熱戦譜〜2007年6月の試合から


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試合日 試合 結果
2007.06.02  日本スーパーフライ級
 タイトルマッチ10回戦
 河野公平  9R負傷判定  三枝健二
2007.06.02 8回戦  内山高志  KO3R  白 承元
2007.06.03  東洋太平洋スーパーバンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ウェート・サクムアングレン  判定  玉越強平
2007.06.04  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 イーグル京和  判定  八重樫東
2007.06.11  東洋太平洋クルーザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ドミニク・ベア  TKO8R  高橋良輔
2007.06.11 10回戦  伊藤俊介  TKO6R  飯田幸司
2007.06.16 10回戦  山口真吾  判定  スリヤ・クロンパジョン
2007.06.16 8回戦  熊野和義  判定  アドリアン・ナバレッテ
2007.06.16 8回戦  宮田芳憲  判定  エドガル・リオバージェ
10 2007.06.16 6回戦  中岸風太  判定  サーフィン・スレイマノフ
11 2007.06.16 6回戦  木村 悠  引き分け  板垣幸司
12 2007.06.16 6回戦  市川和幸  TKO2R  安達リョウ
13 2007.06.16 4回戦  小松 学  判定  保住直孝
14 2007.06.24 10回戦  ファニト・ルビリアル  KO5R  中島 健

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                        2007年6月2日(土)    後楽園ホール
                       日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    負 傷 判 定   挑戦者(同級3位)
                ○  河野公平    9回1分05秒     三枝健二   ●
                       (ワタナベ) 115 lbs                       (新開) 115 lbs
                     WBA4位,WBC6位

 開始早々から積極的に手を出す両者。左フックで早くもバランスを崩す三枝。距離を置きたい三枝だが,河野は先手を取ってワンツーでロープに詰める。
 2・3回,三枝も右ストレート,左右アッパーを返すが,河野は先手の攻めで上回る。
 4回,河野の左アッパーがヒット。三枝も左ジャブで立て直しにかかるが,河野が左アッパー,左右フックで上回る。三枝はバッティングで両目上をカットし,ドクターチェックを受ける。コーナーに詰めて攻勢に出る河野。
 5回,河野は右アッパーに次ぐ右フックで攻勢に出る。河野は旺盛な手数で三枝をリードした。三枝がバッティングで負傷したことにより,勝負を急ぐように打ち合いに出る両者。三枝は河野の有効打によってさらに右目上に新しい傷を負った。
 8回,ゴングと同時に勢いよくコーナーを蹴って出た三枝が気迫を見せる。さすがに打ち疲れが見える河野だが,自分自身にムチを打つように手数を出す。右クロス,右ストレートを多用する河野。三枝の左目上からの出血により,再びドクターチェックのために中断した。
 9回,コーナーに詰めて右クロス,右ストレート,左右フックで攻勢に出る河野。三枝もよく応戦するが,左目上の傷が深くなる。ドクターチェックの結果,試合続行不能となった。

 手数と先手の攻めで三枝を圧倒した河野が初防衛に成功した。終盤はやや打ち疲れが見えたが,終始先手を取ったことが奏功した。被弾する場面も見られたが,倍返しするような意欲的な攻撃で上回った。豊富な練習量を物語るエネルギッシュな試合ぶりが光る。相手の左ジャブにかぶせるような右クロスあるいはノーモーションからの右ストレートが効果的。右ファイタータイプ。
 新開ジム初のタイトル獲得を目指した三枝は右ボクサーファイターだが,どちらかというとボクサータイプに近い。よく反撃していたが,河野に距離を詰められていた。自分の距離を保てなかったことが敗因。敗れたものの,ファイティングスピリットは賞賛ものである。

9回までの採点 河野 三枝
主審:安部和夫 *** ***
副審:熊崎広大 89 83
副審:浦谷信彰 89 84
副審:ウクリッド・サラサス 89 83
参考:MAOMIE 89 82


     ○河野:22戦19勝(7KO)3敗
     ●三枝:22戦17勝(9KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:高橋雄一

※ 三枝が偶然のバッティングで負った傷によって9回途中に試合続行不能となったため,当該の9回を含む採点で勝敗を決する。


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                         2007年6月2日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本ライト級11位    K      O   韓国S・フェザー級1位
                ○  内山高志      3回2分01秒    白 承元  ●
                      (ワタナベ) 132 3/4 lbs                      (韓国) 133 1/2 lbs

