熱戦譜〜2009年1月の試合から


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試合日 試合 結果
2009.01.03  WBA世界ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 パウルス・モーゼス  判定  小堀佑介
2009.01.03  WBC世界スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 西岡利晃  TKO12R  ヘナロ・ガルシア
2009.01.03 10回戦  佐藤幸治  KO2R  マルティン・アビラ
2009.01.03 8回戦  翁長吾央  6R負傷判定  鄭 眞綺
2009.01.17  日本スーパーフェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 矢代義光  引き分け  三浦隆司
2009.01.17 8回戦  山中慎介  TKO7R  船井龍一
2009.01.17 8回戦  山中 力  TKO3R  益山智行
2009.01.24  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 細野 悟  KO4R  澤永真佐樹
2009.01.24 10回戦  リチャード・ガルシア  判定  黒田雅之
10 2009.01.24 8回戦  荒川仁人  TKO6R  鎧塚真也
11 2009.01.24 8回戦  岡田誠一  KO4R  谷口浩嗣

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                      2009年1月3日(土)    パシフィコ横浜
                      WBA世界ライト級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)           チャンピオン
               ○   パウルス・モーゼス    判 定   小堀佑介   ●
                       (ナミビア) 133 1/2 lbs            (角海老宝石) 134 1/2 lbs

 序盤からスピーディで迫力満点の左ジャブの刺し合いが展開された。初回は手数でリードされた小堀だが,2回にはモーゼスの左ジャブをグラブでさばいて前に出る。左フックでぐらつくモーゼスに左右フックの攻勢を仕掛ける小堀。右フックでモーゼスの上体が揺らぐ。終了間際には小堀のワンツーがヒットした。
 打ち合っては不利と見たモーゼスが3回からは距離を置くようになった。モーゼスは鋭い左ジャブからときおりワンツー,左右アッパーをまとめる。小堀は5回に右ストレートでニュートラルコーナーに詰まるが,左フック一発で形勢逆転。モーゼスにロープを背負わせた小堀が左右フックの連打を浴びせる。
 中盤以降もスリリングな試合展開が続く。6回,モーゼスは足を使って距離を取り,鋭い左ジャブで小堀の前進を阻む。小堀はモーゼスの右アッパーに左フックを合わせるが,7回終了間際にはモーゼスがワンツーから左フックを決めた。
 10回,モーゼスの足の動きが加速する。こうなると小堀はなかなか攻め口を見出せない。小堀は終了間際に左右フックの攻勢に出るが,モーゼスの懐の深さに阻まれた。
 11・12回にもモーゼスの足が冴え,鋭い左ジャブ,ワンツーでポイントを重ねる。最後まで攻撃の姿勢を貫いた小堀だが,決定打を打ち込めないままに終了ゴングを聞いた。

 小堀,無念の初防衛失敗。強豪の呼び声が高かったモーゼスに対して終始勇敢に攻撃を仕掛けていたが,巧みなアウトボクシングに封じられた。見た目は互角に近い好勝負だが,各ラウンドを厳密に振り分ければ,ポイント差が大きく開いたのは止むを得ない。前半からボディにパンチを集めてモーゼスの足を止められれば面白かったが,モーゼスのうまさが一枚上だった。それでもカウンターの左フックや大きな右クロスで何度かチャンスを作った。破壊力のある左右フックの連打が世界の檜舞台で十分に通用することを証明した。
 モーゼスは長いリーチに恵まれた長身の右ボクサータイプ。スリムな体型から速いフットワークに乗せた鋭い左ジャブを多用したアウトボクシングを得意としている。高速の左ジャブで突破口を開くと,ワンツー,左右アッパー,左フックなどの多彩なパンチが矢継ぎ早に出る。序盤は自ら前に出て打ち合う姿勢を見せたが,打ち合っては危険と見て中盤からはアウトボクシングに切り換えた。この辺のギヤチェンジが素早くできることも強味であある。

採点結果 モーゼス 小堀
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 115 113
副審:デレク・ミルハム(豪州) 119 109
副審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ) 115 113
参考:MAOMIE 117 111


