熱戦譜〜2006年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2006.02.04 10回戦  西岡利晃  判定  ウーゴ・バルガス
2006.02.04 10回戦  瀬藤幹人  判定  下田昭文
2006.02.04 8回戦  矢代義光  判定  クリス・ベスマノス
2006.02.05  東洋太平洋スーパーフェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 ランディ・スイコ  TKO4R  杉田竜平
2006.02.05  東洋太平洋バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 マルコム・ツニャカオ  引き分け  大場浩平
2006.02.11  日本スーパーバンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 福原力也  TKO8R  酒井俊光
2006.02.11 10回戦  河野公平  TKO9R  プロスパー松浦
2006.02.13  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 内藤大助  判定  中広大悟
2006.02.13 6回戦  リッキー・ツカモト  KO1R  チョケチャイ・シットサイソング
10 2006.02.18  日本ミドル級
 タイトルマッチ10回戦
 板垣俊彦  判定  鈴木哲也
11 2006.02.26 6回戦  亀田大毅  KO1R  サマート・シットサイトン
12 2006.02.27  WBC世界スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 徳山昌守  判定  ホセ・ナバーロ

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                        2006年2月4日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                   WBC世界S・バンタム級1位           WBCカリブ S・バンタム級チャンピオン
                ○    西岡利晃      判 定      ウーゴ・バルガス    ●
                          (帝拳) 124 lbs                     (メキシコ) 123 3/4 lbs
                        WBA3位

 西岡が初回から積極的な攻めを見せる。バルガスをロープに追って左ストレートから右フックをボディに。2回にはバルガスの右の打ち終わりに左ストレートのカウンターをヒット。バルガスもパンチをまとめて返すが,西岡はこれを冷静にブロックする。
 中盤以降も西岡がジリジリと距離を詰めて左ストレート,右フックをボディ,顔面に打ち込み,バルガスが迎え撃つという展開が続いた。6回にはロープに詰めて左右フック,左アッパーの攻勢に出る西岡だが,バルガスもしぶとく打ち返す。西岡は手数で圧倒するが,足が動かず,やや単調な攻撃が目立つ。
 9回,西岡が入るところに右アッパーを合わせるバルガスだが,西岡が手数で上回る。10回,西岡は連打を見せるが,バルガスは左右フック,ワンツーで逆襲。西岡はクリンチに出る。終了ゴングと同時に疲れの色が濃い西岡の足元がふらつく場面が見られた。

 西岡は勝つには勝ったものの,内容的には不満を残す結果となった。体の動きに全盛時のスピードや切れが見られなかった。かつての切れのある左ストレートが出ず,外から叩きつけるような左フックが目立ったことが残念。積極的な試合運びはある意味では評価できるが,足の動きがなく,正面からの攻撃だけなので,単調な印象は拭えない。
 バルガスはタフな右ファイターでしぶといボクシングをする。左右フック,右アッパー,ワンツーなどの多彩なパンチがまとめてスムーズに出る強みがある。相手の攻撃が途絶えたところに巧みな連打を見せる。

採点結果 西岡 バルガス
主審:土屋末広 *** ***
副審:葛城明彦 99 93
副審:山田一公 98 93
副審:島川 威 99 94
参考:MAOMIE 99 92


     ○西岡:34戦27勝(15KO)4敗3分
     ●バルガス:24戦13勝(7KO)10敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:船越雅史

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                       2006年2月4日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                   日本S・バンタム級(ノーランク)          日本S・バンタム級8位
                 ○   瀬藤幹人      判 定    下田昭文  ●
                        (協栄) 121 1/4 lbs                  (帝拳) 122 lbs

