熱戦譜〜2008年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2008.12.06  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 佐々木基樹  TKO7R  レブ・サンティリャン
2008.12.08  WBC女子世界暫定ライトフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 富樫直美  TKO10R  菊地奈々子
2008.12.08 10回戦  金田淳一朗  判定  久田恭裕
2008.12.08  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  判定  金 慧a
2008.12.17  日本スーパーフライ級
 王座決定10回戦
 中広大悟  判定  杉田純一郎
2008.12.17 8回戦  三垣龍次  判定  鈴木拓也
2008.12.17 8回戦  チャールズ・ベラミー  KO1R  古川明裕
2008.12.17 8回戦  長崎大之  5R負傷判定  真鍋圭太
2008.12.20  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  TKO4R  西尾彰人
10 2008.12.20  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 石井一太郎  判定  ランディ・スイコ
11 2008.12.20 8回戦  亀海喜寛  TKO6R  伊藤博文
12 2008.12.21 5回戦(バンタム級決勝)
第55回全日本新人王戦
 古橋大輔  判定  越智大輔
13 2008.12.21 5回戦(フェザー級決勝)
第55回全日本新人王戦
 斉藤 司  判定  渡邊 巧
14 2008.12.21 5回戦(スーパーフェザー級決勝)
第55回全日本新人王戦
 吉野典秀  判定  阿部隆臣
15 2008.12.23  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 内藤大助  TKO11R  山口真吾
16 2008.12.23  日本フライ級
 王座統一10回戦
 清水智信  判定  五十嵐俊幸
17 2008.12.23  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 鈴木哲也  判定  江口啓二
18 2008.12.27  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 野中悠樹  判定  音田隆夫
19 2008.12.28 8回戦  久田哲也  判定  戎岡淳一
20 2008.12.31  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 デンカオセーン・シンワンチャー  KO2R  坂田健史

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                        2008年12月6日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン    T   K   O    挑戦者(同級2位)
               ○   佐々木基樹   7回2分43秒    レブ・サンティリャン   ●
                        (協栄) 146 lbs                     (石神井スポーツ) 145 3/4 lbs
                    WBA15位,WBC15位

 ともに慎重な立ち上がりを見せたが,サンティリャンがジリジリと前に出て左ストレートのボディブローで佐々木を後退させる。佐々木も終盤に左フック,右ストレートで攻勢に出るが,この回はサンティリャンの重い左ストレートが上回った。
 しかし,2回からは佐々木がベテランらしい頭脳的な試合運びで試合の流れを引き寄せた。下がりながらサンティリャンの出方を慎重に窺い,右ストレート,左フックを巧打する。サンティリャンはカウンターを警戒して出足が鈍った。
 4回終盤には佐々木が左右フックの攻勢を仕掛けた。5回,打ち終わりを突いて左フックをヒットする佐々木。終盤には左右フック,さらに左アッパーからの右ストレートが回転した。
 6回,右ストレートのボディブローから左フックを返す佐々木。さらに左右フックの攻勢。終盤にも左フック,右ストレートの連打でサンティリャンを追い込む。
 そして7回,佐々木が一気に試合を決めた。このままでは勝機がないと見たサンティリャンが積極的に出てきた。得意の左ストレートからボディへの右フックで攻勢に出るサンティリャン。しかし,終盤に入って一瞬の隙を突くように佐々木が右ストレートからのラッシュに出てサンティリャンにロープを背負わせる。右ストレートからの左フックをボディに打ち込まれたサンティリャンは脆くも横倒しにダウン。立ち上がったが,佐々木の詰めは鋭い。サンティリャンは左右フックで腰から落ちて2度目のダウン。ここで浦谷主審が試合をストップした。

 佐々木が劇的なTKOでサンティリャンを返り討ちに仕留め,2度目の防衛に成功した。強打のサンティリャンはパンチの引きが遅いという弱点があるが,そこを突いて打ち終わりに右ストレート,左フックを巧打して冷静にチャンスの到来を待った。正面からの打ち合いを避け,相手の弱点をうまく利用した佐々木らしいボクシングである。7回にはサンティリャンが勝負を賭けてきたが,攻撃が一段落した一瞬の隙を突いた鮮やかな速攻で試合を決めた。並走するライバルの息遣いを窺いながら満を持してスパートする長距離ランナーに通じるクレバーな面を感じさせた。
 サンティリャンはサウスポーのファイタータイプでワンテンポ遅れて繰り出す左ストレート,アッパーに破壊力がある。しかし,今夜は佐々木に読み切られて打ち終わりを突かれ,まさに完敗。カウンターを警戒して慎重にならざるを得なかったことが響いた。被弾を覚悟でパワーで押し切る戦法に徹していれば違う展開になっていただろう。
 紙一重の試合運びの差が明暗を分けた見応え十分の熱戦である。

6回までの採点 佐々木 サンティリャン
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 59 55
副審:土屋末広 59 55
副審:安部和夫 59 55
参考:MAOMIE 59 55


     ○佐々木:39戦31勝(20KO)7敗1分
     ●サンティリャン:31戦25勝(18KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                        2008年12月8日(月)    後楽園ホール
                    WBC女子世界暫定ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
                   暫定チャンピオン     T  K  O   挑戦者(WBC女子世界ミニフライ級3位)
               ○   富樫直美    10回21秒      菊地奈々子   ●
                     (ワタナベ) 107 1/2 lbs                     (白井具志堅) 108 lbs

 激しい打撃戦に終始したが,初回にいきなり波乱があった。前傾姿勢でグイグイと攻め込む菊池。打ち合いの中で左フックをミスしたところに菊地の右ストレートのカウンターを打ち込まれた富樫は腰から落ちて痛恨のダウン。反撃に出るが,上体が突っ立って明らかに浮足立っている。富樫は右ストレートを受けて再びぐらつき,ピンチを迎えた。
 2回にもガードが下がったところに菊地の右ストレートが決まり,富樫の顔が天井を向く場面があった。さらに菊地の左フック,右ストレートがクリーンヒット。菊池にとってはこれ以上ない先制攻撃となった。
 しかし,富樫も黙ってはいない。3回,左右アッパーのボディブローから右ストレートを繰り出し,手数で菊地を追い上げる。菊池の右ストレートが危ないタイミングで決まる場面もあったが,手数で富樫が上回った。
 中盤以降はリズムを掴んだ富樫が押し気味に進める。ガードが下がったところにときおり菊地の右ストレートをもらうが,構わず唸り声をあげて手数で押し捲る富樫。
 8回,富樫はワンツー,ボディへの左右アッパーを多用して菊地を苦しめた。菊池も必死に応戦するが,手数と正確さで及ばない。左目上を腫らした菊池は9回に2度のドクターチェックを受ける。再開後に激しい打ち合いになるが,右アッパーで菊地がぐらついたところで浦谷主審がストップをかけようとして思い止まる場面があった。
 10回も打ち合いが続く。富樫の右ストレート,左右アッパーのボディブロー。ここで菊地の左目上の腫れにより,この試合3度目のドクターチェック。結局試合続行不能とされ,有効打による腫れのため,富樫のTKO勝ちとなった。