     ○モーゼス:24戦24勝(17KO)
     ●小堀:27戦23勝(12KO)3敗1分

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&内藤大助
     実況:斉藤一也

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                        2009年1月3日(土)    パシフィコ横浜
                     WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン    T  K  O    挑戦者(同級7位)
                ○   西岡利晃   12回57秒    ヘナロ・ガルシア   ●
                       (帝拳) 121 1/2 lbs                  (メキシコ) 122 lbs

 予想されたことではあるが,ガルシアが開始早々からエンジン全開で前に出てきた。西岡はこれに動じず,右ジャブで牽制して左ストレートを狙い打ち。早くもバランスを崩してロープに突っ込むガルシア。3回には出バナに打ち込んだ西岡のワンツーでガルシアの体が流れた。
 4回開始早々,ロープ際に下がった西岡はガルシアが出てくるところに待ってましたとばかりに左アッパーを突き上げる。これを食ったガルシアは腰から落ちてダウン。立ち上がったガルシアはなりふり構わぬ猪突猛進を見せた。
 執拗に前に出るガルシアだが,5回にはワンツーを打ち込まれてぐらついた。7回にも左ストレートから返した右フックが決まってぐらつく場面を見せる。
 試合は一方的な展開となり,残る興味は西岡がタフなガルシアを倒せるかに移った。9回,西岡は頭を低くして突っ込むガルシアに対し,左アッパーを多用する。鼻血で顔を染めて苦しくなるガルシア。離れ際に放った左ストレートが決まり,ガルシアは腰から落ちてこの試合2度目のダウン。フィニッシュを狙って一気に襲いかかる西岡。
 10・11回,さすがのガルシアも前半ほどの勢いが見られない。西岡は左右アッパーのボディブロー,左ストレートでぐらつかせた。
 そして12回,なおも前に出るガルシアに左アッパーを狙い打ちしてチャンスを掴んだ西岡は一気に勝負に出る。左アッパーで大きくのけぞったガルシアが力なく棒立ちになったところでマクタビッシュ主審が試合をストップした。

 西岡が見事なTKOで初防衛を飾った。このクラスの日本人世界王者は4人目であるが,過去3人(ロイヤル小林,畑中誓詞,佐藤修)はすべて初防衛戦で陥落しており,西岡が史上初の初防衛に成功した日本人の世界スーパーバンタム級チャンピオンとなった。
 長谷川穂積も手を焼いたタフでしつこいガルシアに苦戦も予想されたが,常に足を止めずに回り込んで戦ったことが奏功した。無理に倒そうとせず,的確なカウンターで徐々にダメージを蓄積した冷静な試合運びが光った。頭から突っ込むことが多いガルシアに対して多用していた左アッパーが効果的。ワンツーから返す右フックも冴え,まずは会心の勝利だろう。ガルシアのペースダウンを察知して一気に試合を決めに出た勝負勘が光る。円熟味を増し,今後が楽しみになった。
 ガルシアは右ファイタータイプ。タフの権化のようなブルファイターで,これ以上厄介な相手はいない。左右フック,アッパーの連打を武器に,相手が音を上げるまで執拗な突進を繰り返す。華麗なボクシングとは無縁だが,タフネスとスタミナは超一流である。今夜も執拗に食い下がったが,西岡のカウンターでダメージを負い,終盤に捕まった。

11回までの採点 西岡 ガルシア
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:ジーン・デル・ビアンコ(比国) 110 98
副審:タウット・プラムサウラン(タイ) 109 98
副審:マキシモ・デ・ルカ(米国) 108 99
参考:MAOMIE 110 97


     ○西岡:40戦33勝(20KO)4敗3分
     ●ガルシア:45戦38勝(22KO)7敗

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&内藤大助
     実況:島田弘久

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                            2009年1月3日(土)    パシフィコ横浜
                                   10回戦
                 東洋太平洋ミドル級チャンピオン   K      O   メキシコ S・ウェルター級2位
                ○   佐藤幸治        2回2分18秒     マルティン・アビラ   ●
                       (帝拳) 161 1/2 lbs                          (メキシコ) 160 1/2 lbs
                    WBA14位,WBC8位

