熱戦譜〜2008年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2008.05.03  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  TKO5R  山本大五郎
2008.05.03 10回戦  塩谷智行  判定  伊藤博文
2008.05.03 8回戦  瀬川正義  KO2R  モンコンデット・パタウィコンジム
2008.05.11 10回戦  川端賢樹  TKO6R  橋口 竣
2008.05.17  日本スーパーフェザー級
 王座決定10回戦
 矢代義光  TKO5R  森田陽久
2008.05.17 8回戦  川村貢二  判定  秋葉慶介
2008.05.19  WBA世界ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 小堀佑介  TKO3R  ホセ・アルファロ
2008.05.19 8回戦  パウルス・モーゼス  TKO2R  ヤウゲン・クルーグリック
2008.05.31  WBC世界フェザー級
 挑戦者決定12回戦
 グティ・エスパダス・ジュニア  TKO2R  松田直樹

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                        2008年5月3日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級6位)
                ○  木村登勇    5回2分37秒    山本大五郎  ●
                       (横浜光) 140 lbs                     (金沢) 140 lbs
                    WBA15位,WBC8位

 ”六甲おろし”に乗って颯爽と入場した山本。開始ゴングと同時に飛び出して右ストレートで奇襲攻撃を仕掛けるが,木村は動じない。すぐに返した左ストレートで山本の腰が落ちた。木村の左ストレート,右フックが再三ヒットする。右フックでぐらくいた山本は抱きついてピンチを脱した。
 2回以降は早くも主導権を握った木村の独壇場。山本は右目上をカットしただけでなく,鼻からも出血して苦しくなる。木村は不意を突く左ストレートに加え,ボディへの強烈な左アッパーで圧倒した。
 4回,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。涼しい顔で優位に戦う木村。左アッパーのボディブローが効いて山本の動きが鈍くなる。木村は山本をロープに詰めて嵩にかかった攻撃に出る。山本は足を使って失地を挽回しようとするが,正面に立って左ストレートを食う場面が目立つ。
 5回,山本は顔面の腫れ,鼻からの出血でますます苦しい戦いを強いられた。強烈なボディ打ちで上体が丸くなる。木村の左右アッパー,左ストレートで試合は一方的になった。右フック,左ストレートでぐらついたところに一気に襲い掛かる木村。力なくロープ際に後退した山本を浅尾主審が抱きとめるように救って試合をストップした。

 木村,危なげない圧勝で12度目の防衛に成功。山本を全く寄せつけず,完全に呑んでかかった横綱相撲である。左ストレート,左右アッパーに加え,ボディへの左アッパーも強烈。緩急をつけて一発当たると一気にラッシュする詰めの鋭さも光り,まさに落とし所を知り尽くしている。変則的でお世辞にも見栄えの良いボクシングではないが,キャリアを重ねて奥行きも深みも増している。まさに国内に敵なしの状態である。このクラスでの久々の世界挑戦に期待したい。
 山本は立命館大でアマ経験がある右ボクサーファイターで,右ストレートを武器としている。果敢に応戦したが,力の差は如何ともしがたく,動きを読まれて完敗。サイドにかわせればもう少し違った展開になったと思われるが,正面に立って木村の左ストレートをまともに食う場面が目立った。序盤からボディを打たれて動きが鈍り,反撃の芽を摘まれたことも痛かった。

4回までの採点 木村 山本
主審:浅尾和信 *** ***
副審:吉田和敏 40 36
副審:土屋末広 40 36
副審:福地勇治 40 36
参考:MAOMIE 40 36


     ○木村:41戦34勝(18KO)5敗2分
     ●山本:21戦12勝(9KO)5敗4分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:田中毅

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                      2008年5月3日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                 日本S・ライト級(ノーランク)       日本S・ライト級8位
                ○  塩谷智行     判 定   伊藤博文  ●
                     (レパード玉熊) 140 lbs             (相模原ヨネクラ) 140 lbs

