熱戦譜〜2008年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2008.04.02  日本スーパーウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 石田順裕  TKO6R  川崎タツキ
2008.04.02  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 黒木健孝  判定  三澤照夫
2008.04.05  東洋太平洋&日本フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 榎 洋之  引き分け  粟生隆寛
2008.04.05  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 下田昭文  判定  山中大輔
2008.04.05 6回戦  呉 必勝  TKO6R  カルロス・リナレス
2008.04.14  東洋太平洋フライ級
 王座決定12回戦
 大久保雅史  判定  鄭 眞綺
2008.04.14  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 清水智信  判定  吉田健司
2008.04.19  東洋太平洋ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 佐藤幸治  TKO2R終了  バンバン・ルサディ
2008.04.19 8回戦  西岡利晃  TKO3R  ヘスス・ガルシア
10 2008.04.19 8回戦  亀海喜寛  KO3R  モンテ・カルロス
11 2008.04.19 8回戦  中川大資  TKO5R  赤澤慎司
12 2008.04.19 8回戦  五十嵐俊幸  KO6R  アレックス・BS
13 2008.04.20  日本ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 沼田康司  KO4R  湯場忠志
14 2008.04.21 10回戦  上石 剛  TKO1R  牛若丸あきべぇ
15 2008.04.21 10回戦  サーシャ・バクティン  KO7R  本田秀伸
16 2008.04.22  東洋太平洋スーパーウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 日高和彦  KO7R  柴田明雄
17 2008.04.22 10回戦  氏家福太郎  TKO5R  中堀智永
18 2008.04.26  東洋太平洋スーパーミドル級
 暫定王座決定12回戦
 清田祐三  TKO7R終了  ズルフィカル・ジョイ・アリ
19 2008.04.26 10回戦  三谷将之  判定  丹羽賢史
20 2008.04.26 8回戦  古口 学  KO1R  ナロンサク・ウォースラポン
21 2008.04.28 10回戦  高山勝成  KO9R  マーティン・キラキル
22 2008.04.28 10回戦  小松則幸  判定  ユーチ・ウアサンパン
23 2008.04.30 10回戦  細野 悟  TKO6R終了  リカルド・エスピノサ
24 2008.04.30 10回戦  八重樫 東  判定  久田恭裕
25 2008.04.30 10回戦  翁長吾央  KO2R  チャンサックノイ・サクルンルアン
26 2008.04.30 8回戦  岡田誠一  TKO7R  五十嵐 圭

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                        2008年4月2日(水)    後楽園ホール
                      日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン   T   K   O   挑戦者(同級1位)
                ○  石田順裕   6回1分41秒    川崎タツキ  ●
                       (金沢) 154 lbs                     (草加有沢) 154 lbs
                   WBA9位,WBC13位
                      石田順裕=いしだ・のぶひろ


 187cmの長身・石田が初回から左ジャブで川崎をコントロールした。上体の振りがない川崎は序盤からこの左ジャブを受けて苦しい展開となった。石田は鋭い右ストレートで川崎の出バナを叩き,左フックを切り返す小気味の良い攻撃で圧倒する。2回終盤,ワンツーから攻勢を仕掛ける石田。右ストレートをアゴに受けた川崎は腰を落としてピンチを迎えた。
 4回,ようやく左右フックのボディ攻撃で石田を後退させる川崎。この回はポイントを奪ったかに見えたが,終了間際に落とし穴が待っていた。右フックを振って入ろうとしたところに,石田の小さな右ストレートをアゴにカウンターされた川崎は腰から落ちてダウン。
 5回,再び石田の距離になり,左ジャブでコントロールされる川崎。終盤,川崎が動きを止めたところに石田の右アッパー,左フック,右ストレートが容赦なく飛ぶ。右アッパーを受けた川崎はぐらつき,両者の足が交錯したこともあって大きくバランスを崩した。
 6回,鋭いワンツーで川崎の腰が落ちる。よく食い下がるが,右ストレート,左フックで出バナを叩かれる。再びワンツーを浴びた川崎は大きくバランスを崩し,足をもつれさせた。左のフェイントからの右ショートストレートがアゴを捉え,川崎は尻餅をついてダウン。立ち上がった川崎に襲い掛かる石田。右ストレートでぐらついた川崎を浦谷主審が抱きかかえるように救って試合をストップした。

 石田,2度目の防衛に成功。長身から繰り出す鋭い左ジャブ,ワンツーで川崎に付け入る隙を与えない会心のTKO防衛である。川崎が前に出ないと見るとワンツー,左フックでプレッシャーをかけ,出てくると右アッパーやカウンターの右ストレートを浴びせ,幅広い攻撃を見せた。ノーモーションの右ストレート,左を小さくフェイントに使って放つワンツーあるいは右アッパーなど右の使い方も多彩。このクラスでの世界挑戦は容易ではないが,テクニックとスピードがどこまで通じるか期待される。
 健闘空しく悲願の王座に手が届かなかった川崎だが,ひたむきな姿勢とスポーツマンライクな礼儀正しさに好感が持てる。カウンターの標的になるリスクはあっても前に出るしか勝機がなかったが,石田の左ジャブ,ワンツーに出足を封じられたことが痛かった。上体の振りが足りず,石田のシャープなパンチを浴びる結果になった。3・4回に攻勢を見せたが,動きを読まれて決定打が出せなかったことが惜しまれる。

5回までの採点 石田 川崎
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 50 45
副審:館秀男 50 44
副審:山田一公 50 44
参考:MAOMIE 50 45


     ○石田:26戦19勝(7KO)5敗2分
     ●川崎:25戦21勝(16KO)4敗

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎&新田渉世
     実況:黒沢孝司

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                     2008年4月2日(水)    後楽園ホール
                      日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(WBA5位)
                ○  黒木健孝    判 定   三澤照夫  ●
                      (ヤマグチ土浦) 105 lbs            (帝拳) 104 3/4 lbs
                     WBA4位,WBC9位             WBC10位
                   黒木健孝=くろき・やすたか

 初回からサウスポーの黒木が積極的な試合運びを見せた。変則的な動きから体を入れ替えて左ストレートを決める。三澤はバッティングで2回に右目上,3回に左目上をカットした。
 6回,黒木がタイミングの良い左ストレートのカウンターを決めてダウンを奪う。左フックを振ろうとしてアゴのガードが空いたところを突かれた三澤は思わず尻餅をついた。
 後半は黒木のペースダウンがあったが,三澤も力が入って決め手を欠く。
 9回,再び黒木が本来の動きを取り戻した。変則的な動きから左ストレート,フックを先に出して三澤を後手に回す。10回,黒木はさらに左右フックのボディ連打から顔面への左ストレートにつなぐ先手の攻めで押し気味に進めた。三澤も打ち返して激しいパンチの応酬になったが,黒木は先に手を出して三澤をロープに詰める積極的な攻撃で勝利を決定的なものにした。

 昨年5月以来の再戦を制した黒木が2度目の防衛に成功した。サウスポーの変則ファイターで,意表を突く角度から放つ左ストレート,フックを武器としている。目まぐるしく動いてポジションを変えながら,積極的に手を出すボクシングが身上。独特の間合いを持っており,相手にとっては動きが読みにくい。接近すると左右のボディ連打もある。ただし,終盤にややペースダウンが見られたことは反省点である。
 王座返り咲きに失敗した三澤はよく応戦したが,待ってしまう悪い癖が出た。黒木の早い仕掛けで後手に回ったことが敗因。前半からもっとボディを攻めて黒木の動きを封じる必要があった。

採点結果 黒木 三澤
主審:山田一公 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 98 93
副審:葛城明彦 97 94
副審:島川威 98 93
参考:MAOMIE 96 94


     ○黒木:20戦17勝(12KO)3敗
     ●三澤:26戦18勝(7KO)4敗4分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎&新田渉世
     実況:黒沢孝司

