が全く感じられなかった。再三膝をついて試合を中断させるなど,不甲斐なさばかりが目立った。

5回までの採点 河野 バランガイ
主審:安部和夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 50 40
副審:土屋末広 50 41
副審:島川威 50 40
参考:MAOMIE 50 40


     ○河野:26戦22勝(8KO)4敗
     ●バランガイ:23戦13勝(4KO)7敗3分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:寺島淳司

※ 第4ラウンドのヘディングおよび第2ラウンドのホールディングによるバランガイの各減点1を含む。

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                       2009年2月7日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                 日本フライ級(ノーランク)   K   O    日本フライ級7位
               ○   殿村雅史      4回40秒    金城智哉   ●
                     (角海老宝石) 112 lbs                  (ワタナベ) 111 3/4 lbs

 初回,サウスポーの殿村が積極的な攻撃に出て,左ストレート,右フックで攻め込む。殿村の右フックが決まるが,金城は落ち着いて左右フックのボディ攻撃から右ストレートにつなげる。
 3回,両者の手数が増えた。殿村は右フックのボディブロー,金城は右ストレート,アッパーからボディへの左右アッパーで応戦。
 4回,赤コーナー付近で金城が右ストレートから左フックを振ろうとした瞬間,殿村の右フックがまともにアゴを捉える。痛烈な一発を浴びた金城はドッとキャンバスに崩れ落ち,仰向けにダウン。そのままカウントアウトされた。

 ノーランカーの殿村がワンパンチKOでうれしいランク入りを濃厚にした。サウスポーのファイタータイプで,左右フックを得意としている。スピードはないが,打ち合いを挑んで粘り強く前に出るのが得意の攻撃パターン。金城のコンビネーションブローに出足を止められる場面はあったが,上体の振りと戻しを生かした攻撃を磨くことが大事である。
 金城は右ボクサーファイターで,右ストレート,左右アッパーを得意としている。しかし,ガードが下がったところに不用意な一発を浴びてしまった。昨年8月に暫定日本フライ級王座決定戦で惜敗して再挑戦を目指していただけに,痛恨のKO負けとなった。

     主審:吉田和敏,副審:浦谷信彰&安部和夫&土屋末広
     ○殿村:16戦11勝(5KO)5敗     ●金城:20戦16勝(7KO)3敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:高橋雄一

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                      2009年2月8日(日)    松下IMPホール
                               10回戦
                   日本バンタム級2位          タイ国バンタム級チャンピオン
                ○   池原信遂     判 定    ガオナー・クロンパジョン   ●
                       (大阪帝拳) 122 lbs                (タイ) 121 3/4 lbs

 池原が開始早々から左右アッパーのボディ攻撃に出る。ガオナーはノラリクラリと下がりながら様子見。
 2回,接近戦でボディブローの応酬となる。池原は右ストレート,左アッパ−をヒット。ガオナーも右ストレート,左フックを決める。池原は左目上をカットして出血を見る(ガオナーの有効打による傷)。3回,池原は積極的に攻めるが,ガオナーの左フックを食う。
 4回,池原は中盤から左フック,ワンツーで攻勢に出てロープに詰めるが,ガオナーも要所にパンチを返して老獪なところを見せた。
 6・7・8回,池原は終盤に連打で攻勢に出るが,パンチに正確さを欠いた。
 10回,池原は最後まで左右のボディブローで上回った。タフなガオナーもさすがに疲れを見せた。

 世界挑戦失敗三谷将之(高砂=引退)とのサバイバルマッチと続いた2連敗からの再起戦を大差の判定で飾った池原。終始手数で上回ったが,パンチの正確さに欠けた。足の動きが鈍く,出入りが少なかったことが気になる。そのため,距離の取り方が中途半端になり,上体だけが前に行って不用意なパンチをもらう場面が目立った。左ジャブ,ストレートを多用して足の動きを取り入れた攻撃が必要である。
 ガオナーは小柄な右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,ノラリクラリとかわしながら機を見て要所に打ち返す老獪さがある。右ストレート,左フックだけでなく,接近戦で見せる意表を突くような右アッパーも要注意。

採点結果 池原 ガオナー
主審:宮崎久利 *** ***
副審:原田武夫 98 93
副審:半田隆基 99 93
副審:坂本相悟 98 94
参考:MAOMIE 98 92


