熱戦譜〜2005年3月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.03.05  日本スーパー・ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  判定  佐々木基樹
2005.03.05  東洋太平洋ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 稲田千賢  判定  デニス・ローレンテ
2005.03.05 10回戦  石井一太郎  KO6R  フェルナンド・モンティリャ
2005.03.06 10回戦  フランシスコ・ロサス  判定  戎岡淳一
2005.03.06 10回戦  福山 登  9R負傷判定  村井勇希
2005.03.19  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 日高和彦  TKO4R  レブ・サンティリャン
2005.03.19  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 小熊坂諭  判定  三澤照夫
2005.03.19 8回戦  村田昌隆  引き分け  北島 元
2005.03.23  東洋太平洋ヘビー級
 タイトルマッチ12回戦
 オケロ・ピーター  KO3R  高橋良輔
10 2005.03.26  東洋太平洋スーパー・フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 有永政幸  判定  ウェンペット・チュワタナ
11 2005.03.26 6回戦  八重樫東  TKO1R  中山智善

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                       2005年3月5日(土)    後楽園ホール
                      日本スーパー・ライト級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン            挑戦者(同級1位)  
                ○   木村登勇     判 定   佐々木基樹  ●
                       (横浜光) 140 lbs                (協栄) 140 lbs
                      WBC13位

 初回開始早々に波乱が訪れた。不用意に入ろうとした佐々木の顔面を木村の左フックが捉え,佐々木は仰向けにダウン。ワンテンポ遅れる木村独特のカウンターだった。さらに木村は右アッパーをボディに。佐々木がバランスを崩すとすかさず攻勢に出る木村。佐々木は反則スレスレのレスリング行為でペースを変えようとするが,木村に先手を取られて早くも苦しい展開。
 2回,木村は強烈な左アッパーをボディに。精神的なゆとりを失って焦り気味に出る佐々木に対し,木村は3・4回と左ストレート,アッパーを上下に打ち分けて完全に優位に立った。4回にはバッティングで木村が頭部をカットして一部中断。バッティングを嫌ってやや消極的になる木村に対し,佐々木は流れを変えようと強引に出る。木村は落ち着きを取り戻して左右アッパーをボディに,左フックを顔面に。
 ここまでは完全に木村のペースだったが,流れが変わったのは5回。佐々木はクリンチでのブレーク前に木村の背後に回ってパンチを浴びせるなど,撹乱戦法に出る。ヘディングで減点される佐々木だが,構わず強引に出る。
 6回以降,バッティングを嫌って露骨にイヤな表情を見せる木村。前半ボディを打たれて消耗しているはずの佐々木だが,異常なまでの執念を見せて木村を追い込む。左右フックをボディに,右ストレートを顔面に放って執拗に食い下がる佐々木。弱気な表情を見せる木村に対して,佐々木は元気が出たのか,苦しいながらも強引なラッシュで終盤をリードした。10回,バッティングで左目上をカットした木村をロープやコーナーに詰めて強引なラッシュを見せる佐々木。

 辛くも3度目の防衛に成功した木村。序盤こそ独特のタイミングから放つ左ストレート,アッパーで佐々木を圧倒し,中盤でのKO防衛も予感させる好スタートだった。しかし,中盤から佐々木が執念で食い下がると消極的な面を見せ,終わってみれば初回に奪ったダウンと減点1がなければ危ないところだった。せっかく主導権を握りながら,弱気なところを見せて佐々木に精神的なゆとりを与えてしまったことが苦戦の原因。落ち着いた試合運びで定評のある木村らしからぬ意外な拙戦となってしまった。
 2年ぶりの王座奪回を目指した佐々木は元王者のプライドを存分に披露した。序盤は精神的に追い込まれたような戦いぶりだったが,反則スレスレのダ−ティとも言える攻撃で執拗に食い下がったあたりは見事。
 辛うじて勝った王者,あと一歩で勝てなかった挑戦者,両選手それぞれに悔いが残ったはず。採点は微妙であり,ぜひ再戦での決着を望む。

