熱戦譜〜2007年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2007.04.01  日本フライ級
 暫定王座決定10回戦
 吉田健司  判定  久高寛之
2007.04.07  WBA世界ミニマム級
 王座統一12回戦
 新井田豊  判定  高山勝成
2007.04.09  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 下田昭文  判定  山中大輔
2007.04.09  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 相澤国之  TKO6R終了  全鎮萬
2007.04.14  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  TKO4R  飯田聖州
2007.04.14 8回戦  川村貢治  判定  久保田浩貴
2007.04.14 8回戦  三浦隆司  KO2R  モンコンチャイ・サンディジム
2007.04.15  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 三谷将之  TKO2R  寺畠章太
2007.04.16 8回戦  佐々木基樹  TKO3R  小暮飛鴻
10 2007.04.21  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 長嶋建吾  判定  石井一太郎
11 2007.04.23  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 ランディ・スイコ  判定  中川知則
12 2007.04.23 10回戦  アルセン・カチャトリアン  判定  鈴木哲也
13 2007.04.23 8回戦  中森 宏  判定  金丸清隆
14 2007.04.30 10回戦  亀田大毅  KO2R  クリストファー・テポラ

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                     2007年4月1日(日)    大阪市中央公会堂
                      日本フライ級暫定王座決定10回戦
                   日本フライ級3位         WBA世界フライ級7位
                ○  吉田健司    判 定    久高寛之  ●
                      (笹崎) 111 3/4 lbs              (グリーンツダ) 112 lbs

 開始早々,右アッパーから左フックを振って果敢に出る吉田。久高は下がりながら距離を測り,カウンターのチャンスを狙う。
 3回,右アッパーでバランスを崩した久高に猛然と襲いかかる吉田。一方の久高は吉田の突進を持て余す。この辺から試合の流れは吉田に傾いた。久高は4・5・6回と吉田のアグレッシブな攻撃に手を焼く。カウンター狙いで手数が少ない久高は完全に後手に回り,苦しい展開になった。
 8回中盤,相打ちの右ストレートは吉田の方が一瞬早く着弾。このクリーンヒットで久高の膝がガクンと落ち,危うくダウンというピンチに追い込まれた。久高は終了間際に激しく反撃に出たが,吉田の逆襲を受けてたじろぐ場面が見られた。
 9回,ようやく自分から前に出る久高だが,打ち合いの最中にバランスを崩し,吉田の攻勢に晒される。10回,互いにクリーンヒットはないものの,死力を尽くした打ち合いが見られた。有利とみられていた久高は最後まで自分のペースで戦えないまま敗退した。

 正規王者・内藤大助(宮田)の負傷によって行われた暫定王座決定戦。不利の予想を覆した吉田が見事に世界ランカーの久高を破った。
 吉田は右ファイタータイプ。足の運びや動きにぎこちなさはあるが,右ストレート,左右フック,アッパーなどの矢継ぎ早のパンチを得意とする。今夜の勝因は何と言っても,終始アグレッシンブに攻め続けたこと。カウンター狙いの久高は吉田のプレスに遭い,立て直そうと迷っている間に試合が終わってしまった感じがする。一発の威力はないが,休む間を与えない攻撃が効を奏したと言える。
 有利と予想されていた21歳の新鋭・久高は30歳の吉田の気迫に負けて完敗。どちらが21歳かわからないような試合内容だった。吉田の突進を止めるだけのパンチが出なかったことが敗因。パンチを打さずにカウンターを狙うだけでは,入り込まれてしまうのは当然の帰結である。右のカウンターには一発の破壊力があるが,それだけで通用するほど上位は甘くない。戦績が芳しくない吉田を甘く見て油断した部分もあるだろう。自分から試合を作ったり,相手を動かすことを身につけない限り,ここから先は相当苦しい。

採点結果 吉田 久高
主審:原田武夫 *** ***
副審:宮崎久利 97 93
副審:安部和夫 99 95
副審:野田昌宏 99 93
参考:MAOMIE 99 94


     ○吉田:17戦11勝(5KO)6敗
     ●久高:20戦15勝(5KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:浅沢英
     実況:田野和彦

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                       2007年4月7日(土)    後楽園ホール
                      WBA世界ミニマム級王座統一12回戦
                WBA世界ミニマム級チャンピオン         WBA世界ミニマム級暫定チャンピオン
               ○   新井田豊      判 定      高山勝成    ●
                      (横浜光) 105 lbs                  (グリーンツダ) 104 3/4 lbs

