熱戦譜〜2005年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.12.03  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 レブ・サンティリャン  KO8R  日高和彦
2005.12.03 8回戦  氏家福太郎  KO5R  磯谷和広
2005.12.03 8回戦  小暮飛鴻  6R負傷判定  五百久寛行
2005.12.03 10回戦  高山勝成  8R負傷判定  ロレン・デル・カスティーリョ
2005.12.03 10回戦  久高寛之  TKO2R  バート・バタワン
2005.12.03 10回戦  ドンドン・スルタン  KO9R  丸元大成
2005.12.05  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 有永政幸  判定  ウェンペット・チューワッタナ
2005.12.12  東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 嘉陽宗嗣  判定  升田貴久
2005.12.12 10回戦  相澤国之  判定  チャッチャイ・シンワンチャー
10 2005.12.15 10回戦  寺畠章太  判定  村井勇希
11 2005.12.15 10回戦  宮田芳憲  判定  結城建一
12 2005.12.17  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  KO2R  松宮一之
13 2005.12.17 10回戦  石井一太朗  KO2R  ジャカペット・トーティワノン
14 2005.12.18 6回戦(ライトフライ級決勝)
第52回全日本新人王戦
 宮下優  判定  大橋卓矢
15 2005.12.18 6回戦(フライ級決勝)
第52回全日本新人王戦
 奈須勇樹  KO3R  斉藤茂郎
16 2005.12.18 6回戦(スーパーフライ級決勝)
第52回全日本新人王戦
 杉田純一郎  TKO6R  井階甲基
17 2005.12.18 6回戦(フェザー級決勝)
第52回全日本新人王戦
 川村貢治  TKO3R  伊藤康隆
18 2005.12.18 6回戦(ウェルター級決勝)
第52回全日本新人王戦
 渡部信宣  KO2R  細川貴之
19 2005.12.19 10回戦  坂田健史  TKO6R  長谷部弘康
20 2005.12.20 10回戦  嶋田雄大  TKO6R  スマイル・ブラウン
21 2005.12.20 10回戦  山口裕司  TKO5R終了  マルコ・トゥームフリー

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                          2005年12月3日(土)    後楽園ホール
                       東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                      挑戦者(同級3位)    K   O     チャンピオン
                   ○  レブ・サンティリャン   8回59秒   日高和彦  ●
                           (比国) 147 lbs                   (新日本木村) 147 lbs
                                               WBC10位

 初回の攻防が明暗を分けた。開始ゴングと同時にいきなり先制攻撃を仕掛ける日高だが,サンティリャンは冷静に対処。右ジャブの刺し合いもサンティリャンが上回る。左ストレートで早くもぐらつく日高。再び左ストレートを食ってぐらつきながらロープに下がる。日高は正面に立ってサンティリャンの左をまともに受ける。日高は開始早々からダメージを残し,不安な立ち上がりとなった。
 2回,左ストレートで反撃を試みる日高だが,ダメージが残っているのか,サンティリャンの右ジャブで大きくバランスを崩す。サンティリャンの左ストレートに次ぐ左アッパーでぐらついてロープに下がる日高。横に動きたいところだが,足が動かず,正面に立ってパンチをもらう場面が目立つ。
 3回,サンティリャンの左ストレートでバランスを崩しながら攻勢に出る日高だが,逆に左ストレートで押し返される。右ジャブ,ストレートをまともにもらう日高。終了間際にはワンツーを浴びてロープに下がる。サンティリャン,攻勢。
 日高は4回,基本に戻って丹念に右ジャブを突くが,相打ちの左ストレートでのけぞる。構わず攻勢に出る日高だが,ダメージを引きずっているためか,足がついて行かない。
 6回,日高はワンツーでサンティリャンをぐらつかせて攻勢に出る。サンティリャンは右目上をカット(日高の有効打)してドクターチェックを受ける。終盤はサンティリャンの左ストレート,ワンツーを受ける。この回はポイントを挽回したが,より多くダメージを残したのは日高の方だった。
 7回は再びサンティリャンのペース。動きが鈍い日高に,サンティリャンは左ストレート,アッパーを的確に決めた。日高はよく応戦するが,左アッパーをボディに受けて急激に失速した。終了間際,左アッパー,ストレートの猛攻でロープ伝いに逃れるのが精一杯の日高は辛うじてゴングに救われ,意識朦朧の状態で自コーナーに戻った。
 8回,敗色濃厚の日高に破局が訪れた。サンティリャンは左ストレートを狙い打ち。足の踏ん張りが効かない日高は自ら倒れこんでスリップダウン。再開後,サンティリャンが一気に勝負に出た。左アッパーに次ぐ右フックで大きくよろめいて後退したところにワンツーを直撃され,日高は精魂尽き果てたように沈んだ。立ち上がりかけたが,カウントアウトと同時にズルズルとキャンバスに昏倒し,担架で搬出された。

 日高,2度目の防衛に失敗。初回の先制攻撃をいなされ,左ストレートで負ったダメージを最後まで引きずったことが敗因。動きが鈍く正面に立ってしまい,サンティリャンの伸びるパンチの標的になった。中盤に反撃を見せたが,ダメージが抜け切らず,手の動きに足がついて行かなかったことが痛かった。
 王座奪回を果たしたサンティリャンはリーチに恵まれたサウスポーのボクサータイプ。日高の出方を冷静に見極め,得意のワンツー,左アッパーを的確に決めて徐々に追い込んだことが勝因。スピードは今ひとつだが,パンチはよく伸びるので相手はかわし切れないのだろう。左ストレート,アッパーに威力がある。KOの伏線はフィニッシュの前の7回。それまで見せなかったボディブローである。これがダメージを負いながらも応戦していた日高の反撃の糸口を絶つ結果につながった。

7回までの採点 サンティリャン 日高
主審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 67 66
副審:アレックス・ビダル(比国) 67 66
副審:浦谷信彰 67 66
参考:MAOMIE 68 66

     ○サンティリャン:25戦22勝(16KO)2敗1分
     ●日高:27戦22勝(16KO)5敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                          2005年12月3日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                      日本ミドル級4位    K      O     日本S・ウェルター級5位
                  ○  氏家福太郎    5回2分51秒     磯谷和広  ●
                        (新日本木村) 160 lbs                       (輪島スポーツ) 160 lbs

 183センチの長身・磯谷は足を使い,まずは左ジャブからスタート。氏家が飛び込んで放った左フックで磯谷がバランスを崩してロープに下がる。磯谷もロープを背に左フックを返し,早くも激しい打ち合いになった。氏家はロープに詰めて左右ショート連打。
 2回には逆に磯谷が足を使って距離を取り,左ジャブ,フックを浴びせる。
 3回,氏家の右フックからの連打で磯谷はロープに後退。一気に攻勢に出る氏家だが,磯谷も右ストレート,アッパーで応戦し,激しい打ち合いになる。氏家の左右連打に,磯谷の右アッパー,左フック。お互いに危ないタイミングの右カウンターを食い,スリリングな展開が続く。
 4回,左ジャブで突き放したい磯谷だが,氏家はどんどんプレッシャーをかけ,左右のショートフックを連打。右ストレートでロープを背にのけぞる磯谷。終了間際には磯谷も右ストレートをヒット。
 5回,パワーの差で押していく氏家。右フックにボディへのパンチを織り交ぜて磯谷を追い込む。左ジャブの打ち終わりにガードが下がった瞬間,氏家の右ストレートがアゴに炸裂すれば,磯谷はたまらずキャンバスに落下。痛烈なダウンシーンに,カウント途中でタオルが投入された。倒れた磯谷はダメージが深く,担架が用意されたが,結局自力でリングを降りた。

