熱戦譜〜2008年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2008.08.02  日本フライ級
 暫定王座決定10回戦
 五十嵐俊幸  判定  金城智哉
2008.08.02 6回戦  岩佐亮佑  TKO5R  高橋慎弥
2008.08.03 10回戦  小松則幸  判定  ロセンド・ベガ
2008.08.11  WBC女子世界ライト級
 王座決定10回戦
 アン・マリー・サクラート  判定  風神ライカ
2008.08.11 10回戦  升田貴久  判定  ワンディ・シンワンチャー
2008.08.11  WBC女子世界アトム級
 タイトルマッチ10回戦
 小関 桃  KO2R  ウィンユー・パラドーンジム
2008.08.16 10回戦  細野 悟  TKO9R  ラ・アミール・ライラ
2008.08.16  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 大久保雅史  3R負傷引き分け  有富康人
2008.08.16 8回戦  亀海喜寛  KO2R  チョークチャラーム・ウォースラポン
10 2008.08.16 8回戦  塩谷智行  TKO3R  サムローン・ウォースラポン

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                      2008年8月2日(土)    後楽園ホール
                       日本フライ級暫定王座決定10回戦
                     日本フライ級3位           日本フライ級2位
                ○   五十嵐俊幸    判 定    金城智哉   ●
                          (帝拳) 112 lbs                 (ワタナベ) 112 lbs

 序盤から白熱した試合が展開された。金城が積極的に打って出れば,五十嵐は打ち合いを避けて動きながら右ジャブで距離を取る。終盤,逆に五十嵐がワンツー,左右フックをまとめてポイントを奪う。いつになく強気の試合運びを見せる五十嵐。
 2回,絶好調の五十嵐は先手先手の攻撃で金城の出バナを叩く。金城は右目上をカットするハンデを負った(五十嵐の有効打による傷)。タイミングの良い左ストレートが決まってバランスを崩す金城。
 立ち上がりをリードされた金城も負けてはいない。3回以降は左右アッパーをボディに集めて五十嵐の動きを止めにかかった。プレッシャーに押され気味になる五十嵐。五十嵐のスピード,技巧に金城の闘志がぶつかり,試合は稀に見る激戦となった。
 7回,再び五十嵐が主導権を奪回した。前に出る金城のアゴに五十嵐の左ストレート,右フックがカウンターになる。なおも前に出て接近戦を挑む金城に対し,五十嵐は負けじと体を密着させて逆に押し込むように左右アッパーをボディに連打した。
 8回,前に出る金城のアゴに五十嵐の左ストレートのカウンターがクリーンヒット。打たれてからが強い金城も応戦したが,五十嵐は左ストレート,ボディへの左右アッパーでポイントをリードした。
 9・10回は両者の意地がぶつかり,打ち合いになった。五十嵐は9回にバッティングで左目上をカットしたが,激戦を制して暫定王座を獲得した。

 お互いに一歩も引かぬノンストップの打ち合いで決定戦に相応しい好ファイトが展開された。
 アテネ五輪代表の実績を持つ五十嵐はプロ転向8戦目で初タイトルを手にした。サウスポーのボクサーファイター。
 今夜は今までにない強気の試合運びが目立ち,プロらしい逞しさを感じさせた。目まぐるしく動くフットワークに乗せたカウンターの左ストレート,右フックあるいは左アッパーのボディブローなどの多彩な攻撃が光る。金城に押し込まれる場面もあったが,要所に連打を集中して結局はポイントを引き寄せてしまううまさを見せた。足が最後まで動いていたことが良かった。相手の土俵であるインファイトでも負けまいとする凄まじい気迫が漲っており,スプリットデシジョンながらも会心の試合内容と言える。今夜のような積極的な試合運びを続けて経験を積めば,日本タイトルはおろか世界挑戦も期待できる。
 金城は右ファイタータイプで右ストレート,左右アッパーのボディブローを武器としている。こちらも強気と旺盛な手数で食い下がったが,打ち疲れが出てガードが下がり気味になってアゴが出たところに五十嵐のカウンターを許したことが惜しまれる。敗れたとはいえ,オリンピアンの五十嵐に一歩も引かぬ戦いを展開した頑張りに脱帽である。必ず再挑戦のチャンスがあるので,モチベーションを高く維持してそのときに備えて欲しい。

