熱戦譜〜2006年5月の試合から


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試合日 試合 結果
2006.05.05 10回戦  亀田興毅  TKO2R  カルロス・ファハルド
2006.05.05 8回戦  亀田大毅  KO1R  キティポップ・サンディジム
2006.05.06  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 イーグル京和  判定  ロデル・マヨール
2006.05.06  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 マルコム・ツニャカオ  TKO11R  木嶋安雄
2006.05.06  日本スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 小堀佑介  TKO6R  藤田和典
2006.05.06 8回戦  寺畠章太  TKO7R  古岩井規正
2006.05.15 10回戦  坂田健史  6R負傷判定  吉田健司
2006.05.16 10回戦  西澤ヨシノリ  TKO2R  ラケシュ・クマー
2006.05.16 10回戦  宮 将来  TKO3R  ワーユ・ウィンディジム
10 2006.05.20  東洋太平洋スーパーフェザー級
 王座決定12回戦
 本望信人  判定  ジムレックス・ハカ
11 2006.05.20  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 渡邊一久  判定  小林生人
12 2006.05.21  WBC世界ライト級
 暫定王座決定12回戦
 ホセ・アルマンド・サンタクルス  TKO6R  稲田千賢
13 2006.05.21 10回戦  中島 健  KO4R  ゲエンナコン・クロンパジョン
14 2006.05.21 10回戦  シントウン・キャットブサバ  KO2R  丸元大成
15 2006.05.21 10回戦  奈須勇樹  KO7R  ノパデレック・チュワタナ
16 2006.05.21 10回戦  武本在樹  KO3R  ソントーン・シットゴーソン
17 2006.05.21 10回戦  三谷将之  TKO8R  宇野寿修

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                           2006年5月5日(金)    有明コロシアム
                                  10回戦
                    WBA世界フライ級4位   T   K   O   WBC世界フライ級31位  
                 ○   亀田興毅      2回1分28秒    カルロス・ファハルド  ●
                          (協栄) 112 lbs                        (ニカラグア) 111 3/4 lbs
                        WBC4位

 開始ゴングと同時にガッチリとガードを固めて接近し,右フック,左ストレートで早くも先手を取る亀田。同じサウスポーのファハルドに対し,左右アッパーをボディに集め,攻勢に出る。
 2回,左右アッパーのボディ攻撃から切り返した左フックがアゴを捉え,ファハルドはロープ際で呆気なくダウン。立ち上がったファハルドをロープに詰め,左右の猛攻を仕かける亀田。左ストレートでロープを背に大きくのけぞったところで,浦谷主審がためらわず試合を止めた。

 亀田は非常に落ち着いており,相手の動きに対する見極めも上下への打ち分けも見事だった。大振りせず,コンパクトに振り切っていた点を高く評価したい。欲を言えば足の動きが少ないこと。まだまだ接近してからパンチを打とうというところが見られる。もう少し前後の出入りが鋭くなれば,さらにレベルアップして攻撃力が増すはず。今後の課題として欲しい。
 ファハルドはサウスポーのボクサーファイター。世界ランカーという触れ込みだが,スピードはなく,パンチ力も大したことはない。
 試合を止めた浦谷主審の処置に対して亀田史郎トレーナーが抗議していたが,浦谷主審のストップのタイミングは全く妥当である。

     主審:浦谷信彰,副審:山田一公&土屋末広&福地勇治
     ○亀田:11戦11勝(10KO)     ●ファハルド:25戦15勝(10KO)7敗1分2無効試合
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&竹原慎二&畑山隆則     実況:土井敏之

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                           2006年5月5日(金)    有明コロシアム
                                    8回戦
                    日本バンタム級(ノーランク)   K       O    タイ国バンタム級(ノーランク)  
                 ○   亀田大毅       1回1分31秒   キティポップ・サンディジム  ●
                          (協栄) 117 lbs                            (タイ) 116 3/4 lbs

 開始早々からガードを固めてグイグイと迫る亀田。ロープに詰めて早くも左フック,アッパーを上下に連発する。左フックを脇腹に打ち込まれたキティポップはたまらずキャンバスに横転する。立ち上がったところに猛然と襲いかかる亀田。再び左フックが脇腹を抉れば,キティポップは2度目のダウン。そのままカウントアウトされた。

 亀田はこれでプロ入り後3連勝。一方的な試合であるが,全身に力が入り過ぎて力みが目立った。そのため得意の左フックがややテレフォンパンチ気味になっていることが気になる。もう少し力を抜いてスムーズにパンチが出るようにするべき。体に力が入っていると,パンチを受けたときの衝撃が増して自分が不利になりかねない。5月のプロ入り第2戦から18日目という短い期間での試合となったが,若くて伸び盛りであり,ダメージがない限りは悪くはないだろう。
 キティポップは構えがなっておらず,全くボクシングの形になっていない。極めてお粗末な素人同様の選手であり,こういう相手を何人倒しても実力はつかない。

     主審:福地勇治,副審:山田一公&ほか2名不明
     ○亀田:3戦3勝(2KO)     ●キティポップ:12戦6勝(0KO)5敗1分
     放送:TBS     解説:鬼塚勝也&竹原慎二&畑山隆則     実況:新夕悦男

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                        2006年5月6日(土)    後楽園ホール
                       WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級1位)  
                ○   イーグル京和    判 定   ロデル・マヨール  ●
                         (角海老宝石) 105 lbs            (三迫) 105 lbs