 開始早々から気迫十分の表情で下田に迫る瀬藤。小刻みな動きのフェイントからノーモーションの右ストレートを放ち,どんどんプレッシャーをかける。
 2回,圧力を強める瀬藤だが,下田も左ストレートからの連打を見せて応戦。バッティングで瀬藤が右目上,下田が右側頭部をカットして両者ドクターチェックを受ける波乱含みの展開となる。再開後,右ストレートを受けてバランスを崩す下田。さらに右ストレートで追撃する瀬藤だが,これをかわしざまに放った下田の左ストレートが絶妙なカウンターになり,瀬藤は膝をついてダウンを取られる。終了ゴングと同時に,エキサイトした両者が激しく睨み合い,緊迫のリング上となった。
 中盤以降も気迫と気迫がまともにぶつかり合う白熱戦が続き,目が離せない展開となる。4回は瀬藤がノーモーションの右ストレートを再三クリーンヒットして下田を苦しめる。逆に5回には下田がプレッシャーをかける瀬藤の動きをよく見て左ストレート,アッパーあるいは右フックを的確に決めてリードした。
 6回,下田の右側頭部の出血のため,ドクターチェック。瀬藤は巧みなフェイントを使ってプレッシャーをかけ,右ストレートを決めて攻勢に出た。下田は強引な瀬藤の攻撃を持て余し,後手に回る。8回,クリーンヒットがなくても激しくプレッシャーをかける瀬藤の強気の攻めに,下田はやや弱気な表情を浮かべた。
 9回は下田が意地を見せる。終盤,アゴに右フック,アッパーを受け,バランスを崩してコーナーに詰まる瀬藤。下田は連打で一気に攻勢を仕掛けるが,瀬藤も負けずにスルリと体を入れ替え,猛反撃を見せる。瀬藤は終了ゴングと同時に走ってコーナーに戻り,元気いっぱいの姿をアピールした。
 10回,両者一歩も引かぬ打ち合いが続く。瀬藤は右フック,左ストレートを食いながらも体ごと前に出て右アッパーをアゴにヒットして下田を追い込んだ。

 意地と意地,気迫と気迫がぶつかり合ったノンストップの打ち合いで,まさに激闘。これほど白熱したセミファイナルも珍しい。
 不利を予想された瀬藤だが,『無敗のホープ下田何するものぞ』という気迫が全身に漲っており,見事な勝利だった。上体・両手・顔の表情など,あらゆるパーツを駆使した巧みなフェイントからノーモーションの右ストレートを多用して,常に強気の姿勢で攻め続けたことが勝因。下田に間合いを取られては不利と見たのか,短いピッチでどんどん距離を詰め,俊敏な動きで休む暇もないほどの圧力を加えていたことが奏功した。この位置取りのうまさも勝因のひとつだろう。
 初黒星を喫した下田は瀬藤の気迫の攻めにどんどん間合いを詰められ,精神的なゆとりを失ってしまったことが敗因。2回にダウンを奪ったように,相手の打ち終わりに合わせるカウンターに稀有な才能を見せた。逸材であることには間違いがない。この敗戦を糧として,更なる精進を期待する。

採点結果 瀬藤 下田
主審:杉山利夫 *** ***
副審:山田一公 95 94
副審:葛城明彦 96 94
副審:土屋末広 95 95
参考:MAOMIE 96 95


     ○瀬藤:24戦17勝(7KO)6敗1分
     ●下田:13戦12勝(7KO)1敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:鈴木健

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                       2006年2月4日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)          比国S・バンタム級2位
                ○   矢代義光      判 定    クリス・ベスマノス ●
                       (帝拳) 125 3/4 lbs                 (比国) 125 1/2 lbs

 1年4ヶ月ぶりのリングとあって慎重な立ち上がりを見せた矢代だが,2回に入ると右フックをボディ,アゴに決めてリードを奪う。3回,右フックがアゴにカウンターになり,腰が落ちたベスマノスは1回転してロープに詰まる。矢代はKOを狙って攻勢に出たが,大振りでチャンスを逸した。
 5回,右フックをアゴに食って膝を揺らすベスマノス。このチャンスにも矢代は振りが大きくなってダウンにつなげられない。7回にもベスマノスを右フックでぐらつかせるが,狙い過ぎて倒し切れないまま終わった。

