熱戦譜〜2005年4月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.04.02  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 榎洋之  判定  武本在樹
2005.04.02  日本スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 本望信人  10R負傷判定  真鍋圭太
2005.04.04  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 高山勝成  判定  イサック・ブストス
2005.04.04  東洋太平洋ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 ロデル・マヨール  判定  興梠貴之
2005.04.04 10回戦  中島健  判定  アルマン・デラクルス
2005.04.11  日本フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 内藤大助  判定  榎本信行
2005.04.11 10回戦  相澤国之  TKO7R  ヨッピー・ベヌー
2005.04.16  WBC世界バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 長谷川穂積  判定  ウィラポン・ナコンルアンプロモーション
2005.04.16  WBA世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 新井田豊  判定  金 在原
10 2005.04.16  日本スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 木村章司  判定  中島吉謙
11 2005.04.16 6回戦  粟生隆寛  判定  マリオ・ロドリゲス
12 2005.04.16 6回戦  ホルヘ・リナレス  KO4R  ルイス・ペレス
13 2005.04.18 10回戦  坂田健史  KO1R  ゴントラニー・ゴーグーマノン
14 2005.04.18 10回戦  渡辺一久  判定  竜 宮城
15 2005.04.19  日本スーパー・ウェルター級
 タイトルマッチ10回戦
 クレイジー・キム  TKO2R  前田宏行
16 2005.04.19 10回戦  嶋田雄大  KO2R  チャイラナイ・ウアンサンバン
17 2005.04.19 8回戦  センサック・シンマナサック  KO2R  結城康友
18 2005.04.29  WBA世界スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 マヤル・モンシプール  TKO6R  仲里繁
19 2005.04.29 8回戦  西岡利晃  TKO2R  ムスタファ・アバハラウィ

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                       2005年4月2日(土)    後楽園ホール
                       日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(WBA14位)  
                ○   榎 洋之    判 定    武本在樹    ●
                       (角海老宝石)  126 lbs            (千里馬神戸)  126 lbs
                     WBA13位,WBC12位

 初回,先手を取ったのは武本。立ち上がりの遅い榎に対し,左ジャブを突いて前に出て,右フックでボディを叩き,ワンツーを浴びせる。色白の榎の鼻の周囲が早くも赤く染まる。2回にも武本の左ジャブ,ワンツーで榎が後退。武本はさらに右ストレートをボディに送って序盤の主導権を掌握した。
 しかし,3回,沈黙していた榎得意の左ジャブ,ストレートが鋭さを増す。両者真剣な眼差しで相打ちの左ジャブを交換するが,榎の方が数段上の威力を見せる。この左で武本の出足が鈍る。榎は右フックのボディブローをヒット。4回にはこの左ジャブで武本の顔が上を向く場面が多くなる。
 5回,榎の左ジャブを受け,武本の右目下が腫れ始める。序盤の主導権を握っていた武本が後退を余儀なくされる場面が目立つ。
 7回,ジリジリとプレッシャーをかける榎は左ジャブにワンツー,右アッパーを交える。冷静そのものの榎に対して,徐々に追い込まれた武本の表情からは余裕が感じられない。榎,さらに右フックをボディに。
 8回,武本は下がりながらではあるが左ジャブをよくヒットして挽回をはかる。ロープを背にした榎が武本の左ストレートを直撃されてのけぞる場面が見られた。
 しかし,9回,榎がピッチを上げてプレッシャーを強めると試合の流れは完全に榎のものとなった。左ジャブ,ワンツーに左右アッパーを交えた攻勢に武本は劣勢。10回,左ジャブ2発に次ぐワンツーから攻勢に出る榎はワンツー,左右アッパーでさらにプレッシャーを強めた。武本もよく頑張るが,榎の攻勢が上。

 榎は2度目の防衛に成功。立ち上がりこそ武本の積極的な攻撃を許したが,3回以降は得意の左ジャブ,ストレートを軸にプレッシャーをかけて主導権を奪回した。ムダ打ちを避けてスタミナのロスを抑え,冷静に戦況を観察しながら攻めるボクシングは見事。ゆったりとプレッシャーをかける場面とピッチを上げて攻める場面というようにメリハリを付けていた点が良かった。
 しかし,今夜は全般的に手数が少なく,ファンを苛立たせた。もう少し前半から手数を多くして,ボディにパンチを集めていればストップに持ち込めた可能性もある。この手数の少なさは榎の欠点のひとつ。世界レベルでは手数が少なければ戦えないということを肝に銘じて欲しい。左ジャブ,ストレートが自分のボクシングの生命線だということを忘れないことである。
 武本はよく頑張って試合を盛り上げており,賞賛に値する。しかし,3回以降榎が鋭い左ジャブを多用すると後退させられる場面が目立った。左ジャブ,ワンツー,ボディへの右フックなどで再三榎を苦しめる場面を見せたが,終盤はプレッシャーをかけられて精神的に目一杯という感じであり,ゆとりを持って戦っていた榎とは地力という面で格段の開きがあった。心理的な面まで含めて考えると印象的には接近していたポイント差以上の実力差を感じた。

採点結果 武本
主審:島川威 *** ***
副審:福地勇治 97 94
副審:土屋末広 97 94
副審:内田正一 97 96
参考:MAOMIE 97 94


     ○榎:23戦22勝(17KO)1分
     ●武本:22戦16勝(11KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:田中毅

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                          2005年4月2日(土)    後楽園ホール
                        日本スーパー・フェザー級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン      負 傷 判 定   挑戦者(同級1位)  
                ○   本望信人     10回1分35秒    真鍋圭太  ●
                     (角海老宝石)  129 3/4 lbs                       (石川) 130 lbs
                     WBA6位,WBC9位