 オープニングヒットはイーグルの右フック。しかし,マヨールが放った左フックでイーグルは大きくのけぞる。さらに左フックで後退するイーグル。早くも迫力十分の打ち合いになる。
 2回,マヨールが攻勢に出る。左フックで後退したところに右アッパー,左フックがヒットし,早くもイーグルの右目下が腫れ始めた。珍しくイーグルが効いている。3回にもマヨールの左フックがヒットし,イーグルは苦しい序盤戦となった。
 4回,マヨールの左フックでぐらつくイーグル。チャンスと見たマヨールはロープに詰めて右ストレート,ボディへの左アッパー。
 5回,イーグルはバッティングで左目上をカットし,ドクターチェックを受ける。大槻ドクターの意思が伝わらず,試合をストップしようとしたドラクリッチ主審を慌てて大槻ドクターが制止するハプニングがあった。ここまでマヨール優勢で規定の5回に入っており,この場面でストップになっていたら,イーグルは負傷判定負けで王座陥落になる際どい場面だった。
 マヨールの攻撃力に右目下を腫らし,左目上もカットしたイーグルは不利な状況のまま中盤戦に入った。しかし,さすがのマヨールも打ち疲れのためかややスローダウン。イーグルはサイドに回りこんで接近戦で右アッパーを多用する。8回には密着してマヨールを左手で押さえるようにして放つ右アッパーを中心に激しい追い上げを見せた。9回に入ると完全にイーグルが主導権を奪回。右ストレートをヒットし,右アッパーをアゴ,左右アッパーをボディに集めて攻勢に出る。
 10回,マヨールの出バナに右ストレートをヒットするイーグル。さらに接近戦での右アッパー,ロープ際でスルリと体を入れ替えてボディへの左右アッパーでプレッシャーをかける。ボディブローが効いて完全に動きが鈍ったマヨールは上体を丸めて耐えた。一気に追い上げるイーグル。
 11回,前半のような動きが消えたマヨール。イーグルは前に出て来るところにうまくアゴへの右アッパー,さらにボディへの左右アッパーを決め,ズルズルと自分のペースに引き込んだ。
 そして12回,イーグルは右ストレートでマヨールをぐらつかせて一気に攻め立てる。クリンチに逃れようとするのを許さず攻勢を仕かけるイーグル。マヨールは右フックでバランスを崩し,ロープ際によろめくように倒れてダウンを取られた。KOのチャンスだったが,イーグルも疲労が出て,フィニッシュは逃した。

 実力者同士の対決で,ミニマム級とは思えない迫力ある攻防が展開され,非常に見応えのある世界戦となった。
 イーグルはこれで2度目の防衛に成功。マヨールの強打に苦戦しながらも後半に盛り返して呼び込んだ価値ある勝利である。マヨールの左フックを受け,序盤はKOでの王座陥落さえ予感させる苦しい立ち上がりとなった。しかし,中盤以降は接近戦に活路を見出し,単発ながらもアゴへの右アッパー,左右アッパーのボディブローで徐々に盛り返して行ったのは見事である。精神力の強さも抜群。やや直線的なマヨールの動きを読み,後半は巧みにサイドに回り込んで的確な攻撃を仕かけていた。これが前半から出ていれば,あれほど苦戦することもなかっただろう。
 ここまでは興行的な事情から,経験の浅い比較的イージーな日本人挑戦者を相手に世界戦を組まざるを得ない側面もあったと推測される。しかし,最強の挑戦者と言われたマヨールを退けたことにより,人気が出て今後さらに安定王者としての評価が高まることが期待される。人気が定着すれば,海外の実力者との試合も組みやすくなって活躍の場が広がるだろう。
 敗れたマヨールも非凡な攻撃力を見せた。イーグルがあれほど打ち込まれたのは初めてだろう。三迫ジムとマネジメント契約を結んでいる右ボクサーファイターで,細身のどこからあれだけのパワーが出るのか不思議なほどのパンチ力である。破壊力十分の左フック,右ストレートを中心とした攻撃は圧巻で,調子に乗ったときの強さには目を見張るものがある。その反面,攻撃が直線的で,サイドに回られるとやや弱い面も露呈した。思い描いていたような先制攻撃ができたのに,イーグルに粘られたのは誤算だったはず。後半は逆にボディを攻められて動きが鈍り,イーグルの術中にはまった。キャリアでも精神力でもイーグルが一枚上だったと言える。マヨールはまだ若いし,チャンスは必ず来るはず。今夜の敗戦を糧として欲しい。

採点結果 イーグル マヨール
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:ゲイル・バンホイ(米国) 117 110
副審:アレハンドロ・ロチン(メキシコ) 114 113
副審:チャック・ハセット(米国) 115 112
参考:MAOMIE 115 114


     ○イーグル:17戦16勝(6KO)1敗
     ●マヨール:23戦22勝(17KO)1敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史&セレス小林
     実況:長谷川憲司

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                           2006年5月6日(土)    後楽園ホール
                         東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン     T    K    O   挑戦者(同級10位)  
                ○  マルコム・ツニャカオ   11回2分04秒     木嶋安雄   ●
                        (比国) 117 3/4 lbs                      (角海老宝石) 117 1/2 lbs
                        WBC4位

