熱戦譜〜2007年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2007.07.01  WBA世界フライ級
 王座統一12回戦
 坂田健史  判定  ロベルト・バスケス
2007.07.02  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 吉田健司  6R負傷判定  小松則幸
2007.07.07  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 粟生隆寛  判定  秋葉慶介
2007.07.07 8回戦  松田直樹  TKO1R  スラチャイ・スーンギラーノーイナイ
2007.07.07 8回戦  ウルバノ・アンティジョン  TKO2R  トンチャイ・ポープラトンポン
2007.07.07 4回戦  カルロス・リナレス  TKO1R  フィードサヤム・サクタビン
2007.07.13  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 クリスチャン・ミハレス  TKO10R  菊井徹平
2007.07.14  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 レブ・サンティリャン  TKO6R  丸元大成
2007.07.17  東洋太平洋ライトヘビー級
 タイトルマッチ12回戦
 クレイジー・キム  判定  ヒース・ステントン
10 2007.07.18  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 内藤大助  判定  ポンサクレック・ウォンジョンカム
11 2007.07.18 8回戦  リッキー☆ツカモト  TKO8R  サパペット・ソーサカオラット
12 2007.07.18 8回戦  金田淳一朗  TKO5R  リエンペット・ソーウィラポン
13 2007.07.18 8回戦  池田好治  TKO1R  ティーラチャイ・ムアンスリン
14 2007.07.21  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  TKO7R  中村徳人
15 2007.07.21  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 江口啓二  判定  淵上誠
16 2007.07.21 8回戦  川村貢二  判定  高橋秀鎮
17 2007.07.21  WBC世界フェザー級
 暫定王座決定12回戦
 ホルヘ・リナレス  TKO10R  オスカー・ラリオス
18 2007.07.28 10回戦  亀田興毅  判定  セサール・ロペス
19 2007.07.28 10回戦  亀田大毅  判定  ファーペッチノイ・クラティンデンジム

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                        2007年7月1日(日)    有明コロシアム
                        WBA世界フライ級王座統一12回戦
                  WBA世界フライ級チャンピオン      WBA世界フライ級暫定チャンピオン
                ○   坂田健史      判 定    ロベルト・バスケス   ●
                       (協栄) 111 3/4 lbs                  (パナマ) 112 lbs

 序盤はバスケスが好調なところを見せた。足を使って積極的に手を出すバスケス。正面に立つ坂田は左ストレート,右フック,ワンツーを受けて不安な立ち上がりとなる。
 3回,坂田は距離を詰めて左右フックのボディブローで迫るが,打ち終わりに左フックを返されてバランスを崩す。
 足を使ってうまくポジションを取って力みのないコンビネーションブローを放つバスケスに苦戦した坂田だが,4回から本領を発揮した。ロープにバスケスを詰めて左右のショートブローを上下に浴びせる坂田。バスケスは足を止めて打ち合いに応じるが,接近戦では坂田が一枚上。
 中盤は坂田が主導権を握る。6回,右ストレートでバスケスを後退させてロープに詰め,連打を浴びせる坂田。序盤とは打って変わってバスケスの動きが重くなる。終了間際,再び坂田の右ストレートがヒット。
 7・8回,坂田の小気味良い連打が回転する。
 9回,バスケスが右アッパー,左右フックで反撃を見せる,坂田はバスケスの有効打で右目上をカットするが,落ち着いて左ジャブ,ワンツーから左右ショート連打を浴びせる。
 11回,坂田が明白にリードして見せ場を作った。ロープに詰めて左右の連打を集中する坂田。カウンターの左フックを受けたバスケスはわずかにぐらついた。
 12回,坂田は反撃に出るバスケスを手数で上回った。

 坂田は暫定王座を吸収すると同時に正規王座の初防衛に成功。初防衛戦の緊張のためか序盤は動きが硬く,バスケスのコンビネーションブローに苦戦した。しかし,4回以降は得意のショート連打で完全に主導権を掌握した。昨年12月に惜敗した宿敵バスケスにほぼ完勝し,まずは見事な初防衛である。欲を言えば,ヤマ場というのかメリハリが欲しいところ。元々が地味な試合ぶりだけに,ジャッジへのアピールをするためにもその点が今後の課題になるだろう。11回に見せた攻撃が要所で出せるように工夫して欲しい。
 サウスポーのファイタータイプのバスケスは長いリーチから繰り出すワンツー,左右アッパーを得意としている。今夜は計量後の増量の影響か,中盤から目に見えて動きが鈍ってしまった。序盤こそ足を使って巧みな位置取りから繰り出すパンチでリードを奪ったものの,4回からは足が動かなくなり,ロープを背負って戦う場面が目立った。

採点結果 坂田 バスケス
主審:スタンレー・クリストドーロー(南アフリカ) *** ***
副審:トム・ミラー(米国) 115 113
副審:デレク・ミルハム(豪州) 116 113
副審:ジャン・ルイ・ルグラン(フランス) 116 112
参考:MAOMIE 117 111


     ○坂田:36戦31勝(15KO)4敗1分
     ●バスケス:26戦24勝(17KO)2敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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                      2007年7月2日(月)    後楽園ホール
                       日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    負傷判定   挑戦者(同級1位)
                ○  吉田健司    6回45秒     小松則幸  ●
                       (笹崎) 112 lbs                   (グリーンツダ) 112 lbs
                      WBA7位

 バッティングによって吉田が両目上,小松が右目上をカットしてともにドクターチェックを受けるという波乱の幕開けとなった。変則的な動きからラフな攻撃で迫る吉田にやや戸惑い気味の小松。
 2回は小松がリード。吉田はバッティングでひるんだところに左フックを受ける。小松の右ストレートが気味に決まり,吉田が腰を落とす場面が見られた。小松はさらに左右アッパーから右ストレートをヒット。冷静さを欠いた吉田は背後に回って打ったり,スリップダウンしている小松の後頭部にパンチを浴びせるなどのマナーの悪さが目だった。
 3回,右を伸ばそうとしてバランスを崩した小松の後頭部を吉田の右フックがかすめる。これで右膝をついた小松はダウンを取られた。倒れこんだ小松の後頭部にパンチを浴びせる吉田。これは酷い反則。
 4回,吉田はヘディングで減点1を課せられた。ラフな吉田に手を焼く小松。
 6回,吉田は右ストレート,アッパー,左フックで攻め込む。両グラブで小松の首を抱えて引き倒した吉田はブレイクする安部主審に構わずパンチを振るうが,右目上の傷が深くなり,再びドクターチェックを受ける。結局続行不能とされてストップとなった。