採点結果 五十嵐 金城
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 97 95
副審:山田一公 95 96
副審:ウクリッド・サラサス 96 95
参考:MAOMIE 97 96


     ○五十嵐:8戦7勝(5KO)1分
     ●金城:18戦15勝(6KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                           2008年8月2日(土)    後楽園ホール
                                   6回戦
                  日本S・バンタム級(ノーランク)   T K O    日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   岩佐亮佑        5回43秒       高橋慎弥   ●
                        (セレス) 119 lbs                          (岐阜ヨコゼキ) 118 1/2 lbs

 上体を振って前に出る高橋に対し,岩佐はよく見切って左ストレート,右アッパー,フックを合わせる。歴然たるスピードの差があり,試合は早くもワンサイドの様相を呈した。2回,右フックのカウンターで大きく泳ぐ高橋。
 3回,足を止めて接近戦で左右のショート連打を浴びせる岩佐。よく粘る高橋だが,岩佐のスピードに追随できない。
 5回,再び足を使ってワンツー,左右フックを浴びせる岩佐。青コーナーを背にした高橋にショート連打をまとめたところで吉田主審が試合をストップした。

 高校3冠のアマチュア実績を引っ下げてデビュー戦を迎えた岩佐がTKOで初戦を飾った。サウスポースタイルから繰り出すワンツー,右フック,アッパーの連打を得意としている。相手のパンチに対する見切りの良さが長所。少々手を焼く場面はあったものの,粘り強く食い下がってやりにくいはずの相手をしっかり仕留めたことは立派である。ただし,足の運びは今ひとつという感じがする。足を止めて打ち合うのではなく,出入りを身につけるべきだろう。パンチが手打ちになっている点も改善の余地がある。好素材であるだけに周囲からの注文も多くなるが,今後の成長に期待したい。
 高橋は右ファイタータイプで左右フックの連打を得意としている。ベタ足でスピードはないが,粘り強く打ち合いを挑む。よく健闘したが,岩佐とはスピードの点で大きな開きがあった。

     主審:吉田和敏,副審:山田一公&ビニー・マーチン&福地勇治
     ○岩佐:1戦1勝(1KO)     ●高橋:10戦6勝3敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:高橋雄一

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                      2008年8月3日(日)    松下IMPホール
                              10回戦
                    日本フライ級8位         WBC世界フライ級14位
                ○   小松則幸    判 定    ロセンド・ベガ   ●
                       (グリーンツダ) 115 lbs             (メキシコ) 114 1/2 lbs

 序盤の小松は積極的に出るベガの前進を許し,苦しい立ち上がりとなった。ガードが甘く動きが鈍い小松はベガに押し込まれ,左右フックを顔面に受けて直線的に後退を繰り返した。
 3回,小松は右ストレート,左右アッパーのボディブローでベガの出足を止めようとするが,攻められると真っ直ぐ下がる悪い癖が出てしまい見栄えが悪い。
 中盤はベガもやや失速したが,小松にも押し返すだけの力がない。決定打だけは許さない小松だが,ベガの突進を持て余してロープを背負う場面が目立った。
 終盤はともに疲れが出て決め手に欠けた。小松は小刻みに足を動かしてリズムを作ろうとするが,最後まで良いところを見せられないままに終わった。