 開始早々から激しく動き回る高山。出バナに左ジャブがタイミングよく決まり,足を滑らせた新井田は呆気なく尻もちをついてダウンを取られた。高山はワンツー,左フックをヒットして快調に飛ばし,絶好の立ち上がりを見せた。
 3回,新井田はバッティングで前頭部をカットし,ドクターチェックを受ける。焦りが見える新井田に対し,高山は激しい出入りを主体とした試合運びで完全に序盤戦を制した。
 しかし,新井田も負けてはいない。5回,距離を詰めて左フック,左右アッパーをボディに集め,高山の動きを止めにかかった。6回には接近戦あるいは中間距離から再三右アッパーを巧打する。ボディへの左右アッパーで押す新井田。新井田は終了間際の打ち合いで右フックをクリーンヒット。
 7回,ボディブローの効果なのか,やや高山のスピードが落ちる。動き回る高山だが,序盤に見せたパンチのスピードが失せた。終了間際の打ち合いで新井田の右から左のフックがヒットする。
 8回,新井田の右ストレートからの左アッパーがアゴを捉え,のけぞる高山。高山の手数が減る。新井田は冷静に高山の動きを見てボディへの左右アッパーを決める。
 10回,新井田の相打ちの右ストレートがヒット。高山は動き回るが,左目上をカット(新井田の有効打によるもの)。新井田の左右ボディ攻撃,右アッパーが数を増す。
 11回は再び高山が押さえた。足がよく動いて手数が多くなる。逆に勝負どころのこの回で新井田が後手に回った。
 12回,死力を振り絞った激しい打ち合いが続く。手数では高山が上回ったが,新井田は正確さで勝り,この回を押さえた。

 意地と意地が真正面からぶつかった好ファイト。
 初回に不覚のダウンを喫した新井田だが,5回頃から徐々に自分のペースを取り戻した。ボディ攻撃が高山の動きを止める効果を生んだ。高山の速い動きと手数に苦しんだが,際どい試合を勝ち抜いてきた経験の差が出たと言える。
 出入りの激しいボクシングで新井田を苦しめた高山だが,中盤からボディを攻められて動きが鈍ったことが痛かった。スピードが落ちたところに新井田の右アッパーやボディブローを許した。善戦したが,手数の多さの割りに正確さと威力に欠けたことが印象を悪くした面があることは否定できない。

採点結果 新井田 高山
主審:島川威 *** ***
副審:メダルド・ビリャロボス(パナマ) 115 113
副審:マイケル・リー(韓国) 114 115
副審:ラッセル・モラー(米国) 114 113
参考:MAOMIE 115 113


     ○新井田:25戦21勝(8KO)1敗3分
     ●高山:21戦18勝(7KO)3敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                    2007年4月9日(月)    後楽園ホール
                   日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                 挑戦者(WBC9位)            チャンピオン
               ○  下田昭文    判 定   山中大輔  ●
                     (帝拳) 121 3/4 lbs           (白井・具志堅) 121 1/2 lbs
                     WBA13位               WBA7位,WBC8位

 開始ゴングと同時に王者が勢いよく飛び出す。左ストレートでボディを狙うが,距離が遠過ぎて体が流れる。下田は冷静に自分の距離を保ち,右フックから左ストレートをヒット。逆にじりじりと前に出た下田が上下に左ストレートを決め,好調なスタートを見せた。
 2回,正面から行く山中に対して下田の左ストレートのカウンターが面白いように決まる。揉み合いからのクリンチの離れ際,山中がロープを背にした一瞬の隙を突いて放った下田の左フックがアゴを痛打し,山中はたまらずダウン。立ち上がった山中に凄い形相で襲いかかる下田。
 3回,焦りの色が濃い山中は打ち終わりに体が流れたところを狙い打ちされる場面が目立つ。下田は右フック,左ストレートを浴びせてコーナーに詰め,攻勢に出る。終了間際,左から右のフックがアゴにカウンターになり,山中はゴングと同時に膝から落ちて仰向けにダウン(カウント9)。これで決まったと思われたが,山中は不屈の闘志で立ち上がり,王者の意地を見せた。
 中盤は目一杯の山中に対してゆとりの見える下田が打ち終わりに右フック,左ストレートを巧打してたじろがせる場面が目立った。
 しかし,ハートの強さに定評がある山中は7回以降に驚異的な粘りを見せて下田に食い下がった。下田の左ストレートを食いながらも,左右フックの連打で形振り構わぬ反撃を試みる。この反撃に下田がたじろぐ場面が目立った。
 8・9回,一歩も引かない山中。やや疲れが見える下田を左右フック,アッパーで猛然と追い上げる。
 10回,両者闘志を剥き出しにしての打ち合い。鬼気迫る表情の山中に対して,下田も最後の力を振り絞って打ち返す。左ストレート,左右フックでぐらつく山中だが,必死の形相で応戦し,満場騒然の中で終了ゴングが響いた。