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                       2008年4月5日(土)    JCBホール
                   東洋太平洋&日本フェザー級タイトルマッチ12回戦
               東洋太平洋フェザー級チャンピオン         日本フェザー級チャンピオン
               ×   榎 洋之       引き分け     粟生隆寛   ×
                     (角海老宝石) 126 lbs                     (帝拳) 126 lbs
                        WBA2位,WBC9位                  WBA4位,WBC11位

 取りこぼしが許されない重要な一戦とあって,ともに慎重な立ち上がりを見せた。榎の強打を警戒して左に右にと動きながら右ジャブを突く粟生。さらにワンツーを浴びせてやや優位の序盤戦となった。榎はカウンターを警戒して音なしの構え。
 5回,榎がプレッシャーが強める。左ジャブ,ストレートを多用して距離を詰める榎。こうなると粟生は前に出られない。6回,榎はクリンチからの離れ際に右から左のアッパーをボディに集め,すかさずアゴに右フックを見舞う。しかし,接近戦で榎の右アッパーがベルトラインを割る。粟生はたまらずキャンバスにうずくまって悶絶し,試合は一時中断した。
 7回,榎の左ジャブが冴えるが,粟生は足を使ってプレッシャーをかわし,左ストレートをヒット。終了間際,粟生の右ジャブが続けて出る。
 粟生の見せ場は9回。接近戦で放った左アッパーがアゴに決まると,一瞬動きが止まった榎は後退を余儀なくされた。粟生の右ジャブ,ワンツーが飛ぶ。榎も左ジャブを返し,ようやく両者の手数が多くなった。
 12回,ポイントで不利と見た榎が追い上げに出る。左右アッパーのボディブローから右ストレートを決め,さらに左ジャブを多用して押す榎。しかし,両者ともに決定打を欠いたまま終了ゴングを聞いた。

 WBA世界フェザー級挑戦者決定戦と銘打たれた試合だが,盛り上がりに欠ける内容に終わった。それぞれのタイトルを賭けてグラブを交え,両者ともに3度目の防衛に成功という結末となった。
 榎は武器の左ジャブ,ストレートこそよく出ていたが,粟生のカウンターに対する意識が過剰で後続打が出なかったことが苦戦の原因。キャリアでは大きく上回っているだけに,序盤から積極的に出て若い粟生を慌てさせる必要があった。左ジャブに続く右ストレート,ボディへの左右アッパーで粟生の動きを止めたかったところだが,それができなかったのはなぜだろうか。世界挑戦を切望して満を持して臨んだ試合のはずだが,世界獲りに向けた執念のようなものが伝わらなかったことは非常に残念である。世界を狙うためには手数の少なさは致命的。意識して手数を増やすことが必要だろう。
 どちらが本来の持ち味に近いものを出したかという点については,粟生に軍配が上がるだろう。スピードのある右ジャブを多用し,ワンツーで榎の出足を封じて一応の見せ場は作った。しかし,その粟生にしても世界という視点からは心もとない。慎重な試合運びに終始し,こちらも心に響くものがなかった。負ければ先がない榎に比べて,若い粟生は負けてもやり直しが利く。失敗を恐れず果敢に攻め込む勇気を見せて欲しかった。

採点結果 粟生
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:山田一公 114 114
副審:ウクリッド・サラサス 115 115
副審:島川威 114 114
参考:MAOMIE 115 116


     ×榎:29戦27勝(19KO)2分
     ×粟生:17戦16勝(8KO)1分

     放送:BS日テレ&G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:田中毅

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                       2008年4月5日(土)    JCBホール
                     日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(WBA11位)
               ○   下田昭文    判 定   山中大輔   ●
                       (帝拳) 122 lbs             (白井具志堅) 121 1/2 lbs
                         WBA8位,WBC4位

 開始早々から下田が小刻みに右ジャブを突きながらプレッシャーをかける。自信満々の表情で左ストレートからボディに左アッパーを放つ下田。山中は下田の左カウンターを警戒して足を使いながら右ストレートから左フックを返すが,下田のプレッシャーに早くも下がらされている印象。
 2回,下田が鮮やかなダウンを奪って一気に主導権を握る。左フックを振ろうとしてガラ空きになった山中のアゴに踏み込んで放った下田の左ストレートが飛ぶ。山中はこのパンチで腰から落ち,仰向けにキャンバスに倒れた。再開後攻勢を仕掛ける下田だが,逆に山中の右フックを受けてバランスを崩す場面を見せた。
 4回,クリンチからの離れ際に山中が気を弛めた隙を突き,ロープに詰めて一気に連打をまとめるうまさを見せる下田。
 5回,下田はブレイク後に左フックを浴びせて減点1を食う。これにエキサイトした山中がパンチを返して険悪なムードが漂った。山中はバッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受ける。
 7回,下田はワンツー,左右フックで山中をコーナーに詰めて攻勢に出る。頭が当たったとアピールする山中だが,下田の右フックでぐらつきますます苦しくなる。
 8回,下田の左右フックのボディ連打から右フックをヒット。右目上の傷により再びドクターチェックを受けた山中は効いているが,よく動いて打ち返して気が強いところを見せた。
 9回,下田のワンツーからの右フックがヒット。山中は足を踏ん張って左右フックで応戦するが,疲労が激しい。
 10回,左フックのクリーンヒットから左右フックのボディ連打で山中を追い込む下田。右目が塞がって敗色濃厚の山中は歯を食いしばって耐えるが,ボディに打ち込まれた左アッパーが効いてロープに後退し,下田の攻勢に晒される。グロッギー気味の山中は辛うじて終了ゴングを聞いた。

 下田が前王者・山中を返り討ちして3度目の防衛に成功した。両者の間にはパンチのスピード,正確さで大きな開きがあり,妥当な結果と言える。左ストレートの切れに加え,返しの右フックあるいはボディ攻撃も有効だった。多彩な攻撃でも大きく上回っていたと言える。終盤にグロッギー気味だった山中に対して,KOを狙い過ぎて詰めを欠いたことは今後の課題だろう。
 山中は気の強さを見せたが,カウンターを警戒して自分から仕掛けられなかったことが敗因。豊富な練習量を裏付けるようによく食い下がったが,攻撃のときに上体が前にのめってしまい,そこを狙い打ちされていた。終盤はダメージと疲労で目いっぱいの状態だったが,最後まで耐え抜いた根性は立派である。

採点結果 下田 山中
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:土屋末広 98 91
副審:山田一公 99 90
副審:浦谷信彰 97 92
参考:MAOMIE 99 90


     ○下田:19戦18勝(8KO)1敗
     ●山中:25戦21勝(14KO)4敗

     放送:BS日テレ&G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:高橋雄一

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                        2008年4月5日(土)    JCBホール
                                6回戦
                  韓国S・ウェルター級3位   T  K O   ベネズエラ ミドル級(ノーランク)
               ○   呉 必勝       6回27秒     カルロス・リナレス   ●
                      (韓国) 158 1/4 lbs                      (帝拳) 157 1/2 lbs

 開始早々,豪快な右ストレートから左右アッパーでボディを叩いて呉を圧倒するリナレス。しかし,初回終盤になると早くもスピードが鈍り,鈍重な呉の前進を持て余すようになった。
 4回に入るとリナレスは明らかにスタミナ切れの様相を呈した。呉がベタ足で前に出ながらアゴへの右フックから左右フックのボディ攻撃で迫る。急激に動きが鈍くなったリナレスは右ストレートでロープに後退。
 5回,リナレスは完全にスローダウン。執拗に前に出てスピードのない左右フックを浴びせる呉に,リナレスはロープを背にする場面が続く。コーナーに詰まって右ストレートで大きくのけぞるリナレス。呼吸が苦しいのか口が開き,フラフラになりながらゴングに救われた。
 6回,呉の攻勢に足元をふらつかせながらロープ伝いに後退するリナレス。ロープを背にして守勢一方となったところでサラサス主審が試合をストップした。