 右ボクサーの伊藤,左変則ファイターの塩谷という好対照の顔合わせ。
 序盤は伊藤が足を使いながら小刻みに左ジャブ,ワンツーを繰り出すオーソドックスな攻撃でリードした。さらに左アッパーでボディを攻める伊藤。一方の塩谷は構わず前進して変則的な攻撃を仕掛けた。
 塩谷は尻上がりにペースアップした。4回に入ると意表を突く右アッパーで伊藤をたじろがせ,左右フック,アッパーをまとめる。この辺から伊藤は塩谷のペースで戦わされる場面が続くようになった。塩谷は終盤にも左アッパー,左右フック,左ストレートの乱れ打ちで伊藤を追い込む。
 中盤以降も激しいパンチの応酬が続いたが,執拗な塩谷の攻撃に伊藤が手を焼く場面が目立った。伊藤は鼻から出血し,端正なマスクも腫れ上がる。
 8回,勝負所と見て激しくパンチを交換する両者。塩谷の左ストレートに次ぐ右アッパーで伊藤のアゴが上がる。嵩にかかった左右アッパー,左ストレートの連打で伊藤を追い込む塩谷。9回にも打ち合いが続く。ワンツーを繰り出す伊藤だが,塩谷は要所で連打をまとめて”印象点”を稼いだ。
 10回,ともに死力を振り絞るような壮絶な打撃戦。かなりきつい塩谷だが,必死の形相で前に出る。伊藤も応戦するが,塩谷の左ストレート,左右アッパーのまとめ打ちでズルズルと後退する場面が見られた。

 試合終了もしばらく拍手が鳴り止まないほどの壮絶な打撃戦だった。33歳でランクインを有力とした塩谷はサウスポーの変則ファイター。25歳でボクシングを始めた”遅咲き”である。きれいなボクシングとは縁遠いが,しぶとさは天下一品。左ストレート,左右アッパーにパンチ力があるが,一発の威力よりもまとめて浴びせる連打の方が相手にとっては脅威だろう。一見ガムシャラのようだが,要所にパンチをまとめるのでインパクトがあり,採点上は有利に作用する不思議な力がある。負けが先行してはいるが,戦い方,ポイントの取り方を心得ている一面も感じさせた。
 伊藤は塩谷とは正反対で,基本に忠実な右ボクサータイプ。足を使いながら放つ左ジャブ,ワンツー主体の試合運びが特徴である。右ストレートに一発必倒の威力がある。今夜は塩谷の乱打戦のペースに合わせてしまったことが敗因。塩谷に連打をまとめられてズルズルと後手に回ってしまったことが見栄えを悪くした。

採点結果 塩谷 伊藤
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:福地勇治 96 94
副審:浅尾和信 96 95
副審:浦谷信彰 98 92
参考:MAOMIE 96 94


     ○塩谷:22戦10勝(7KO)11敗1分
     ●伊藤:14戦10勝(8KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:上重聡

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                         2008年5月3日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本L・フライ級4位   K      O    タイ国ミニマム級8位
                ○  瀬川正義     2回2分25秒  モンコンデット・パタウィコンジム  ●
                       (横浜光) 108 lbs                        (タイ) 106 3/4 lbs

 初回に思わぬ波乱が起きた。右フック,左ストレートで攻める瀬川だが,モンコンデットの右ストレートで腰が落ちる。コーナーでの打ち合いで右フックを受けた瀬川は脆くも尻餅をついてダウンを喫した。立ち上がった瀬川はモンコンデットをロープに詰めて右フックを浴びせる。
 2回,ベタ足で攻め込むモンコンデット。しかし,瀬川の右フックをカウンターされ,ぐらついて後退する。俄然攻勢に転じる瀬川。左ストレートを胸元に受けたモンコンデットはバランスを崩してダウン。激しいパンチの交換になるが,最後は再び右フックのカウンターがアゴに決まり,モンコンデットはもんどり打ってうつ伏せにダウン。立ち上がったがそのままカウントアウトされた。