 タイトルマッチと呼ぶに値しない低レベルの試合。すべての責任は反則行為を繰り返した吉田にある。変則的な右ファイターだが,頭から突っ込むのは朝飯前。引き倒しなどのレスリング行為,背後からのパンチ,倒れている相手や後頭部への加撃など,まさにやりたい放題の狼藉ぶりを見せた。チャンピオンとしての品格の欠片も見られない。本人に猛省を促すのは当然だが,JBCはサスペンドを課すなどの毅然たる処分をするべきである。
 ベテランの小松はラフな吉田のペースに巻き込まれてしまった。全盛時から比べると,動きに切れを欠いた。
 度重なる吉田の反則行為に対する安部主審のレフェリングにも大きな問題がある。素人ファンの目にも明らかな反則行為を見過ごすことはあらぬ誤解を生むことになる。厳正な運営をお願いしたい。

6回までの採点 吉田 小松
主審:安部和夫 *** ***
副審:浦谷信彰 58 55
副審:葛城明彦 58 54
副審:吉田和敏 58 55
参考:MAOMIE 58 54


     ○吉田:18戦12勝(5KO)6敗
     ●小松:31戦22勝(10KO)4敗5分

     放送:スカイA
     解説:石津純一郎     ゲスト:内藤大助
     実況:黒沢幸司

※ 第4ラウンドのヘディングによる吉田の減点1を含む採点。
※ 吉田が偶然のバッティングで負った傷によって6回途中に試合続行不能となったため,当該の6回を含む採点で勝敗を決する。

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                      2007年7月7日(土)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン         挑戦者(同級6位)
                ○  粟生隆寛   判 定   秋葉慶介  ●
                      (帝拳) 125 3/4 lbs           (角海老宝石) 126 lbs
                   WBA10位,WBC11位

 開始ゴングと同時に猛然と飛び出した秋葉。先制攻撃とばかりに襲いかかるが,勢い余ってスリップダウン。粟生は落ち着いて左ストレートのカウンターをうまく決めてリードを奪った。2回には出バナに左ストレートあるいはボディへの左アッパーを合わせる。撹乱しなければ勝機が見えない秋葉だが,カウンターを警戒してか見ている時間が長い。
 4回までは単発ながらも左ストレートを巧打する粟生のペースで進んが,5・6回にはようやく秋葉の手数が増えた。潜り込んで右アッパー,左右フックを放つ秋葉。まともにはヒットしていないが,粟生のリズムを崩すには良い攻撃だった。
 しかし,7回には粟生がコーナーに詰めて左ストレートをヒット。わずかに効いている秋葉だが,『もっと打って来い』のジュスチュアで逆に前に出る気迫を見せた。
 8回,ようやく粟生に左アッパー,右フックの返しが見られた。潜り込んで密着したい秋葉だが,それができず,逆に右目上をカットするハンデを負った(粟生の有効打による傷)。
 9回,粟生の左ストレートが出バナにヒットする。しかし,粟生も秋葉の闘志を持て余し,クリンチに出る回数が多くなった。10回は逆に秋葉の闘志がわずかに粟生を上回った。

 初防衛に成功した粟生だが,多くの課題を残す結果となった。左ストレートのカウンターに頼る引き出しの乏しさが目につく。右ジャブ,フックでコントロールしたり,左からの右フックの返しや左アッパーを織り交ぜるなどの攻撃が見られなかったのは残念。攻め込まれるとクリンチに逃れる場面が目立つ。下がるのではなく,サイドにかわしてパンチを打ち込むことを覚える必要がある。『混戦・乱戦に弱い』というマイナスイメージを払拭しなければ,世界は望めない。ここから上を目指すには相当の努力が求められるだろう。
 秋葉は右ファイタータイプで闘志を前面に押し出すボクシングが身上。今夜はカウンターを警戒していつものような旺盛な手数が見られず,攻め切れなかったことが敗因。気合十分だったが,やや空回りした感じである。

採点結果 粟生 秋葉
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:染谷路朗 96 93
副審:土屋末広 97 94
副審:安部和夫 97 95
参考:MAOMIE 97 93


     ○粟生:15戦15勝(8KO)
     ●秋葉:16戦10勝(2KO)4敗2分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:高橋雄一

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                          2007年7月7日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                 WBC世界フェザー級12位    T   K   O    タイ国S・バンタム級(ノーランク)
                ○  松田直樹       1回2分20秒   スラチャイ・スーンギラーノーイナイ   ●
                       (帝拳) 124 lbs                              (タイ) 121 1/4 lbs

 松田が開始早々から徐々にプレッシャーをかける。細身のスラチャイも左ジャブ,ワンツーで応戦するが,松田は右ストレート,左フックでコーナーに詰めて一気に攻勢。ワンツー,左フックの乱打に,スラチャイはコーナーに腰を落として防戦一方に陥る。ここで染谷主審がためらわずストップした。

 去る3月に敵地に乗り込んで前世界王者ルディ・ロペス(メキシコ)を見事に5回TKOに斬って落とした松田の凱旋試合。格下のスラチャイを一方的に攻め落として貫禄を見せた。右ボクサーファイターでワンツー,左フックにパンチ力がある。これまでは実力やキャリアの割に地味な存在に甘んじていたが,良い意味での欲が出れば層の厚いこのクラスで台風の目になる可能性を秘めている。
 18歳のスラチャイはいかにも細身で体ができていない。リーチのある右ボクサーファイターで左ジャブ,ワンツー,左フックを得意としている。

     主審:染谷路朗,副審:熊崎広大&土屋末広&浦谷信彰
     ○松田:38戦28勝(11KO)7敗3分     ●スラチャイ:11戦7勝(1KO)4敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

