熱戦譜〜2008年7月の試合から


MENU
MENUのbクリックすると各観戦記にジャンプします

試合日 試合 結果
2008.07.05  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 石井一太郎  7R負傷判定  川瀬昭二
2008.07.05 8回戦  李 冽理  判定  加治木了太
2008.07.06 10回戦  三谷将之  6R終了負傷判定  池原信遂
2008.07.15 8回戦  レブ・サンティリャン  TKO7R  池田好治
2008.07.15 8回戦  古川明裕  5R負傷判定  桑名竜一
2008.07.19 10回戦  長嶋建吾  KO1R  竹下寛刀
2008.07.21 10回戦  サーシャ・バクティン  TKO8R  梶山友揮
2008.07.22 10回戦  宮 将来  判定  クマントーン・チューワッタナ
2008.07.30  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 内藤大助  KO10R  清水智信
10 2008.07.30  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 坂田健史  判定  久高寛之
11 2008.07.30 10回戦  アンソニー・マンディン  判定  クレイジー・キム

ホームページのトップに戻る     熱戦譜のトップに戻る     ← 2008年6月に戻る     2008年8月に進む →


                        2008年7月5日(土)    後楽園ホール
                          日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン      負 傷 判 定   挑戦者(同級1位)
               ○   石井一太郎    7回1分03秒     川瀬昭二   ●
                       (横浜光) 135 lbs                       (松田) 134 1/2 lbs

 開始早々から石井が前に出てプレッシャーをかけるが,先手を取っているのは川瀬。よく動きながら左ジャブからワンツー,左右フックを打つ。
 3回,足を止めたい石井は左アッパーをボディに。このときバッティングで川瀬が右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。川瀬の足を止めようとボディ攻撃に出る石井だが,勝負を急ぐ川瀬も接近戦で敢然と打ち合いを挑む。
 4回,川瀬の右ストレートでのけぞる石井。バッティングで今度は石井が左目上をカット。試合はこの回だけで両者が2度ずつドクターチェックを受けるという波乱含みの展開となった。
 6回,石井の左アッパーが低く入り,ローブローで減点1を課せられた。石井の右フックが効いた川瀬はクリンチに出る。石井はコーナーに詰めて攻勢。
 7回,川瀬の左ジャブでのけぞる石井。しかし,石井も左右フックで応戦。ここで川瀬の右目上の傷がさらに深くなった。ドクターチェックの結果,試合続行不能との判断が下って試合がストップした。

 石井が負傷判定で初防衛。しかし,多くの課題を残す不本意な試合内容となった。KOを意識してか雑な攻撃になったことが拙戦の原因。動きの速い川瀬に対して下から攻め上げ,小さく右ストレート,左フックを打つべきだった。パンチの破壊力は抜群だが,冷静さに欠けることが欠点。苦しい局面に耐えるだけが精神力ではない。どんな展開になっても自分を律することができる精神力も必要である。単発ではなく,ショートでまとめる攻撃に徹することができればさらに上に向かって道が開ける。
 初挑戦の川瀬は足がよく動く右ボクサータイプ。フットワークに乗せた左ジャブからワンツー,左右フックなど手数もよく出る。積極的な攻撃で序盤は好調なところを見せたが,気持ちが先行して効果的なパンチが出なかったことが惜しまれる。

7回までの採点 石井 川瀬
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 67 66
副審:杉山利夫 68 65
副審:吉田和敏 68 66
参考:MAOMIE 68 66


     ○石井:23戦20勝(16KO)2敗1分
     ●川瀬:26戦18勝(11KO)3敗5分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:高橋雄一

※ 第6ラウンドのローブローによる石井の減点1を含む採点。
※ 川瀬が偶然のバッティングで負った傷によって7回途中に試合続行不能となったため,当該の7回を含む採点で勝敗を決する。

このページのトップに戻る


                      2008年7月5日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                    日本フェザー級9位         日本フェザー級11位
                ○   李 冽理     判 定    加治木了太   ●
                        (横浜光) 128 lbs                (協栄) 128 lbs