 世界王者ホルヘ・リナレスの実弟として注目を浴びているリナレスだが,格下と見られていた呉によもやのTKO負けを喫した。開始早々は呉を圧倒したものの,スタミナ切れでジリ貧に陥って最後は自滅した形となり,不甲斐なさばかりが目立った。同じ敗戦にしても,負け方があまりにも悪過ぎる。慢心からか練習不足,特に走り込み不足が目立った。相当な心掛けの入れ替えをしない限り,前途はないと言わざるを得ない。
 呉は左右フックを武器とする右ファイタータイプ。ベタ足で動きは鈍重だが,粘り強く上下に連打して前に出るボクシングが特徴。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:島川威&ほか2名は不明
     ○呉:10戦5勝(4KO)5敗     ●リナレス:3戦2勝(2KO)1敗
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

※ 第1・4・5・6ラウンドのみを放送。

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                       2008年4月14日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋フライ級王座決定12回戦
                   東洋太平洋フライ級8位        東洋太平洋フライ級4位
                ○   大久保雅史    判 定     鄭 眞綺   ●
                          (青木) 112 lbs                 (韓国) 111 3/4 lbs

 頭を低くして前に出る鄭を大久保が迎え撃つ展開。大久保はボディに左フック,アッパーを打ち込む。3回にはボディ攻撃を嫌ってやや逃げ腰になる鄭。終盤,大久保はボディからアゴに左アッパーを突き上げてリードを奪った。
 中盤はともに手数は多いものの,非力なパンチの応酬で盛り上がらぬままに進んだ。5回,大久保は左右のボディ攻撃から右アッパーをヒット。
 しかし,打ち疲れのためか7回に入ると大久保の動きが鈍くなった。大久保はバッティングで左目上をカット。
 8・9回,大久保は左右フックで前に出るが,鄭はロープを背にしながら執拗に右アッパーを突き上げた。このパンチで大久保がのけぞる場面が見られた。
 終盤はともに打ち疲れが出て動きが鈍った。大久保は疲労が激しいが,体ごと何とか前に出る。10回終了間際には大きな左右のパンチで猛然とラッシュするが,正確さに欠けた。
 12回,フラフラになり再三ホール内の時計を気にする大久保。体を預けるようにして前に出る。ゴング10秒前の拍子木と同時に最後の力を振り絞って左フック,右ストレートで鄭をコーナーに押し込んだところで終了ゴングを聞いた。

 前王者・長縄正春(岐阜ヨコゼキ)が網膜剥離で突然の引退に追い込まれて空位となった王座を争う一戦。しかし,両者ともにタイトルを賭けて12ラウンドを戦い抜くだけの力が備わっておらず,王座決定戦にしては極めて低レベルの凡戦に終わった。
 当初は挑戦者として長縄に挑むはずだった大久保は大木重良以来37年ぶりにベルトを青木ジムにもたらした。右ストレート,左右フックを武器とする右ファイタータイプ。ボディへの連打を中心に手数で上回ったが,ナックルが返っておらず,非力という印象は拭えない。中盤以降はスタミナ切れの様相も呈し,相手に体を預けるようにして放つ連打で何とか勝利を手にした。過去に一度しか8回戦をフルに戦った経験がないので,まずは12ラウンドを戦い抜くだけのスタミナを養成することが急務である。
 代役出場となった鄭は18歳の若い右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,左右フックあるいは接近戦で突き上げる右アッパーを得意としている。

採点結果 大久保
主審:ブラッド・ボカレ(豪州) 118 111
副審:パク・ナムチュル(韓国) 116 112
副審:ウクリッド・サラサス 117 112
参考:MAOMIE 116 113

     ○大久保:15戦13勝(4KO)2敗
     ●鄭:9戦5勝(0KO)4敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                    2008年4月14日(月)    後楽園ホール
                      日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)          チャンピオン
                ○  清水智信     判 定   吉田健司  ●
                       (金子) 112 lbs                 (笹崎) 112 lbs
                                          WBA3位

 序盤からラフファイトの様相を呈した。飛び込んで行く吉田だが,パンチにならずそのまま組みついてしまう場面が続いた。バッティングのために試合が再三中断し,一向に盛り上がらないまま進んだ。
 4回,吉田はヘディングで減点1を課せられた。突き放したい清水は左ジャブ,ワンツーが出ず,吉田の突進を許し続けた。
 5回,ようやく清水が左ジャブを出して右ストレートをヒットするが,これも長くは続かない。吉田は頭から突っ込み,後ろに回ってパンチを振るなどの反則行為に出た。
 清水は頭から突っ込む吉田のラフファイトに手を焼き,一発打ってはくっついてしまう揉み合いに付き合ってしまう。試合はクリーンヒットらしきものがなく,全く盛り上がらないままに終わった。

 タイトルマッチとしては内容の乏しい凡戦。一発打っては揉み合う展開に終始し,噛み合わないままいたずらに時間だけが過ぎた印象が強い。
 清水が初のタイトル獲得を果たした。オーソドックスな右ボクサータイプでワンツーを武器としている。しかし,今夜は吉田のラフファイトに巻き込まれて持ち味を出せなかった。パンチを出さずに真っ直ぐ下がってしまってはラフな吉田に突っ込まれるのは当然。サイドにかわして右ストレート,アッパーをカウンターするなどの手はあったはず。この辺りがキャリアの乏しさだろう。
 吉田は3度目の防衛に失敗。右ファイタータイプで変則的なラフファイトを得意としている。得意の展開に持ち込んで清水を苦しめたという意味では一応の持ち味を出したと言えるが,頭から突っ込む,背後から打つなどの反則行為が目立った。チャンピオンとしての品位や世界3位の肩書を疑われても仕方のない試合内容である。

採点結果 清水 吉田
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:葛城明彦 98 93
副審:吉田和敏 97 95
副審:熊崎広大 98 95
参考:MAOMIE 96 95


     ○清水:15戦13勝(5KO)2敗
     ●吉田:20戦13勝(5KO)7敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:西岡孝洋

※ 第4ラウンドのヘディングによる吉田の減点1を含む採点。

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                       2008年4月19日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   T K O   挑戦者(同級5位)
                ○  佐藤幸治   2回終了   バンバン・ルサディ  ●
                       (帝拳) 160 lbs                (インドネシア) 158 lbs
                                               インドネシア ミドル級チャンピオン

 初回,ルサディがいきなり左右フックから左アッパーを突き上げて攻勢に出る。佐藤は慌てずに右フックでボディを叩き,怯んだところに左アッパー,右ストレートをまとめた。左フックで足がもつれたところに左右フックを浴びせれば,ルサディはたまらずダウン。佐藤の猛追にグロッギーのルサディは辛うじてゴングに救われた。
 2回,再び佐藤の強打が火を噴く。左右フックを強振するルサディだが,テンプルに左フックを打ちこまれて足がもつれ,呆気なくダウン。立ち上がったルサディは何事か唸りながらパンチを振って前に出るが,佐藤はここでも右フックでボディを叩き,左アッパー,右ストレートを浴びせる。
 やっとの思いでゴングに救われたルサディだが,早くも両目が腫れ上がる。結局2回終了後のインターバル中に棄権を申し入れた。

 佐藤,圧巻のパワーを見せつけて堂々たる3度目の防衛である。試合後のインタビューでも大人のコメントが目立ち,安定王者の風格が漂っている。立ち上がりこそルサディの突進に戸惑ったが,慌てずに対処していた。右フックのボディ打ちで怯んだところに左アッパー,右ストレートを集中する得意の攻撃パターンは健在。いつもにくらべると左ジャブ,ストレートが出なかったが,これがあればルサディの突進を許さずに済んだはず。まともに打ち合って相手に付き合った面もある。上位と手合せするためには,左で距離を保ちながら強打を見舞うボクシングに徹することがポイントになるだろう。
 ルサディは右ファイタータイプ。ベタ足で前に出て左右フック,左アッパーをどんどん打つ試合運びが特徴。最後は佐藤のパワーでねじ伏せられたが,ファイティングスピリットも大したもの。

