熱戦譜〜2005年1月の試合から


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試合日 試合 結果
2005.01.03  WBC世界スーパー・フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 川嶋勝重  判定  ホセ・ナバーロ
2005.01.03  WBA世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ロレンソ・パーラ  判定  トラッシュ中沼
2005.01.08  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 榎洋之  TKO7R  金井晶聡
2005.01.08 8回戦  伊藤克憲  判定  臼井知史
2005.01.15 10回戦  竜 宮城  TKO2R  朴 賛烈
2005.01.15 10回戦  ネストール・ロチャ  判定  シャーウィン・マナタッド
2005.01.15 8回戦  宮田芳憲  判定  矢澤慎太郎
2005.01.15 8回戦  松橋拓二  KO1R  タタ・レガツナ
2005.01.15 8回戦  辻 昌建  KO2R  田中強士
10 2005.01.29  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ポンサクレック・クラティーンデンジム  TKO5R  小松則幸
11 2005.01.29 10回戦  小島英次  判定  仲 宣明

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                      2005年1月3日(月)    有明コロシアム
                    WBC世界スーパー・フライ級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン             挑戦者(同級1位)
                ○  川嶋勝重     判 定   ホセ・ナバーロ  ●
                      (大橋) 115 lbs              (米国) 114 1/2 lbs

 初回開始早々から激しいパンチの応酬となった。川嶋は左フック,右ストレート,サウスポーのナバーロも右アッパー,フックから左ストレートを返す。2回,ナバーロの的確なパンチによって川嶋は左目上から出血し,早くもハンデを負った。
 4回,川嶋は左フックでナバーロをぐらつかせ,猛然と攻勢に出る。バランスのいいナバーロが右フックを受け,珍しく後退する。
 白熱した打ち合いが続くが,中盤以降は川嶋の大振りが目立ち,雑な攻めとなった。強気で出ていたナバーロは正面から打ち合っては不利と見たのか,やや距離を取る。川嶋は8回,渾身の左ボディ打ちに出る。ややボディが効いたナバーロだが,負けずに右アッパー,左ストレートを返した。
 川嶋は両目上から出血し,やや苦しい戦い。10回,攻撃が雑になったところを突かれ,ナバーロの的確なパンチを許した。
 11・12回,顔面を血に染めて必死の形相で迫る川嶋。ナバーロも最後まで冷静さを失わず,白熱した展開のまま終了ゴングを聞いた。

 川嶋は体の動きとパンチに切れがあり,上々の滑り出しだったが,中盤以降はパンチの振りが大きくなる悪い癖が出てしまった。そのため攻撃が雑になり,再三ナバーロを追い込みながらも決定打を欠く結果となった。ナバーロの目と勘がいいだけに,大きい右フックをクリーンヒットすることは至難の業に近い。軌道の長い右フックよりも右ストレートを多用するべきだった。ナバーロがやや腰高に構える場面も見られたので,このときに踏み込んで右ストレートを鳩尾に打ち込んでいれば楽な展開になっていただろう。得意のボディ攻撃がほとんどアウトサイドからのパンチになっていたことが惜しまれる。
 前評判が高かったナバーロ。シドニー五輪の米国代表という輝かしいアマチュアでの実績があるだけに,試合運びは基本に忠実そのもの。サウスポースタイルから右フック,アッパー,左ストレートを軸にシャープでりきみのないパンチを的確に当てて来る。思い切った右フックのボディブローも見せた。目と勘に優れ,バランスが非常にいいことも長所。また,意外にタフで懐が深い点も目立った。今夜はほとんど足を使わずに正面からの打ち合いに応じていたが,それが川嶋にとっては幸いだったと言える。

採点結果 川嶋 ナバーロ
主審:マーク・グリーン(英国) *** ***
副審:ノパラット・スリチャレン(タイ) 115 113
副審:ヘラシオ・ペレス(メキシコ) 115 114
副審:ウィリアム・ブードー(カナダ) 109 120
参考:MAOMIE 116 116


     ○川嶋:31戦28勝(18KO)3敗
     ●ナバーロ:22戦21勝(9KO)1敗

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則&星野敬太郎
     実況:久保田光彦


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                       2005年1月3日(月)    有明コロシアム
                       WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン               挑戦者(同級7位)
                ○  ロレンソ・パーラ     判 定     トラッシュ中沼  ●
                     (ベネズエラ) 111 1/2 lbs                 (国際) 111 3/4 lbs