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                            2007年7月7日(土)    後楽園ホール
                                    8回戦
                     WBC世界ライト級2位    T   K   O     タイ国ライト級(ノーランク)
                ○  ウルバノ・アンティジョン   2回1分25秒    トンチャイ・ポープラトンポン  ●
                          (帝拳) 138 lbs                              (タイ) 136 3/4 lbs
                          WBA7位

 初回,スピードがないトンチャイをアンティジョンがワンツーからボディへの左右フックで追い詰める。ロープからコーナーに追って左右のコンビネーションブローを浴びせるアンティジョン。
 2回,相手の力量を読み切ったアンティジョンは余裕を持って攻める。ワンツー,上下への左右フックで試合は早くもワンサイドゲームの様相を呈した。ロープ伝いに逃れるトンチャイだが,横を向いて逃げ腰。ロープを背に守勢一方に陥ったところでついにタオルが投入された。

 ホルヘ・リナレスのスパーリングパートナーとして来日したアンティジョンは右ファイタータイプ。驚くようなスピードはなく足の動きも今ひとつだが,ワンツー,左右フックなどを上下に巧みに打ち分ける。柔軟で力みのない多彩なコンビネーションブローが強みである。

     主審:熊崎広大,副審:浦谷信彰&安部和夫&杉山利夫
     ○アンティジョン:19戦19勝(12KO)     ●トンチャイ:9戦6勝(2KO)3敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:寺島淳司

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                            2007年7月7日(土)    後楽園ホール
                                     4回戦
                 ベネズエラ S・ウェルター級(ノーランク)    T K O    タイ国ミドル級(ノーランク)
                ○   カルロス・リナレス        1回23秒    フィードサヤム・サクタビン   ●
                       (帝拳) 153 1/2 lbs                            (タイ) 160 1/4 lbs

 気合の入った表情で左ジャブ,フックから攻め込むリナレス。フィードサヤムも大きな左フックを振って応戦するが,リナレスは落ち着いている。右から左のフックでわき腹を叩いておき,すかさず放った矢のようなワンツー。これがアゴを捉え,フィードサヤムは切り倒された大木のように一瞬バウンドしてキャンバスに沈む。白目を剥いたフィードサヤムに,土屋主審はすぐさま試合をストップした。

 ホルヘ・リナレス(帝拳)の実弟カルロスが見事なワンパンチでデビュー戦を飾った。長身でアップライトスタイルから放つワンツー,左フックを武器としている。スピード,切れがあり,スケールの大きいボクシングをする。重量級に楽しみな存在が増えた。兄同様にじっくりキャリアを積ませることが重要。
 フィードサヤムは大きな左右フックを武器とする右ファイタータイプ。契約ウェイトを3kgもオーバーして登場したが,何もできないまま沈んだ。

     主審:土屋末広,副審:熊崎広大&染谷路朗&安部和夫
     ○リナレス:1戦1勝(1KO)     ●フィードサヤム:9戦4勝(1KO)5敗
     放送:G+     解説:なし     実況:寺島淳司

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               2007年7月13日(金)    メキシコ:ゴメス・パラシオ市 アウディトリオ・センテナリオ
                        WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級12位)
                ○  クリスチャン・ミハレス   10回2分28秒     菊井徹平  ●
                         (メキシコ) 115 lbs                          (花形) 115 lbs

 緊張のためか動きが硬い立ち上がりの菊井に対し,ミハレスは余裕たっぷりの表情で前に出る。ミハレスの右アッパー,左ストレートが飛ぶ。
 2回に入るとさらにミハレスの手数が増した。左アッパー,右ストレートでのけぞる菊井。3回終了間際にはワンツー,左右アッパーの攻勢に晒された菊井の鼻から出血を見た。
 6回,ミハレスは多彩なコンビネーションブローの釣瓶打ちで菊井にロープを背負わせて圧倒する。打ち合いの中で菊井の右フックも決まる。菊井はロープ際から脱出したが,左アッパーのボディブローで動きが鈍った。7回,菊井も手数が出るようになったが,ミハレスは終了間際にワンツー,左右アッパーをまとめる。
 8回,地元の大声援に乗ったミハレスはワンツー,左右アッパー,フックの攻勢。菊井は後退を余儀なくされた。
 9回,右フックを受けてバランスを崩す菊井。左ストレートで腰が落ちる場面も見られた。
 10回,敗色濃厚となった菊井は意を決したように右ストレートを出すが,打ち終わりを突かれてワンツー,左右アッパーで押し返された。右フックを受けてバランスを崩した菊井は後退が続く。2分過ぎ,右フックのボディブローを受けて苦しげにロープを背負う菊井。チャンスと見たミハレスはロープに釘付けにしてボディに容赦ない集中打を浴びせる。顔面へのパンチを織り交ぜた猛攻に菊井が守勢一方となったところでガルサ主審がストップした。

 サウスポーの技巧派ミハレスは4度目の防衛に成功。パワーも備わってすっかり自信が漲り,安定王者の風格が漂う。休む間を与えない連打が武器だが,ガムシャラに打つのではなく,良く見て様々な角度から多彩なコンビネーションブローが間断なく出る。一発のパンチ力には欠けるが,空いているところを見極める眼力に優れている。打ち終わりやラウンドの終了間際にパンチをまとめる老獪さを存分に披露した。ポイントの取り方を熟知していることが最大の強みだろう。
 敢然と敵地に乗り込んで安定王者ミハレスに挑んだ菊井だが,その技巧の前に完敗となった。初挑戦の緊張云々以前にミハレスに動きを読み切られ,思うように手が出せなかったというのが正直なところだろう。持ち味の左ジャブと足を駆使して自分から攻められれば面白かったが,左に回り切れなかったことが敗因のひとつ。ときおり右ストレートを出したが,打ち終わりにパンチを返されてさらに後手に回るという悪循環に陥る結果となった。

9回までの採点 ミハレス 菊井
主審:フランク・ガルサ(米国) *** ***
副審:ジェームス・ジェンキン(米国) 90 80
副審:スティーブ・モロー(米国) 90 81
副審:ジェシー・レイジェス(米国) 90 81
参考:MAOMIE 90 80


     ○ミハレス:37戦32勝(12KO)3敗2分
     ●菊井:27戦21勝(4KO)6敗

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史     ゲスト:長谷川穂積
     実況:高柳謙一     アシスタント:中野知美

