熱戦譜〜2005年2月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.02.05 10回戦  粟生隆寛  KO1R  羅 相賛
2005.02.05 10回戦  ホルヘ・リナレス  KO1R  メルビン・アユトッド
2005.02.05 8回戦  下田昭文  TKO8R  白石拓磨
2005.02.14  東洋太平洋ライトフライ級
 タイトルマッチ12回戦
 山口真吾  判定  嘉陽宗嗣
2005.02.14 10回戦  マルコム・ツニャカオ  TKO9R  姫野崇史
2005.02.15 10回戦  音田隆夫  判定  永瀬輝男
2005.02.15 8回戦  宮 将来  KO3R  デンタクシン・スンギラーノーイナイ
2005.02.15 8回戦  大曲輝斉  KO2R  ポンペット・ムアンスリン
2005.02.19  東洋太平洋バンタム級
 王座決定12回戦
 鳥海 純  判定  リンゴ・ジャガー
10 2005.02.19 10回戦  磯谷和広  判定  加山利治
11 2005.02.19 10回戦  福原力也  TKO8R  小田島務
12 2005.02.21  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 サーシャ・バクティン  判定  熟山竜一
13 2005.02.21 10回戦  亀田興毅  KO1R  ヨードゲン・シンワンチャー

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                        2005年2月5日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                   日本フェザー級(ノーランク)   K      O   韓国フェザー級7位      
                ○   粟生隆寛       1回3分07秒    羅 相賛  ●
                       (帝拳) 126 3/4 lbs                     (韓国) 126 3/4 lbs

 初回開始早々から軽く動いてリズムを取り,羅の動きを冷静に見極める粟生。機を見て左ストレートのボディブローを送る。終了間際,羅が回り込もうと後退した瞬間,粟生の右からの左ストレートが顔面をヒットすれば,羅は腰から落ちてあっけなくダウン。立ち上がったものの,そのままカウントアウト。

 粟生が初の10回戦を鮮やかなワンパンチKOで飾った。フィニッシュブローは羅のガードが下がったところ,鋭く踏み込んで見事に顔面を打ち抜いたワンツーストレート。天性の勘と見切りの良さは他の追随を許さない。今後がますます楽しみである。この状態では日本ランカークラスが試合を受けてくれないことは容易に想像できる。したがって,今夜のようにアジア圏の国内ランカークラスを相手に経験を積ませるのは育成方法としては妥当な線と言える。何と言っても,まだ成人式を迎えたばかり。拙速は禁物である。小さくまとまることなく,どんどん経験を積んでスケールの大きいスターに育って欲しい。
 羅は長身でリーチのある右ボクサーファイター。調子が出る前に叩かれてしまった感じである。

     主審:ビニー・マーチン,副審:島川威&館秀男&鮫島英一郎
     ○粟生:6戦6勝(5KO)     ●羅:11戦6勝(2KO)4敗1分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:田中毅

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                        2005年2月5日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                   WBA世界フェザー級9位    K      O   比国フェザー級4位      
                ○  ホルヘ・リナレス       1回2分07秒   メルビン・アユトッド  ●
                       (ベナズエラ=帝拳) 126 1/2 lbs            (比国) 125 1/2 lbs

 初回開始早々から鋭い左ジャブ,ストレートを連発するリナレス。右から左のボディブローにひるむアユトッド。リナレスが左フックから右ストレートをフォローすればアユトッドはもろくもダウン。そのままカウントアウト。

 世界を狙うリナレスが堂々たる貫禄を見せつけた。しぶといアユトッドをまったく問題にしない圧勝だった。スピード,切れともに文句なし。アジア圏の国内ランカークラスでは相手にならない。今すぐに世界戦のリングに上がってもおかしくないレベルである。欲を言えばもう少し上体の動きが欲しいという感じはするが,その他は申し分がない。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:島川威&ビニー・マーチン&金谷武明
     ○リナレス:13戦13勝(7KO)     ●アユトッド:13戦12勝(5KO)9敗2分
     放送:G+     解説:浜田剛史&セレス小林     実況:寺島淳司