採点結果 木村 佐々木
主審:浅尾和信 *** ***
副審:福地勇治 96 93
副審:鮫島英一郎 95 95
副審:内田正一 95 94
参考:MAOMIE 94 94


     ○木村:32戦25勝(10KO)5敗2分
     ●佐々木:29戦23勝(15KO)6敗

     放送:G+
     解説:浜田剛史&セレス小林
     実況:長谷川憲司

※ 第5ラウンドのヘディングによる佐々木の減点1を含む採点。

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                     2005年3月5日(土)    後楽園ホール
                    東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級1位)           チャンピオン
                ○   稲田千賢     判 定   デニス・ローレンテ  ●
                      (帝拳) 134 1/2 lbs               (比国) 134 1/2 lbs
                                         WBC7位

 立ち上がりから上体を振り,左右のグラブを小刻みに動かしながら,左ジャブ,フックを放つ稲田はまずまずの滑り出しを見せた。2回,早くも左ストレートから強引に突っ込むローレンテだが,稲田はこれに乗らず,機を見て左フック,右ストレート。稲田は3回にも長いリーチをフルに生かした左ジャブ,フックでローレンテの攻め手を封じる。稲田は終盤左アッパーのボディブローを見せた。
 4回にも強引に突っかかるローレンテだが,稲田は冷静。左ジャブで距離を保ち,ローレンテが得意とする乱戦を封じた。
 5・6回,左ストレートから突っ込むローレンテのペースに巻き込まれそうになる稲田だが,決定的なパンチを許さない。
 9回,稲田は強引に攻め込むローレンテの左腕の外側に出るようにクリンチするなど,研究の痕跡を見せてローレンテの攻撃を封じた。やりにくいことで定評のあるローレンテが逆にやりにくそうな表情を見せる。10回,激しいバッティングで稲田の額から出血して一時中断。ローレンテは左アッパーでボディを叩くが,稲田も右アッパーを返す。
 11回,稲田はスピードに乗った右ストレート,フックのボディブロー,顔面への右フックをヒット。強引に攻め込むローレンテはヘディングで減点される。12回はもみ合いになったが,稲田は最後までローレンテに決定的な攻撃を許さず,再戦を制して初のタイトル獲得を果たした。

 稲田の勝因は終始冷静さと自分の距離を保ち,集中力を切らさなかったこと。昨年10月の第1戦では4回まで自分のペースで戦いながら,5回以降ローレンテ得意の乱戦に巻き込まれて惜敗したが,今夜はその教訓が生きていた。長いリーチから繰り出す左ジャブ,フックを使い,自分の距離を保ってローレンテに的を絞らせなかったことが奏功したと言える。前回の教訓を生かし,ローレンテを非常に良く研究した痕跡が見られた。スプリットデシジョンではあるが,内容的には完勝である。もう少し手数が欲しかったが,誰がやってもやりにくいローレンテが相手では,今夜の試合運びは十分に合格点が与えられる。
 サウスポーのローレンテは左ストレートから突っかかるように強引に攻め込むスタイルは相変わらず。ただし,距離を取られ,攻め手を封じられてしまったことが痛かった。

採点結果 稲田 ローレンテ
主審:アネック・ホントンカム(タイ) 116 111
副審:エドウィン・セセ(比国) 112 115
副審:島川威 117 113
参考:MAOMIE 118 113

     ○稲田:19戦17勝(12KO)2敗
     ●ローレンテ:28戦21勝(11KO)3敗4分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:高橋雄一

※ 第11ラウンドのヘディングによるローレンテの減点1を含む採点。

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                        2005年3月5日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                     日本ライト級9位     K      O   比国ライト級チャンピオン
                ○   石井一太郎    6回2分12秒   フェルナンド・モンティリャ  ●
                       (横浜光) 136 lbs                     (比国) 135 1/4 lbs