 初回から木嶋がボディ狙いで執拗に迫る。足で撹乱すると見られたツニャカオは足を止めてガードを固め,左フック,ワンツーをヒットする予想外の展開を見せた。木嶋も執拗なボディ攻撃でツニャカオに手を焼かせた。4回,木嶋の右ストレートがクリーンヒットして,ツニャカオのマウスピースが飛び出しそうになる場面が見られた。
 5回,接近しては不利と見たツニャカオが作戦を変える。足を使って距離を取り,木嶋の出バナにワンツー,右フック,さらにボディへの左右アッパーを決めてリードを奪った。
 中盤のツニャカオは木嶋の執拗な攻撃を許す場面が見られたが,要所は締めた。9回,ツニャカオは前に出る木嶋の出バナに左ストレートのカウンターを決める。さらに右フックを巧打してテクニシャンらしいところを見せた。
 10回,右アッパーを受けてバランスを崩した木嶋のアゴをツニャカオの左ストレートが直撃。チャンスと見たツニャカオはぐらついた木嶋にワンツー,右フックをまとめて攻勢を仕かける。ダメージがある木嶋だが,持ち前の闘志で持ち直し,再び前に出る。
 善戦する木嶋だが,11回に捉まった。足を使ってチャンスを窺うツニャカオ。木嶋が前に出ようとするところ,アゴに左アッパーのカウンターがヒット。それでも前に出る木嶋だが,ツニャカオの左ストレートでロープに飛ぶ。左アッパーに次ぐ左フックでよろめいたところで福地主審が試合を止めた。その直後にタオルが投入された。

 ツニャカオは2度目の防衛に成功。木嶋のボディ攻撃に苦しんだが,要所を締めていた。スピードのあるサウスポーのボクサータイプである。懐が深く,足を使って距離を取り,広いスタンスから相手の出バナに左ストレート,アッパー,右フックを決めるうまさは相変わらず。今夜の序盤戦のように足を止めると苦戦するので,足とスピードを生かしたボクシングに徹することが必要である。
 予想以上の善戦を見せた木嶋は右ファイタータイプ。パンチ力はないが,粘り強く接近戦を挑み,連打で迫るボクシングが身上である。最後は地力の差が出たが,元世界チャンピオンのツニャカオを苦しめたスピリットは見事である。

10回までの採点 ツニャカオ 木嶋
主審:福地勇治 96 94
副審:ニック・ジオンゴ(比国) 99 91
副審:安部和夫 98 94
参考:MAOMIE 97 95

     ○ツニャカオ:24戦20勝(14KO)1敗3分
     ●木嶋:30戦19勝(5KO)9敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:寺島淳司

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                        2006年5月6日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパー・フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    T   K   O   挑戦者(同級1位)  
                 ○  小堀佑介   6回1分07秒    藤田和典   ●
                     (角海老宝石) 129 3/4 lbs                  (倉敷守安) 129 lbs

 挑戦者の藤田がいきなり左アッパーのボディブロー,右ストレートで小堀をロープに詰めて先制攻撃を仕かけた。小堀は落ち着いてワンツー,左フックを返す。終了間際,激しいパンチの応酬になったが,正確さで小堀が上回る。2回にも迫力ある攻防が続いた。藤田は右ストレートをヒットするが,小堀は冷静に見て出バナや打ち終わりにパンチを合わせた。
 3回,気迫十分で迫る藤田だが,大振りでミスが目立つ。逆に小堀の左フックのカウンターがアゴを捉え,藤田の足がもつれた。チャンスと見た小堀は一気にパンチをまとめる。終盤にも激しい打ち合いが展開された。
 5回,ワンツーから左フックがヒットし,一瞬ぐらつく藤田。
 そして6回,ワンツー,左フックからの右ストレートが決まり,膝を硬直させた藤田はつんのめるようにキャンバスに落ちる。鮮やかなコンビネーションブローだ。立ち上がったが,小堀のラッシュに晒される。左右連打から右フックがカウンターになり,ぐらついたところで土屋主審が試合を止めた。

 小堀は見事なTKOによる初防衛成功である。攻撃的な藤田に対し,冷静に動きを見て打ち終わりや出バナにタイミングよくワンツー,左フックを浴びせた。大振りの藤田のペースに巻き込まれず,打ち急ぐことなく,冷静にチャンスを窺った点を高く評価したい。パンチのスピード,切れ,タイミングともに申し分なく,今後の飛躍が期待される。試合後のインタビューにも朴訥な人柄が出て,非常に好感が持てる。
 藤田は空手出身の右ファイタータイプで,左フック,右ストレートにパンチ力がある。挑戦者らしく果敢に攻撃を仕かけたが,KOを意識してパンチの振りが大きくなり,ミスブローが目立った。上体の振りがないため,小堀の的確なコンビネーションブローの格好の標的になってしまったことが敗因。

5回までの採点 小堀 藤田
主審:土屋末広 *** ***
副審:浦谷信彰 50 45
副審:館秀男 49 47
副審:安部和夫 49 46
参考:MAOMIE 50 45


     ○小堀:20戦17勝(9KO)2敗1分
     ●藤田:26戦21勝(10KO)5敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:高橋雄一

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                          2006年5月6日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                   日本バンタム級2位   T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)  
                ○   寺畠章太    7回1分20秒     古岩井規正   ●
                      (角海老宝石) 118 lbs                       (沼田) 118 lbs
                                            古岩井規正=こいわい・のりまさ