 初回,ゆったりした構えのアップライトスタイルから左ジャブ,ストレートを突く佐藤。アビラも左から右のストレートを伸ばす。
 2回,佐藤が豪腕であっさり試合を決めた。じりじり距離を詰め,左ジャブでアビラを追い詰める。アビラの右に合わせて右ストレートを打ち下ろした佐藤はさらに左アッパーをボディに打ち込む。前に出ようとしたとアビラのテンプルに右フックがヒット。この一撃でよろめいたアビラはワンテンポ遅れてロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がれず,そのままカウントアウトされた。

 佐藤がプロ入り以来14連勝を豪快なワンパンチKOで飾った。8連続KO勝ちという快進撃である。格下相手とはいえ,落ち着いた試合運びが光る。ゆったりと構え,ウェイトが乗った左ジャブから破壊力十分の右強打につなげるのが得意の攻撃パターン。接近すれば右アッパーがあるし,ボディに打ち込む左アッパーも重要な武器になっている。チャンスに見せる怒涛のラッシュも相手にとっては脅威だろう。試合度胸と勝負勘に優れていることも強味。まだ試されていない部分は多いが,世界的に層の厚いこのクラスでどこまで通用するか非常に楽しみである。

     主審:ビニー・マーチン,副審:不明
     ○佐藤:14戦14勝(13KO)     ●アビラ:13戦9勝(3KO)4敗
     放送:BSジャパン     解説:坂本博之     実況:赤平大

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                      2009年1月3日(土)    パシフィコ横浜
                             8回戦
                  日本フライ級4位    負傷判定    韓国フライ級1位
              ○   翁長吾央    6回53秒    鄭 眞綺   ●
                     (大橋) 112 lbs                   (韓国) 112 lbs

 鄭が開始ゴングと同時に奇襲に出るが,翁長は冷静そのもの。左ストレートで早くもぐらつかせ,左ストレートのボディブローから右フックを決めた。
 2回にもベタ足でガードを固めながら前に出る鄭に合わせ,翁長の左ストレートがカウンターでヒット。さらに左アッパーから右フックというコンビネーションをボディに運ぶ。
 3回,翁長はバッティングで左前頭部をカット。5回には頭から突っ込んだ鄭がヘディングで減点1を課せられた。翁長は有効打こそ許さないものの,鄭の突進を持て余す場面も見られた。
 6回にも執拗に頭から前に出る鄭。翁長の左前頭部の傷が深く,再びドクターチェック。結局続行不能とされて試合がストップした。

 フライ級期待の新鋭・翁長だが,不完全燃焼の負傷判定勝ちとなった。サウスポーのボクサーファイターで,左ストレートに抜群の切れがある。相手を呼び込んで放つカウンターの”当て勘”やタイミングの良さは天性のものだろう。左のカウンターだけに頼らず,右フックの返しやボディ攻撃も織り交ぜていけば,いずれはタイトル奪取も夢ではない。
 鄭は右ファイタータイプ。ベタ足でどんどん前に出て,左右フックを振る。頭から突っ込むことが多いので,相手にとってはやりにくい。

6回までの採点 翁長
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 59 56
副審:熊崎広大 59 56
副審:安部和夫 60 54
参考:MAOMIE 59 55


     ○翁長:13戦13勝(9KO)
     ●鄭:12戦6勝6敗

     放送:BSジャパン
     解説:川島勝重&内藤大助
     実況:中川聡

※ 第5ラウンドのヘディングによる鄭の減点1を含む採点。
※ 翁長が偶然のバッティングで負った傷によって6回途中に試合続行不能となったため,当該の6回を含む採点で勝敗を決する。

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                       2009年1月17日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級1位)
                ×   矢代義光    引き分け    三浦隆司   ×
                        (帝拳) 129 3/4 lbs                (横浜光) 130 lbs
                    WBA13位,WBC14位