 初回,白の左フックがヒットするが,内山がパワーの差を見せつけた。ベタ足で前に出る白に対し,左アッパーのボディブロー。後半には強烈な右ストレートで後退する白に連打を浴びせる。
 2回,左右フックで果敢に内山をロープに詰める白だが,内山は落ち着いて対処する。白の動きをよく見て右ストレート,左フックを合わせる。
 3回,内山がワンパンチで試合を決めた。狙い過ぎて手数が減るが,左右フックで迫る白に右アッパーのボディブロー,右フックを浴びせて後退させる。白が右フックを振って飛び込もうとしたところに合わせた右アッパーが鳩尾を抉る。十分に溜めを作って打ち込んだ一撃に白はたまらずダウン。四つん這いのままテンカウントを聞いた。

 強打で鳴らす内山が自慢のKOパンチを披露した。左右ともに一発で試合を終わらせるだけの破壊力を秘め,上下への打ち分けもできている。魅力的な右ボクサーファイターである。左ジャブにも良いものを持っている。しかし,KOを意識して手数が減ることが欠点。柔軟な上体を持っているのだから,上体の動きや捨てパンチを有効に使い,その中から決めのパンチを打ち込むことを心がけるべきである。前に出る白に対し,左フックのカウンターを合わせようという意図がミエミエになっている場面が再三見られた。この点を改善しなければ,上位と当たった場合に手の内を読まれてしまい,苦しくなるだろう。
 白は左右フックを武器とする右ファイタータイプ。ベタ足でスピードはないが,変則的な動きから思い切った攻撃を仕掛ける。

     主審:染谷路朗,副審:吉田和敏&浦谷信彰&安部和夫
     ○内山:7戦7勝(5KO)     ●白:17戦12勝(3KO)5敗
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:田中毅

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                      2007年6月3日(日)    神戸サンボーホール
                    東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級2位)
              ○  ウェート・サクムアングレン   判 定    玉越強平   ●
                         (タイ) 122 lbs                  (千里馬神戸) 122 lbs
                    WBC6位,WBA14位

 初回,様子見のウェートに対し,玉越は距離を取って慎重に見ながら左ジャブ,ストレートを突く。
 2回,サウスポーのウェートがどんどん出る。玉越は得意の足でかわし,自分の距離を保つ。左ジャブ,ワンツーから機を見て左右ショート連打を浴びせる。さらに右アッパーをヒットする玉越。
 5回,玉越はプレッシャーを強めるウェートを足でかわし,右ストレートのカウンター,左右のショート連打を浴びせる。ウェートのアゴに右アッパーを狙う玉越。終了間際,その右アッパーがアゴに炸裂し,ウェートはキャンバスに膝をついて呆気なくダウンを取られた。
 タイトル奪取の気運が一気に盛り上がったが,中盤以降はウェートがジリジリと挽回に出た。素早く距離を詰め,左右アッパーのボディ攻撃で迫るウェート。8回,接近して
右フック,アッパーを玉越のボディに打ち込む。
 9回,玉越は左ジャブを突いて距離を取ろうとするが,ウェートの左ストレートでコーナーに詰まり,クリンチに出た。終了間際には玉越の右アッパーが決まるが,これは浅かった。
 玉越にとって最大のピンチは10回。ロープを背にしたところに右フックを受け,ピンチに陥る。ウェートの右フック,左ストレートの攻勢に玉越はクリンチで逃れた。
 11・12回,体を密着させて押し気味に進めるウェート。玉越はやや疲れが見える。

 玉越は序盤こそ得意の足と左ジャブ,ワンツーで突き放していたが,中盤以降はウェートの執拗なプレッシャーに押されてしまった。5回に右アッパーでダウンを奪って見せ場を作ったが,終わってみれば3−0の完敗である。自分の距離を保ちきれなかったことが敗因。174cmという長身の右ボクサータイプで,フットワークに乗せて放つ左ジャブ,ワンツー,左フックを武器としている。
 ウェ−トは4度目の防衛に成功。サウスポーのハードパンチャーである。スロースターター気味だが,パワー,プレッシャーの強さが光る。右フック,左ストレートあるいはボディへの左右アッパーなどによる間断ない攻撃に迫力がある。

採点結果 ウェート 玉越
主審:金在奉(韓国=キム・ジェボン) 115 113
副審:野田昌宏 115 113
副審:アナン・メクサワン(タイ) 116 112
参考:MAOMIE 116 112

