熱戦譜〜2005年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.08.02 10回戦  丸元大成  判定  永瀬輝男
2005.08.02 10回戦  デニス・ローレンテ  判定  吉澤佑規
2005.08.02 10回戦  福山 登  TKO8R  高野 旭
2005.08.04  日本スーパーライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  TKO4R  大嶋宏成
2005.08.04 10回戦  小林生人  判定  金井晶聡
2005.08.04 10回戦  石井一太郎  判定  篠崎哲也
2005.08.06  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 イーグル京和  判定  高山勝成
2005.08.06 8回戦  小堀佑介  TKO4R  鈴木哲哉
2005.08.08  東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 升田貴久  判定  山口真吾
10 2005.08.08 10回戦  相澤國之  KO3R  シャーウィン・マナタッド
11 2005.08.08 10回戦  酒井俊光  KO3R  ジョジョ・アルナド
12 2005.08.16 10回戦  江口啓二  判定  保住直孝
13 2005.08.16 10回戦  山口裕司  KO4R  シントートーン・フライトジム
14 2005.08.20  A級ボクサー賞金トーナメント
 
スーパー・バンタム級準決勝(4回戦)
 松田直樹  判定  額賀勇二
15 2005.08.20  A級ボクサー賞金トーナメント
 
スーパー・フェザー級準決勝(4回戦)
 会田 篤  判定  方波見吉隆
16 2005.08.20  A級ボクサー賞金トーナメント
 
スーパー・フェザー級準決勝(4回戦)
 小沢大将  判定  村田昌隆
17 2005.08.20  A級ボクサー賞金トーナメント
 
スーパー・ウェルター級準決勝(4回戦)
 石田順裕  判定  渡辺浩三
18 2005.08.20  A級ボクサー賞金トーナメント
 
スーパー・ウェルター級準決勝(4回戦)
 松橋拓二  KO2R  磯谷和広
19 2005.08.21  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 亀田興毅  TKO3R  ワンミーチョーク・シンワンチャー
20 2005.08.21 10回戦  竹中義則  KO2R  ワット・ヴォー・ウティナン
21 2005.08.21 10回戦  中島 健  判定  フランシスコ・ロサス
22 2005.08.22  東洋太平洋スーパーフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 有永政幸  KO9R  丸山大輔
23 2005.08.22 8回戦  八重樫 東  KO2R  ダンチャイ・シスサイソン

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                       2005年8月2日(火)    後楽園ホール
                               10回戦
                    日本ウェルター級9位           日本ウェルター級(ノーランク)
                ○    丸元大成    判 定     永瀬輝男   ●
                          (グリーンツダ) 154 lbs               (ヨネクラ) 153 1/2 lbs
                                                 元日本ウェルター級チャンピオン

 開始早々から永瀬が距離を詰め,長身の丸元がリーチを生かして突き放そうという展開。丸元はガードを固めて鋭い左ジャブを放ち,右ストレート,左フック,さらに下からの右アッパーにつなぐテンポのいい攻撃で1・2回をリードした。
 中盤は永瀬が元王者のプライドに賭けて反撃を見せた。5・6回には丹念に左ジャブを突いて接近し,ショートの左右フックを顔面に連打する。丸元は顔面をグラブでカバーしながらチャンスを窺うが,序盤戦とは違って後手に回る展開となり,中盤は永瀬にわずかに主導権を譲った。
 しかし,終盤は再び丸元が先手攻撃に切り替えて優位に立った。7回,永瀬の右目下の腫れが大きくなり,ドクターチェックのために一時中断。丸元はこの中断で自分のペースを取り戻したかのように,再び鋭い左ジャブで永瀬をコントロールする。丸元はさらにワンツー,ボディへの左アッパーを送る。
 8・9回,丸元は顔面をグラブでカバーし,機を見て左ジャブ,ワンツー,左右アッパーを繰り出すテンポのいい攻撃で迫る。見応えのある打ち合いになったが,中盤戦にペースを握りかけた永瀬の手数が減る。
 10回も激しい打ち合いが続くが,丸元が的確さで上回った。

 非常に見応えのある熱戦となった。
 丸元は長身の右ボクサータイプ。リーチを生かした左ジャブ,ワンツーを主体に突き放すボクシングが身上。一発の破壊力はないが,下からの左右アッパーなど,スピーディで多彩な攻撃が武器になっている。ただし,ディフェンスは顔面をグラブでカバーするブロッキング一辺倒。ガードを固めて守勢に回ってしまうことが多いのが欠点。いい攻撃パターンを持っているので,常に先手で仕掛けることを心掛けるべき。
 元王者・永瀬は息の長い右ファイタータイプ。さすがに全盛時の勢いはないが,34歳という年齢ながら,豊富な練習量を物語るようなエネルギッシュな試合ぶりに頭が下がる思いである。

採点結果 丸元 永瀬
主審:杉山利夫 *** ***
副審:熊崎広大 99 95
副審:鮫島英一郎 97 93
副審:安部和夫 97 94
参考:MAOMIE 98 94


     ○丸元:23戦17勝(6KO)5敗1分
     ●永瀬:34戦22勝(12KO)10敗2分

     放送:スカイA
     解説:本田秀伸
     実況:山下剛

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                       2005年8月2日(火)    後楽園ホール
                                 10回戦
                    東洋太平洋ライト級2位            日本ライト級9位
                ○    デニス・ローレンテ    判 定    吉澤佑規  ●
                       (比国) 134 1/2 lbs                  (WOZ) 134 1/4 lbs

 初回,いきなり左ストレートを振って突っかかるローレンテ。ボディ,顔面に左ストレート,フックを打ち込む。吉澤も左右のボディブローを返すが,終盤不用意にロープに下がったところに左フックを受けてダウン。
 2回,吉澤も右ストレート,左右ボディブローを返すが,ややりきみが目立つ。吉澤のパンチの打ち終わりを狙って,ローレンテの左ストレートが飛ぶ。
 4回,吉澤はローレンテのガードの上からワンツー,左右ボディブローを連打して攻勢に出る。後半には右ストレートをヒット。しかし,気を抜くとローレンテが一気にラフファイトを仕掛ける。5回,バッティングでローレンテが右前頭部をカットして一時中断。再開後,自分から仕掛けてローレンテをコーナーに追いんだ吉澤は右ストレート,ボディへの左右フックを連打。
 7回にも右ストレートから左右フックをまとめる吉澤。やや手打ち気味だが,吉澤は先に手を出す試合運びで流れを引き寄せる。
 終盤はローレンテも反撃に出て,激しい打ち合いが展開された。10回,なりふり構わぬラフな仕掛けで勝利への執念を見せるローレンテ。吉澤は思うようにパンチを返せないまま終了ゴングを聞いた。

 無敗の新鋭・吉澤(20歳)は善戦したが,序盤戦でローレンテのラフファイトのペースに巻き込まれてしまったことが敗因。しかし,13戦目という浅いキャリアで老獪なローレンテを相手にこれだけの試合ができれば十分に合格点。初回の不用意なダウンがなければ,採点上では勝っていた試合である。やや手打ちになって一発の破壊力はないが,スピードのある左ジャブ,ワンツー,左右フックを武器とする右ボクサーファイターである。中盤に入って自分から手を出したことが善戦につながった。これを良薬として精進に期待したい。良いものを持っているので,ぜひ中央で上位ランカーと切磋琢磨することによって実力を伸ばして欲しい。
 相変わらずのしぶとさを見せたローレンテ。超変則スタイルは誰がやっても,やりにくいことこの上ない。相手の出バナ,打ち終わり,パンチの引き際にうまく左を打ち込む老獪な試合運びが光る。しかし,終盤に入ってややスタミナ切れしたのか,序盤戦ほどの勢いが消えていた。