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                        2005年2月5日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                   日本S・バンタム級(ノーランク)    T K O   日本S・バンタム級(ノーランク)
                ○   下田昭文        8回42秒    白石拓磨  ●
                        (帝拳) 122 lbs                     (ファイティング原田) 121 1/4 lbs

 初回,積極的に右ストレートを振って仕掛ける白石。下田はこれを冷静にさばき,左ストレートをボディに。入ってくるところに右フックがカウンターになり,白石は早くもグラリときてピンチ。下田は一気に攻勢。
 2回終了間際には左アッパーでチャンスを掴んだ下田が白石をコーナーに詰めてラッシュを見せる。下田は強引に出る白石を冷静にさばいて,3回以降もスピードの差は歴然。
 しかし,終盤は下田も疲れが出て,やや集中力を欠いた。6・7回は逆に下田が執拗に食い下がる白石を持て余す場面が見られた。白石は左右フック,右ストレートを振って,下田を苦しめ,勝負を捨てない粘りを見せる。
 最終回,ようやく下田が勝負に出る。セコンドに叱咤されたのか,奮起したように開始早々から攻勢。粘る白石を体ごと押し込んで左右ボディブローでコーナーに詰めて一気にラッシュ。ここで鮫島主審が割って入りストップ。

 早い回でのKOシーンも予感させる立ち上がりを見せた下田だったが,思わぬ苦戦を強いられた。何とかレフェリーストップを呼び込んだが,後半は白石の粘りに手を焼き,拙戦の部類に入るだろう。狙い過ぎで手数が少なくなることが目につく。同門のホープ粟生隆寛の影に隠れて地味な存在に甘んじているが,天性の勘とスピードを持っており,楽しみな逸材である。今夜の苦い経験を生かし,更なる精進を望む。
 下田を大いに苦しめた白石は粘りを身上とする右ファイタータイプ。序盤は下田のスピードに追随できなかったが,後半は左右フック,右ストレートを上下に打ち分けてよく追い上げた。一方的な試合を予想されていたが,あの頑張りは見事で,賞賛に値する。惜しかったのは追い上げるときの足の運びが直線的だったこと。サウスポーの下田の右足の外側に出るように左方向にシフトしながら右ストレートを放って入れば,下田が右に回りにくくなり,面白い展開になったはず。サウスポー対策の今後の研究課題として欲しい。

     主審:鮫島英一郎,副審:館秀男&ウクリッド・サラサス&金谷武明
     ○下田:9戦9勝(6KO)     ●白石:11戦6勝(3KO)3敗2分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:田中毅

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                       2005年2月14日(月)    後楽園ホール
                     東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
                      チャンピオン           挑戦者(同級1位)     
                ○   山口真吾    判 定    嘉陽宗嗣    ●
                       (渡嘉敷)  108 lbs          (白井・具志堅) 107 3/4 lbs
                      WBA6位,WBC7位

 好調な滑り出しを見せたのは嘉陽。初回,接近して左アッパー,右フックをヒットする。左ストレートを受けた山口がロープ際に後退する場面が見られた。
 3回には飛び込もうとした山口のアゴに左ストレートがカウンターになり,山口がガクッと腰を落とす。山口の入り際に合わせる嘉陽の左アッパーが効果的。4回,嘉陽は落ち着いて攻め,左アッパーをヒット。接近戦での連打でも山口を上回った。
 ここまではやや嘉陽のペース。しかし,5回,山口が先手で攻める作戦に切り替え,試合の流れを引き戻した。6回には右フックで嘉陽をぐらつかせ,さらに右ストレート,左フックをヒット。嘉陽は後手に回り,中盤以降は山口が主導権を掌握した。
 7回,山口はゴングと同時に意表を突くようなラッシュを見せる。ロングレンジからの右フック,ストレートをヒットして優位に立つ山口。嘉陽は正面に立ち,山口のパンチを受ける場面が目だった。
 終盤はともに接近して激しい打ち合いに応じたが,ここでも山口が冷静に嘉陽の動きを見極め,要所に左右フックを決める。山口はうまさで嘉陽を上回り,激しい打ち合いを制した。