 じりじり前に出てプレッシャーをかける加治木に対し,李は左ジャブを突いて距離を取りながら様子見。2分過ぎ,李が加治木をロープに詰めて左右フックをまとめる。加治木もコーナーに詰めて攻勢を仕掛けるが,逆に李がワンツー,左右フックを返す。
 3回,李をロープに追う加治木だが,肝心のパンチが出ない。逆に李がそれを見透かしたかのように加治木をコーナーに詰めて左右フックのラッシュを浴びせた。
 4回2分過ぎ,加治木が不用意に前に出た瞬間だった。狙いすましたような右アッパーが加治木のアゴに決まる。ぐらりと後退したところに右ストレートを追い打ちされた加治木は腰から落ちてダウン。コーナーを背負った加治木は防戦一方。猛攻に出る李もアゴが上がって予断を許さない展開が続く。
 7回,ロープを背にした加治木に左右フックを浴びせる李。加治木は右目上をカットしてドクターチェックを受けたが,これは李の有功打による傷と発表された。反撃の姿勢を見せるが,逆に李のまとめ打ちに晒された。
 8回,ダメージで体が重い加治木。李は加治木をロープに詰めて左右フックの乱打を見せる。加治木はガードを固めるが,思い通りに体が動かない。辛うじて終了間際にロープを背にしながら左フック,右ストレートを返したが,時すでに遅し。

 李はリーチのある右ボクサータイプ。伸びる左ジャブを突いて自分の距離を保ちながら,右ストレート,アッパーを狙い打ちする。チャンスにはロープに詰めて左右フックをまとめる”つるべ打ち”を見せる。惜しまれるのは脇の絞りが甘く,パンチの威力が半減していること。しっかり脇を絞ってコンパクトにまとめればKOも増えるだろう。ラッシュのときにアゴが上がる欠点がある。
 加治木は右ファイタータイプで非常にパンチ力がある。右ストレートあるいは返しの左フックを武器としている。今夜は前に出ている割に手が出ず,それを李に読まれて完敗を喫した。上体の振りがなく,そこを狙い打ちされてダメージを蓄積させたことが敗因。本来はコンパクトなコンビネーションを軸としたアグレッシブな試合運びを身上としている。新人王戦で見せたように非常に非凡なものを持っているので,課題を克服して再浮上に期待する。

採点結果 加治木
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:杉山利夫 79 73
副審:土屋末広 77 74
副審:福地勇治 79 74
参考:MAOMIE 79 73


     ○李:12戦10勝(5KO)1敗1分
     ●加治木:15戦11勝(7KO)4敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

このページのトップに戻る


                       2008年7月6日(日)    高砂市総合体育館
                                 10回戦
                  WBC世界バンタム級13位   負傷判定   WBA世界バンタム級8位
                ○   三谷将之       6回終了      池原信遂   ●
                        (高砂) 120 1/4 lbs                    (大阪帝拳) 120 1/4 lbs

 開始早々からジグザグの足の運びで前に出る池原。一方の三谷は足を使いながら左ジャブを突き,ボディに左アッパーを送る。
 2回,三谷はポジションを変えながら左ジャブ,フック,アッパーを巧打。さらにワンツーから左フックを軽くまとめて主導権を握った。3回には池原のアゴに右アッパーがヒットする。終盤に池原の右フックも決まるが,いつものプレッシャーの鋭さが見られない。
 4回,ようやく池原が先に手を出す。潜り込んで右フックのボディブローから左フックを決めて三谷をのけぞらせた。
 しかし,5回に入ると再び三谷が主導権を奪回した。三谷はバッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける。先に手を出したい池原だが,逆に三谷の左フックを再三受ける結果になった。タイミングの良い三谷の左ストレートで思わず腰が落ちる池原。三谷は池原をロープに詰めてパンチをまとめた。
 6回,三谷は前に出る池原を足と左ジャブでさばく。しかし,三谷の左目上の傷が深くなり,6回終了後のインターバル中に試合がストップされた。

 関西の実力者同士による好カードが実現したが,これから盛り上がるという矢先のストップとなった。不完全燃焼の試合であり,ぜひ再戦に期待したい。
 終始試合の流れを掌中に引き寄せていたのは三谷。足と左ジャブ,フック,アッパーをタイミングよく決めてリードしていた。ただし,池原に潜り込まれる場面が見られたことも事実。世界に打って出るためには左だけでなく,試合を決められる右も磨くべき。
 今年1月の世界挑戦失敗からの再起戦を落とした池原。右ファイタータイプで左右フック,右ストレートに威力がある。前に出ていた割りにパンチが出ず,三谷に先に打たせてしまったことが敗因。中途半端な攻撃に終始し,三谷の懐に入り切れないままに終わった。