採点結果 ローレンテ 吉澤
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:熊崎広大 96 96
副審:浦谷信彰 96 95
副審:杉山利夫 98 93
参考:MAOMIE 96 96


     ○ローレンテ:30戦23勝(12KO)2敗5分
     ●吉澤:13戦12勝(5KO)1敗

     放送:スカイA
     解説:本田秀伸
     実況:山下剛

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                        2005年8月2日(火)    後楽園ホール
                                 10回戦
                   日本S・フライ級6位    T   K   O   日本バンタム級8位   
                ○   福山 登     8回2分02秒    高野 旭  ●
                       (大阪帝拳) 118 lbs                        (三迫) 117 1/2 lbs
                                              高野 旭=たかの・あさひ

 初回から福山が小刻みに上体を揺すってプレッシャーをかける。やや力を抜いた左ジャブ,右ストレート,左フックのハイテンポな攻撃に高野は早くも守勢に回る。
 2回,勢いに乗って攻め込む福山は高野の右ストレートで膝を揺らす場面があったが,3回には再び主導権を握った。ワンツー,左フック,アッパーで的確にクリーンヒットを奪う福山。高野は右目上をカット(福山の有効打によるもの)して苦しい展開。
 中盤も福山の手数は止まらない。高野もよく打ち返すが,矢継ぎ早の福山の連打で後手に回る。6回,疲れが見える高野をワンツー,左フックで押して行く福山。7回,高野の右目上の傷によって一時中断。高野はよく打ち返すが,福山のコンビネーションブローで徐々に窮地に追い込まれた。
 8回,福山の執拗な波状攻撃に疲労の色が濃い高野。左右のストレートで後退したところで,それまでと見た鮫島主審がストップした。

 福山は切れのいいコンビネーションブローを武器とする右ファイタータイプ。右ストレート,左フック,アッパーを軸としてやや力を抜いたパンチを上下に間断なく打ち分ける。7割を超えるKO率を誇るが,一発で倒すタイプではなく,執拗な連打でストップに持ち込むパターン。相手を追い込むフットワークがあることが強みである。ただし,接近することだけに神経が集中しているが,被弾も多い。上位を狙うためには,出入りのフットワークを鋭くすることが要求される。
 高野は左フック,右ストレートに威力がある右ボクサーファイター。今夜は福山の執拗な攻勢に後手に回ってしまったことが敗因。

7回までの採点 福山 高野
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 68 66
副審:安部和夫 69 66
副審:杉山利夫 69 65
参考:MAOMIE 69 64


     ○福山:23戦17勝(13KO)5敗1分
     ●高野:25戦11勝(7KO)11敗3分

     放送:スカイA
     解説:なし
     実況:山下剛

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                        2005年8月4日(木)    後楽園ホール
                        日本スーパー・ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン     T   K  O   挑戦者(同級9位)  
                ○   木村登勇    4回1分57秒   大嶋宏成  ●
                         (横浜光) 140 lbs                     (シャイアン) 140 lbs

 初回,いきなりバッティングで両者が負傷し,波乱の幕開けとなった。木村は右目上,大嶋は額からの出血を見る。木村は絶妙のタイミングで左ストレートから右フックをフォローし,早くも主導権を掌握した。
 2回,木村は独特の間合いから左フックをボディに放ち,すぐ顔面に右フックを切り返す。正面から入る大嶋に,今度は左フックをボディから顔面にヒット。大嶋の顔面は早くも鮮血に染まる。
 3回,木村の左ストレートに次ぐ右フックにぐらついた大嶋は思わずクリンチに逃れる。真正面に立って手が出ない大島に対し,木村の左ストレート,右フックが面白いように顔面を襲った。
 勝負は4回に決まった。正面に立って木村のパンチを浴び続ける大嶋の顔面は血だらけ。ワンツーでチャンスを掴んだ木村が攻勢に出ると大嶋はロープを背にする。木村が一気に左右フックを浴びせたところで,福地主審がカウントを開始する。辛うじて再開に応じた大嶋だが,もはや反撃の気力はなく,左ストレートで力なくのけぞったところで福地主審がストップした。

 注目された好カードだが,心技体に充実した木村の圧勝に終わった。緩急をつけ,微妙に角度とタイミングをずらした左ストレート,右フックを自在に操っての完勝である。状況判断も的確で,チャンスにたたみかける攻撃も見事。堂々たる横綱相撲による4度目の防衛である。
 大嶋は真正面に立ってしまい,正直過ぎるボクシングで老獪な木村に翻弄された。パンチを出さずに直線的に入ろうとして,木村のワンツーの絶好の標的になってしまったことが敗因。台頭してきた頃の覇気が感じられず,気持ちの面でも負けていたと言える。

     主審:福地勇治,副審:浅尾和信&吉田和敏&山田一公
     ○木村:33戦26勝(11KO)5敗2分     ●大嶋:27戦21勝(13KO)5敗1分
     放送:G+     解説:戸高秀樹     実況:村山喜彦

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                       2005年8月4日(木)    後楽園ホール
                              10回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)          日本フェザー級3位
                ○   小林生人     判 定    金井晶聡 ●
                       (横浜光) 129 3/4 lbs               (姫路木下) 130 lbs
                       小林生人=こばやし・いくと

 立ち上がりは金井が鋭い左ジャブを多用し,ワンツー,ボディへの左アッパーで先手を取る。しかし,2回,小林が強気の攻めに転じると状況は一変した。左ジャブ,左ボディブローで先手を取る金井だが,後半小林が左右フックで金井にロープを背負わせる。体をかわす金井だが,小林はなおも追撃の手を緩めず,右アッパーをヒット。さらに左右フックの連打で金井を追い込んだ。
 3回,金井は左目上をカット(小林の有効打によるもの)。小林は右ストレートで金井をぐらつかせ,左右フック,アッパーを連打。金井も右クロス,左ボディで応戦するが,小林は一歩も引かずに打ち合いに応じる。意表を突くような小林の強気の攻めに,金井は主導権を奪われた。
 4・5・6回も小林の強気のボクシングに金井は劣勢。右フック,アッパーでぐらつかせ,猛然と左右の連打を浴びせる小林。金井の表情が歪む場面も見られた。金井の顔の腫れが目立つ。
 7・8・9回は金井が左ジャブ,ストレートを丹念に突く作戦に切り換えて反撃を見せた。小林は各ラウンドの終盤に攻勢に出るうまさを見せたが,金井はワンツー,ボディへの左右アッパーで徐々に挽回する。
 10回,激しい打ち合いになったが,小林が再び強気のボクシングで金井を追い込む。金井の左右フックを浴びながらも,後半に執拗に出て左右フック,右アッパーで金井をたじろがせた。