 アマ出身の瀬川が逆転KO勝ち。しかし,動きに硬さが見られて再三不用意なパンチを食うなど,褒められる内容ではなかった。サウスポーのボクサータイプで右フック,左ストレートのコンビネーションブローを得意としている。上体の動きが乏しいことが欠点で,相手の正面に立ってしまうことが多い。上体を振ってリズムを取ることを心がけるべきだろう。
 モンコンデットは右ファイタータイプ。ベタ足だが,思い切って放つ右フック,ストレートを得意としている。

     主審:吉田和敏,副審:浦谷信彰&土屋末広&ビニー・マーチン
     ○瀬川:16戦14勝(4KO)2敗     ●モンコンデット:13戦7勝(2KO)6敗
     放送:G+     解説:なし     実況:上重聡

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                  2008年5月11日(日)    明石市立産業交流センター
                               10回戦
                   日本バンタム級3位   T  K O   日本バンタム級(ノーランク)
               ○   川端賢樹      6回49秒     橋口 竣   ●
                      (姫路木下) 118 lbs                    (正拳) 118 lbs

 右ファイターのベテラン川端,左ボクサーの若い橋口という対照的な顔合わせとなった。
 リーチを活かした左ストレートを伸ばす橋口だが,3回に入ると川端が経験の差を見せた。出バナに右ストレートを合わせ,ロープに詰めて左右アッパーのボディブローを放つ川端。体を密着させた状態でパンチの応酬となるが,川端はよく見て右アッパーを上下に突き上げる。
 4回,主導権は一気に川端に傾いた。左右アッパーをボディに集めて橋口の足を止めにかかる川端。川端はロープを背に橋口の出方をよく見ながら,隙を突くような右アッパー,ストレート,左アッパーを打ち込むベテランらしいうまさを見せた。右アッパーがアゴを捉えてぐらつく橋口。鼻から出血した橋口は苦しくなる。
 5回,前に出て押し込んでいるのは橋口だが,試合をコントロールしているのは川端。至近距離でのパンチの交換という状況の中から,要所に左右アッパー,右ストレートを的確に打ち込んだ。終盤,左フックからの攻勢にぐらついた橋口はコーナーに詰まる。辛うじてクリンチで窮地を脱するが,すでに敗色濃厚という状態だった。
 6回,橋口はそれでも果敢に前に出るが,川端は冷静に左右アッパーをボディに集める。右アッパーでアゴを突き上げられた橋口は腰から落ちてダウン。立ち上がったが,川端の詰めは鋭い。ロープを背に攻勢に晒された橋口の体が左フックで大きく泳いだところで,タオルが投入された。

 36歳の元王者・川端がベテランの味を存分に披露した。いつもながらその節制ぶりには頭が下がる。橋口の動きを読み切り,要所で上下への的確なパンチを打ち込むうまい試合運びで随所に見せ場を作った。これぞまさに経験に裏打ちされた技術である。全盛時に比べるとスピードこそ落ちているが,その分をうまさで十分にカバーしている。若い橋口にレッスンをしているようなゆとりさえ感じさせた。悲願の日本王座返り咲きに向けて,大いに期待が持てる試合内容である。
 敗れた20歳の橋口は全力でぶつかったことが見ている者に伝わる健闘を見せた。上背とリーチに恵まれたサウスポーのボクサータイプだが,頻繁に右構えにスイッチする一面もある。川端のキャリアに屈したが,最後まで試合を捨てずに食い下がった姿は立派である。

     主審:坂本相悟,副審:半田隆基&野田昌宏&宮崎久利
     ○川端:37戦27勝(17KO)8敗2分     ●橋口:15戦7勝(2KO)7敗1分
     放送:スカイA     解説:浅沢英     実況:山下剛

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                        2008年5月17日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーフェザー級王座決定10回戦
                  日本S・フェザー級2位   T   K   O    日本S・フェザー級1位
               ○   矢代義光       5回2分56秒     森田陽久   ●
                       (帝拳) 129 1/2 lbs                       (新日本仙台) 129 1/2 lbs
                                               森田陽久=もりた・きよひさ