 初回,真鍋の強打を警戒して慎重な立ち上がりを見せる本望。真鍋は終盤ワンツーの連打で本望に迫り,ロープを背負わせる。
 2回以降は本望の動きが忙しくなった。左右に動き,スピードに乗ったアウトボクシングで真鍋の強打を封じる作戦。3回,真鍋はバッティングで鼻血を出し,これが中盤以降にスタミナをロスする一因となった。本望はスピ−ドに乗ったフットワークから思い切ったワンツーを浴びせる。
 しかし,4回,本望は右ストレートを受けて左目上をカットするハンデを負う(真鍋の有効打によるもの)。ここからTKO負けを警戒して勝負を急ぐ本望の動きが忙しさを増す。
 5回以降は本望得意の縦横無尽なアウトボクシングが冴え渡った。本望は動き回って強打をかわし,真鍋の打ち終わりに素早い左右フックをつるべ打ちする。真鍋は焦り気味に突っ込むが,本望に体をかわされる場面が目立った。6回には攻めあぐんでいる真鍋の間隙を突くような左右の6連打を浴びせた。
 7回,動きの中から右フックをカウンター気味にヒットする本望。真鍋は動きを止めようとボディを攻めるが追い切れない。8回には真鍋に疲れが見え,振りが大きくなる。
 しかし,9回,真鍋の右ストレートがクロス気味にクリ−ンヒットして,本望は一瞬ぐらついて動きが鈍った。本望は巧みなクリンチに出るが,バッティングで右目上もカットするハンデを負った。
 そして大詰めの10回,真鍋が勝負を賭けて攻勢に出る。右ストレートを受けた本望はクリンチに逃れ,機を見て左右フックを返すが,再び左目上から夥しい出血を見る。リング下から見ていて,切れた瞼がブラついている状態で誰の目にも続行不能とわかるほどの傷。すぐさま福地主審が割って入る。ドクターチェックの結果はやはり続行不能。そのままストップとなった。4回に有効打でカットした左目上の傷とは別物で,10回に発生したバッティングによる新たな傷との判断が下った。JBCルールにより当該の10回を含む採点で上回った本望の負傷判定勝ちとなった。

 本望は7度目の防衛に成功。終盤に強打を受けて危ない場面を作ったが,試合全般を通して得意のアウトボクシングで真鍋を翻弄した。縦横無尽にリングの面積を最大限に生かす機動力重視の戦法は本望ならではの持ち味である。出ると見せて引き,引くと見せて出る変幻自在のボクシングに一層磨きがかかった。攻めあぐむ真鍋の一瞬の間隙を突いて連打をまとめるなど,スピードとうまさは現役随一。
 予想以上の健闘で試合を盛り上げた真鍋の積極的なボクシングも光った。中盤以降に疲れが出てチャンスを逸したが,最後まで本望を苦しめた強打は折り紙付き。いつもよりスピードがあり,鉄壁のディフェンスを誇る本望を相手に,倒すことよりも当てることに重点を置く作戦が読み取れた。振りが大きくなってかわされ,迷っているところに連打を浴びたのが痛かったが,あの破壊力抜群の強打は魅力十分。必ず次のチャンスが来るので,今回の敗戦を糧として欲しい。

採点結果 本望 真鍋
主審:福地勇治 *** ***
副審:鮫島英一郎 97 94
副審:ウクリッド・サラサス 98 94
副審:内田正一 97 95
参考:MAOMIE 96 94


     ○本望:32戦26勝(5KO)4敗2分
     ●真鍋:23戦20勝(18KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:羽鳥慎一

※ 10回途中に本望が偶然のバッティングで負った傷によって試合続行不能となったため,当該の10回を含む採点で勝敗を決する。

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               2005年4月4日(月)    大阪市中央体育館サブアリーナ
                    WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級13位)            チャンピオン
                ○  高山勝成     判 定   イサック・ブストス  ●
                      (グリーンツダ) 105 lbs            (メキシコ) 105 lbs

 初回から前後左右によく動く高山。積極的にワンツー,左右ボディブローで攻勢に出る。ブストスも右ストレートをカウンター気味にヒットするが,高山の動きについていけない。2回以降も高山は早い出入りでかく乱し,ワンツー,左右フックの連打を浴びせて着実にポイントを重ねる。3回,踏み込んで放った左ストレートがブストスの顔面をクリ−ンヒット。
 4回,高山のボディ連打からの右フックがブストスの顔面に決まる。5回,ブストスの右ストレートで高山の膝が揺れる場面があったが,スピードと手数の差は埋まらない。
 7回,高山はブストスをロープに詰めてワンツーを浴びせるが,ブストスは終盤に左右アッパーのボディブローで押し返して王者の意地を見せる。
 しかし,8回以降は高山が足と手数で圧倒した。9・10回にはいずれも終了間際の連打でブストスを追い詰める。11回にはブストスは鼻から出血して敗色濃厚となる。
 12回,勝利を確信して気を抜いた高山はブストスの右アッパーでぐらつき,思わぬピンチを迎えたが,足を使ってブストスの反撃を凌ぎ,初挑戦で世界タイトルを手にした。

 高山は日本のジム所属選手としては50人目の世界王者。非力なパンチを動きと手数でカバーし,見事な王座奪取となった。スピード不足のブストスを前後左右への動きでかく乱し,相手が打ち気に出ると素早く距離を取る頭脳的なアウトボクシングが光る。粘っこいブストスを深追いせず,自分のボクシングを貫いたことが勝因。しかし,パンチは非力でスピードも世界レベルで見れば平凡。ブストスは前王者・イーグル京和(角海老宝石)の負傷で王座についた幸運なチャンピオンである。高山はそのブストスへの挑戦という幸運なチャンスを得てタイトルを獲得したことを忘れてはいけない。世界は広い。防衛していくためには,今夜の勝利に満足することなく,なお一層の精進が求められる。打ち合いのときに不用意に頭を下げる悪い癖があるので,これは矯正した方がいい。
 わずか3ヶ月余りという短命王者に終わったブストス。執拗な連打と粘りのボクシングが身上だが,スピード不足が致命傷となった。最後まで高山の動きについていけず,完敗となった。

採点結果 高山 ブストス
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:フランシスコ・バスケス(スペイン) 115 113
副審:ビル・クランシー(米国) 117 111
副審:ブラッド・ボカレ(豪州) 117 112
参考:MAOMIE 118 111


     ○高山:16戦15勝(7KO)1敗
     ●ブストス:34戦24勝(13KO)7敗3分

     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹

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                  2005年4月4日(月)    大阪市中央体育館サブアリーナ
                     東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン               挑戦者(同級5位)
                ○ ロデル・マヨール    判 定    興梠貴之  ●
                      (比国)  104 1/2 lbs           (グリーンツダ) 105 lbs
                      WBC2位                              興梠貴之=こおろぎ・たかゆき

 初回,鋭い踏み込みから左ジャブ,右ストレートを伸ばして積極的に迫るマヨール。興梠は強打を警戒して慎重な立ち上がり。マヨールは伸び上がるようにして放つ左ジャブ,ストレートに次ぐ右ストレート,さらにボディへの左アッパーで早くも攻勢を見せる。
 3回,ワンツーからの左フックで腰が落ちてバランスを崩す興梠。興梠はサイドに回り込みたいが,それができず真正面で迎え撃つ形になる。6回,相打ちの右フックでともにバランスを崩すが,ロープ際に弾き飛ばされたのは興梠。ここでもパンチ力の差が出た。マヨールはさらにワンツー,ボディへの左アッパーで攻勢。8回,マヨールは思い切った左右のボディ攻撃を見せる。
 ワンサイドゲームとなったが,9回に最大のヤマ場が訪れた。リング中央でマヨールが放った右から左のストレート。この逆ワンツーを真正面から受け,興梠はもんどりうってダウン。
 終盤は疲れの見えるマヨールに対して,興梠も大きな右フックを振って反撃を試みるが,決定打につながらない。