6回までの採点 三谷 池原
主審:宮崎久利 *** ***
副審:福地勇治 58 57
副審:大藤隆幸 58 57
副審:坂本相悟 58 57
参考:MAOMIE 59 56


     ○三谷:26戦23勝(10KO)3敗
     ●池原:30戦27勝(19KO)3敗

     放送:読売テレビ&スカイA
     解説:六車卓也&辰吉丈一郎
     実況:尾山憲一

※ 三谷が偶然のバッティングで負った傷によって6回終了時点で試合続行不能となったため,当該の6回を含む採点で勝敗を決する。

このページのトップに戻る


                           2008年7月15日(火)    後楽園ホール
                                   8回戦
                  東洋太平洋ウェルター級2位   T   K  O    日本S・ウェルター級10位
               ○   レブ・サンティリャン      7回1分52秒       池田好治   ●
                      (石神井スポーツ) 147 lbs                             (宮田) 146 1/4 lbs

 178cmのサンティリャン,183cmの池田という長身のサウスポー同士の一戦。初回,サンティリャンが前に出るが,池田はよく動きながら左ストレート,右フックを返して上々の滑り出しを見せた。
 しかし,2回,サンティリャンは左ストレートのボディブローを打ち込む。終盤,相打ちの左ストレートを顔面に受けた池田は大きくのけぞる。
 3回に入るとサンティリャンのプレッシャーが強まる。単調な攻撃だが,サンティリャンの重い左ストレートで池田は再三のけぞった。
 4回以降の池田は苦しくなり,距離を取るというよりも下がらされている印象が強くなった。足の踏ん張りが利かず,打たれたときの見栄えが悪い。
 7回,サンティリャンの重い左ストレート,右フック,左右アッパーが池田を襲う。ジリ貧に陥った池田はすでに敗色濃厚。最後は左フックでのけぞり,足元がふらついたところでサラサス主審が試合をストップした。不満を表情に出す池田だが,これは妥当な処置。

 地力の差が如実に出た試合。初回こそ池田の動きに戸惑ったサンティリャンだが,2回以降は持ち前の強打でジリジリと迫って主導権を握った。スピードはないが,パンチは重くて威力十分。サウスポースタイルから繰り出すリーチを生かした左ストレート,左右アッパーを武器としている。ガードの低さから倒されることもあるが,尻上がりに調子を上げるしぶとさに定評がある。動かれては不利と見たか,2回からプレッシャーをかけた試合運びにキャリアの差を感じた。
 池田もサウスポーのボクサータイプで左ストレート,右フックにパンチがある。サンティリャンの強打で徐々に動きが鈍り,足の踏ん張りが利かなくなった。腰高のため,打たれたときのバランスが悪いことが欠点。

6回までの採点 サンティリャン 池田
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:中村勝彦 59 55
副審:山田一公 58 56
副審:島川 威 58 56
参考:MAOMIE 59 55


     ○サンティリャン:30戦25勝(18KO)4敗1分
     ●池田:17戦10勝(8KO)7敗

     放送:スカイA
     解説:嶋田雄大
     実況:黒沢孝司

このページのトップに戻る


                       2008年7月15日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本S・ウェルター級1位   負傷判定   日本S・ウェルター級(ノーランク)
               ○   古川明裕       5回7秒       桑名竜一   ●
                     (ワールド日立) 152 1/2 lbs                    (トヤマ) 147 1/2 lbs

 開始早々から上体を揺すって接近戦を挑む古川。左右アッパーのボディ攻撃から顔面に右フックを浴びせて追い込む。桑名は距離を取って右ストレート,ボディへの左アッパーから。終了間際,桑名を青コーナーに詰めて右アッパーでのけぞらせ,さらに右フックを浴びせる古川。
 距離を取りたい桑名だが,古川のパワーに押されて後退を強いられる場面が続いた。4回,桑名はバッティングで右目上をカットし,ドクターチェックを受ける。再開後,俄然攻勢に出る古川。左右のボディブローに上体を曲げて苦しげな桑名は足が動かなくなる。
 5回開始ゴングと同時に両者がコーナーを出たところで,浦谷主審が桑名にドクターチェックを受けさせた。結局右目上の傷が続行不能とされて試合がストップした。