 小堀佑介(角海老宝石)が返上した王座をサウスポー同士で争う一戦だが,初回から一方的な展開になった。鋭い右ジャブを飛ばして前に出る矢代。右フックがきれいな孤を描いて決まり,森田は早くもぐらついた。有効打で右目上をカットした森田は上体を振るトリッキーなボクシングで応戦するが,前に出られない。2回には矢代の鋭い右ジャブ,フックで森田の眉間が腫れ上がり,早くも人相が一変した。
 3回,左ストレートの相打ちは森田が上回ったが,矢代は慌てずに右ジャブ,フックから左ストレートでロ−プに追い込んだ。眉間の腫れが増した森田がドクターチェックを受ける。
 4回,矢代の鋭いパンチで試合はさらにワンサイドゲームの色合いを濃くした。
 5回,右ジャブ,フック,左ストレートをびしびしと打ち込む矢代。森田は反撃の糸口を全く見出せない。眉間の腫れ,右目上の傷によって再度ドクターチェックとなるが,ここで続行不能と診断されて試合が決まった。

 ホープとされながら左手首の骨折というアクシデントで足踏み状態にあった矢代がようやくタイトルを手中にした。右ジャブ,フックが冴え,つけ入る隙を全く与えない堂々たる完勝である。ダウンシーンこそなかったが,右からつなぐ左ストレートにも切れがあって会心の試合内容と言える。けっして攻め急がず,常に右リードブローで相手をコントロールした点が素晴らしい。遠回りしたが,さらに上を狙える逸材である。
 森田はサウスポーのファイタータイプ。矢代の鋭いパンチで出バナを叩かれ,まさに手も足も出ない完敗。上体を振って矢代のリズムを崩そうとしていたが,突破口を見出せないまま一方的に打たれてしまった。

     主審:安部和夫,副審:ウクリッド・サラサス&土屋末広&熊崎広大
     ○矢代:21戦20勝(11KO)1分     ●森田:19戦12勝(4KO)6敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:高橋雄一

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                      2008年5月17日(土)    後楽園ホール
                               8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)       日本フェザー級2位
                 ○  川村貢二     判 定   秋葉慶介  ●
                      (ワタナベ) 128 1/2 lbs              (角海老宝石) 129 lbs

 前に出て左右フックを振る秋葉。川村はこれを迎え撃って豪快なパンチを見舞う展開。
 2回,川村は左右フックでボディを叩き,秋葉をロープに詰めて右ストレートから左アッパーの攻勢をかける。3回は秋葉の積極的なボクシングが上回るが,4回はロープを背にした川村が左フック,右ストレート,ボディへの左アッパーを返して譲らない。
 終盤も激しい打ち合いが展開された。6回,接近して左右アッパーのボディブローを交換する両者。秋葉のワンツーがヒットすれば,川村も終盤に叩きつけるような左フックで反撃に転じた。
 7回,揉み合うようなボディブローの応酬になる。川村の左アッパーがヒット。8回にも激しい打ち合いが続く。

 一進一退の攻防で,まさにジャッジ泣かせの熱戦。攻撃のインパクトが明暗を分けたと言える。
 横浜光ジムからの移籍第1戦となった川村。僅差ながらも上位ランカーの秋葉を破り,うれしい再ランクインを確実なものにした。相変わらず大振りが目立つが,今夜は左右アッパーのボディ攻撃でわずかに秋葉を上回った。ダイナミックな右ストレート,左アッパーのコンビネーションは破壊力十分。それがKO率に反映されないのは,雑な攻撃が原因だろう。大振りを避け,左ジャブからしっかり組み立てることに徹すれば十分に上位でやれる実力を持っている。
 秋葉は右ファイタータイプで手数が良く出る好戦的なスタイルが売り物。積極的な試合運びを見せたが,川村のパワフルな攻撃に一歩及ばず,手痛い星を落とした。