     ○ウェート:90戦86勝(52KO)4敗
     ●玉越:28戦18勝(8KO)5敗5分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:田野和彦

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                       2007年6月4日(月)    パシフィコ横浜
                      WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級6位)
                ○  イーグル京和    判 定    八重樫東   ●
                       (角海老宝石) 105 lbs             (大橋) 104 1/2 lbs

 初回から実力の差が出た。イーグルの右ストレートがヒット。なおも速いワンツーが決まる。不敵な笑みを浮かべるイーグルの右ストレートがヒットして,八重樫はガクッと腰を落としてダウン寸前。そこへさらに右フックの追い打ちがあり,八重樫は早くもピンチを迎えた。
 2回,八重樫はラッシュに出るが,イーグルは落ち着いている。八重樫はバッティングで左目上をカットするハンデを負った。
 中盤のイーグルは余裕タップリのボクシングで完全に主導権を握った。ときおりラッシュを見せる八重樫だが,動きを読まれ,逆にワンツー,右クロス,ボディへの左右アッパーを浴びた。
 6回,アゴを痛めたのか口が閉じない八重樫。イーグルはジリジリと追い込んで左右のボディ攻撃から右クロス,フックをヒットする。八重樫は手数が減って後退。
 7回,プレッシャーをかけるイーグル。左右のボディブローから右ストレートを打ち下ろす。打ち合いに強い八重樫が足を使って打ち合いを避ける場面が目立つようになった。
 9回,巧みに休みながら的確なパンチで着実にポイントを重ねるイーグル。キャリアの差を感じさせる展開。終盤にはイーグルのワンツーが痛めたアゴを襲う。
 10回,足を使うが手が出ない八重樫。終了間際の打ち合いの中,イーグルのワンツーがカウンター気味に決まり,八重樫は膝からキャンバスに落ちて痛恨のダウンを喫した。
 10回終了後のインターバル中にドクターによって八重樫のアゴの状態がチェックされた。続行OKとの判断が下ったが,結果的にはストップすべき状態だった。
 11・12回,八重樫はサークリングしてかわすのが精一杯。イーグルも安全運転に徹したため,フィニッシュできなかった。

 苦戦が予想されたイーグルだが,終わってみれば実質フルマークの完勝で4度目の防衛成功である。終盤に安全運転になってしまい,仕留められなかったことは不満が残るが,磐石の勝利と言えるだろう。相手の出方をよく見て左右アッパーのボディ攻撃,ワンツー,右クロスなどの多彩な打ち分けが見事。キャリアのない八重樫とはすべての面で大きな開きがあった。
 7戦目での世界初挑戦となった八重樫だが,老獪なイーグルに翻弄された。ときおり果敢なラッシュを見せたが,逆にイーグルの正確なパンチを返された。序盤にアゴを骨折するアクシデントがあったが,それを差し引いても完敗と言える。キャリアに屈したことが敗因であるが,好素材であることは間違いない。負傷を癒し,ゼロから経験を積んで再挑戦できるように精進して欲しい。
 10回終了後のドクターチェックで続行を主張した大橋会長,それを許したドクターと主審の処置には大きな問題がある。誤った判断によって貴重な人材を潰すことになりかねない。慎重な対応をお願いしたい。

採点結果 イーグル 八重樫
主審:ホセ・コビアン(米国) *** ***
副審:ホセ・デラモア(メキシコ) 118 108
副審:ニコラス・イダルゴ(ベネズエラ) 119 107
副審:レイ・ホーキンス(米国) 119 107
参考:MAOMIE 119 107

     
     ○イーグル:19戦18勝(6KO)1敗
     ●八重樫:7戦6勝(5KO)1敗

     放送:テレビ東京
     解説:坂本博之&川嶋勝重
     実況:島田弘久

※ 第2ラウンド,イーグルの減点1を含む採点。偶然のバッティングにより八重樫が負傷し,WBCの規定により減点が課せられたもの。

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                      2007年6月11日(月)    後楽園ホール
                    東洋太平洋クルーザー級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級5位)    T  K  O     チャンピオン
                ○  ドミニク・ベア      8回46秒    高橋良輔  ●
                       (豪州) 197 lbs                     (金子) 196 1/4 lbs