 怪力・桑名がパワーの差でベテラン桑名を圧倒した。体格差をフルに生かして押し込み,ボディ攻撃で弱らせた順当な勝利。スピード不足だが,パワーは秀でている。ただし,接近するまでのパンチがほとんど出ないことが欠点。上体を振ってはいるものの,接近するまでの間が無防備に近い。トップコンテンダーの座にいるが,この欠点を改善しなければタイトル獲得は苦しいだろう。左ジャブやボディへの右ストレートを打つなどの工夫を試みることが望ましい。
 桑名は古川に押しまくられ,いいところなく敗れた。足が動かず,古川の出足を止めるようなパンチが出せなかったことが敗因。

5回までの採点 古川 桑名
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:中村勝彦 50 46
副審:ウクリッド・サラサス 50 46
副審:安部和夫 50 46
参考:MAOMIE 50 46


     ○古川:14戦12勝(9KO)1敗1分
     ●桑名:39戦11勝(4KO)22敗6分

     放送:スカイA
     解説:嶋田雄大
     実況:黒沢孝司

※ 桑名が偶然のバッティングで負った傷によって5回途中に試合続行不能となったため,当該の5回を含む採点で勝敗を決する。

このページのトップに戻る


                      2008年7月19日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                WBA世界ライト級10位    K      O   日本S・ライト級(ノーランク)
              ○   長嶋建吾      1回1分16秒     竹下寛刀   ●
                    (エイティーン古河) 138 lbs                        (高砂) 138 lbs

 サウスポー同士の一戦。ともに右ジャブを突いて立ち上がる。長嶋はロングレンジから左ストレートを伸ばして竹下を脅かす。鋭い踏み込みから放った長嶋の右ジャブで思わずバランスを崩す竹下。右ジャブからつないだ矢のような左ストレートがテンプルに決まる。この一撃で竹下はキャンバスに崩れ落ち,仰向けにダウン。カウント中にタオルが投入された。

 ワンパンチで4年ぶりのKO勝利を飾った長嶋。格下相手とはいえ,体の切れ,スピードともに申し分なく,世界再挑戦に向けてこれ以上ないアピールとなった。フィニッシュパンチとなった左ストレートは踏み込みもタイミングも抜群。キャリアは十分なので,スピードを生かしたボクシングに徹することが大事。
 竹下はリーチに恵まれたサウスポー。懐が深く,ワンツーは遠い距離からよく伸びる。高砂ジムの方針だろうが,強豪相手の厳しいマッチメイクに耐えてベテラン長嶋に敢然と向かった姿勢は見事である。

     主審:浦谷信彰,副審:ビニー・マーチン&杉山利夫&熊崎広大
     ○長嶋:39戦34勝(16KO)3敗2分     ●竹下:19戦11勝(8KO)7敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:中野謙吾

※ 浦谷主審のカウント途中にタオルが投入されて試合がストップしており,TKOではなく長嶋のKO勝ちとなる。

このページのトップに戻る


                           2008年7月21日(月)    後楽園ホール
                                   10回戦
                    WBA世界バンタム級3位   T   K   O   日本S・バンタム級12位
                ○   サーシャ・バクティン     8回1分06秒     梶山友揮   ●
                          (協栄) 117 1/2 lbs                         (平石) 118 lbs
                              WBC12位

 サーシャが早い仕掛けで梶山を圧倒した。左ジャブから右アッパー,左フックでぐらつかせて攻勢に出るサーシャ。中に入ろうとする梶山のアゴに右アッパーを突き上げ,さらに打ち下ろしの右ストレートを浴びせる。2回には上下への打ち分けも見られ,ほぼワンサイドの展開。梶山は上体を振って果敢に打ち合いを挑むが,試合の興味はサーシャがいつフィニッシュするかに絞られた。
 サーシャは3回に後頭部への加撃で減点1を課せられたが,試合は一方的。6回,右から左の逆ワンツーも見せて梶山を圧倒する。顔面に加えてボディも打たれた梶山はよく頑張るが,手も足も出ない状態が続いた。
 8回,さすがに序盤ほどの出足が見られなくなった梶山をサーシャがついに仕留めた。よく粘る梶山だが,サーシャのパンチが容赦なく襲う。右アッパーに続き,右ストレートでのけぞったところで浅尾主審が試合をストップした。