採点結果 川村 秋葉
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 76 78
副審:安部和夫 77 76
副審:熊崎広大 78 76
参考:MAOMIE 77 76


     ○川村:16戦14勝(5KO)1敗1分
     ●秋葉:19戦11勝(2KO)5敗3分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:中野謙吾

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                        2008年5月19日(月)   ディファ有明
                       WBA世界ライト級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級7位)   T   K   O    チャンピオン
                ○  小堀佑介      3回2分08秒   ホセ・アルファロ  ●
                      (角海老宝石) 135 lbs                   (ニカラグア) 134 1/4 lbs

 開始早々から目が離せないスリリングな打ち合いが展開された。打ち気に出るアルファロの出バナに得意の右ストレート,左フックを合わせる小堀。2分過ぎ,左フックを振ろうとしたアルファロのアゴに右ストレートが決まり,早くもアルファロの腰が落ちる場面が見られた。小堀は絶好の立ち上がりを見せた。
 2回,左フックの相打ちはアルファロの方が一瞬早く,小堀は足がもつれてピンチ。後退したところに右ストレートをフォローされた小堀は大きく腰を落としてニュートラルコーナーに飛ばされ,ダウンを取られた。しかし,今度は2分過ぎに小堀が反撃を見せる。アルファロの右ストレートの打ち終わりに合わせた左フックがテンプルに決まる。このパンチで足がもつれて後退したアルファロはクリンチでピンチを逃れた。終了間際には火を噴くような激しい打ち合いになった。強打を振るアルファロに対し,ここは小堀が連打の回転力で上回った。
 そして,3回,劇的な幕切れを迎える。硬い左ジャブ,右ストレート,左フックを放って前に出るアルファロ。小堀はこれを迎え撃つように再三左フックのカウンターを合わせる。中盤,右クロスから切り返した左フックがアゴに決まり,アルファロは腰から落ちてダウン。カウント8で再開となったが,勝負所と見た小堀が一気にスパート。怒涛のような左右のショート連打に腰が落ちてロープに飛ぶアルファロ。そこにラモス主審が割って入り,試合をストップした。

 小堀,初挑戦で見事な王座奪取。2回に喫したダウンを跳ね返しての逆転TKOというオマケ付きである。アルファロの強打を受けてぐらつく場面はあったが,臆せず立ち向かったことが最高の結果を生んだと言える。アルファロの出バナに右ストレートから左フックを返す作戦が見事に的中した。フィニッシュにつなげた左右連打も見事。大舞台でピンチから形勢逆転のダウンを奪えば普通は気持ちが先行して大振りになるものだが,冷静にショート連打で仕留めたことが素晴らしい。ただし,自身のガードが下がることは今後の課題である。
 アルファロは右ファイタータイプで,左フック,右ストレートに破壊力がある。重い左ジャブ,ストレートで突破口を開き,直線的に攻め込むのが得意の攻撃パターン。一発当たるとどんどん手数が出ることも強味である。ただし,上体に柔軟性がなく,スピードは今ひとつ。膝の動きが硬いために,横に動かれると弱い面も見受けられた。アゴのガードが甘く,打たれ脆いことも欠点のひとつであり,今夜はそこに小堀のカウンターを合わされて沈んだ。

     主審:ラファエル・ラモス(米国),副審:エクトル・エルナンデス(メキシコ)&ルーベン・ガルシア(米国)&柳完洙(韓国)
     ○小堀:26戦23勝(12KO)2敗1分     ●アルファロ:25戦20勝(18KO)4敗1無効試合
     放送:スカイA     解説:坂本博之&本望信人     実況:黒沢孝司

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                           2008年5月19日(月)    ディファ有明
                                   8回戦
                    WBA世界ライト級1位    T   K   O   ベラルーシ ライト級(ノーランク)
                ○  パウルス・モーゼス     2回2分04秒    ヤウゲン・クルーグリック  ●
                        (ナミビア) 134 1/4 lbs                          (ベラルーシ) 136 lbs

