熱戦譜〜2007年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2007.05.03  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 長谷川穂積  判定  シンピウェ・ベチェカ
2007.05.03  WBA世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 アレクサンデル・ムニョス  判定  名城信男
2007.05.03  WBA世界スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 エドウィン・バレロ  TKO8R  本望信人
2007.05.05  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 黒木健孝  7R負傷判定  三澤照夫
2007.05.05 10回戦  池原信遂  判定  福島学
2007.05.05 10回戦  矢代義光  判定  ジュデフィロ・アクロ
2007.05.19  日本スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 東洋太平洋スーパー・フェザー級
 王座決定12回戦
 小堀佑介  TKO7R  村上潤二
2007.05.19 10回戦  久田恭裕  判定  小川利樹
2007.05.19 10回戦  小林秀徳  判定  長井祐太
10 2007.05.23 10回戦  亀田興毅  TKO8R  イルファン・オガー

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                       2007年5月3日(木)    有明コロシアム
                     WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン           挑戦者(同級4位)
                ○ 長谷川穂積   判 定   シンピウェ・ベチェカ  ●
                     (千里馬神戸) 118 lbs             (南アフリカ) 117 3/4 lbs

 開始早々いきなり左ストレートをボディに送って長谷川が迫る。長谷川も警戒して手数が少ないが,ベチェカはほとんど手を出さず音なしの構え。2回,長谷川はジリジリとプレッシャーをかけ,いきなりの左ストレートあるいは右フックを振る。
 3回にはガルシア主審が両者に対して,もっと手を出すように注意を与える。左ストレート,フックを振って迫る長谷川に対し,ベチェカは開いたガードから右ストレート,アッパーを狙う。
 リードして4回を終了した長谷川だが,ともに手を出さない試合にゴングと同時に場内からブーイングが流れた。
 5回開始前,リング中央に歩み寄った両者に対して,ガルシア主審は再びもっと手を出すように促した。
 6回,ベチェカがようやく打ち気に出た。打ち合いの中,相打ちの右フックでのけぞる長谷川。長谷川は足を止めず,サイドに回りこみたいところ。
 7回,左ストレートの打ち終わりに右ストレートを食った長谷川がバランスを崩す場面が見られた。8回にもベチェカの右ストレートがヒットする。長谷川は左の打ち終わりにパンチを返され,拙い展開になった。
 9回,長谷川は左ストレートの3連発でベチェカを追い込み,挑戦者に傾きかけた流れを引き戻した。
 終盤の両者は広告がプリントされたキャンバスが滑って足を取られ,集中力を欠く場面が目立った。11回,前半はベチェカが前に出てくるが,長谷川は終盤に敢然と打ち合いを仕かける。左ストレート,フック,右フックを振ってベチェカを追い込む長谷川。
 12回,ようやく激しいパンチの応酬が見られた。左ストレートを受けて怯んだベチェカはクリンチに逃れ,自コーナーに視線を送る弱気な表情を見せた。チャンスと見た長谷川はベチェカをロープに詰め,怒涛のラッシュに出る。ベチェカも応戦するが,長谷川の激しい攻撃に守勢に回る。長谷川はラッシュで後退させ,土壇場で見せ場を作った。

 長谷川は4度目の防衛に成功。カウンターのうまいベチェカに苦戦したが,終盤に見せ場を作って勝利を確実にしたあたりは過去3度の防衛を重ねてきた自信の表れだろう。苦戦の原因はカウンターを警戒する余りに動きが硬く,足が動かずに正面に立ったことが挙げられる。もっとサイドに回り込み,揺さぶりをかけて横から崩すことができれば比較的楽に戦えたはず。しかし,今夜のような難敵を撃退した経験を生かし,さらに精進すれば本人が熱望する本場・米国への進出も夢ではない。
 ベチェカは、右ボクサータイプで左ジャブ,右ストレートを武器としている。やや低くて開き気味のガードが特徴で,この構えでロングレンジあるいは中間距離から放つ右ストレート,フックが決め手になる。今夜の試合を見る限りでは,打ち終わりに巧みにパンチを合わせるカウンターパンチャーと言える。懐の深さとリーチの長さもあり,相手にとってはやりにくいタイプである。やや腰高のため,接近戦はあまり得意ではない。