 マヨールはミニマム級としては破格のパンチ力を誇る右ボクサーファイター。鋭い左ジャブで間合いを測り,右ストレート,ボディへの左アッパーなどの思い切った攻めを見せる。攻撃が直線的なことが欠点だが,踏み込みがよくて伸びがあるので,パンチの破壊力は抜群。
 興梠は気迫は十分だったが,やはりマヨールの強打を警戒して消極的なボクシングになってしまったことが惜しまれる。足の動きが見られず,真正面でマヨールの強打と対峙する形になった。マヨールの動きが直線的なだけに,左右に回り込んでサイドからの攻撃を仕掛けるべきだった。

採点結果 マヨール 興梠
主審:ビル・クランシー(米国) 120 107
副審:ブルース・マクタビッシュ(ニュージーランド) 120 107
副審:安田裕候 120 107
参考:MAOMIE 120 107

     ○マヨール:21戦21勝(16KO)
     ●興梠:21戦13勝(4KO)5敗3分

     放送:スカイA
     解説:山口圭司
     実況:松原宏樹

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                  2005年4月4日(月)    大阪市中央体育館サブアリーナ
                              10回戦
                東洋太平洋L・フライ級9位         WBC世界ミニマム級8位
               ○  中島 健       判 定    アルマン・デラクルス  ●
                     (グリーンツダ) 108 lbs                (比国) 108 lbs

 初回,先手を取ったのはサウスポーのデラクルス。打ち気満々で中島に迫り,いきなり左ストレートを中島の顔面に見舞う。この一発で腰が落ちた中島はロープを背にして早くもピンチを迎える。2回にもデラクルスの思い切った左ストレートを受けてロープに詰まる中島。チャンスと見たデラクルスはすかさず左右のボディブローで攻勢。
 しかし,4回から中島が立て直した。右ストレートのボディ打ちから上への左フック,さらに右ストレートにつなぐコンビネーションをヒットする。5回終了間際には足を止めての打ち合いで左右のボディブローを放つ中島。
 中盤以降は中島が単発ながらも右ストレートを多用して主導権を奪回した。7回,中島は軽い右のフェイントで誘い,ワンツーをクリーンヒットする頭脳的な攻撃を見せる。デラクルスは思わずクリンチに逃れた。中島はさらに踏み込んで右ストレートをヒット。
 8回,中島はノーモーションからの右ストレートでデラクルスをのけぞらせた。単発ながらもこの右ストレートが再三ヒットした。
 10回,デラクルスも左フックを放つが,中島は終盤に右ストレート,左フックから接近して左右のボディ攻撃で攻勢。

 アマ出身のホープ中島が世界ランカーのデラクルスを破る金星を手にした。序盤戦こそデラクルスの思い切った攻撃で後手に回ったが,4回以降,武器の右ストレートを多用して反撃に転じた。この右がサウスポーのデラクルスには効果的で,中盤からデラクルスの思い切った左ストレートが減った。ノーモーションから放つタイミングのいい右ストレートがいい。ただし,この右が単発で,フォローの左フックが少なかった点が気になった。右を当ててすぐにクリンチに出るので,なかなか次の攻撃につながらない。これが今後の課題になる。パンチを打つときにアゴが上がるのが最大の欠点。これは矯正しないと非常に危険である。
 デラクルスはサウスポーのファイタータイプ。非常に好戦的なボクシングスタイルで,左ストレート,フックを振って思い切った攻撃を展開する。単調で振りは大きいが,見切りが良く,パンチには威力がある。

採点結果 中島 デラクルス
主審:原田武男 *** ***
副審:宮崎久利 98 92
副審:大黒利明 97 93
副審:北村信行 96 94
参考:MAOMIE 97 94


     ○中島:15戦13勝(8KO)2敗
     ●デラクルス:24戦17勝(7KO)6敗1分

     放送:スカイA
     解説:なし
     実況:岩本計介

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                       2005年4月11日(月)    後楽園ホール
                       日本フライ級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン           挑戦者(同級1位)  
                ○  内藤大助    判 定    榎本信行    ●
                       (宮田)  112 lbs                (三迫)  111 3/4 lbs

 試合前から激しく内藤を挑発するサウスポーの榎本。2回,内藤の右フックより一瞬早く榎本の左ストレートがヒット。攻め込んで行く内藤だが,3回にも打ち気に出てラフになったところにタイミングのいい左ストレートを食う。
 4回,バッティングで内藤の右目が腫れ始める。ロープに下がった榎本が右フックを返そうとしたところに,逆に内藤の右フックがヒットして榎本ダウン。このチャンスに内藤は大振りになる悪い癖が出る。榎本の入り際に右アッパーを合わせるが,逆に榎本の右フックを食う。
 6回に入ると内藤の右目の腫れがひどくなり,一時中断。榎本のオーバーハンドの左ストレートがヒットする。
 9回,入り際に合わせる内藤の右アッパーが再三ヒットしてぐらつく榎本。榎本もよく頑張るが,内藤のパンチ力が上回る。
 10回,内藤にKOチャンスが訪れた。両者死力を振り絞っての打ち合いになったが,内藤の左フックで榎本の足がもつれる。一気に攻勢に出る内藤。榎本は左フック,右ストレート,アッパーにフラフラになりながらも辛うじて持ちこたえた。

 激闘となったが,内藤のパンチ力が榎本の執念を制した。内藤は2度目の防衛に成功。
 内藤は右の強打に頼り過ぎで,雑な攻撃に終始した。ガードも甘く,榎本のタイミングのいい左ストレートで再三ぐらつく場面を見せた。アゴが上がる欠点も露呈した。もう少し捨てパンチを使い,その中から強打をヒットするように心がけたい。榎本の執念に手を焼いたが,入り際に合わせる右アッパーのカウンターで突進を止める作戦が奏功した。
 激しい執念を見せた榎本。内藤の出バナにうまく左ストレート,フックを決めたが,やはりパンチ力の差が出たと言える。

採点結果 内藤 榎本
主審:安部和夫 *** ***
副審:福地勇治 97 92
副審:葛城明彦 95 94
副審:内田正一 97 92
参考:MAOMIE 97 92