 サウスポーのモンティリャに対して,強打の石井は慎重なスタート。2回,石井は直線的に下がるところに左ストレートをもらう。相打ちの右フックはモンティリャがわずかに早く,石井はストンと膝から落ちて呆気なくダウン。立ち上がったものの足元が定まらない石井。チャンスと見たモンティリャは左ストレート,右フックを浴びせて攻勢に出る。
 3回,先に攻められてしまう石井は苦しい展開となり,モンティリャの左ストレートを食う。後半ようやく右ストレートをヒットするが,振りが大きくなって後続打が出ない。
 4回,石井は右ストレートでモンティリャをのけぞらせる。終了間際にも右ストレートをヒット。5回には右ストレート,ボディへの左アッパー,フックなど,ようやく得意の上下への打ち分けが出た。
 そして6回,石井の強打が爆発する。右ストレートを連発してモンティリャを追い込む石井だが,激しい打ち合いの中で逆に右フックを食ってガクンと膝から落ちそうになる場面を見せる。一転してモンティリャが攻勢に出るが,ここで石井が右ストレートに次いで振り切った左フックがまともにアゴを打ち抜く。このワンパンチで,さすがのモンティリャもたまらず仰向けにダウン。立ち上がろうと上体を起こしかけたが,ついにカウントアウト。絵に描いたような豪快なワンパンチKOとなった。

 スリリングな強打とダウンの応酬となったが,最後は石井の強打が火を噴いた。フィニッシュとなったのは捨てパンチに近い右ストレートに得意の左フックをフォローしたもので,石井が最も得意とする攻撃パターンである。
 石井は5回に入ってようやく得意の上下への打ち分けが出たが,それまではモンティリャに先手を取られて非常に苦しい場面の連続。一発に頼らず,細かい上下への連打の中から持ち前の強打を放つチャンスを掴むように心がけて欲しい。ハードヒッターとしては珍しく連打ができるだけに,それを生かさないのは惜しい。また,上を目指すにはディフェンスに十分な注意が必要。今夜のように直線的に下がるのは危険である。
 あの強打では国内で対戦相手を探すのは苦労するだろう。アジア圏の国内ランカークラスを相手にどんどん実力を磨いて欲しい。苦しい試合ながらもフィリピンの王者を沈めたことで,石井の今後にとっては非常に良い経験になったはず。
 モンティリャはサウスポーのファイタータイプ。ややアップライトスタイルから放つ左ストレート,右フックに威力を秘める。意外に懐が深く,相手にとってはやりにくいタイプである。チャンスにはカサにかかって攻めてくる。

採点結果 石井 モンティリャ
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 48 47
副審:島川威 47 48
副審:ビニー・マーチン 47 48
参考:MAOMIE 47 48


     ○石井:14戦12勝(12KO)1敗1分
     ●モンティリャ:46戦28勝(19KO)15敗3分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:上重聡

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                      2005年3月6日(日)    大阪市中央公会堂
                                10回戦
                  WBC世界ライトフライ級11位        日本ライトフライ級5位
                ○  フランシスコ・ロサス     判 定    戎岡淳一  ●
                       (メキシコ) 109 lbs                    (明石) 109 lbs