 重量級らしくスリリングな展開で目の離せない緊迫した試合となった。ボクシングの醍醐味を堪能させる好ファイトである。試合後にお互いに礼儀正しく健闘を称え合う両者のフェアな姿に好感が持てた。
 氏家はガッシリとした右ファイタータイプ。左右フック,右ストレートが武器で,重量級には珍しくショートの連打がまとめて出るのが長所である。序盤は上への攻撃が目立ったが,フィニッシュとなった5回にはボディブローにアウトサイドからの右フックを織り交ぜ,攻撃を散らしていた。最後は攻撃を散らしておいて直球の右ストレート。ウェイトがよく乗っており,タイミングも抜群。まさに目の覚めるようなKOパンチだった。欲を言えば,もう少し上体の振りを加えて欲しい。そうすればタイトル挑戦も遠くない。
 磯谷は右ボクサータイプ。長身で長いリーチから繰り出す左フック,右ストレート,アッパーに破壊力がある。鋭い左ジャブ,フックが持ち味だが,今夜はそれが少なく,氏家の接近を許してしまったことが敗因。いいものは持っているが,ガードの甘さは致命的。上を目指すにはディフェンスが最大の課題になろう。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:染谷路朗&土屋末広&熊崎広大
     ○氏家:12戦8勝(3KO)4敗     ●磯谷:18戦10勝(5KO)8敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:高橋雄一

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                        2005年12月3日(土)    後楽園ホール
                                    8回戦
                     日本S・ライト級(ノーランク)   負傷判定   日本S・ライト級7位
                  ○   小暮飛鴻       6回27秒    五百久寛行  ●
                         (八王子中屋) 139 3/4 lbs                  (不二) 139 3/4 lbs
                    小暮飛鴻=こぐれ・ふぇいふぉん           五百久寛行=いおく・ひろゆき

 変則的な動きで前に出る小暮を五百久が足と左ジャブで突き放す展開。2回,小暮は接近して左フック,さらに右フックのボディブローから左フックをヒットし,手数で上回る。五百久は足を使い,左ジャブから左フック,出バナに右ストレート。
 3回には小暮の出バナに五百久の右ストレートが決まり,小暮の出足が止まる場面が見られた。4回,五百久はバッテイングで左目上をカットする。
 5回,小暮は激しく前に出て左右のボディブロー。五百久は突き放しにかかるが,小暮の手数が上回る。
 6回開始早々,再びバッティングが発生。五百久の左目上から激しく出血を見てドクターチェックが入り,結局続行不能との判断が下された。

 ベテラン同士の対戦。ともにスピードはないが,持ち味を出し合った。両者ともにフェアな試合態度で,見ていて非常に好感が持てた。
 小暮は変則的な右ファイタータイプ。今夜は五百久のフットワークに単発となったが,執拗に前に出て左右フック,アッパーを連打するボクシングが身上。
 五百久は努力型で長身の右ボクサータイプ。パンチ力はないが,足を使いながら,左ジャブ,フックを突き,出バナに決める右ストレートを武器としている。

6回までの採点 小暮 五百久
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:浦谷信彰 59 57
副審:染谷路朗 59 56
副審:ウクリッド・サラサス 59 56
参考:MAOMIE 59 58


     ○小暮:25戦18勝(7KO)6敗1分
     ●五百久:27戦12勝12敗3分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:高橋雄一

※ 6回途中に,五百久が偶然のバッティングで負った傷によって試合続行不能となったため,当該の6回を含む採点で勝敗を決する。

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                        2005年12月3日(土)    大阪市中央公会堂
                                   10回戦
                     WBC世界ミニマム級5位   負傷判定      比国ミニマム級5位
                  ○   高山勝成      8回21秒    ロレン・デル・カスティーリョ  ●
                         (グリーンツダ) 105 lbs                         (比国) 104 lbs

 早いフットワークに乗せて左ジャブ,ワンツーを伸ばし,初回から快調に飛ばす高山。カスティーリョもワンツーを返すが,スピードの差は歴然。
 2回,カスティーリョは右ストレート,アッパーを強振。芯は外しているが,危ないタイミングで食う高山。カスティーリョは高山のパンチで左目上をカットする。
 3回以降はスピードと手数で上回る高山のペース。動きながら左ボディ,ワンツー,左右フックをまとめる。気が強いカスティ−リョも応戦するが,4回頃からボディブローが効いて動きが鈍る。
 6回に入ると,試合はワンサイドゲームの様相を呈するようになった。左右フックのボディブロー,ワンツーの連打に防戦一方となるカスティーリョ。ボディが利いて動きが鈍り,高山の右ストレートでマウスピースがこぼれる。7回,小休止する高山のボディに左右フック,アッパーを集めて反撃に出るカスティーリョ。バッティングで高山の左目上から出血し,ドクターチェックが入る。
 8回開始早々に打ち合いになるが,高山の左目上からの出血で再びドクターチェックが入り,結局ストップとなった。

 8月にイーグル京和(角海老宝石)に王座を追われた高山の再起第1戦。負傷判定となったが,手数で圧倒したまずまずの出来栄えといえる。スピードに乗ったフットワークに乗せた小気味のいい連打が見られ,持ち味が出ていた。特にボディブローを織り交ぜたコンビネーションブローが効果的。非力ではあるが,手数と足を生かしたボクシングに徹するのがいいだろう。
 カスティーリョは右ストレート,アッパーを主体に思い切った攻撃を仕掛ける右ボクサーファイター。19歳という若さに相応しい思い切りの良さが売り物である。

8回までの採点 高山 カスティーリョ
主審:大黒利明 *** ***
副審:安田裕候 79 74
副審:北村信行 79 74
副審:野田昌宏 78 75
参考:MAOMIE 78 75


     ○高山:18戦16勝(7KO)2敗
     ●カスティーリョ:13戦10勝(5KO)3敗

     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹

※ 8回途中に,高山が偶然のバッティングで負った傷によって試合続行不能となったため,当該の8回を含む採点で勝敗を決する。

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                        2005年12月3日(土)    大阪市中央公会堂
                                 10回戦
                     日本フライ級10位    T  K O   WBC世界ライトフライ級7位
                  ○   久高寛之     2回44秒     バート・バタワン  ●
                         (グリーンツダ) 112 lbs                    (比国) 111 1/2 lbs