     ○内藤:30戦27勝(19KO)1敗2分
     ●榎本:24戦17勝(2KO)4敗3分

     放送:フジ739
     解説:川島郭志
     実況:佐野瑞樹

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                        2005年4月11日(月)    後楽園ホール
                                10回戦
                    日本S・フライ級2位  T   K   O   東洋太平洋フライ級10位      
                ○   相澤国之    7回1分43秒     ヨッピー・ベヌー   ●
                        (三迫)  115 1/2 lbs                     (インドネシア)  114 1/4 lbs

 初回,相澤はリラックスした構えから左ジャブ,ボディへの左アッパー,右フックで早くもプレッシャーをかける。
 3回,左ジャブに右クロスをかぶせれば,タフなベヌーがバランスを崩す。4回,ベヌーも右ストレートを放つが,後半相澤が攻撃のピッチを上げた。
 5回,ボディにパンチを集める相澤。ベヌーは鼻血を流す。6回終盤にはワンツー,ボディへの左右アッパーで相澤が攻勢。
 そして7回,左アッパーのボディ打ちに次ぐ左フックでぐらついたベヌーは必死に抱きついてピンチを脱しようとする。しかし,左アッパーでのけぞったところで,吉田主審がストップした。

 相澤は上下への打ち分けが冴え,タフなベヌーをストップに追い込んだ。多彩なコンビネーションブローは相変わらずで,パンチに強弱があった点が評価できる。欲を言えば,もっと出入りを鋭くしたい。今すぐにでも日本タイトルに挑戦するだけの実力はある。小さくまとまらず,日本タイトルの先にあるものを見据えて精進して欲しい。
 ベヌーはタフで意外にガードが堅い。左フック,右ストレートが武器だが,パンチ力は感じられない。

     主審:吉田和敏,副審:葛城明彦&浅尾和信&安部和夫
     ○相澤:9戦8勝(6KO)1分     ●ベヌー:30戦21勝(6KO)5敗4分
     放送:フジ739     解説:川島郭志     実況:渡邉卓哉

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                        2005年4月16日(土)    日本武道館
                       WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級4位)                    チャンピオン
                ○  長谷川穂積    判 定   ウィラポン・ナコンルアンプロモーション  ●
                      (千里馬神戸) 118 lbs                      (タイ) 118 lbs

 初回開始早々からジリジリと距離を詰めて迫るウィラポン。しかし長谷川得意の左ストレートがクリーンヒットし,バランスのいいウィラポンの体が泳ぐ場面が見られた。長谷川はさらにボディへの左フック,顔面への左ストレートとつなぎ,これ以上ないほどの好スタートを切った。長谷川は終了間際の打ち合いでも左アッパーのボディブローを見舞う。
 前日の計量で失敗(300cオーバー)したウィラポンは前に出るものの,いつものようなスピードや踏み込みが見られない。2回には右ストレートを振ってプレッシャーをかけるが,逆に長谷川のスピーディなワンツー,右フックを浴びる。
 3・4回もジリジリ出るウィラポンを迎え撃った長谷川が右フック,左ストレートを連打する展開。長谷川は下がりながらわずかに右に回りこんでウィラポンの焦りを誘い,果敢にパンチをまとめる作戦で完全に主導権を握った。4回,長谷川はウィラポンの右ストレートで左目上をカットするハンデを負った。
 5回,ウィラポンがなりふり構わぬボディ攻撃に出るが,長谷川はよく応戦。右に回り込んで左ストレート,右フック。ウィラポンは足が思うようについて行かず,長谷川のパンチをまともに食う場面が目立った。
 6回,体を密着させての打ち合いになる。この回はウィラポンのプレッシャーが上回ったが,長谷川も負けずに押し返す場面を見せた。
 劣勢のウィラポンだが,防衛14度のプライドを見せたのは中盤から終盤にかけて。8・9回,得意のノーモーションの右ストレートを上下に放ち,左アッパーをボディから上に返して反撃に転じた。
 この試合で最大のヤマ場は10回。プレッシャーをかけるウィラポンだが,長谷川は渾身の右フック,左ストレートで一気に攻勢。珍しくダメージの色を覗かせたウィラポンは棒立ちでロープやコーナーを背負い,ピンチ。長谷川のKOチャンスに会場のボルテージは最高潮に達した。
 11回,激しい打ち合い。ウィラポンは右ストレートを振って迫るが,長谷川も負けずに右フック,左ストレートを返し,クリ−ンヒットで上回った。
 12回,逆転を狙うウィラポンは徹底したボディ攻撃。死にもの狂いで出るウィラポンのボディ打ちに長谷川は苦しげな表情を見せたが,必死に左右フックを返し,両者死力を振り絞っての激しい打ち合いの中で終了ゴングが鳴った。

 初挑戦の長谷川が不利の予想を覆して見事にベルトを手にした。15度目の防衛を目指した難攻不落のウィラポンに打ち勝っての堂々たる勝利である。日本のジム所属選手としては近来になく価値が高い世界タイトル奪取と言っていいだろう。
 長谷川の勝因は動きが鈍いウィラポンに対し,スピードに乗った左ストレート,右フックをまとめ,前半で完全に主導権を握ってしまったこと。無駄打ちを避け,ウィラポンの焦りを誘うように下がりながらやや右に回って放つコンビネーションブローが非常に効果的だった。もう少し右への回り込みが多ければもっと楽な展開になっていたと思う。心配された直線的な動きになる悪い癖が少し解消されていた点が評価できる。
 ついに落城の日を迎えたウィラポンが中盤から終盤に見せた勝利への執念には鬼気迫るものがあり,王者のプライドを存分に見せた。前日の計量でウェイトオーバーとなり,約1時間のロープ跳びをやった末に2度目の計量で辛うじてパスしたウィラポンはいつになく動きが鈍かった。プレッシャーをかけようと前に出るが,足が追随せず,スピードに乗る長谷川を捉え切れなかった。パンチに対する反応も鈍く,長谷川の左ストレートを正面から受けてしまう場面が目立った。これは計量の失敗と言うよりも36歳という年齢に起因する衰えと考えた方が妥当だろう。王座陥落で今後の去就が注目されるが,アジアの巨人として世界に君臨し続けた功績は計り知れない。そのウィラポンを破った長谷川のベルトが価値を増すのは当然と言っていい。

採点結果 長谷川 ウィラポン
主審:グアダルペ・ガルシア(メキシコ) *** ***
副審:デュエイン・フォード(米国) 116 112
副審:ゲイル・バン・ホイ(米国) 115 113
副審:バート・クレメンツ(米国) 115 113
参考:MAOMIE 116 112


     ○長谷川:20戦18勝(5KO)2敗
     ●ウィラポン:51戦47勝(33KO)2敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:長谷川憲司