 左拳の複雑骨折から久々のリング復帰となった矢代。相変わらずのパンチ力だが,KOを意識し過ぎて大振りで単発となり,再三のチャンスを逸したことは大いなる反省点である。パンチの切れ,威力は誰もが認めるところなので,力みを捨て,コンパクトに数を出すことを心がけるべきだろう。
 初来日のベスマノスは変則的な右ファイター。サウスポーにスイッチもする。小柄ながらもワイルドな左右フックで思い切った攻撃を仕かける。右フックの相打ち狙いに出ていたが,スピードの差は歴然であり,矢代の右フックが先に着弾する場面が目立った。

採点結果 矢代 ベスマノス
主審:島川 威 *** ***
副審:土屋末広 80 72
副審:中村勝彦 80 73
副審:杉山利夫 80 72
参考:MAOMIE 80 73


     ○矢代:14戦13勝(7KO)1分
     ●ベスマノス:17戦5勝(2KO)10敗2分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                           2006年2月5日(日)    名古屋国際会議場
                         東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
                         チャンピオン      T   K  O     挑戦者(同級4位)
                   ○  ランディ・スイコ    4回1分39秒     杉田竜平  ●
                               (比国) 129 1/4 lbs                      (畑中) 129 1/4 lbs

 開始ゴングと同時に杉田が猛然と攻勢に出る。ワンツー,ボディへの左アッパーでスイコに迫る杉田。軽いが右ストレートも再三ヒットして,スイコが戸惑いの表情を浮かべる場面が見られた。スイコも右アッパーをヒットするが,杉田は構わず左フックの相打ちに持ち込んだ。
 しかし,スイコが2回開始早々に地力の差を見せた。真正面から打ち合いに出る杉田だが,ここでスイコの強打に捕まった。アゴへのカウンターの左フックをまともにもらった杉田はたまらずもんどり打ってダウン。立ち上がった杉田は気迫を見せて迫るが,スイコの強烈な左アッパー,右ストレートに晒される。正面に立つ杉田は終了間際に受けた右ストレートでぐらつき,ゴングに救われた。
 4回,鼻血を流しながらも杉田は果敢に前進してスイコをコーナーに追い込むが,冷静なスイコは動じない。逆に強烈な右アッパーを受けてぐらつく杉田。棒立ちになったところを見逃さず,スイコが一気の集中打を浴びせる。たまりかねた畑中会長がタオル投入と同時にリング内に入って杉田を抱き止めた。

 杉田は気迫十分の攻めで果敢に挑んだが,正面に立ってスイコの強打の標的になった。試合後に引退を表明したが,最後まで攻めの姿勢を貫いたことを高く評価したい。右ファイタータイプで右ストレート,左フックを主体とするコンビネーションブローに威力がある。激しい打ち合いを得意としており,眼疾に悩まされた。98年7月,金内豪(帝拳)と空位の日本スーパーフェザー級王座を争い,右ストレート一発でホープ金内を倒した劇的な一戦が記憶に残る。
 スイコは5度目の防衛に成功。長身の右ボクサータイプで長いリーチを生かした左ジャブ,右ストレート,アッパーあるいは左フックなどの多彩なコンビネーションブローが武器。パンチの破壊力は抜群で,世界を狙う実力を十分に備えているフィリピン期待の強打者である。初回こそ戸惑ったが,真正面に立つ杉田の動きを読んで一気に形勢を逆転したあたりはさすが。

     主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ),副審:テオドロ・アリビオ(比国)&福地勇治
     ○スイコ:26戦24勝(21KO)2敗     ●杉田:35戦30勝(22KO)3敗2分
     放送:CBC(中部日本放送)     解説:薬師寺保栄&飯田覚士     実況:伊藤敦基

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                           2006年2月5日(日)    名古屋国際会議場
                          東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦
                         チャンピオン               挑戦者(WBC S・フライ級13位)
                  ×   マルコム・ツニャカオ   引き分け      大場浩平      ×
                                (比国) 118 lbs                      (スペースK) 118 lbs
                       WBC世界バンタム級6位