 リング中央にスポンサーのものと思われる広告がプリントされており,ここで足元が滑って不安定になり,終盤は両者ともに集中力を欠く場面が目立った。周囲のキャンバスよりも広告の部分の摩擦係数が小さいため,特にロープ際からリング中央に入ったときに足元が滑りやすくなったものと考えられる。汗や水だけでなく,ワセリンでも垂れれば収集がつかなくなる。主催者に猛省を促すと同時に,JBCにはルールの厳格な適用を求めたい。

採点結果 長谷川 ベチェカ
主審:グアダルペ・ガルシア(メキシコ) *** ***
副審:デュアン・フォード(米国) 116 112
副審:ビクトル・マヌエル・セルバンテス(メキシコ) 115 113
副審:デビッド・サザーランド(米国) 116 112
参考:MAOMIE 117 113


     ○長谷川:24戦22勝(7KO)2敗
     ●ベチェカ:17戦16勝(9KO)1敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史     ゲスト:粟生隆寛
     実況:鈴木健

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                       2007年5月3日(木)    有明コロシアム
                     WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級1位)            チャンピオン   
                ○ アレクサンデル・ムニョス   判 定   名城信男  ●
                       (ベネズエラ) 114 3/4 lbs               (六島) 115 lbs

 初回,強打のムニョスは左ジャブを突いてオーソドックスな攻撃を見せる。右ストレートをボディへ。終盤には名城も連打を見せるが,これは届かない。
 名城は2回に左フックをアゴに決めて攻勢に出る。3回にも右ストレートがカウンター気味にムニョスのアゴを捉えた。
 しかし,それ以降はムニョスのパワーに押され気味の名城。4回,ともに手数が多くなるが,ムニョスのプレッシャーがきつくなる。叩きつけるような右ストレート,左ジャブ,右アッパーで迫るムニョス。5回,ムニョスの右アッパーがアゴに決まる。上体を振って潜り込みたい名城だが,ムニョスの手数が上回った。
 6回には名城が左フックをボディからアゴにダブルで持っていくが,ムニョスはうまく足を使って追撃を許さない。
 7回は再びムニョスのペース。プレッシャーを強めたムニョスはロープに下がった名城に右ストレート,左右アッパーを浴びせて攻勢。
 8回,名城は右ストレートでムニョスを追うが,逆に右ストレート,左右アッパーの強打に晒された名城がロープを背にする。名城は負けじと左アッパーのボディブローで応戦するが,ムニョスの右アッパーをアゴに受けて形勢逆転。右ストレート,左右アッパーを振ってぐいぐいと追い込むムニョス。
 終盤のムニョスは上体が立ち,口を開いて呼吸する場面が目立ったが,名城のパンチも虚しく空を切る。12回,名城は前に出るが,逆にムニョスの右ストレート,アッパーで後手に回った。

 名城は2度目の防衛に失敗。ムニョスのパワーに押され,思い切った攻撃ができなかったことが敗因。上体を振って懐に潜り込み,ムニョスが不得手とする接近戦に持ち込めれば勝機はあったが,それだけムニョスに威圧感があったということだろう。しかしながら,考えてみればまだ10戦目である。キャリアの差を感じたと思うが,リベンジを狙ってぜひ再起して欲しい。
 ムニョスはパワー一辺倒の以前のボクシングから見事にモデルチェンジしていた。左を突き,ときには足を使う術も身につけていたことが注目される。相変わらず打ち方は良くないが,体勢を崩してでも強いパンチが出ることが強味。攻撃力にクレバーな一面が加わって脱皮した姿を見せた。これがキャリアというものだろう。

採点結果 ムニョス 名城
主審:ラファエル・ラモス(米国) *** ***
副審:ラウル・カイズ(米国) 117 111
副審:ガイ・ジュトラス(カナダ) 117 112
副審:フィリップ・ベルベケ(ベルギー) 118 109
参考:MAOMIE 116 112


     ○ムニョス:32戦30勝(27KO)2敗
     ●名城:10戦9勝(5KO)1敗

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:村山喜彦

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                        2007年5月3日(木)    有明コロシアム
                     WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン     T   K   O   挑戦者(同級2位)
               ○  エドウィン・バレロ   8回1分54秒    本望信人   ●
                      (ベネズエラ) 130 lbs                    (角海老宝石) 129 1/2 lbs