 戎岡の入りは足を使って慎重なボクシング。小柄なロサスは思い切った左右フックを上下に放って迫る。戎岡は2回,ロサスのパンチをよく見てブロックし,右ストレートをヒット。終盤には低い姿勢で入るロサスに右アッパーを見舞う。3回には逆にロサスが体を沈め,戎岡をロープに詰めて左右アッパーの思い切ったボディブローを見せる。
 パワフルなロサス,足とスピードが身上の戎岡。対照的な両者の一戦は一進一退の展開となったが,4回にヤマ場が訪れた。ロサスが入ろうとした瞬間,戎岡の右ストレートがタイミング良く決まり,ロサスは思わず右膝をついてしまう。完全なダウンだったが,原田主審の判定はスリップ。
 5回,ロサスは戎岡をコーナーに詰め,右ストレート,左右アッパーのボディブローを浴びせる。しかし,左アッパーが低く入り,ロサスはローブローで減点されてしまう。
 6回以降,ロサスは構わず前に出て,思い切った左右フック,アッパーで攻勢。戎岡はときおり機を見て右ストレート,アッパーを返すが,パワーで押し込まれる場面が目立つ。
 8回,戎岡はやや押し込まれながらもロサスの出バナに右ストレート,左フックをヒット。しかし,9回にはガードの上からの左フックで大きくバランスを崩す戎岡。戎岡は10回にもよく打ち返すが,ロープに詰まって右ストレートでのけぞる。

 戎岡はときおり鋭い右ストレートをカウンター気味にヒットしたが,終始ロサスのパワーに押し込まれたという印象は拭えない。待ちのボクシングではなく,もう少し自分から仕掛ける場面を作れば面白い展開になったはず。稀有なボクシングセンスに恵まれているのだから,後手に回らないように心がけて欲しい。
 ロサスは小柄な右ファイタータイプ。短躯ながら,踏み込みが鋭いため,体格的な不利を感じさせない。思い切った左右フック,アッパーを武器としている。うまさはないが,体ごとぶつかるように放つパンチに威力がある。

採点結果 ロサス 戎岡
主審:原田武男 *** ***
副審:北村信行 94 96
副審:上中一郎 98 91
副審:宮崎久利 96 93
参考:MAOMIE 96 93


     ○ロサス:20戦15勝(10KO)4敗1分
     ●戎岡:22戦12勝(5KO)8敗2分

     放送:スカイA
     解説:荒木慶大
     実況:松原宏樹
     
※ 第5ラウンドのローブローによるロサスの減点1を含む採点。


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                        2005年3月6日(日)    大阪市中央公会堂
                                  10回戦
                  日本バンタム級(ノーランク)  負 傷 判 定   日本スーパーフライ級7位
                ○   福山 登       9回2分27秒     村井勇希  ●
                      (大阪帝拳) 118 lbs                           (グリーンツダ) 117 lbs

 初回,左ジャブを突いてサークリングする村井だが,開始早々に福山のワンツーがヒットして早くもバランスを崩す。福山はバッティングで前頭部をカットして出血を見た。
 福山はウィービング,ダッキングで素早くに距離を詰め,2回には右フックをヒット。さらに村井をロープに詰めて左右アッパーのボディブローを見せる。村井は左目上をカット(福山の有効打によるもの)。
 村井はよく応戦するが,どんどん肉薄する福山を阻止できず,距離を詰められてしまう。試合はほぼ福山が主導権を握ったまま進んだ。
 5回,福山はボディにパンチを集めて執拗に攻める。村井は終盤に反撃に転じたが,逆に福山の右フックでのけぞる。
 7回,劣勢の村井が必死の反撃を見せ,激しい打ち合いになった。しかし,ここでもパワーで一枚上の福山が上下への巧みな打ち分けを見せる。左アッパーのボディブローで村井の動きが止まる。8回,福山の前頭部からの出血により一時中断。村井は良く打ち返すが,福山のパワーが上回る。
 9回,村井は蓄積したダメージ影響か動きが鈍い。よく反撃するが,福山の執拗な連打に晒される。福山の前頭部からの出血により3度目の中断。この傷が深く,結局ここでストップとなった。

 福山は元日本バンタム級1位。ウィービング,ダッキングしながら素早く距離を詰め,上下に多彩なコンビネーションブローを散らす。ボディ打ちも巧みで,パンチ力もある。最大の長所は距離を詰めるスピード。パンチがあると手数が少なくなるのが常だが,福山の場合は一発に頼らず,とにかく手数が出ることが優れている点である。これでランキングへの復活が確実となったが,面白い存在であり,今後の動向に注目したい。
 村井は左ジャブ,ワンツーを武器としており,フットワークがいい右ボクサータイプ。今夜は足でかわそうとしたが,福山の踏み込みが鋭く,距離を保ちきれなかったことが敗因。