 サウスポーのバタワンが開始早々から鋭い右ジャブ,ストレートを伸ばしてジリジリと迫る。久高もワンツー,左フックのボディブロー。しかし,バタワンは久高をコーナーに追って左ストレートのボディブローから顔面に右フックを返す。
 初回はリードを許した久高だが,2回に鮮やかに勝負を決めた。コーナーに下がった久高。右フックを振って入ろうとしてガラ空きになったバタワンのアゴに右フック一閃。痛烈なカウンターに呆気なくダウンするバタワン。バタワンは辛うじて立ち上がったが,久高の詰めは鋭い。ロープに釘付けにして一気に猛攻を浴びせたところで宮崎主審が割って入った。

 20歳の新鋭・久高が世界ランカーを見事に粉砕した。立ち上がりこそバタワンのプレッシャーに押され気味だったが,2回に見せた右フックは見事。バタワンのアゴがガラ空きになった瞬間を捉えたもので,絵に描いたようなカウンターだった。低いKO率とは裏腹に,パンチには威力があり,チャンスの詰めもいい。楽しみな新人の出現である。これで世界ランク入りが有力となったが,焦って世界挑戦などということのないように経験をつませる必要がある。右ボクサーファイターで右フック,ストレートが武器。
 バタワンはリーチに恵まれたサウスポーのボクサーファイター。軽量級離れした高いKO率を誇っており,右ジャブ,ストレートの鋭さに世界ランカーの実力の片鱗が窺える。右のリードブローでプレッシャーをかけて右フック,左ストレートにつなげるのが攻撃パターン。今夜はいいところまで追い詰めていながら,ガードが下がったところを突かれてしまった。

     主審:宮崎久利,副審:大黒利明&安田裕候&北村信行
     ○久高:15戦11勝(3KO)3敗1分     ●バタワン:51戦36勝(30KO)12敗3分
     放送:スカイA     解説:山口圭司     実況:山下剛

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                        2005年12月3日(土)    大阪市中央公会堂
                                     10回戦
                     比国ウェルター級チャンピオン   K      O   日本ウェルター級7位
                  ○   ドンドン・スルタン     9回1分28秒     丸元大成  ●
                           (比国) 150 lbs                           (グリーンツダ) 149 1/2 lbs
                         OPBF3位

 鋭い左ジャブを浴びせて好調な立ち上がりを見せる丸元。スルタンも右アッパーを振るが,丸元はワンツー,左右フックの連打をガードの上からまとめる。
 3回終了間際,丸元の右ストレートでスルタンの顔が天井を向く。4回まではほぼ一方的な丸元のペースで進んだ。
 スルタンはガードを固めて丸元の攻勢をカバーし,ときおりサウスポーにスイッチしながら変則的な動きでノラリクラリとかわす。丸元は攻勢に出ていながら,決定的なダメージを与えられないまま後半戦に入った。
 7回に入ると,丸元に打ち疲れが見えて手数が減る。ノラリクラリと丸元の疲れを待っていたスルタンは右アッパーを狙い打ちしている様子。
 8回,左ジャブを打って入ろうとした丸元のアゴを右アッパーがかすめる。待ってましたと言わんばかりのパンチに,丸元は大きく膝を揺らしてダウン寸前のピンチ。必死にこらえるが,再び右アッパーがアゴを打ち抜き,ついにダウン。立ち上がったものの,足元が定まらず,そのままカウントアウトされた。

 前半は大きくリードしていた丸元だが,スルタンの固いガードを崩せずにスタミナをロスしたことが敗因。7回に入ると急速に手数が少なくなった。KOにつながったスルタンの右アッパーは狙っていたのがわかる,ある意味でミエミエのパンチ。疲労が目立つ丸元は余力がなく,入り際にこれをまともに食ってしまった。上下に打ち分けてガードを崩そうとしていたが,スルタンの老獪さが一枚上だった。
 スルタンは柔軟な体を生かし,相手のパンチの威力を殺すテクニックに長けている。左右にスイッチしながらノラリクラリと相手の攻撃をかわしながら,スタミナのロスを誘い,相手の疲れが出たところで勝負に出るあたりは老獪なところを見せた。右フック,アッパーを武器とする変則的な右ファイタータイプ。

8回までの採点 スルタン 丸元
主審:野田昌宏 *** ***
副審:大黒利明 72 80
副審:安田裕候 73 79
副審:宮崎久利 74 78
参考:MAOMIE 78 76

     主審:野田昌宏,副審:大黒利明&安田裕候&宮崎久利
     ○スルタン:20戦12勝(6KO)6敗2分
     ●丸元:25戦18勝(7KO)6敗1分

     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹

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                          2005年12月5日(月)    後楽園ホール
                       東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                        チャンピオン               挑戦者(同級2位)
                   ○  有永政幸    判 定   ウェンペット・チューワッタナ  ●
                           (大橋) 115 lbs                 (タイ) 115 lbs
                        WBC9位,WBA11位              WBC14位

 サウスポーの有永は右ジャブから左ストレートをボディに放って幸先の良い立ち上がりを見せた。さらに,ウェンペットをロープに詰めてボディに左アッパーを打ち込む。2回にもよく動いて右アッパーから左ストレートにつなげる。
 3回,有永はウェンペットのノーモーションの右ストレートをもらうが,4回にはワンツーでぐらつかせる。ウェンペットがクリンチに出る場面が見られた。チャンスと見た有永はロープに詰めて右アッパーを連発し,右アッパーから左ストレートをヒット。
 5回開始早々,攻勢に出る有永。左ストレートでロープに詰め,左アッパーでボディを叩く。右ストレートで応戦するウェンペットだが,手数で有永が上回る。右アッパーに次ぐボディへの左アッパーにひるむウェンペット。6回にはやや動きが鈍ったウェンペットを体ごとロープに押し込み,攻勢。
 しかし,7・8回はしぶといウェンペットが反撃に転じた。158センチの短躯からいきなり繰り出すノーモーションの右ストレートあるいは右フック,アッパーの執拗なボディ攻撃で有永を苦しめた。
 9回,有永は最大のピンチを迎える。ウェンペットの右ストレートに次ぐ左アッパー,右ストレートの3連打にひるみ,左フックをフォローされてキャンバスに崩れ落ちる。ミサリディス主審の死角に入ったためか,判定はスリップダウンとなったが,これはノックダウンとされてもおかしくない場面だった。再開後,今度は有永が奮起し,左ストレートでぐらつかせ,棒立ちになったウェンペットに左右連打を浴びせる。
 終盤は再び有永の動きがよくなる。ウェンペットの執拗な攻撃に手を焼きながらも,ワンツー,右アッパー,フックで要所を押さえた。

 タフで執拗な前王者ウェンペットの攻撃に苦しんだ有永だが,見事に打ち勝って2度目の防衛に成功した。難敵を返り討ちにしたことにより,さらにもう一皮剥けるだろう。よく動いており,その中から放つ右フック,左ストレートあるいは接近して相手の死角から放つ右アッパーが効果的だった。変則的なサウスポーのファイタータイプで,非常にパンチ力がある。一見して不器用そうだが,いろいろな攻撃パターンを持っており,意外に器用な試合運びをする。右ジャブ,ストレートを小気味よく突いてアウトボクシングもできるところが強みである。ただし,大振りになるのが欠点。これは今後の課題として欲しい。
 ウェンペットは小柄な右ファイタータイプ。執拗に前に出て,左右フック,アッパーを連打する。ノーモーションの右ストレートも怖いパンチである。一発の破壊力はないが,異様なしつこさとタフネスは相手にとっては大きな脅威となる。