 やや慎重な立ち上がりを見せたバレロだが,2回に入ると攻撃のボルテージを上げた。本望の動きも悪くないが,バレロは左ストレート,フックを振って攻勢。本望は早くも眉間をカット(バレロの有効打による傷)して出血を見るが,果敢にカウンターを合わせる。本望の左フックがヒットする場面が見られた。
 3回,バレロの左ストレート,フックに対し,本望はよく見て応戦し,左ストレートをアゴに打ち返す。
 4回,バレロがプレッシャーを強める。ワンツーでロープを背にした本望はクリンチに逃れる。ここで本望は右目上をカット(バレロの有効打による傷)。
 5回,バレロが攻撃のピッチを上げる。左ストレート,左右フックのラッシュに守勢に回る本望。本望の右目上からの出血が激しくなり,ドクターチェックのために中断する場面があった。
 6回,本望はバレロの攻撃に後退するが,逆に右ストレート,左フックのカウンターを決める場面もあって見せ場を作った。
 8回,開始早々の打合いで再び本望の出血が激しくなるが,最初のドクターチェックは辛うじて再開となった。本望は相打ちによる玉砕覚悟で必死の形相で食い下がるが,再度のドクターチェックの結果,ついに無念のストップとなった。

 バレロは2度目の防衛に成功。本望の速い動きに戸惑った面はあるが,歴然たるパワーの差を見せた。本望にクリンチする余裕を与えない攻撃力は圧巻である。アゴが上がる欠点はあるが,それを補って余りあるパワーということだろう。
 本望はよく健闘し,叩き上げの意地と執念を見せた。敗れたとはいえ,堂々たる立派な戦いぶりである。圧倒的なパワーで迫るバレロに対し,カウンターを決める場面もあり,大いに見せ場を作った。パンチにウェイトが乗らず,せっかくのカウンターでダメージを与えられなかったことが悔やまれる。

7回までの採点 バレロ 本望
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) *** ***
副審:ガイ・ジュトラス(カナダ) 70 64
副審:フィリップ・ベルベケ(ベルギー) 69 64
副審:ラファエル・ラモス(米国) 70 63
参考:MAOMIE 70 64


     ○バレロ:22戦22勝(22KO)
     ●本望:36戦29勝(5KO)5敗2分

     放送:日本テレビ&G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:田中毅

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                        2007年5月5日(土)    後楽園ホール
                         日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                   挑戦者(同級1位)    負 傷 判 定      チャンピオン
                ○  黒木健孝      7回1分46秒    三澤照夫  ●
                      (ヤマグチ土浦) 105 lbs                     (帝拳) 104 3/4 lbs
                                             WBA4位,WBC5位

 右の三澤,左の黒木と対照的な両者の対戦とあって,初回から激しい主導権争いが展開された。序盤をリードしたのはサウスポーの黒木。積極的に接近戦を挑み,左ストレート,右アッパーを決める。2回,三澤の右ストレートが出たが,すぐ黒木が前に出て反撃。左ストレート,左右アッパーで打ち勝つ。三澤も負けじと左右フックでボディを攻めるが,黒木の連打で後手に回る。
 5回,勢い込んで攻めた黒木に思わぬ落とし穴が待っていた。左ストレートの打ち終わりに三澤の右ストレートが見事なカウンターになり,黒木は膝をついてダウンを取られた。
 しかし,6回は再び黒木が主導権を奪回する。三澤は右ストレート,左右フックのボディブローで攻めるが,黒木はよく手数を出し,左ストレート,左右フックで上回った。
 7回,勢いに乗って黒木が左ストレート,左右フックで攻勢に出る。しかし,反撃に出た三澤が飛び込んだ瞬間,バッティングが発生。黒木はロープ際で右膝をついた。バッティングの直後に三澤の左アッパーがボディを捉えていたが,安部主審はスリップダウンと判定した。これは再開されたが,その直後に再びバッティング。今度は黒木の左目上が切れる。ドクターチェックの末,ここで試合がストップされた。