 これぞ激闘。両者死力を尽くしてのフルラウンドは今年のチャンピオンカーニバルの中でも最高の試合内容と言える。
 16戦目の初挑戦でタイトルを獲得した下田はサウスポースタイルからの右フック,左ストレートに冴えを見せた。天性のスピードと打ち終わりに合わせる当て勘には素晴らしいものがある。焦りの見える山中の打ち終わりに左ストレートを巧打していたが,これは下田ならではのパンチである。2度のダウンを奪うなど,前半はほぼワンサイドゲーム。しかし,中盤以降は山中の粘りに遭い,以前から欠点とされているスタミナ切れの兆候を見せてスピード,手数ともに落ち込みを見せた。この弱点をいかに克服するかが今後の課題である。その素質は世界に十分通用するので,スタミナの問題を克服することと経験を積むことに全力を挙げて欲しい。
 2度目の防衛に失敗した山中は右ストレート,左右アッパーを武器とする右ボクサーファイター。前半大きくリードされたのは焦り気味にパンチを放って体が流れたところにパンチを合わされたため。しかし,KO負け寸前の局面から立ち直り,終盤には剥き出しの闘志で下田を苦しめた。王者の意地が至るところで感じられ,敗れたとはいえ非常に立派な試合ぶりである。特に終盤の追い上げは豊富な練習量の賜物以外の何物でもない。まだまだチャンスはあるので,捲土重来に期待する。

採点結果 下田 山中
主審:土屋末広 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 97 92
副審:館 秀男 98 91
副審:浦谷信彰 99 91
参考:MAOMIE 97 91


     ○下田:16戦15勝(8KO)1敗
     ●山中:23戦20勝(14KO)3敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                       2007年4月9日(月)    後楽園ホール
                     東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン    T K O    挑戦者(同級2位)  
                ○  相澤国之    6回終了     全 鎮萬   ●
                      (三迫) 114 3/4 lbs               (韓国) 114 1/4 lbs
                     WBC14位                 韓国スーパーフライ級チャンピオン

 軽快な動きから左ジャブ,ボディへの左右アッパーを放つ相澤。初回終盤,右ストレートのカウンターがタイミングよく決まり,全が早くもぐらつく。全は打たれてからピッチを上げて前に出た。
 2回,どんどん前に出る全だが,バランスが悪い。右を振って飛び込もうとした瞬間,アゴに右ストレートがカウンターになり,全はたまらずダウン。左目上をカットした全はドクターチェックを受ける(相澤の有効打による傷)。
 3回,相澤が左右アッパーをボディに集めると全の動きが鈍る。右ストレートも面白いように決まり,試合はワンサイドゲームの様相を呈した。
 4回以降も前に出る全だが,激しかった追い足は明らかに鈍っている。相澤の右ストレート,アッパー,ボディへの左右アッパーが的確にヒット。
 6回,顔面を血に染めて前に出る全だが,相澤のコンビネーションブローを上下に浴びる。プラヤドサブ主審がストップのタイミングを計る。何とか乗り切った全だが,結局6回終了時のインターバル中に危険を申し入れて試合がストップした。

 相澤がワンサイドのTKO勝ちで初防衛に成功した。軽快な動きから多彩なコンビネーションで圧倒し,危な気ない内容である。以前のアマチュア臭さが少し抜け,幾分逞しくなりつつあるが,まだまだ不十分。相変わらず相手のペースに合わせてしまう悪い癖が見られる。せっかくタイミングの良いカウンターを決めてぐらつかせているのに,フォローがないためにフィニッシュが長引くことが気になる。今後世界上位を目指すには,その点の甘さを矯正することが必要。今の地位に甘んじていてはいけない。
 全は典型的な右のコリアンファイター。小柄ながらも左右フックを繰り出してどんどん攻める。しかし,バランスが悪く,頭から突っ込んで空振りして両足が揃ってしまう欠点がある。