 寺畠は左ジャブから右フックのボディブローを打ってスタート。古岩井は右フックから左右のボディブローで強引に迫る。
 2回に最初の山場が見られた。思い切った古岩井の右アッパー,左右フックにたじろぐ寺畠。左目上をカット(古岩井の有効打によるもの)した寺畠は不安な序盤戦となったが,左右のショートブローで徐々に盛り返す。終了間際,寺畠の右フックがアゴを捉えれば,一瞬足を硬直させた古岩井はたまらずダウン。立ち上がったものの,足に来ている。3回,足の運びにダメージの色が濃い古岩井。右アッパーに次ぐ左フックで倒れこむが,これはスリップとされた。
 4・5・6回,古岩井はかなり足に来ているが,左目下を腫らしながらも果敢な攻撃を仕かけて根性のあるところを見せた。しかし,地力で上回る寺畠は冷静に見極め,左右フック,右ストレートの的確なショート連打で徐々にダメージを与えて行った。
 やっと打ち返している古岩井だが,ダメージは明白で,7回に捉まった。左右フック,ワンツーで攻勢に出る寺畠。左右連打をまとめれば,古岩井は力なく後退。ここまでと見たサラサス主審が試合を止めた。

 寺畠はアフロヘアをトレードマークとする右ボクサーファイターで,どちらかと言えばファイタータイプに近い。スピードは今ひとつだが,左右フック,ワンツーを中心に力みのないショート連打がまとめて出るのが強味。豊富な練習量を物語るように,終始手数が止まらないエンドレスの攻撃が売り物であり,後半になるほど元気になる不思議な一面がある。執拗な連打は相手にとっては大きな脅威。非常に面白い存在である。早ければ今年中にもタイトル挑戦のチャンスがあるかも知れない。ステップイン,ステップアウトによる鋭い出入りが身につけば,さらに攻撃力が増し,KO率もアップするだろう。手数だけでなく,メリハリの利いた試合運びが今後の課題となる。ただし,不用意な被弾が見られるので要注意。
 古岩井は典型的な右ファイタータイプで,思い切った左右フックが武器。果敢な攻撃が売り物だが,両足が揃ってしまう場面が頻繁に見られた。相手を良く見ないで打っている点も目立つ。執拗に食い下がったが,冷静な寺畠のショートブローでダメージを蓄積したことが痛かった。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:安部和夫&福地勇治&土屋末広
     ○寺畠:17戦14勝(5KO)3敗     ●古岩井:14戦7勝(3KO)7敗
     放送:G+     解説:なし     実況:中野謙吾

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                          2006年5月15日(月)    後楽園ホール
                                 10回戦
                   WBA世界フライ級3位    負 傷 判 定    日本フライ級5位  
                ○   坂田健史     6回2分27秒    吉田健司   ●
                        (協栄) 112 lbs                         (笹崎) 112 lbs
                       WBC10位

 小刻みな動きから距離を詰める坂田。吉田は足を使って距離を取るボクシングを見せる。吉田は2回,足を使いながら右アッパーをヒット。終了間際にも右ストレートを決めてポイントを奪った。
 3回,バッティングで吉田が左目上をカットし,ドクターチェック。それまで足を使っていた吉田が負傷判定を意識して俄然積極的に攻める。坂田は左アッパーのボディブローで応戦。
 4回,吉田は勝負を急ぐかのように果敢に攻めるが,クリーンヒットはない。逆に吉田が出たところに坂田の左フックがカウンターで決まった。
 6回,しゃにむに出る吉田だが,バッティングで今度は右目上をカット。ドクターチェックの結果,3回にカットした左目上の傷が続行不能と診断されてストップとなった。集計の結果は2−1と割れたが,辛うじて坂田が勝利を握った。

 勝つには勝ったものの,動きにやや精彩を欠いた坂田。接近するのか離れるのか,距離の取り方がやや中途半端で,吉田のペースに合わせてしまう場面が目立った。
 吉田はややアップライトスタイルの右ファイタータイプ。動きはぎこちないが,旺盛なファイティングスピリットが売り物である。

6回までの採点 坂田 吉田
主審:浅尾和信 *** ***
副審:福地勇治 60 55
副審:浦谷信彰 59 57
副審:葛城明彦 58 59
参考:MAOMIE 59 58


     ○坂田:31戦27勝(12KO)3敗1分
     ●吉田:15戦9勝(5KO)6敗

     放送:TBS
     解説:佐藤修
     実況:新夕悦男

※ 6回途中に吉田が偶然のバッティングで負った傷によって試合続行不能となったため,当該の6回を含む採点で勝敗を決する。

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                           2006年5月16日(火)    後楽園ホール
                                    10回戦
                   東洋太平洋S・ミドル級8位   T   K   O   フィジー L・ヘビー級1位
                ○    西澤ヨシノリ       2回2分06秒    ラケシュ・クマー    ●
                         (ヨネクラ) 175 lbs                            (フィジー) 170 1/4 lbs

 軽く体を動かして左ジャブを突きながら様子を窺う西澤。2回,西澤が左右フックでボディを叩いて攻勢に出る。左フックがカウンターになり,ぐらついてロープにもたれるクマー。チャンスと見た西澤は一気にラッシュ。ここでサラサス主審はダウンを宣告し,カウントを取る。再開となったが,クマーはロープに詰まって防戦に大忙し。攻勢に出た西澤の左フックが決まったところでサラサス主審がストップした。

 今年1月に40歳になり,試合内容によってはJBCから引退勧告もという立場にある西澤。さすがに全盛時のスピードはないが,ベテランらしく落ち着いて攻めていた。左右フックのボディブローが効果的。節制ぶりには頭が下がる。
 フィジーのトップコンテンダーという肩書きのクマーは右ファイタータイプ。左ジャブは意外に伸びるが,スピードはない。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:住吉栄一&浦谷信彰&福地勇治
     ○西澤:49戦27勝(15KO)17敗5分     ●クマー:19戦10勝(3KO)8敗1分
     放送:スカイA     解説:大橋秀行&石本雅巳     実況:河路直樹