 世界挑戦を狙うサーシャが格の違いを見せつけた。もともと左ジャブ,ストレートは主武器だったが,右のパンチが多彩になって幅が広がった。右から左という意表を突くような”逆ワンツー”を織り交ぜてあらゆる方向から手が出ることが強味。入り際に合わせるアゴへの右アッパーを多用していたが,これも強力な武器になっている。しかし,梶山の頑張りがあったとはいえ,一方的に打ちまくりながらも8回まで長引かせたことは反省点である。倒しきれない場合には一気に連打をまとめてストップを呼び込むようなテクニックも世界を狙うためには欠かせない。
 梶山は右ファイタータイプ。頭と上体を振ってサーシャの懐に潜り込もうと試みたが,入り際に鋭いパンチを浴びてダメージを蓄積させた。しかし,強豪サーシャに敢然と打ち合いを挑んで最後まで食い下がったファイティングスピリットは賞賛に値する。

7回までの採点 サーシャ 梶山
主審:浅尾和信 *** ***
副審:ビニー・マーチン 69 61
副審:浦谷信彰 69 62
副審:吉田和敏 69 63
参考:MAOMIE (50) (44)


     ○サーシャ:20戦20勝(9KO)
     ●梶山:15戦10勝(5KO)3敗2分

     放送:TBS
     解説:佐藤修
     実況:土井敏之

※ 第3ラウンドの後頭部への加撃によるサーシャの減点1を含む採点。
※ 第1・2・5・6・7・8ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は第3・4ラウンドを除く集計結果です)。

このページのトップに戻る


                      2008年7月22日(火)    後楽園ホール
                               10回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)         タイ国S・バンタム級チャンピオン
               ○   宮 将来       判 定    クマントーン・チューワッタナ   ●
                     (ヨネクラ) 125 1/4 lbs                   (タイ) 124 1/2 lbs

 1・2回と前に出てワンツー,左フック,ボディに左アッパーを打つ宮。クマントーンはガードを固めて様子見。
 3回はクマントーンが接近して左右フック,右ストレートを放つ。4回,宮は左ジャブを多用して上下へのコンビネーションブローを浴びせた。
 6回,宮のワンツーを受けても表情を変えないクマントーン。逆に接近戦で左右アッパーを宮のボディに集めてしぶといところを見せた。
 7回以降は宮が積極的な攻撃でリードしたが,左ジャブが出ず,最後までクマントーンのしぶとさに手を焼いた。

 足の故障でリングから遠ざかって1年4ヶ月ぶりの復帰戦となった宮だが,内容的には不満を残す結果となった。攻撃のつながりが悪い面が見られ,リードしながらも攻め倦む場面が目立った。パンチを当てようとする意識が先行したことが気になる。4回に見せたように,左ジャブを多用して得意のコンビネーションブローにつなげる試合運びを意識するべきだろう。個々のパンチにはスピードがあっただけに,残念である。
 元OPBF王者クマントーンはしぶとい右ファイタータイプ。小柄ながらもガードを固めて潜り込み,左右フック,アッパーの連打がよく出る。相手のパンチの威力を巧みに殺してしまう老獪さがある。

採点結果 クマントーン
主審:葛城明彦 *** ***
副審:浦谷信彰 97 93
副審:中村勝彦 97 94
副審:島川 威 99 93
参考:MAOMIE 97 94


     ○宮:19戦17勝(12KO)1敗1分
     ●クマントーン:32戦18勝(14KO)13敗1分

     放送:スカイA
     解説:今岡武雄&本間暁
     実況:河路直樹

このページのトップに戻る


                    2008年7月30日(水)    代々木第一体育館
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    K    O   挑戦者(同級13位)
                ○  内藤大助    10回57秒    清水智信   ●
                       (宮田) 112 lbs                     (金子) 112 lbs