 ノーランカーの小林が金井を圧倒した。上位ランカーでオールKOの金井の強打を恐れず,終始強気のボクシングで真っ向から渡り合い,堂々たる勝利である。ラウンドの後半に攻勢をかけるなどの頭脳的な面も披露した。右ファイタータイプで,叩きつけるような右フック,アッパーや接近戦での左右連打に見るべきものがある。最大の長所は何と言っても,負けん気の強さ,思い切りのよさ,物怖じしない試合度胸の良さである。上位ランカーの金井を破ったことによって上位進出は確実。一発の破壊力はなく,ボクシングそのものは未完成な部分が見られるが,今後経験を積めば台風の目になるだろう。
 金井は積極的な立ち上がりを見せたが,小林の思い切ったボクシングに気負けしたところも見受けられた。鋭いパンチを浴びせながらも,予想外の反撃で守勢に回る場面が目立った。7回以降に本来の左主体のボクシングで立て直しを図ったが,小林の度胸に屈した。オールKOの自分に対して小林がこれほど強気で攻めて来ることは想定していなかったのではないだろうか。公式採点は2〜3ポイント差であるが,内容的にはもっと開きがあり,完敗と言える。これを良薬として巻き返しに期待したい。

採点結果 小林 金井
主審:浅尾和信 *** ***
副審:吉田和敏 98 95
副審:福地勇治 97 94
副審:ビニー・マーチン 97 95
参考:MAOMIE 96 94


     ○小林:11戦11勝(6KO)
     ●金井:17戦15勝(15KO)2敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:長谷川憲司

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                       2005年8月4日(木)    後楽園ホール
                             10回戦
                    日本ライト級4位          日本ライト級(ノーランク)
               ○   石井一太郎   判 定   篠崎哲也   ●
                         (横浜光) 135 lbs              (高崎) 135 lbs

 左ジャブから右ストレートを伸ばしてチャンスを窺う石井だが,しぶとい篠崎を攻めあぐむ展開が続いた。3回,バッティングで左目上をカットし,ドクターチェックのために一時中断。再開後,勝負を急ぐかのように積極的に出る篠崎。4回,石井はようやく左アッパーをボディに放ってプレッシャーをかける。石井は5回にも左アッパーをボディに,左フックを顔面にヒットする。しかし,いつものようなカサにかかった攻めが見られず,逆に篠崎の右ストレートのカウンターを許した。
 6回,石井は右フックのヒットから左右フックの攻勢に出る。篠崎のベテランらしいうまさに攻めあぐむ石井だが,終盤の打ち合いで左右フック,アッパーのボディ連打を浴びせて攻勢。
 7回は篠崎がうまいボクシングを見せる。左右フックを浴びせ,後は距離を取る篠崎にやや攻めあぐむ石井。篠崎は終了間際に石井をロープに詰めて連打を見せた。
 8回以降は揉み合いの場面が多くなる。10回は篠崎が左フックをヒット。終盤は激しい打ち合いになるが,篠崎が石井を押し込む場面が見られた。

 上昇気流に乗る石井とベテラン篠崎の対決とあって期待されたが,盛り上がりに欠ける試合となった。
 石井のKOパターンは右を捨てパンチにして返しの左フック,アッパーでぐらつかせ,怒涛のラッシュで仕留めるもの。しかし,今夜はいつものような切れがなく,手数も少なかったことが拙戦の原因。篠崎のしぶとさに手を焼き,初めての判定勝ちとなった。今後上を目指すには,篠崎のようなうまくしぶとい相手とフルラウンドを戦う経験は無駄にならないはず。
 相変わらずのベテランらしいボクシングで石井を苦しめた篠崎。機を見て連打を浴びせ,石井が打ち気に出るとサッと引いて距離を取るなど,うまさを随所に見せた。

採点結果 石井 篠崎
主審:ビニー・マーチン *** ***
副審:山田一公 98 95
副審:染谷路朗 97 95
副審:福地勇治 97 96
参考:MAOMIE 98 95


     ○石井:15戦13勝(12KO)1敗1分
     ●篠崎:38戦17勝(7KO)14敗7分

     放送:G+
     解説:戸高秀樹
     実況:長谷川憲司

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                       2005年8月6日(土)    後楽園ホール
                       WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                     挑戦者(同級2位)              チャンピオン
                 ○   イーグル京和     判 定    高山勝成  ●
                          (角海老宝石) 104 3/4 lbs               (グリーンツダ) 105 lbs

 足とスピードでかき回す高山に対して,足を止めての打ち合いが持ち味のイーグル。試合の最大のポイントは序盤戦の主導権争いだったが,それを制したのはイーグル。開始早々から動きながら打ち合いを仕掛ける高山だが,イーグルは余裕を持ってこれを迎え撃つ。2回,イーグルは高山の打ち終わりに左右フック,さらにボディに右アッパーを突き上げる。
 イーグルは3・4・5回にもパンチの打ち終わりに高山の体が流れたところを突き,左フック,上下への右アッパーで要所を締め,序盤で完全に主導権を握った。一方の高山はよく動くが,自分から攻めて離れる瞬間に打たれる場面が目立ち,手数の割りに決定打を欠いたまま中盤戦に入った。
 8回,中途半端な距離では不利と見たのか,高山は出入りを激しくする。しかし,イーグルは冷静に対処し,後半には左右アッパーをボディに集めて高山の動きを封じる。
 打ち合いに出る高山を迎え撃っていたイーグルだが,逆に9回には自分からプレッシャーをけけた。接近して左右アッパーを的確にボディに集めると高山が後退する場面が見られた。10回,イーグルがさらにプレッシャーを強める。左右アッパーのボディブローにやや動きが鈍ってガードも下がり気味の高山。冷静なイーグルはなおも上へのワンツー,左ストレート,右アッパーを浴びせ,完全にリードした。
 終盤の11・12回には高山が王者の意地を見せる。ボディが効いている高山だが,死力を振り絞って回転力の効いた左右フックを連打し,ようやくポイントを挽回したが,時すでに遅し。

 イーグルは冷静に高山の動きを見極め,打ち終わりや離れ際にパンチを集めた頭脳的なボクシングで見事な王座奪回を果たした。このスタイルによって,序盤に主導権を握ってしまったことが最大の勝因。動かれれば苦戦も予想されたが,高山が予想外に打ち合いに応じたことも有利に作用した。いつになく被弾も多かったが,高山の速いフットワークを封じるために,序盤から仕掛けた右アッパーのボディ攻撃が効果的。今夜は目立たなかったが,手数が少なくなって振りが大きくなる欠点を克服すれば,今後安定政権を築くことも可能である。
 善戦した高山だが,イーグルのうまさに屈した。左ストレートを打つときに不用意に頭を下げたり,右ストレートの打ち終わりに体が流れて両足が揃ってしまう悪い癖が相変わらず直っていない。そこを打たれる場面が目立っており,今後ぜひ矯正して欲しい。11・12回に見せた持ち前の回転力を生かした連打が序盤から出ていればと悔やまれる。最後までよく動いて応戦した健闘は賞賛に値するが,やはりイーグルとの実力の差は埋めようがなかった。まだ若いので,課題を克服して再度世界挑戦の声がかかるように努力を期待する。

採点結果 イーグル 高山
主審:福地勇治 *** ***
副審:ブライアン・マクマホン(豪州) 119 111
副審:フランツ・マルティ(タイ) 117 113
副審:金谷武明 116 112
参考:MAOMIE 118 113