     主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ),副審:キム・ジェグン(韓国)&浦谷信彰
     ○相澤:15戦13勝(10KO)1敗1分     ●全:8戦6勝(1KO)1敗1分
     放送:フジテレビ739     解説:川島郭志     実況:長坂哲夫

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                       2007年4月14日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T  K O    挑戦者(同級1位)  
                ○  木村登勇    4回40秒     飯田聖州  ●
                      (横浜光) 140 lbs                  (三松スポーツ) 140 lbs
                     WBC12位,WBA15位

 初回,落ち着いてゆったりと出る木村。初挑戦の緊張が見られる飯田に対して左ストレートを浴びせて早くも攻勢に出る。入ろうとした瞬間に前頭部に左アッパーを受けた飯田は呆気なくダウン。フィニッシュを狙って一気に攻勢に出る木村。
 2回,右を振って入ろうとしたところに右フックが決まり,飯田はキャンバスにグラブをついて再びダウン。早くも左目上が腫れている飯田。
 3回開始早々,今度は体をグッと沈めて放った木村の右アッパーがアゴに決まり,飯田はこの試合3度目のダウン。木村は左ストレート,右アッパー,フックを放ってどんどんプレッシャーをかける。飯田は両目上をカットして出血し,ますます窮地に追い込まれた。
 4回,すっかり余裕を持った木村は左ストレート,右フックを振って飯田を脅かす。飯田の左目上の傷が深くなり,ドクターチェックの結果続行不能と診断され,そこで試合がストップした。

 安定王者・木村が磐石のTKOで9度目の防衛に成功した。3回まで毎回ダウンを奪うという圧倒的な力の差を見せつけての圧勝である。この安定感はもはや国内には敵なしの状態。今後はOPBF王座を狙うか世界に向かうか動向が注目される。
 初挑戦の緊張に完全に呑まれた形となった飯田は力を出せずじまいで完敗。前半を凌げれば多少なりとも脈はあったが,最初から萎縮してしまっては勝負にならない。

     主審:島川威,副審:山田一公&浦谷信彰&吉田和敏
     ○木村:38戦31勝(15KO)5敗2分     ●飯田:19戦15勝(7KO)2敗2分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:高橋雄一

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                        2007年4月14日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)         日本フェザー級(ノーランク)  
                ○  川村貢治       判 定     久保田浩貴   ●
                      (横浜光) 126 lbs                   (シャイアン山本) 125 1/2 lbs

 体格で劣る久保田だが,初回の左ジャブの刺し合いで負けないところを見せた。川村は終盤右フックで久保田の体勢を崩して攻勢に出る。
 3回,川村の右フックの打ち終わりに危ないタイミングで左フックをカウンターする久保田。やや熱くなる川村に対し,冷静な久保田のボクシングが光った。
 4回は川村が押さえた。右ストレートからチャンスを掴み,体格差を生かして一気にラッシュを見せる。川村の右フックが決まって久保田が一瞬ぐらついた。5回にも川村の攻勢が上回る。ダイナミックな攻撃を見せる川村に対して久保田も右フックを返す。目が離せない緊迫した試合になった。
 6回,攻め込む川村だが,久保田の左フックが決まる。
 7回,ともに左ジャブ,左右フックを交換して迫力ある攻防が続く。川村は左目上をカットしてドクターチェックを受ける(久保田の有効打による傷)。
 8回,両者全開の激しい打ち合い。体格差を利してワンツー,左右フックで押す川村。左フック,右ストレートでぐらつく久保田だが,負けずに打ち返す。

 けれんみのない好ファイト。川村は右ボクサーファイターで,発達した上体から放つダイナミックな右ストレート,左右フックに破壊力がある。伸びのある左ジャブ,ストレートを持っており,これでチャンスを掴むと一気に攻め込むのが得意のパターン。しかし,熱くなって大振りになる欠点がある。上位進出には左を生かしたボクシングに徹することが求められよう。
 初のA級での試合となった久保田は右ボクサーファイターで左ジャブ,ストレートを軸に基本に忠実な試合運びをする。足はあまり使わないが,左ジャブから左右フックのカウンターを決めるなどのなかなかのテクニシャンである。パワーのある川村と比べると小柄でさすがに体力負けした面があるが,良いものを持っており,今後注目したい。