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                      2007年7月14日(土)    尼崎アルカイックホール
                      東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)   T   K   O    チャンピオン  
                ○  レブ・サンティリャン   6回2分12秒   丸元大成  ●
                        (比国) 147 lbs                       (グリーンツダ) 147 lbs

 立ち上がりの丸元はよく動いてワンツー,左右フックにつなげる持ち前の攻撃パターンを見せたが,2回以降はパンチ力で勝るサンティリャンが丸元のガードを割る左ストレートを軸として徐々に主導権を引き寄せた。
 3回終盤,丸元は左ストレートでバランスを崩してキャンバスに倒れる場面を見せた。これはスリップダウンと判定されたものの,危ないタイミングだった。
 4回,サンティリャンは丸元の有効打で左目上をカットするハンデを負ったが,左ストレートを決めてプレッシャーをかける。
 5回,右フックのボディブローから左アッパーを見舞い,重いパンチで徐々にプレッシャーを強めるサンティリャン。丸元もワンツーからの連打をまとめるが,逆に左ストレートを食う。
 6回,サンティリャンが鮮やかに試合を決めた。得意のワンツーを多用し,ボディへの左ストレート,右フックで丸元を追い詰める。ワンツーからの左右ショート連打で応戦する丸元だが,外から巻き込むような右フックをテンプルに受けて後退。チャンスと見たサンティリャンは一気に勝負に出て,ロープを背負った丸元にワンツーを続けざまに2発見舞う。2発目の左ストレートでアゴをまともに打ち抜かれた丸元はたまらずロープ際で痛恨のダウン。辛うじて立ち上がって意地を見せたが,もはやファイティングポーズを取る余力はなく,再び崩れ落ちるように深々とキャンバスに沈んだ。丸元のダメージは深く,しばらく立ち上がれないほどだった。

 王座奪回を果たしたサンティリャンはサウスポーのボクサーファイター。178cmの長身から繰り出すワンツーを武器としている。攻撃は単調でスピードはないが,パンチは非常に重く,威力がある。丸元の硬いガードを割る左ストレートだけでなく,5回からはボディにもパンチを散らしてガードを下げさせていた点が光った。先手で攻めていたことと丸元の反撃にもすぐに打ち返して決定的に主導権を渡さなかったことが勝利につながった。フィニッシュの間髪入れぬワンツー2発は見事なパンチ。
 サンティリャンの強打に沈んだ丸元は2度目の防衛に失敗。177cmという長身の右ボクサータイプで左ジャブ,ワンツーを得意としている。いつものようなフットワークがなく,ワンツーの標的になってしまったことが敗因。足を使ってサイドにかわしながらサンティリャンの単調な攻撃を凌ぐ必要があったが,正面に立ってしまったことが悔やまれる。

     主審:ブラッド・ボカレ(豪州),副審:アレックス・ビダル(比国)&北村信行
     ○サンティリャン:28戦24勝(17KO)3敗1分     ●丸元:29戦20勝(9KO)8敗1分
     放送:スカイA     解説:浅沢英&竹中義則     実況:田野和彦

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                       2007年7月17日(火)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ライトヘビー級タイトルマッチ12回戦
              挑戦者(WBC世界S・ウェルター級14位)         チャンピオン
                ○  クレイジー・キム      判 定    ヒース・ステントン  ●
                       (ヨネクラ) 174 1/2 lbs                  (豪州) 174 1/2 lbs

 体格で劣るキムが初回から積極的に手数を出して攻めた。右フックがアゴに決まり,ステントンは早くもバランスを崩す。キムは終盤にステントンをロープに詰めて左右フックの連打を浴びせて優位に立った。
 ときおり右ストレートをもらうキムだが,ロープに押し込んでボディにパンチを集める作戦で押し気味に試合を進めた。5回,ステントンは左目上をカット(キムの有効打による傷)。6回,ステントンをロープに詰めたキムは右フック,ストレートを浴びせ,さらに右フック,左アッパーのボディ攻撃で迫った。
 9回はステントンが足を使って左ジャブ,右ストレート,アッパーを放つ。キムは右ストレートを食うが,終了間際にロープに詰めて攻勢に出る。
 終盤はキムが明白に主導権を握った。10回,コーナーに詰めて右フック,左アッパーをボディに集める。特に鳩尾に真っ直ぐ突き上げる左アッパーが効果的だった。さらにコーナーで動きが止まったステントンに右ストレート,フックを打ち下ろすキム。
 11回,足を使ってリズムを取り戻そうとするステントンだが,右ストレートでバランスを崩してロープを背負う。ステントンの右ストレートも決まるが,キムはロープに詰めて左右フック,アッパーの攻勢に出る。
 12回1分過ぎ,キムは右ストレートでバランスを崩すが,後半にロープを背負わせて連打を浴びせ,勝利を動かぬものとした。

 読経の流れる中を入場するサプライズを見せたキム。3階級上げてのタイトル挑戦となったが,体力負けすることなくパワーで押し切った点を高く評価したい。特に右フック,左アッパーのボディブローが良かった。ときおり右ストレートを食う場面があったが,すぐにロープを背負わせて反撃に転じ,決定的なリードを奪われなかったことが勝因のひとつ。ただし,ウェイトを一気に3階級も上げたことにより,本来の動きと比べるとスピード感を欠いたことは事実である。
 ステントンは初防衛に失敗。足を使って左ジャブ,右ストレート,アッパーを放つ右ボクサーファイター。序盤からキムにボディを攻められたことによって,動きが鈍ったことが響いた。

採点結果 キム ステントン
主審:テオドロ・アリビオ(比国) 116 112
副審:ガス・メルキュリオ(豪州) 117 112
副審:浦谷信彰 118 111
参考:MAOMIE 117 112

     ○キム:30戦26勝(22KO)4敗
     ●ステントン:32戦13勝(2KO)18敗1分

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行&石本雅巳
     実況:河路直樹

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                      2007年7月18日(水)    後楽園ホール
                      WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級6位)                 チャンピオン
                ○  内藤大助    判 定    ポンサクレック・ウォンジョンカム ●
                       (宮田) 112 lbs                     (タイ) 112 lbs