 開始早々から大場が顔面をグラブでカバーしながら迫り,ツニャカオが下がりながら右ジャブ,左ストレートを突くという展開が続いた。2回,ツニャカオは力を抜いた左右ストレートを間断なく繰り出してチャンスを窺い,大場のガードを割るように右アッパーを突き上げる。大場も左右のボディ攻撃で迫るが,ツニャカオは下からの右アッパー,外からの右フックを決めてリードを奪った。
 ワンツーで崩して右フックのボディブローから右フック,左ストレートを放つツニャカオ。ガードを固めて接近した大場が左フックのボディブローを打ち込むと,ツニャカオの表情が変わる。白いマウスピースを覗かせて苦しそうなツニャカオに対し,大場は左右のボディブローで猛然と迫った。
 ポイントではツニャカオがややリードしているものの,大場の健闘が光る試合。9回,ツニャカオは細かいワンツーに次ぐ外からの右フックを放つが,ガードを固めた大場は構わず前に出て右アッパーをボディに。10回,執拗に迫る大場だが,ツニャカオは細かいワンツー,右アッパーあるいは左ストレートからの右フックを浴びせる。
 大場は終盤も果敢に仕かけて食い下がった。12回,ツニャカオの右フックも当たるが,大場の左右フックのボディブローが上回る。激しい打ち合いの末,終了ゴングを聞いた。

 若い大場の健闘が目立った試合。元世界チャンピオンのツニャカオへのチャレンジということで冒険だったが,全く物怖じしないハートの強さが光る。ボクサーにとっては何よりも重要なものであり,キャリアを積めば必ず世界挑戦のチャンスに恵まれるだろう。ポイントでリードされていたことは間違いないが,顔面をグラブでカバーしながら執拗に迫り,左右フック,右アッパーで果敢な攻撃を見せた。大善戦と言っても過言ではない。接近するまでのパンチがなく,ツニャカオを追い詰め切れなかったことが悔やまれる。上体を振ったり,フェイントや捨てパンチを使って突破口を開く工夫が今後の課題となるだろう。
 初防衛に成功したツニャカオは力を抜いた左右ストレートでガードを崩しながら攻めるなどのうまさを見せた。ガードの上から細かいパンチを打ち続け,中央からガードを割る右アッパーや左ストレート,外から巻き込む右フックで着実にポイントを奪った。このあたりのうまさはさすがである。

採点結果 ツニャカオ 大場
主審:イグナティアス・ミサリディス(豪州) 115 114
副審:テオドロ・アリビオ(比国) 115 115
副審:堂本康夫 113 115
参考:MAOMIE (88) (87)

     ×ツニャカオ:23戦19勝(13KO)1敗3分
     ×大場:14戦13勝(8KO)1分

     放送:CBC(中部日本放送)
     解説:薬師寺保栄&飯田覚士
     実況:伊藤敦基

※ 第3・6・7ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は第3・6・7ラウンドを除く集計結果です)。

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                           2006年2月11日(土)    後楽園ホール
                          日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
                         チャンピオン     T   K   O    挑戦者(同級1位)
                    ○  福原力也   8回1分35秒     酒井俊光  ●
                               (ワタナベ)  122 lbs                     (三迫)  122 lbs

 初回から上体を振って執拗に距離を詰める酒井に対し,福原は足を使って接近を阻み,ときおり左フック,右アッパーを放つ。
 福原は距離を取り切れないが,酒井も意外に手数が少なく,福原を追い込むまで至らない。4回終盤,福原はようやく細かいパンチのまとめ打ちを見せた。
 酒井の執拗な肉薄に手を焼く福原だが,5回にチャンスを掴んだ。前に出る酒井に対し,足を止めて応戦する福原。ワンツーがクリーンヒットすれば,酒井は腰が落ちてダウン寸前のピンチ。タフな酒井が珍しくクリンチに出る。福原はなおも左フック,アッパーで起こして攻勢。酒井はぐらつきながらも前進するが,本来の手数が出ない。
 6回には疲れが出た福原が酒井の攻撃を許す場面が見られたが,7回は福原のペース。ダメージの蓄積で動きが鈍い酒井は左フックを受けて足元をふらつかせる。
 そして8回,左フックでぐらついた酒井に襲いかかる福原。左右フック,アッパーの攻勢で酒井はコーナーに追い込まれる。防戦一方となった酒井を島川主審が救った。