採点結果 川村 久保田
主審:染谷路朗 *** ***
副審:ビニー・マーチン 78 75
副審:吉田和敏 78 76
副審:島川威 78 76
参考:MAOMIE 78 75


     ○川村:13戦12勝(5KO)1分
     ●久保田:10戦6勝(2KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:鈴木健

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                         2007年4月14日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本S・フェザー級1位   T   K   O    タイ国S・フェザー級(ノーランク)
               ○   三浦隆司      2回1分05秒    モンコンチャイ・サンディジム   ●
                       (横浜光) 132 lbs                          (タイ) 131 1/4 lbs

 初回,サウスポースタイルから三浦が右フック,左ストレートを決めるとモンコンチャイは早くも逃げ腰。終盤,大きな右フックがアゴに決まり,モンコンチャイは呆気なく右ひざをついてダウンを取られた。
 2回,ロープを背にしたモンコンチャイは左ストレートを直撃され,右グラブをキャンバスについてダウン。逃げ腰でクリンチ,ホールドに出るが,左ストレートで再びロープに詰まる。左アッパーのボディブローから右フックを受け,2度目のダウン。半ば戦意喪失のままカウントアウトされた。

 三浦の圧勝というよりもモンコンチャイの不甲斐なさばかりが目立った試合。サウスポーの三浦は相変わらずの強打を披露したが,攻撃の単調さも変わらない。日本ランク1位につけてタイトル挑戦のチャンスも近いが,残念ながら今の硬直したボクシングでは進境著しい王者・小堀佑介(角海老宝石)を攻略するのは至難の業だろう。奮起に期待する。

     主審:ビニー・マーチン,副審:浦谷信彰&山田一公&染谷路朗
     ○三浦:13戦12勝(10KO)1分     ●モンコンチャイ:22戦13勝9敗
     放送:G+     解説:なし     実況:田中毅

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                     2007年4月15日(日)    高砂市総合体育館(兵庫県)
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級1位)
                ○  三谷将之    2回1分08秒    寺畠章太  ●
                       (高砂) 118 lbs                    (角海老宝石) 117 1/2 lbs
                        WBA9位,WBC8位

 ボクサータイプの三谷,ファイタータイプの寺畠という対照的な両者の対決は開始早々から激しい主導権争いとなった。
 初回,左ジャブを的確に決め,左右に動いて距離を取る三谷。ワンツーから上下への左フック,アッパーが冴え,幸先の良い立ち上がりを見せた。
 2回,呆気なく勝負が決まる。寺畠を寄せつけまいと左ジャブ,フックを多用する三谷。リング中央で寺畠が不用意に出た瞬間を見逃さなかった。ワンツーからフォローの左フックがアゴに決まり,寺畠はたまらず腰からキャンバスに落ちた。カウント9で再開されたが,足に来ている。三谷の詰めは鋭く,速攻から左フックがテンプルを捉え,寺畠はキャンバスにグラブをついて2度目のダウンを取られた。ここで土屋主審が試合をストップした。

 三谷,見事なTKOで2度目の防衛に成功。持ち味の足と左で翻弄した末の圧勝である。アウトボクシングの醍醐味を十分に披露した会心の勝利と言える。最初のダウンを奪ったワンツーからの左フックは流れるような美しいコンビネーションブローである。世界的に見ればまだまだ線が細いが,ここから経験を積んでひと皮もふた皮も剥ければ,大きく成長する可能性を秘めている。長身で長いリーチに恵まれた右ボクサータイプ。
 寺畠は執拗な連打を得意とする右ファイタータイプ。無尽蔵のスタミナと左右のショート連打で間断なく攻撃して攻め落とすボクシングが身上で,後半になるほど持ち味を発揮するタイプ。三谷の足を止めて後半に持ち込めれば面白かったが,序盤に致命的なダメージを受けてしまった。魅力的なタレントなので,今回の苦い経験を生かして再挑戦して欲しい。

     主審:土屋末広,副審:浅尾和信&原田武夫&宮崎久利
     ○三谷:21戦20勝(10KO)1敗     ●寺畠:19戦15勝(5KO)4敗
     放送:スカイA     解説:浅沢英     実況:山下剛