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                         2006年5月16日(火)    後楽園ホール
                                   10回戦
                   日本S・バンタム級4位    T   K   O    タイ国フェザー級9位
                ○   宮 将来       3回1分03秒   ワーユ・ウィンディジム   ●
                       (ヨネクラ) 123 1/2 lbs                       (タイ) 123 1/2 lbs

 よく動いて左ジャブ,フックからボディへの左アッパーを放つ宮。まずは余裕の立ち上がりとなった。
 2回,ワーユの力を見切った宮がプレッシャーを強める。左右のコンビネーションブローで攻勢に出る宮。下がったところに左アッパーのボディブローを打ち込まれたワーユはたまらずダウン。立ち上がったものの同じパンチで2度目のダウン。再開後,防戦一方のワーユを攻め立てる宮だが,時間切れ。
 試合の興味は宮がどこでフィニッシュするかに絞られた。3回,またもや左アッパーでボディを抉られ,ワーユはたまらずダウン。辛うじて再開となったが,同じパンチで4度目のダウン。ここで土屋主審がストップした。

 圧勝で無傷の16連勝を飾った宮。これで7連続KO勝ちという快進撃である。力まず左ジャブ,フックを中心にコンビネーションブローで攻めている点が長所。一度は試金石になるような相手との対戦が必要ではあるが,日本タイトル挑戦のチャンスもそう遠くないだろう。不用意にパンチをもらう場面があるので要注意。また得意の左アッパーのボディブローを狙い過ぎてカウンターを合わされないように注意が必要である。
 ワーユは左フック,右ストレートで果敢に攻める右ファイタータイプだが,脇のガードが甘く,そこを突かれて沈んだ。

     主審:土屋末広,副審:中村勝彦&浦谷信彰&ウクリッド・サラサス
     ○宮:16戦16勝(12KO)     ●ワーユ:18戦10勝(5KO)8敗
     放送:スカイA     解説:大橋秀行&石本雅巳     実況:河路直樹

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                          2006年5月20日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定12回戦
                   WBA世界S・フェザー級6位         WBA世界S・フェザー級14位
                ○    本望信人      判 定     ジムレックス・ハカ   ●
                       (角海老宝石) 129 1/2 lbs                  (比国) 127 3/4 lbs
                        WBC9位

 初回に先手を取ったのはハカ。サウスポースタイルから左ストレートを伸ばし,本望が出るところに左アッパーをカウンターでヒット。2回にもハカの左ストレート,アッパーがヒットする。本望は4回に右目上をカット(ハカの有効打によるもの)してドクターチェックを受ける。本望は右ストレートを決めるが,ハカの左ストレートを食って序盤は不安な展開となった。
 本望が立て直したのは5回。ハカの左アッパーを食う本望だが,ワンツー,左フックで落ち着きを取り戻し,終盤には左右のボディブローを見せて反撃に転じた。
 6回,今度はハカがバッティングで左目上をカットして中断。本望はこの回終盤にはワンツー,左右フックを集中してハカをコーナーに詰める。左フックのボディブローでハカはロープに後退した。7回にもハカをロープに詰めてワンツー,左右のボディ連打で攻勢に出る本望。いつものようなサイドへの動きがない本望はハカの左ストレートを食うが,主導権は確実に掌握した。
 終盤は疲れが見えるハカの左ストレートが流れる場面が目立った。本望はよく見てワンツー,左フックで要所を締めた。12回終盤,本望はハカをロープに詰めてラッシュ攻撃を見せて勝利を決定的なものにした。

 本望は持ち味の縦横無尽の動きが少なく,前半はハカの左ストレート,アッパーに苦しんだ。しかし,中盤から得意のワンツー,左フックにボディ攻撃を加えた反撃によって試合を制した。やや正面に立って被弾する場面が多かったが,サイドへの動きがあればもう少し楽な展開になっていただろう。スピード,テクニックは折り紙付きである。世界を狙うには,リングの面積をフルに使う得意の機動力を生かした試合運びに徹することが最低条件である。
 ハカはサウスポーのボクサーファイター。鋭い踏み込みに乗せた左ストレートが最大の武器。また相手の出バナに合わせる左アッパーのカウンターも相手にとっては脅威である。前半はこの左攻撃で優位に立ったが,後半は疲れが出てパンチが流れていた。攻撃はやや直線的であり,サイドに回り込まれると弱い面がある。

採点結果 本望 ハカ
主審:クレイグ・ウォーラー(豪州) 117 114
副審:サルベン・ラグンバイ(比国) 116 112
副審:福地勇治 116 113
参考:MAOMIE 117 113

     ○本望:34戦28勝(5KO)4敗2分
     ●ハカ:29戦26勝(12KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:船越雅史

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                     2006年5月20日(土)    後楽園ホール
                      日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)
                ○  渡邊一久    判 定    小林生人   ●
                     (角海老宝石) 126 lbs              (横浜光) 126 lbs