 山内は3度目の防衛に成功。序盤こそ嘉陽の左ストレート,アッパーに苦戦したが,中盤から先手を取って流れを変えた。後半の接近戦では嘉陽の出方をよく見て上体の動きでパンチをかわしながら,要所に巧打していた。接近戦ばかりでなく,ときにはロングレンジからの右ストレートをヒットするなど,変化を織り交ぜた攻撃で若い嘉陽を制した。
 嘉陽はサウスポースタイルからの左ストレート,右フックのコンビネーションブローにいいものがある。序盤は山口の入り際に左アッパーを合わせるなど,好調な立ち上がりを見せた。しかし,後半はキャリアの差が出てしまった。せっかくのいい攻撃をしていながら正面に立ってしまい,山口の右ストレート,左フックを許してしまった。もう少しサイドからの攻撃や前後の出入りが欲しかった。

採点結果 山口 嘉陽
主審:ウクリッド・サラサス 114 115
副審:内田正一 116 114
副審:山田一公 117 112
参考:MAOMIE 117 113

     ○山口:22戦17勝(7KO)3敗2分
     ●嘉陽:12戦11勝(6KO)1敗

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:佐野瑞樹


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                         2005年2月14日(月)    後楽園ホール
                                    10回戦
                   WBC世界S・フライ級12位    T   K   O   日本バンタム級(ノーランク)
                ○  マルコム・ツニャカオ      9回2分43秒     姫野崇史   ●
                        (比国) 116 3/4 lbs                       (ワタナベ) 116 1/2 lbs
                   元WBC世界フライ級チャンピオン

 サウスポースタイルの元世界王者ツニャカオが初回から主導権を握る。低いガードから右ジャブを突いて牽制し,右フック,ワンツーを伸ばして早くも攻勢。
 姫野はツニャカオのスピードとプレッシャーの前に,左右に動いてかわすのが精一杯で,なかなか自分の攻撃パターンに持ち込めない。ツニャカオは2・3回と左右ボディブローから右フック,左ストレートを返す。
 4回には右フック,アッパーのトリプルパンチで元世界王者の実力の片鱗を見せるツニャカオ。さらに姫野をロープに詰め,ワンツーを浴びせる。
 6回,姫野はようやく攻勢に出るが,相打ちの右フックでバランスを崩した。7回にはツニャカオがバッティングで左目尻をカットする。
 8回,姫野の左目が塞がり,ドクターチェックのために一時中断。再開後,ツニャカオの左アッパーでのけぞる姫野。.さらに右フックで姫野はバランスを崩して倒れ,ダウンを取られた。
 そして,9回,姫野はよく食い下がったが,左目が塞がり,2度目のドクターチェック。結局続行不能と診断され,ここでストップがかかった。

 元世界王者の貫禄を存分に披露したツニャカオの完勝。サウスポーのボクサーファイターで,リーチに恵まれている。広めのスタンスでガードを低くした構えから,右ジャブ,ワンツー,右フックを放つ。パンチには非常にスピードと伸びがあり,上体の柔軟さも目につく。実力差のある相手に余裕のボクシングだった。
 姫野は左右フックの連打を得意とする右ファイター。よく食い下がったものの,実力の差は明白。左に回ってツニャカオの左ストレートを避けながら得意とする接近戦に持ち込みたかったところだが,ツニャカオのプレッシャーの前に,それをさせてもらえなかった。

8回までの採点 ツニャカオ 姫野
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:福地勇治 80 72
副審:染谷路朗 80 71
副審:葛城明彦 79 72
参考:MAOMIE 79 72