 内藤がこれ以上ないほどの滑り出しを見せた。良く足を使ってポンサクレックの動きを見極め,右ストレート,左フックをヒット。3回,内藤は右アッパーを食うが,逆に左フックから右ストレートを決めてリードする。ポンサクレックは左目上をカットして出血(内藤の有効打による傷)。
 4回,有効打による傷を負って焦り気味に前に出るポンサクレック。内藤は冷静に対処し,右をフェイトに使って左フックを再三ヒットする。このパンチでポンサクレックがバランスを崩す場面があった。さらに内藤の右ストレートもヒット。
 6回,フェイントからのノーモーションの右ストレートが決まる内藤。終了間際には右ストレート,左フックに次ぐボディへの右ストレートが回転した。パンチへの反応が鈍いポンサクレックは6回にも右フックで顔が上を向く場面を見せた。
 中盤までは明らかにリードを奪った内藤だが,ポンサクレックも終盤に王者の意地をぶつける。9回,右アッパー,フックから攻勢に出たポンサクレックは左右アッパー,左ストレートで内藤を追い上げる。
 10回,内藤は右フックをヒットするが,さすがに疲れが見え,動きが鈍くなった。ポンサクレックは小さい左ストレート,右アッパーを決めて内藤に迫る。11・12回にもポンサクレックの左ストレート,左右アッパーによる追い上げが目立つ。内藤は足が止まるが,必死に踏み止まって左右フックで応戦。両者激しい打ち合いの中で終了ゴングを聞いた。

 内藤は3度目の挑戦で悲願の世界タイトル奪取となった。序盤から良く動き,単発ながらも左右フックを的確に決めてリードしたことが勝因。フェイントをかけてのパンチでポンサクレックの出バナを叩いたことも奏功した。終盤は疲れが出てポンサクレックの追い上げを許す場面が見られたが,執念で踏み止まった見事な勝利である。出入りを激しくしたボクシングをすればもう少し楽な展開になっていたはず。
 18度目の防衛に失敗したポンサクレックはサウスポーで,左ストレート,右アッパーなどの多彩なコンビネーションブローを得意とする攻防兼備のファイタータイプ。しかし,前日の計量で500gオーバーとなり,50分後の再計量でパスするという失態を演じた。その影響ではないだろうが,動きにもパンチにもいつもの切れを欠いた。パンチに対する反応が鈍く,内藤のいきなりの右フック,ストレートを食う場面が目立った。

採点結果 内藤 ポンサクレック
主審:トビー・ギブソン(米国) *** ***
副審:ステファン・ブレア(米国) 116 113
副審:ヒューバート・ミン(米国) 115 113
副審:ブルース・マクタビッシュ(比国) 116 113
参考:MAOMIE 116 113


     ○内藤:35戦31勝(20KO)2敗2分
     ●ポンサクレック:68戦65勝(34KO)3敗

     放送:東京MXテレビ&スカイA
     解説:藤猛&上原康恒
     実況:宇野和男

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                         2007年7月18日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                    日本ライト級1位    T   K   O    タイ国ライト級(ノーランク)
                ○  リッキー☆ツカモト   8回2分39秒   サパペット・ソーサカオラット  ●
                       (宮田) 136 3/4 lbs                        (タイ) 136 3/4 lbs

 開始早々からツカモトが踏み込んで左ストレートを伸ばしてチャンスを窺う。後半,左フックでサパペットは早くものけぞる。
 3回,左にスイッチして左右フックの連打を見せるサパペット。ツカモトも打ち返してようやく打ち合いになるが,終了間際サパペットの右フックが決まる。
 4・5・6回,ツカモトは左右フックの連打で圧倒するが,決め手を欠いた。
 7回,左右フックで攻勢に出るツカモト。ロープを背負ったサパペットは棒立ちで守勢一方。やや戦意喪失気味でクリンチに逃れるのが精一杯の状態となった。
 8回,再びツカモトが攻勢に出る。コーナーに詰まったサパペットが右ストレートでぐらついたところで,ついに浦谷主審がストップした。

 盛り上がりに欠ける凡戦。
 10月に長島建吾(エイティーン古河)の日本ライト級王座への挑戦が内定しているツカモトにとっては大事な前哨戦だったが,パンチに切れと正確さがなく,雑な攻撃に終始した。消極的なサパペットを一方的に攻めながらもフィニッシュを長引かせたことは反省材料になるだろう。出るだけでなく,出たり入ったりの変化が必要である。右ストレート,左右フックを武器とする右ファイタータイプ。

     主審:浦谷信彰,副審:島川威&安部和夫&熊崎広大
     ○ツカモト:31戦28勝(10KO)3敗     ●サパペット:16戦11勝(7KO)5敗
     放送:スカイA     解説:なし     実況:行部宗一

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                        2007年7月18日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本ミニマム級3位     T  K  O     タイ国ミニマム級(ノーランク)
                ○  金田淳一朗      5回34秒    リエンペット・ソーウィラポン  ●
                       (白井具志堅) 106 lbs                         (タイ) 106 lbs

 金田が左ジャブ,右ストレート,ボディへの左アッパーを放って積極的に仕かける。リエンペットも思い切った右ストレート,左フックで応戦し,気の強いところを見せた。
 3回,金田はリエンペットの左ジャブ,ワンツーを食う場面が目立つ。左目上と下をカットする金田(リエンペットの有効打による傷)。
 4回,リエンペットは右ストレート,左フック,右アッパーで攻勢に出て好戦的なところを見せた。金田はさらに有効打で右目上をカットしてドクターチェックを受ける。傷によるTKO負けを警戒した金田は一気のラッシュでリエンペットを追い込み,短期決戦を挑む。
 5回,セコンドから発破をかけられた金田が開始ゴングと同時にエンジン全開の猛攻に出た。リエンペットをロープに釘付けにしてワンツー,左右フックの雨を降らせる。リエンペットがぐらついたところで,安部主審がストップした。