 何とか勝ちを拾った小松だが,攻め込まれて真っ直ぐに後退してはロープを背負う場面の繰り返し。非常に見栄えが悪いことこの上ない。突進する相手に対して返すパンチが出ないことに加えて,膝の柔軟性が乏しいことも相手の突進に対応できない原因だろう。辛うじて足は使っているように見えるが,真っ直ぐ下がるだけのフットワークになっている。かつての切れ味がなく,相手のパンチに対する反応も鈍った感じが強い。スピードの点でも衰えを隠せない。
 ベガは小柄な右ファイタータイプで左右フック,右アッパーの連打を得意としている。スピードはないが,潜り込んで執拗に攻める。中盤以降は手数も正確さも失せた。

採点結果 小松 ベガ
主審:坂本相悟 *** ***
副審:堺谷一志 97 94
副審:宮崎久利 97 94
副審:石川和徳 96 95
参考:MAOMIE 96 98


     ○小松:35戦24勝(10KO)5敗6分
     ●ベガ:18戦16勝(11KO)2敗

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:行部宗一

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                         2008年8月11日(月)    後楽園ホール
                        WBC女子世界ライト級王座決定10回戦
                    WBC女子世界ライト級3位         WBC女子世界ライト級2位
                ○   アン・マリー・サクラート     判 定     風神ライカ   ●
                            (米国) 135 lbs                    (山木) 134 1/2 lbs
                                                WBA1位

 初回,サクラートの右ストレートを食うライカだが,すぐに右ストレートを打ち返して気の強いところを見せた。しかし,左右にスイッチしながら足を使って距離を取るサクラートが右ストレート,左右フックでライカをコーナーに押し込む。ライカは早くも鼻から出血して苦しい展開になる。
 2回以降も動きのあるサクラートにライカの苦戦が続く。距離を詰める前にかわされ,タイミングの良い右ストレートを受けてポイントを献上するという悪循環。5回にはサクラートの右ストレートがヒット。さらに動きながらサウスポースタイルにスイッチしたサクラートの左ストレートがクリーヒットした。
 6回,バッティングでサクラ−トが左目上をカットしてドクターチェックのために中断。ヘッディングを取られたライカは減点1を食って,ますます苦しくなった。しかし,再開後にライカが左フックでサクラートをぐらつかせて猛追を見せた。
 8回,ライカは右ストレートの相打ちで後退させて攻勢。疲労が出たのか,サクラートはやや弱気な面が出た。
 10回,飛び込んで放ったライカの左フックが決まり,サクラートはぐらりとロープに飛んでピンチ。飛びかかるように追撃するライカ。終了間際には渾身の右フックがヒットするが,捉え切れずに終了ゴングを聞いた。

 粘り強く食い下がったライカだが,サクラートの老獪な試合運びに屈した。上背のあるサクラートに対して上を打つことばかりに集中し,かわされてはタイミングの良いパンチを出バナに打たれてポイントを失った。腰高のサクラートに対して下から攻め上げることが効果的だったはず。疲労のために後半はサクラートの動きが鈍っただけに,前半から的の大きいボディを攻めていれば違った展開になっていただろう。突進だけでは世界に通用しない。上体を振り,上下に打ち分けることが必要。捲土重来に期待したい。
 サクラートは右ボクサータイプ。左右にスイッチしながら足を使って距離を取り,機を見て右ストレート,左フックをタイミング良く決めるアウトボクシングを身上としている。相手の打ち気を巧みに逸らす老獪さがある。

採点結果 サクラート ライカ
主審:ジーン・デル・ビアンコ(比国) *** ***
副審:フランツ・マルティ(スイス) 97 93
副審:キム・ジェボン(韓国) 97 92
副審:ブライアン・マクマホン(豪州) 98 92
参考:MAOMIE 96 93


     ○サクラート:19戦14勝(6KO)3敗2分
     ●ライカ:23戦18勝(6KO)4敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:福永一茂

※ 第6ラウンドのヘディングによるライカの減点1を含む採点。

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                   2008年8月11日(月)    後楽園ホール
                           10回戦
                 日本フライ級9位          WBA世界フライ級5位
             ○   升田貴久    判 定   ワンディ・シンワンチャー   ●
                    (三迫) 114 lbs                  (タイ) 114 lbs
                                       WBC6位