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                        2005年4月16日(土)    日本武道館
                        WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                       チャンピオン             挑戦者(同級4位)
                  ○  新井田豊    判 定    金 在原  ●
                          (横浜光) 105 lbs            (韓国) 105 lbs

 開始ゴングと同時に前に出る金をよく見て左ジャブで迎え撃つ新井田。左ボディブローからの右フックで早くも金がバランスを崩す。新井田は落ち着きのあるボクシングで好調な滑り出しを見せた。
 2回,前進する金を迎え撃ち,ボディ連打から上への左右フックで逆に後退させる新井田。右ストレートもクリーンヒット。5回,金は手数が出るが,新井田は冷静に対処し,金の打ち終わりに左右フック,右ストレートを的確にヒットする。6回終了間際には金をロープに詰めて左右連打の攻勢。
 6回まではほぼ新井田のペース。金の手数,タフネスは驚異的で新井田が持て余す場面を見せたが,さすがの金も打ち疲れのためか,終盤は振りが大きくなる。9回終盤には激しいパンチの交換となったが,やや金の足元にふらつきが見えた。
 10回,金の右ストレートで一瞬ふらつく新井田だが,終盤の激しい打ち合いの中で右フックでぐらつかせる。新井田がロープに詰めて攻勢に出れば金は棒立ちとなる。
 11回,左フックを受けた金はぐらついてロープを背にする。新井田は右ストレートでぐらつきながらも,終盤の激しい打ち合いを制した。12回,意地と意地との激突のような打ち合いが続くが,新井田にもかなりの疲労が見られる。

 タフな金に手を焼く場面はあったものの,まずは新井田の明白な判定勝ち。よく見て的確にクリーンヒットを奪う冷静なボクシングが光った。特に打ち終わりにすかさずパンチをまとめたり,右ストレートをカウンターで合わせていた点が良かった。従来から指摘されていた欠点である手数の少なさが改良されていた点を高く評価する。今後防衛を重ね,さらに安定感が増すように精進をお願いしたい。
 金は左右フックを得意とするコリアンファイターの標本のような選手。パンチ力は今ひとつだが,タフネスと手数を身上としている。特にタフネスは想像以上であり,感嘆に値する。戦う相手としては,これ以上にいやな相手はいないだろう。打ち疲れのために,さすがに終盤は振りが大きくなったが,足元がふらつきながらも手数だけは最後まで衰えを見せなかった。その根性に脱帽である。

採点結果 新井田
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:アコム・ワンナシット(タイ) 119 111
副審:ピニット・プラヤドサブ(タイ) 118 110
副審:フランシスコ・マルチネス(ニュージーランド) 117 112
参考:MAOMIE 118 112


     ○新井田:22戦18勝(8KO)1敗3分
     ●金:23戦19勝(6KO)2敗2分

     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:船越雅史

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                       2005年4月16日(土)    日本武道館
                       日本スーパー・バンタム級タイトルマッチ10回戦
                      挑戦者(WBA4位)          チャンピオン
                    ○  木村章司   判 定   中島吉謙  ●
                             (花形) 122 lbs            (角海老宝石) 122 lbs
                            WBC8位                  WBC4位

 スタートからハイレベルな攻防が展開された。3回,先に手を出したのは中島。開始早々に左右フック,右ストレートで攻勢に出る。
 4回,スピードに乗った左ジャブ,ワンツーでプレッシャーをかける中島。しかし,中島の右の打ち終わりに合わせた木村の右ストレートが絶妙なカウンターになり,中島不覚のダウン。立ち上がった中島は逆にプレッシャーをかける。
 5回,挽回を狙ってプレッシャーをかける中島だが,木村は左に回りこむ巧みなフットワークでこれを許さず,左アッパーをカウンター気味にヒット。さらに右ストレート,ボディへの左アッパーを放ってリードする。木村はさらに右ストレートでボディを叩く。
 6回,木村は中島の出バナに右フックをクリーンヒット。中島のプレッシャーを左に回りこんでかわし,終盤再び右フックをヒットすると,すかさずフォローした左フックで中島を後退させる。7回にも木村の右ストレートがカウンターでヒットする。中島はよく頑張るが,バッティングで左目上をカットするハンデを負う。
 8・9回は中島が王者のプライドを見せた。左ジャブ,ストレート主体に闘志を前面に出す気迫のボクシングで木村に迫る。10回,中島の右フックで一瞬動きが止まる木村だが,打ち合いに応じて譲らず。

 世界ランカー同士の名に恥じぬハイレベルな攻防の連続で,非常に見応えのある一戦となった。
 木村は右ボクサータイプ。速いフットワークとシャープなワンツーを身上としており,クレバーな試合運びが光る。最大の武器である右ストレートのカウンターは速いサークリングの中から一瞬の隙を突いて繰り出すもので,抜群のタイミングを誇る。4回にダウンを奪った右ストレートは中島の打ち終わりに合わせた見事なカウンターとなった。アウトボクシングだけでなく,足を止めての打ち合いにも対応できる器用な一面も兼ね備えており,ボクシングセンスは高く評価できる。ディフェンス一辺倒になることなく,足と左を軸に自分から試合を作る姿勢を持ち続ければ,今後さらに大化けするポテンシャルを秘めている。
 最後まで王者のプライドを見せた中島の戦いぶりも脱帽もの。ダウンを喫した直後から逆にプレッシャーをかけて木村を追い込んだあたりは,十分に見せ場を作った。王座獲得以来の厳しいマッチメークで鍛えられた精神力を存分に披露したと言える。まだまだ復活は可能。この敗戦を糧として捲土重来,再起に期待する。

採点結果 木村 中島
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:福地勇治 96 95
副審:ウクリッド・サラサス 95 97
副審:内田正一 96 95
参考:MAOMIE 97 95


     ○木村:19戦18勝(7KO)1分
     ●中島:27戦15勝(3KO)7敗5分

     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:寺島淳司

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                      2005年4月16日(土)    日本武道館
                             6回戦
                  日本フェザー級10位          メキシコ・フェザー級(ノーランク)
               ○  粟生隆寛    判 定   マリオ・ロドリゲス  ●
                      (帝拳) 127 lbs             (メキシコ) 126 3/4 lbs