 有効打で両目上をカットし,ストップされる寸前だった金田が怒涛のラッシュで逆にTKO勝ちに持ち込んだ。世界を狙うホープとの評価を受けていたにも関わらず,やや伸び悩んで足踏み状態が続いていたが,25歳という年齢もあって,この辺で大きく脱皮しなければいけない。ここ1年ほどが勝負になるだろう。スピードのあるワンツー,左右フックの連打を武器とする右ファイタータイプ。ジグザグに相手を追い詰めるフットワークをマスターして欲しい。

     主審:安部和夫,副審:熊崎広大&葛城明彦&福地勇治
     ○金田:19戦16勝(11KO)3敗     ●リエンペット:9戦6勝(2KO)3敗
     放送:スカイA     解説:なし     実況:行部宗一

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                         2007年7月18日(水)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本S・ウェルター級6位    T   K  O   タイ国S・ウェルター級(ノーランク)
                ○   池田好治      1回1分26秒    ティーラチャイ・ムアンスリン  ●
                        (宮田) 147 lbs                           (タイ) 149 1/4 lbs
                   池田好治=いけだ・よしはる

 初回,右ファイタータイプのティーラチャイが果敢に前に出るが,サウスポーの池田は距離を置いてこれを左ストレート,右フックで迎え撃つ。右ストレートの打ち終わりに合わせた池田の左ストレートが決まり,ティーラチャイの体が早くも泳ぐ。再び右ストレートに合わせた池田の右フックがカウンターになり,ティーラチャイがぐらついた。チャンスと見てすかさず攻勢に出る池田。アゴへの左ストレートに次ぐ右フックがテンプルを捉え,ティーラチャイは呆気なくロープ際で大の字に沈んだ。

 池田は183cmという長身を誇るサウスポーのボクサータイプ。距離を置き,リーチを生かした右フック,左ストレートで試合を決める。相手の打ち終わりにカウンターをタイミング良く合わせるうまさがある。ただし,ガードが開き気味で下がることが欠点。アゴが上がる悪い癖も見受けられる。攻めているときは良いが,今後上位を目指すにはディフェンス面を強化することが求められる。

     主審:葛城明彦,副審:熊崎広大&浦谷信彰&島川威
     ○池田:15戦10勝(8KO)5敗     ●ティーラチャイ:10戦6勝(2KO)4敗
     放送:スカイA     解説:なし     実況:行部宗一

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                       2007年7月21日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級8位)
                ○  木村登勇    7回1分03秒    中村徳人  ●
                       (横浜光) 140 lbs                     (相模原ヨネクラ) 140 lbs
                    WBA15位,WBC10位

 初回,余裕を持ってゆったりとした滑り出しを見せる木村。早くも左ストレート,右アッパーをヒットする。中村も右ストレートをヒットし,終盤には右アッパーのボディブローを決めた。
 2回,木村の手数が増した。左ストレートから左右フックをまとめる木村。左ストレートがヒットして中村がぐらつく。中村も果敢に応戦するが,早くも右目下が大きく腫れ上がった。
 3回,木村の左ストレートにひるまず右ストレートを返す中村。終盤には右ストレート,左右フックを振って激しく攻勢に出てホールを沸かせた。
 5回,木村のノーモーションの左ストレートが冴える。中村の右目下の腫れが酷くなり,ドクターチェック。再開後,木村は左アッパーのボディブローを多用して中村の動きを止めにかかった。
 6回,中村の右ストレートでのけぞる木村だが,落ち着いている。終盤には逆に左ストレート,左右アッパーの連打を浴びせた。
 7回,ボディブローが効いたのか,打ち合いを避けて距離を取る中村。木村はノーモーションの左ストレート,右アッパー,ボディへの左アッパーから連打を浴びせて攻勢。ここで青コーナーの幡野会長がタオルを投入して決着がついた。

 木村はこのクラス最多タイ記録となる10度目の防衛に成功。変則的なスタイルから放つ多彩なパンチはタイミングが取りにくく,相手にとっては大きな脅威である。中村の出足の鋭さを感じてボディ攻撃に切り替えて足を止めにかかっていた点はさすがである。次回はこのクラス最多防衛記録がかかるが,もはや国内に敵なしであることは誰もが認める事実だろう。新記録樹立を区切りとして金正範(韓国)が保持するOPBF王座への挑戦が望まれる。
 初挑戦の中村は右ファイタータイプで右ストレートを武器としている。実力・実績ともに木村とは大きな開きがあったことは間違いないが,得意の右で木村をのけぞらせるなど山場を見せた。ボディブローが効いて途中から出足が止まったことが痛かった。しかし,木村の強打に臆することなく向かっていった勇気は賞賛に値する。

     主審:染谷路朗,副審:土屋末広&ビニー・マーチン&浅尾和信
     ○木村:39戦32勝(16KO)5敗2分     ●中村:23戦13勝(3KO)10敗
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:田中毅

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                     2007年7月21日(土)    後楽園ホール
                      日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級8位)
                ○  江口啓二    判 定   淵上 誠   ●
                     (姫路木下) 159 1/2 lbs          (八王子中屋) 159 1/4 lbs

 サウスポー同士の対決。江口は接近して左右アッパーのボディブローからスタート。上体が振れて足が良く動き,好調な立ち上がりを見せた。江口はバッティングで初回に左目上,2回に左目尻をカットするハンデを負うが,長身の淵上に対して飛び込んで左右フック,アッパーのボディ攻撃で序盤戦を圧倒した。
 5回,リーチのある淵上は右ジャブで江口の出バナを叩いて流れを変えにかかった。しかし,6回開始早々,江口は右フックからボディに左右フックを打ち込んで再び主導権を奪う。
 7・8回は淵上が右ジャブあるいは左アッパー,ストレートで流れを変えて根性がある所を見せた。
 やや手数が減った江口だが,9回,江口はボディ攻撃で再び主導権を取り戻した。淵上も左ストレートをヒットするが,江口の左フックでわずかにぐらついた。10回,両者ともに疲労が激しいが,淵上が死力を振り絞って前に出る。江口も序盤に比べれば動きが鈍ったが,要所は締めた。