     ○イーグル:15戦14勝(5KO)1敗
     ●高山:17戦15勝(7KO)2敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:鈴木健

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                          2005年8月6日(土)    後楽園ホール
                                   8回戦
                   日本S・フェザー級4位     T   K   O    日本S・フェザー級(ノーランク)   
                ○   小堀佑介       4回2分25秒      鈴木哲哉  ●
                       (角海老宝石) 130 lbs                            (グリーンツダ) 130 lbs

 初回,ワイルドなワンツー,右フックで迫る鈴木だが,小堀はよく見てワンツーからボディへの左アッパーで応戦する。終了間際,鈴木の強引な右フックの打ち終わりに合わせた小堀の左フックがヒットし,鈴木は早くもダウン。
 2回,鈴木は気迫溢れる反撃を見せるが,小堀は冷静にワンツー,ボディへの左アッパーを上下に打ち分ける。終了間際,打ち合いになるが,小堀のワンツーからの左フックが見事なカウンターになり,鈴木はもんどり打ってダウン。
 3回にも小堀の攻勢。上下へのワンツー,左右フックの回転のいいラッシュでロープに詰まる鈴木。右ストレートで鈴木の腰が落ちる。ストップするタイミングを見計らっているのか,浦谷主審の動きが慌しい。右フックで崩れ落ちる鈴木だが,倒れたのがゴング後との判断が下った。
 4回,よく頑張る鈴木だが,小堀のワンツー,左右フックに防戦一方。左フックでぐらついたところでタオルが投入された。

 最近急上昇の小堀は右ボクサーファイター。冷静に相手の動きを見て,ワンツー,左右フックを上下に打ち分ける。ワンツーからの切り返しの左フックが見事。チャンスに見せる怒涛のようなラッシュも思い切りが良くて非常に気持ちがいい。欲を言えば,攻撃がアウトサイド一辺倒になっている点が気になる。回転のいい連打にインサイドからのパンチが加われば,厚みが増して,さらに上位への進出も期待できる。
 闘志溢れる試合ぶりで,勝った小堀以上の拍手を浴びていた鈴木。右フックを武器に思い切った攻撃を仕掛ける右ファイタータイプである。しかし,武器の右を打つときに足が揃ってしまうなど,バランスの悪さが目についた。

     主審:浦谷信彰,副審:吉田和敏&山田一公&ウクリッド・サラサス
     ○小堀:18戦15勝(7KO)2敗1分     ●鈴木:14戦7勝(4KO)6敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:寺島淳司

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                     2005年8月8日(月)    後楽園ホール
                   東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級6位)            チャンピオン
                ○  升田貴久    判 定   山口真吾   ●
                       (三迫) 107 1/2 lbs              (渡嘉敷) 108 lbs
                      WBA13位,WBC14位            WBA8位,WBC5位

 序盤の3回までは山口が上への右フック,ボディへの左右フックを浴びせ,接近戦で主導権を握った。168cmの長身・升田は距離を取り切れず,山口の連打に苦しい立ち上がりとなった。
 しかし,4回に入ると升田が中間距離でワンツー,左フックをカウンター気味に巧打し,さらに右アッパーを多用して反撃に転じる。6回にも升田が接近戦でインサイドからの左右アッパーをボディに,右ストレートを放ってリード。
 6回は少し休んだかに見えた山口が7回に反撃を見せた。右ボディから左フックを巧打する。後半は升田も右アッパー,ストレートで盛り返すが,この回は山口が制した。
 王座防衛の執念に燃える山口だが,終盤は升田が尻上がりに調子を上げて主導権を握った。8回,升田は右アッパーのボディブローから左フック。さらに接近して左右のショートフックを連打して優位に進める。山口はうっすらと鼻血を流した。9回には升田が距離を取って戦う。距離を取られては不利と見た山口は素早く肉薄して仕掛けるが,後半は升田が右ストレート,アッパーを巧打して激しい打ち合いを制した。山口は偶然のバッティングで左目上をカット。
 10回,山口の傷のドクターチェックのために一時中断。升田の左ジャブ,ストレートがヒットする。11回にはポイントで不利と見た山口が仕掛けるが,升田は足と左で突き放す本来のボクシングを展開し,山口の反撃を許さない。升田は機を見て接近戦を挑み,ワンツー,左右ショートフックをまとめるうまいボクシングでリード。血が目に入った山口は距離の測定がままならないのか,ミスブローが目立つようになった。
 12回は両者死力を振り絞った打ち合いのまま終了ゴングを聞いた。

 お互いの執念のぶつかり合いで好ファイトとなったが,升田が悲願の王座獲得を果たした。山口は4度目の防衛に失敗。
 升田は長身の右ボクサータイプ。今夜の勝因は中盤以降に接近戦で左右アッパーやショートフックの連打で確実にポイントを重ねたこと。手数がよく出たし,特にインサイドからの右アッパーが効果的だった。ただし,恵まれたリーチを生かしてフットワークに乗せた左ジャブ,ワンツーを主体に突き放す本来のボクシングに徹すれば,もっと楽な展開になっていただろう。
 山口は得意の接近戦で逆に升田のショート連打を許したことが痛かった。経験を積んで要所を締めてポイントを取るうまさは身についたが,相変わらず決め手に欠ける。

採点結果 升田 山口
主審:安部和夫 116 113
副審:ビニー・マーチン 115 113
副審:ウクリッド・サラサス 117 114
参考:MAOMIE 115 114


     ○升田:25戦16勝(4KO)6敗3分
     ●山口:23戦17勝(7KO)4敗2分
     放送:フジ739
     解説:川島郭志
     実況:長坂哲夫

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                          2005年8月8日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                   日本S・フライ級1位    K      O     比国S・フライ級5位   
                ○  相澤國之      3回2分09秒    シャーウィン・マナタッド  ●
                       (三迫) 115 1/2 lbs                          (比国) 114 lbs

 開始早々から軽快なフットワークでサークリングし,鋭い左ジャブを突く相澤。2回には早くも相手の力を見切ったかのようにタイミングのいい右ストレート,左右のボディブローでプレッシャーをかける。フェイント気味に放った顔面へのワンツーでガラ空きになったボディへ左アッパーを一閃。顔面に左フックをフォローすれば,ひと呼吸置いたマナタッドは腹を抱えてダウン。
 3回,なおもプレッシャーを強める相澤。左右アッパーのボディブローで追撃し,再び左アッパーがボディを抉れば,マナタッドはたまらずダウン。立ち上がったが相澤の詰めは鋭く,左右の追い打ちで2度目のダウン。カウントの途中にタオルが投入された。

 相澤は力を抜いてリラックスしたスタイルから鋭い左ジャブを突き,タイミングのいい右ストレート,ボディへの左アッパーなどの多彩なパンチを持っている。豊富なアマ経験を生かした基本に忠実なボクシングが身上。スピードも切れも十分で,さまざまなタイプとの対戦によって経験を積めば将来が非常に楽しみな存在である。ガードが低い点は気になるが,これもリラックスしたスタイルからスムーズなパンチを繰り出すためには必要なのだろう。持ち前の足の動きとシャープなコンビネーションブローを生かすためにも,出入りのスピードをもっと上げることが要求される。
 マナタッドは右ボクサーファイターだが,パンチ力は感じられず,ボディにパンチを集められ,いいところなく敗れた。