 開始早々から左右に動き回って,やや力を抜いたワンツー,左右アッパーをまとめるパーラ。中沼は例によってガッチリと顔面をカバーして肉迫する。2回,中沼の左フックがヒット。再びヒットした左フックでパーラがバランスを崩す場面が見られた。
 しかし,3回以降はパーラが動き回り,中沼のカバーリングの上から左ジャブ,ワンツー,ボディへの左右フックなどの細かいパンチをまとめる。手数を出したい中沼だが,肉迫はするものの肝心のパンチが出ない。4回にはパーラの左フックがヒット。
 6回,パーラをロープに詰めて左アッパー,フックのトリプルパンチを顔面からボディに放つ中沼。右アッパーでボディを打たれたパーラはやや弱気な一面が出た。終盤に左フックでぐらつかせた中沼は一気に攻勢に出る。
 しかし,それ以降はパーラがうまさを見せた。左フック,アッパーでボディを叩いて前に出る中沼だが,振りが大きいために後続打を封じられる。パーラは左右に動いて中沼の攻撃をかわし,細かいパンチの連打で要所を締めた。ときおりいいパンチをヒットしてパーラを追い込む中沼だが,パーラはスルリと体を入れ替えてワンツー,左右フック,アッパーをまとめ打ちする。
 11回,中沼がチャンスを迎えた。左フックでぐらついたパーラは必死のクリンチで難を逃れる。12回終了間際にも中沼の左からの右ストレートがヒットし,パーラは膝が揺れてダウン寸前に追い込まれ,辛うじて終了ゴングを聞いた。

 善戦した中沼だが,相手を追い込んでからパンチを打とうとする欠点が出てしまった。目と勘のいいパーラには顔面への大きいパンチは当りにくい。もう少しフェイントを使いながら手数を出して,下から攻め上げるべきだった。ときおりいいパンチがヒットしても,後続打を封じられてしまったことが敗因。
 パーラは驚くほどのスピードはないが,減量に失敗した昨年6月の坂田健史(協栄)との初防衛戦とは比較にならないほどの良いコンディション。常に左右に動いて中沼に的を絞らせず,中沼が出ないと見るとワンツー,左右フック,アッパーをカバーリングの上からでもまとめて放つ。中盤以降は中沼の単調な攻撃を完全に読み切っており,中沼が焦り気味に大きいパンチで迫ると,スルリと体を入れ替えてすかさず攻勢に転じるなど,心憎いほどの老獪さを見せた。坂田戦同様に,ときおり中沼のビッグパンチでぐらつくなど安定感のなさは相変わらずだが,相手の2発目以降を完封するボクシングはさすがである。

採点結果 パーラ 中沼
主審:アルマンド・ガルシア(米国) *** ***
副審:ラウル・カイズ(米国) 116 112
副審:エリキー・メロネン(フィンランド) 116 112
副審:「應明(韓国) 115 113
参考:MAOMIE 116 114


     ○パーラ:25戦25勝(17KO)
     ●中沼:31戦25勝(11KO)6敗

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則&星野敬太郎
     実況:四家秀治


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                       2005年1月8日(土)    後楽園ホール
                        日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                    チャンピオン       T   K   O    挑戦者(同級1位) 
               ○   榎 洋之     7回1分35秒    金井晶聡   ●
                (角海老宝石) 125 3/4 lbs                   (姫路木下) 126 lbs

                      WBC15位                        WBA11位       金井晶聡=かない・あきのり

 ファン待望の好カード。高いKO率を誇る無敗同士の一騎打ちとあって,後楽園は超満員に膨れ上がった。
 初回,オープニングヒットは金井。肩越しに右ストレートがクロスで榎のテンプルにヒット。榎の入りは得意の左ジャブ,ストレートから。自重してか,慎重な立ち上がりを見せた。
 2回に入ると榎が重く鋭い左ジャブ,ストレートを多用し,金井の出バナを叩く。この左で金井の顔が上を向く場面が再三見られた。榎はさらにノーモーションの右ストレート,ボディへの右フックを打ち込んで主導権を掌握した。3回には金井も得意のワンツーで反撃するが,榎は冷静そのもの。タイミングのいい左リードで機先を制し,ワンツーで金井をのけぞらせる。
 4回,コーナーに榎を追い込んでワンツーからラッシュする金井だが,榎はこれを堂々と受け止める横綱相撲を見せた。榎の左リードで金井の右目が早くも塞がりはじめた。5回,榎に負けじと鋭い左ジャブ,ストレートを突く金井。しかし,ここでも榎は冷静に対処する。コンスタントに左リードを突き,金井のミスパンチを誘うとすかさず右アッパーから左フックをボディに送る。
 6回,榎の左リードで金井の右目が塞がる。中断して福地主審が金井の視界をチェックして試合続行。チャンスと見た榎は金井をロープに詰めて左右のボディ攻撃。金井は必死に前に出るが,榎はこれを冷静に見極め,下がりながら巧みに右アッパー,ストレートをヒットする。
 そして勝負は7回に決着がついた。榎の左ジャブ,ワンツーがヒットしたところで福地主審が再度中断し,塞がった金井の右目をドクターチェック。これは再度続行となったものの,勝負どころと読んだ榎がスパートする。左ジャブ,ワンツーで追い,左フックのダブルをわき腹からアゴへ。金井の足元がフラついたところでついに福地主審がストップした。