     ○ツニャカオ:21戦18勝(12KO)1敗2分
     ●姫野:16戦11勝(3KO)3敗2分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:桜井堅一朗

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                       2005年2月15日(火)    後楽園ホール
                                 10回戦
                  日本ウェルター級(ノーランク)           日本ウェルター級(ノーランク)
                ○    音田隆夫      判 定    永瀬輝男     ●
                       (トクホン真闘) 146 1/4 lbs              (ヨネクラ) 146 3/4 lbs
                                                    元日本ウェルター級チャンピオン

 初回,グイグイと前に出てプレッシャーをかける音田だが,永瀬は下がりながらよく見て左右フックを下から上に連打する。左フックでのけぞる音田。永瀬はさらにワンツーをヒット。2回は音田の手数が上回ったが,4回には永瀬がよく見て右ストレートで音田をのけぞらせる場面があった。
 ここまでは永瀬がベテランらしいうまさを見せてリードしたが,5回,右アッパーをボディに受けて急に永瀬の動きが鈍る。タフで定評のある永瀬が珍しくクリンチに出る。チャンスと見た音田がボディにパンチを集めれば,永瀬は上体を丸めて苦しそう。
 7回,音田が左ジャブを多用してどんどんプレッシャーをかける。永瀬は左目尻をカット(音田の有効打によるもの)。音田は左ジャブ,右ストレート,さらに接近戦でも右アッパーをヒットして優位に立った。8回,動きが鈍い永瀬をワンツー,右アッパーで追い込む音田。終盤には右フックからの連打で音田が攻勢に出た。
 9回,手数で押して行く音田だが,今度は終盤に永瀬の右フックがボディに決まり,形勢逆転。一気に攻勢に出て左右フックを浴びせる永瀬。
 しかし,10回は再び音田のペース。ワンツーからボディへの左アッパーを受け,たまらず音田に抱きついてピンチを脱しようとする永瀬。音田は苦しくなった永瀬をワンツー,右アッパー,ボディへの左フックで追い込む。

 音田はリーチに恵まれた右ボクサーファイターでパンチ力がある。手数が多く,積極的な試合運びが特徴。ややスピードに欠け,攻撃も一本調子になる傾向がある。もう少しメリハリをつけるようにすれば,スタミナのロスも抑えれれるはず。
 このクラスの元日本王者・永瀬は下がりながら音田の出方を見極め,攻撃の切れ目に巧みに接近して上下に打ち分けるなど,ベテランらしいボクシングで前半戦をリードした。しかし,徐々に音田の手数とパワーに押され,ボディブローでピンチを招くなど,さすがに33歳という年齢を感じさせた。

採点結果 音田 永瀬
主審:杉山利夫 *** ***
副審:ビニー・マーチン 96 95
副審:浅尾和信 97 94
副審:島川 威 96 96
参考:MAOMIE 97 95


     ○音田:17戦14勝(11KO)3敗
     ●永瀬:32戦22勝(12KO)8敗2分

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行&平田淳一
     実況:河路直樹

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                       2005年2月15日(火)    後楽園ホール
                                8回戦
                日本S・バンタム級(ノーランク)   K      O     タイ国フェザー級チャンピオン
             ○    宮 将来       3回1分51秒   デンタクシン・スンギラーノーイナイ ●
                     (ヨネクラ) 123 lbs                           (タイ) 123 1/2 lbs
                      宮将来=みや・まさき

 初回,先手を取ったのはデンタクシン。クリーンヒットは少ないが,ワンツー,左右フックでどんどんプレッシャーをかける。しかし,終了間際,宮が放った右ストレートからの左フックがヒットし,デンタクシンは大きくバランスを崩す。
 2回,相手を見過ぎてしまう宮は積極的に攻めるデンタクシンに手を焼き,鼻から出血。宮は接近してボディへの左アッパーをヒット。
 3回,フィニッシュシーンは唐突に訪れた。この回,ようやく左ジャブを多用し,右ストレート,左フックでプレッシャーをかける宮。コーナーで右の相打ちとなったが,宮の右ストレートがわずかに早く着弾した。この絶妙なカウンターを直撃されたデンタクシンは右膝を折り曲げるように仰向けに昏倒する。福地主審はカウントせず,即刻試合を止めた。深刻なダメージを負ったデンタクシンは立ち上がれず,タンカで運ばれた。