採点結果 福山 村井
主審:野田昌宏 *** ***
副審:宮崎久利 88 83
副審:上中一郎 87 84
副審:原田武男 88 83
参考:MAOMIE 90 80


     ○福山:22戦16勝(12KO)5敗1分
     ●村井:19戦9勝(3KO)6敗4分

     放送:スカイA
     解説:荒木慶大
     実況:松原宏樹
     

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                      2005年3月19日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級5位)    T   K   O    チャンピオン
               ○   日高和彦       4回2分41秒   レブ・サンティリャン  ●
                     (新日本木村) 146 lbs                        (比国) 145 1/4 lbs
                                               WBC7位

 サウスポーの強打自慢同士の対決。試合前から緊迫したムードが漂う。初回開始早々,相打ちの左ストレートで早くもグラリと来るサンティリャン。このチャンスにも日高は慌てず,積極的に右ジャブで先手を取り,ワンツー主体にオーソドックスな攻撃を見せる。終盤,激しい打ち合いになったが,日高の左ストレートがヒット。
 2回,日高は目先を変えてボディにパンチを集めるが,サンティリャンの左ストレートでバランスを崩す。しかし,逆に日高は左ストレートでサンティリャンをぐらつかせる場面を見せた。
 3回,日高は落ち着いて右フック,アッパーから左ストレートをりきみなく連打。サンティリャンも左ストレート,左右アッパーを返し,スリリングな打撃戦が続く。終了間際,左フックの打ち終わりに合わせた左ストレートが見事なカウンターになり,サンティリャンは呆気なくダウン。
 そして4回,白熱の打撃戦は劇的なフィナーレを迎えた。落ち着いている日高だが,サンティリャンの狙いすましたような左アッパーを受け,膝が揺れてダウン寸前のピンチ。辛うじてクリンチに逃れる日高だが,KOチャンスと見たサンティリャンは左右アッパー,左ストレートで猛反撃に転じる。しかし,日高はここでも冷静に対処し,逆に左ストレートでよろめかせて一気に勝負に出る。コーナーでワンツー,左ストレートの連打を浴びたサンティリャンはたまらずダウン。立ち上がったものの,日高の詰めは鋭く,ワンツー,右フックの連打で一気の攻勢。サンティリャンは再びコーナーで崩れるようにダウン。ここでストップとなった。

 壮絶な打撃戦の末,日高が劇的なフィニッシュで念願の初タイトルを手にした。勝因はパンチのあるサンティリャンに対して,攻め急がず,終始冷静さを保ったこと。自分を律することができる精神面の強さが感じられる。何度か危ない場面もあったが,クリンチに逃れるなど,適格な状況判断が光った。チャンスにも深追いや大振りをすることなく,丹念に上下に打ち分けて攻めたことが非常に良かった。背中にいい筋肉がついてさらにパワーアップしており,今後が楽しみ。サービス精神も心得ており,人気が出るだろう。
 サンティリャンは左ストレート,左右アッパーが強いが,スピードはない。ガードが低く,パンチの引きが遅いところを日高に突かれてしまった。

     主審:ユー・ワンス(韓国),副審:内田正一&アレックス・ビダル(比国)
     ○日高:25戦21勝(15KO)4敗     ●サンティリャン:24戦21勝(15KO)2敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:寺島淳司

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                        2005年3月19日(土)    後楽園ホール
                         日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                       チャンピオン            挑戦者(WBC11位)  
                ○    小熊坂諭     判 定      三澤照夫    ●
                       (新日本木村) 105 lbs                 (帝拳) 104 3/4 lbs
                      WBA7位,WBC5位                   WBA15位