 好カードとして期待されたとおりの熱戦となった。
 福原は左フック,右ストレートに一打必倒の強打を秘める右ボクサーファイター。序盤こそ酒井の執拗な攻撃に距離を取り切れない場面もあったが,単発ながらも左フック,右アッパーをヒットしていたことが後半になって生きたと言える。特に酒井の入り際に合わせる右アッパーが効果的だった。その一方で,酒井の肉薄を許した原因は左ジャブが出なかったこと。パンチ力は十分なので,左ジャブを使って突き放せばもう少し楽な展開になったはず。低いガードからスムーズにパンチが出るのが長所だが,パンチを打つときにアゴが出るのが最大の欠点。これは矯正しないと危険である。
 酒井はエンドレスファイターの異名をとる右ファイタータイプ。上体を振ってグイグイと接近し,旺盛なスタミナで仕かける波状攻撃を身上としている。しかし今夜は前進した割りには手数が出ず,福原に動かれてミスブローが目立った。持ち味の突進力が今ひとつ発揮されず,単発ながらも強打を受けて徐々にダメージを蓄積させてしまったことが敗因。

7回までの採点 福原 酒井
主審:島川威 *** ***
副審:吉田和敏 70 64
副審:ウクリッド・サラサス 69 64
副審:福地勇治 70 62
参考:MAOMIE 79 66


     ○福原:20戦18勝(14KO)1敗1分
     ●酒井:22戦17勝(8KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:寺島淳司

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                              2006年2月11日(土)    後楽園ホール
                                     10回戦
                         日本バンタム級8位    T   K   O    WBA世界S・フライ級6位
                     ○   河野公平    9回1分50秒     プロスパー松浦  ●
                                 (ワタナベ) 116 1/4 lbs                      (国際) 116 1/4 lbs

 積極果敢に攻める河野が初回後半に早くも松浦をロープに詰めてワンツー,左フックをまとめる。2回,松浦はワンツーから左フックを返すが,河野は右フックでチャンスを掴み,ロープに詰めてラッシュ攻撃を見せた。
 4回,松浦は体を入れ替えて右アッパーを突き上げるが,左ジャブが出ず,突き放せない。
 5回,バッティングで松浦の左目上から出血してドクターチェック。再開後,河野は左右のショート連打で松浦をコーナーに詰めて攻勢に出る。右ストレートで松浦がのけぞる場面が見られた。
 6回には松浦の左アッパーがボディに決まって河野の動きが鈍ったが,7・8回は再び河野がラッシュを見せて松浦を追い込んだ。
 9回,左目上の傷のために再度ドクターチェックを受ける松浦。再開直後,狙っていたかのような河野の右ストレートがアゴを直撃し,松浦は腰から落ちて痛恨のダウンを喫した。立ち上がったものの,河野の左右連打に晒され,ロープを背負う。最後は右ストレートでガックリと膝をついたところでタオルが舞った。

 河野は積極果敢な攻撃で現役世界ランカーで元日本王者の松浦を攻め落とした。旺盛な手数が身上の右ファイタータイプ。左右フック,右ストレートを武器としている。ベテランの松浦に臆することなく攻め続けたことが勝因。顔面主体の攻撃が目立つので,連打の中にボディブローを織り交ぜればさらによくなるはず。上下への打ち分けが課題である。
 松浦は河野の攻撃に終始後手に回り,完敗となった。得意の左ジャブ,ワンツーが出ず,持ち味の小気味良いアウトボクシングができなかったことが悔やまれる。前半に若い河野を調子に乗せてしまったことが敗因。

8回までの採点 河野 松浦
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:吉田和敏 78 75
副審:住吉栄一 80 74
副審:島川威 79 75
参考:MAOMIE 78 75