 上背で劣るモーゼスが開始早々から鋭い左ジャブ,ストレートを多用してプレッシャーをかける。クルーグリックも左ジャブで応戦するが,モーゼスは左ジャブから右フックでボディを叩く。
 2回,伸びのあるワンツーでクルーグリックにロープを背負わせるモーゼス。左目上をカットしたクルーグリックはドクターチェックを受ける。これは続行OKとなったが,再び中断。2度目のドクターチェックで続行不能と診断され,ここで試合が終わった。

 トップコンテンダーのモーゼスが初来日でベールを脱いだ。170cmという並みの体格だが,シャープな左ジャブ,ストレートを連発し,ワンツーをかぶせてアグレッシブな攻撃を展開する右ボクサーファイターである。ストレート系のパンチ中心のオーソドックスな試合運びであるが,相手が後手に回ると嵩にかかって荒々しく攻める一面も備えている。ただし,右フックのボディブローはあるものの攻撃パターンはそれほど多彩ではなく,打たれ強さも未知数。ガードが下がる欠点もあるので,そこが狙い目である。
 クルーグリックは178cmの長身から繰り出す左ジャブ,ワンツーを武器とする右ボクサーファイター。モーゼスの積極的な攻撃に後手に回る場面が目立った。

     主審:浦谷信彰,副審:熊崎広大&葛城明彦&安部和夫
     ○モーゼス:23戦23勝(17KO)     ●クルーグリック:20戦7勝11敗2分
     放送:スカイA     解説:坂本博之&本望信人     実況:黒沢孝司

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           2008年5月31日(土)    メキシコ:チェトゥマル:セントロ・インテルナシオナル・デ・コンベンシオネス
                            WBC世界フェザー級挑戦者決定12回戦
                     WBC世界フェザー級13位    T   K   O   WBC世界フェザー級12位
                ○  グティ・アスパダス・ジュニア   2回1分06秒     松田直樹  ●
                            (メキシコ) 126 lbs                           (帝拳) 125 3/4 lbs

 初回から伸びの良い左ジャブ,ストレートを多用するエスパダス。中盤,左フックからの右ストレートがタイミングよく決まり,松田は思わず尻餅をついてダウンを取られた。ダメージはないが,主導権は完全にエスパダスのものになった。
 2回,試合はあっさり決着がついた。前に出て流れを変えようとする松田だが,タイミング良く伸びる左ジャブでこれを許さないエスパダス。一瞬の隙を突くように左から右の矢のようなワンツーストレートがまともにアゴを捉え,松田はロープ際で腰から落ちてダウン。立ち上がってファイティングポーズを取った松田に続行を許す素振りを見せたコビアン主審だが,一転してストップした。まだ戦えるとアピールする松田だが,時すでに遅く,裁定は覆らなかった。

 松田にとっては納得できないストップだろう。2度目のダウンはまともにもらったパンチだが,もう少しやれたはず。エスパダスの左ジャブにペースを握られ,攻め口を見出せなかったことが響いた。距離を取られてはエスパダスの思うツボ。揺さぶって下から崩すことができればと惜しまれる。
 元WBC世界フェザー級王者エスパダスは2度来日した元世界フライ級王者グティ・エスパダスの子息。小柄で典型的なファイターだった父と正反対で,174cmという長身と恵まれたリーチを誇る右ボクサータイプである。伸びの良い左ジャブ,ストレートで距離を保ちながらチャンスを窺い,切れとタイミングの良いワンツーを放つボクシングを身上としている。懐の深さに加えて非常に冷静なことが長所であり,これが相手にとっては厄介な面である。

     主審:ホセ・コビアン(米国),副審:ヘスス・マヌエル・エロサ(メキシコ)&ホセ・マンスール(メキシコ)&ヘラシオ・ペレス・ウエルタ(メキシコ)
     ○エスパダス:49戦42勝(27KO)7敗     ●松田:40戦28勝(11KO)8敗3分1無効試合
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史&飯田覚士     実況:高柳謙一     アシスタント:中野知美

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