 初回,三澤はジリジリ距離を詰め,上への右ストレートを放つ。さらにボディへの右ストレートを多用して,積極的にプレッシャーをかける。小熊坂は後退しながら三澤の動きを見極め,カウンターのチャンスを窺う展開。
 2回,右で軽く牽制しながら左フックを放つ小熊坂。三澤も右ストレートをボディに放って仕掛けるが,終盤に小熊坂の左ストレートで大きくのけぞる。4回には逆に三澤が右ストレートのボディブローをヒット。終盤にはロープを背にした小熊坂に右ストレートのボディブローからアゴへの左フックを決める。小熊坂は巧みなクリンチワークで三澤の後続打を封じてはいるものの,消極的なボクシングが目立ち,6・7回には好戦的な三澤の攻勢にポイントを失った。
 ポイントで不利と見た木村七郎会長の叱咤を受けて小熊坂がようやく見せ場を作ったのは9回。コーナーを背にした小熊坂はクリンチからの離れ際に右フックからの左アッパーをヒット。三澤は思わず後方によろけるように痛恨のダウン。小熊坂は俄然攻勢に転じた。
 10回,三澤をロープに詰め,左右フックをまとめて浴びせる小熊坂。

 小熊坂が僅差で5度目の防衛に成功した。前半は消極的とも言える待ちのボクシングになってしまい,三澤のプレッシャーもあって苦しい展開となった。9回に奪ったダウンと10回のポイントで辛うじて勝利を呼び込んだ形となった。もう少し自分から試合を作って行く姿勢が欲しい。
 三澤は小熊坂を良く研究していた。長身のサウスポー小熊坂に対して鋭い踏み込みから右ストレートのボディブローを多用し,どんどんプレッシャーをかける作戦が奏功した。しかし,9回に一瞬の隙を突かれてダウンを喫し,これが勝敗の行方を大きく左右した。右ボディブローから入る狙いは良かったが,これだけに頼っては老獪な小熊坂を崩すには不足。フェイントをかけたり,ときには左から入るなどの変化があればと惜しまれる。気迫と積極性は買えるので,ぜひ再挑戦を目指して欲しい。

採点結果 小熊坂 三澤
主審:島川威 *** ***
副審:浦谷信彰 95 94
副審:安部和夫 96 94
副審:ウクリッド・サラサス 96 94
参考:MAOMIE 96 96


     ○小熊坂:31戦22勝(9KO)6敗3分
     ●三澤:19戦14勝(6KO)2敗3分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:田中毅

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                        2005年3月19日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                  日本S・フェザー級(ノーランク)           日本S・フェザー級(ノーランク)    
                ×    村田昌隆      引き分け     北島 元    ×
                      (白井・具志堅) 128 3/4 lbs                  (福岡帝拳) 130 lbs

 北島はリズムを取って左ジャブから入る。左アッパーがアゴを捉え,早くも村田がよろめく。北島はなおも左ジャブに次ぐ左フック,アッパーの多彩な左攻撃で好調な滑り出し。
 しかし,村田も負けてはいない。2回,北島の打ち終わりに右ストレート,左アッパーをカウンターする。右ストレートからの返しの左フックでバランスを崩す北島。北島は3回に左目上をカット(村田の有効打によるもの)。村田は手数こそ少ないが,北島の打ち終わりにうまくパンチを合わせる。
 4回,北島の出血がひどく一時中断。北島はストップを懸念して短期決戦に出る。頭を付けるようにして左右アッパー,右ストレートで攻勢に出る。5回には村田が逆襲に転じ,冷静に北島の動きを見極め,左アッパーのわき腹打ちで動きを止めにかかる。
 6・7回は北島が反撃。手数が減った村田に対して攻勢をかける。
 8回,ようやく自分から攻勢に出る村田。右ストレート,フックの狙い打ちからボディへの左右アッパー。北島も顔面を血で染めて応戦するが,最終回のポイントは村田に流れた。