 男子顔負けの打撃戦で両者ともに全力を出し尽くした熱戦。
 初防衛に成功した富樫は右ストレート,左右アッパーの連打を得意とする右ボクサーファイタ−。やや腰高ではあるが,豊富な練習量に裏打ちされた旺盛な手数が持ち味である。ただし,ガードが下がることが欠点として目立つ。今後防衛を続けていくためにはぜひとも矯正すべき点である。出入りのフットワークを身につけると攻防に幅が出るだろう。
 菊地は右ファイタータイプで右フック,ストレートに威力がある。クラウチングスタイルでグイグイと攻め込む重厚な試合運びを身上としている。初回にダウンを奪うという願ってもない序盤の展開になったが,富樫の上下への打ち分けに徐々に主導権を譲ってしまった。直線的な攻撃の動線を読まれ,富樫のストレートあるいはアッパーカットに出足を止められたことが敗因。パワーはあるので,サイドからの動きを加えることができれば右の強打がさらに生きるはず。

 今年JBCに認可されたばかりの女子ボクシングは,今夜のような好ファイトの連続により間違いなく認知されていくはず。”認可されること”よりも”認知されること”の方が遥かに難しいが,長いスパンで選手や仕組みを育てる必要がある。今や完全に認知されて隆盛を極めている女子マラソン,女子レスリングの黎明期に学ぶことが必要だろう。

9回までの採点 富樫 菊地
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 86 84
副審:安部和夫 87 83
副審:シン・キュンハ(韓国) 84 86
参考:MAOMIE 87 83


     ○富樫:4戦4勝(3KO)
     ●菊地:3戦2勝(2KO)1敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                       2008年12月8日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                     日本ミニマム級5位           日本ミニマム級7位
                ○   金田淳一朗     判 定     久田恭裕   ●
                        (白井具志堅) 105 lbs               (横浜さくら) 105 lbs

 序盤からスピーディな試合展開になった。2回,中に入ろうとするところに金田の右フックのカウンターが決まり,久田がぐらつく。
 3・4回,久田は左右フックの思い切ったボディ連打で金田の動きを止めにかかるが,5回には再び金田が主導権を握った。金田は足を使って久田の攻撃を避け,右アッパー,左フックをヒット。金田の足に久田のパンチが空を切る場面が多くなった。
 7回,久田は右ストレート,左右フックで攻勢に出るが,逆に金田が左アッパー,右ストレートをヒット。金田が左右アッパーでボディを攻めれば,ロープを背負った久田は初めてクリンチに出た。
 終盤の久田はボディ攻撃が効いて動きが鈍り,目一杯の状態。一方の金田は余裕が見られ,9回には動きながら機を見て右ストレート,左フックをヒット。ラウンドの終盤には小気味の良い左右ショート連打を浴びせる。
 10回,打ち合いになるが,金田の回転力が上回る。終盤,久田はふらふらでロープを背にし,やっとの思いで終了ゴングを聞いた。

 軽量級らしい小気味良い好ファイト。金田は中盤から久田の攻撃を足で封じ,ボディ攻撃で徐々にスタミナを奪った。足を生かしてスピードに乗ったコンビネーションブローが光る。持ち味のスピードと連打を生かしたボクシングに徹することが大事。期待されながらも伸び悩んだ印象が強いが,来年はいよいよ正念場になるだろう。
 久田は右ファイタータイプ。前半は左右フックの思い切ったボディ連打で金田を追い込んだが,中盤以降は逆にそのボディブローで動きが鈍ってしまった。金田に足を使われると攻め手がなく,パンチが空を切る場面が目立った。

採点結果 金田 久田
主審:吉田和敏 *** ***
副審:館秀男 98 93
副審:中村勝彦 98 93
副審:福地勇治 97 94
参考:MAOMIE 98 92


     ○金田:22戦19勝(12KO)3敗
     ●久田:18戦8勝(4KO)8敗2分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:長坂哲夫

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                        2008年12月8日(月)    後楽園ホール
                      WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン       挑戦者(WBC女子世界L・フライ級12位)
               ○   小関 桃    判 定     金 慧a   ●
                       (青木) 102 lbs                (韓国) 101 1/2 lbs

 サウスポーの小関が右ジャブから左ストレートを伸ばして序盤から積極的に試合を進めた。バッティングを気にする金に対し,小関は2回に左ストレート2発でのけぞらせる。
 4回には手数が減ったところに金の右フックがアゴ,ボディに決まるが,それ以降は危なげない試合ぶりを見せた。5回には小関が再び手数で押し始める。6回,小刻みな動きから得意の左ストレートを再三ヒット。
 8回,表情にも動きにも余裕が見られる小関。金の右をスウェイバックでかわし,すぐに返した左ストレートで金をのけぞらせた。10回,金は逆転を狙って前に出るが,これを迎え撃つ小関は左ストレートから左右のショートフックを浴びせてそのまま逃げ切った。

 小関は初防衛に成功。8月に2回KO勝ちでタイトルを獲得したウィンユー・パラドーンジム(タイ)戦では,ダウンが有効打によるものかバッティングによるものかで揉めたが,今夜は明白な勝利となった。相手の動きを冷静に見て得意の左ストレート主体の攻撃パターンを守り通した。カウンター気味に放つ左ストレートが冴え,ほぼワンサイドに近い試合内容である。終盤には余裕さえ窺えた。サウスポーのボクサーファイター。ただし,右フックの返しが甘いことが気になる。得意の左ストレートに右の返しが加われば,攻撃力が倍増するだろう。
 金は右ファイタータイプで右ストレート,フックを武器としている。今夜は出バナを左ストレートで叩かれ,中に入れなかったことが敗因。相手の正面に立ち,やや甘いガードを割られる場面が目立った。