 じりじりと前に出て重い右クロスを狙うワンディに対し,升田は軽快なフットワークとスピーディな左ジャブで距離を取る。2回,升田はワンディの左フックを受けてアゴが上がり,ヒヤリとさせた。左アッパーを突き上げようとしてガードが下がった瞬間,アゴにカウンターされた左フックだった。危ないタイミングだったが,これ以降はほぼ升田が自分の距離を保った。
 足と左ジャブでワンディをうまくコントロールする升田。ワンディの右フックは届かない。6回終盤にはアゴに升田の右ストレートのカウンターが決まり,ワンディがぐらついてバランスを崩す場面が見られた。
 7・8回にはワンディもプレッシャーを強めて反撃に出たが,升田の足は止まらない。10回には前に出るワンディに左ジャブから右アッパー,左フックを浴びせる。終了間際にも左フック,右ストレートでぐらつかせ,勝利を決定的なものにした。

 升田が持ち味の足とスピードをフルに活かし,金星で世界ランク入りを確実なものにした。足が良く動き,左ジャブを多用しては出バナにワンツーを浴びせて出足を止めたことが最大の勝因だろう。本来の得意な試合運びを存分に発揮した会心の勝利である。ワンツー,左フックだけでなく,後半は右アッパーも一枚加わって攻撃に幅を感じさせた。
 ワンディは左右フックに一発がある右ファイタータイプ。WBCミニマム級暫定王座(後日,正規王者に認定)とWBCライトフライ級暫定王座を獲得したキャリアを持つベテランである。相変わらずの攻撃力を感じさせたが,今夜は升田のスピードに動きを封じられて完敗を喫した。

採点結果 升田 ワンディ
主審:安部和夫 *** ***
副審:福地勇治 98 94
副審:浅尾和信 98 95
副審:杉山利夫 99 93
参考:MAOMIE 97 94


     ○升田:29戦19勝(4KO)7敗3分
     ●ワンディ:66戦56勝(12KO)9敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:鈴木芳彦

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                         2008年8月11日(月)    後楽園ホール
                        WBC女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦
                    挑戦者(同級9位)    K   O      チャンピオン
                ○   小関 桃       2回48秒   ウィンユー・パラドーンジム   ●
                       (青木) 101 1/4 lbs                       (タイ) 102 lbs

 開始早々から小関が積極的な仕掛けを見せ,サウスポースタイルからの左右フックで押し込んだ。上背で勝るウィンユーも負けじと右ストレート,さらに下から右アッパーを突き上げて応戦する。ウィンユーがバッティングで露骨に顔をしかめた隙に,小関が攻勢を強めた。
 2回,試合は唐突な幕切れを迎えた。攻勢を続ける小関がリング中央で左ストレートを振って入ろうとした瞬間,頭がウィンユーの顔面を突き上げた。さらに右フックが頭部をかすめれば,ウィンユーはロープ際で崩れるようにダウン。立ち上がりかけたが朦朧としたままカウントアウトされた。

 JBCによる公認後に行われる国内初の女子ボクシングにおける世界戦という歴史に残る一戦として注目されたが,積極的に攻めた小関がKOで王座奪取に成功した。サウスポーのファイタータイプで,左右フック,左ストレートの連打を得意としている。手数が良く出ることが長所であるが,上体の動きが乏しいために攻撃のときにやや硬直している欠点がある。上体を柔らかく使って振りと戻しをうまく利用することにより,パンチがスムーズに出るだけでなく威力も増すはず。
 ウィンユーはバッティングがあったところにパンチを受けて不運なKO負けとなった。右ボクサーファイターで上背がある。右ストレート,アッパーを武器としている。

 ダウンが有効打によるものかバッティングによるものかをJBCによるビデオ裁定に持ち込んだものの結論が出ず,WBC本部に判断を委ねるという異例の展開になった。結局小関のKO勝ちは覆らず,王座獲得が認定された。ダウンの直前にパンチがヒットしているため,この裁定自体は妥当なものであると考える。しかし,現実としてはウィンユーのダメージの大半がバッティングに起因するものであることは明白である。せっかくの王座獲得が後味の悪いままに終わらぬように,再戦によって決着をつけることが望ましい。