 サウスポーのハードパンチャー同士の対決は,開始早々から緊迫感が充満する展開となった、矢代の右ジャブ,左ストレートに対し,三浦も下から突き上げるような右ジャブからの左右フックで応戦する。
 最初の波乱が起きたのは5回後半。三浦の右フックが決まり,両者の体がもつれる。ここで三浦が再び右フックを放つと,バランスを崩した矢代はニュートラルコーナーから反対側のロープ際まで大きく吹っ飛んでキャンバスに落下した。グラブの内側で巻き込んだものだが,浦谷主審はノックダウンとしてカウントを取った。
 6回,三浦は右ジャブからの左フックで矢代をぐらつかせ,ロープからコーナーに追い込んで攻勢を仕掛ける。
 7回,再び波乱が起きた。低い姿勢から踏み込んで右ジャブを多用する三浦。中盤,この右ジャブからの左フックがボディに突き刺さり,苦悶の表情を浮かべた矢代はロープ際で仰向けにダウンを喫した。
 2度のダウンで大きなビハインドを背負った矢代は10回にようやく針で突き刺すような右ジャブを多用する。矢代がサークリングしながら右ジャブを連発すると,三浦の左右フックは届かなくなった。

 今年のチャンピオンカーニバルの幕開けを飾るに相応しく,終始目が離せないスリリングな試合。1−0のドローとなったが,これは三浦には気の毒な採点だろう。
 矢代は分の悪いドローで,辛くも2度目の防衛に成功。右ジャブが出ず,前半から三浦の距離を作らせてしまったことが苦戦の原因。終盤にようやく右ジャブを多用して主導権を握ったが,いかにも遅過ぎた。世界を狙える逸材だけに,今夜の苦戦は貴重な経験になるはず。
 三浦は実に良く矢代を研究していた。クラウチングスタイルから踏み込んでウェイトを乗せた右ジャブを多用して,自分の距離で試合を展開していた。特に7回にボディ打ちで矢代をダウンさせた場面では,この右ジャブが伏線になっていた。左ストレート一本槍だった6回戦時代とは別人のようで,右フックが出ており,これに右ジャブが加わって攻撃の幅が広くなった。以前から気になっていた膝の硬さも幾分解消した感じがする。ダウンを奪った直後や終盤の勝負所で手数が減ったことは反省点である。

採点結果 矢代 三浦
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:葛城明彦 94 96
副審:ウクリッド・サラサス 95 95
副審:杉山利夫 94 94
参考:MAOMIE 93 97


     ×矢代:23戦21勝(12KO)2分
     ×三浦:18戦15勝(13KO)1敗2分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:中野謙吾

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                         2009年1月17日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                  日本スーパーフライ級5位    T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○   山中慎介      7回2分54秒     船井龍一   ●
                        (帝拳) 118 lbs                          (ワタナベ) 118 lbs

 左の山中,右の船井の顔合わせ。山中は右ジャブで牽制し,得意の左ストレートを上下に放つ。2回,踏み込んで放った左ストレートがボディに決まり,バランスを崩す船井。
 3回は船井が自分から前に出てペースを掴みかける。しかし,4回,山中は右ストレートから飛び込んだ船井の体が伸びきった瞬間を見逃さなかった。ここですかさず返した左ストレートがアゴをかすめ,船井は膝から落ちてダウンを喫した。船井は右目上をカット(有効打による傷)。
 5回,船井も右ストレートをヒットするが,山中は船井の出方を冷静に見極め,左ストレートのカウンターでぐらつかせる。終盤にはワンツースリーのコンビネーションブローが回転した。
 そして7回,山中が鮮やかに試合を決めた。左ストレートから右フックを力まずにヒットする山中。揉み合いが多くなるが,船井の動きも鈍くなった。山中はホールディングで減点されたが,すでに勝敗の帰趨は決していた。終盤,左ストレートを連発し一気に攻勢に出る山中。打ち下ろしの左ストレートでロープに腰を落とした船井に連打を浴びせたところでタオルが投入された。