     主審:杉山利夫,副審:ビニー・マーチン&熊崎広大&ウクリッド・サラサス
     ○相澤:10戦9勝(7KO)1分     ●マナタッド:31戦11勝(1KO)16敗4分
     放送:フジ739     解説:川島郭志     実況:西岡孝洋

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                          2005年8月8日(月)    後楽園ホール
                                 10回戦
                   日本S・バンタム級2位    K      O    比国フェザー級4位   
                ○   酒井俊光      3回1分48秒    ジョジョ・アルナド  ●
                        (三迫) 123 1/2 lbs                         (比国) 121 1/4 lbs

 開始早々から上体をグイグイと揺すって距離を詰める酒井は左フックのボディブロー,右フックを浴びせる。
 2回,サウスポーにスイッチしてワンツーで応戦するアルナドだが,酒井は構わず肉薄する。ボディ攻撃が効いたのか,アルナドは露骨にいやがる表情を浮かべる。酒井は顔面への攻撃を交えてぐいぐいとプレッシャーを強める。
 3回,アルナドをロープに詰めて左右のボディ打ちを仕掛ける酒井。アルナドは右ストレート2発で腰から落ちてダウン。カウントの途中でタオルが投入されたが,吉田主審はそのままカウントアウトした。

 ”和製ガッティ”と異名を取る酒井は上体を揺すって巧みに肉薄する典型的な右ファイタータイプ。好戦的な試合ぶりで非常に人気がある。上下を間断なく打ち分ける執拗なインファイトを身上としている。この選手に関してはヘタな小細工をしてスタイルを変えようとすると,持ち味を殺してしまうだろう。視野に置いている日本タイトル挑戦を睨み,持ち味を存分に生かすことに専念して欲しい。
 アルナドは右ボクサーファイターでリーチを生かしたワンツーが武器。しかし,酒井の執拗な攻撃に屈し,2回中盤から急速に守勢に回った。最後は右ストレートを受けて,半ば戦意を失った感じだった。

     主審:吉田和敏,副審:安部和夫&熊崎広大&杉山利夫
     ○酒井:21戦17勝(8KO)3敗1分     ●アルナド:37戦12勝(2KO)23敗2分
     放送:フジ739     解説:川島郭志     実況:桜井堅一朗

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                     2005年8月16日(火)    後楽園ホール
                            10回戦
                  日本ミドル級7位            日本ミドル級2位
               ○   江口啓二    判 定    保住直孝   ●
                    (姫路木下) 159 1/2 lbs             (ヨネクラ) 160 lbs

 サウスポーの江口が初回から積極的に仕掛ける。左フックで腰が落ちた保住は大きくバランスを崩してコーナーに後退。江口は重い左右フックを浴びせて早くも優位に立つ。2回にも江口の攻勢。ガードが下がってノーガードになりながらも左フック,アッパーを浴びせる。保住も江口の左フックに左フックを合わせるが,足がついて行かず,バランスが悪い。
 4回,保住は鼻から出血し,苦しい戦いを強いられた。5回までは完全に江口のペース。江口は前に出る保住を逆にアウトボクシングでさばき,タイミングよく左ストレート,フックを浴びせた。
 6回,保住がようやく反撃を見せた。バランスは悪いが,手数で押して行く。江口はひと休みなのか手数が減ったが,それでも終了間際に左ストレートをヒット。7回前半は江口が左右フックで攻勢に出るが,保住は逆に右ストレートからの連打で攻勢に出る。
 終盤は両者ともに疲れが出たが,江口は最後まで保住に決定打を許さず,元王者を破る殊勲を挙げた。

 江口はサウスポーのファイタータイプだが,今夜は巧みに足を使って保住の攻撃をさばき,機を見て左ストレート,フックをヒットするうまさを見せた。動きが鈍い保住に対して,よく動いて序盤に主導権を握ってしまったことが勝因。まだまだスピードが足りず,ガードが下がる欠点が目立つが,今夜は見事な勝利と言っていいだろう。ノーガードで真正面から打ち合うのは危険なので避けるべき。
 保住は足が動かず,気持ちばかりが先行する場面が目立った。パンチを出して前に出ても,足がついて行かないので,非常にバランスが悪かった。スピード,スタミナ不足が目立ち,全盛期とは比較にならないほどのデキの悪さだった。

採点結果 江口 保住
主審:熊崎広大 *** ***
副審:浅尾和信 95 96
副審:鮫島英一郎 96 95
副審:葛城明彦 98 96
参考:MAOMIE 97 94


     ○江口:11戦10勝(7KO)1敗
     ●保住:31戦25勝(21KO)5敗1分

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行&石本雅巳
     実況:河路直樹

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                          2005年8月16日(火)    後楽園ホール
                                10回戦
                   日本ウェルター級1位    K      O    タイ国S・ライト級チャンピオン   
                ○   山口裕司     4回1分52秒    シントートーン・フライトジム  ●
                        (ヨネクラ) 146 1/4 lbs                        (タイ) 146 1/4 lbs
                  山口裕司=やまぐち・ひろし

 初回,山口はスピード十分のワンツーでシントートーンをロープに詰め,早くも連打を浴びせる。さらに得意の左アッパーをボディに連発して攻勢。
 2・3回にも山口の左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーが冴える。
 そして4回,左右アッパーをボディに集める山口。シントートーンは逆に山口をコーナーに押し込んで左右フック,右ストレートで反撃を見せるが,左アッパーをボディに打ち込まれて後退。再び左アッパーがボディを捉えると,山口が左右の追撃を浴びせる間もなく,シントートーンは苦悶の表情でキャンバスに沈んだ。カウント中にタオルが投入されたが,浦谷主審はそのままカウントアウト。

 山口はスピーディなワンツー,ボディへの左アッパーを武器とする右ボクサーファイター。このクラスとしては非常にスピードのあるパンチを持っているが,欲を言えばもっと足の動きが欲しい。出入りの鋭さを身につけ,それに乗ったパンチが打てれば攻撃力が格段に増すだろう。1位にランクされてタイトル挑戦が見えているだけに,早急に課題を克服することが求められる。

     主審:浦谷信彰,副審:葛城明彦&福地勇治&鮫島英一郎
     ○山口:14戦13勝(9KO)1分     ●シントートーン:9戦7勝(6KO)2敗
     放送:スカイA     解説:大橋秀行     実況:河路直樹

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                            2005年8月20日(土)    後楽園ホール
                        第2回A級ボクサー賞金トーナメント(ビー・タイト大会)
                           4回戦(スーパー・バンタム級・準決勝)
                    日本S・バンタム級(ノーランク)          日本S・バンタム級(ノーランク)
                 ○    松田直樹       判 定      額賀勇二     ●
                       (コーエイ工業小田原) 121 1/2 lbs           (鹿島灘) 121 3/4 lbs

 お互いに正面に向き合い,ジックリとチャンスを窺う展開だが,松田がやや積極的に仕掛ける。2回,力の篭ったパンチの交換となったが,松田は単発ながらも右フックを多用してリード。終盤には左右フックを連打して額賀を追い込んだ。
 3回,松田が左アッパーのボディブロー,右フックで攻めれば,額賀は打ち終わりに右フックのカウンターを合わせる。終盤に松田の左フックがヒットし,額賀はうっすらと鼻血を流した。
 4回も睨み合いの場面が目立ったが,終盤に松田が左右連打を浴びせて勝利を決定的なものにした。