 負傷判定で初のタイトル獲得を果たした黒木はサウスポーのファイタータイプで,左ストレート,左右フックの連打を得意としている。よく足が動いて,手数も出るし,このクラスとしてはパンチ力もなかなかのもの。5回にダウンを奪われたが,6・7回に積極的に攻めて流れを引き戻したことが勝利につながった。ただし,両足が揃って相手に正対してしまう瞬間が多いことが欠点。左ストレートを打った直後に体が大きく流れることも気になる。
 三澤は初防衛に失敗。ボディを狙って黒木の動きを止めようとした作戦は良かったが,黒木の積極性に押されて後手に回ったことが敗因。いつものように鋭いステップインから激しく攻め込む持ち前のインファイトが見られなかったことが残念。

7回までの採点 黒木 三澤
主審:安部和夫 *** ***
副審:浦谷信彰 67 66
副審:土屋末広 67 66
副審:杉山利夫 67 65
参考:MAOMIE 67 66


     ○黒木:18戦15勝(11KO)3敗
     ●三澤:24戦17勝(6KO)3敗4分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:高橋雄一

※ 7回途中に黒木が偶然のバッティングで負った傷によって試合続行不能となったため,当該の7回を含む採点で勝敗を決する。

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                      2007年5月5日(土)    後楽園ホール
                             10回戦
                WBA世界バンタム級5位        日本バンタム級2位
              ○   池原信遂      判 定   福島 学   ●
                    (大阪帝拳) 120 1/4 lbs           (JBスポーツ) 120 1/4 lbs
                          WBC7位

 開始早々から池原が気迫を見せてどんどん距離を詰める。左フックをヒットするが,福島はよく見て右アッパー,左フックをうまく合わせる。前に出ている割に手が出ない池原。福島は打ち気にはやる池原にうまく細かいパンチを浴びせて序盤をリードした。
 しかし,3回以降は池原が徐々にパワーの差を生かして押し気味に進めて行った。3回終盤,右ストレートを受けた福島はクリンチに出る。
 4回,左ジャブ,右アッパーを出バナに決める福島だが,池原は構わず前に出る。池原の左ストレート,フックがヒット。福島は鼻から出血する。馬力を生かした池原が攻撃のピッチを上げた。
 中盤は福島も応戦するが,池原の右ストレート,ボディへの左アッパーに押される。8回,池原の左フックがアゴにクリーンヒット。さらに左フック,右ストレートが決まる。
 9回,福島は意を決したように左右アッパーのボディブローで前に出るが,逆に池原のパワーに押される。10回は激しい打ち合いになったが,池原の右ストレート,左右フックに福島がぐらつく場面が見られた。

 バンタム級の上位同士の顔合わせだったが,パワーで勝る池原がベテランの福島を制した。
 右ボクサーファイターの池原は左フック,右ストレートあるいは左右アッパーのボディブローが武器で,パンチ力がある。ただし,前半は攻め込んでいる割に手数が出ない場面が目についた。威力のある左ジャブ,ストレートを持っているので,これを突破口にしてプレッシャーをかけるボクシングに徹することが望ましい。
 敗れた福島は打ち気にはやる池原に細かいパンチを巧打してベテランの味を出していた。中盤以降にパワー負けしたことが敗因。

採点結果 池原 福島
主審:染谷路朗 *** ***
副審:熊崎広大 98 94
副審:杉山利夫 98 93
副審:安部和夫 99 94
参考:MAOMIE 98 92


     ○池原:28戦27勝(19KO)1敗
     ●福島:40戦30勝(19KO)7敗3分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                      2007年5月5日(土)    後楽園ホール
                             10回戦
                日本S・フェザー級9位          比国フェザー級5位
              ○   矢代義光     判 定   ジュデフィロ・アクロ  ●
                    (帝拳) 129 1/2 lbs                (比国) 129 1/4 lbs

 初回,変則的な動きで飛び込み,右ストレートをヒットするアクロ。矢代は落ち着いて動きを相手の見るが,タイミングが掴みにくいアクロに戸惑った。
 2回に入るとアクロの動きを読んだ矢代に余裕が見られるようになり,出バナに左ストレート,右フックをヒット。3回には左ストレートのボディブロー,右フックでプレッシャーをかける。左ストレートを受けたアクロが大きくのけぞる場面が見られた。
 カウンターを警戒してアクロの出足が止まるが,矢代も一発を狙い過ぎて手数が少ない。7回,矢代にようやく右ジャブ,フックが出るが,その数が少なく,アクロを仕留めるまでには至らない。
 終盤も鋭いパンチをヒットする矢代だが,単発に終わり,盛り上がりに欠けたまま終了ゴングを聞いた。