     ○河野:19戦16勝(6KO)3敗
     ●松浦:32戦25勝(12KO)7敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:上重聡

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                           2006年2月13日(月)    後楽園ホール
                           日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                         チャンピオン            挑戦者(同級1位)
                    ○  内藤大助   判 定    中広大悟   ●
                               (宮田)  112 lbs             (広島三栄)  111 3/4 lbs
                        WBC6位,WBA10位

 好スタートを切ったのは中広。内藤は中広をコーナーに詰めて左フックを下から上に返すが,中広は打ち終わりにタイミングよく右クロスを合わせる。終盤,右ストレートでのけぞる内藤。コーナーに下がった内藤の顔面に中広の右フックがヒットする。
 2回,立ち上がりに主導権を握られた内藤は作戦を変えて左アッパー,フックでボディを狙う。中広は鋭いステップインから右ストレート,右クロスを合わせる。
 中盤も一進一退の好ファイトが続く。4回,内藤は左右フックのボディ攻撃に出て,トリッキーな動きで牽制する。中広も右フック,ストレートを返すが,やや後手に回った。
 7回にバッティングで左目上をカットする中広だが,先手を取って攻め,6・7回をリードした。
 8・9回は再び内藤がやや優位に立つ。疲れが見える内藤だが,中広の攻撃を迎え撃ち,右ストレート,フックをヒット。8回の右ストレートの相打ちは内藤のパンチが一瞬早く着弾。9回終盤には内藤の右ストレートで中広がぐらつき,ロープに飛ぶ場面が見られた。

 前評判が高い中広を僅差ながらも退けた内藤が3度目の防衛に成功した。中広の攻撃に手を焼く場面はあったが,全身を使ったフェイントから繰り出す右ストレートや左右フックを決めるなど,キャリアのあるところを見せた。立ち上がりこそ中広の先制攻撃を許したが,左右フックでボディを狙って動きを止めにかかるなどの攻撃にベテランらしさが見られた。ただし,左ジャブ,フックが少なく,振りが大きいことが気になる。
 期待の新鋭・中広は広島経済大の現役大学院生という異色のボクサー。動きに切れとスピードがある右ファイタータイプで,鋭いステップインに乗せた右フック,ストレートを武器としている。相手の左にタイミングよく合わせる右クロスに非凡なものを感じさせる。待ちに入って手数が減ることが気になるが,今後の精進しだいで急成長が見込める好素材である。後半に見せたように,積極的に自分から攻めるようにするとよい。左ジャブが出ないことが欠点だが,左をうまく使うことを身につければ得意の右がさらに生きるはず。

採点結果 内藤 中広
主審:浅尾和信 *** ***
副審:山田一公 96 95
副審:島川 威 97 95
副審:杉山利夫 94 98
参考:MAOMIE 97 95


     ○内藤:32戦28勝(19KO)2敗2分
     ●中広:14戦13勝(4KO)1敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:長坂哲夫

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                              2006年2月13日(月)    後楽園ホール
                                      6回戦
                           日本ライト級4位    K      O      タイ国ライト級(ノーランク)
                     ○   リッキー・ツカモト   1回2分20秒   チョケチャイ・シットサイソング  ●
                                   (宮田) 136 3/4 lbs                         (タイ) 135 lbs

 初回,果敢に攻めて見せるチョケチャイだが,ツカモトがボディにパンチを集めると途端に腰が引ける。右ストレートに次ぐ左フックでぐらついたところに一気に攻勢を仕かけるツカモト。左右アッパーのボディブローに次ぐ右フックで呆気なくダウンしたチョケチャイはリング上で嘔吐する醜態を晒した。辛うじて再開となったが,左右アッパーでボディを叩かれて防戦一方。最後はパンチらしいパンチも当たっていないのに半ば自分から倒れこ込んでカウントアウトされた。