 絵に描いたような見事なカウンターによるワンパンチKO。宮は鋭い右ストレートを武器とする右ボクサーファイター。左アッパーのボディブローも強い。しかし,手数の少なさが最大の欠点。手数が少ないと,積極的に攻めるファイターを相手とした場合に調子に乗せてしまうし,採点上も不利。ボクシングセンスは備わっているのだから,3回に見せたように,自分から試合を作るように心がけて欲しい。また,左ジャブを打つときに左のガードが開いてしまう悪い癖がある。これは早目に矯正しておかないと,左フックをカウンターで合わせられる危険がある。

     主審:福地勇治,副審:ビニー・マーチン&熊崎広大&杉山利夫
     ○宮:13戦13勝(9KO)     ●デンタクシン:8戦7勝(2KO)1敗
     放送:スカイA     解説:大橋秀行     実況:河路直樹

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                       2005年2月15日(火)    後楽園ホール
                               8回戦
                日本ウェルター級4位     K       O   タイ国スーパー・フェザー級5位
             ○   大曲輝斉      2回2分11秒    ポンペット・ムアンスリン ●
                    (ヨネクラ) 147 lbs                        (タイ) 147 1/2 lbs
                大曲輝斉=おおまがり・てるよし

 初回,ジワジワと前に出て左ジャブを突き,右フックでボディを叩く大曲。ポンペットの右アッパーをブロックし,すかさず返した左フックがアゴを捉えれば,ポンペットは腰から落ちて早くもダウン。
 落ち着き払った大曲は2回,右フックをブロックし,すかさずテンプルへの左フックからアゴに右アッパーを返して再びポンペットをダウンさせる。ポンペットは立ち上がったが,大曲は右フックでボディを叩き,右アッパーをアゴに突き上げるマイク・タイソンばりのコンビネーションブローを披露。ポンペットの右フックをブロックし,すかさず相打ちの左フックをアゴへ。これが絶妙なカウンターになり,ポンペットは足をもつれさせてダウン。そのままカウントアウトされた。

 大曲は左右フック,アッパーに破壊力がある右ファイター。がむしゃらなファイターではなく,よく見て相手のパンチをブロックし,すかさずカウンター気味にパンチを返すなど,非常に冷静でクレバーな面を見せる。格下相手とは言え,非常に落ち着いた試合運びで,会心のKO勝ちと言える。ややスピード不足なところが欠点だが,パワーは魅力的である。

     主審:島川威,副審:ビニー・マーチン&浅尾和信&福地勇治
     ○大曲:21戦14勝(13KO)4敗3分     ●ポンペット:19戦7勝(4KO)12敗
     放送:スカイA     解説:大橋秀行     実況:河路直樹

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                       2005年2月19日(土)    後楽園ホール
                      東洋太平洋バンタム級王座決定12回戦
                   東洋太平洋バンタム級1位        東洋太平洋バンタム級2位     
                ○    鳥海 純       判 定    リンゴ・ジャガー  ●
                       (ワタナベ) 117 3/4 lbs              (インドネシア) 118 lbs
                      WBA12位,WBC14位          インドネシア・バンタム級チャンピオン