 ホープ山中が鮮やかなTKO勝ち。豊富なアマの戦歴(南京都高→専修大)を誇るサウスポーのボクサーファイターで,左ストレートのカウンターに一発で倒す威力がある。距離を取って右ジャブで牽制し,相手が出るとステップバックして絶妙のタイミングで左を合わせる。将来が楽しみな逸材である。パンチ力にKO率が追随しないのはチャンスに手数が減ることが原因。今夜も船井に押し込まれると揉み合いに付き合ってしまい,手数が減る場面が目立った。タイトルを狙う実力は十分に備えているので,力みを排してワンツースリーフォーというまとまった連打が欲しいところである。
 船井は右ファイタータイプ。右ストレートに威力があり,前に出て打ち合いに持ち込むのが得意の攻撃パターン。今夜は果敢に応戦したが,徐々にダメージを負って,動きが鈍ったところを打ち込まれた。

6回までの採点 山中 船井
主審:中村勝彦 *** ***
副審:島川威 60 54
副審:葛城明彦 59 54
副審:浦谷信彰 59 55
参考:MAOMIE 59 55


     ○山中:9戦7勝(3KO)2分
     ●船井:12戦8勝(5KO)4敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:田中毅

※ 山中は試合がストップされた7回にホールディングで減点1。

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                         2009年1月17日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本ライトフライ級1位    T   K   O   日本ライトフライ級(ノーランク)
                ○   山中 力      3回2分08秒     益山智行   ●
                       (帝拳) 108 lbs                           (新田) 108 lbs
                      山中力=やまなか・つとむ

 左の山中,右の益山の顔合わせ。いきなりバッティングが発生し,益山が苦悶の表情を浮かべて一時中断する。
 2回中盤,リング中央で左,右と振った山中の左ストレートが鮮やかに決まり,益山は尻もちをついてダウン。立ち上がった益山だが,スピードの差は歴然で,正面からパンチを浴びる場面が目立った。
 決着がついたのは3回。山中は左ストレートから攻勢に出る。ロープを背負わせて連打を浴びせる山中。右フック,左ストレートで足に来た益山は必死にしがみついてピンチを逃れる。足を動かして何とかリズムを取り戻そうとするが,赤コーナー付近で山中が左ストレート,右フックの連打を浴びせたところでタオルが投入された。

 トップコンテンダーの山中が実力の差を見せつけ,タイトル挑戦に向けてアピールした。サウスポーのファイタータイプでタイミングの良い左ストレートが武器。右フックの返しもあり,連打も出る。派手さはないが,注目すべき存在である。連打の中にボディブローを入れると良いだろう。パンチのスピードに比べ,体のスピードが今一つという感じがある。鋭いステップによる出入りを取り入れてメリハリを持たせるべきだろう。
 益山は右ボクサーファイターで右ストレートを得意としている。足でリズムを取ろうとしていたが,実力の差はどうしようもなかった。

     主審:杉山利夫,副審:島川威&中村勝彦&ウクリッド・サラサス
     ○山中:18戦17勝(6KO)1敗     ●益山:17戦7勝(1KO)7敗3分
     放送:G+     解説:なし     実況:田中毅

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                       2009年1月24日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K   O    挑戦者(同級6位)
                ○   細野 悟    4回52秒    澤永真佐樹   ●
                        (大橋) 126 lbs                    (赤城) 126 lbs

 初回から積極的に先制攻撃に出た澤永が最高の立ち上がりを見せた。様子見の細野に対し,足を使いながら左ストレート,右フックを巧打する。後半,ロープを背にした細野が左ストレートを受けてぐらつく場面があった。
 2回にも左ストレートでロープに詰まる細野。後半にようやく手数が出るようになるが,動きながら放つ澤永のワンツー,右フックが上回った。
 3回,勝負所と見た両者が足を止め,打ち合いが展開された。細野は左ストレートでロープに詰まるが,逆に左右アッパーのボディ攻撃,右ストレートで澤永の動きが鈍った。終了間際に放った右ストレートのボディブローで澤永はロープにもたれて棒立ちのピンチ。
 4回,細野が左右アッパーをボディに集める。ガードが下がり,ロープに詰まる澤永。左ストレートで応戦するが,細野が右ストレートから返した渾身の左フックがアゴの先端を捉える。この一発で澤永は前のめりに落下し,うつ伏せに沈んだ。辛うじて立ち上がったものの,福地主審がそのままカウントアウト。