 江口は2度目の防衛に成功。序盤から良く足が動いて上体も良く振れていた。終盤にやや疲れが見えたが,左右アッパーのボディ攻撃を中心に先手先手で攻めていた点を高く評価したい。下半身が安定して重量感に溢れており,豊富な練習量を物語るエネルギッシュな試合運びが光る。上体を振って飛び込んで攻める持ち味の攻撃パターンを忘れないことが安定政権への道である。サウスポーのファイタータイプで左フック,ストレートを武器としており,重戦車のような迫力満点のインファイトが身上。
 初挑戦の淵上はサウスポーのボクサーファイターだが,どちらかと言えばボクサータイプに近い。180cmの長身と183cmの長いリーチを誇っており,右ジャブ,ワンツーを武器としている。序盤は江口の圧力に押されていたが,後半は逆に右ジャブを多用して江口を苦しめる場面も見せた。敗れはしたが持っている力を出し切っており,見事な試合内容と言える。パンチ自体はシャープであり,腰高の欠点を改良して下半身を安定させればKO率が上がるはず。

採点結果 江口 淵上
主審:福地勇治 *** ***
副審:吉田和敏 99 93
副審:ウクリッド・サラサス 99 94
副審:土屋末広 99 93
参考:MAOMIE 97 94


     ○江口:16戦15勝(10KO)1敗
     ●淵上:12戦7勝(1KO)5敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:鈴木健

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                      2007年7月21日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本フェザー級10位        日本ライト級(ノーランク)
                ○  川村貢二     判 定    高橋秀鎮   ●
                      (横浜光) 135 lbs                (江坂) 134 1/2 lbs
                                     高橋秀鎮=たかはし・ひでやす

 開始早々から迫力十分のパンチの応酬が展開された。川村は左ジャブをよく突き,パワフルな左フック,アッパーを振る。さらに右ストレートからボディを右フックで叩いてコーナーに追う。高橋も左右フックで応戦し,初回から激しい打ち合いになったが,川村は先手の攻撃で押し気味に試合を進めた。
 4回,川村の右フックがテンプルに決まり,高橋はぐらついてロープに詰まる。チャンスと見た川村はダイナミックな左右フックで攻勢。高橋の左フックで川村が膝を揺らしてクリンチに逃れるす場面もあったが,終盤には川村の右フックで高橋がぐらつく。
 6回は高橋が先に手を出して川村の手数が減ったが,7回は再び川村のペース。高橋の左ストレートを出バナを叩かれた川村はバランスを崩すが,左アッパーのボディブロー,大きな右フックで攻勢に出る。
 8回,打ち疲れのためかホール内の残り時間表示を気にする川村。ともに迫力のある左右フックを交換するが,終了間際,川村の右フックでわずかにぐらつく高橋。

 強打自慢同士のスリリングで見応え十分の熱戦となった。
 川村は良くビルドアップされた上体から繰り出すダイナミックな左右フックに破壊力がある右ファイタータイプ。今夜はときおり高橋の強打でぐらつく場面を見せたが,終始先手の攻撃で高橋を制した。左ジャブを細かく突き,重い左フック,アッパーを上下に打ち分けていた。常に左,左で攻めていた点を評価したい。一方で大振りになって終盤にスタミナ切れの兆候を見せていたことが気になる。上位を目指すには大振りを避けて,スタミナを温存することを考えるべきだろう。コンパクトなパンチとビッグショットを使い分けられれば攻撃に幅が生まれるはず。
 高橋は左フック,右ストレートに威力がある右ファイタータイプで非常に勇敢なボクシングをする。川村の強打を恐れず,堂々と応戦して最後まで試合を盛り上げた。しかし,川村に先手を取られていたことが敗因。

採点結果 川村 高橋
主審:浅尾和信 *** ***
副審:染谷路朗 80 74
副審:ウクリッド・サラサス 79 74
副審:福地勇治 80 74
参考:MAOMIE 79 74


     ○川村:14戦13勝(5KO)1分
     ●高橋:10戦6勝(4KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:高橋雄一

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                2007年7月21日(土)    米国ラスベガス:マンダレイベイ・リゾート&カジノ
                        WBC世界フェザー級暫定王座決定12回戦
                  WBC世界フェザー級2位   T    K   O   WBC世界フェザー級1位
                ○  ホルヘ・リナレス      10回2分37秒    オスカー・ラリオス  ●
                        (帝拳) 126 lbs                             (メキシコ) 126 lbs

 距離を置いては不利と見たラリオスが開始ゴングと同時に猛然と仕かけた。リナレスは高速のジャブで応戦。足を使って左右にかわし,ワンツーから左アッパーをアゴに返す。
 2・3回,どんどん前に出るラリオスはリナレスの動きを封じるべく右ストレートからボディに左アッパーを放つ。リナレスもラリオスの出足を止めようとワンツーからボディに左右アッパーを集めた。
 実力者同士の好試合となったが,6回,ラリオスの突進を足でかわしていたリナレスが作戦を変える。パンチをまとめ打ちしてラリオスの出足を封じにかかるリナレス。下がりながら機を見て足を止め,ワンツー,左右フックの連打を浴びせてはサッと距離を取る。終盤,リナレスが右ストレートから小さく突き上げた左アッパーがアゴを捉えれば,ラリオスは足がもつれてダウン寸前のピンチ。ワンツー,左フックで攻勢に出るリナレス。ラリオスは辛うじてゴングに救われた。
 結局この6回を境に試合の流れは一気にリナレス有利に傾いた。7・8・9回,必死の形相で前に出るラリオスだが,リナレスのまとめ打ちに棒立ちになる場面が目立ち始める。左右アッパーのボディブローに上体を捩りながら耐えるラリオスはリナレスにしがみついてピンチを逃れる場面もあった。
 劇的なフィナーレは10回に用意されていた。必死に前に出るラリオスだが,右ストレート,ワンツーを受けてのけぞり,パンチに対する反応も鈍くなった。左ジャブでのけぞったラリオスにワンツーが追い打ちされる。これがテンプルを捉え,ラリオスは大きくよろめいて踏鞴(たたら)を踏んだ。リナレスはこのチャンスを逃さず,右ストレート,左フックに次ぐ右ストレートの鮮やかな連打を浴びせる。ラリオスの踏ん張りもここまで。大きく吹っ飛んでニュートラルコーナーに腰から落ちてダウン。辛うじて立ち上がったもののダメージが深く,ドラクリッチ主審がストップした。