 最近の2試合を鮮やかなTKOあるいはKOで決めている矢代だが,今夜は不本意な試合内容となった。原因はKOを意識して手数が少なかったこと。右ジャブ,フックが思うように出ず,単発に終わっていた。矢代の持ち味は鋭い左ストレート,右フックだが,それも右ジャブが出てこそ生きるはず。上位を目指すためには右の使い方がカギになる。
 アクロは変則的な右ファイタータイプで,思い切った右ストレート,左右フックを振って攻め込む。ダイナミックな動きが特徴だが,大振りになる欠点がある。

採点結果 矢代 アクロ
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 98 94
副審:熊崎広大 100 92
副審:安部和夫 100 92
参考:MAOMIE 99 93


     ○矢代:18戦17勝(9KO)1分
     ●アクロ:20戦12勝6敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                         2007年5月19日(土)    後楽園ホール
             日本スーパーフェザー級タイトルマッチ&東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定12回戦
                 日本S・フェザー級チャンピオン   T   K   O   日本7位,OPBF8位
                ○  小堀佑介        7回1分52秒     村上潤二  ●
                      (角海老宝石) 130 lbs                        (八王子中屋) 129 1/2 lbs
                   WBA9位,WBC9位

 サウスポーの村上が好調な立ち上がりを見せた。右ジャブから左ストレートを上下に打ち分ける。落ち着いてよく見ている小堀だが,村上の左ストレートがボディに飛ぶ。
 しかし,2回,小堀が一気に形勢を逆転した。左右フックの攻勢で村上をロープに追った小堀が右フックを一閃すれば,アゴが上がった村上はその場に崩れ落ちてダウン。立ち上がったが,小堀の追撃は鋭い。右ストレートがアゴに決まり,よろけた村上は腰から落ちて2度目のダウン。再開後,村上はワンツーを返してよく粘った。
 3・4回はダメージが残っているはずの村上が右フック,ワンツーを小堀の出バナに決めてポイントを連取した。
 立ち直りのきっかけを掴みかけた村上だが,5回,再び小堀が主導権を奪い返す。上体を揺すって肉薄した小堀は左フックのボディブローから右ストレートを返す。これが頭部をかすめ,村上はまたも痛恨のダウン(カウント8)。コーナーに詰めて一気に勝負に出る小堀。
 善戦していた村上だが,7回に破局を迎えた。村上は左ストレートをボディに放って流れを変えようとするが,逆に右ストレートを受けて後退。すかさずフォローした右フックがアゴに決まれば,村上は大きくロープに飛び,仰向けにダウン。辛うじて立ち上がったものの,ダメージは明白。浅尾主審は続行OKの判断を下したが,ここで止めるべき場面だった。小堀は一気にラッシュ。村上は腰が落ちながらも粘るが,ロープ,コーナーを背に守勢一方となったところでついに浅尾主審が割って入った。

 小堀の日本タイトルに村上が挑戦し,かつ空位の東洋太平洋タイトルを争い,ラウンド数はOPBFルールに則って12回戦で行うという異例の試合。小堀は日本タイトルの4度目の防衛に成功し,加えて東洋太平洋タイトルも獲得した。
 4度のダウンを奪って圧勝という形になった小堀。最後は力でねじ伏せたが,正面に立って村上の左ストレートを食う場面が目立った。ウィービング,ダッキングを有効に使い,スムーズにパンチを返すことが必要。巧者・村上に手を焼いた場面はあったが,それを再三ひっくり返したことは裏を返せば勝負強さの証明でもある。右フック,ストレートのスピード,タイミング,当て勘ともに素晴らしく,ここ数試合の充実ぶりには目を見張るものがある。課題は残るが,このまま精進すれば必ず世界挑戦のチャンスがあるはず。リング上の激しさと正反対の朴訥な人柄も好印象である。
 長身でリーチに恵まれた村上はサウスポーのボクサータイプ。軽快なフットワークから右ジャブ,フック,左ストレートを巧打するテクニシャンである。力みのないスムーズなパンチが出ることが長所。しかし,今夜はせっかくのクリーンヒットを決めた直後に打ち込まれてしまい,チャンスの芽を再三に渡って潰されたことが痛かった。