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                           2007年4月16日(月)    後楽園ホール
                                  8回戦
                東洋太平洋ウェルター級6位   T   K   O   日本S・ライト級9位
              ○  佐々木基樹        3回2分27秒    小暮飛鴻   ●
                    (協栄) 145 1/4 lbs                          (八王子中屋) 145 1/2 lbs

 初回から激しいパンチの交換が見られた。まず前に出て左右フックを振ったのは小暮。佐々木は左ジャブ,フックで応戦。終盤,佐々木の左フックがテンプルに決まり,ガクンと腰が落ちた小暮はダウン寸前のピンチ。一気に攻勢に出る佐々木。
 3回,小暮が右ストレート,左右フックを放って積極的に攻める。しかし,佐々木の右フック一発でロープに飛ばされた。ロープがなければ完全にダウンと言う場面だ。猛攻を仕かける佐々木。小暮が防戦一方に陥ったところでマーチン主審が割って入り,カウント8を数えた。これは再開となったが,佐々木の乱打が始まる。ロープを背にした小暮をマーチン主審が救って試合終了。

 気迫十分のファイター同士の対決となったが,パワーの差が勝敗を分けた。
 左右フック,右ストレートにパンチ力がある佐々木は無駄打ちが少なく,手数もよく出ていた。上体の動きが足りないことが気になるが,タイトル奪回に向けてまずまずの内容と言える。ウェルター級で王座を目指すものと思われるが,このクラスに役者が一枚加わったことで今後の展開が面白くなりそう。
 小暮はサービス精神旺盛の好漢で,いつもながら頭が下がる。スピードはないが,右ファイタータイプで左右フックによる粘り強い攻撃が売り物。今夜もよく応戦していたが,佐々木のパンチ力に屈した。

     主審:ビニー・マーチン,副審:土屋末広&浦谷信彰&福地勇治
     ○佐々木:35戦27勝(18KO)7敗1分     ●小暮:28戦19勝(8KO)8敗1分
     放送:TBS     解説:佐藤修     実況:新夕悦男

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                       2007年4月21日(土)    後楽園ホール
                       日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○  長嶋建吾    判 定   石井一太郎  ●
                     (エイティーン古河) 135 lbs            (横浜光) 134 3/4 lbs
                   WBA14位,WBC10位

 距離を詰める石井を長嶋が足で捌くという展開に終始した。2回,石井はバッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける。3回,長嶋は足を使って打ち合いを避け,遠い距離から左ストレートをヒット。長嶋もバッティングで左目上をカット。早くもクリンチ,ホールドが多くなる。
 5回,石井は中休みの長嶋に対して揉み合いの中でボディを叩く。6回にも石井の左フックがヒットするが,後続打を巧みにかわされた。
 7回以降は揉み合いがさらに多くなる。8回,打ち合いたい石井が苛立ち,すくい投げで長嶋を投げ飛ばす場面が見られた。揉み合いから両者もつれるように倒れ込む。
 9回,老獪なクリンチワークで石井の強打を許さない長嶋。振りほどいてでも打ちたい石井だが,それができず,いたずらに時間だけが経過した。
 10回,強打を封じられてごまかされている石井。長嶋の右フック,ボディへの左フックがヒット。クリンチ,ホールドでもつれて倒れ込む両者。盛り上がらないまま終了ゴングを聞いた。

 クリンチ,ホールド,果てはレスリング行為まであり,盛り上がりに欠けるダルな凡戦。
 長嶋は2度目の防衛に成功したが,あまり褒められる内容ではない。本人は世界挑戦の野望を捨てていないようだが,ファンから長嶋の世界戦を見たいという声が上がらないのはなぜか・・・・・何が足りないのかは本人が最もよくわかっているはず。石井の力を殺した老獪さは光るが,物足りなさが残る試合内容である。
 初挑戦の石井は左フック,アッパーに一発がある右ファイタータイプ。長嶋の老獪な試合運びにごまかされ,いいところなく敗れた。クリンチワークで強打を封じられ,焦れて冷静さを欠いた場面が見られた。思い通りに行かない場面であろうと,冷静さを失わずに自分を律してこそ本物の精神力である。その意味ではまだまだ甘さが残る。上体を振ったりフェイントをかけたり,逃げ道を塞ぐような足の運びで追い詰めたり,工夫できることはいくらでもある。その強打は魅力的なので,今夜の経験を薬にして出直しに期待する。