 初回,ジリジリと距離を詰めて右ジャブからボディへの左ストレートを伸ばす粟生。ロドリゲスも左右フックで応戦するが,スピードの差は歴然。2回,粟生はロドリゲスの入り際に右フック,すかさずボディに左ストレートをヒットする。ロドリゲスは揉み合いに持ち込むが,粟生は左右アッパーでボディを叩く。
 3回,粟生は右フックからの左ストレートでロドリゲスをのけぞらせてロープに飛ばすが,フォローを欠く。4回終盤にはロドリゲスをロープに詰めてワンツー,左右フックでようやく連打をみせたが,しぶといロドリゲスを捉えきれない。
 6回,粟生は左右の連打を見せるが,ついに倒しきれず,終了ゴングを聞いた。

 大差の判定勝ちでプロ入り後7連勝をマークした粟生だが,しぶといロドリゲスに手を焼き,フィニッシュを逸した。粟生にとっては拙戦の部類に入るだろう。揉み合いを狙うロドリゲスのペースに合わせてしまい,単発に終わってしまったことが苦戦の原因。いっしょに揉み合うのではなく,ふりほどいて細かい連打で突き放すべきだった。世界にはいろいろなやりにくい相手がいる。今回の苦戦は若い粟生にとっては貴重な経験になったはず。
 ロドリゲスは変則的な右ファイタータイプ。ベタ足で動きが鈍く,放つ左右フックは大振りでスピードはないが,しぶとさが身上。

採点結果 粟生 ロドリゲス
主審:島川威 *** ***
副審:ウクリッド・サラサス 60 52
副審:浦谷信彰 60 54
副審:杉山利夫 60 54
参考:MAOMIE 60 50


     ○粟生:7戦7勝(5KO)
     ●ロドリゲス:9戦5勝(3KO)4敗

     放送:G+
     解説:飯田覚士
     実況:田中毅

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                      2005年4月16日(土)    日本武道館
                                6回戦
               WBA世界S・バンタム級6位    K      O    メキシコ・フェザー級(ノーランク)       
             ○    ホルヘ・リナレス     4回1分49秒      ルイス・ペレス   ●
                  (帝拳=ベネズエラ)  127 1/2 lbs                     (メキシコ)  128 lbs
                 WBA世界フェザー級10位

 初回,リナレスは慎重な立ち上がりを見せるが,速い左ジャブから左フックをダブル,トリプルで連打。終盤には左フック,右ストレートをクリーンヒットする。
 2回,速射砲のような左ジャブからペレスの入り際に左フックをカウンターでヒット。さらにボディへの左アッパーを放ち,圧倒的なスピードの差を見せつけた。ガードが堅いペレスだが,リナレスのスピーディな攻撃に圧倒され,攻め手を封じられる。
 4回のフィニッシュシーンは圧巻。自分から前に出て流れを変えようとするペレスだが,リナレスの左フックに次ぐ右ストレートでまともにアゴを打ち抜かれてたまらず大の字。ダメージは明白で,サラサス主審はカウントの途中で試合を止めた。

 リナレスの閃光のようなワンパンチKO。フィニッシュとなったのは軽い左フックから打ち下ろした右ストレート。タイミング,角度ともに抜群であり,あれでまともにアゴを貫通されてはどんなタフな相手でも立っていられないだろう。まだ19歳という若さだが,すでに世界を狙う実力は十分に備えている。プロ入り後14戦目という浅いキャリアだが,チャンスさえあればすぐに世界挑戦させても面白いだろう。今後は取りこぼしのないように精進するだけである。
 ペレスはガッシリとした体型の右ファイタータイプ。顔の前でしっかりブロックやパリーでパンチを外し,すかさず左ジャブ,ワンツーを返すボクシングが身上。しかし,リナレスのスピードの前に得意のボクシングをさせてもらえなかった。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:島川威&浦谷信彰&内田正一
     ○リナレス:14戦14勝(7KO)     ●ペレス:27戦18勝(8KO)9敗
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:望月浩平

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                           2005年4月18日(月)    後楽園ホール
                                   10回戦
                     WBA世界フライ級4位   K      O      タイ国フライ級(ノーランク)
                 ○     坂田健史    1回1分51秒   ゴントラニー・ゴーグーマノン  ●
                            (協栄) 111 3/4 lbs                          (タイ) 112 lbs
                         WBC9位

 開始早々から左ジャブ,ストレートを上下に打ち分けてプレッシャーをかける坂田。リング中央での左フックの相打ちから,ガラ空きのわき腹を左フックが抉れば,間を置いて苦悶の表情を浮かべたゴントラニーはたまらずキャンバスに落ちる。七転八倒したまま,呆気なくカウントアウト。

 昨年6月にロレンソ・パーラ(ベネズエラ)のWBA王座に挑戦して惜敗し,アゴを骨折した坂田が汗ひとつかかずに再起第一戦を飾った。格下相手とは言え,貫禄の差を見せつける内容となった。肩や背中にいい筋肉がつき,一段と逞しくパワーアップした姿を見せた。今夜は肩慣らしをする間もなく終わってしまったが,できれば世界再挑戦までに1〜2試合を挟んだ方がいいだろう。

     主審:浅尾和信,副審:安部和夫&葛城明彦&熊崎広大
     ○坂田:26戦23勝(10KO)2敗1分     ●ゴントラニー:8戦5勝(3KO)3敗
     放送:TBS     解説:竹原慎二&畑山隆則&佐藤修     実況:新夕悦男

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                       2005年4月18日(月)    後楽園ホール
                               10回戦
                  日本フェザー級(ノーランク)            日本フェザー級2位
               ○   渡辺一久      判 定     竜 宮城   ●
                      (角海老宝石) 128 lbs              (沖縄ワールドリング) 127 1/2 lbs

 開始ゴングと同時にグイグイと距離を詰める宮城だが,渡辺はよく動いてスピード十分の左フック,右ストレートを出バナに狙い打ちする。宮城も左フックをヒット。
 2回,渡辺は動きを止めずに宮城の入り際に左右フックを放つ。
 5回,渡辺はフェイントをかけて右ストレートを放ったり,”ジャンピングパンチ”まで見せて宮城をかく乱する。宮城も左ストレートをヒットするが,攻撃が途切れたところを打たれる場面が目立つ。
 後半はともに疲れが見えたが,9回,渡辺は右フックで宮城をぐらつかせる。チャンスと見た渡辺はロープに宮城を押し込んで一気にラッシュ。渡辺も効いているが,体を預けるようにして宮城の反撃を封じる。
 10回,左フックをヒットして宮城をコーナーに詰める渡辺。疲れが見える両者。宮城も譲らず,打ち合いの末に終了ゴングを聞いた。