6回までの採点 小堀 村上
主審:浅尾和信 *** ***
副審:福地勇治 57 54
副審:染谷路朗 57 54
副審:安部和夫 58 54
参考:MAOMIE 57 54


     ○小堀:23戦20勝(11KO)2敗1分
     ●村上:22戦15勝(7KO)5敗2分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:田中毅


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                      2007年5月19日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                 日本ミニマム級(ノーランク)        日本ミニマム級3位
                ○  久田恭裕     判 定   小川利樹  ●
                     (横浜さくら) 104 3/4 lbs           (角海老宝石) 105 lbs

 2回,左アッパーのボディブローを放つ小川に対し,久田は接近して左右フックでボディを叩く。3回,小川はよく見て左アッパーをボディに。
 中盤以降もボディブローを中心にパンチの交換が見られたが,ともにクリ−ンヒットは少ない。
 6回,小川の右ストレート,左右フック。久田は右目上をカットしてドクターチェックを受ける(小川の有効打による傷)。
 7回,小川が右ストレート,左右フックで先手を取るが,終盤には久田が連打をまとめて反撃に出た。
 終盤はともに疲労が出て正確さに欠けた。

 最軽量級らしいキビキビとした打ち合いに終始した。しかし,ともにクリーンヒットが少なく,激しい動きの割りには盛り上がりに欠ける試合。
 僅差ながらも上位ランカーを破った久田は思い切った左右フックのボディブローで積極的に攻めたことが奏功した。しかし,体にもパンチにも力が入り過ぎていることが目立つ。もう少し力みを取り除くことが必要である。
 敗れた小川は右ストレート,左右フックをまとめて出していたが,正確さに欠けたことが惜しまれる。

採点結果 久田 小川
主審:吉田和敏 *** ***
副審:福地勇治 97 96
副審:杉山利夫 97 95
副審:染谷路朗 97 95
参考:MAOMIE 97 96


     ○久田:14戦7勝(3KO)5敗2分
     ●小川:20戦14勝(8KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:中野謙吾

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                      2007年5月19日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)         日本S・バンタム級8位
                ○ 小林秀徳        判 定    長井祐太  ●
                     (角海老宝石) 124 lbs                 (角海老宝石勝又) 124 lbs

 両者ともにキビキビとした動きで好ファイトとなった。2回,小林はコンスタントな左ジャブを多用して積極的に試合の流れを作る。左右フックで長井をロープに詰める小林。しかし,後半は長井のペース。長井の右ストレートで小林がぐらつく。
 3回にも小刻みに左ジャブを突く小林だが,終盤に長井の大きな右ストレートを食う。
 しかし,4回に入ると小林が持ち前の連打で反撃に転じた。右フックのボディブローで動きを封じにかかる長井だが,小林は左ジャブを多用する。終了間際には小林が左右フックの連打で長井をロープに詰める。
 5回,追い込んでいく長井だが,小林の左フックをアゴに受けてぐらつく。左右フックの連打に後退する長井。チャンスと見た小林は長井を追い込んで攻勢に転じる。
 やや焦り気味で体が流れる長井に対し,小林は左ジャブ,ワンツーをうまくまとめる。7回,長井の右ストレートで小林が後退するが,後半は小林が手数で押していく。小林の左右フックでぐらつく長井。小林の闘志が光る。
 9回はパワーの差を見せて長井が上回った。右ストレート,左右フックで動きが鈍った小林は思わずクリンチに出る。よく頑張る小林だが,終盤には長井の左右フックでロープに詰まる。
 10回,疲労が激しい両者だが,死力を振り絞って手数を出す。パワーで押す長井だが,足が追随せず,決定打を打ち込めない。小林も消耗が激しく目一杯の状態のまま終了ゴングを聞いた。