     主審:キム・ジェボン(韓国),副審:フランツ・マルティ(スイス)&ジーン・デル・ビアンコ(比国)&ブライアン・マクマホン(豪州)
     ○小関:8戦6勝(2KO)2敗     ●ウィンユー:10戦7勝(1KO)2敗1分
     放送:フジテレビ739     解説:川島郭志     実況:福永一茂

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                         2008年8月16日(土)    後楽園ホール
                                 10回戦
                   日本S・フェザー級7位   T   K  O    インドネシア S・バンタム級チャンピオン
                ○   細野 悟      9回2分59秒       ラ・アミール・ライラ   ●
                        (大橋) 128 lbs                              (インドネシア) 127 lbs

 序盤から細野がパワーでライラを圧倒した。初回,左フックでバランスを崩したライラが早くもロープに詰まる場面があった。
 細野は2回以降から中盤にかけて,左右アッパーをボディに集めてライラを弱らせた。ライラも果敢に応戦するがパワーの差は如何ともしがたい。細野はポジションを巧みに変えて左アッパーをレバーやストマックに打ち込む。
 5回,左フックでぐらつかせた細野はニュートラルコーナーに押し込んで攻勢。しかし,正確さを欠いてフィニッシュのチャンスを逸した。
 6回,ライラは細野の左ボディブローに上体を折り曲げて耐える。ライラはそれでも必死の応戦を見せるが,細野の左右フックで試合はますますワンサイドゲームの色合いを濃くした。
 9回,タフなライラに手を焼く細野だが,ようやく試合を決めた。ライラは果敢に打ち返すが,細野の左右フック,ボディへの左右アッパーで一方的になる。細野が右フックを浴びせたところで安部主審が試合をストップした。

 粘るライラをやっとの思いで仕留めた細野だが,欲求不満を募らせるような不本意な試合内容となった。パワーに頼る悪い癖が出てしまい,攻撃が雑になったことが拙戦の原因。パンチの正確さに欠け,詰めの甘さを露呈する結果になった。左ジャブが足りず,一本調子の攻撃が目立つ。細野のパンチに強弱のメリハリがないため,一方的に打たれながらもライラがリズムに慣れてしまったこともあるだろう。
 ライラは右ボクサーファイター。柔軟な上体で相手にとってはやりにくい。左右アッパー,右ストレートを振って果敢に攻める。非常にタフでしぶといボクシングをする。

     主審:安部和夫,副審:ビニー・マーチン&土屋末広&福地勇治
     ○細野:12戦12勝(10KO)     ●ライラ:23戦14勝(7KO)5敗4分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:中野謙吾

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                       2008年8月16日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン     負傷引き分け   挑戦者(同級4位)
             ×   大久保雅史     3回50秒      有富康人   ×
                    (青木) 111 1/2 lbs                       (松田) 112 lbs

 ともに左ジャブを伸ばして探り合いから立ち上がった。有富の右ストレート,左フックで早くも大久保の顔面が紅潮する。
 2回に入ると大久保が微妙にタイミングがずれた右ストレート,左フックを決めて反撃に出た。しかし,大久保はバッティングで右前額部をカットするハンデを負う。
 3回,試合は不完全燃焼のまま唐突に終わった。大久保の右前額部からの出血を重く見た浦谷主審がドクターチェックを受けさせる。これは辛うじて再開されたが,すぐに再びドクターチェック。結局続行不能との裁定が下り,試合がストップした。