 ノーランカー同士の8回戦ながら,ハイレベルで中身の濃い攻防が見られた。非常に見ごたえのある熱戦である。
 村田は右ボクサーファイターで,右ストレート,左右アッパーが鋭い。非常に見極めが良く,相手の打ち終わりにカウンターで合わせるシャープなパンチが持ち味。ボディブローも巧みで,パンチ力もある。欠点は手数が少ないこと。相手のペースに合わせて,後手に回ることが多い。せっかくの鋭いパンチを持っているのだから,先手を取って,自分で試合を作ることを心がけるべき。上位進出するだけの実力は十分に備えている。
 序盤に左目上からの出血というハンデを負いながらも,最後まで試合を捨てずに戦った北島の執念は見事。スピードはないが,左ジャブ,フック,アッパーなど多彩な左攻撃で積極的に攻めて行く姿勢に好感が持てる。リングネームを北島桃太郎から本名の北島元に改め,再ランク入りを狙っているが,ぜひ再挑戦して欲しい。

採点結果 村田 北島
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:内田正一 77 76
副審:島川威 76 77
副審:鮫島英一郎 76 76
参考:MAOMIE 76 76


     ×村田:18戦14勝(8KO)3敗1分
     ×北島:23戦18勝(12KO)4敗1分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:望月浩平

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                       2005年3月23日(水)    後楽園ホール
                      東洋太平洋ヘビー級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン     K      O   挑戦者(同級4位)
               ○  オケロ・ピーター  3回2分45秒   高橋良輔  ●
                     (緑) 238 3/4 lbs                      (金子) 204 3/4 lbs

 身長で9cm,体重で15sという圧倒的な体格差を生かし,初回からピーターがプレッシャーをかける。高橋をコーナーに詰めて,左アッパー,右ストレートを浴びせて早くも攻勢。2回,高橋は左目上から出血して苦しい展開になる。左アッパーをボディにヒットして応戦するが,ピーターの圧力を止めきれない。ピーターは左ジャブ,ワンツーで丹念に攻め,高橋をロープに詰め,右ストレート,左右アッパーを浴びせる。
 3回,ピーターがさらにプレッシャーを強めると高橋は後退してかわすのが精一杯。コーナーを背にワンツー,左フックを受けて足がもつれる高橋。何とかロープ伝いに逃れたものの,ワンツー,左フックを追い打ちされて大きくのけぞったころでついにサラサス主審がスタンディングカウントを取る。足元が定まらない高橋はそのままカウントアウトされて万事休す。

 高橋は勇敢に戦ったが,体格差はどうしようもなく,プレッシャーをかけられ,強打を浴び続けて完敗となった。出入りを激しくして,巨体のピーターを揺さぶることができれば面白かったが,それをさせないほどの圧力だったということだろう。
 8度目の防衛に成功したピーターは左ジャブ,ワンツーを主体に丹念に攻めていた点が目についた。予想以上にスピードがあり,ワンツーから左フックや左右アッパーにつなげるコンビネーションブローも良く,堂々たるKO勝利。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:(2名ともに不明)
     ○ピーター:20戦17勝(16KO)3敗     ●高橋:18戦13勝(7KO)4敗1分
     放送:テレビ東京     解説:なし     実況:久保田光彦

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                      2005年3月26日(土)    横浜文化体育館
                    東洋太平洋スーパー・フライ級タイトルマッチ12回戦
                   挑戦者(同級7位)            チャンピオン
                ○   有永政幸     判 定   ウェンペット・チュワタナ  ●
                         (大橋) 115 lbs                    (タイ) 115 lbs