 これで10連勝のツカモトは左フック,右ストレートにKO率以上のパンチ力がある右ファイタータイプ。地味ながらも着実に力をつけてタイトル挑戦に一歩近づいたが,今夜の相手はあまりにもお粗末過ぎる。
 チョケチャイはボディを打たれ観衆の目前で嘔吐するなど,前代未聞のお粗末ぶり。フォームも素人そのもので,最後は大して打たれてもいないのに自分から倒れた感じがする。こういうボクサーを招聘したプロモーターに猛省を促したい。

     主審:葛城明彦,副審:中村勝彦&浅尾和信&島川威
     ○ツカモト:27戦24勝(6KO)3敗     ●チョケチャイ:17戦12勝(4KO)5敗
     放送:フジ739     解説:川島郭志     実況:桜井堅一朗

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                           2006年2月18日(月)    後楽園ホール
                          日本ミドル級タイトルマッチ10回戦
                         チャンピオン             挑戦者(同級1位)
                    ○  板垣俊彦   判 定    鈴木哲也   ●
                          (木更津グリーンベイ)  159 1/4 lbs         (進光)  158 1/2 lbs

 右の板垣,左の鈴木という対照的な両者の対決。序盤を制したのはサウスポーの挑戦者。初回,スムーズな右アッパーからの左ストレートで板垣をロープに詰める。的確なパンチを巧打してリードをうばった鈴木は,終了間際には左ストレートをヒットする。
 鈴木は2回にも右アッパーからの左ストレートをヒット。やや後手に回った板垣も後半に左ジャブからのワンツーでプレッシャーをかけるが,序盤戦は鈴木が主導権を握った。
 しかし,気の強さで定評がある板垣が3回に反撃に転じた。作戦を変えてワンツーから距離を詰め,左右フック,アッパーをボディに集める。プレッシャーを強める板垣に鈴木は後手に回り始めた。
 中盤は板垣が主導権を奪還した。気の強さを前面に押し出してプレッシャーをかける板垣。ワンツーから体を密着させて鈴木のボディに連打を集める。打ち疲れが見られる板垣は鼻血を流して苦しそうだが,鈴木もボディが効いているためか前に出られない。7回終了間際にはワンツーで鈴木がロープを背にする場面が見られた。
 終盤はともに疲労が見られながらも死力を振り絞って打ち合いに応じるが,決め手を欠いた。

 オトボケの勝利者インタビューとは裏腹に,初防衛に成功した板垣のボクシングは気迫に満ちていた。立ち上がりこそ鈴木の巧打に苦戦したが,3回以降自分からプレッシャーをかけて試合の流れを変えたのは見事である。中間距離でワンツーを多用して距離を詰め,接近戦でボディに連打を集中する作戦が奏功した。基本に忠実でオーソドックスな右ボクサータイプだが,打ち合いにも応じる激しさがある。
 鈴木はサウスポーのファイタータイプ。伸びの良い左ストレート,右アッパーを武器としており,パンチ力もある。序盤に主導権を握りながら,3回以降板垣のプレッシャーに屈したのは残念。パンチは伸びるが,ミスブローで再三バランスを崩す場面が見られた。

採点結果 板垣 鈴木
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:福地勇治 97 94
副審:山田一公 95 96
副審:浅尾和信 96 95
参考:MAOMIE 97 95


     ○板垣:26戦19勝(10KO)7敗
     ●鈴木:21戦15勝(11KO)6敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:長谷川憲司

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                              2006年2月26日(日)    パシフィコ横浜
                                        6回戦
                         日本S・フライ級(ノーランク)    K   O    タイ国S・フライ級(ノーランク)
                      ○   亀田大毅      1回23秒     サマート・シットサイトン  ●
                                   (協栄) 115 lbs                       (タイ) 113 1/2 lbs

 開始ゴングと同時にガードを固めて飛び出す亀田。オープニングの左フックは空を切ったが,クリンチからの離れ際に放った右から左のフックが見事にアゴを打ち抜く。この一発でサマートは呆気なくダウンしてカウントアウトされた。