 タイトル挑戦を狙っていた宮城にとっては痛恨の黒星となった。いつものように前に出るが,パンチを出す前に渡辺に先手を取られ,焦り気味に突っ込んではパンチを浴びるという非常に拙い展開に終始した。折り紙付きの強打を持っているだけに,接近してから打つのではなく,捨てパンチを使って相手の体勢を崩してから攻めるなどの試合の組み立てを覚えて欲しい。
 殊勲の渡辺はガッシリした体躯の右ファイタータイプ。トリッキーな動きやフェイントを駆使し,相手の出バナに左右フック,右ストレートをまとめる戦法を得意としている。卓越した身体能力に加えて,気も強く,相手がひるむとカサにかかって攻めるなどの頭脳的な一面も見せる。今夜は変則的な動きで宮城をかく乱し,相手の攻撃の切れ目や出バナにパンチをまとめる作戦が奏功した。

採点結果 渡辺 宮城
主審:館秀男 *** ***
副審:土屋末広 97 93
副審:安部和夫 98 94
副審:浅尾和信 99 92
参考:MAOMIE (70) (64)


     ○渡辺:11戦9勝(5KO)2敗
     ●宮城:15戦12勝(10KO)1敗2分

     放送:TBS
     解説:竹原慎二&畑山隆則&佐藤修
     実況:土井敏之

※ 第3・4・8ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は第3・4・8ラウンドを除く集計結果です)。

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                             2005年4月19日(火)    後楽園ホール
                           日本スーパー・ウェルター級タイトルマッチ10回戦
                         チャンピオン       T K O     挑戦者(同級1位)
                    ○  クレイジー・キム    2回50秒     前田宏行  ●
                             (ヨネクラ) 153 1/2 lbs                (角海老宝石) 153 1/2 lbs

 開始ゴングと同時に激しい主導権争いとなった。左ジャブ,ストレートの刺し合いからスタートするが,観衆が体格差を思い知るまでに長い時間は不要だった。右ストレート,左アッパー,さらに右から左のフックでボディを叩いてキムが攻勢に出れば,前田はたちまち後退を余儀なくされた。勢いに乗るキムが左フックでぐらつかせ,右フックを追い討ちすれば,タフで鳴る前田もたまらず崩れるようにダウン。立ち上がったところにキムの猛攻があり,前田は2度目のダウン。再開となったが,キムの猛攻にロープ伝いにかわすのが精一杯の前田は辛うじてゴングに救われた。
 2回,ダメージを引きずったままの前田に対してカサにかかって攻勢に出るキム。左右フックを被弾した前田は崩れるようにダウン。辛うじて立ち上がったものの,ラッシュから最後は左フックで前田がよろめいたところで,ついに福地主審がストップ。同時に角海老宝石陣営からタオルが投入された。

 今年のチャンピオンカーニバルで最も注目度が高かった好カードは王者の圧勝に終わった。キムはいつになく基本に忠実な攻撃の組み立てを見せた。左アッパー,右ストレートでどんどんプレッシャーをかけ,さらに左右のボディブローで押して行った。パンチには十分にウェイトが乗っており,迫力満点。油が乗り,まさに東洋には敵なしの状態である。このクラスでの世界挑戦は難しいが,ぜひ世界ランカーとの対戦を実現させて欲しい。
 4階級制覇を目指した前田だが,パワーの差を見せつけられ,まさに完敗となった。左ジャブ,ストレートでキムを突き放す作戦だったと推測するが,キムの左と比べればさすがにパワーで劣り,圧力に屈した。しかしながら,4階級制覇という前人未踏の大目標を掲げて敢然とキムに挑んだスピリットは脱帽モノである。

     主審:福地勇治,副審:鮫島英一郎&内田正一&吉田和敏
     ○キム:25戦22勝(19KO)3敗     ●前田:39戦29勝(18KO)8敗2分
     放送:スカイA     解説:大橋秀行&石本雅巳     実況:河路直樹

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                           2005年4月19日(火)    後楽園ホール
                                   10回戦
                     WBC世界ライト級12位    K    O    タイ国スーパー・ライト級9位
                   ○   嶋田雄大     2回29秒   チャイラナイ・ウアンサンバン  ●
                           (ヨネクラ) 137 3/4 lbs                  (タイ) 137 1/4 lbs

 初回開始早々,ガードを高くした独特のフォームから左ジャブ,フック,ボディへの左アッパーを放ってプレッシャーをかける嶋田。表情に余裕さえ感じさせる。終了間際にわき腹からアゴに左フックをダブルで打ち込まれたチャイラナイは呆気なくダウン。
 2回,チャイラナイの左に嶋田が右クロスをかぶせる。すかさずフォローした左アッパーに次ぐ右ストレートのコンビネーションブローにチャイラナイはたまらずダウン。立ち上がったものの,足元が定まらず,再び大の字。そのままカウントアウト。

 世界挑戦を狙う嶋田が貫禄を見せた。格下相手とは言え,力みを抑え,やや力を抜いたコンビネーションブローは見事。このクラスでの世界挑戦は容易でないが,目標を高く持つことによってモチベーションを維持し,”そのとき”に備えて欲しい。

     主審:浦谷信彰,副審:吉田和敏&山田一公&福地勇治
     ○嶋田:20戦16勝(9KO)3敗1分     ●チャイラナイ:11戦5勝(2KO)6敗
     放送:スカイA     解説:大橋秀行     実況:河路直樹

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                              2005年4月19日(火)    後楽園ホール
                                       8回戦
                         タイ国バンタム級3位     T K O    日本スーパー・フライ級1位
                    ○  センサック・シンマナサック   5回終了      結城康友     ●
                                (タイ) 117 1/4 lbs                    (ヨネクラ)  117 1/2 lbs

 初回,結城は左ジャブ,ストレートを突くが,センサックは思い切った左フック,右ストレートを振って応戦。結城はいつもの軽快なサークリングが見られず,正面に立ってしまい,不安な立ち上がりとなった。センサックはさらにボディへの左右フック。左フックで後退する結城。センサックの左フック,右ストレートはまともには当たっていないが,脅威を感じさせる。
 2回,結城もセンサックをロープに押し込んでワンツー,ボディブローをヒットする。
 3回,右の打ち終わりにセンサックの右ストレートを合わされた結城は,相打ちの左フックを受け,腰が砕けてピンチ。4・5回,結城もセンサックをロープに押し込んで果敢な攻撃を見せるが,正面に立ってセンサックの右をカウンターでヒットされる場面があった。結城は口から出血。
 3回に受けたセンサックのパンチで結城の唇の裏側が切れ,出血が多く,5回終了時点でのストップとなった。