採点結果 小関
主審:アネック・ホントンカム(タイ) *** ***
副審:福地勇治 98 92
副審:フランツ・マルティ(スイス) 97 93
副審:シン・キュンハ(韓国) 99 92
参考:MAOMIE 99 91


     ○小関:4戦4勝(2KO)
     ●金:6戦2勝(2KO)3敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:西岡孝洋

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                      2008年12月17日(水)    後楽園ホール
                      日本スーパーフライ級王座決定10回戦
                 WBC世界S・フライ級8位         日本S・フライ級1位
               ○   中広大悟      判 定    杉田純一郎   ●
                     (広島三栄) 114 3/4 lbs                (ヨネクラ) 115 lbs

 序盤からハイテンポな攻防が展開された。初回終盤,中広の右ストレートがクリーンヒットして杉田の動きが一瞬止まる場面があった。
 2回以降も中広が積極的に攻めてややリード。アグレッシブに試合を進め,ポンポンと小気味良い左ジャブから左フック,右ストレートを放つ。杉田は足を使うが,中広の攻勢が目立つ。
 5回,杉田はバッティングで左目上をカットするが,終了間際には中広をロープに追い込んで攻勢を仕掛ける。
 6・7回は中広が手数で上回るが,8回以降はポイントで不利と見た杉田がアウトボクシングを捨てて攻撃に転じた。中広を体ごとロープに押し込み,左右アッパーのボディ攻撃に出る杉田。
 10回,ともに力を出し尽くした打ち合いが続く。相打ちの左フックで一瞬中広の腰が落ちる。激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 軽量級のタイトル戦に相応しいスピード感溢れる好ファイトとなった。
 世界挑戦失敗を含めて3度目の挑戦で初タイトル獲得を果たした中広は右ボクサーファイターで左フック,ワンツーを武器としている。スピーディで手数の多さが長所で,非常にアグレッシブな試合運びをする。終盤に杉田の反撃に見舞われたが,守勢に回ることなくポイントを守り切った。
 杉田は右ボクサーファイターで軽快なフットワークに乗せたワンツーを得意としている。終盤の追い上げは見事だったが,中広の積極的な攻撃に失った前半のポイントが響いた。

採点結果 中広 杉田
主審:中村勝彦 *** ***
副審:福地勇治 96 95
副審:浦谷信彰 97 94
副審:館秀男 96 97
参考:MAOMIE 96 95


     ○中広:21戦19勝(8KO)2敗
     ●杉田:16戦14勝(7KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:桑原学

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                     2008年12月17日(水)    後楽園ホール
                             8回戦
                   日本ライト級2位         日本ライト級(ノーランク)
               ○   三垣龍次    判 定    鈴木拓也  ●
                       (MT) 135 lbs               (ワールド日立) 134 3/4 lbs

 三垣が持ち味の鋭い左ジャブ,ワンツーで序盤から試合をコントロールした。2回には右ストレートからの左アッパーでボディを叩く。鈴木も果敢に立ち向かうが,三垣のシャープなワンツーが飛ぶ。
 4回,鈴木が左フックを突破口に猛然とラッシュに出る。鈴木の左から右のフックが決まる。右アッパーがアゴを捉えれば,三垣はぐらついてロープを背にした。なおも鈴木のラッシュが続き,再び右アッパーがヒットした。
 しかし,5回に入ると打ち疲れのためか鈴木の動きが鈍くなった。三垣の攻撃も雑になるが,後半にはようやく左ジャブを多用して立て直しにかかる。
 6回,三垣のワンツーで鈴木がのけぞる場面が見られた。7回には左フックで腰が落ちた鈴木は,終了間際には同じ左フックで鼻からの出血を見た。
 8回,三垣は左アッパーのボディ打ちから右フックをヒットし,なおも左右アッパーで細かくボディを攻める。三垣は鼻血で顔を染めて耐える鈴木に鋭いワンツーを浴びせる。

 タイトル挑戦目前の三垣がスピードと切れのあるパンチで鈴木を制した。ただし,ときおり攻撃が雑になる点が気になる。力まずに数を出すことに重点を置くべき。パンチ力は折り紙つきなので,数を多くしてダメージを積み重ねるような試合運びに徹すればさらに良くなるだろう。
 鈴木はタフな右ファイタータイプ。今夜は三垣の出バナに右アッパーを狙い打ちしたり,左右フックの攻勢に出て三垣を苦しめた。勇敢な試合ぶりが身上。

採点結果 三垣 鈴木
主審:染谷路朗 *** ***
副審:飯田徹也 78 75
副審:館秀男 79 75
副審:中村勝彦 78 74
参考:MAOMIE 78 74


     ○三垣:13戦12勝(8KO)1敗
     ●鈴木:15戦8勝(5KO)7敗

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:黒沢孝司

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                        2008年12月17日(水)    後楽園ホール
                                  8回戦
                    日本ウェルター級2位    K      O   日本S・ウェルター級4位
               ○   チャールズ・ベラミー   1回2分11秒    古川明裕   ●
                      (八王子中屋) 153 3/4 lbs                    (ワールド日立) 153 3/4 lbs

 初回,左右フックを振りまわしてグイグイと迫る古川。ベラミーは正面からの打ち合いを避けるように足を使い,左ジャブを突き,ときおり鋭い右ストレートを浴びせる。左をミスした古川のガードが下がった瞬間,待ってましたとばかりにベラミーが渾身の右フックを放つ。スイング気味の豪快なパンチをテンプルにまともに打ち込まれた古川はキャンバスに背中をしたたか打ちつけて仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったが,朦朧として足元が定まらずそのままカウントアウトされた。

 131秒という短い試合だったが,重量級のハードパンチャー同士によるスリル満点の展開となった。
 ベラミーは見事にビルドアップされた体に黒人特有のバネを備えており,パンチの破壊力が魅力である。ガードが低くてディフェンスに不安があるが,足も使えて意外に器用な面がある。上位にランクされ,タイトル争いの台風の目として面白い存在。
 古川は右のブルファイター。低いガードで揺さぶりながらグイグイと出てパワフルな左右フックを振って攻め込む。”怪力”の異名を取るスラッガーで,左右どちらでも一発で倒す破壊力がある。しかし,今夜はガラ空きのガードを突かれ,一発に沈んだ。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&中村勝彦&染谷路朗
     ○ベラミー:11戦9勝(6KO)1敗1分     ●古川:16戦12勝(9KO)3敗1分
     放送:スカイA     解説:石津純一郎     実況:黒沢孝司