 序盤からベアが意欲的な攻撃を展開し,高橋を追い込んだ。2回,左右アッパーのボディブローから右ストレート,アッパーで攻め込むベアに早くも苦戦の様相を呈する高橋。
 上体を振って上下に打ち分けるベアの前に,3回以降の高橋はジリ貧に陥った。5回,ベアの連打に高橋は苦しくなる。右ストレートを返すが,どんどん前進するベアに押されて守勢に回る場面が目立つ。
 7回,ベアの攻勢にロープに詰まって防戦一方の高橋。ベアはますます調子に乗り,左右アッパー,右ストレートにボディ攻撃を交えて攻勢を強めた。
 8回,ついに高橋が捕まった。一向に手数が減らないベアは開始早々から高橋を圧倒する。右ストレート,左右アッパーでロープを背に防戦一方となったところでサラサス主審がストップした。

 日本での最重量級のタイトル防衛を目指した高橋だが,初防衛に失敗。ベアの手数に圧倒され,まさにワンサイドゲームの完敗である。
 高橋は右ファイタータイプで右ストレート,左右フックを武器としている。今夜は動きと左ジャブ,ワンツーでベアの前進を止めたいところだったが,矢継ぎ早の連打に押し切られてしまった。
 ベアは右ストレート,アッパー,ボディへの左右アッパーなどの多彩なパンチが売り物の右ファイタータイプ。上体を振って接近し,相手に休む暇を与えない手数による攻撃を武器としている。右ストレートの打ち方が良くない面はあるが,重量級にしては比較的スピードがある。

7回までの採点 ベア 高橋
主審:ウクリッド・サラサス(タイ) 70 64
副審:カーロス・ザッピア(豪州) 69 64
副審:浅尾和信 69 64
参考:MAOMIE 70 64

     ○ベア:6戦5勝(4KO)1敗
     ●高橋:23戦17勝(9KO)5敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:長坂哲夫

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                      2007年6月11日(月)    後楽園ホール
                              10回戦
                   日本ライト級2位   T  K  O   日本S・ライト級2位
                ○  伊藤俊介    6回46秒    飯田幸司   ●
                      (金子) 139 3/4 lbs                (ヨネクラ) 139 3/4 lbs

 足で距離を取りながら左ジャブ,フック,ワンツーで飯田の前進をさばく伊藤。2回,飯田は構わず前に出て右フックを浴びせるが,コーナーで逆に右フックを受けてぐらつく。伊藤は打ち合いの中で冷静に飯田の動きを見て右ストレートをヒット。終盤の打ち合いで右ストレート,左フックを受けた飯田がキャンバスに倒れるが,これはフォローの左フックが首の後ろを巻き込んだものとしてスリップダウンと判定された。このとき勢い余って放ったパンチが倒れている飯田の顔面にヒットし,伊藤は減点1を課せられた。
 飯田は3回開始早々から果敢に攻め込むが,離れ際の左フックでグラリと足がもつれる。チャンスと見た伊藤はロープに詰めて攻勢。飯田も反撃を見せて激しい打ち合いになるが,伊藤の右フックからの連打に晒され,右アッパーでロープにもたれてピンチ。
 4回,足を使って距離を保ち,連打をまとめるうまさを見せる伊藤。
 5回は飯田が左右フックの連打で根性のあるところを見せたが,伊藤の有効打で右目上をカット。
 6回開始早々,ドクターチェックを受ける飯田。再開後,出血にも構わず前に出る飯田だが,作戦を変えた伊藤は打ち合いを避けるように距離を取り,左ジャブ,フック,アッパーを多用する。ここで飯田の右目上からの出血が酷くなり,再びドクターチェックの結果ストップされた。

 闘志と意地のぶつかり合いで非常に見応えのある熱戦となった。
 傷によるTKOではあるが,元日本ライト級王者・伊藤が見事なアウトボクシングを見せた。足を使って距離を取り,多彩な左を多用していたことが評価できる。機を見て一気に連打をまとめるうまい試合運びでリードした。スーパーライト級ではやや体が重い感じはするが,安定政権を築いている王者・木村登勇(横浜光)への挑戦が決まれば非常に楽しみである。
 飯田は闘志溢れるインファイトを持ち味とする右ファイタータイプであり,左右フック,アッパーの連打を武器としている。敗れはしたものの,試合を捨てずに食い下がったスピリットは見事。今夜は足がある伊藤に距離を取られて苦戦する場面が目立った。