採点結果 有永 ウェンペット
主審:イグナティアス・ミサリディス(豪州) 115 113
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 115 113
副審:島川威 117 113
参考:MAOMIE 116 113

     ○有永:25戦20勝(9KO)4敗1分
     ●ウェンペット:34戦25勝(14KO)7敗2分

     放送:BSジャパン
     解説:川嶋勝重&中島健
     実況:四家秀治

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                       2005年12月12日(月)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                      挑戦者(同級7位)            チャンピオン
                   ○   嘉陽宗嗣    判 定   升田貴久  ●
                           (白井具志堅) 108 lbs           (三迫) 107 1/2 lbs
                      嘉陽宗嗣=かよう・むねつぐ        WBC4位,WBA6位

 初回,サウスポーの挑戦者が右フック,左ストレートで積極的に仕掛ける。升田の右フックがクリーンヒットして,嘉陽の顔が上を向く。構わずくっついて左右のボディ連打を見せる嘉陽だが,バッティングで右目下をカット。升田は2回,右ストレートをボディにヒット。
 3回,升田は足を使って距離を取る本来のボクシングに戻し,左ジャブ,右ストレートをヒット。さらに嘉陽を迎え撃ち,右ストレートでボディを叩く。打ち合いに持ち込みたい嘉陽だが,足を使われて的が絞れない。嘉陽は左アッパーをボディに打つが,後続打を断たれた。
 4回終了間際,逆に嘉陽が左右ボディ連打からワンツーで升田を追い込む。中盤はボクサータイプの升田が嘉陽に距離を詰められる場面が目立った。
 終盤も接近戦で激しいパンチの交換が続く。8回,嘉陽は速射砲のようなボディ連打からワンツー,右フックにつなぐ回転の利いた攻撃で優位に立った。升田も打ち返すが,単発。
 9・10回,升田は足と左で突き放したいところだが,嘉陽のまとめ打ちが上回る。
 11・12回にも激しい打ち合いが続いたが,ともに決め手を欠いた。

 軽量級らしいキビキビとした好ファイトになったが,手数と的確さで上回った嘉陽が2度目の挑戦で念願のタイトルを獲得した。サウスポーのファイタータイプで,接近戦での左右フック,中間距離での右フック,左ストレートを得意としている。スピードと回転力が売り物であり,タイミングの良いパンチがまとめて出ることが強み。もっと上下に打ち分けることによって,揺さぶりをかけられるようになればさらに良くなるだろう。
 升田は初防衛に失敗。長身でリーチに恵まれた右ボクサータイプ。軽快なフットワークと左ジャブ,ワンツーで突き放すアウトボクシングが身上だが,今夜は嘉陽のペースに合わせてしまい,接近戦を許していた。距離の取り方が勝敗の分かれ目になったと言える。

採点結果 嘉陽 升田
主審:浅尾和信 118 113
副審:浦谷信彰 117 112
副審:安部和夫 118 112
参考:MAOMIE 118 114

     ○嘉陽:14戦13勝(7KO)1敗
     ●升田:26戦16勝(4KO)7敗3分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:森 昭一郎

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                          2005年12月12日(月)    後楽園ホール
                                 10回戦
                      日本S・フライ級1位            WBC世界S・フライ級7位
                   ○   相澤国之    判 定   チャッチャイ・シンワンチャー  ●
                          (三迫) 115 1/4 lbs                 (タイ) 116 lbs
                                                元WBC世界フライ級チャンピオン

 静かな探りあいからスタートしたが,2回,チャッチャイは右ストレートのカウンターをヒット。一方の相澤は落ち着いて左ジャブからボディに右ストレート。早くもレベルの高い攻防が展開された。
 静かな試合は3回に大きく動いた。相澤はチャッチャイをロープに詰めて右ストレートから得意の左アッパーをボディに打ち込む。しかし,出バナに右フックをカウンターで決められてひるんだところに右ストレートをフォローされ,相澤は膝をついてダウンを取られる。再開後距離をとって立て直しを図る相澤に対し,チャッチャイは左ジャブからのワンツーをヒットする。
 4回にもチャッチャイのペースで進んだ。チャッチャイは右フックでボディを叩いてワンツーをフォロー。相澤は右目上をカット。左アッパーのボディブローを返すが,逆にチャッチャイは右アッパーをヒット。相澤は後手に回り,打ち終わりをうまく狙われ,苦しい展開となる
 5回,出血のために勝負を急ぐ相澤は前に出て,左右アッパーをボディに集める。動きが鈍るチャッチャイに相澤の右ストレートが決まる。チャッチャイはバッティングで右目上をカットし,ドクターチェックが入る。チャッチャイも勝負を急ぐように前に出て右アッパーを打つが,終了間際に相澤の左フックでぐらついた。
 中盤からは相澤のペース。6回,左アッパーのボディブローで動きが鈍ったチャッチャイが後退する。ボディが効いて口が開き,苦しそうなチャッチャイ。なおも前に出るが,終盤,右ストレート,ボディへの左アッパーに次ぐ左フックでよろめく場面が見られた。
 7回以降,ボディが効いたチャッチャイは前に出て反撃する余力が感じられない。足を動かしてリズムを取り戻そうとするが,相澤の左アッパーのボディブロー,ワンツーが上回り,後退が目立つ。一方の相澤もプレッシャーをかけてはいるものの,詰めを欠いてフィニッシュは逸した。10回終了間際には手負いのチャッチャイの左フック,右ストレートをもらう場面が見られた。

 元世界チャンピオンで現役世界ランカーのチャッチャイを破った相澤。3回にダウンを喫した後も落ち着いてボディから攻めて挽回した点は見事だった。これで世界ランク入りは確実。しかし,その一方で詰めの甘さを露呈し,物足りなさを感じさせる結果となった。後半はボディが効いて相手に余力がないことは明らかなのだから,一気に攻め落とすようなプロらしい激しさが欲しい。プレッシャーをかけている割には終盤の手数が少なく,相手を見てしまう場面が非常に目だった。アマでは通じても,プロではチャンスを逃せば相手が息を吹き返して反撃されることが多い。攻防にメリハリがつけられるかどうかが今後のカギになるだろう。
 チャッチャイ(35歳)はユーリ・アルバチャコフ(協栄)から世界タイトルを奪った頃の力はさすがにないが,ときおり見せる右フック,ストレートに元世界チャンピオンの実力片鱗を見せた。しぶとさも見事である。

採点結果 相澤 チャッチャイ
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:住吉栄一 97 95
副審:熊崎広大 96 95
副審:浅尾和信 97 95
参考:MAOMIE 97 93