 両者ともに全力を出し切ったまさに熱戦である。2−1のスプリットデシジョンとなったが,中盤の攻勢で上回った小林に軍配が上がった。
 小林は眼窩底骨折のアクシデントから復帰した右ファイタータイプ。パンチ力はないが,よく手数が出る。左右フックの連打を得意とするが,左ジャブがよく出ることが長所である。終盤はさすがにペースダウンしたが,努力家らしさが表れた誠実な試合ぶりで非常に好感が持てる。
 パンチ力で勝る長井は後半に得意の右ストレート,左フックで小林を追い込んだが,焦りが見え,上体が流れる場面が目立った。終盤には疲労が出てしまい,足がついて行かず,上体が突っ立ってしまったことが惜しまれる。しかしながら,敗れたとはいえ全力ファイトで小林同様に非常に好感が持てた。

採点結果 小林 長井
主審:安部和夫 *** ***
副審:浅尾和信 95 96
副審:杉山利夫 96 94
副審:吉田和敏 97 96
参考:MAOMIE 96 95


     ○小林:13戦12勝(4KO)1分
     ●長井:25戦19勝(12KO)4敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:寺島淳司

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                        2007年5月23日(水)    大阪市中央体育館
                                 10回戦
                  WBA世界フライ級1位    T  K  O    インドネシア L・フライ級チャンピオン
                ○  亀田興毅       8回2分23秒    イルファン・オガー  ●
                      (協栄) 111 1/2 lbs                         (インドネシア) 112 lbs
                        WBC3位

 初回から亀田が積極的に前に出る。左ストレート,右フックからボディへの左アッパーを放ってプレッシャーをかける亀田。オガーはガードを固めて応戦する。
 2回,亀田がロープに詰めて連打をまとめるが,接近するまでのパンチが出ない。
 3・4回にも一方的に亀田の攻撃が続いた。頭をくっつけての打ち合いに持ち込み,ボディにパンチを集めるが,足が動かず,力に頼る場面が目立った。
 やや中弛みに近い展開になったが,6回,左右アッパーのボディブローにオガーの動きが鈍る。攻勢に出た亀田はロープを背にしたオガーをプッシング。これで大きくバランスを崩したオガーはロープの間からエプロンに転落した。明らかなプッシングだったが,宮崎主審はこれをノックダウンと判定してカウントを取った。
 8回,今度は亀田の左フックがオガーの首の部分を捉え,オガーが倒れこんだ。ナックルパートが当たっておらず,明らかに引き倒しだったが,宮崎主審はこれもノックダウンと判定してカウントを取った。再開後,亀田のラッシュがあったところで宮崎主審が試合をストップした。

 やっとの思いでTKOに持ち込んだ亀田だが,とても世界1位という肩書きを誇れる内容ではない。力任せの攻撃は単調でスピードも今ひとつ。頭をくっつけて止まっている相手にパンチを打ち込むだけではとても世界に通用しない。ファン・ランダエタ(ベネズエラ)との2度に渡る世界戦が脱皮への絶好のチャンスだったが,それを活かし切れないどころか,退化している印象すら受ける。威勢の良いパフォーマンスとは裏腹に,国内の強豪との対戦を恐れて逃げ回る状態では早晩頭打ちになるだろう。厳しい言い方だが,考え方や取り組み姿勢を根本から見直さない限り,この先はないと言わざるを得ない。
 オガーはけっして打たれ強い相手ではなく,一方的に打ちまくりながらも8回まで長引いたことにより,亀田の決め手不足だけがクローズアップされる皮肉な結果となった。毎度のことながら”絶叫中継”をするアナウンサーと不気味なほど亀田を礼賛する”怪説者”の姿が虚しく哀れに感じられた。放送席でどんなに自局にとって都合の良い詭弁や虚飾を弄しても,目が肥えたコアなファンは絶対に騙せないことを知るべきである。
 明らかなプッシングや引き倒しを2度に渡ってノックダウンと判定した宮崎主審のレフェリングも放送席の3名に輪をかけて低レベルで全く話にならない。何が何でも亀田にKO勝ちをさせようとしているのではないかと勘繰られても反論できない行動である。こういう審判員はファンに誤解を与えるだけであり,まさに百害あって一利なし。大いに猛省をすべきである。

7回までの採点 亀田 オガー
主審:宮崎久利 *** ***
副審:野田昌宏 70 62
副審:北村信行 70 62
副審:原田武夫 70 62
参考:MAOMIE 70 62


     ○亀田:15戦15勝(11KO)
     ●オガー:23戦16勝(7KO)3敗4分

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也&佐藤修
     実況:土井敏之



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