 開始早々はお互いに警戒して様子見だったが,初回後半には早くも激しいパンチの交換が見られた。変則的な動きで撹乱する渡邊だが,2回終了間際には右アッパーを振ろうとしたところに小林の右ストレートを食い,足を硬直させてダウン寸前の大ピンチを迎えた。
 辛うじて危機を脱した渡邊は3回に入ると猛然と左右フックで襲いかかり,主導権を握った。小林は手数が出ず,渡邊のラフな攻撃に惑わされた。中盤も渡邊が先手で攻撃を仕かけ,ラフな左右フックとややダーティな試合運びで試合をリードする。
 6回,小林をロープに詰めて左右フックの猛攻に出る渡邊。やや動きが鈍った小林はピンチ。小林の右フックで渡邊がバランスを崩す場面があったが,小林は渡邊の気迫に押されて後手に回る場面が目立つ。
 しかし,さすがの渡邊も打ち疲れが出て8回以降は失速気味。小林はチャンスだが,渡邊はラフな攻撃でもつれるようにスリップダウンに持ち込んで反撃の芽を摘んだ。ややスタミナ切れの渡邊だが,10回には小林をコーナーに詰め,死力を振り絞って猛攻を見せる。小林は動きが鈍り,最後まで主導権を握れないまま終了ゴングを聞いた。

 初防衛に成功した渡邊はラフな仕かけで小林の反撃の芽を摘んでいた。ラフな面ばかりが目立つ渡邊だが,なかなかの試合巧者である。お互い様のバッティングで露骨に痛がって抗議の姿勢を見せていたが,これなどは小林が悪いばかりでなく,渡邊自身にも原因がある。露骨に痛そうな顔をして主審に何度も訴えていたが,そうすることによって相手は自分に非があると言う錯覚に陥り,萎縮してしまう要因にもなる。気の強いはずの小林が消極的になったのも,そんなところに要因があったかも知れない。巧みに心理的な圧力をかけているようで,渡邊には非常に老獪な面を感じた。小林が反撃に出ると肩でカチ上げたり,反則スレスレのレスリング行為で流れが小林に傾かないように働きかけていた。手練手管を弄した老獪で狡猾とも言える試合運びである。終盤はスタミナ切れしたが,ここぞと言う場面では一気に攻勢に出るなど相手に決定的な主導権を与えなかったことが勝因。
 小林は気の強さを身上とする右ボクサーファイター。しかし,今夜は渡邊の気迫に呑まれた感が強い。ときおり強いカウンターを決めてぐらつかせる場面はあったが,全般的に手数が少なく,渡邊のパワーと老獪さに屈したことが敗因。

採点結果 渡邊 小林
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:染谷路朗 98 94
副審:山田一公 98 94
副審:吉田和敏 97 96
参考:MAOMIE 98 95


     ○渡邊:15戦13勝(7KO)2敗
     ●小林:14戦13勝(8KO)1敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:田中毅

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                       2006年5月21日(日)    米国ロサンゼルス:ステープルズセンター
                            WBC世界ライト級暫定王座決定12回戦
                      WBC世界ライト級4位       T   K   O    WBC世界ライト級3位
                ○  ホセ・アルマンド・サンタクルス   6回2分08秒     稲田千賢   ●
                           (メキシコ) 134 lbs                             (帝拳) 134 1/4 lbs

 立ち上がりからサークリングしながら長いリーチをフルに生かした左ジャブで牽制する稲田。サンタクルスはお構いなしに前進し,左ジャブ,右ストレート,左フックで先制攻撃を仕かける。
 稲田は2回にサンタクルスの出バナを捉えて右ストレートをヒット。長いリーチからワンツー,ボディへの左アッパーを浴びせる。サンタクルスの左ストレートでのけぞる場面はあったものの,この回はポイントを押さえた。
 しかし,3回以降の稲田はサンタクルスのパワーに押されてジリ貧に陥った。バッティングで眉間をカットする稲田。距離を取り切れず,サンタクルスの左右ストレートを許してのけぞる場面が多くなった。4回にはさらにプレッシャーが強くなる。右ストレートをもらった稲田は鼻血を流し,後手に回ってパンチを浴びた。
 5回,劣勢の流れを変えようと足を止めての打ち合いに応じた稲田だが,これが完全に裏目に出た。サンタクルスはチャンスとばかりにワンツー,左右アッパーを矢継ぎ早に連打して攻勢。稲田は顔面を腫らし,鼻血もひどくなって敗色が濃厚となった。終盤には右ストレート,アッパーでぐらつく稲田。
 決着は6回。左右アッパーのボディ攻撃で押し込んでいく稲田だが,これは逆にサンタクルスの思うツボ。体格差を生かしたサンタクルスが逆に押し返していく。左右アッパーからの右ストレートを連打された稲田は棒立ちになる。ストップのタイミングを見計うように戦況を観察していたレイス主審が潮時と見て割って入り,稲田の初挑戦が幕を閉じた。

 平仲明信(沖縄)以来日本人として14年ぶりに海外での世界タイトル奪取の期待がかかった稲田だが,サンタクルスのパワーに屈して完敗となった。序盤はよく動いて左ジャブを出していたが,サンタクルスの圧力が予想以上に強く,前進を止め切れなかったことが敗因。5回に打ち合いに応じたのは,流れを変えようとしたこともあるだろうが,敗色が濃くなって出て行かざるを得なくなった面もあるだろう。これは結果的にストップを早めるだけだった。線の細さが目立った以前と違って東洋タイトル獲得後はかなり逞しさが出たが,大柄なサンタクルスと向かい合えば体格的なハンデが歴然としていた。
 サンタクルスは右ファイタータイプ。一発のパンチ力よりも,手数で押しまくる攻撃を身上としている。スピードこそないが,接近すると上下への左右アッパー,ワンツーの連打が矢継ぎ早に出ることが強味。馬力も前進力もあるので,相手としては足だけでかわすのは厳しい。攻略のためにはサイドに回ってうまくカウンターを取る必要がある。

5回までの採点 サンタクルス 稲田
主審:ジャック・レイス(米国) *** ***
副審:マーティ・デンキン(米国) 49 46
副審:ドゥエイン・フォード(米国) 49 46
副審:アネック・ホントンカム(タイ) 50 45
参考:MAOMIE 49 46