     ○相澤:11戦10勝(7KO)1分
     ●チャッチャイ:55戦52勝(33KO)3敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                         2005年12月15日(木)    後楽園ホール
                                 10回戦
                      日本バンタム級4位           日本S・フライ級10位
                   ○   寺畠章太    判 定    村井勇希  ●
                          (角海老宝石) 118 lbs           (グリーンツダ) 117 3/4 lbs

 エンドレスの打ち合いが続き,見ている者に休む暇を与えない熱戦となった。
 ともによく動いて左ジャブから立ち上がった。2回,寺畠は左ジャブから接近して右フックでボディを叩くが,村井の左ジャブ,ストレートが的確に決まり,早くも鼻血を流す。
 寺畠も負けてはいない。3回に入ると持ち味である異常なしつこさが頭をもたげる。ワンツーから左右アッパーをボディに集める寺畠。4回,村井は速いフットワークに乗せて左ジャブ,ワンツーをヒットする。寺畠は右目尻をカット(村井の有効打によるもの)するが,執拗な左右ショートを顔面に連打し,左右アッパーでボディを叩く。ボディブローが効いた村井はやや苦しそうな表情を見せた。
 5回,ワンツーでのけぞる寺畠だが,執拗なショート連打で村井を苦しめる。ボディが効いている村井だが,終盤,右ストレートをクリーンヒットし,ここから攻勢に転じた。
 6回にも激しい打撃戦が続く。前半は連打を上下に打ち分けて圧倒する寺畠。足を止めての打ち合いに応じる村井だが,これは寺畠の距離。しかし,残り20秒となったところで村井が寺畠の疲れを待っていたかのように怒涛の反撃に出る。ワンツーに次ぐ左フック,右ストレートを受けて寺畠がよろめく場面が見られた。
 よく頑張る村井だが,終盤戦は寺畠の手数に押された。寺畠はエンドレスの執拗な攻撃で村井を苦しめる。7・8回それぞれの終了間際に反撃に出る村井だが,余力がなく,寺畠に決定的なダメ−ジを与えられない。
 村井は9回2分過ぎに反撃に出たが,逆に疲れが出て寺畠に捕まる。終了間際には左右連打に晒されてふらつき,ピンチを迎えた。10回にも寺畠が圧倒的な連打,手数で村井を追い込む。村井は寺畠の右ストレートでふらついてピンチ。寺畠は最後まで手数が止まらずに終了ゴングを聞いた。

 寺畠が超人的なスタミナと手数を見せた。止まらぬ連打が売り物の右ファイター。ワンツー,左右ショートフックからボディへの左右アッパーのコンビネーションブローを武器としている。旺盛なスタミナと間断ない攻撃は相手にとっては非常な脅威である。一発の破壊力はないが,音を上げるまで続く執拗な連打で相手の戦闘意欲を削り落としていくボクシングが身上である。被弾も多いが,上体の振りを取り入れ,出入りのボクシングを覚えれば来年あたりにタイトル挑戦のチャンスがあるだろう。
 村井は172センチというこのクラスでは長身の右ボクサータイプ。速いフットワークに乗せた左ジャブ,出バナを叩くワンツーが武器。スタイリッシュなボクシングが売り物だが,今夜は寺畠のしつこさに屈した。各ラウンドの前半はガードを固めて凌ぎ,寺畠の疲れを待って終盤に攻勢に出る作戦で応じたが,寺畠の執拗な連打に消耗してしまい,余力を残せなかったことが痛かった。

採点結果 寺畠 村井
主審:安部和夫 *** ***
副審:浅尾和信 97 94
副審:館 秀男 98 94
副審:ウクリッド・サラサス 98 93
参考:MAOMIE 98 94


     ○寺畠:16戦13勝(4KO)3敗
     ●村井:21戦10勝(3KO)7敗4分

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行
     実況:矢野吉彦

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                           2005年12月15日(木)    後楽園ホール
                                   10回戦
                      日本フェザー級(ノーランク)          日本フェザー級(ノーランク)
                   ○    宮田芳憲     判 定    結城建一    ●
                          (角海老宝石) 126 lbs                 (森岡) 126 lbs

 初回開始早々,回り込もうとした結城のアゴに踏み込んで放った宮田の左フックが決まり,結城は腰から落ちて早くもダウン。結城は左フックで再びバランスを崩して後退する。小刻みなステップでプレッシャーをかける宮田に対し,結城は足を使って左ジャブを突いて距離を取ろうとする。
 2回,両者相打ちの右を交換。宮田は持ち味であるダイナミックな動きで結城に迫る。右フックが結城のアゴにヒット。宮田は大振りでミスも多いが,結城はプレッシャーに押されてやや後手に回る。
 3回からは逆に結城がよく見て左ジャブを多用すると,宮田はうかつに出られなくなった。飛び込んだ宮田の頭が結城のアゴに当たり,結城が倒れるアクシデントで一時中断する場面が見られた。4回,結城は宮田の出バナに的確に左ジャブ,ストレートを決め,右ストレートをクリーンヒット。5回には右をミスした宮田のアゴに結城の左アッパーがヒット。すかさずフォローした右フックで宮田は足がもつれて後退し,ピンチを迎える。結城は宮田をロープに詰めて攻勢に出た。
 一進一退の好ファイトになったが,7回,再び宮田が優位に立った。足を使って左ジャブを突く結城だが,終盤アゴに左フックを受けて腰が落ちるピンチ。ロープに詰めて攻勢に出る宮田。守勢一方に回った結城は辛うじてゴングに救われた。
 しかし,8回,今度は結城が盛り返した。左ジャブからの右アッパーで宮田がぐらつく。7回のピンチを凌いでよく反撃する結城は8・9回と続けて左ジャブ,ストレートを的確に決め,ポイントを挽回した。
 10回にも左がよく決まる結城だが,終盤左フックで結城をぐらつかせた宮田が激しく攻勢に転じた。

 ともに力を出し切って白熱した好ファイトとなった。
 宮田はアグレッシブでダイナミックなボクシングを売り物とする右ファイター。けれんみのないボクシングと礼儀正しい試合態度に好感が持てる。小柄ながらも元ラガーだけあって,ガッシリとした体躯から繰り出す左右フックに威力がある。初回に左フックでダウンを奪ったが,ラフな攻めになってKOチャンスを逃したのは残念。攻撃力はあるのだから,もう少しコンパクトに振り切るようにすることが要求される。
 結城は低目のガードから繰り出す右ストレート,アッパーにパンチ力を秘める右ボクサーファイター。的確な左ジャブ,ストレートを持っており,この左で宮田が入って来られなくなる場面が見られた。受けに入って後手に回ることが多いので,もう少し自分からプレッシャーをかけるように心がけるといいだろう。

採点結果 宮田 結城
主審:福地勇治 *** ***
副審:浅尾和信 97 93
副審:館 秀男 96 95
副審:安部和夫 96 93
参考:MAOMIE 96 95