 お互いのパンチを警戒して睨み合う場面が多かったが,積極性で上回った松田が勝利を手にした。松田は右フック,ストレートにパワーがある。大振りを避け,フェイントを有効に使い,当てることを主体にして攻める工夫をするとよい。
 額賀はアップライトスタイルの右ボクサーファイターで,こちらも左フック,右ストレートにパンチ力がある。松田の打ち終わりにカウンターを合わせる作戦のようだったが,手数の少なさが響いた。

採点結果 松田 額賀
主審:山田一公 *** ***
副審:浦谷信彰 40 37
副審:葛城明彦 39 38
副審:鮫島英一郎 40 37
参考:MAOMIE 40 37


     ○松田:33戦23勝(9KO)7敗3分
     ●額賀:20戦16勝(9KO)4敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司

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※ 予定されていた準決勝の残り1試合,関口幸生(帝拳)vs.羽手村 聡(塚原京都)戦は羽手村が練習中の負傷のために欠場となった。関口は勝者扱いとなり,決勝戦で松田と対戦する。


                            2005年8月20日(土)    後楽園ホール
                        第2回A級ボクサー賞金トーナメント準決勝(ビー・タイト大会)
                           4回戦(スーパー・フェザー級・準決勝)
                    日本S・フェザー級(ノーランク)         日本S・フェザー級(ノーランク)
                 ○    会田 篤       判 定    方波見吉隆      ●
                         (ワタナベ) 129 1/2 lbs             (伴流) 129 1/2 lbs

 変則サウスポーの方波見に対して右ストレートを振ってプレッシャーをかける会田。終盤,右ストレートがヒットすると方波見が大きくバランスを崩した。
 2回に入ると方波見が長いリーチと変則的な動きを生かして逆にプレッシャーをかける。会田はやや後手に回る。
 4回,方波見の左アッパーがボディに決まって,会田は急に失速。ボディ狙いで攻勢に出る方波見に,会田は苦しい展開のまま終了ゴングを聞いた。

 2回以降に挽回した方波見が有利と見られたが,公式採点は3−0で会田を支持した。2・3回の方波見のプレッシャーをポイントとして認めなかったためと考えられる。
 会田は右ボクサーファイターで,右ストレートが武器。初回こそ先手で攻めていたが,2回以降は方波見の変則的な動きに手を焼いた。
 方波見は変則的な動きと長いリーチを特徴とする左ボクサータイプ。懐が深く,相手にとっては非常にやいにくいタイプである。

採点結果 会田 方波見
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:山田一公 39 38
副審:土屋末広 39 38
副審:葛城明彦 39 38
参考:MAOMIE 38 39


     ○会田:13戦11勝(8KO)1敗1分
     ●方波見:12戦9勝(7KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:長谷川憲司

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                            2005年8月20日(土)    後楽園ホール
                        第2回A級ボクサー賞金トーナメント準決勝(ビー・タイト大会)
                            4回戦(スーパー・フェザー級・準決勝)
                    日本S・フェザー級(ノーランク)          日本S・フェザー級(ノーランク)
                 ○     小沢大将      判 定     村田昌隆     ●
                         (ヨネクラ) 130 lbs                (白井・具志堅) 129 1/4 lbs
                       小沢大将=おざわ・だいすけ

 開始ゴングと同時に右フックを振って襲いかかる小沢。盛んに左ジャブを出して攻める小沢だが,ガードが下がったところを突かれ,相打ちの左フックをアゴに受けて大きく膝を揺らす。村田は一気に行くべき場面だが,慎重。
 2回,村田の左ジャブ,小沢の左右ボディブロー。激しいパンチの交換となるが,相打ちの右フックを受けて村田が不覚のダウン。しかし,後半は村田が左ジャブ,ワンツー,左フックのシャープなコンビネーションブローで反撃。小沢はやや効いている。
 3・4回,村田は左ジャブ,ワンツーで反撃するが,小沢も左右ボディブローで応戦。村田は必死に出るが,小沢は焦る村田の心理を見透かすように焦らすなどのうまさを見せた。

 小沢はワンツー,左右フックを武器とする右ボクサーファイター。初回に左フックでピンチを迎えたが,2回にダウンを奪ってからは徐々に調子を上げた。村田が出ないと見ると先に手を出したり,ボディを攻めるなどのうまさを見せた。
 村田はスピードのある攻撃を身上とする右ボクサーファイター。フットワークに乗せたシャープなコンビネーションブローを武器としている。しかし,今夜は初回にKOチャンスを迎えながら詰めを欠いてしまうなど,甘さを露呈した。今夜のように一度のチャンスをモノにしないと逆にピンチを迎えることがある。いいものを持っているので,ぜひ克服すべき課題として欲しい。

採点結果 小沢 村田
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:島川 威 39 37
副審:葛城明彦 39 37
副審:鮫島英一郎 39 37
参考:MAOMIE 39 38


     ○小沢:21戦16勝(8KO)4敗1分
     ●村田:20戦15勝(8KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:長谷川憲司

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                            2005年8月20日(土)    後楽園ホール
                    第2回A級ボクサー賞金トーナメント準決勝(ビー・タイト大会)
                         4回戦(スーパー・ウェルター級・準決勝)
                    日本S・ウェルター級2位          日本ミドル級9位
                 ○    石田順裕    判 定    渡辺浩三    ●
                         (金沢) 154 lbs               (斎田) 153 lbs
                   石田順裕=いしだ・のぶひろ

 初回,いきなり右フックを振って仕掛ける渡辺だが,懐の深い石田を崩すには至らない。2回,187cmの長身・石田は左ジャブで距離を測り,渡辺の入り際に右アッパーを合わせる。この攻撃で渡辺の前進が止まる。終盤,激しい打ち合いになるが,石田のワンツー,左アッパーが上回り,渡辺はロープを背にする。
 3・4回,渡辺は一発狙いから手数を多くする作戦に切り換える。やや動きが鈍る石田だが,パンチの正確さで上回った。

 元王者の貫禄を見せた石田が準決勝を制した。長身で長いリーチが売り物の右ボクサータイプだが,今夜はビータイトのため短期決戦を意識してか接近戦が目立った。本来はボクサータイプなので,距離を取って左ジャブ,ワンツー,左右アッパーなどのコンビネーションブローで勝負した方がいい。
 渡辺は右ファイタータイプで,右フックに威力があるが,ややスピードに欠ける面がある。初回こそ果敢に攻勢を仕掛けていたが,石田が左ジャブから入り際に右アッパーを多用すると出足が止まった。

採点結果 石田 渡辺
主審:葛城明彦 *** ***
副審:浦谷信彰 39 38
副審:土屋末広 40 36
副審:島川 威 40 37
参考:MAOMIE 40 37


     ○石田:20戦14勝(4KO)5敗1分
     ●渡辺:15戦11勝(7KO)3敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:田中毅

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                            2005年8月20日(土)    後楽園ホール
                       第2回A級ボクサー賞金トーナメント準決勝(ビー・タイト大会)
                            4回戦(スーパー・ウェルター級・準決勝)
                    日本S・ウェルター級6位    K      O   日本S・ウェルター級4位
                  ○  松橋拓二      2回1分55秒     磯谷和広   ●
                         (帝拳) 153 lbs                    (輪島スポーツ) 154 lbs