採点結果 長嶋 石井
主審:福地勇治 *** ***
副審:浦谷信彰 99 93
副審:染谷路朗 98 95
副審:島川威 99 95
参考:MAOMIE 98 95


     ○長嶋:36戦31勝(15KO)3敗2分
     ●石井:20戦17勝(15KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:寺島淳司

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                 2007年4月23日(月)    大阪府立体育会館第二競技場
                      東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級5位)
                ○  ランディ・スイコ    判 定   中川知則   ●
                       (比国) 134 3/4 lbs             (進光) 135 lbs
                    WBA11位,WBC7位

 強打のスイコは2回,前に出て右アッパーをアゴ,ボディに打ち込み,さらに左フックを返す。終了間際に右ストレートを返す中川だが,スイコのプレッシャーがきつくなった。
 3回,右アッパーで腰が落ちてピンチを迎える中川。スイコはさらに左右アッパーで攻勢に出る。
 5回終了間際,スイコが右アッパー,左フックを振って攻勢。左フックでロープに詰まる中川。よく応戦するが,気負けしている。
 7回,ようやく中川の左からの右ストレートがクロス気味にスイコのアゴに決まる。しかし,8回は再びスイコのラウンド。右ストレート,左フックをヒットしてスイコが中川を追い込んだ。勢い余ってゴング後にパンチを放ったスイコにサラサス主審は減点1を課した。
 終盤はスイコも決め手に欠け,リードしながらもフィニッシュに持ち込めなかった。

 スイコは初防衛に成功。右ストレート,アッパーに破壊力がある右ボクサーファイターである。3回に中川をぐらつかせてKOチャンスもあったが,中川の粘りと自身の雑な攻めでフィニッシュを逸した。
 中川は右ファイタータイプで左右フックを得意としており,粘りのボクシングを身上としている。しかし,スイコの強打を警戒してやや消極的なボクシングになってしまったことは否定できない。ときおりクリーンヒットを得ていたが,後続打が出なかった。善戦したが,地力の差はどうしようもなかったと言える。

採点結果 スイコ 中川
主審:ウクリッド・サラサス(タイ) 116 114
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 116 111
副審:野田昌宏 116 111
参考:MAOMIE 117 113

     ○スイコ:29戦26勝(22KO)3敗
     ●中川:25戦15勝(4KO)6敗4分

     放送:スカイA
     解説:江口啓二
     実況:藤崎健一郎

※ 第8ラウンドのゴング後の加撃によるスイコの減点1を含む採点。

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                   2007年4月23日(月)    大阪府立体育会館第二競技場
                                 10回戦
                   アルメニア ミドル級(ノーランク)         日本ミドル級3位
                ○  アルセン・カチャトリアン    判 定    鈴木哲也  ●
                       (アルメニア) 159 3/4 lbs               (進光) 159 1/2 lbs

 右のカチャトリアン,左の鈴木という対照的な両者の一戦。お互いにガードを固めて正対した状態からのパンチの応酬となった。鈴木は左ストレート,右アッパー。初回終了間際,鈴木をコーナーに詰めた長身のカチャトリアンが右ストレート,アッパー,左右フックをまとめる。
 3回は鈴木が手数で上回ったが,4回,カチャトリアンは鈴木にロープを背負わせて右ストレート,左右フック,アッパーを連打。
 6回以降はカチャトリアンのプレッシャーがきつくなり,鈴木は後退し,ロープを背負う場面が多くなった。サイドに回り込みたい鈴木。
 7回,カチャトリアンがどんどん前に出る。鈴木のワンツーが決まるが,カチャトリアンは唸り声を発しながら鈴木を追い詰める。
 9回,鈴木は前に出て行くが,逆にワンツーを食った。
 10回,激しく打ち合う両者。

 日本では珍しいアルメニア人との一戦に臨んだ鈴木だが,スピード,手数に圧倒されて完敗となった。鈴木はサウスポーのボクサーファイターで右フック,左ストレートを武器としている。しかし今夜は直線的に下がってしまい,カチャトリアンの攻撃を許していた。サイドに回りこんで動きで攪乱できれば面白かったが,真っ直ぐ下がってロープを背負ってしまっては不利。腰高のカチャトリアンの懐に潜り込んでしまえば得意の連打が生きたと思われるだけに惜しまれる。
 カチャトリアンは長身の右ボクサーファイター。アップライトスタイルから右ストレート,アッパー,左右フックを打って積極的に攻めるが,足はほとんど使わない。腰高のスタイルの割には連打がまとめて出ることが強味である。