     ○宮田:22戦17勝(10KO)4敗1分
     ●結城:17戦12勝(8KO)5敗

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行
     実況:矢野吉彦

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                      2005年12月17日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン    K      O    挑戦者(同級1位)
                ○  木村登勇    2回2分25秒     松宮一之  ●
                     (横浜光) 139 3/4 lbs                    (新日本徳山) 140 lbs

 初回,木村が広目のスタンスでジリジリと距離を詰め,変則的な動きから左ストレート,右フックで迫る。松宮も右ストレートを返すが,木村は右からアッパー気味の左フックあるいはノーモーションからの左ストレートを巧打して早くもリードを奪った。
 2回,松宮は木村をコーナーに詰めて果敢に攻めて出る。しかし,木村は落ち着いてこれに対処し,よく伸びるワンツーでのけぞらせた。2分過ぎ,木村は右ジャブで誘って松宮の左フックに合わせて左フックを一閃。これが見事にアゴをとらえ,松宮は腰から落ちてダウン。立ち上がったものの,足元が定まらず,山田主審はそのままカウントアウトした。

 木村,磐石のKOで5度目の防衛に成功。果敢に仕掛ける松宮にも動じることなく,自分のスタイルを守り通した。広目のスタンスから変則的な動きで迫り,外からの左フック,中央からのノーモーションの左ストレートなどをうまく使い分けている。フィニッシュブローも左フックと左ストレートの中間のようなパンチだった。ゆったりした動きで応じたかと思えば,急な動きで迫るなど,緩急をつけた動きが光る。どこから手が出るかわからないので,相手にとっては的が絞りにくい。緩急をつけてコーナーに散らす技巧派投手の絶妙な投球術を見ているかのようである。これが本人がキャッチフレーズとする”木村術”なのだろう。節目となる5度目の防衛を果たしたことで,今後はさらに上を目指すことが期待される。OPBF王座に挑戦するのも面白いだろう。
 初挑戦の松宮は果敢に攻めたが,木村の冷静な対応に攻め手を封じられたことが痛かった。誘われて出たところに左カウンターを合わされてしまった。

     主審:山田一公,副審:染谷路朗&土屋末広&吉田和敏
     ○木村:34戦27勝(12KO)5敗2分     ●松宮:18戦12勝(4KO)5敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:寺島淳司

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                        2005年12月17日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                    日本ライト級2位     K      O      タイ国ライト級9位
                ○  石井一太郎     2回1分15秒   ジャカペット・トーティワノン  ●
                      (横浜光) 137 3/4 lbs                          (タイ) 136 1/2 lbs

 初回30秒過ぎ,石井の右ストレートがアゴに決まり,ジャカペットは腰が落ちて早くもダウン寸前のピンチ。石井はロープに押し込んで左アッパーをボディに連発する。
 2回,石井はジャカペットをロープに詰め,重い左アッパーでボディを叩く。ロープを背にしてアゴに左フックを打ち込まれたジャカペットはたまらず大の字にダウン。そのままカウントアウトされた。

 日本2位までランクを上げた石井。タイトル挑戦を視野に入れて豪快なKO勝ちを披露したが,倒そうという意識が強過ぎることが気になる。ロープに押し込んでも,左アッパーをボディに打とうとしているのがミエミエ。接近するまでのアプロ−チに工夫が欲しい。接近してから打つのではなく,捨てパンチやフェイントを使うことを身につけるべきだろう。ランク入りする以前の方がショートの連打などのいろいろな手が見られた。今のままではうまい相手にかかれば誤魔化されてしまう。
 若いジャカペットは石井の強打に腰が引けてしまい,終始防戦一方に回った。変則的な動きだが,ボクシングの形になっていない。

     主審:福地勇治,副審:吉田和敏&島川威&山田一公
     ○石井:17戦15勝(14KO)1敗1分     ●ジャカペット:7戦4勝(1KO)3敗
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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                     2005年12月18日(日)    後楽園ホール
                    第52回全日本新人王戦(ライトフライ級決勝)
                              6回戦                   
                    東日本新人王           西日本新人王
                 ○  宮下 優    判 定    大橋卓矢  ●
                       (ドリーム) 107 3/4 lbs             (駿河) 107 1/2 lbs

 今大会ナンバーワンのホープ宮下が初回からよく動いて左ストレートを上下に打ち分ける積極的なボクシングで主導権を握った。左ストレートに右アッパー,フックを加えたコンビネーションブローで宮下が早くも優位に立つ。
 大橋は小刻みな動きでプレッシャーをかけるが,宮下の速い動きについていけない。2回,宮下のワンツースリーフォーが出る。
 5回,大橋はやや疲れが見える宮下のボディ,顔面に右ストレートを放つ。左フック,右ストレートをヒットして激しく迫る大橋。
 6回,激しい打ち合いになったが,宮下の左ストレートがカウンターで決まり,大橋の動きが止まる場面が見られた。

 サウスポーの宮下はよく動いて手数のボクシングで大橋を押さえた。パンチのタイミングの良さは天性のものである。今夜は距離を取り過ぎた面が見られ,終盤に動き疲れが出たが,経験を積むことにより,ムダな動きが少なくなるだろう。位置取りのうまさにも非凡な才能を披露した。
 大橋は右ファイタータイプで,右フック,ストレートにパンチ力がある。小刻みな動きでどんどんプレッシャーをかける精力的な試合運びが特徴。今夜は宮下の速い動きに的を絞れず,気迫が空転する場面が目立った。

採点結果 宮下 大橋
主審:葛城明彦 *** ***
副審:安部和夫 58 57
副審:熊崎広大 58 57
副審:杉山利夫 58 57
参考:MAOMIE 58 56


     ○宮下:8戦8勝(5KO)
     ●大橋:8戦7勝(4KO)1敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:中野謙吾

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                         2005年12月18日(日)    後楽園ホール
                        第52回全日本新人王戦(フライ級決勝)
                                 6回戦                   
                     西日本新人王     K      O    東日本新人王
                 ○  奈須勇樹     3回2分44秒    斉藤茂郎   ●
                        (グリーンツダ) 112 lbs                     (ランド) 111 3/4 lbs

 初回,上背で勝るサウスポーの斉藤はロングレンジからの左ストレートを放って立ち上がる。奈須はドッシリ構えて右ストレート,左フックから。
 2回,奈須はノーモーションからの右ストレート,フォローの左フックを見せる。
 3回,奈須が鮮やかに勝負を決めた。斉藤をコーナーに追い,得意の右ストレートをヒット。バッティングで斉藤が左目上をカットし,ドクターチェックが入る。斉藤の左の打ち終わりに合わせた右ストレートのカウンターが決まり,斉藤の口からマウスピースがこぼれる。再び右フックが痛烈なカウンターでアゴを捉え,斉藤は腰が砕けてダウン。よく反撃する斉藤だが,奈須の詰めは鋭い。右フックで斉藤がぐらついたところで,杉山主審が割って入った。