 初回,松橋の強打を恐れず強気で迫る磯谷。松橋をロープ,コーナーに詰め,左フック,右ストレートで押して行く。しかし,後半は松橋が逆に押し返し,左アッパーのボディブロー一発で形勢逆転。一気にラッシュする松橋。磯谷をロープに詰め,左右フック,左ストレートを乱打。ダウン寸前の磯谷はよく耐え,辛うじてゴングに救われた。
 松橋のフィニッシュは時間の問題と思われたが,2回に波乱が起きた。恐れずに向かって行く磯谷。打ち合いの中,松橋の左ストレートに合わせた磯谷の左フックがアゴを捉える。このパンチで松橋は膝をついてダウンを取られた。再開後,磯谷は攻勢に出るが,松橋も左右アッパーをボディに集めてエンジン全開の猛反撃。右フックでぐらつく磯谷。最後は痛烈な左から右のフックを浴びて仰向けにダウン。何とか立ち上がった磯谷にタオルが投入されたが,島川主審はそのままカウントアウト。

 まさにビータイトを象徴するようなスリル満点のダウンの応酬となったが,最後はパワーで優る松橋が自慢の強打で磯谷を沈めた。
 松橋は2回に不覚のダウンを喫したが,勝負に出る磯谷に対してすぐ応戦したことが逆にチャンスを生んだ。ややガードが甘い欠点があり,これは今後ぜひ改善すべき課題である。パンチ力はどこに行っても通用する。上を目指すためには,その破壊力を生かすためのボクシングが求められる。
 磯谷は距離を取って戦う右ボクサータイプだが,今夜はビータイトということもあり,短期決戦を狙って一歩も引かぬ闘志を見せて大いに沸かせた。本来のアウトボクシングを捨て,豪腕・松橋に真っ向勝負を挑んだ勇気に敬服する。結果的に玉砕となったが,一時はあわやというところまで松橋を追い詰めるなど,見事な試合だった。

     主審:島川威,副審:鮫島英一郎&土屋末広&山田一公
     ○松橋:9戦8勝(8KO)1敗     ●磯谷:17戦10勝(5KO)7敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:田中毅

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                       2005年8月21日(日)    横浜文化体育館
                        東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級10位)    T K O        チャンピオン   
                ○   亀田興毅     3回50秒   ワンミーチョーク・シンワンチャー  ●
                         (協栄) 112 lbs                         (タイ) 112 lbs

 サウスポー同士の対決は亀田が早々に主導権を握った。開始からわずか40秒,ワンミーチョークの左に亀田がノーモーションからの左ショートストレートを合わせる。これが見事なカウンターになり,ワンミーチョークは弾き飛ばされるように仰向けにダウン。立ち上がったが,右フックで腰が落ちたところを追撃され,右アッパーで2度目のダウン。初回でKO奪取かと思われたが,ワンミーチョークもよく持ちこたえ,ゴングに救われた。
 2回,左右フック,アッパーの反撃で王者の意地を見せるワンミーチョーク。しかし,亀田はガッチリとガードを固め,冷静に対処。右フックのカウンターでワンミーチョークの腰が落ちる。亀田はさらに接近戦で相手の打ち終わりに左右アッパーを連打。
 そして3回,亀田が試合を決めた。開始早々打ち合いになるが,亀田は右フックで上体が起きたところを逃さず,左ストレートを一閃。ワンミーチョークはストンと腰から落ちて仰向けにダウン。辛うじて再開に応じたが,亀田の詰めは鋭く,左右の追撃に晒されてロープ際に崩れ落ちる。カウント途中にキム主審がストップした。

 亀田が鮮やかな速攻を見せ,8戦目での見事な王座奪取を果たした。思い切りがよく,パンチが切れて,スピードも十分な上に,見切りも申し分なかった。今まではどちらかというとがむしゃらな攻撃一辺倒のボクシングが前面に出ていたが,今回はガッチリとガードを固め,相手の打ち終わりにコンパクトに打ち返すなど,格段に進歩した面を披露した。
 初回に最初のダウンを奪ったのはワンミーチョークが左を振って入ろうとした瞬間を捉え,わずかに体を沈めて放った見事な左のカウンターだった。亀田が体を沈めたことにより死角に入って,ワンミーチョークには見えないパンチになっていたはず。また,3回に最初のダウンを奪ったのは右フックで相手の上体が起きた一瞬の隙を突いて左をフォローしたもので,見切りの良さが目立った。
 欲を言えば右ジャブをもっと多用すること。右フックはよく出ていたが,右ジャブ,フックで攻撃の突破口を開けるように工夫して欲しい。世界挑戦という声もあるが,拙速は禁物。まだ19歳なのだから焦る必要はまったくない。今は実力の上昇に応じて様々な相手を選んで経験を積むことにより,徐々にいろいろなことを試しながらレベルアップを図ることが肝要である。陣営にもそのような育成をお願いしたい。
 ワンミーチョークはサウスポーの技巧派だが,打ち終わりを狙われて徐々に後手に回ってしまったことが敗因。王座を獲得した6月の榎本信行(三迫)戦ではなかなかのうまさを見せたが,今回は亀田の気迫に呑まれ,完敗となった。

     主審:キム・ソクウォン(韓国),副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ)&浅尾和信
     ○亀田:8戦8勝(7KO)     ●ワンミーチョーク:27戦20勝(9KO)7敗
     放送:TBS     解説:竹原慎二&畑山隆則     実況:土井敏之

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                          2005年8月21日(日)    尼崎アルカイックホール
                               10回戦
                   日本ウェルター級3位    K    O    タイ国ウェルター級3位   
                ○   竹中義則     2回50秒   ワット・ヴォー・ウティナン ●
                       (尼崎亀谷) 152 3/4 lbs                  (タイ) 147 1/4 lbs

 初回,ジリジリと距離を詰める竹中。ロープに詰めて右ストレートからボディに左アッパー。ワットは相手に正対する独特の構えからトリッキーな動きで応戦し,サウスポーにスイッチして左フックをボディに。
 2回開始早々,竹中はワットをコーナーに詰め,右ストレート,ボディへの左アッパーを放つ。ワットも応戦するが,右ストレートがアゴを捉えると呆気なくダウン。見事なカウンターを浴びたワットは立ち上がったものの,足元が定まらず,カウントアウトされた。

 今年1月に湯場忠志(都城レオ)との王座決定戦で2回TKO負けを喫した竹中だが,今夜は鮮やかなワンパンチKOを披露した。重い右ストレート,ボディへの左アッパーを武器とする右ファイタータイプ。しかし,ややスピード不足なのが欠点。タイトルを狙うにはその点が最大の課題となる。

     主審:野田昌宏,副審:宮崎久利&安田裕候&上中一郎
     ○竹中:28戦22勝(20KO)5敗1分     ●ワット:28戦19勝(5KO)9敗
     放送:スカイA     解説:興梠貴之     実況:山下剛

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                       2005年8月16日(火)    尼崎アルカイックホール
                              10回戦
                WBC世界ライトフライ級13位          WBC世界ライトフライ級8位
              ○    中島 健      判 定    フランシスコ・ロサス   ●
                     (グリーンツダ) 110 1/4 lbs                (メキシコ) 109 3/4 lbs