     ○池原:31戦28勝(19KO)3敗
     ●ガオナー:45戦24勝(19KO)18敗3分

     放送:スカイA(よみうりテレビ)
     解説:六車卓也&辰吉丈一郎
     実況:尾山憲一

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                           2009年2月8日(日)    松下IMPホール
                                   8回戦
                 日本S・ウェルター級(ノーランク)   T   K  O    日本S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   水本昌寛       2回2分55秒      福森智史   ●
                       (井岡) 153 1/4 lbs                           (正拳) 153 1/2 lbs
                    2007年西日本ウェルター級新人王                  2006年西日本ミドル級新人王

 開始早々から激しいパンチの応酬が展開された。主導権を握ったのは水本。左ジャブを多用し,左フック,アッパー,ワンツーを上下に打ってどんどん前に出る。左フック,右ストレートで応戦する福森だが,水本の左ジャブで早くも顔面が紅潮した。
 2回,衝撃的な結末が見られた。左右アッパーのボディブローを交えて攻勢を強める水本。福森も右アッパーを打ち返してのけぞらせるが,水本は構わず攻勢を強める。勢いに乗って放った右アッパーがまともにアゴを捉え,福森は腰から落ちて仰向けにダウン。後頭部をしたたかキャンバスに打ちつける痛烈なダウンシーンに,坂本主審は躊躇せず即座に試合をストップした。

 新旧新人王の対決となったが,激しい打ち合いで見応え十分の試合が見られた。
 水本は右ボクサーファイター。左ジャブを多用して立ち上がりから主導権を握った。この左が良く出るのが最大の長所である。これを伸ばしたい。この左でリズムを掴み,左フック,アッパーからワンツーで積極的に攻めたことが勝因。フィニッシュの右アッパーも見事なパンチだった。
 福森も右ボクサーファイター。良く打ち返していたが,水本の左ジャブで出バナを叩かれ,積極的な攻撃で後手に回ったことが敗因。

     主審:坂本相悟,副審:川上淳&半田隆基&宮崎久利
     ○水本:13戦10勝(4KO)1敗2分     ●福森:14戦8勝(5KO)4敗2分
     放送:スカイA(よみうりテレビ)     解説:六車卓也&辰吉丈一郎     実況:清水健

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                            2009年2月9日(日)    松下IMPホール
                                    10回戦
                     タイ国フライ級(ノーランク)    T   K   O   日本フライ級1位
               ○   ラタナポン・ソーウォラピン   1回2分16秒    小松則幸   ●
                          (タイ) 113 3/4 lbs                       (グリーンツダ) 113 3/4 lbs

 開始早々からサウスポーのラタナポンが後退する小松の逃げ道を塞ぐようにグイグイとプレッシャーをかける。
 中盤,ニュートラルコーナーに追い込んで放った左ストレートからの右フック。この強烈なパンチにガクンと腰が落ちた小松はラタナポンにしがみついてピンチを脱した。死角に入ったためか坂本主審はダウンを取らなかったが,小松がキャンバスに右膝をついたようにも見え,微妙な場面だった。
 辛うじてコーナーから逃れた小松だが,不用意に後退したところに左ストレートを直撃され,吹っ飛ぶようにダウン(カウント8)。立ち上がったが,嵩にかかった攻勢にロープを背にする。左フックでぐらついたところに左ストレートを打ち込まれて小松がロープに腰を落としたところで,坂本主審が試合をストップした。

 小松,3分もたずに完敗。スピード不足とパンチに対する反応の鈍さが目立った。体が動かず,正面に立って強打の標的となってしまった。
 ラタナポンは34歳のベテラン。サウスポーのファイタータイプで,いかにも頑丈そうな体躯から放つ左ストレート,左右フックに一発がある。むやみに振り回すタイプではなく,当てる勘にも優れている。結果論だが,小松にとっては非常に危険な相手だったと言わざるを得ない。

     主審:坂本相悟,副審:半田隆基&原田武夫&宮崎久利
     ○ラタナポン:66戦58勝(47KO)7敗1分     ●小松:36戦24勝(10KO)6敗6分
     放送:スカイA     解説:浅沢英     実況:桑原学

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                   2009年2月9日(日)    松下IMPホール
                            8回戦
                 日本S・フライ級11位        日本S・フライ級(ノーランク)
              ○   本田秀伸     判 定   太田垣雅之   ●
                     (グリーンツダ) 115 lbs            (オール) 114 3/4 lbs