     主審:アネック・ホントンカム(タイ),副審:マフムッド・ジュヌス(インドネシア)&浦谷信彰
     ○佐藤:12戦12勝(11KO)     ●ルサディ:13戦9勝(6KO)4敗
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:寺島淳司

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                         2008年4月19日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  WBC世界S・バンタム級3位   T  K O   メキシコ S・バンタム級(ノーランク)
                ○   西岡利晃       3回43秒      ヘスス・ガルシア   ●
                        (帝拳) 124 lbs                           (メキシコ) 121 lbs
                       WBA6位

 余裕を持ってじりじりと距離を詰める西岡。左ストレートをボディに見舞い,さらにコーナーに詰めて左ストレートをヒットして早くも主導権を握った。
 2回,ガルシアの右ストレートは届かない。右ストレートを打とうとしたところに右フックを合わされて大きくバランスを崩すガルシア。
 3回,西岡が圧巻のワンパンチフィニッシュで魅せた。左ストレートを上下に飛ばしてプレッシャーを強めた西岡は,ガルシアの左足の外側に軽くシフトして左ストレートを一閃。踏み込みもタイミングも抜群の一撃をまともに受けたガルシアはもんどり打って背中からキャンバスに落ちる。土屋主審は躊躇わずにノーカウントで試合をストップした。

 度肝を抜くフィニッシュはポジションをシフトして放った技ありの一発だった。力みがなく,スムーズに左ストレートを上下に打ち分けていた点が光る。かつてのスピードは失せた西岡だが,逆に円熟味が増している。5度目の世界挑戦に向けて機は熟したというところだろう。
 ガルシアは右ファイタータイプで右ストレートを得意としている。しかし,カウンターを警戒するあまりに距離を取り過ぎ,パンチが届かない場面が目立った。

     主審:土屋末広,副審:ビニー・マーチン&熊崎広大&山田一公
     ○西岡:38戦31勝(19KO)4敗3分     ●ガルシア:32戦18勝(9KO)11敗3分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:鈴木健

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                       2008年4月19日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本S・ライト級4位   K      O   インドネシア ライト級4位
                ○  亀海喜寛     3回2分25秒    モンテ・カルロス  ●
                       (帝拳) 141 lbs                       (インドネシア) 139 3/4 lbs

 オープニングは亀海が放った右フックのボディブロー。不敵な笑みを浮かべるカルロスをコーナーに詰め,右ストレート,ボディへの左アッパーでプレッシャーを強める。
 2回,亀海はなかなか前に出て来ないカルロスをコーナーに詰めて攻め立てる。ロープを背負ったカルロスは左アッパーを顔面に受けて大きくのけぞった。
 3回,ガードを固めながら打って出るカルロスを左アッパーのボディブローで崩しにかかる亀海。ボディを打たれて怯むカルロス。一転して打ち合いを挑むが,亀海の左フックがアゴをかすめる。このパンチで腰が砕けたカルロスに一気に襲い掛かる亀海。最後は左ストレートがアゴにヒットしてカルロスは腰から崩れるようにダウン。マウスピースを吐き出したカルロスは半ば戦意喪失の表情でカウントアウトされた。

 新進気鋭の亀海が圧勝で無傷の8連勝を飾った。パンチの切れ,スピードは十分で攻撃力は群を抜いている。ランキングも4位まで上がり,安定王者・木村登勇(横浜光)への挑戦も楽しみな位置まで到達した。なかなか出て来ないカルロスを引っ張り出すのに手を焼いた面はあるが,ボディ攻撃から突破口を開いた。KOを意識すると手数が減る。今夜のように上下に散らしてチャンスを作れるのは強味のひとつになるだろう。
 カルロスは左右フックの連打を武器とする右ファイタータイプ。スピードはないが,果敢に打ち合いを挑む。ガードを固めてなかなか前に出て来ないので,相手にとってはやりにくい。

     主審:杉山利夫,副審:熊崎広大&土屋末広&浦谷信彰
     ○亀海:8戦8勝(7KO)     ●カルロス:21戦11勝(3KO)8敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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                       2008年4月19日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本S・ウェルター級7位    T   K   O   日本ウェルター級(ノーランク)
               ○   中川大資      5回2分47秒     赤澤慎司   ●
                      (帝拳) 146 3/4 lbs                        (神拳阪神) 147 lbs

 中川がワンツー,左アッパーのボディブローで攻めれば,赤澤も出バナに左フックを合わせる。2回,赤澤は思い切った左右フックで中川をロープに追い込むが,中川は左右のストレートで出バナを叩く。中川の右ストレートが再三ヒット。
 3回,ガードが下がり気味の中川に対して,一発狙いの赤澤は危ないタイミングで左フックをかませようとする。
 4回,打ち合いになった。右ストレートの打ち終わりに左アッパーを返そうとしてガラ空きになったアゴに左フックを食った中川はストンと腰から落ちてダウン。しかし,立ち上がった中川は逆にワンツー,左右フックで赤澤をロープに追って反撃に転じた。
 5回,スタミナ切れでガクンと動きが鈍る赤澤。右ストレートを直撃されてロープを背に大きくのけぞる。何とかパンチを振って応戦する赤澤だが,もはや手足の動きはバラバラ。激しく攻め立てる中川のワンツーで力なくロープに後退したところでマーチン主審が試合をストップした。

 ランカーとして初のリングとなった中川。183cmの長身から繰り出すワンツーを武器とする右ボクサータイプ。しかし,ガードが下がって不用意な被弾が目立ち,危うさが付き纏う。4回に奪われたダウンもその弱点を突かれたもの。ここから上を目指すには,まずディフェンスの強化が最重要課題になる。
 赤澤は強引な左右フックで打ち合いを仕掛ける右ファイタータイプ。しかし,スタミナ不足は致命的。

     主審:ビニー・マーチン,副審:山田一公&土屋末広&杉山利夫
     ○中川:14戦11勝(8KO)2敗1分     ●赤澤:17戦11勝(6KO)6敗
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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                        2008年4月19日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                     日本フライ級5位    K      O   インドネシア フライ級9位
                ○   五十嵐俊幸   6回1分30秒     アレックス・BS   ●
                          (帝拳) 112 lbs                     (インドネシア) 111 lbs

 五十嵐が初回からスピードに乗った左ストレート,ボディへの右フックを見せる。元来がライトフライ級の選手というアレックスは,五十嵐と向かい合うとやはりひと回りもふた回りも小柄に見える。
 2回以降も五十嵐の独り舞台が続いた。上下へのコンビネーションブローでアレックスを圧倒する。
 6回,手数で押す五十嵐。左右のボディ攻撃から右フックのボディブローを受けたアレックスは呆気なくダウン。五十嵐が右フックのボディ打ちからテンプルに同じパンチをフォローすれば,2度目のダウン。最後はワンツー,右フックの連打で3度目のダウンとなった。

 アテネ五輪代表の経歴を引っ下げてデビューした五十嵐が1ドローを挟んで6連勝を飾った。サウスポースタイルから放つスピーディなワンツー,右フックを浴びせて危なげのない勝利である。上下にパンチを散らしてはいるが,一本調子の攻撃にならないようにすることが大事。ここまでは順調に成長しており,当面の目標と見られる日本タイトル獲得に向けて期待がかかる。
 アレックスは右ボクサーファイター。右ストレート,左フックを得意としている。

     主審:熊崎広大,副審:浦谷信彰&土屋末広&ビニー・マーチン
     ○五十嵐:7戦6勝(5KO)1分     ●アレックス:13戦6勝(2KO)3敗4分
     放送:G+     解説:なし     実況:上重聡