     主審:浦谷信彰,副審:山田一公&葛城明彦&ビニー・マーチン
     ○伊藤:26戦22勝(17KO)3敗1分     ●飯田:18戦11勝(3KO)6敗1分
     放送:フジテレビ739     解説:川島郭志     実況:福永一茂

※ 伊藤の有効打によって負った傷で飯田が6回途中に試合続行不能となったため,伊藤の6回TKO勝ちとなる。

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                      2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                 WBA世界L・フライ級9位        タイ国ライトフライ級チャンピオン
               ○   山口真吾     判 定    スリヤ・クロンパジョン   ●
                      (渡嘉敷) 110 lbs                    (タイ) 110 lbs
                     WBC13位

 開始早々から山口が意欲的に距離を詰め,左ジャブ,フックからボディに左右フックを放つ。ロープを背負ったスリヤに連打を浴びせる山口。2回以降も山口の攻勢が続く。スリヤは下がりながら思い切った右ストレート,左フックを振って応戦。
 4回,右ストレートのカウンターをもらう場面を見せた山口だが,左右フック,アッパーによる矢継ぎ早の連打でスリヤをロープに詰めて攻勢。
 7回,スリヤの動きが鈍る。上下への間断ない打ち分けでスリヤを圧倒する山口。8回,山口の連打に晒されたスリヤはバランスを崩しながらも思い切ったパンチを振る。
 10回,連打で押す山口。右アッパーに合わせて放った山口の右フックをアゴに受けてスリヤの顔が上を向く。しかし,山口は最後まで攻めながらも決め手を欠いてフィニッシュを逸した。

 再び世界挑戦を目指す山口が前哨戦と銘打った試合で圧勝した。序盤から左右の連打を間断なく上下に打ち分け,KOを狙った意欲的な攻撃を展開した点は高く評価できる。世界初挑戦時は経験不測を指摘されたが,キャリアを積んだことによってうまさが加わった。しかし,一方的に攻めながらもフィニッシュできなかったことは不満が残る。左ジャブを多用し,強弱をつけてメリハリを持たせた攻撃が欲しい。
 スリヤは19歳という若さを誇る右ファイタータイプ。リーチを生かし,広いスタンスから思い切った右ストレート,左右フックを振ってくる。バランスを崩すことが欠点だが,その体勢から思い切ったパンチが出る。

採点結果 山口 スリヤ
主審:土屋末広 *** ***
副審:染谷路朗 100 92
副審:浦谷信彰 99 91
副審:福地勇治 100 91
参考:MAOMIE 100 91


     ○山口:27戦21勝(7KO)4敗2分
     ●スリヤ:13戦9勝(3KO)4敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:中野謙吾

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                      2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
                  日本ライト級(ノーランク)       メキシコ ライト級(ノーランク)
                ○  熊野和義    判 定   アドリアン・ナバレッテ  ●
                      (宮田) 134 3/4 lbs             (メキシコ) 134 3/4 lbs

 初回からともに積極的に手を出す両者。ナバレッテは左右フック,アッパーをボディに集める。熊野は気の強さを見せ,負けずに左ジャブ,右ストレート,左フックで応戦。
 2回には逆に熊野がプレッシャーをかけて前に出る。カウンターの右フック,さらにワンツー,ボディへの左右アッパー。ボディ攻撃で応戦するナバレッテだが,やりにくそうな表情を見せる。
 4回,バッティングで左目上をカットした熊野はドクターチェックを受けるが,気の強さを前面に出した攻撃を見せる。
 6回1分過ぎ,熊野の右フックでナバレッテは思わずキャンバスにグラブをついてしまう。直前に足を滑らせていたためにスリップダウンと判定されたが,ノックダウンとしても良かった場面。熊野はなおも右ストレート,左フックでナバレッテをたじろがせる。ナバレッテの左右フックで動きが止まる場面もあったが,ここは気持ちで押し返した。
 7回は疲れが見られた熊野だが,8回には再びプレッシャーを強めた。左ストレートでナバレッテの顔が上を向く。さらに右フックでわずかにぐらつくナバレッテ。熊野は最後まで右ストレート,左右フックで追い込んだ。