     ○サンタクルス:24戦23勝(13KO)1敗
     ●稲田:22戦19勝(14KO)3敗

     放送:WOWOW
     解説:ジョー小泉&飯田覚士     ゲスト:香川照之
     実況:高柳謙一     アシスタント:土肥ゆきよ

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                         2006年5月21日(日)    大阪市中央公会堂
                                     10回戦
                   WBC世界ライトフライ級14位    K      O     タイ国ライトフライ級5位
                ○    中島 健        4回3分03秒   ゲエンナコン・クロンパジョン   ●
                        (グリーンツダ) 109 1/4 lbs                         (タイ) 109 lbs

 左フックの交換からスタートする両者。初回後半,中島がピッチを上げ,左アッパーのボディブロー,右アッパーで攻勢に出る。
 2回,中島は正面に立ってゲエンナコンの右クロスをもらうが,左アッパーのボディブロー,右ストレート,アッパーでロープに詰めて攻勢。
 4回,捨て身のゲエンナコンの攻撃にたじろぐ中島だが,左フックのカウンター一発でぐらつかせて主導権を奪い返す。終了間際,左フックがまともにアゴを捉え,ゲエンナコンはドッとキャンバスに落下。そのままカウントアウトされた。

 今年1月の世界挑戦で完敗を喫して以来の再起戦をKOで飾った中島だが,力みが目だった。ガードが甘く,相手の正面に立ってしまう欠点は相変わらずである。攻め込まれると真っ直ぐ下がってしまう悪い癖も見られた。上体の動きがほとんど見られないことも気になる。軽量級としてはパンチ力があるが,もう少し動きを取り入れ,その中からチャンスを掴むようなボクシングを目指すべきだろう。
 ゲエンナコンはややアップライトスタイルの右ファイタータイプ。ガードは低いが,非常にファイティングスピリットがあり,思い切った左フック,右ストレートによる攻撃を得意としている。

     主審:原田武男,副審:北村信行&宮崎久利&野田昌宏
     ○中島:18戦15勝(9KO)3敗     ●ゲエンナコン:17戦10勝(7KO)7敗
     放送:スカイA     解説:本田秀伸&興梠貴之     実況:田野和彦

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                         2006年5月21日(日)    大阪市中央公会堂
                                     10回戦
                   タイ国ウェルター級チャンピオン     K      O    日本ウェルター級7位
                ○  シントウン・キャットブサバ    2回2分29秒     丸元大成    ●
                         (タイ) 153 1/4 lbs                          (グリーンツダ) 153 1/2 lbs

 長身の丸元は鋭い左ジャブ,ワンツーから好調な立ち上がりを見せた。ズングリ型のシントウンは左右フック,右フックのボディブローを放つ。
 2回,勝負は呆気なく決まった。重いボディブロー,右フック,ワンツーでプレッシャーをかけるシントウン。丸元は得意のワンツーでシントウンにロープを背負わせるが,右ショートフックをカウンターでもらい,膝から崩れて仰向けにダウン。ロープに詰まったシントウンに右アッパーを決めようとアゴのガードが空いたところに打ち込まれた強烈なカウンターだった。
 丸元は辛うじて立ち上がったものの,シントウンの強打に晒される。右アッパーをアゴにもらい,さらに右フックを脇腹に打ち込まれ,たまらず2度目のダウン。そのままカウントアウトされた。

 丸元は178cmという長身の右ボクサータイプで,ガードを固めながら左ジャブ,ワンツーを突くオーソドックスなボクシングを得意としている。再起戦でもあり,久々にKO勝利も欲しいという気持ちが先行したのか,ガードの甘さが出てしまった。得意のワンツーで追い込みながら,シントウンの右を合わされて沈んだ。
 シントウンは身長170cmで,ズングリした体型の典型的な右ファイタータイプ。足は使わず,動きそのものは鈍いが,思い切った左右フックは破壊力十分。最初のダウンを奪った右ショートフックは見事なカウンターである。ダウンを奪った直後の詰めも鋭く,右アッパーでぐらつかせて,すかさずボディに右フックを切り返すなどのうまい面も見せた。

     主審:宮崎久利,副審:藤田輝雄&北村信行&原田武男
     ○シントウン:10戦7勝(6KO)3敗     ●丸元:26戦18勝(7KO)7敗1分
     放送:スカイA     解説:本田秀伸&興梠貴之     実況:田野和彦

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                         2006年5月21日(日)    大阪市中央公会堂
                                10回戦
                   日本フライ級9位      K      O    タイ国S・フライ級7位
                ○  奈須勇樹     7回1分31秒   ノパデレック・チュワタナ   ●
                     (グリーンツダ) 114 3/4 lbs                     (タイ) 114 1/4 lbs

 ともにカウンター狙いで手数は少ないものの,緊迫感のある展開が続いた。ノパデレックのパンチに合わせ,得意の左フック,右ストレートを返す奈須。
 3回終了間際,右ショートストレートのカウンターでアゴを打ち抜かれたノパデレックはうつ伏せにダウン。前に出ようとしたところを至近距離から正確に捉えた絶妙なパンチだった。ノパデレックは辛うじて立ち上がったところでゴングに救われた。
 KOは時間の問題と思われたが,奈須の手数も少なく,意外に長引いた。奈須は4回にバッティングで右目上をカットしてドクターチェックを受ける。
 7回,再び奈須の強打が火を噴いた。右フックから攻勢に出る奈須だが,振りが大きくなる。しかし,リング中央で右ストレートをミスして体が流れたところに奈須の右ストレートがカウンターになり,ノパデレックはうつ伏せにダウン。これは強烈なパンチでそのままカウントアウトとなった。