 上体を振りながら前に出て打ち合いを仕掛ける太田垣。本田は左に回り込みながらこれをかわして右アッパーからの左ストレートをヒット。
 冷静に動きを見極める本田に,太田垣はなかなか突破口を見出せない。本田は良く見てタイミングの良い左ストレートを決めてポイントを積み重ねる。
 5回,ようやく太田垣の右ストレートが決まる。しかし,左フックを空振りした太田垣が勢い余ってロープの間からリング下に転落するアクシデントがあった。
 6回,本田は左ストレートからすかさず左アッパーをボディに打つ。さらに前に出ようとするところを捉え,右のフェイントから左ストレートをヒット。このパンチで太田垣の腰が落ちる。
 7回,本田はホールディングで減点されたが,後半には左からの右フックで太田垣をぐらつかせる。終盤には自ら前に出て太田垣を後退させた。
 8回,太田垣は本田をロープに詰めて左右フックを連打するが,巧みなディフェンスに阻まれた。太田垣はバッティングで右目上をカット。本田は最後まで冷静な試合運びを崩さなかった。

 昨年4月にサーシャ・バクティン(協栄)にTKO負けして以来,10ヶ月ぶりのリングとなった本田が相変わらずの目と勘の良さを見せた。サークリングしながら右アッパー,左ストレートをタイミング良く巧打して終始試合をコントロールしていた。相手の出方に応じた巧みな位置取りはさすがである。
 太田垣は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを得意としている。本田のテクニックにかわされたが,果敢に攻めた健闘が光る。

採点結果 本田 太田垣
主審:半田隆基 *** ***
副審:川上淳 77 76
副審:野田昌宏 76 75
副審:宮崎久利 75 77
参考:MAOMIE 78 75


     ○本田:36戦30勝(14KO)6敗
     ●太田垣:14戦10勝(4KO)4敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:寺西裕一

※ 第7ラウンドのホールディングによる本田の減点1を含む採点。

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                     2009年2月9日(月)    後楽園ホール
                      日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級2位)           チャンピオン
                ○   中川大資     判 定    沼田康司   ●
                       (帝拳) 146 3/4 lbs             (トクホン真闘) 145 3/4 lbs

 対照的なタイプの両者の間で初回から激しい主導権争いが展開された。中川はサークリングしながら沼田の強打を避け,左ジャブ,ワンツーでポイントをゲットし,3回までは自分のペースで試合の流れを作った。
 4回,なかなか突破口を見出せなかった沼田がようやく破壊力のある左右フックで流れを掴みかける。右アッパーでぐらつく中川。沼田は中川のうるさい左ジャブを殺しながらプレッシャーをかけ,左右アッパーのボディブローで足を止めにかかる。終了間際青コーナーに詰まって左フックでぐらつく中川。
 5回にも沼田がロープに詰めて右アッパーで中川をぐらつかせた。中川の手数も良く出ているが,沼田は左右アッパーでボディを叩く。終了間際には沼田の左フックがヒットした。
 しかし,6回以降は中川がリズムを取り戻し,再び主導権を握った。サークリングしながら距離を保ち,長いリーチをフルに活かした左ジャブ,ワンツーを多用して沼田の強打を封じた。9回,波に乗る中川は沼田の出バナに右アッパーをヒット。左目上をカットして腫れもひどくなった沼田は珍しく後退。逆に中川が前に出て右ストレートを浴びせた。
 10回,中川のアウトボクシングが冴える。左ジャブからワンツー,左フック,右アッパーという多彩なパンチで着実にポイントをゲットした。

 不利の予想を覆した31歳の中川が悲願のタイトル獲得。183cmという長身と長いリーチを誇る右ボクサータイプである。スピードはないが,サークリングしながら常に自分の距離を保ったことが勝因。力をセーブした左ジャブ,ワンツーをコンスタントに打って沼田の出足を封じた。強いパンチがヒットしても深追いせず,距離を維持した冷静な試合運びが光る。
 沼田は2度目の防衛に失敗。左右フックに破壊力がある右ファイタ−タイプである。非常にしぶとく勝負強いことが長所だが,今夜は中川に距離を取られて攻め倦んでいるところを小刻みに打たれてポイントを奪われた。4・5回に右アッパーの強打を突破口として一度は流れを引き寄せたが,6回以降は再び中川のアウトボクシングに強打を封じられた。