 西日本のMVP奈須が貫禄を見せた。右ファイターで,ノーモーションからの右ストレートやフォローの左フックに威力がある。相手の打ち終わりに合わせる右カウンターはタイミングも切れも抜群。上体の振りが少ないことが欠点だが,もっとウィービングやダッキングを織り交ぜれば,ノーモーションの右ストレートがさらに活きるだろう。同じところに止まらないように出入りの鋭さを磨いて欲しい。今回は三賞の選考から洩れたが,全階級を通じて最も強く印象に残った。サウスポー殺しの右ストレートは新人の頃の柴田国明を彷彿とさせるものがあり,将来が楽しみな逸材である。
 168センチの長身・斉藤はリーチに恵まれたサウスポーのボクサーファイター。ロングレンジからの左ストレートが武器だが,今夜は打ち終わりにうまく右を合わされて完敗となった。

     主審:杉山利夫,副審:福地勇治&ビニー・マーチン&浅尾和信
     ○奈須:9戦9勝(7KO)     ●斉藤:11戦7勝(2KO)3敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:中野謙吾

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                        2005年12月18日(日)    後楽園ホール
                     第52回全日本新人王戦(スーパーフライ級決勝)
                                 6回戦                   
                     東日本新人王    T   K   O    西日本新人王
                 ○  杉田純一郎   6回2分22秒    井階甲基   ●
                         (ヨネクラ) 115 lbs                      (森岡) 114 1/4 lbs
                   杉田は技能賞を受賞          井階甲基=いかい・こうき

 初回から杉田が積極的な試合運びで井階を圧倒した。踏み込んで打つ左ジャブ,ストレートで突破口を開き,ロープに詰めてワンツー,ボディへの左右アッパーでどんどんプレッシャーをかける。井階は杉田のプレッシャーに押され,前半から後手に回る場面が目立つ。
 5回,バッティングで左目上をカットしてドクターチェックを受ける杉田。井階はワンツーで反撃するが,杉田のワンツー,左フックが上回る。
 6回,鼻から出血し,ダメージで動きが鈍くなる井階。杉田がワンツー,左右フックで攻勢に出ると,井階はロープを背にピンチの連続となる。クリンチに出ようとする井階を追い,杉田が攻勢に出たところでマーチン主審がストップした。

 杉田はリーチに恵まれた右ボクサーファイター。鋭い踏み込みから放つ左ジャブ,ストレートが非常に良く伸びる。これを上下に打ち分け,さらにワンツー,左右フックなど手数がよく出るのが長所。アグレッシブな試合姿勢は高く買える。今大会でスーパーバンタム級を制した同門の実弟・杉田祐次郎とともに,大会史上初の双子同時全日本新人王という栄誉に輝いた。
 井階は左フック,右ストレートを武器とする右ボクサーファイターだが,杉田のきついプレッシャーに終始押され,いいところなく敗れた。

     主審:ビニー・マーチン,副審:熊崎広大&安部和夫&葛城明彦
     ○杉田:10戦9勝(5KO)1敗     ●井階:7戦5勝(2KO)1敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:中野謙吾

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                       2005年12月18日(日)    後楽園ホール
                     第52回全日本新人王戦(フェザー級決勝)
                                6回戦                   
                    東日本新人王    T   K   O   西日本新人王
                 ○  川村貢治    3回1分36秒    伊藤康隆  ●
                       (横浜光) 125 3/4 lbs                  (東海) 125 1/4 lbs
                  川村は敢闘賞を受賞

 初回,左ジャブを突き,右ストレート,左フックを伸ばす川村。静かなスタートを切る伊藤だが,後半,川村をロープに詰めてワンツー,ボディへの左右アッパーで攻勢を仕掛ける。
 しかし,2回,パンチ力に自信を持つ川村が試合をひっくり返した。積極的に攻める伊藤だが,相打ちの右フックが顔面に決まり,背中からキャンバスに落ちるダウン。川村が一気に攻勢に出ると,伊藤は鼻から出血して苦しい戦いとなった。
 3回,鼻血を流しながらも川村をロープに詰めて左右ボディブローで猛然と反撃に出る伊藤。しかし,逆に川村の右ストレートで伊藤はロープに飛ぶ。左から右のフックを受け,伊藤はコーナーパッドを背に崩れ落ちる。ここで安部主審がノーカウントで試合を止めた。

 川村は左フック,右ストレートにパンチ力がある右ボクサーファイター。やや体が硬く,力任せの攻撃になっている感じはするが,非常に攻撃力に優れていることが魅力である。無敗をキープしているが,守勢に回ったときの対応には未知の部分がある。今後試されていくだろう。
 伊藤は好戦的な右ファイタータイプ。チャンスを掴んだときに,ロープに詰めて仕掛ける怒涛の攻めが見事。ワンツー,ボディへの左アッパーなど,矢継ぎ早の連打が出るのが強みである。やや脇が開き気味なので,シッカリ締めて打つようにすればさらに攻撃力が増すはず。

     主審:安部和夫,副審:浅尾和信(ほか2名は不明)
     ○川村:9戦8勝(3KO)1分     ●伊藤:12戦6勝(5KO)3敗3分
     放送:G+     解説:飯田覚士     実況:上重聡

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                        2005年12月18日(日)    後楽園ホール
                      第52回全日本新人王戦(ウェルター級決勝)
                                 6回戦                   
                    東日本新人王     K      O   西日本新人王
                 ○  渡部信宣     2回1分10秒   細川貴之    ●
                         (協栄) 146 3/4 lbs                    (六島) 146 1/2 lbs
                  渡部信宣=わたなべ・あきのり
                   渡部はMVPを受賞

 サウスポー同士の対戦。開始早々から渡部が強引とも思える攻勢に出る。左ストレート,右フック,接近して右フック,アッパーをボディに。細川も左ストレート,アッパーを巧打するが,渡部は強引に出て,左右アッパーのボディブローで迫る。
 2回,動いて打ち合いを避ける細川。渡部は左ストレートを被弾しながらも,すぐに右フックを返す。これが顔面に決まり,細川はたまらず腰から落ちてダウン。フィニッシュを狙う渡部は攻勢に出るが,力みが目立つ。細川はクリンチに出ようとするが,頭部を掠めた左フックでキャンバスに膝をついて2度目のダウンを取られ,万事休す。

 渡部はパンチ力に定評があるサウスポーのファイター。右フック,左ストレートに一発KOの破壊力がある。力みが目立ち,アゴのガードが甘いのが欠点だが,全身にバネがあり,体ごと叩きつけるような強打で強引に攻めるボクシングが売り物。その反面で被弾も多いので,ガードの甘さは要注意。
 細川はサウスポーのボクサーファイター。パンチ力はないが,なかなかのうまさがある。下がりながら左ストレート,アッパーを巧打する。

     主審:ビニー・マーチン,副審:葛城明彦&杉山利夫&熊崎広大
     ○渡部:6戦6勝(5KO)     ●細川:13戦9勝(2KO)4敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:田中毅

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                        2005年12月19日(月)    後楽園ホール
                                  10回戦
                    WBA世界フライ級4位    T   K   O    日本フライ級(ノーランク)
                 ○   坂田健史       6回2分20秒    長谷部弘康  ●
                         (協栄) 114 1/4 lbs                      (中外) 113 3/4 lbs
                        WBC12位