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                        2008年4月20日(日)    宮崎県体育館
                         日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)   K      O     チャンピオン
                ○  沼田康司      4回2分13秒    湯場忠志  ●
                       (トクホン真闘) 147 lbs                    (都城レオ) 146 3/4 lbs
                                                WBA14位

 グラブで顔面をカバーして上体を振りながら前に出てチャンスを窺う沼田。それを迎え撃つ湯場は距離を取りながら,沼田の出バナに左ストレートを伸ばす展開。
 2回,沼田の右ストレートがヒットするが,湯場も負けじと左ストレートを顔面に,ボディに左アッパーを放つ。
 3回,沼田はサウスポーの湯場に左フックを引っ掛けて追う。湯場は相変わらず出バナに左ストレートを浴びせる。
 そして4回,衝撃的な結末が待っていた。ノーモーションから鋭い左ストレートを浴びせる湯場。沼田は構わずフェイントをかけながら距離を詰めて強打を見舞う隙を窺う。1分30秒を回ったところで沼田の一発が火を噴いた。湯場の左ストレートをスウェイバックでかわしてすかさず返した右ストレート。この絶妙なカウンターがアゴに決まり,湯場はストンと腰からキャンバスに落ちた。これは続行となったが,沼田の詰めは鋭く,右アッパー,フックで猛追。これを避けるようにニュートラルコーナーに下がった湯場のアゴに右から左のフックが炸裂する。コーナー下にドッと崩れ落ちた湯場は深々と沈んでカウントアウト。ダメージは深刻で,湯場は担架で運び出された。

 初挑戦の沼田が圧倒的不利の予想を覆す見事なKOで王座を奪取した。序盤は左ストレートで出バナを叩かれたが,フェイントをかけながらチャンスを窺う作戦が実を結んだ。右ファイタータイプで左フック,右ストレートに一発があり,チャンスには連打も出る。勝負強さには定評がある。
 湯場は相変わらずの打たれ脆さ,不安定感を露呈した。リーチを生かした左ストレート,アッパーを浴びせてリードしていたが,ガードの甘さはやはり致命的。これからさらに上を狙おうとした矢先の痛恨のKO負けになってしまった。今後の去就が注目される。

     主審:桑田和昌,副審:3名ともに不明
     ○沼田:17戦14勝(9KO)2敗1分     ●湯場:39戦32勝(23KO)5敗2分
     放送:テレビ東京     解説:なし     実況:赤平大

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                        2008年4月21日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                  日本ウェルター級5位    T   K  O   日本ウェルター級2位
                ○  上石 剛      1回2分41秒   牛若丸あきべぇ  ●
                    (コーエイ工業小田原) 146 1/2 lbs                 (協栄) 146 3/4 lbs

 同じサウスポーの強打自慢同士とあって,開始直後から火を噴くような打ち合いが展開された。左ストレート,右フックの応酬になったが,あきべぇが手数でやや押し気味に進める。しかし,1分47秒を回ったところで狙いすましたような上石の左ストレートがアゴに炸裂。勢い込んでいたあきべぇはこの一撃でガクンと体を揺らして大ピンチに陥る。朦朧として棒立ちのあきべぇは必死に抱きついて窮地を脱しようとするが,上石はそれを許さず,エンジン全開の猛攻に転じた。嵐のような左ストレート,左右フックにロープに詰まって防戦一方のあきべぇ。最後は左ストレートを打ちこまれて力なくロープ際に崩れ落ちたところで浦谷主審が割って入った。

 短い試合だったが,壮絶な打撃戦でボクシングの醍醐味を凝縮したようなファイトだった。
 あきべぇはこれで2連敗。右フック,左ストレートの強打と向こう気の強さは相変わらずだが,以前から指摘されていたガードの甘さを突かれた。ここまで圧倒的なパワーで倒して勝ち続けてきただけに,大きな挫折を経験する結果となった。肉体的なダメージに加えて精神的な迷いもあると思われるので,少し長い休養が必要だろう。集客力のある貴重なタレントであることには変わりないので,十分な充電を経て捲土重来を期して欲しい。
 予想を覆して見事な勝ちっぷりを披露した上石はサウスポーのファイタータイプ。チャンスを掴んだ左ストレートはタイミング抜群のカウンターだった。一発の威力に加えて,チャンスのときの怒涛のようなラッシュも見事。何よりもあきべぇの強打を恐れずに向かっていったことが勝因。この試合はあきべぇの至らなさを責めるよりも,上石の勇気を讃えるべきだろう。

     主審:浦谷信彰,副審:吉田和敏&山田一公&館秀男
     ○上石:18戦9勝(7KO)6敗3分     ●あきべぇ:18戦16勝(15KO)2敗
     放送:TBS     解説:佐藤修&坂田健史     実況:伊藤隆佑

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                           2008年4月21日(月)    後楽園ホール
                                  10回戦
                   WBA世界バンタム級4位   K      O   日本S・フライ級1位
               ○   サーシャ・バクティン    7回1分13秒    本田秀伸   ●
                        (協栄) 117 3/4 lbs                       (グリーンツダ) 118 lbs

 序盤からサーシャが鋭いパンチを上下に散らして本田を圧倒した。3回,サーシャの右ストレートで本田の腰が落ちる。右フックのボディブローから攻勢に出るサーシャ。本田をコーナーに釘付けにして連打を浴びせる。本田はコーナーマットを背に頭を低くしてこの攻撃を避けた。
 4回,本田は右ジャブからワンツーを伸ばして立て直そうとするが,矢のようなサーシャの左ジャブ,ボディへの右ストレートに苦しい展開が続いた。
 5・6回は何とか渡り合った本田だが,7回に捕まった。サーシャがワンツー,右ストレートのボディブローでプレッシャーをかける。ディフェンスに定評がある本田の左目上が珍しく腫れ上がる。ロープを背負った本田のアゴに右から左の”逆ワンツー”が飛ぶ。このパンチで本田はロープ際で腰から落ちてダウン。染谷主審のカウント途中にタオルが投入され,サーシャのKO勝ちとなった。

 軽量級屈指の好カードだったが,サーシャの圧勝で終わった。
 サーシャは長いリーチから繰り出す矢のような左ジャブを主武器とする右ボクサータイプ。以前は左一本槍だったが,最近は右のパンチも多彩になった。今夜は右ストレートを上下に打ち分けて攻撃の幅が広がったところをアピールした。ときおり見せてフィニッシュブローにもなったが,右から左という逆ワンツーは意表を突くコンビネーションで大きな武器のひとつになっている。
 本田は国内屈指のテクニシャンとして知られるサウスポーだが,今夜はサーシャのスピード,伸びのあるパンチを浴びて完敗となった。右に回ってサーシャの攻撃をかわして右フック,左ストレートのカウンターでポイントを稼げれば面白かったが,ロープに詰められて連打を浴びてしまった。

     主審:染谷路朗,副審:中村勝彦&ほか2名は不明
     ○サーシャ:19戦19勝(8KO)     ●本田:35戦29勝(14KO)6敗
     放送:TBS     解説:佐藤修&坂田健史     実況:土井敏之

※ 第3・4・5・6・7ラウンドのみを放送。

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                         2008年4月22日(火)    後楽園ホール
                     東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン   K      O   挑戦者(同級9位)
                ○   日高和彦   7回2分41秒    柴田明雄  ●
                      (新日本木村) 153 lbs                  (ワタナベ) 154 lbs