 亀田三兄弟の二男・大毅のデビュー戦は開始ゴングの余韻も消えぬわずか23秒というKOシーンとなった。やや力みは目立つが,右ストレート,左フックにパンチ力がある右ファイタータイプ。顔面をグラブでカバーしながらプレッシャーをかけるスタイルは長兄・興毅に似ている。すべては今後だろう。

     主審:浦谷信彰,副審:浅尾和信(ほか2名は不明)
     ○亀田:1戦1勝(1KO)     ●サマート:10戦4勝(6KO)6敗
     放送:TBS     解説:竹原慎二&畑山隆則     実況:新夕悦男

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                        2006年2月27日(日)    大阪市中央体育館
                        WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                         チャンピオン             挑戦者(同級1位)
                    ○  徳山昌守   判 定    ホセ・ナバーロ   ●
                                 (金沢)  115 lbs              (米国)  114 3/4 lbs

 サウスポーのナバーロが前に出て徳山がそれを迎え撃つという展開で立ち上がる。早くも徳山のワンツーがクリーンヒット。ナバーロは右目上をカットするハンデを負う。徳山はさらに左フック,右ストレートを決め,幸先の良いスタートを切った。
 2回,徳山の動きと懐の深さに戸惑うナバーロは焦り気味にスイッチして流れを変えに出るが,3回には再三出バナを右ストレートで叩かれた。ナバーロの右目下が早くも青黒く腫れ始める。
 5・6回も徳山のペース。得意の右アッパー,左ストレートを繰り出すナバーロだが,徳山の動きに追随できず,パンチが流れ気味。
 前半戦で完全に主導権を握った徳山だが,後半は疲れが出て動きが鈍った。8回,今度はナバーロのプレッシャーが強まった。単発ながらも右アッパー,左ストレートをボディに放って動きを止めにかかるナバーロ。9回にはロープに詰まった徳山のボディをカウンター気味の左アッパーが捉えた。
 終盤は足の動きが鈍った徳山がナバーロの攻撃を避けるようにクリンチに出る場面が多くなった。
 苦しい展開となった12回,徳山が王者の意地を見せた。逆転KOを狙うナバーロだが,徳山の右ストレートのカウンターがクリーンヒット。さらに右フックが決まり,珍しくナバーロがぐらつく場面を見せた。

 徳山は難敵ナバーロを退けて初防衛に成功。減量に苦しみ,後半は失速気味だったが,前半の貯金で逃げ切った感じがする。6回までは焦りの見えるナバーロの出バナに得意の右ストレートが再三クリーンヒットしており,危なげのない展開だった。懐の深さを生かし,ナバーロにつけ入る隙を与えなかった。しかし,ナバーロのボディ攻撃もあって8回以降にスタミナ切れの兆候を見せて失速したことは反省点である。予想以上に出足が鈍かったナバーロに救われた感じは否定できない。昨年1月の川嶋勝重(大橋)戦のときのナバーロだったら,終盤に倒されていただろう。2週間前に夫人を乗せてバイク走行中に転倒した影響で練習ができなかったことが明るみに出た。負傷した場合にコンディション調整や興行面にどういう影響を及ぼすか,そこに思いが至らないことが問題。4回戦ボーイではなく,日本ボクシング界を牽引している現役世界チャンピオンとしての自覚を望み,猛省を促したい。
 2度目の世界挑戦に失敗したナバーロ。徳山の動きに翻弄されてパンチが流れる場面が目立った。焦り気味に出て行っては右ストレートをカウンターされていた。終盤に徳山が失速してナバーロとしてはチャンスだったが,踏み込みに鋭さを欠いた。

採点結果 徳山 ナバーロ
主審:マーク・グリーン(英国) *** ***
副審:ボブ・ロジスト(ベルギー) 117 113
副審:ギド・カバレリ(イタリア) 116 113
副審:ジョン・キーン(英国) 116 113
参考:MAOMIE 116 113


     ○徳山:36戦32勝(8KO)3敗1分
     ●ナバーロ:25戦23勝(11KO)2敗

     放送:テレビ東京
     解説:大橋秀行&川嶋勝重
     実況:久保田光彦

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