 身長157cmというロサスが左右フック,アッパーを上下に打ち分け,中島がワンツーで応戦するという展開に終始した。2回,接近しての打ち合いとなったが,ロサスは顔面への右ストレート,左フック,ボディブローでリード。中島もワンツーを返すが,ガードが下がり,アゴが上がる癖が見える。
 3回,その欠点をロサスが突いた。飛び込んで打ち合いを挑む中島だが,右ストレートをミスしたところに右フックのカウンターを合わされ,もんどり打ってダウン。
 5回,中島は右フックをヒットするが,ロサスの手数が上回る。7回,ロサスは左アッパーがローブローになって減点されるが,構わず左右フック,アッパーをボディに集めて攻勢。
 9回,中島がようやく気持ちの強さを前面に出した。左右フック,ボディへの右ストレートで攻め立てる。ロサスはやや打ち疲れを見せる。10回,中島は死力を振り絞って左右フック。ロサスも左右フックを返すが,前半ほどの勢いが見られない。

 2−0のスプリットデシジョンで中島の判定勝ちとなったが,ロサスには気の毒な採点だった。
 中島の攻撃パターンは相手が出るところにワンツー,左右フックを連打するもので,一本調子の印象が拭えない。攻撃の幅が乏しく,世界13位としては少々実力不足である。ガードが下がり,アゴが上がるのも悪い癖。3回に奪われたダウンもそこを突かれたもの。ロサスにもう少しパンチ力があればKO負けもあっただろう。まだまだキャリア不足。いろいろなタイプとぶつかって,経験を積むことが必要である。
 ロサスは短躯ながら,重量感溢れるボクシングを見せる。右ファイタータイプで,パワフルな左右フック,アッパーを上下に打ち分ける攻撃を身上としている。

採点結果 中島 ロサス
主審:宮崎久利 *** ***
副審:安田裕候 96 92
副審:北村信行 94 94
副審:上中一郎 95 93
参考:MAOMIE 94 97


     ○中島:16戦14勝(8KO)2敗
     ●ロサス:26戦21勝(12KO)4敗1分

     放送:スカイA
     解説:興梠貴之
     実況:山下剛

※ 第7ラウンドのローブローによるロサスの減点1を含む採点。

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                        2005年8月22日(月)    後楽園ホール
                     東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン     K     O   挑戦者(同級8位)   
                 ○  有永政幸   9回2分20秒   丸山大輔   ●
                         (大橋) 115 lbs                     (筑豊) 115 lbs

 初回硬さが目立つ有永に対し,丸山は左右フック,右ストレートから左フックを放って好調な滑り出しを見せた。
 しかし,2回からは完全に有永のペース。丸山を強引にロープに押し込み,体ごと叩きつけるような左フックから右フック,アッパーをヒット。有永は体を密着させ,ロープに押し込んでの連打で丸山の消耗を誘う。
 4回,左ストレートでのけぞる丸山をロープに押し込んで左右フックを叩きつける有永。再び左ストレートが効いて,ロープに詰まる丸山は手が出ない。出るか引くか迷いを見せる丸山に対し,有永は右ジャブをポンポンと突いて距離を取るボクシングに切り替えるうまさを見せる。丸山は鼻血を流して苦しくなる。
 5回,有永の右アッパー,叩きつけるような左フックに丸山はグロッギー。6回,丸山は右目上からも出血を見て,さらに窮地に追い込まれた。有永はワイルドな左フックから,この回は小さく速い左ストレートに切り替え,攻勢。大小のパンチをうまく使い分ける有永に翻弄され,丸山は突破口が見出せない。7・8回にも有永の攻勢に丸山はグロッギー。
 敗色濃厚な丸山はよく踏み止まるが,9回に破局が待っていた。右ジャブを多用してリズムを取る有永。ワンツーを食った丸山は思わずクリンチに逃れる。追撃の手を緩めない有永。最後はドンピシャのタイミングで顔面をワンツーで打ち抜かれ,丸山は精魂尽きたように腰から落ちてゆっくりと大の字に沈んだ。カウント途中にタオルが投入された。

 有永は随所に見せ場を作って堂々たる初防衛を飾った。初回こそリードを許したが,2回以降は強引とも思えるワイルドな左フックを主体に主導権を奪った。中盤にはワイルドな攻撃に加えて,ノーモーションの速い左ストレートを多用し,目先を変えるうまさを見せた。このワイルドな左右フックに加えてオーソドックスな左ストレートを織り交ぜた攻撃に,丸山は的が絞れなかったのではないか。さらに終盤には突破口が見出せない丸山に右ジャブをポンポン突いて距離を取るなど,変化のある攻撃が目立った。バランスは悪いが,ワイルドな攻撃の影で,硬軟織り交ぜるうまさが光った見事な試合と言える。
 デビュー以来9連続1ラウンドKO勝ち(13連続KO勝ち)でセンセーションを巻き起こした無敗のホープ丸山だが,経験不足を露呈した。2回に有永が強引にペースを変えようとすると,途端に対処できなくなり,ズルズルと泥沼に嵌ってしまった。有永の巧みな打ち分けに翻弄され,攻め口を見出せないままに後手に回ってしまったことが敗因。非常にいいものを持っているので,ぜひ積極的に中央に出て揉まれ,経験を積んで欲しい。強豪に揉まれてこそ素質が開花することを忘れてはいけない。

8回までの採点 有永 丸山
主審:ビニー・マーチン 79 73
副審:浦谷信彰 79 71
副審:ウクリッド・サラサス 79 75
参考:MAOMIE 79 73


     ○有永:24戦19勝(9KO)4敗1分
     ●丸山:19戦18勝(13KO)1敗
     放送:テレビ東京
     解説:川嶋勝重&木村章司
     実況:島田弘久

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                          2005年8月22日(月)    後楽園ホール
                                  8回戦
                    日本ミニマム級10位     K      O    タイ国ミニマム級(ノーランク)
                ○   八重樫 東     2回1分38秒    ダンチャイ・シスサイソン  ●
                         (大橋) 106 lbs                           (タイ) 106 lbs
                       八重樫東=やえがし・あきら

 初回,やや低目のガードからダンチャイの右の打ち終わりに左フックをカウンターする八重樫。接近して右ストレートの打ち下ろしを見せる。終盤,左右アッパーからボディへの左右フックの攻勢で,苦しげに体を折り曲げるダンチャイ。
 2回,ロープに詰まったところにワンツーからの右アッパーに次ぐ右ストレートがフォローされると,ダンチャイはたまらずダウン。右フックで2度目。よろめきながらも立ち上がったが,最後は左右のボディ連打から右ストレートで3度目のダウンを喫して万事休す。

 八重樫の最大の長所は強打に加えて,何と言ってもハンドスピード。強いパンチを矢継ぎ早に連打できることが最大の強みである。上下への打ち分けも巧みで,経験を積めば世界も期待できる逸材である。パンチに強弱がつけられればさらによくなる。ただし,ガードが低いので,足を止めて正面から打ち合うのは危険。いいフットワークがあるので,出入りを鋭くするように心掛けるべきだろう。

     主審:熊崎広大,副審:ウクリッド・サラサス&ほか2名は不明
     ○八重樫:3戦3勝(3KO)     ●ダンチャイ:戦績不明
     放送:テレビ東京     解説:川嶋勝重&木村章司     実況:赤平大

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