 左の王者,右の挑戦者という対照的な顔合わせとなった。初回,左右のストレートで先制して先に主導権を握ったのは柴田。前に出させてはまずいと見た日高は逆に前に出てプレッシャーをかける。
 2回,日高の出バナに右アッパー,ストレートを放って優位に立つ柴田。終盤には右アッパーをヒットした柴田がここから猛然と攻勢に出る。日高をロープに詰めて思い切った攻撃を展開する柴田。3回にも右ストレートでのけぞるなど,日高は思い切った柴田の攻撃に苦しんだ。日高も終盤に反撃を見せたが,ここまでは完全に柴田のペースで進んだ。
 4回,日高がようやく挽回した。右ストレートに手を焼きながらも,踏み込んで打った左ストレートでダウンを奪う日高。再開後にサウスポーの日高が放った右ストレートでよろよろと腰が砕け,柴田のピンチが続く。
 5回,柴田が左右に動きながら右ストレートを多用して再び日高を翻弄する。日高をロープに詰めて攻勢に出る柴田。
 6回,後手に回った日高がようやく自分からプレッシャーをかける。日高は右ジャブ,フックを出しながらどんどん前に出て流れを引き寄せた。
 7回,日高が前に出る。柴田も本来の距離を保って右ストレートを飛ばして出バナを叩きにかかるが,不用意に前に出た瞬間,日高の左フックがアゴに炸裂。この一発で腰を落とした柴田は大きくロープ際まで飛んでダウン。立ち上がったが,そのままカウントアウトされた。

 柴田の積極的な攻撃に苦しんだ日高だが,左一発で苦戦を清算して初防衛に成功した。後手に回って柴田に先に攻めさせたことが苦戦の原因。初回の終盤と6回に見せたように自分から前に出て右ジャブ,フックを出していれば楽な展開になっていたはず。
 初挑戦の柴田は長身の右ボクサータイプ。足を使って動きながら距離を取って右ストレート,アッパー,左フックを見舞う試合運びが特徴。低いガードからタイミング良く放つストレート系のパンチを軸に思い切った攻撃を見せる。試合度胸の良さが長所だが,今夜は低いガードが致命傷になってしまった。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&安部和夫
     ○日高:32戦27勝(19KO)5敗     ●柴田:15戦9勝(5KO)5敗1分
     放送:G+     解説:飯田覚士&葛西裕一     実況:中野謙吾

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                        2008年4月22日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                     日本ミドル級5位   T   K  O  日本ミドル級8位
                ○   氏家福太郎   5回2分40秒   中堀智永  ●
                        (新日本木村) 160 lbs                   (本多) 158 lbs
                                          中堀智永=なかほり・ともひさ

 初回から手数で上回ったのは中堀。左右フックでロープに詰めて早くも攻勢に出る。氏家はガードを固めてチャンスを窺う。
 3回,ようやく氏家が強打の片鱗を見せた。左右フックをボディに連打する中堀に対し,氏家は右フックでぐらつかせる。中堀はなおも左右フックの連打で攻めるが,氏家は中堀の出方をよく見て右フックを狙い打ち。
 氏家の強打が火を噴いたのは5回。接近戦での打ち合いが続くが,2分過ぎ,氏家が左ジャブから間を置かずに打ち込んだ右フックがアゴに決まる。この一撃で中堀はたまらず仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったものの,氏家の攻勢に晒された中堀はロープからコーナーに後退して防戦一方。ここでサラサス主審が試合をストップした。

 中堀の1勝1分で迎えたラバーマッチ。氏家が鮮やかなTKOで宿敵を破り,1勝1敗1分のタイに持ち込んだ。立ち上がりは中堀の積極的な攻撃を許したが,ガードを固めてチャンスを窺う作戦が奏功した。ダウンを奪った右フックは左ジャブからすかさず打ち込んだパンチで,絶妙のタイミング。この強打が氏家の持ち味である。一度は失敗した日本タイトル挑戦であるが,チャンスは十分にある。後手に回らぬようにすることが課題。右ストレート,フックでしばしばワンパンチKOを見せる右ファイタータイプ。いつも変わらぬフェアな試合態度に好感が持てる。
 中堀は左右フックを武器とする右ファイタータイプで手数の多さが特徴。今夜も旺盛な手数で氏家を苦しめたが,一瞬の隙を突かれて強打を浴びる結果となった。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:福地勇治&安部和夫&浅尾和信
     ○氏家:19戦12勝(7KO)6敗1分     ●中堀:20戦14勝(6KO)5敗1分
     放送:G+     解説:飯田覚士&葛西裕一     実況:上重聡

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                        2008年4月26日(土)    後楽園ホール
                    東洋太平洋スーパーミドル級暫定王座決定12回戦
                   日本ミドル級4位   T K O   東洋太平洋S・ミドル級7位
               ○   清田祐三    7回終了    ズルフィカル・ジョイ・アリ   ●
                      (フラッシュ赤羽) 168 lbs                 (フィジー) 163 3/4 lbs

 左のアリ,右の清田の対戦。ともにジャブを突きながら相手の出方を窺う慎重な立ち上がりとなった。
 アリの左ストレートを警戒して手数が出なかった清田だが,4回に入ってようやく積極的な攻撃を見せた。接近して左右フックをボディに連打する清田。アリはこの攻撃にブロッキングで対応しようとするが,清田は構わず打ち続けた。
 6回,清田はアリをロープに押し込んで左右フック,アッパーの連打をボディから顔面に浴びせる。アリもロープに釘付けになりながらも,ときおり右アッパーを突き上げてしたたかなところを見せた。
 7回,清田の左右フックにクリンチ,ホールドが多くなるアリ。盛り上がりに欠ける展開になったが,この回終了後のインターバル中にアリが左拳の不調によって棄権を申し入れたために清田のTKO勝ちとなった。

 正規王者ウェイン・パーカー・ジュニア(豪州)の右拳の負傷で急遽暫定王座決定戦に変更された試合。王者の代役でリングに上がったアリまでもが左拳を負傷して棄権してしまうという皮肉な結果となった。
 清田は破壊力がある左右フックを得意とする右ファイタータイプ。恵まれた体格を生かして打ち合いに持ち込む試合運びが特徴。序盤はアリの左ストレートのカウンターに戸惑ったが,4回からは積極的な攻撃でポイントを上げた。
 アリはサウスポーのボクサータイプ。左ストレートのカウンターや右フックを得意としている。リーチがあって懐が深いのが特徴。

6回までの採点 清田 アリ
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) 69 64
副審:福地勇治 68 66
副審:ガス・メルキュリオ(豪州) 68 65
参考:MAOMIE 68 67

     ○清田:18戦15勝(13KO)2敗1分
     ●アリ:40戦26勝(22KO)7敗6分1無効試合

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:黒沢孝司

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                       2008年4月26日(土)    後楽園ホール
                             10回戦
                    日本バンタム級4位       日本バンタム級(ノーランク)
                 ○   三谷将之   判 定    丹羽賢史  ●
                         (高砂) 122 lbs             (グリーンツダ) 122 lbs

 初回に早くも波乱が起きた。三谷は左ジャブに続く右ストレート,ボディからアゴに左フック,アッパーを放つ軽快なボクシングを見せる。しかし,丹羽が放った左から右のきれいなワンツーストレートがアゴに決まり.三谷は呆気なく腰から落ちて不覚のダウンを喫した。
 2・3回も丹羽のペースで進む。三谷は左ジャブ,ワンツーで立て直しにかかるが,丹羽のワンツーでアゴが上がる場面が見られた。丹羽の右ストレートが良く伸び,三谷の鼻から出血を見た。
 三谷のシャープさが戻ったのは4回以降だった。軽快に動きながら左ジャブ,ワンツーさらに左アッパーとつなぐ流れるようなコンビネーションブローで挽回する。丹羽はグラブで顔面をカバーしながら前に出るが,三谷のワンツーがガードを割ってヒットした。
 8回,丹羽は前に出るが,疲れが出てやや動きが鈍い。三谷は動いてかわしながら,左アッパー,右ストレートをクリーンヒットした。9回にも三谷の高速コンビネーションブローが冴えた。