 初回から積極的に出る鳥海。軽快で俊敏な動きから距離を詰め,左ストレートのボディブローを多用して,早くも優位に立つ。2回以降も鳥海は積極的な攻撃でジャガーを圧倒。3回,ジャガーは柔軟な上体から右ストレートを伸ばすが,鳥海は終了間際に顔面に左ストレートをヒット。
 5回,ジャガーは流れを変えようと右ストレートを振って積極的に出るが,鳥海は落ち着いている。逆に左ボディブローを決め,左ストレート,フックのトリプルパンチを顔面に連打。ジャガーは右目下をカットし,苦しくなる。
 鳥海は中盤以降も動きが衰えず,よくパンチが出る。ジャガーは右目下が腫れ,ますます敗色濃厚となった。
 12回,左ジャブ,ワンツーで挽回を狙うジャガーに対し,鳥海はガッチリとガードを固めて接近し,叩きつけるような左フックでジャガーをぐらつかせた。腰が落ちたジャガーにさらに左ストレートを浴びせてのけぞらせ,最後まで圧倒して終了のゴングを聞いた。

 ワンサイドゲームの末に念願の初タイトル獲得となった鳥海。左ストレート,アッパーを上下に打ち分けて終始積極的なボクシングを展開し,見事な勝利だった。終盤はやや単調になったが,まずは完勝と言っていいだろう。若くて柔軟な上体を誇るジャガーに対して,前半からボディに的を絞って攻撃したことが奏功した。返しの右フックが出ればKOも期待できたが,それ以外は戦術・気迫ともに申し分のない試合内容だった。
 ジャガーは長身の右ボクサータイプ。左にサークリングしながら左ジャブで距離を測り,ワンツーにつなげるオーソドックスなボクシングをする。しかし,サウスポーの鳥海を相手に左に回り込めず,左ストレートで先手を取られて完敗となった。

採点結果 鳥海 ジャガー
主審:チャーリー・ルーカス(豪州) 116 112
副審:浅尾和信 120 108
副審:マホメット・ジェレス(インドネシア) 117 111
参考:MAOMIE 120 109

     ○鳥海:28戦23勝(9KO)4敗1分
     ●ジャガー:20戦12勝(6KO)8敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:高橋雄一

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                       2005年2月19日(土)    後楽園ホール
                                 10回戦
                  日本S・ウェルター級(ノーランク)          日本S・ウェルター級3位
                ○    磯谷和広      判 定    加山利治    ●
                       (輪島スポーツ) 154 lbs                  (ワタナベ) 154 lbs

 183cmという長身・磯谷は左ジャブ,ストレートからオーソドックスに入る立ち上がり。これに対してベテランの加山は右クロスをかぶせて応戦。
 2回,磯谷は伸びのある左ジャブから左右のボディ攻撃を見せる。加山はうっすらと鼻血。磯谷は3回にも左ジャブ,ストレートで加山をロープに追い,左右ボディブローで攻勢。度胸のある試合運びを見せる磯谷に対し,後手に回った加山は苦しい展開。
 5回,加山は右クロスで挽回を狙うが,後半は左フックでチャンスを掴んだ磯谷が加山をロープに詰めて左右フックの攻勢に出る。
 後半はともに体を密着させて揉み合うような打ち合いに終始した。7回,加山は左アッパーから右ストレートを放って反撃。密着してボディ攻撃を仕掛ける磯谷に対し,加山は回り込んで右ストレートを浴びせる。
 終盤はともにスタミナを消耗し,揉み合うようにボディブローを交換する場面が続いた。結局両者ともに決定打が出ないまま終了のゴングを聞いた。

 輪島功一会長の娘婿として話題の磯谷が元王者・加山を僅差で降してランキング入りを確実にした。長身で長いリーチに恵まれた右ボクサータイプで,左ジャブ,ストレートに非常に伸びがある。この左リードを軸に,左右ボディブローなどで果敢に攻め込む。ベテランの加山を相手に臆することなく打ち合いを挑むなど,なかなかの度胸を持っている。後半は揉み合いのような打ち合いに終始したが,せっかくの恵まれたリーチと伸びる左ジャブ,ストレートを持っているのだから,オーソドックスに攻めた方が持ち味が生きるはず。ときおりガードが下がることと,左ジャブを打つときに右のガードが開くことが気になる。上位を狙う場合,この欠点を突かれると危険である。
 33歳になった加山は相手の周囲をサークリングしながら鋭い左ジャブ,ワンツーを放っていた全盛時のようなボクシングが見られず,若い磯谷に不覚を取った。何よりも足が動かないことが衰えを感じさせた。