 開始早々からフェイントをかけて積極的に仕掛ける内藤。左からつなげた右ストレートがカウンターになり,一瞬清水の腰が落ちる。
 しかし,清水は冷静な試合運びで内藤を苦しめた。2回,左フックを受けた内藤がバランスを崩す場面が見られた。清水はよく動いて打ち終わりに合わせる右ストレートでリードした。3回,力んで大振りになったところを突いた清水の右ストレートがカウンター気味に決まって,内藤のアゴが上がる。
 5回,途中採点の発表でリードされていることを知った内藤はフェイントをかけながら挽回のチャンスを窺う。しかし,冷静な清水はそれに乗らず,左ジャブ,右ストレートをタイミングよく決めてリードを広げた。
 7回,内藤が変則的な動きでプレッシャーをかけ,ようやく優位に立つ。左フックでのけぞる清水。ここは内藤の強引な攻撃を清水が持て余した。
 清水リードで迎えた10回に大逆転劇が待っていた。開始早々,右ストレートから返した左フックがアゴに決まれば,清水は大きくぐらついてピンチに陥る。チャンスと見た内藤は一気に攻勢。右ストレートの追い打ちを浴びた清水はロープ際で崩れるようにダウン。ここはカウント8で再開となったが,内藤のラッシュに晒される。清水はロープを背に必死の応戦を見せたものの,最後は左フックを浴びてロープ伝いに崩れ落ちる。立ち上がろうとしたが,もはや戦える状態になく,そのままカウントアウトされた。

 内藤は3度目の防衛。9回までは完全にリードされており,まさに起死回生,薄氷の大逆転劇だった。苦戦の原因は大振りで雑な攻撃に終始したことに尽きる。ミスしたところに清水の左ジャブ,ワンツーを受けてポイントを失う最悪の展開が続いた。最後は強打で帳尻合わせをしたが,内容的には不本意と言わざるを得ない。変則と雑とは違う。変則的な足の運びでフェイントをかけながらコンパクトなパンチを決める持ち味の試合運びに立ち戻る必要がある。
 あと一歩のところで大魚を逸した清水だが,一発に泣いた。経験豊富な内藤を冷静な試合運びで苦しめた健闘が光る。基本に忠実なアウトボクシングを身上としている。武器は左ジャブ,ワンツー。

9回までの採点 内藤 清水
主審:フランク・ガルサ(米国) *** ***
副審:ノパラット・スリチャロン(タイ) 84 87
副審:キム・ジェ・ボン(韓国) 85 86
副審:パク・ドン・アン(韓国) 85 87
参考:MAOMIE 85 87


     ○内藤:38戦33勝(21KO)2敗3分
     ●清水:16戦13勝(5KO)3敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

このページのトップに戻る


                     2008年7月30日(水)    代々木第一体育館
                      WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級3位)
                ○   坂田健史   判 定   久高寛之   ●
                        (協栄) 112 lbs            (仲里ATSUMI) 112 lbs

 好調な滑り出しを見せたのは久高。よく動いて坂田の動きをかわし,出バナに左アッパーから右ストレートを浴びせる。久高の右フックのカウンターが決まる。2回にも久高の左フック,右ストレートが坂田の出バナにヒット。相打ちの右ストレートが決まり,坂田の出足が止まる場面が見られた。
 しかし,それ以降は尻上がりに調子を上げた坂田が主導権を握る。3回,坂田はバッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受けた。負傷判定が視野に入った坂田の手数が増える。4回には距離が詰まり,坂田のペースになる。左右フックのボディ攻撃から顔面に左フックをヒットする坂田。久高も右ストレートのカウンターで対抗するが,坂田にくっつかれて自分の距離を保てない場面が続いた。
 中盤の久高は坂田のボディ攻撃が効いて苦しくなった。密着して左右フック,アッパーを上下に打ち分ける坂田はさらに打ち下ろしの右ストレートを浴びせて攻勢。持て余した久高はクリンチに出る場面が多くなる。
 ときおり左アッパー,右ストレートをヒットする久高だが,後が続かず坂田の前進を止められない。7回,久高は再び足を使って流れを変えにかかる。自分の距離を保ちながら左ジャブ,右ストレート,さらに坂田が出るところに左アッパーをヒット。
 しかし,9回,坂田がプレッシャーを強め,執拗に前に出て左右アッパーを上下に打ち分ける。右ストレートのカウンターもヒットする坂田。10回,左アッパーのボディブローが効いてクリンチに出る久高。
 11回,坂田の左から右のフックがクリーンヒット。これを機に攻勢に出る坂田。右目上の傷によって坂田がドクターチェックを受けた直後に久高がラッシュを仕掛けるが,クリーンヒットを奪うには至らない。
 12回,久高は右ストレートのカウンターをヒットするが,坂田の前進は最後まで止まることはなかった。