 初回,ウェンペットは踏み込んで思い切った右ストレートを連発してサウスポーの有永を牽制する。どんどんプレッシャーをかけるウェンペットに対し,有永は慎重なスタート。
 3回,有永が左フックをボディにヒットすると,ウェンペットはボディブローを嫌って後退。有永は左ストレート,右フックをヒット。しかし4回,ウェンペットの思い切った右ストレートで大きくのけぞる有永。5回にもウェンペットが右ストレートでどんどんプレッシャーをかける。有永も左ストレート,ボディへの左フックをヒットするが,手数が欲しい、
 前半は積極的にプレッシャーをかけるウェンペットに対して,有永は手数が少なくやや劣勢。しかし,中盤から徐々に挽回して行った。有永は7回,ウェンペットをコーナーに詰めて攻勢に出る。有永がボディ攻撃に出るとウェンペットはやや消極的になる。
 有永は10回,疲れのためかやや手数が減ったウェンペットに接近戦を挑み,右フック,アッパーをヒット。11回にはややラフながらも,強烈な右フックを連発してウェンペットを押し込んで行く。12回,やや雑な攻めだが,死力を振り絞って押して行く有永。

 スプリットデシジョンながらも有永が曲者ウェンペットを破り,OPBFタイトルを奪取した。前半こそウェンペットの思い切った右ストレートに苦戦したが,後半は逆に前に出てプレッシャーをかけることによって勝利を呼び込んだ。ウェンペットがボディブローを嫌って消極的になる場面があっただけに,前半からもう少しボディ中心に攻めていれば楽な展開になっていたと思う。有永が左フック,ストレートでボディを叩いていれば,ウェンペエットが右ストレートを出しにくくなっていたはず。終盤の攻勢も振りが大きくなって,やや雑な攻撃になったことが惜しまれる。ぜひ今後の課題として欲しい。
 ウェンペットは小兵ながら,踏み込んで思い切りよく放つ右ストレートを武器とする変則ファイター。ノーモーションからの右ストレートは手元でグンと伸び,意外にかわしにくい。老獪な試合運びは相変わらずである。

採点結果 有永 ウェンペット
主審:ブルース・マクタビッシュ(ニュージーランド) 115 114
副審:浅尾和信 115 114
副審:アナン・メイサワン(タイ) 114 117
参考:MAOMIE (87) (85)

     ○有永:23戦18勝(8KO)4敗1分
     ●ウェンペット:29戦22勝(12KO)6敗1分

     放送:テレビ東京
     解説:川島勝重&坂本博之
     実況:島田弘久
     
※ 第2・6・8ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は第2・6・8ラウンドを除く集計結果です)。

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                         2005年3月26日(土)    横浜文化体育館
                                   6回戦
                   日本ライトフライ級(ノーランク)    T   K   O   日本ライトフライ級(ノーランク)
                ○   八重樫 東      1回1分20秒     中山智善     ●
                         (大橋) 106 lbs                          (黒潮) 106 lbs
                   八重樫 東=やえがし・あきら

 初回,八重樫はスピーディな動きから入り際に右アッパーを合わせる。相打ちの左フックで早くもぐらつく中山。中山が伸ばした左ジャブをダッキングし,すかさず右アッパーのボディブローから左フックを返す八重樫。この左フックがテンプルを捉え,中山は足をもつれさせながらダウン。鮫島主審がノーカウントでストップした。

 八重樫はアマで70戦56勝(15KO)14敗,インターハイ(2000年)と国体(2002年)のライトフライ級を制した実績を引っ下げてプロ入りした大物新人。鮮やかな攻撃で華々しいデビューを飾った。体のスピード,パンチの切れがともに抜群。フィニッシュしたのは右アッパーに次ぐ左フックで,このコンビネーションブローが武器のひとつ。見切りが良く,詰めも素晴らしい。短い試合だったが,将来性を感じさせる逸材であることを十分に証明して見せた。今後が非常に楽しみであり,注目が必要。

     主審:鮫島英一郎,副審:(3名ともに不明)
     ○八重樫:1戦1勝(1KO)     ●中山:18戦8勝(1KO)9敗1分
     放送:テレビ東京     解説:川島勝重&坂本博之     実況:赤平大

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