採点結果 磯谷 加山
主審:熊崎広大 *** ***
副審:鮫島英一郎 95 98
副審:山田一公 96 95
副審:内田正一 98 95
参考:MAOMIE 97 94


     ○磯谷:15戦9勝(5KO)6敗
     ●加山:28戦22勝(14KO)5敗1分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:羽鳥慎一

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                       2005年2月19日(土)    後楽園ホール
                                  8回戦
                   日本S・バンタム級1位    T   K   O   日本S・バンタム級4位
                ○   福原力也      8回2分04秒     小田島務    ●
                        (ワタナベ) 122 lbs                     (新日本仙台) 121 1/2 lbs

 初回開始早々,軽快な動きと小刻みな左ジャブの連打で積極的にプレッシャーをかけていく福原。左ジャブに次ぐ右ストレートを上下に。終了間際には右ストレート,左アッパーで攻勢を見せる。2回にも福原が積極的な攻撃で優位に立った。小田島をコーナーに詰め,右ストレートに左フックを重ねる。福原のスピーディな攻撃に後手に回る小田島は左フックを振って反撃を試みるが,これは大きく空を切る。
 3回には逆にプレッシャーをかけていく小田島だが,福原の動きに追随できず,右ストレート,左フックを受けて鼻血を流した。4回には福原の有効打で小田島は右目上をカット。
 6回,左フックで小田島をのけぞらせる福原は左アッパーのボディブローもヒットして攻勢。さらに後半にはワンツーで小田島をロープに詰める。
 そして8回にヤマ場が待っていた。ロープに下がった福原のアゴに小田島の思い切った左フックがヒット。この一発で福原はぐらついて大ピンチを迎え,クリンチに出る。しかし,ブレイクからの再開直後に逆転劇が用意されていた。一気に逆転を狙った小田島が不用意に出た瞬間,福原の渾身の左アッパーが小田島のボディを抉った。この一発で急速にスローダウンした小田島を見て一気に攻め込む福原。左右ボディ打ちで追い,コーナーで連打を浴びせたところで浅尾主審がストップ。

 174cmという長身の福原は右ボクサーファイター。軽快な動きから左ジャブを連打し,右ストレート,左フックで仕掛ける積極的なボクシングを身上としている。溌剌とした試合ぶりは見ていて気持ちがいいが,攻撃が直線的なのが欠点。また攻撃するときにアゴが上がってしまうことが気になる。8回にピンチを迎えたのも,アゴが上がったところに小田島の左フックを食ったもの。これは矯正しないと致命傷になりかねない。元王者・雄二ゴメス(八王子中屋=引退)を8回KOで破ってランキング上位に進出して以来,これで5連続KO勝ちと波に乗っている。しかし,ゴメス以外にはこれといった相手とはグラブを交えておらず,いつの間にか1位に名を連ねたという印象は拭えない。積極的なボクシングは買えるが,層の厚いこのクラスの強豪と比較すると,見劣りしてしまうのは仕方ないだろう。タイトルを目指すには,現状にかなりの上積みがされない限り無理と言わざるを得ない。真価が問われるのは今後である。1位の肩書きに恥じぬような奮起に期待する。
 小田島は右ファイタータイプ。左右フックを振って果敢に攻め込むボクシングスタイルが身上。いいところまで追い詰めながら,動きの速い福原を捉え切れなかった。8回には左フックで逆転KOのチャンスを迎えながら,気を抜いて墓穴を掘った。どんな状況でも気を抜いてはいけない。

     主審:浅尾和信,副審:内田正一&山田一公&ウクリッド・サラサス
     ○福原:17戦15勝(12KO)1敗1分     ●小田島:17戦8勝(4KO)7敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:寺島淳司