採点結果 中川 沼田
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:杉山利夫 99 92
副審:山田一公 98 92
副審:熊崎広大 100 92
参考:MAOMIE 98 92


     ○中川:16戦13勝(9KO)2敗1分
     ●沼田:19戦15勝(10KO)3敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                     2009年2月21日(土)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ×   松田直樹   引き分け   梅津宏治   ×
                        (帝拳) 126 lbs               (ワタナベ) 126 lbs
                      WBC10位

 前に出て打ち合いたい梅津。これを迎え撃って得意の左フックをカウンターで決めたい松田。試合は激しい主導権争いになった。2回,やや距離を置く松田は打ち下ろしの右フック,カウンターの左フック,さらに右アッパーをヒットしてリードを奪う。松田は4回にバッティングで左目上をカットするが,右ストレート,ボディへの左アッパーを決める。
 5回,一歩も引かぬ激しい打ち合いが続くが,松田の右ストレート,アッパー,左フックが上回る。
 ここまでは松田のペースで進んだが,6回以降は梅津が元王者の意地を見せてホールを白熱させた。梅津は執拗に前に出て左右フックで松田に迫る。
 7回,右が流れたところに右ストレートを返された梅津は思わず尻餅をつく。明らかにノックダウンだったが,死角に入ったためか土屋主審の裁定はスリップダウン。
 終盤も気迫が充満した展開が続く。体ごと押し込むようにして執拗に左右フックを浴びせる梅津。松田はやや後手に回る。激しい打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 チャンピオンカーニバルに相応しい白熱の好ファイト。プロの叩き上げ同士の意地と執念がぶつかり合ったフルラウンドだった。
 辛くも初防衛に成功した松田。接近させるとうるさい梅津に対し,前半は左ジャブでやや距離を置いて得意のカウンターでリードしていた。しかし,後半は左ジャブを忘れ,梅津の接近を許してしまったことが苦戦の原因。距離を保っていれば,もう少し楽な展開になっていたはず。右ストレートから返す左フックにKOの威力を秘める右ボクサーファイターである。
 王座返り咲きに向けた梅津の執念,プロ根性は脱帽モノである。終盤の追い上げには鬼気迫るものを感じた。一歩及ばなかったが,体ごと押し込むような左右フックで最後まで苦しめた粘りは見事である。終盤の打激戦で持ち味を出したのは梅津の方だろう。

採点結果 松田 梅津
主審:土屋末広 *** ***
副審:杉山利夫 97 96
副審:ビニー・マーチン 96 96
副審:中村勝彦 95 96
参考:MAOMIE 95 96


     ×松田:42戦29勝(12KO)8敗4分1無効試合
     ×梅津:25戦15勝(6KO)8敗2分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:鈴木健

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                           2009年2月21日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                  WBA世界S・バンタム級9位   負傷引き分け   パナマ S・バンタム級(ノーランク)
                ×   下田昭文       3回1分08秒     ホセ・アルボレダ   ×
                        (帝拳) 123 lbs                             (パナマ) 122 3/4 lbs
                       WBC13位

 開始早々から勢い良く飛び出す下田。左ストレートからボディに左アッパーを狙う。アルボレダは小刻みに動きながらロングレンジからワンツーを伸ばす。
 2回,距離が詰まったところでアルボレダが伸ばした右ストレート。下田はこれをかわし切れず,尻餅をついてダウンを取られた。終了間際,下田はアルボレダの右をかわしざまに左ストレートを返して非凡な才能の片鱗を覗かせた。
 3回,ダウンの失点を挽回しようと攻勢に出る下田。しかし,踏み込んだ瞬間にバッティングで額をカットし,ドクターチェックのために中断。これは再開されたが,傷が深くなって再び中断。結局続行不能とされて試合がストップした。

 実力者同士の一戦でこれから面白くなるという矢先のアクシデントだった。残念な結末である。
 下田は意欲的に攻めたが,懐が深いアルボレダに手を焼いた。ボディへのパンチで動きを止められれば後半にチャンスもあっただろう。三浦数馬(ドリーム)に王座を明け渡した直後の再起戦として選ぶにはアルボレダは非常に厳しい相手である。しかし,こういう厳しいマッチメイクは間違いなく下田を成長させるはず。自他ともに認めるボクシングセンスが大輪の花を咲かせる日を待ちたい。
 アルボレダは長身で長いリーチに恵まれた右ボクサータイプ。小刻みにステップを踏むようなフットワークから放つワンツーを伸ばす。非常に柔軟で懐が深く,やりにくい相手である。パンチ力はないが,ロングレンジから放つ右ストレートは良く伸びる。