 熊野は強打のナバレッテに対して臆することなく積極的に攻め続けたことが勝因。右ファイタータイプで,左ジャブ,右ストレート,左フックが武器である。細身だが,気の強さを前面に押し出した攻撃型の試合運びを身上としている。足を器用に使うタイプではないが,とにかく前に出る強気のボクシングが奏功した。しかし,攻撃が一本調子になる傾向が見られることが欠点。相手の目が慣れて動きを読まれてしまう恐れがある。変化を持たせることが今後の課題。
 ナバレッテは序盤でのKOが多いハードパンチャー。ボディ攻撃を中心とする左右フック,アッパーの連打を得意としている。初回こそ積極的に攻めていたが,熊野が強気の攻撃に転じると2回以降は後手に回る場面が目立った。

採点結果 熊野 ナバレッテ
主審:山田一公 *** ***
副審:福地勇治 80 74
副審:ビニー・マーチン 79 74
副審:土屋末広 79 74
参考:MAOMIE 79 74


     ○熊野:23戦19勝(4KO)4敗
     ●ナバレッテ:23戦19勝(15KO)4敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:寺島淳司

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                      2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  東洋太平洋フェザー級14位        メキシコ フェザー級(ノーランク)
                ○   宮田芳憲       判 定   エドガル・リオバージェ  ●
                       (角海老宝石) 126 lbs                 (メキシコ) 125 1/2 lbs

 宮田が初回からダイナミックな動きを見せる。単発ながらもリオバージェの左ジャブ,右ストレート,左フックがヒットする。
 2回,リオバージェの左アッパーがローブローになり,宮田に1分間のインターバルが与えられる。リオバージェのワンツー,ボディへの左アッパーに宮田は左右フックで応戦。終了間際,宮田の右ストレートがヒット。宮田の右ストレートがよく決まり,主導権は宮田に移った。
 3・4・5回,前進するリオバージェに対し,宮田は下がりながら良く見て左右フック,アッパーから右ストレートを的確にヒットする。
 6回,宮田のワンツーでリオバージェは棒立ち。チャンスと見た宮田は左右フックでロープに詰めて攻勢に出る。リオバージェも重い右アッパー,左フックで反撃するが,飛び込んで放った宮田の左フックで再びロープに詰まる場面が見られた。
 終盤のリオバージェは動きが鈍って焦りが見える。8回,左アッパーが再びローブローになり,リオバージェは減点1を課せられた。疲労の色が濃いリオバージェは宮田の左フックを受けてひるむ。なおも出バナにワンツー,右ストレートを決める宮田。

 低迷していた宮田だが,久々に持ち味のダイナミックなボクシングを披露した。振りが大きくなる欠点は相変わらずだが,左フックに加えて得意の右ストレートが再三ヒットしていた。今夜はリオバージェの積極的な攻撃にやや受けに回ることが多かったが,日本ランクへの返り咲きには自分から攻めて主導権を握ることが必要である。
 リオバージェはワンツー,ボディへの左アッパーを武器とする右ファイター。スピードはないが,パンチは重い。

採点結果 宮田 リオバージェ
主審:染谷路朗 *** ***
副審:福地勇治 79 73
副審:浦谷信彰 79 73
副審:山田一公 80 72
参考:MAOMIE 79 72


     ○宮田:26戦20勝(10KO)5敗1分
     ●リオバージェ:20戦16勝(12KO)4敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:寺島淳司

※ 第8ラウンドのローブローによるリオバージェの減点1を含む採点。

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                      2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                              6回戦
                東洋太平洋S・バンタム級10位      ウクライナ フェザー級(ノーランク)
               ○   中岸風太     判 定   サーフィン・スレイマノフ  ●
                       (カシミ) 126 lbs                   (ウクライナ) 126 lbs

 初回,サウスポーのスレイマノフはガードを固めて音無しの構え。中岸はブロックの上から右ストレート,左フック,アッパーを浴びせる。
 2回,スレイマノフの右アッパーがヒット。中岸は変則的な動きから連打を浴びせるが,ナックルパートが返っていない。
 4回,スレイマノフの左ストレートで中岸の顔が上を向く場面が見られたが,それ以外は中岸のペース。サウスポーにスイッチして左ストレート,フックから左右フックを叩きつけて攻め込む中岸。
 ほとんど手数を出さないスレイマノフだが,6回にようやく左右ショートアッパーで反撃の構えを見せた。しかし,ここでも左右にスイッチしながら変則的にパンチを出す中岸の手数が上回った。