 坂田は4度目の防衛に成功。地味だが,徐々にピッチを上げて知らぬ間に自分のペースに持ち込む試合運びが光る。豊富な練習量に裏打ちされたスタミナと手数はさすが。しかし,相変わらず序盤に調子が出ないことと不用意なパンチをもらう場面が目立つ。さらに防衛を重なるためには,ぜひ改善すべきポイントである。
 久高は序盤こそ足でかき回しながら出バナに右ストレートをヒットして好調なところを見せたが,中盤からは坂田の執拗な連打に打ち負けて動きが鈍った。押し込まれて消極的になり,パンチも単発に終わったことが惜しまれる。挑戦者らしく何が何でもベルトを奪うという決意のようなものが見ている側に伝わらなかったことが残念。『世界戦を楽しみたい』,『楽しかった』という発言が聞こえたが,挑戦者の姿勢としては違和感を感じざるを得ない。厳しいようだが,実力の差とともに意識の面でも坂田とは大きな開きがあったと言える。軽量級離れした威力十分の右ストレートは魅力なので,ぜひ巻き返しを狙って欲しい。

採点結果 坂田 久高
主審:浅尾和信 *** ***
副審:島川威 118 111
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 117 111
副審:原田武夫 116 112
参考:MAOMIE 117 112


     ○坂田:39戦33勝(15KO)4敗2分
     ●久高:24戦16勝(5KO)7敗1分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

このページのトップに戻る


           2008年7月30日(水)    豪州ニューキャッスル:エンターテインメントセンター
                                10回戦
                    WBA世界ミドル級2位         東洋太平洋ライトヘビー級チャンピオン
               ○   アンソニー・マンディン   判 定     クレイジー・キム   ●
                        (豪州) 164 1/4 lbs                   (ヨネクラ) 165 lbs

 キムが初回から左右アッパーのボディブローで積極的な攻めを見せた。マンディンは早くも右目上をカットするが,慎重に下がりながらキムの前進をかわして右ストレートを浴びせる。
 3回,キムが絶好のKOチャンスを迎える。左アッパーをボディに集めるキム。左アッパーの打ち終わりに返したキムの左フックがアゴに決まれば,マンディンは一呼吸置いてゆっくり腰から落ちて仰向けにダウン。立ち上がったマンディンが慎重になり,KOを意識したキムは単発に陥って好機を逸した。
 5回,キムの左フックがヒットする。しかし中盤のマンディンは危険を避け,キムの出バナに左ジャブ,フックを浴びせるうまい試合運びを見せた。キムはひたすら前に出て左アッパー,右フックでボディを叩く愚直な攻撃スタイルを貫いた。
 8回,キムはマンディンをロープに押し込んで連打を浴びせるが,マンディンも鋭い左右アッパー,ワンツーを決めて譲らない。
 9・10回はマンディンが左ジャブ,フックを多用してキムの攻勢をかわした。

 敵地に乗り込んで元世界王者を相手に大健闘を見せたキムだが,マンディンのうまさに屈した。マンディンの懐の深さと巧みなディフェンスに攻撃を封じられ,攻めあぐむところにパンチを浴びた。3回にダウンを奪った左フックは打ち終わりに鋭く振ったもの。マンディンが一呼吸置いて倒れたことが,ダメージが深刻さを物語っている。キムはこの大事な場面であと一歩の詰めを欠き,大魚を逸した。一発を意識した結果だろうが,ここは追撃を巧みに封じたマンディンの技巧を称えるべきだろう。
 マンディンは固いガードから放つシャープな左ジャブ,フックあるいはワンツーを武器としている。懐が深く,決定打を許さないうまさがある。

採点結果 マンディン キム
主審:チャーリー・ルーカス(豪州) *** ***
副審:ブラッド・グリフィス(豪州) 98 92
副審:トレバー・クリスチャン(豪州) 98 91
副審:セス・パーキンス(豪州) 99 91
参考:MAOMIE 97 92


     ○マンディン:36戦33勝(23KO)3敗
     ●キム:33戦28勝(24KO)5敗

     放送:スカイA
     解説:本間暁
     実況:岩本計介

このページのトップに戻る


熱戦譜のトップに戻る     ← 2008年6月に戻る     2008年8月に進む →

ホームページのトップに戻る