 リナレス,劇的なタイトル獲得。百戦錬磨のしぶといラリオスをストップした勝ち取った価値あるベルトである。フットワークと高速の左ジャブ,ワンツーでラリオスの突進に対処し,途中からはボディ攻撃で出足を止めた。今までになく被弾したことも事実だが,冷静さを保ったことが勝利につながった。足だけでは突進を止められないと見たのか,中盤以降は自ら足を止めてパンチをまとめることで出足を止めたことが奏功した。
 ラリオスは開始早々からどんどんプレッシャーをかけて最後まで執念を見せた。敗れたとは言え,そのプロ根性に脱帽である。リナレスのスピーディな連打を浴びて徐々に動きが鈍り,前に出ようとする気持ちに足が追随しなかったことが響いた。

9回までの採点 リナレス ラリオス
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:ロバート・ホイル(米国) 87 84
副審:ジョン・マッカーシー(米国) 85 86
副審:ポール・スミス(米国) 89 82
参考:MAOMIE 88 83


     ○リナレス:24戦24勝(15KO)
     ●ラリオス:66戦59勝(37KO)6敗1分

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&浜田剛史&飯田覚士
     実況:高柳謙一     アシスタント:中野知美

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                      2007年7月28日(土)    有明コロシアム
                             10回戦
                  WBA世界フライ級1位       米国フライ級(ノーランク)
                ○  亀田興毅    判 定    セサール・ロペス  ●
                       (協栄) 112 lbs                (米国) 112 lbs
                      WBC3位

 ロペスが軽いフットワークで左右に動きながら鋭い左ジャブを放つ。亀田は前に出て左フック,アッパーから立ち上がる。
 3回,ロペスに動かれては厄介と見た亀田はボディに的を絞って足を止める作戦に出た。終了間際にはロペスの打ち終わりに左ストレート,右フックをヒットする。
 4回,亀田は前に出て左ストレート,ボディに右フック,左アッパーを打ち込む。さらに左アッパー,ストレートをアゴに見舞う亀田。ロペスは鼻から出血して苦しい戦いを強いられた。
 6回,亀田のボディ攻撃でうるさかったロペスの足が止まる。8回,打ち合いを嫌うように動いて距離を取るロペス。しかし,亀田の左アッパーのボディブローに再び動きが鈍る。
 10回,左右アッパーをボディに集める亀田。足が止まって苦しくなるロペスだが,打ち合いを避けるように逃げに回り,フィニッシュだけは回避した。

 どの姿が本当の自分なのか,ここ数試合迷いが見られていた亀田。今夜はスピードを生かしたボクシングに徹したことは高く評価できる。大振りを避け,コンパクトにパンチをまとめていた。序盤こそロペスのうるさい足に戸惑う場面はあったが,すぐにボディブロー中心に切り替えた点が良かった。倒すことばかりに意識が集中していた今までのボクシングから脱却し,動き,スピード,手数を生かすことに専念すべきだろう。
 ロペスは速いフットワークに乗せた左ジャブ,左右フックを得意とする右ボクサーファイター。スピードがあり,非常にシャープなボクシングをする。うるさいフットワークが持ち味だが,ボディを攻められて後半は足が止まり,亀田のペースにはまってしまった。

採点結果 亀田 ロペス
主審:浅尾和信 *** ***
副審:浦谷信彰 99 92
副審:安部和夫 100 92
副審:福地勇治 100 90
参考:MAOMIE 100 92


     ○亀田:16戦16勝(11KO)
     ●ロペス:25戦20勝(4KO)5敗


     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之

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                      2007年7月28日(土)    有明コロシアム
                             10回戦
                WBA世界フライ級10位           WBC世界フライ級17位
               ○  亀田大毅     判 定   ファーペッチノイ・クラティンデンジム  ●
                     (協栄) 112 3/4 lbs                   (タイ) 113 1/2 lbs

 サウスポーのファーペッチノイが足を使って右ジャブ,左ストレートから右フックを返す。亀田がガードを固めながらそれを追う展開に終始した。
 3回,強引に前に出て左右フックを振る亀田だが,接近するまでのパンチが出ない。5回,亀田はロープに詰めて左フックのボディブローから右ストレートでのけぞらせる。
 7回,亀田は左フック,右ストレートを振るが,空を切る場面が目立つ。
 8回,亀田はロープを背にしたファーペッチノイに左フック,右ストレートをヒットしてここでもファーペッチノイをのけぞらせた。
 9回,ファーペッチノイにロープを背負わせて左アッパーのボディブローを3発・4発と連打する亀田。しかし,これは明らかにベルトラインの下。福地主審はこれに対して何の注意もせず,不可解な印象を残した。
 10回,最後まで前進を続ける亀田だが,詰めの甘さが出てフィニッシュは逸した。

 ポイント差は大きく開いたが,亀田は相変わらずガードを固めて愚直に前に出るのみで,工夫が感じられない。本人が得意としているはずの左フックもナックルが返っておらず,見た目の派手さとは裏腹に威力はない。攻撃も単調で,何よりも接近するまでのパンチが出ないことが最大の問題点。今のままではうまい相手にかかれば通じない。本当に上を目指す気があるならば,基本を正確に教えられるちゃんとした指導者についてゼロからやり直す必要があるだろう。
 ファーペッチノイはサウスポーのボクサータイプ。アップライトスタイルで足を使いながら右ジャブ,フック,左ストレートをテンポ良く繰り出す。
 9回に見せた亀田の明らかなローブローを”お咎めなし”とした福地主審のレフェリングは不要な誤解を招きかねない。誰が見てもベルトラインの下とわかるローブローであり,しかもそれを続けざまに放った場面である。これを見逃す方が不自然。業界全体が清浄化に向けて動いている最中であり,厳正なレフェリングを望みたい。

採点結果 亀田 ファーペッチノイ
主審:福地勇治 *** ***
副審:土屋末広 99 92
副審:浅尾和信 100 91
副審:浦谷信彰 100 90
参考:MAOMIE 99 92


     ○亀田:11戦11勝(7KO)
     ●ファーペッチノイ:20戦16勝(11KO)4敗


     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:新夕悦男

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