 採点上は中岸のワンサイドゲームだが,試合内容は褒められない。手数では上回ったものの,ナックルパートが返らない手打ちが非常に多い。これでは相手にダメージを与えられない。無駄な動きが非常に多いことも気になる。手足の動きがバラバラであり,中途半端なボクサーという印象しか残らない。アマ資格問題で話題性だけが先行した形になっているが,ボクシングは未熟そのもの。基本からやり直さなければ,上位進出は厳しいだろう。
 アマチュアで321戦258勝63敗という実績を看板に日本でプロデビューを果たしたスレイマノフはサウスポーのボクサーファイター。しかし,手数が少なく,消極的なボクシングで自滅した。ガードを固めるばかりで手数が出ないことが欠点。

採点結果 中岸 スレイマノフ
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:染谷路朗 60 55
副審:山田一公 59 56
副審:福地勇治 59 55
参考:MAOMIE 60 54


     ○中岸:14戦11勝(6KO)2敗1分
     ●スレイマノフ:1戦1敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                      2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                               6回戦
                  日本フライ級(ノーランク)        日本フライ級(ノーランク)
                ×  木村 悠      引き分け   板垣幸司  ×
                       (帝拳) 112 lbs                  (広島三栄) 112 lbs

 初回,前に出て左ジャブ,ワンツーから攻める木村。板垣は果敢に右フックのボディブローから飛び込んで左右フックを放つ。
 2回,積極的に左右フック,ボディへの右フックで攻め込む板垣にやや後手に回る木村。板垣の入り際に右ストレートのカウンターを狙う木村だが,手数で下回る。4回,板垣の手数に手を焼く木村。木村は足を使ってかわすが,スピード不足が目立つ。
 5回,板垣の右ストレート,ボディへの左右フックの連打にひるんだ木村はコーナーに詰まる。終盤にようやく右ストレート,左右フックで反撃に出る木村。
 6回,必死に左右フックで手を出す板垣。木村もロングレンジから右ストレートを伸ばすが,空を切る場面が目立った。

 盛り上がりのない凡戦。
 アマ(習志野高→法大)で実績のある木村は右ボクサーファイターで左ジャブ,ワンツーが武器。しかし,胴回りに締まりがなく頬もふっくらして,動きにもパンチにもスピードを欠くことが気になる。相手に攻め込まれると足でかわすことだけに専念する状態に陥っており,攻防のつながりが悪くなっていることが目立つ。アマチュアの実績だけで通用するほどプロの世界は甘くない。相当意識を変えて取り組まなければ,先はないと考えるべきである。
 予想外の善戦を見せた板垣は左右フックを武器とする右ファイタータイプ。スピードはないが,連打を軸とする粘り強い攻撃を身上とする。

採点結果 木村 板垣
主審:染谷路朗 *** ***
副審:土屋末広 58 58
副審:山田一公 57 59
副審:ビニー・マーチン 58 58
参考:MAOMIE 57 58


     ×木村:3戦2勝(1KO)1分
     ×板垣:8戦5勝(2KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:藤田大介

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                       2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                                  6回戦
                東洋太平洋バンタム級7位   T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
              ○    市川和幸      2回1分34秒     安達リョウ     ●
                    (八王子中屋) 117 1/2 lbs                      (渡嘉敷) 117 1/2 lbs

 初回,安達が左右フックで迫るが,足が動かない。逆に市川は冷静に動きを見て,シャープな右ストレート,左右フックを連打。右フックのカウンターで安達の足がわずかにもつれた。
 2回,市川が鮮やかに試合を決めた。左右フックで攻め込む安達だが,市川は落ち着いている。軽い右ストレートから返しの左フックがアゴを捉えれば,安達はたまらず腰から落ちてダウン。打ち気に出てガードが開き,両足が揃ったところに合わせた見事なカウンターだった。安達は立ち上がったものの,足元が怪しい。右ストレート,左右フックで攻勢に出る市川。ワンツーを浴びせたところでマーチン主審が安達を救う。安達はストップと同時に力尽きたようにキャンバスに崩れ落ちた。

 ハードパンチャーの安達に対して,冷静に隙を突いた市川のうまさが光った。アマ経験を持つ右ボクサーファイターで,相手の動きを見極めてカウンターを取っており,目と勘の良さがある。武器はワンツー,左フック。
 安達は右ファイタータイプで,ガッシリと発達した上半身から放つ左右フックに威力がある。しかし,ガードが下がって相手の正面に立ってしまうことが致命的な欠点である。今夜は足が動かず,市川のカウンターを浴びてしまったことが敗因。