 今年2月に大場浩平(スペースK)に王座を追われた三谷がダウンを挽回して再起戦をモノにした。初回にダウンを奪われて3回までは完全に主導権を握られていたが,4回からは持ち味の軽快なボクシングを見せた。次戦は世界ランカーの池原信遂(大阪帝拳)との試合が決まっており,いつものことながら高砂ジムのハードなマッチメイク路線には非常に好感が持てる。大相撲の貴乃花部屋に弟子入りして3週間も力士と生活をともにするなど,他の競技から積極的に吸収しようとする姿勢も立派。ここ数試合は厳しいマッチメイクもあって足踏み状態になっているが,こういう経験は絶対に無駄にならない。長身でリーチに恵まれた典型的な右アウトボクサー。
 丹羽は右ボクサーファイターで左ジャブ,右ストレートを武器としている。ストレート系のパンチに非常に伸びがあり,これをどんどん繰り出して攻め込む。パンチのタイミングも良い。後半にスピードが落ちて三谷の反撃を許したことが敗因。負けが先行しているが,それが信じられないような高い能力を持っている。

採点結果 三谷 丹羽
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 97 92
副審:ビニー・マーチン 95 95
副審:福地勇治 96 93
参考:MAOMIE 96 93


     ○三谷:25戦22勝(10KO)3敗
     ●丹羽:20戦7勝(2KO)10敗3分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎
     実況:黒沢孝司

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                        2008年4月26日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                 日本S・バンタム級11位     K   O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
               ○   古口 学       1回44秒     ナロンサク・ウォースラポン   ●
                      (古口) 122 lbs                           (タイ) 122 lbs

 古口が開始早々から前に出て積極的なボクシングを展開した。左ストレートで早くもアゴが上がるナロンサク。踏み込んで放った右クロスがアゴに決まり,ナロンサクがぐらつく。なおも左フック,右ストレートをフォローすれば,ナロンサクは呆気なくダウン。立ち上がったものの,目がうつろでそのままカウントアウトされた。

 古口が積極的な攻撃であっさりと試合を決めた。右ストレートにパンチ力があり,思いきりの良さが身上。上体が硬い感じがするが,元気の良いボクシングで今後が楽しみ。いかつい風貌とは裏腹に非常に礼儀正しくて好印象。栃木訛りの愛嬌たっぷりのインタビューも好評である。

     主審:ビニー・マーチン,副審:吉田和敏&浦谷信彰&島川威
     ○古口:9戦9勝(5KO)     ●ナロンサク:13戦8勝(1KO)4敗1分
     放送:スカイA     解説:石津純一郎     実況:黒沢孝司

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                  2008年4月28日(月)    大阪府立体育会館第二競技場
                                10回戦
                 WBA世界ミニマム級2位   K      O    比国ミニマム級4位
               ○   高山勝成      9回3分08秒   マーティン・キラキル   ●
                       (真正) 106 lbs                         (比国) 105 1/2 lbs

 例によって目まぐるしく動きながら速射砲のようなワンツー,左右フックを放つ高山。サウスポーのキラキルをロープに詰めて,早くもボディ連打で初回から攻勢に出る。
 2回,高山はキラキルの右フック,左ストレートをもらう場面があったが,中盤以降も動きを止めずに連打する自分のペースを崩さずに試合を進めた。
 4回,右ストレートでわずかにぐらつくキラキル。5回にもキラキルの左に合わせた高山の右ストレートがカウンターになった。
 8回終盤,高山は右ストレート,左右フックでキラキルをぐらつかせてコーナーに詰める。
 高山ペースの試合は9回に幕が下りた。ワンツー,左右フックの連打でいよいよワンサイドゲームの色合いが濃くなった。終盤,高山はボディに連打を集中して一気に攻勢をかける。コーナーを背にしたキラキルは右ストレートでのけぞり,左アッパーのボディブローでうずくまるようにダウン。そのままカウントアウトされた。

 高山が一方的に試合を進めてKO勝ち。パンチ力はないが,ノンストップで打ちまくる連打は相変わらず。とにかくよく動きながら手数が出る。終始同じペースなので上下に打ち分けている割には一本調子で変化に乏しいという印象は拭えないが,これは真似のできない試合運びである。豊富な練習量の賜物だろう。
 キラキルはサウスポーのファイタータイプ。小柄ながらも思い切った左ストレート,フックを振って攻めるボクシングが特徴。

     主審:宮崎久利,副審:野田昌宏&坂本相悟&
     ○高山:24戦21勝(9KO)3敗     ●キラキル:14戦9勝(2KO)2敗3分
     放送:スカイA     解説:浅沢英     実況:田野和彦

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                2008年4月28日(月)    大阪府立体育会館第二競技場
                             10回戦
                    日本フライ級5位        タイ国フライ級チャンピオン
                ○   小松則幸   判 定   ユーチ・ウアサンパン   ●
                       (グリーンツダ) 115 lbs            (タイ) 114 3/4 lbs

 相手のパンチを警戒してともに慎重な立ち上がりを見せたが,2回に小松の右フックが決まってユーチが大きくバランスを崩した。
 しかし,3回は形成が逆転。勢い込んで入ったところにユーチの鋭い右ストレートを受けた小松は大きくぐらついてロープ際に追い込まれる。4回にも右アッパーに次ぐ右ストレートをもらった小松がぐらつく場面があった。
 5回,小松は接近戦に持ち込んでボディ連打で挽回を図るが,バッティングで左目上をカット。
 6回中盤,小松はガードが開いて正面に立ってしまう弱点を突かれた。アゴに右アッパーからの右ストレートをフォローされ,もんどり打ってダウン。7回にも危ないタイミングで右ストレート,アッパーを食う小松。
 8・9回,小松はカウンターを食わないように慎重に間合いを測りながら左右フックを浴びせる。

 小松が2−1のスプリットデシジョンで勝ったが,ユーチには少々気の毒な採点結果である。小松はユーチの右ストレート,アッパーで再三ぐらつく場面を見せ,ダウンまで奪われて苦戦した。相変わらずの不安定なボクシングである。相手の正面に立ってガードが下がったり開いたりして被弾することが多い。飛び込むチャンスを慎重に窺っていたが,不用意に接近していたことがカウンターの標的となる結果を招いた。
 ユーチは過去にも久高寛之(グリーンツダ),相澤国之(三迫),大久保雅史(青木)とグラブを交えている。長身でリーチに恵まれた右ボクサータイプで,カウンター気味に放つ鋭い右ストレートに威力がある。相手が入ってくるところに合わせる右アッパーも要注意のパンチ。

採点結果 小松 ユーチ
主審:坂本相悟 *** ***
副審:野田昌宏 94 95
副審:大黒利明 96 94
副審:宮崎久利 96 94
参考:MAOMIE 94 95


     ○小松:34戦23勝(10KO)5敗6分
     ●ユーチ:24戦17勝(11KO)7敗

     放送スカイA
     解説:浅沢英
     実況:田野和彦

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                       2008年4月30日(水)    後楽園ホール
                                10回戦
                東洋太平洋フェザー級2位   T K O   メキシコ フェザー級(ノーランク)
               ○   細野 悟       6回終了     リカルド・エスピノサ   ●
                       (大橋) 127 lbs                       (メキシコ) 127 lbs

 右に左にとスイッチを繰り返すエスピノサは2回,左構えから左ストレートをヒット。さらに左右アッパーをボディに連打した。
 しかし,それ以降は細野がパワーの差で押していく。3回,左フックからの右ストレートでエスピノサの腰が落ちる。動きのあるエスピノサに対して,細野はボディ攻撃で徐々に弱らせていった。
 4回,エスピノサの左アッパーがボディに決まるが,逆に細野は左フックでエスピノサをぐらつかせた。
 6回,細野が攻勢を強めた。ボディブローが効いたエスピノサは動きが鈍って弱気なところも垣間見られる。右ストレートで大きくぐらつくエスピノサ。細野も雑な攻めになってフィニッシュを逸したが,6回終了後にエスピノサが棄権を申し入れて試合が終わった。