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                         2008年12月17日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本ライト級(ノーランク)     負 傷 判 定    日本ライト級(ノーランク)
                ○   長崎大之     5回1分10秒     真鍋圭太   ●
                         (FI) 135 lbs                         (MT) 135 lbs

 序盤からダウンの応酬というスリリングな展開となった。まず初回,長崎の右フックがアゴに決まり,大きくぐらついた真鍋はキャンバスに右膝をついてダウン。立ち上がったが,右ストレートでもんどり打って2度目のダウンを喫し,絶体絶命の大ピンチを迎える。長崎はフィニッシュを狙って猛然と襲い掛かる。ロープを背にした真鍋も左フック,右ストレートで応戦し,試合は早くもヒートアップした。
 2回,真鍋がキャリアの差を見せつける。右ストレートでぐらついた長崎は構わず攻勢に出るが,青コーナーを背に放った真鍋の左フックからの右ストレートが決まり,大きくよろめく。後退するところに右ストレート2発をフォローされ,長崎は吹っ飛んでダウン。逆転KOを狙う真鍋に長崎が応じ,激しい打ち合いになる。ここで長崎は左目上をカットしてドクターチェック。これは偶然のバッティングによる傷と発表されたが,真鍋の有効打によるカットの可能性がある。
 3回,長崎はヘディングで減点1となった。4回には右ストレートで真鍋をぐらつかせた長崎がロープに詰めて執拗な連打に出るが,その左目の周囲の腫れが酷い。
 5回,視界不良の長崎にプレッシャーをかける真鍋。長崎は軽く跳ねるようなフットワークでリズムを取り戻そうとするが,ここでドクターチェックの結果,続行不能とされてストップとなった。

 長崎は長いリーチを持つ右ボクサーファイター。右ストレート,フックにパンチ力があり,チャンスには執拗な連打が出る。アップライトスタイルで軽く跳ねるようなフットワークでリズムを取りながら攻撃のチャンスを窺う。やや体が硬いことが欠点。
 真鍋にとっては不運な負傷判定負けとなった。2度のダウンを跳ね返して追い上げていただけに悔いの残る結果となった。2回に逆転のダウンを奪ったのは狙い澄ましたカウンターからの鮮やかなコンビネーションブローであり,倒し方を知り尽くしている真鍋らしいテクニック。29歳,32戦目というベテランに大きな変化は期待できないが,ディフェンスに注意することが大事。ランク外にいるが,まだまだやれる。

5回までの採点 長崎 真鍋
主審:館秀男 *** ***
副審:染谷路朗 46 46
副審:飯田徹也 47 46
副審:福地勇治 46 45
参考:MAOMIE 45 46


     ○長崎:12戦7勝(5KO)4敗1分
     ●真鍋:32戦26勝(22KO)5敗1分

     放送:スカイA
     解説:なし
     実況:桑原学

※ 第3ラウンドのヘディングによる長崎の減点1を含む採点。
※ 長崎が偶然のバッティングで負った傷によって5回途中に試合続行不能となったため,当該の5回を含む採点で勝敗を決する。

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                      2008年12月20日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K  O   挑戦者(同級1位)
               ○   木村登勇   4回2分54秒    西尾彰人   ●
                       (横浜光) 140 lbs                  (姫路木下) 140 lbs

 サウスポー同士の一戦は開始早々から一方的な王者・木村のペースになった。初回,左ストレートでロープを背に大きくのけぞる西尾。最初から相手を完全に呑んだ木村が様子見など不要とばかりに,エンジン全開の攻撃に出る。西尾は鼻から出血し,早くも苦しい展開。
 2回,西尾をロープに押し込み,右から左の強烈なフックを見舞う木村。西尾はバッティングでカットした右目上の傷に加え,顔面も腫れ始める。
 3回,相変わらずの木村の攻勢に手がない西尾。ロープを背にしたところで容赦ない木村の左右フックが飛ぶ。西尾も気丈に打ち返すが,力の差は歴然。
 4回,木村は攻撃の手を緩めず左右フックで攻め立てる。顔面の腫れが酷くなった西尾は動きも鈍くなる。終盤,青コーナー付近で左ストレートからの攻勢に出る木村。ロープに詰まった西尾が棒立ちになったところで,ここまでと見た浦谷主審が試合をストップした。

 木村は13度目の防衛に成功。トップコンテンダーの西尾を呑んでかかり,全く問題にしない圧勝である。9月の世界挑戦は失敗したが,相変わらず国内では無敵である。健在を強烈にアピールした盤石の防衛と言える。今後の動向が注目されるが,強豪王者・金正範(韓国)が持つOPBF王座への挑戦を期待したい。
 初挑戦の西尾はサウスポーのボクサータイプで伸びのある左ストレートを得意としている。しかし今夜は変則的な木村に呑まれてどんどん攻め込まれ,良いところを全く見せられないままに完敗を喫した。果敢に打ち返してはいたが,実力の差はあまりにも大きかった。

     主審:浦谷信彰,副審:ビニー・マーチン&葛城明彦&吉田和敏
     ○木村:43戦35勝(19KO)6敗2分     ●西尾:19戦13勝(8KO)4敗2分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:田中毅

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                     2008年12月20日(土)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)              チャンピオン
               ○   石井一太郎    判 定   ランディ・スイコ   ●
                       (横浜光) 135 lbs                (比国) 134 1/2 lbs
                    日本ライト級チャンピオン            WBA11位,WBC7位

 初回,鋭い左ジャブを飛ばして前に出るスイコ。石井はスイコの左に左フックを合わせる。石井は真正面からの打ち合いを避け,足を使って焦らしながら右フックを決めるなどうまいところを見せた。
 4回終了間際には石井が右ストレートからスイコを青コーナーに詰め,左アッパーでボディを叩く。このパンチでスイコがクリンチに逃れる場面が見られた。5回終盤にも飛び込んで放った石井の左フックが決まり,スイコがぐらつく。ここでもスイコはクリンチでピンチを脱した。
 石井のピンチは6回。接近戦でスイコが突き上げた左アッパーが鼻柱をかすめ,石井は鼻からの出血を見る。この鼻血は最後まで石井を苦しめることになった。7回には石井の左アッパーが低く入り,ローブローで減点1となる。
 8回,いつものまとめ打ちが出ないスイコに対し,石井は動きながら左フック,右ストレート。さらにロープに押し込んでは執拗な左右アッパーをボディに集める。
 9回,石井の左フックに左アッパーを合わせるスイコ。しかし,石井の右ストレートがアゴに決まり,スイコの腰がガクンと落ちた。終盤にはスイコの左フックで石井がぐらつく場面もあり,緊迫した展開が続く。
 足を使いながら攻めた石井もさすがに終盤にはスローダウンした。11・12回にはスイコの右ストレート,左右アッパーを許すが,辛うじて逃げ切った。