採点結果 カチャトリアン 鈴木
主審:野田昌宏 *** ***
副審:北村信行 97 94
副審:原田武夫 99 93
副審:宮崎久利 98 92
参考:MAOMIE 98 93


     ○カチャトリアン:32戦30勝(12KO)2敗
     ●鈴木:24戦17勝(12KO)7敗

     放送:スカイA
     解説:江口啓二
     実況:田野和彦

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                 2007年4月23日(月)    大阪府立体育会館第二競技場
                             8回戦
                   日本ライト級4位         日本ライト級(ノーランク)
                ○  中森 宏    判 定    金丸清隆   ●
                      (平仲) 135 lbs                (正拳) 134 lbs

 長いリーチから左ジャブ,ストレートを繰り出して攻める中森。左フック,アッパーにつなげる。2回,中森は左アッパー,右ストレートで金丸をぐらつかせる。
 反撃を試みる金丸だが,スピードの差は歴然。5回,左アッパーのボディブローが効いて,金丸の動きが鈍る。
 6回,金丸が積極的に反撃に出た。これを足でかわす中森。後半に入るとボディへの左アッパーで形勢が逆転した。中森は攻勢に出て,左ジャブ,フックを浴びせる。
 終盤は中森も無駄な動きが多く,フィニッシュにつなげられない。金丸もスピードについて行けず,フルラウンドを戦い抜いた。

 ホープと目される中森は身長173cmで181cmという長いリーチに恵まれた右ボクサータイプ。伸びのある左ジャブ,ストレートを武器に左フック,アッパーにつなげて積極的に攻める好戦的な面もある。スピードもパンチ力もあり,見栄えの良いボクシングで楽しみな存在である。ただし,無駄な動きが非常に多いことが欠点。そのため終盤にやや手数,スピードが落ちることが目につく。上位を狙うためには,無駄な動きを減らしてスタミナのロスを防ぐことが求められる。

採点結果 中森 金丸
主審:原田武夫 *** ***
副審:宮崎久利 80 73
副審:野田昌宏 79 73
副審:坂本相悟 80 72
参考:MAOMIE 80 72


     ○中森:23戦21勝(13KO)1敗1分
     ●金丸:12戦9勝(3KO)2敗1分

     放送:スカイA
     解説:なし
     実況:田野和彦

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                      2007年4月30日(月)    ツインメッセ静岡
                                10回戦
                 WBA世界フライ級10位   K      O    比国S・フライ級12位
                ○  亀田大毅      2回2分21秒   クリストファー・テポラ  ●
                      (協栄) 113 1/4 lbs                        (比国) 113 lbs

 ガードを固めて前に出ながらテポラをロープに詰め,左フック,アッパーを連発する亀田。
 2回,テポラをロープに詰めて亀田が攻勢に出る。右ストレートでガックリと崩れてダウンするテポラ。左フック,右ストレートで2度目のダウン。最後はロープに詰めて再び右ストレートがヒットし,3度目のダウンで呆気なく勝負が決まった。

 亀田,無傷の9連勝。自信に満ちて,パンチのバリエーションが増えた点は評価できる。しかし,体に力が入り過ぎている点が気になる。ここまでは足を止めて打ち合いに応じてくれる相手ばかりだったが,動かれたり,構わず打ち返してくる相手と対戦したときに真価が問われるだろう。何事も経験が必要。陣営は世界戦云々を口にしているが,まず国内の強豪を相手に経験を積ませることが最重要課題である。名のある亀田が相手であれば,亀田本人が希望すれば対戦者選びには苦労しないはず。強豪との手合わせを避けて,現時点の未熟なボクシングで無謀な世界挑戦を敢行しても事故が起きるだけ。ぜひ慎重な育成をお願いしたい。

     主審:福地勇治,副審:染谷路朗&浅尾和信&(他1名は不明)
     ○亀田:9戦9勝(7KO)     ●テポラ:22戦9勝(4KO)8敗5分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也     実況:新夕悦男

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