 関西のホープ奈須が無傷の11連勝を飾った。手数が少なく,フィニッシュが長引いたが,カウンターを合わせるタイミングや角度は教えられてできるものではない。とくに3回にダウンを奪った右のショートブローは天性の素質を窺わせる見事なパンチである。ただし,カウンター主体で手数がやや少ないことが気になる。待ちのボクシングだけでは上位には通用しない。フェイントを兼ねて捨てパンチを使うなどのアプローチを身につけて欲しい。得意のカウンターを決めるタイミングを相手の出方に頼るのではなく,自分からチャンスを作ることが今後の課題である。

     主審:野田昌宏,副審:原田武男&宮崎久利&北村信行
     ○奈須:11戦11勝(9KO)     ●ノパデレック:18戦9勝(4KO)9敗
     放送:スカイA     解説:本田秀伸&興梠貴之     実況:田野和彦

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                        2006年5月21日(日)    神戸サンボーホール
                                 10回戦
                   日本フェザー級2位     K      O    タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○  武本在樹      3回3分01秒    ソントーン・シットゴーソン  ●
                     (千里馬神戸) 128 lbs                          (タイ) 125 3/4 lbs

 武本が余裕を持ってスタート。初回,左ジャブで牽制し,右アッパーをソントーンのアゴにヒット。2回には左アッパー,フックでボディを攻める。打ち下ろしのワンツーに腰を落としたソントーンはロープに詰まってピンチを迎えた。
 3回,呆気なく勝負が決まった。武本は左右アッパーでボディを攻める。終盤,コーナーに詰めて左フックをヒットする武本。さらに右フックも顔面を捉える。右ストレートのボディブローに次ぐ左右フックを浴びたソントーンはロープ際で仰向けにダウン。そのまま立ち上がれず,カウントアウトされた。

 対戦する予定だった世界ランカーのアドルフォ・ランデロス(メキシコ)が負傷のため,急遽相手が変更になった武本。モチベーションが下がったわけではあるまいが,余裕を持ちすぎたことが反省点。パンチが切れて力みがない点は良かったが,やや動きにスピードを欠いたことが気になった。もう少し動きを取り入れないと上位を目指すには苦しいだろう。
 ソントーンは思い切った左右フックを武器とする右ファイタータイプ。

     主審:浦谷信彰,副審:福地勇治&大黒利明&上中一郎
     ○武本:25戦19勝(12KO)5敗1分     ●ソントーン:22戦12勝(4KO)11敗
     放送:スカイA     解説:来馬英二郎     実況:加藤じろう

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                         2006年5月21日(日)    神戸サンボーホール
                                    10回戦
                   WBC世界バンタム級14位     T   K   O    日本バンタム級(ノーランク)
                ○    三谷将之       8回2分07秒      宇野寿修     ●
                          (高砂) 122 lbs                           (岐阜ヨコゼキ) 121 1/2 lbs
                                                  宇野寿修=うの・すなお

 2回,三谷が左ジャブ,ワンツーを中心とした積極的な攻撃を展開した。ボディへの左アッパー,フック,さらに左フックを顔面に決めて早くもリードする。三谷は終了間際にもワンツーを浴びせて宇野を圧倒した。
 3回以降も三谷優勢の展開となった。スピードの差は歴然で,宇野は三谷の動きについていけず,ワンツーで後退させられる場面が目立った。
 6回にようやく宇野の右フックがヒットしたが,それが精一杯。7回には高速ワンツーの連打で宇野はロープに詰まった。
 そして8回,宇野は左目上をカットしてドクターチェックを受ける。再開後,攻撃をテンポアップさせる三谷。ワンツー,左フックの連打に守勢一方の宇野。左目上の傷のために2度目のドクターチェックとなり,そのまま続行不能と診断されて試合がストップした。有効打によるカットのため,三谷のTKO勝ち。

 世界ランカー三谷が実力の差を見せつけて宇野を圧倒した。ワンツー,左アッパー,フックを中心としたスピーディなコンビネーションブローにますます磨きがかかっている。ボクシングセンスだけでなく,攻める姿勢があることも長所である。左ジャブを軸としたスタイリッシュなボクサータイプだが,欲を言えばもっともっと左ジャブの数を増やして欲しい。左ジャブを上下に打ち分け,どんどん積極的に試合を作るようにすれば必ず大きなチャンスが訪れるはず。まだまだキャリアが足りないので,焦らずに経験を積むことが肝要。
 宇野はベテランの右ファイタータイプで,左右フック,右アッパーが武器。スピードがなく,動きが鈍い。そのため,三谷の動きに翻弄されていいところなく敗れた。右フックを打つときにいっしょに右足が前に出てしまい,バランスを崩す場面が目立った。どんどん前に出るボクサータイプの三谷に対し,ファイタータイプの宇野が下がっては勝ち目がない。これも作戦で下がっているというより,三谷の攻撃に下がらされている感じだった。

7回までの採点 三谷 宇野
主審:大黒利明 *** ***
副審:福地勇治 70 64
副審:浦谷信彰 70 65
副審:上中一郎 70 64
参考:MAOMIE 70 64


     ○三谷:18戦17勝(9KO)1敗
     ●宇野:25戦16勝(11KO)7敗2分

     放送:スカイA
     解説:来馬英二郎
     実況:加藤じろう

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