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                       2005年2月21日(月)    後楽園ホール
                       日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                     チャンピオン             挑戦者(同級1位)     
                ○ サーシャ・バクティン    判 定    熟山竜一    ●
                       (協栄)  118 lbs             (JM加古川) 117 1/4 lbs

 初回から鋭い左ジャブを連発するサーシャ。熟山も右ストレートを返すが,サーシャは右ストレート,入り際の右アッパー,さらにボディへの左ストレートで早くも主導権を握る。
 2回以降もサーシャのワンサイドゲーム。熟山はサーシャの左ジャブをよくブロックするが,そこから先が続かない。
 6回,熟山は鼻血を流し,左ストレートを浴びて大きくのけぞる。熟山はガードを固めるが,上体の動きがなく,次のステップにつながらない。8回以降はサーシャは手数が出ない熟山を追って一方的に攻め立てた。9回,ワンツーに次ぐボディへの右アッパーが効き,熟山は苦しげに後退。チャンスと見たサーシャは熟山をロープに詰めて連打を浴びせた。10回もサーシャの左ジャブ,ワンツーでワンサイドゲームのまま試合終了。

 サーシャはトップコンテンダーの熟山をまったく寄せつけない一方的な攻撃で6度目の防衛に成功。高速の左ジャブを中心とした攻撃は見事。終盤には自分から積極的に攻めて見せ場を作った。しかし,あそこまで一方的に攻めながらフィニッシュできなかったことは反省点として残る。
 善戦が予想された熟山はサーシャの左ジャブをよくブロックしていたものの,上体の動きがないために結局はサーシャのパンチの標的となった。ブロックの上からであっても,パンチが当たればサーシャは自分のリズムが生まれる。熟山はウィービング,ダッキングを多用してサーシャの空打を誘ってリズムを崩したり,右クロスをかぶせるなどの左ジャブ対策が欲しかった。

採点結果 サーシャ 熟山
主審:島川威 *** ***
副審:内田正一 100 90
副審:館 秀男 100 90
副審:吉田和敏 100 91
参考:MAOMIE (80) (72)


     ○サーシャ:13戦13勝(5KO)
     ●熟山:27戦18勝(7KO)6敗3分

     放送:TBS
     解説:竹原慎二&畑山隆則
     実況:土井敏之

※ 第4・5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は第4・5ラウンドを除く集計結果です)。

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                       2005年2月21日(月)    後楽園ホール
                                  10回戦
                   日本フライ級(ノーランク)    K      O    タイ国フライ級(ノーランク)
                ○   亀田興毅      1回2分10秒    ヨードゲン・シンワンチャー   ●
                       (グリーンツダ) 112 lbs                       (タイ) 111 lbs

 開始ゴングと同時にコーナーを蹴るように飛び出した亀田が早くもヨードゲンに襲いかかる。左ストレート,ボディへの右フック,左アッパーでプレッシャーをかける。コーナーで右フックが顔面に決まれば,ヨードゲンは呆気なくキャンバスに崩れる。そのままカウントアウト。

 後楽園初見参の亀田。相手の力不足もあって圧勝となった。スピード,パワーはノーランカークラスでは抜群で,勝ちに行く姿勢が非常にいい。対戦相手を探すのに苦労すると思うが,ここまで6試合の相手はすべてが格下のタイ人ボクサー。そろそろアジア圏の国内ランカーを選んで徐々に経験を積んだ方がいいだろう。大胆な言動に話題性はピカイチ。貴重なタレントなので,然るべき段階を踏んで経験を積ませて欲しい。

     主審:杉山利夫,副審:住吉栄一&吉田和敏&島川威
     ○亀田:6戦6勝(5KO)     ●ヨードゲン:11戦6勝(2KO)5敗
     放送:TBS     解説:竹原慎二&畑山隆則     実況:藤森祥平

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