 結城は身上とする軽快なフットワークが見られず,パンチ力のあるセンサックを相手に正面に立ったことが敗因。ワンツー,ボディへの左アッパーで果敢に攻め込んでいたが,正面に立ったところに右を合わされる場面も見られた。最近はパンチ力が増してKOも増え,打ち合いに自信を持っているのだろうが,最大の持ち味としている足と左で組み立てる機動力重視のアウトボクシングを見失ってはいけない。
 センサックは左フック,右ストレートに破壊力がある右ファイター。手数は多くないが,ガードの隙や打ち終わりに合わせるカウンターは相手にとって脅威となる。

     主審:鮫島英一郎,副審:内田正一&山田一公&浦谷信彰
     ○センサック:23戦13勝(6KO)10敗     ●結城:24戦15勝(9KO)4敗5分
     放送:スカイA     解説:大橋秀行     実況:河路直樹

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                  2005年4月29日(金)【日本時間30日(土)】     フランス:マルセイユ   パレ・ドゥ・スポー
                        WBA世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ12回戦
                           チャンピオン      T   K   O   挑戦者(同級7位)
                 ○  マヤル・モンシプール   6回2分47秒     仲里 繁  ●
                          (フランス) 121 lbs                        (沖縄ワールドリング)  121 lbs

 初回開始ゴングと同時に左フック,アッパーをダブル,トリプルで放って攻勢に出る仲里。前進させるとうるさいモンシプールを封じ込めるかのように頭を密着させてプレッシャーをかける。仲里は左フックからの右ストレートを伸ばす。早くもモンシプールがロープを背にする場面が見られた。モンシプールも左フックのカウンターを合わせるが,仲里は絶好な滑り出しで王座奪取への期待を抱かせた。
 しかし,名うてのファイターとして鳴らすモンシプールも黙っていない。2回に入ると流れを変えるべく,左右フックで攻勢。仲里も左右フックでモンシプールを追い込む場面を見せたが,後半再びモンシプールが攻勢に転じると仲里は棒立ち。
 3回にも壮絶な打ち合いが続く。モンシプールがバッティングで右目上をカットして一時中断する。右ストレートでぐらつく仲里だが,逆に仲里の左フックでモンシプールの動きが止まる。足を止めての真正面からの打ち合い。終盤再びモンシプールが猛攻に出ると仲里は棒立ち。4回,今度は仲里が左右フックの猛烈な攻勢に出るが,終盤は逆にモンシプールの反撃に遭う。仲里は足元がふらついてピンチ。
 5回,モンシプールは口で呼吸し,苦しそうな表情を覗かせる。
 火の出るような壮絶な打撃戦に終止符が打たれたのは6回。両者さすがにスローダウンするが,モンシプールはかなりバテながらも左右フック,右ストレートで攻勢に出る。仲里はぐらつきながらも応戦するが,最後はガラ空きのアゴにカウンター気味の右フックを打ち込まれて力尽きたようにガックリとキャンバスに崩れ落ちる。これまでと見たカイズ主審が試合を止めて万事休す。

 どちらが勝っても最終回終了のゴングが鳴ることはないとの予想が大半だったが,その予想をもはるかに上回る凄まじい打ち合いとなった。まさに根比べともいうべき壮絶なシーソーゲーム。
 仲里は従来から手数の少なさが欠点として指摘されていたが,今夜は先に先にと手を出し,前進するとうるさいモンシプールに攻める余裕を与えない作戦に出た。スタミナ配分無視とも言える作戦だが,これはモンシプールのような相手に対しては間違っていなかったと思う。仲里陣営としては思い描いていたような試合運びができたと見る。惜しまれるのは打ち合いの最中に上体が突っ立ち,膝が伸び切ったままパンチを打たざるを得なかったこと。ここで膝を柔らかく使い,”溜め”を作っていれば得意の強打がさらに活きていただろう。モンシプールも一杯一杯になっていただけに,あと一歩の詰めがあればと悔やまれる。しかしながら,敗れはしたものの,敵地で大いに見せ場を作り,従来から指摘された手数の少なさを反省材料として十分に取り込んでいた姿勢が窺えた。その点を高く評価する。
 4度の防衛戦をすべてKO,TKOでこなしたモンシプールはイラン出身のフランス人。典型的なファイタータイプで,短躯ながら執拗に手数が出る。パンチ力も十分。仲里の強打に下がらされてピンチを迎える場面もあったが,攻撃の切れ目にパンチをまとめる怒涛のラッシュが圧巻。モンシプールのような相手には中途半端なボクシングでは通じない。玉砕覚悟の徹底した攻撃一辺倒の戦法か,足と左ジャブで徹底的に突き放すか,いずれにしてもメリハリがないと対抗できないだろう。

採点結果 モンシプール 仲里
主審:ラウル・カイズ(米国) *** ***
副審:チャラーム・プラヤドサブ(タイ) 49 46
副審:ルーベン・ガルシア(米国) 49 46
副審:フィリップ・ベルベケ(ベルギー) 49 45
参考:MAOMIE 48 47


     ○モンシプール:31戦27勝(18KO)2敗2分
     ●仲里:33戦24勝(18KO)8敗1分

     放送:日本テレビ
     解説:浜田剛史
     実況:村山喜彦

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                  2005年4月29日(金)【日本時間30日(土)】     フランス:マルセイユ   パレ・ドゥ・スポー
                                   8回戦
                      WBC世界S・バンタム級1位   T   K   O   フランス・S・バンタム級(ノーランク)
                 ○   西岡利晃      2回2分00秒     ムスタファ・アバハラウィ   ●
                         (帝拳)  125 1/4 lbs                        (アルジェリア)  125 3/4 lbs

 初回,冷静なボクシングで早くも優位に立つ西岡。右フック,左ストレートがヒット。西岡はさらに右フックをわき腹からアゴにダブルで運ぶ。左ストレートでアバハラウィがよろめいたところでスタンディングカウントが入る。再開後大きな左右フックで反撃に出るアバハラウィだが,スピードの差は歴然。西岡は冷静そのもので,左ストレートをヒットして再びアバハラウィをよろめかせる。
 2回,完全に相手の動きを読み切った西岡が格の違いを見せつけて試合を終わらせた。右フックに次ぐ左ストレートがアゴを捉えるとアバハラウィはよろめくようにダウン。そのままストップとなった。

 標的とするモンシプールの地元で,次期挑戦者としてのアピールを図った西岡が格下のアバハラウィを問題とせずにTKO勝ち。以前の切れが戻り,まずまずの仕上がりと言える。ただし,しつこくて手数が多いモンシプールの前進を止めるにはまだまだ不十分。調整試合を数試合挟んで課題を克服することが必要。

     主審および副審:(不明)
     ○西岡:32戦25勝(15KO)4敗3分     ●アバハラウィ:13戦9勝(3KO)4敗
     放送:日本テレビ     解説:浜田剛史     実況:村山喜彦

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