     主審:ビニー・マーチン,副審:福地勇治&浦谷信彰&山田一公
     ○市川:13戦10勝(4KO)1敗2分     ●安達:18戦10勝(6KO)7敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:藤田大介

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                     2007年6月16日(土)    後楽園ホール
                             4回戦
                   日本ミドル級7位          日本ミドル級2位
                ○  小松 学    判 定    保住直孝  ●
                      (ワタナベ) 160 lbs                (ヨネクラ) 160 lbs

 様子見から立ち上がる両者。保住は腰を低く落としてグラブを高く突き出す独特の”覗き見スタイル”で迫る。小松は動きながらチャンスを窺い,終了間際に保住をロープに詰めて攻勢に出た。
 2回,小松の左フックから右ストレートが保住のアゴを捉える。
 よく動く小松だが,最終回には保住がプレッシャーを強めた。左右フック,アッパーでどんどん攻め込む保住。小松も左右フックで応戦。終盤にも激しい打ち合いになる。この回は保住が上回ったが,わずかの差で小松が判定をものにした。

 現役日本ランカー同士が4回戦を争う一戦。勝利者としてコールされた瞬間,驚いたような表情を見せた小松だが,序盤のポイントがモノを言った。ファイターに近い右ボクサーファイタータイプで,足が良く動くことが長所。動きながらチャンスを窺い,機を見てパンチをまとめるのが得意のパターン。引き締まった上半身から放つ左右フック,右ストレートを武器としている。
 ベテランの保住は終盤の追い上げも空しく,若い小松に惜敗。さすがに全盛期のスピードはないが,息長くリングに上がり続ける取り組み姿勢とプロ根性に頭が下がる。

採点結果 小松 保住
主審:福地勇治 *** ***
副審:染谷路朗 39 38
副審:土屋末広 39 37
副審:ビニー・マーチン 39 38
参考:MAOMIE 39 38


     ○小松:15戦6勝(1KO)9敗
     ●保住:38戦30勝(23KO)7敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:上重聡

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                       2007年6月24日(日)    西成区民センター
                      東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン     K      O   挑戦者(同級6位)
                ○  ファニト・ルビリアル  5回2分42秒    中島 健  ●
                        (比国) 108 lbs                      (グリーンツダ) 108 lbs

 サウスポーのルビリアルが仕かけ,中島がこれを迎え撃つという展開。中島は前に出るルビリアルに右ストレートを合わせる。
 3回,中島は足を止めて左右フック,アッパーをボディに集める。中島の右フックがヒット。ルビリアルの右フック,左ストレートを受ける場面があったが,中島が手数で上回る。
 4回,激しい打ち合い。中島もボディ攻撃から右フックをヒットするが,ルビリアルが徐々にピッチを上げる。弱点のボディを打たれた中島の動きが止まり,流れは一気に王者に傾いた。
 5回,呆気なく勝負が決まった。ボディ攻撃中心にプレッシャーを強めるルビリアル。中島は弱気の虫が出て,左アッパー,右フックのボディブローにコーナーで足が止まってピンチに陥る。必死に耐えるが,中途半端に右を伸ばして体が流れたところを突かれた。左フックをわき腹に打ち込まれて仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったが,再び捕まった。ロープを背にしたところに連打からの右フックをわき腹に打ち込まれて崩れるように2度目のダウン。何とかファイティングポーズを取ったが,ルビリアルの連打に晒されたところでギョンラオン主審がストップした。

 中島は弱点のボディを打たれて精神的な弱さを露呈し,ジリ貧に陥った。立ち上がりこそ足を止めて果敢に打ち合いに応じていたが,ルビリアルがボディ攻撃中心に執拗な攻撃に転じると粘りを見せることもなく,あっさりギブアップしてしまった。これを最後に引退を表明したが,少々不甲斐なさが残る。
 ルビリアルはサウスポーのファイタータイプ。左フック,右アッパーのボディブロー,アゴへの右フック,左ストレートなどのスピードのあるパンチを上下に打ち分ける攻撃型である。手数が多く,パンチ力もなかなかのもの。

4回までの採点 ルビリアル 中島
主審:シンチャイ・ギョンラオン(タイ) 38 38
副審:宮崎久利 37 39
副審:レイ・ダンセコ(比国) 39 37
参考:MAOMIE 38 38

     ○ルビリアル:59戦42勝(18KO)10敗7分
     ●中島:21戦16勝(10KO)5敗

     放送:スカイA
     解説:井上孝
     実況:岩本計介

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