 石井が不利の予想を覆してアジア無敵のスイコから王座を奪った。強打のスイコに対して真正面からの打ち合いを避け,足を使って動きながら誘い,単発ながらも左フック,右ストレート,ボディへの左アッパーでポイントを重ねた。スプリットデシジョンではあるが,内容的に判定そのものは問題ないだろう。強打一辺倒の印象が強かった石井が足を使うことを覚えたのはメキシコでの武者修行の成果。攻撃の幅を広げてさらに上を目指すことが期待される。
 スイコは4度目の防衛に失敗。石井に動かれ,出バナを叩かれたことが敗因。石井の強打を警戒してか,持ち味としている一気にたたみかけるような攻撃が見られなかった。

採点結果 石井 スイコ
主審:ブラッド・ボカレ(豪州) 117 110
副審:熊崎広大 115 113
副審:セベリノ・ネセサリオ(比国) 113 114
参考:MAOMIE 116 111

     ○石井:24戦21勝(16KO)2敗1分
     ●スイコ:33戦28勝(24KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:高橋雄一

※ 第7ラウンドのローブローによる石井の減点1を含む採点。

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                        2008年12月20日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・ライト級3位    T   K  O   日本S・ライト級8位
                ○   亀海喜寛     6回1分58秒    伊藤博文   ●
                        (帝拳) 140 lbs                      (相模原ヨネクラ) 140 lbs

 両者ともに左ジャブ,ワンツーの応酬から立ち上がった。伊藤の左眉に異物を発見したマーチン主審がチェックのために試合を中断させる一幕があった。
 前に出て積極的に攻める伊藤だが,ここは亀海が一枚上。伊藤のパンチをヘッドスリップ,スウェイバックなどで巧みにかわし,鋭いパンチで徐々に弱らせていった。3回終盤には左右アッパー,右ストレートをまとめる。
 4回,亀海はサウスポーにスイッチして左右アッパー,ワンツーで伊藤をロープに追い込む。5回,伊藤が気合いを込めた攻撃を見せるが,ここでも亀海が終了間際にサウスポーにスイッチして左アッパーのボディブロー,ワンツーの攻勢を仕掛けた。
 6回,伊藤の攻撃をノラリクラりとかわしてボディに左右アッパーを打ち込む亀海。伊藤の動きが鈍くなったのを察知した亀海がピッチを上げた。ワンツー,左右フックのショート連打に力なく後退した伊藤をマーチン主審が救ってストップした。

 上昇気流に乗るランカー同士の顔合わせは期待通りに見応え十分の熱戦になった。
 亀海は伊藤に攻めさせて攻撃を巧みにかわし,各ラウンドの終盤に攻勢をかけるうまさを見せた。プロのキャリアは浅いが,戦い方を非常に良く心得ている印象が強い。オーソドックスな亀海がいつになく変則的なスタイルを織り交ぜて器用な面も披露した。伊藤の直線的な動きを読み,すかさずサウスポーにスイッチして左アッパーのボディブローを多用して見せたのはさすが。上位にランクされ,タイトル挑戦が非常に楽しみになった。
 一方の伊藤もいつものオーソドックスなボクシングを捨てて泥臭い接近戦に活路を求めたが,亀海に読み切られて完敗。しかし,果敢に上位を狙って強打の新鋭・亀海に挑んだ姿勢は立派である。

5回までの採点 亀海 伊藤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:熊崎広大 50 45
副審:葛城明彦 50 45
副審:浦谷信彰 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○亀海:10戦10勝(9KO)
     ●伊藤:16戦11勝(8KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:藤田大介

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                   2008年12月21日(日)    後楽園ホール
                 第55回全日本新人王戦(バンタム級決勝)
                            5回戦
                   東日本新人王            西軍代表
               ○   古橋大輔   判 定   越智大輔   ●
                       (新田) 118 lbs            (ビッグアーム) 118 lbs
                  古橋は技能賞を受賞

 開始早々から積極的に攻めたのは越智。接近して左右アッパーのボディブローから右フックを連打して押していく。やや後手に回る古橋だが,2回に入ると持ち味の足を使って距離を取り,左ジャブからワンツーにつなげる攻撃を見せる。中盤には余裕が出たのか接近戦にも応じ,右ストレートで越智をのけぞらせた。
 3回,激しく肉薄を試みる越智だが,古橋は距離を取る。右ストレートでバランスを崩す越智。今度は一転して接近戦に応じた古橋が左右アッパーを見舞い,ここでもうまさを見せた。
 4回,接近戦でのパンチの応酬となるが,右に回り込んで放った古橋のワンツーが見事にアゴを捉え,越智はよろめいて腰からキャンバスに落ちてダウン。越智は打ち合いを挑むが,古橋はワンツーの連打で越智を追いこんだ。
 5回,劣勢の越智がどんどん距離を詰める。終盤には激しい打ち合いが展開されたが,越智の左フックがヒットして,古橋が一瞬ぐらついた。

 古橋は足を使いながら放つ左ジャブ,ワンツーを得意としている右ボクサータイプ。4回にダウンを奪ったワンツーは,打ち合いの中でちょっと引いて右に回り込んで放った技ありのパンチである。接近戦にも長けているが,足を使って距離を取る展開が最も良いところが出る。足を止めた打ち合いを狙う越智のペースに引きずり込まれる場面もあったが,いかに自分のボクシングをするかが課題である。
 越智は右ファイタータイプで左右フック,アッパーの連打を武器としている。接近するとどんどん手数が出ることが強味で,スタミナも十分。距離を取りたい古橋を苦しめた。

採点結果 古橋 越智
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:染谷路朗 48 46
副審:杉山利夫 48 47
副審:安部和夫 48 47
参考:MAOMIE 48 46


     ○古橋:8戦8勝(1KO)
     ●越智:10戦6勝(1KO)2敗2分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:藤田大介

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                   2008年12月21日(日)    後楽園ホール
                 第55回全日本新人王戦(フェザー級決勝)
                           5回戦
                   東日本新人王           西軍代表
               ○   斉藤 司   判 定   渡邊 巧   ●
                    (三谷大和スポーツ) 126 lbs         (中日) 126 lbs
                  斉藤はMVPを受賞