 細野はこれで無傷の11連勝。相変わらずのパワフルな攻撃を見せた。立ち上がりはエスピノサの変化に戸惑ったが,最後はパワーの差を見せつけた。ボディから崩したことが勝因である。ただし,左ジャブがほとんど見られず,力任せのラフな攻撃が目立ったことが反省点。上位進出を狙う場合,今の雑な攻めでは読まれてしまうだろう。
 エスピノサは右ボクサータイプだが,頻繁にサウスポーにスイッチする。左右アッパー,ストレートが武器だが,パンチ力は今ひとつ。上体が突っ立ち,攻め込まれると弱い面がある。

     主審:山田一公,副審:浦谷信彰&葛城明彦&熊崎広大
     ○細野:11戦11勝(9KO)     ●エスピノサ:13戦8勝(3KO)4敗1分
     放送:BSジャパン&テレビ東京     解説:徳山昌守&川嶋勝重     実況:島田弘久

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                       2008年4月30日(水)    後楽園ホール
                               10回戦
                   WBC世界ミニマム級19位        日本ミニマム級8位
                ○   八重樫 東     判 定    久田恭裕   ●
                         (大橋) 105 lbs                 (横浜さくら) 105 lbs

 サークリングしながら鋭い左ジャブ,左右フックを放つ八重樫。気合十分の久田は思い切った左右フックのボディ攻撃で迫る。
 3回,八重樫は久田の右から左のフックを食う。終盤にも左右フックで攻勢に出る久田。
 しかし,4回以降は八重樫が足を生かした出入りの激しいボクシングで主導権を握った。八重樫は5回にバッティングで右目上をカットするが,6回には左ジャブからの右アッパーをアゴに決めて久田をぐらつかせた。
 終盤も鋭い出入りを多用する八重樫の前に久田の空回りが続いた。8回,接近してパンチが交錯するが,八重樫の右フックでバランスを崩した久田は前のめりにキャンバスに落ちてダウンを取られた。再開後八重樫は出バナに左フックをヒット。終盤にも左右フックの速攻で久田をロープに追い込む八重樫。
 10回も足と左でボックスする八重樫の独壇場。必死に攻撃を仕掛ける久田だが,パンチが大きくラフで通じない。

 アゴの骨折から11ヶ月ぶりのリング復帰となった八重樫。スピード,切れがあり,ブランクを感じさせない見事な再起戦である。足がよく動き,鋭いステップイン,ステップアウトが見られたことが好調を物語っている。パンチ力だけでなく,足が使えることが最大の強味である。今夜のような出入りを生かしたボクシングをすることが大事。一度は失敗した世界挑戦だが,キャリアを重ねれば十分に期待できる逸材であることは間違いない。
 久田は右ファイタータイプで左右フックの連打を武器としている。期待のホープを食ってやろうという気迫に満ちたボクシングで健闘し,十分に持ち味を出した。スピードのある八重樫に動かれて空回りが目立ったが,八重樫にとって楽な相手ではない。

採点結果 八重樫 久田
主審:吉田和敏 *** ***
副審:葛城明彦 98 93
副審:中村勝彦 98 93
副審:山田一公 98 94
参考:MAOMIE 98 91


     ○八重樫:8戦7勝(5KO)1敗
     ●久田:16戦7勝(3KO)7敗2分

     放送:BSジャパン&テレビ東京
     解説:徳山昌守&川嶋勝重
     実況:増田和也

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                          2008年4月30日(水)    後楽園ホール
                                  10回戦
                  WBC世界S・フライ級19位   K      O      タイ国L・フライ級1位
                ○   翁長吾央       2回2分16秒    チャンサックノイ・サックルンルアン   ●
                       (大橋) 112 1/2 lbs                             (タイ) 111 3/4 lbs

 初回,チャンサックノイが右ストレート,フックで思い切った攻撃を展開した。翁長は前に出て左ストレートをボディにヒットするが,動きに硬さが見られた。
 しかし,2回,翁長が一発で試合を終わらせた。軽く右ジャブを突いてチャンスを伺う翁長。チャンサックノイは思い切った右ストレートを振って入るが,そこに左ストレートを直撃されてうつ伏せにダウン。強烈なカウンターを浴びたチャンサックノイはそのままカウントアウトされ,担架で退場した。

 サウスポーで左ストレートに威力がある翁長がワンパンチKOを演じた。初回こそ動きが硬かったが,2回に入るや右ジャブでタイミングを取りながらチャンスにつなげた。KO率が高いが,KOを過剰に意識しないことが大事。
 チャンサックノイは右ボクサーファイターだが,ときおり左にスイッチする。思い切った右ストレートを振って攻め込む。パンチ力もなかなかのものである。

     主審:浦谷信彰,副審:中村勝彦&熊崎広大&吉田和敏
     ○翁長:11戦11勝(8KO)     ●チャンサックノイ:18戦7勝(5KO)10敗1分
     放送:BSジャパン&テレビ東京     解説:徳山昌守&川嶋勝重     実況:斉藤一也

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                          2008年4月30日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本ライト級(ノーランク)    T   K   O    日本ライト級9位
                ○   岡田誠一      7回1分36秒     五十嵐 圭   ●
                       (大橋) 135 lbs                          (ワタナベ) 135 lbs

 じりじりと距離を詰めて強打を見舞うチャンスを窺う岡田。2回には左フックがヒット。しかし,簡単にガードを割られた岡田はワンツーをアゴに受け,腰から落ちてダウンを喫した。相手の正面に立った瞬間を突かれたものだった。五十嵐は俄然攻勢に出る。
 3回は岡田が盛り返した。右ストレート,アッパーあるいはボディへの左アッパーで徐々に攻め上げる。五十嵐の左ジャブも鋭いが,岡田の右ストレートが決まって腰が落ちた。
 6回,右ストレート,ボディへの左アッパーでプレッシャーをかける岡田。また正面に立って右アッパーでのけぞるが,すぐに右フックで五十嵐をぐらつかせた。この一発は強烈で,五十嵐はクリンチに逃れる。
 そして7回,岡田の強打が火を噴いた。鋭い左ジャブで五十嵐を追い詰める岡田。五十嵐もワンツーで応戦するが,パンチ力の差は歴然。五十嵐が繰り出したワンツーよりも一瞬早く右フックが炸裂。これをまともに食った五十嵐はその場に潰れるように沈む。誰が見ても立てないとわかる倒れ方に,葛城主審は即座にノーカウントで試合をストップした。

 右足種子骨の疲労骨折でリングから遠ざかっていた岡田が17ヶ月ぶりに復帰した。ダウンを跳ね返し,圧巻のワンパンチTKOである。一発の破壊力はこのクラスでも群を抜いている。しかし,相手の正面に立って不用意なパンチを食う場面も見られた。上体の動きが乏しいことが気になる。これでは相手のパンチの標的になってしまう。ここから上位と対戦した場合,相手はそこを突いてくる。ディフェンスの強化が課題になる。鋭い左ジャブを持っているので,この左を多用してチャンスを作るようにするべき。
 五十嵐は左ジャブ,ワンツーを武器とする右ボクサーファイター。非常に勇敢な一面があり,特に左ジャブに良いものを持っている。せっかくの右ストレートが押し出すようなパンチになっていることが惜しまれる。一度は岡田をダウンさせる健闘を見せたが,最後はパンチ力の差が出てしまった。

     主審:葛城明彦,副審:浦谷信彰&ほか2名は不明
     ○岡田:6戦6勝(5KO)     ●五十嵐:25戦16勝(2KO)7敗2分
     放送:BSジャパン&テレビ東京     解説:川嶋勝重     実況:中川聡

※ 第2・3・6・7ラウンドのみを放送。

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