     主審:安部和夫,副審:杉山利夫&熊崎広大&土屋末広
     ×下田:21戦18勝(8KO)2敗1分     ×アルボレダ:29戦23勝(9KO)4敗2分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:中野謙吾

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                  2009年2月21日(土)    後楽園ホール
                          8回戦
               日本S・フェザー級3位          タイ国S・バンタム級(ノーランク)
            ○   川村貢治     判 定   ペットバンプラン・サクチャートリー   ●
                 (ワタナベ) 133 1/2 lbs                  (タイ) 133 lbs

 ダイナミックな左右フック,左アッパーでボディを叩いてペットバンプランをロープに詰める川村。しかし,ペットバンプランも気が強いところを見せる。2回,気を抜いたところに右ストレートを打ち込まれた川村はグラリと腰を落とす。
 3・4回は川村が足を止めて思い切ったボディ攻撃で迫るが,ペットバンプランも左フックのカウンターを合わせてくる。
 5回,ペットバンプランの右アッパーでぐらついた川村は鼻から出血。相打ちの左フックを返された川村は再びぐらついた。6回にも左フックのカウンターで危ない場面を作る。
 7・8回は川村。接近戦で渾身の左アッパーをボディに連発してペットバンプランを追い込む。

 見事にビルドアップした体から放つダイナミックな攻撃が売り物の川村だが,今夜は力みが目立ち,大振りでミスブローも見られた。終始積極的に攻め込んでいたが,左フックのカウンターでぐらつくなど再三危ない場面を見せた。パンチ力の割にKO率が低い原因は攻撃が雑なためだろう。せっかく鋭い左ジャブ,ストレートを持っているのだから,それを多用して丁寧に組み立てることが大事。パンチに強弱がないことも気になる点。ランキングも3位まで上昇し,タイトル挑戦が視野に入る位置にいる。もうひとつの脱皮が求められる。
 ペットバンプランは右ボクサーファイターで,左フックのカウンターや右ストレート,アッパーを武器としている。動きはぎこちないが,相手のパンチに合わせて思いきり良く放つカウンターに恐さがある。一発当たると嵩にかかって攻め立てる攻撃も見せる。

採点結果 川村 ペットバンプラン
主審:ヒニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 77 75
副審:熊崎広大 79 74
副審:安部和夫 78 74
参考:MAOMIE 77 76


     ○川村:18戦16勝(5KO)1敗1分
     ●ペットバンプラン:13戦7勝(2KO)6敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                           2009年2月21日(土)    後楽園ホール
                                   6回戦
                   日本バンタム級(ノーランク)   T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   岩佐亮佑       1回2分11秒     花木章年   ●
                        (セレス) 118 lbs                           (大一スペースK) 117 3/4 lbs

 高校3冠のホープ岩佐(=習志野高)が開始早々からスピーディで切れのあるパンチで主導権を握った。低いガードから左ストレート,右フック,左アッパーで攻め立てる。早くも後手に回った花木の右アッパーを食う場面があったが,岩佐は構わず前に出る。右ジャブからつないだ矢のような左ショートストレートが決まり,花木は呆気なく腰から落ちてダウン。これは再開となったが,岩佐の詰めは鋭い。連打に晒された花木が防戦一方になったところで,杉山主審が割って入った。

 岩佐はプロ入り3連勝。サウスポーのボクサーファイターで,ワンツー,右フックを得意としている。低めのガードからモーションの小さなパンチが良く出る。スピード,切れともに申し分なく,何よりも積極的な攻めの姿勢が長所。当て勘の良さが目立ち,楽しみな逸材である。
 花木は長身で長いリーチに恵まれた右ボクサータイプで,右ストレート,アッパーを得意としている。距離を取らなければ勝機がなかったが,簡単に入り込ませてしまったことが敗因。

     主審:杉山利夫,副審:土屋末広&ビニー・マーチン&中村勝彦
     ○岩佐:3戦3勝(2KO)     ●花木:12戦5勝(3KO)6敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:中野謙吾

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