 距離を取って左ジャブを突きながら右フック,ストレートを伸ばす渡邊。気の強い斉藤は前に出て左フック,右ストレートで追う。斉藤はバッティングで右目上をカットするが,接近戦からの離れ際に放った右フックで渡邊がバランスを崩した。
 2回,斉藤が左フックから叩きつけるように放った右ストレートでロープを背にぐらつく渡邊。チャンスと見た斉藤はここから攻勢に出た。
 4回にも激しい打ち合いが展開された。右ストレートでぐらついた斉藤に攻勢をかけて追い込む渡邊。このピンチをクリンチに逃れた斉藤は自コーナーのセコンドに目をやり,弱気な面を見せた。なおも攻勢に出てニュートラルコーナーに追い込む渡邊だが,右アッパーを打とうとしてアゴのガードが空いたところに右ストレートを打ち込まれる。このカウンターに右膝を折った渡邊はダウン寸前のピンチ。息を吹き返した斉藤が一気に攻勢に出た。
 5回にも”けれんみ”のない打ち合いが続いた。

 ハードパンチャー同士の力の籠った見応えのある試合となった。
 斉藤は右ボクサーファイターで右ストレートに鋭いものがある。鼻からの出血に苦しんだが,持ち味の気の強さ,負けん気が良い方向に出たと言える。チャンスにどんどん手数が出ることが長所。ただし,力が入って攻撃が雑になる面も見受けられる。武器の右ストレートを生かすためにも,左ジャブを多く使うことが必要である。無駄なパフォーマンスが目立つことも気になる点。
 渡邊は右ファイタータイプだが,今夜は斉藤の攻撃を回り込んでかわしながら左ジャブ,右フックを見舞うボクシングを見せた。右フック,ストレートにパンチ力がある。何度か右ストレートで斉藤をぐらつかせたが,その都度逆に反撃されてぐらつく場面が目立った。

採点結果 斉藤 渡邊
主審:浅尾和信 *** ***
副審:染谷路朗 48 47
副審:杉山利夫 49 46
副審:浦谷信彰 49 46
参考:MAOMIE 50 46


     ○斉藤:7戦7勝(4KO)
     ●渡邊:11戦7勝(6KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                  2008年12月21日(日)    後楽園ホール
               第55回全日本新人王戦(スーパ-フェザー級決勝)
                            5回戦
                   西軍代表            東日本新人王
              ○   吉野典秀   判 定   阿部隆臣   ●
                    (進光) 129 3/4 lbs           (新日本大宮) 130 lbs
                吉野は敢闘賞を受賞

 同型の右ボクサーファイター同士の対決は初回から激しい打ち合いが展開された。2回,阿部のパンチに正確さがない。逆に単発ながらも吉野が右ストレートのボディブロー,顔面への右フックでポイントを上げる。
 3回,バッティングで右目上をカットする安部。左右フックの応酬となるが,吉野が右フック,ストレートを上下に決めてリードした。
 劣勢と見た阿部が反撃に出たのは4回。強引とも思える左フック,右ストレート,左右フックを振って吉野を後手に回した。
 しかし,5回は再び吉野。阿部は必死に前に出るが,疲れを隠せない。

 吉野は右フック,ストレートを武器としている。ともに手数の割にクリーンヒットが少なかったが,右パンチでコツコツとポイントを積み重ねたことが勝因。
 阿部は手数こそ多かったが,パンチの正確さに欠ける。よく見て打つことが大事。左右フックを武器としているが,ガードが開いてディフェンスに難がある。

採点結果 吉野 阿部
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:染谷路朗 49 46
副審:安部和夫 49 47
副審:土屋末広 48 47
参考:MAOMIE 49 47


     ○吉野:8戦7勝(1KO)1分
     ●阿部:11戦8勝(1KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                      2008年12月23日(火)    両国国技館
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン     T   K   O  挑戦者(同級13位)
              ○   内藤大助    11回1分11秒    山口真吾   ●
                      (宮田) 112 lbs                      (渡嘉敷) 111 3/4 lbs

 両者の意地がぶつかり,開始早々からエンジン全開の打ち合いが展開された。オーバーハンドの右フックが決まり,早くも山口がバランスを崩した。
 山口は3・4回に左右アッパーのボディ攻撃を見せたが,5回以降は内藤が巧みな待機戦法で主導権を握った。山口は前に出て打ち合いを挑むが,内藤はこの動きを見極め,出バナを右フックで叩く。先に手を出された山口は前に出ている割に中に入れない状況が続いた。
 7回に入ると山口の動きが鈍り,明らかに被弾が多くなった。内藤はフェイントを織り交ぜた攻撃で徐々にダメージを与える。
 9回,山口は前に出るが,足が追随しない。内藤は下がりながら山口を誘い,右フック,ストレート,左フックを狙い打ちする。10回,山口も必死の形相でボディ攻撃からの右ストレートをヒットするが,内藤は右フック,アッパー,ワンツーをヒット。内藤はよく動いて回り込みながら左ジャブで出バナを叩いた。
 11回,内藤が鮮やかに試合を決めた。山口の前進を足でかわしながら左ジャブ,右フックを打つ内藤。山口のミスを誘った内藤の左フックがアゴを襲う。続く左フックでよろめいた山口は右フック2発をフォローされ,膝から落ちてキャンバスに四つん這い。これは辛うじて再開されたが,一気に内藤が猛攻に出る。上体が揺らいで今にも倒れそうな山口は必死に踏み止まって応戦するが,内藤の右ストレート,左フックが決まったところで福地主審が試合をストップした。

 壮絶な打ち合いで世界戦に相応しい熱戦となった。内藤は4度目の防衛に成功。
 前に出て打合いを挑む山口を回り込んでかわし,出バナを叩いたことが内藤の勝因。フェイントを織り交ぜて常に先に手を出し,山口の攻撃の芽を摘むうまい試合運びが光った。世界タイトル獲得後の進境は著しい。ここまで日本人同士の世界戦が続いたのは興行的にはやむを得ないが,知名度が全国区になったここからは世界的強豪を相手にした防衛戦が期待される。その方が引退後も含めた内藤の将来はずっと大きくなるだろう。
 大健闘で盛り上げた山口だが,前に出ている割に先にパンチを出されてダメージを蓄積させたことが敗因。7回頃から急激に動きが鈍くなり,被弾が多くなった。持ち味の激しい出入りを活かして連打をまとめる試合運びができれば内藤の苦戦も予想されたが,それが見られなかったことが残念。11回にぐらつきながらも倒れることを拒絶するかのように打ち返したのは十分に下半身を鍛えていた証拠である。