 対照的な両者の持ち味が出て,タイトル戦に相応しい好ファイトとなった。
 細野は豪快な逆転KOで初防衛に成功。澤永の先制攻撃を許したが,一発で倒そうという意識が強かったためか,手数が出ないところを巧打された。足の動きがなかったことも苦戦の原因である。動かれては分が悪いと見て,ボディブローに切り替えて流れを引き寄せたのはさすが。パワーは天下一品なので,突破口になる左ジャブと足の動きを忘れないことである。
 澤永はサウスポーのボクサーファイター。フットワークに乗せたワンツー,右フックを武器としている。細野の調子が出ない序盤に叩こうと,良く動いて細野の攻撃を封じながら先手先手で攻めた。この攻撃は効果的だった。しかし,ボディを打たれて急速に動きが鈍ったことが惜しまれる。細野のパワーに屈したが,恐れず果敢に攻めた姿勢が光る。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&浦谷信彰&島川威
     ○細野:14戦14勝(11KO)     ●澤永:35戦22勝(9KO)9敗4分
     放送:G+     解説:ファイティング原田&浜田剛史     実況:高橋雄一

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                        2009年1月24日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                     比国L・フライ級5位         日本L・フライ級6位
                ○   リチャード・ガルシア   判 定   黒田雅之   ●
                          (比国) 107 3/4 lbs              (新田) 108 lbs

 序盤から黒田が積極的に攻めた。初回,左フックからの右ストレートでのけぞったガルシアは早くもロープに詰まる。
 4回,黒田は肩越しの右ストレートをアゴに決める。なおもロープに詰めて左右フックの攻勢に出るが,終了間際には黒田の右アッパーがローブローとなり,一時中断する場面があった。
 5回,黒田の左フックがカウンターになり,ガルシアは腰を落としてぐらつく。ガルシアも後半に連打を見せた。
 前半はリードした黒田だが,打ち疲れが出たのか,徐々に手数が減る。6回,ガルシアが接近戦で左右アッパーのボディブローを連打して反撃を見せる。
 8・9回,ガルシアに軽快な動きが出る。左ジャブを突き,力を抜いたワンツー,左右フックをまとめてポイントを奪うガルシア。10回,黒田も応戦したが,結局ガルシアが中盤以降のポイントで逃げ切った。

 前半は思い切った攻撃でリードした黒田だが,後半はスタミナ切れしたのか手数が減ってガルシアの反撃を許した。スタミナ向上のためには,力に頼って無駄なエネルギーを消費しないようにすることも大事。上位進出を目指すためには,後半戦の戦い方が課題になるだろう。右ボクサーファイターで,左フック,右ストレートにはこのクラスとしては破格のパンチ力がある。
 ガルシアは右ボクサーファイターで,軽快なフットワークがある。力を抜いた左ジャブ,ワンツーからの連打を得意としている。前半はリードされたが,黒田のペースダウンを察知して,中盤からポイントを奪いに出た辺りは試合巧者である。

採点結果 ガルシア 黒田
主審:土屋末広 *** ***
副審:島川威 96 96
副審:中村勝彦 97 96
副審:浦谷信彰 96 95
参考:MAOMIE 97 96


     ○ガルシア:29戦20勝(5KO)9敗
     ●黒田:15戦12勝(9KO)3敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司

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                           2009年1月24日(土)    後楽園ホール
                                   8回戦
                  東洋太平洋ライト級2位    T   K   O    日本ライト級(ノーランク)
                ○   荒川仁人       6回2分25秒      鎧塚真也   ●
                     (八王子中屋) 134 3/4 lbs                         (協栄) 134 3/4 lbs
                  荒川仁人=あらかわ・にひと