 初回,小刻みな動きで迫る坂田だが,長谷部のワンツーでぐらつき,不安なスタートとなる。
 2回,坂田は丹念に左ジャブを突き,ワンツーで長谷部をのけぞらせる。
 坂田らしい連打が回り始めたのは4回。左ジャブからワンツー,ボディに右フック,左アッパーをまとめ,手数で押す本来のボクシングが見られた。5回,長谷部はよく頑張るが,徐々に苦しくなる。
 6回,坂田がワンツーから左フック,アッパーをまとめ,試合はいよいよワンサイドゲームの様相を呈した。左アッパーがボディを抉れば,長谷部はロープに腰を落としてダウン寸前のピンチ。右ストレートの追い打ちに長谷部が後退したところで,それまでと見た土屋主審がストップした。

 去る9月にロレンソ・パーラ(ベネズエラ)の世界タイトルに挑戦して敗れた坂田の再起戦。格下の長谷部を相手に最後は得意の連打で仕留めたが,試合内容は今ひとつ。力みが目立ち,やや強引な攻めが先行した印象がある。逆に被弾も目立ち,不安な面も見られた。徐々に連打が出るようになったが,力みを捨て,手数のボクシングに徹するしかない。本人は3度目の世界挑戦を熱望しているが,アピールするものがないと興行的にも世界戦を組むことが難しいだろう。同門には同じフライ級で強烈な存在感を放つ亀田興毅が台頭している。坂田は相当奮起しないと埋没しかねない。
 長谷部はタフな右ファイターで,右ストレート,フックにパンチ力がある。

5回までの採点 坂田 長谷部
主審:土屋末広 *** ***
副審:金谷武明 50 46
副審:館 秀男 49 46
副審:ビニー・マーチン 50 46
参考:MAOMIE 49 46


     ○坂田:29戦25勝(11KO)3敗1分
     ●長谷部:17戦6勝(1KO)6敗5分

     放送:TBS
     解説:竹原慎二&畑山隆則
     実況:新夕悦男

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                          2005年12月20日(火)    後楽園ホール
                                  10回戦
                    WBC世界ライト級9位    T   K      インドネシア S・フェザー級チャンピオン
                 ○   嶋田雄大      6回2分38秒      スマイル・ブラウン  ●
                         (ヨネクラ) 137 3/4 lbs                        (インドネシア) 136 3/4 lbs

 独特の高いガードから左ジャブを飛ばして初回から早くもリードを奪う嶋田。右クロスをヒットし,さらに肩でブラウンを押してロープに詰め,体を寄せながら左アッパーをボディに見舞う。
 嶋田は完全にブラウンの動きを読みきり,2回以降も余裕綽々の攻撃を見せた。左ジャブをかわしざまに左アッパーのボディブロー,すかさず右から左のフックにつなげる鮮やかな3連打を浴びせる。嶋田はさらにブラウンをロープに詰め,上下への巧みなコンビネーションブローをまとめる。
 変幻自在の嶋田は3・4回にも的確なパンチをヒットしてブラウンを圧倒。サウスポースタイルにスイッチして流れを変えようとするブラウンだが,嶋田に動きを読まれてなす術がない。
 5回,試合はいよいよワンサイドゲームとなる。嶋田はブラウンをコーナーに追い込み,右ストレート,上下への左右フックを狙い打ちする。ブラウンも打ち返すが,右ストレートのカウンターを受ける。ブラウンは嶋田の有効打に左目上をカットし,敗色濃厚となった。
 6回,ゴングが鳴っているのにコーナーから出遅れたブラウン。戦意喪失かと思われながらも辛うじて開始に応じたが,左目上からの出血がひどく,ドクターチェックを受ける。これは何とか再開が許可されたが,嶋田の的確なパンチにブラウンはロープを背にする。嶋田の右フックがヒットしたところで,止めるタイミングを窺っていたサラサス主審が割って入った。

 世界挑戦を熱望する嶋田が燻し銀のようなテクニックを存分に披露して玄人ファンをうならせた。力を抜いたパンチを上下に散らし,相手の動きを封じながら巧みな攻撃で絡め取る絶妙のボクシングは現役随一。34歳だが,節制により,常時ベストコンディションを維持しているのは非常に立派である。今夜は実力差が大きくて試合そのものは盛り上がりに欠けたが,十分過ぎるほどの存在感を示した。正直なところ,このクラスでは世界戦を組むこと自体が非常に困難な状況だが,嶋田のテクニックがどこまで通じるか期待したい。
 ブラウンは現役のインドネシア王者で,右ストレート,左フックを武器としている。右ボクサーファイターだが,2回途中からは最後までサウスポースタイルで通したスイッチヒッターでもある。その名のとおり笑顔を浮かべながら戦うのが特徴。

5回までの採点 嶋田 ブラウン
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:杉山利夫 50 45
副審:福地勇治 50 45
副審:安部和夫 50 45
参考:MAOMIE 50 45


     ○嶋田:22戦18勝(11KO)3敗1分
     ●ブラウン:28戦17勝(7KO)7敗4分

     放送:スカイA
     解説:川島郭志&石本雅巳
     実況:河路直樹

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                        2005年12月20日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                     日本ウェルター級1位    T K O    インドネシア ウェルター級4位
                 ○   山口裕司      5回終了   マルコ・トゥームフリー  ●
                         (ヨネクラ) 146 1/2 lbs                  (インドネシア) 143 3/4 lbs

 開始早々から山口がプレッシャーをかけ続けた。右から左のボディフックを叩き込み,ワンツーを飛ばして早くもトゥームフリーを圧倒する。2回以降も左アッパーのボディブローからワンツーを浴びせて一方的に攻め続けた。
 意外にガードが堅いトゥームフリーだが,山口の攻勢に手数が出ず,防戦一方に回る。5回終盤には右ストレートがヒットしてひるんだトゥームフリーをコーナーに詰めた山口が猛攻を見せた。結局6回開始のゴングに応じられず,山口のTKO勝ちとなった。

 山口が圧勝で1ドローを挟んで無傷の14連勝をマークした。ワンツー,ボディへの左右連打などでほぼワンサイドの内容となった。スピードと手数は日本のこのクラスでは随一。しかし,攻撃が直線的で一本調子なところが気になる。ここから先を狙うためにはもう少し左右に揺さぶりをかけ,変化をもたせることが必要になるだろう。
 トゥームフリーはスリムな長身の右ボクサータイプで,右ストレートが武器。リーチが非常に長く,構えるとグラブから肘までによってアゴからわき腹がガードされている。そのため,相手にとってはかなり攻めにくい。スリムな体型の割りには,意外なほどタフな一面もある。

     主審:浦谷信彰,副審:杉山利夫&ウクリッド・サラサス&福地勇治
     ○山口:15戦14勝(10KO)1分     ●トゥームフリー:16戦9勝(3KO)5敗1分
     放送:スカイA     解説:川島郭志&石本雅巳
     実況:河路直樹

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