10回までの採点 内藤 山口
主審:福地勇治 *** ***
副審:浦谷信彰 97 93
副審:ダグラス・ベルトン(ニュージーランド) 98 93
副審:スティーブ・モロー(米国) 97 93
参考:MAOMIE 98 93


     ○内藤:39戦34勝(22KO)2敗3分
     ●山口:31戦23勝(9KO)6敗2分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                    2008年12月23日(火)    両国国技館
                      日本フライ級王座統一10回戦
                     チャンピオン           暫定チャンピオン
                ○   清水智信   判 定   五十嵐俊幸   ●
                       (金子) 112 lbs               (帝拳) 112 lbs
                      WBC11位

 右の清水,左の五十嵐。積極的に仕掛ける五十嵐だが,清水は足を使って距離を取り,五十嵐の出バナに右ストレートを決める。五十嵐も左アッパーのボディブローで応戦するが,清水は冷静なボクシングでリードした。
 2回,清水の右ストレートを警戒して慎重になる五十嵐。清水は出バナに左ジャブを伸ばし,右ストレートをタイミング良く決める。五十嵐が迷っていると右ストレートを上下に放ってロープに詰めた。6回,右ジャブが出ない五十嵐に対し,清水は右アッパーのボディブローを見舞う。さらにワンツーから左右フックの攻勢で五十嵐をロープに詰めた。
 終盤も清水の冷静な試合運びが続く。9回,ゴングと同時に飛び出して左を振る五十嵐だが,清水は動じることなく,右アッパーのボディブロー,右ストレートを浴びせる。さらに攻勢に出て五十嵐をロ−プに詰めた。10回,激しいパンチの交換になるが,ここでも清水の的確なパンチが上回った。

 東京農大のOB対決となったが,先輩・清水が冷静な試合運びで後輩・五十嵐を制した。清水は初防衛に成功するとともに,王座を統一。五十嵐が前に出れば距離を取ってタイミングの良いカウンターを決め,迷っていると自ら攻勢を仕掛けるというテクニシャンぶりを披露した。ワンツーだけでなく,右アッパーのボディブロー,左フックなど多彩な攻撃でも上回った。
 五十嵐はサウスポーのボクサーファイターで,スピーディなボクシングが持ち味。積極的な仕掛けを見せていたが,清水に読まれてしまった。右ジャブが出ず,振りが大きくなってバランスを崩したところにカウンターを決められる場面が目立った。自分の組立てが思うようにできなかったことが敗因。

採点結果 清水 五十嵐
主審:ビニー・マ-チン *** ***
副審:浦谷信彰 98 93
副審:土屋末広 98 92
副審:山田一公 98 93
参考:MAOMIE (50) (45)


     ○清水:17戦14勝(5KO)3敗
     ●五十嵐:9戦7勝(5KO)1敗1分

     放送:TBS
     解説:なし
     実況:伊藤隆佑

※ 第1・2・6・9・10ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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             2008年12月23日(火)    大阪府立体育会館第2競技場
                     日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                 挑戦者(同級1位)             チャンピオン
              ○   鈴木哲也    判 定    江口啓二   ●
                      (進光) 159 lbs               (姫路木下) 160 lbs

 サウスポー同士の対決。ともにスピーディな右ジャブの交換から立ち上がった。鈴木の右フックがカウンターになり,江口の顔が上を向く。江口はダイナミックな攻撃を仕掛けるが,鈴木の冷静な対応が目立つ。
 4回,鈴木のワンツーがヒット。中盤,左ストレートで江口がひるんだところに左右フック,左ストレートで攻勢に出る鈴木。江口も応戦するが,打ち込まれて後退する。
 6回はボディ攻撃で江口が押さえたかと見られたが,終了間際に鈴木が攻勢に転じた。左ストレートからの右フックで大きくのけぞった江口は辛うじてゴングに救われた。
 7回,再び左ストレートでチャンスを掴んだ鈴木が連打で江口をぐらつかせた。グロッギー気味の江口は必死に打ち返すが,力がない。
 江口は8・9回に手数で上回ったが,ここは鈴木が休んだ印象が強い。10回,鈴木は右フックでぐらつかせて連打をまとめる。ともに疲れが出たが,最後まで冷静さを保った鈴木が上回った。

 鈴木は2度目の挑戦で念願のタイトル獲得を果たした。重量級らしからぬスピードを身上としているサウスポーのボクサーファイターで,伸びのあるワンツーが武器。インファイトを仕掛ける江口に対して間合いをうまく取り,チャンスに一気に連打をまとめた。このメリハリのある果敢な攻撃で終始試合をコントロールしたことが勝因。持ち味をフルに活かした会心の勝利と言える。
 安定王者の地位を築いていた江口は6度目の防衛に失敗。鈴木の冷静な試合運びに翻弄され,内容的には完敗。ボディにパンチを集めて鈴木の動きを止めたかったが,うまく距離を取られた。右ガードの甘さを突かれてワンツーを打ち込まれる場面が目立ち,ひるんだところに連打を浴びてダメージを蓄積させた。

 6回終了間際の鈴木の攻勢の途中で鳴った終了ゴングが歓声にかき消され,杉山主審が割って入るのが遅れた。終了ゴングに選手が気付かないのはある程度仕方がない面がある。事故がなかったのが幸いだが,主審は10秒前の拍子木と同時にいつでも割って入る心の準備をすべきである。何のための拍子木なのかを問われる場面だった。

採点結果 鈴木 江口
主審:杉山利夫 *** ***
副審:坂本相悟 96 95
副審:原田武夫 97 93
副審:中村勝彦 97 94
参考:MAOMIE 97 93


     ○鈴木:28戦21勝(14KO)7敗
     ●江口:21戦18勝(12KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:荒木慶大
     実況:田野和彦

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                  2008年12月27日(土)    尼崎アルカイックホールオクト
                      日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○   野中悠樹    判 定    音田隆夫   ●
                       (尼崎) 153 3/4 lbs             (一力) 153 1/2 lbs