 前に出て右ストレートを伸ばす鎧塚。荒川がこれを軽く動きながらかわし,上下に左ストレートを巧打する展開が続いた。
 何とか接近してパンチを振りたい鎧塚だが,荒川の左ストレート,ワンツーが冴える。4回,鎧塚は強引に出る気配を見せたが,正面に立ってノーモーションの左ストレートを再三浴びる場面が目立った。
 5回後半,荒川の左ストレートにひるんで後退する鎧塚。鼻から出血した鎧塚はますます窮地に立たされた。
 冷静なボクシングを貫く荒川が,6回に爆発力があるところを見せた。鼻血と左目下の腫れが酷くなる鎧塚。ドクターチェック後,左右フックの攻勢に膝をついたところでマーチン主審がダウンを取った。これは再開に応じたが,荒川が仕上げにかかる。大きな左フックを直撃された鎧塚は腰を落して後退。赤コーナーに釘付けになった鎧塚は左ストレートを打ち込まれて無防備状態に。これまでと見た協栄陣営からタオルが投入された。

 昨年9月のOPBF王座挑戦で強豪ランディ・スイコ(比国)とドローに持ち込む大善戦を演じた荒川が見事なTKO勝ち。タイトル再挑戦に向けたアピールには十分な試合内容である。サウスポーのボクサータイプで,左ストレートのカウンターを得意とするテクニシャンである。相手の出方に応じて巧みに間合いを調節し,ノーモーションから上下に絶妙なタイミングで左ストレートを決める心憎いほどの試合運び。今夜は外側から巻き込むような右フックを見せていたが,これも大きな武器になるだろう。インサイドからの右フック,アッパーやボディブローが加わればさらに幅が出るはず。深追いせず,常に冷静に状況を把握するクレバーさが強味になっている。安全運転だけでなく,6回に見せたように一気にまとめて試合を決める力も備えている。タイトルを狙える実力を十分に備えており,今年最も注目したい新鋭である。
 鎧塚は右ファイタータイプ。低い姿勢で強引に仕掛けて荒川のリズムを乱したいところだったが,動きを読まれて手も足も出ないままに敗れた。荒川のカウンターを警戒して上体が起きてしまい,正面に立ってパンチをもらう場面が目立った。

5回までの採点 荒川 鎧塚
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:中村勝彦 50 45
副審:福地勇治 50 45
副審:土屋末広 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○荒川:16戦14勝(10KO)1敗1分
     ●鎧塚:15戦11勝(5KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                          2009年1月24日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                   日本S・フェザー級7位    K      O   日本S・フェザー級(ノーランク)
                ○   岡田誠一      4回2分25秒      谷口浩嗣   ●
                       (大橋) 129 3/4 lbs                           (横浜光) 130 lbs

 クラウチングスタイルでガードを固めながら前に出る岡田。2回,小さな右アッパーから右ストレートを放つ。鋭い左ジャブで谷口は鼻から出血を見た。
 3回,谷口は下がりながらときおりまとめてパンチを出すが,岡田が左ジャブから右アッパー,ストレートでプレッシャーを強める。
 4回,谷口は回り込んで積極的に手を出し,右ストレートをヒットするが,岡田は動じない。接近戦で右アッパーがアゴに決まる。これでぐらついたところに右フックをフォローされ,谷口は膝から崩れ落ちてダウン。立ち上がったが,カウントの途中にタオルが投入された。

 アマで豊富なキャリアを誇る岡田(横浜高→東京農大)が危なげないTKO勝ちで無傷の8連勝を飾った。右ストレート,左右アッパーに威力を秘めるプロ向きの右ファイタータイプ。パンチ力が最大の強味である。相手の動きを冷静に見極める目を持っている。タイトルを狙える実力を十分に持っているが,攻め倦んで手数が少なくなることがある。鋭い左ジャブを持っているので,それを多用して,相手を休ませずにどんどんプレッシャーをかけることが大事である。
 谷口は右ボクサーファイターで足がある。左フック,右ストレートを得意としているが,脇が開いて威力が半減していることが惜しまれる。前に出てくる岡田に対して,回り込みながら良く手を出していたが,2回に鼻血を流してから苦しくなった。

     主審:浦谷信彰,副審:島川威&福地勇治&ビニー・マーチン
     ○岡田:8戦8勝(6KO)     ●谷口:15戦8勝(3KO)5敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:上重聡

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