 ベルトを獲得した4月の王座決定戦での評価が低かっただけに,こういう形での初防衛成功は大久保にとって不本意だろう。積極的な試合運びを見せて評価アップへの意欲を見せていたが,またも欲求不満を募らせる結果になってしまった。タイミングがワンテンポずれたパンチで積極的に攻めていたが,相変わらずスピード不足であることには違いない。防衛していくとなると今後も苦しい戦いが続くだろう。
 初挑戦の有富は右ファイタータイプで右ストレート,左フックを得意としている。積極的に攻める大久保の出バナに右ストレート,左フックを合わせていたが,上体の動きがないために逆にパンチの標的になる場面が見られた。

     主審:浦谷信彰,副審:福地勇治&土屋末広&安部和夫
     ×大久保:16戦13勝(4KO)2敗1分     ×有富:16戦14勝(5KO)1敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:寺嶋淳司

※ 大久保が偶然のバッティングで負った傷によって3回途中に試合続行不能となったもの。偶然による負傷によって試合の前半に試合が停止したため,負傷引き分けとなる。

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                        2008年8月16日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・ライト級3位    K      O     タイ国S・ライト級(ノーランク)
                ○   亀海喜寛     2回2分16秒    チョークチャラーム・ウォースラポン   ●
                       (帝拳) 141 1/4 lbs                           (タイ) 140 lbs

 開始早々から左ジャブを突いてフェイントをかけながらチャンスを窺う亀海。
 2回,チョークチャラームが左ジャブを多用し,飛び跳ねるようなフットワークを見せて攻める。亀海が左のフェイントから踏み込んで放った右ストレートがアゴに炸裂し,チョークチャラームはニュートラルコーナーに吹っ飛ぶようにダウン。一度は立ち上がりかけたものの,再び沈んでカウントアウトされた。

 亀海が鮮やかなKOで無傷の9連勝を飾った。無駄打ちや攻め急ぎがなく,非常に落ち着いた試合運びが光った。左ジャブをフェイントに使いながらチャンスを窺い,決め手の右ストレートでフィニッシュした会心の勝利。試合度胸が良く,将来性を感じさせる大型新人であり,タイトル挑戦が楽しみである。右ボクサーファイターで右ストレート,ボディへの左アッパーに破壊力がある。
 チョークチャラームは左ジャブ,右ストレートを得意とする右ボクサータイプ。アップライトスタイルから左ジャブをどんどん伸ばして攻める。

     主審:ビニー・マーチン,副審:不明
     ○亀海:9戦9勝(8KO)     ●チョークチャラーム:15戦9勝6敗
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:中野謙吾

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                         2008年8月16日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本S・ライト級10位    T   K   O   タイ国S・ライト級(ノーランク)
                ○  塩谷智行      3回2分39秒    サムローン・ウォースラポン  ●
                    (レパード玉熊) 143 1/2 lbs                       (タイ) 139 1/4 lbs

 初回,顔面をグラブと上腕でカバーしながら塩谷が積極的に出る。サムローンを押し込み,早くも左右フック,アッパーを浴びせる。2回,不敵な笑みを浮かべるサムローンだが,スピードがない。塩谷の攻勢に晒され,顔をそむける始末。
 3回,塩谷の連打にサムローンの足元が怪しくなった。攻勢を強めた塩谷は右フックのボディブロー,右アッパーを浴びせる。ボディが効いて苦しくなったサムローンが背中を向けてしまったところで,土屋主審が試合をストップした。

 5月に伊藤博文(相模原ヨネクラ)を破って初めてランクインした塩谷だが,相手の不甲斐なさに不本意な試合内容となってしまった。サウスポーのファイタータイプで,執拗な連打を得意としている。左右フック,アッパーなど,どこから手が出るかわからない変則的な試合運びが売り物。粘り強くしつこく攻めるので,相手にとっては非常にやりにくい。
 サムローンは右ボクサーファイターだが,パンチは押すような打ち方でスピードも威力も全く感じられない。塩谷の攻撃で顔をそむけてしまうなど,不甲斐なさばかりが目立った。

     主審:土屋末広,副審:ビニー・マーチン&他2名不明
     ○塩谷:23戦11勝(8KO)11敗1分     ●サムローン:18戦9勝(1KO)7敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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