 開始早々,野中がいきなり先制攻撃に出た。左ストレートで一瞬音田の腰が落ちる。音田はどんどん前に出るが,闘志が空回りする場面が目立つ。野中は巧みに回り込んで左ストレート,右フックを浴びせ,4回までを完全にリードした。
 中盤の野中は打たれても突進を止めない音田にやや手を焼く場面を見せる。6回,音田の執拗な攻撃に拍車がかかる。野中をロープに詰めて左右フックでボディを連打する。
 しかし,7回以降は再び野中が左右に巧みに回り込み,出バナに鋭いカウンターを浴びせる。9回に入るとさすがに音田の出足も鈍りを見せた。10回,左ストレート,右フックで再三音田をぐらつかせる野中。音田は最後まで食い下がって前に出るが,突進力の翳りは隠せなかった。

 野中が大差の判定勝ちで初防衛に成功した。足を使って回り込み,巧みな位置取りで音田の突進をかわしたことが勝因。カウンターを含む左ストレート,右フック,左アッパーなどの多彩なパンチで着実にポイントを重ねた。中盤には音田の突進に閉口する場面もあったが,最後まで足が止まらなかったことが奏功した。重量級では稀有なスピードが身上で,フットワークを持ち味とするサウスポーのボクサータイプである。
 初挑戦の音田は”激闘王”の異名を取る右ファイタータイプ。左右フック,右ストレートの執拗な攻撃を身上としている。下から攻め上げて野中の動きを止めたかったが,巧みに回り込まれて出バナを叩かれたことが敗因。

採点結果 野中 音田
主審:福地勇治 *** ***
副審:宮崎久利 98 92
副審:坂本相悟 99 92
副審:原田武夫 98 92
参考:MAOMIE 99 91


     ○野中:26戦17勝(6KO)7敗2分
     ●音田:26戦19勝(14KO)7敗

     放送:スカイA
     解説:竹中義則&浅沢英
     実況:田野和彦

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                    2008年12月28日(日)    高砂市総合体育館
                              8回戦
                   日本L・フライ級(ノーランク)       日本L・フライ級9位
                ○   久田哲也     判 定    戎岡淳一   ●
                        (ハラダ) 110 lbs                 (明石) 110 lbs

 軽快なフットワークからスピーディな左ジャブを多用してテンポ良く攻める戎岡。しかし,2回終盤には久田が思い切った左右フックで戎岡を脅かした。
 最大のヤマ場は4回。戎岡はリズミカルな動きから右ストレート,左右アッパー,左フックで久田を追い込む。この回は戎岡が押さえたかと思われたが,終了間際に久田の攻撃が爆発した。右ストレートから返した左フックがカウンターになり,腰を落とした戎岡は膝を揺らして大ピンチ。棒立ちでロープを背にした戎岡は久田の猛攻に必死で耐え,辛うじてゴングに救われた。
 6・7回は持ち直した戎岡がスピーディなコンビネーションブローで押す。しかし,戎岡のガードが下がるところを久田が狙っており,ヒヤリとさせる場面も見られた。
 8回,久田の猛烈な左右フック,右ストレートにたじろぐ戎岡。ワンツー,左右フックを返すが,久田の思い切った攻撃に晒される場面が見られた。激しい打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 ノーランカーの久田がベテランの戎岡を破った。
 久田は右ファイタータイプで思い切った左右フックを武器としている。戎岡の低いガードを突いて再三ピンチに追い込んだ。チャンスに見せるラッシュはやや大振りだが,見るべきものがある。終了間際に一気に攻勢に出るなど頭脳的な側面もある。
 全般を通して主導権を握り,試合の流れを形成していたのは戎岡だった。軽快なフットワークに乗せた左ジャブ,ワンツーに左右アッパーを加えたテンポの良い攻撃が冴えた。しかし,正面に立ってガードが下がる欠点を突かれ,久田の思い切った攻撃で再三のピンチを招いた。『試合に勝って勝負に負ける』というのはこういうことだろう。

採点結果 久田 戎岡
主審:半田隆基 *** ***
副審:大黒利明 77 76
副審:原田武夫 77 76
副審:宮崎久利 76 77
参考:MAOMIE 76 76


     ○久田:15戦11勝(4KO)4敗
     ●戎岡:33戦18勝(8KO)12敗3分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英&三谷将之
     実況:山下剛

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                       2008年12月31日(水)    広島サンプラザホール
                          WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)     K      O    チャンピオン
             ○   デンカオセーン・シンワンチャー   2回2分55秒    坂田健史   ●
                       (タイ) 111 3/4 lbs                            (協栄) 112 lbs

 先制攻撃に出たのはデンカオセーン。スロースターターの坂田を見越したかのように,積極的に前に出て右ストレートから左右フックのボディ攻撃で迫る。坂田は左ジャブからの右フックを食い,不安な立ち上がりとなった。坂田も右ストレートから左アッパーのボディブロー,さらに終了間際には左フックをヒットした。
 2回,接近戦でボディブローの応酬が続く。坂田はバッティングで右目上をカット。デンカオセーンはボデイブローから顔面に右フックを強振。終盤の打ち合いの中で坂田の右アッパーが空を切ってガードが下がった瞬間,間髪入れずに返した右フックが耳の下を直撃した。ワンテンポ遅れてよろめいた坂田はそのまま膝から落ちて仰向けにダウン。ロープ際で辛うじて立ち上がったが,朦朧として戦える状態ではない。ラミレス主審はそのままカウントアウトした。

 坂田は5度目の防衛に失敗。昨年11月の初顔合わせ以来の再戦だったが,前回以上に研究されていた。ボディブローの応酬で下に注意を引きつけて顔面を狙うデンカオセーンの術中に見事に嵌った。前回の対戦でデンカオセーンが8回以降にペースダウンしたため,後半に持ち込めばという期待があったが,先制攻撃を簡単に許してしまったことが敗因。去就が注目されるが,歴戦の疲労もあるのでしばらくは休養が必要だろう。
 デンカオセーンは3度目の挑戦で悲願の王座奪取を果たした。驚くほどのスピードはないが,右ボクサーファイターで手数が多い。右ストレート,フックにパンチ力があり,巧みに上下に打ち分ける。ガードが低いことが特徴だが,これによってパンチがスムーズに出ている面がある。下を攻めておいて顔面を狙っていたフシがある。スロースターターの坂田がピッチを上げないうちに叩く作戦だったと思われるが,それが的中した。

     主審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ),副審:ラファエル・ラモス(米国)&デレク・ミルハム(豪州)&柳完洙(韓国)
     ○デンカオセーン:48戦46勝(20KO)1敗1分     ●坂田:40戦33勝(15KO)5敗2分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&佐藤修     実況:新夕悦男

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