 新春の後楽園を飾るに相応しい実に見応えのある好試合。両者の対戦が発表された直後から話題が沸騰したが,ファンの期待をもはるかに上回る白熱戦が展開された。迫力ある左の刺し合いも見られ,正月早々年間最高試合候補の一角に並びそうな勢いである。
 王者・榎の堂々たる初防衛。一発がある金井との真っ向勝負を避け,重く鋭い左ジャブ,ストレートで徹頭徹尾金井の出バナを叩く作戦が奏効した。絶対に強振せず,当てることにポイントを置いたボクシングである。ストップに持ち込んだ連打もやや力をセーブしたものであり,フルラウンド戦うことも視野に入れていたものと見られる。
 ときおり金井のいいパンチを食う場面もあり,気が強い榎だけに,従来ならば真っ向から行くところ。しかし今夜は最後まで冷静さを保つことに徹していた。自らにブレーキをかけ続けた精神力が光っており,一段と成長した姿を見せた。気が強い榎の手綱を締め続けた角海老宝石陣営の采配も見事である。あらためてボクシングはチームプレイであることを認識させてくれる試合となった。勢いのある挑戦者が相手だけに苦戦も予想されたが,結局は修羅場をくぐり抜けた場数の差が出たと言える。
 チャンピオンカーニバルで予定されている世界ランカー・武本在樹との防衛戦の内容いかんでは世界挑戦も視界に入ってくるだろう。今後が非常に楽しみである。
 15連続KO勝ちの日本記録を賭けて初挑戦のリングに立った金井は完敗。上体の振りがないため,榎の左リードの標的となり,左ジャブ,ストレートをまともに食ってのけぞる場面の連続となった。榎がスロースターターであるだけに,もう少し上体を振って序盤から得意の右クロスをかぶせて先手を取るべきだった。
 敗れはしたが,大記録達成を賭けた試合に,あえて王者・榎への挑戦を選んだ金井の勇気に敬意を表したい。今夜は経験の差が出てしまったが,戦績に恥じぬ素晴らしい左ジャブ,右ストレートを持っており,初黒星を糧にぜひ巻き返しを図って欲しい。いずれ必ずチャンスが来るはずである。

6回までの採点 金井
主審:福地勇治 *** ***
副審:山田一公 60 55
副審:鮫島英一郎 60 55
副審:内田正一 59 58
参考:MAOMIE 59 54


     ○榎:22戦21勝(17KO)1分
     ●金井:15戦14勝(14KO)1敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:寺島淳司

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                      2005年1月8日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                   日本フライ級4位              日本フライ級(ノーランク) 
               ○   伊藤克憲     判  定     臼井知史   ●
                  (角海老宝石) 115 lbs                (ヨネクラ) 115 lbs


 同型の右ファイター同士の激しい打ち合いに終始した。初回から頭をつけるようにして接近戦に入る。終盤,伊藤が左右フックをまとめて主導権を握った。2回,伊藤が左右フックをボディから顔面に見舞うと臼井はやや後手に回る。バッティングで伊藤が左目上,臼井が額をカットして早くも流血のファイトとなった。
 3回,臼井はやや距離を取って左ジャブ,ストレートを放つが,威力に欠け,伊藤の肉迫を許す。伊藤は各ラウンドの終盤にパンチをまとめて優勢に試合を進めた。
 5回,臼井はバッティングで左目上をカットするが,終了間際に伊藤がバランスを崩したところに思い切った右ストレートを浴びせる。しかし,その直後にバッティングが発生し,臼井が露骨に痛がって背を向けてしまう。
 7回には伊藤がヘディングで減点される。それを受けて急に元気が出たのか,臼井が左右フックで攻勢。しかし,その直後に今度は臼井が同じヘディングで減点され,同一のラウンドに両者が減点されるという珍しい場面が見られた。
 8回,激しい打ち合いが続くが,両者譲らず。

 伊藤の気持ちの強さが上回った。パンチ力はないが,手数がよく出る。接近戦で左右フックを上下に打ち分けて押して行く右ファイター。ベテランで2度目の日本タイトル挑戦を狙っているが,やや決め手に欠ける。
 臼井も同じファイタータイプだが,こちらもスピードに欠ける。接近戦での打ち合いからペースを変えようと,やや距離を取って左ジャブ,ストレートを突く場面もあったが,威力がなく,伊藤の肉迫を阻止できなかった。バッティングで露骨に痛がって相手に背を向けるなど,弱気な面を出してしまった。これは相手を元気にさせてしまうだけである。

採点結果 伊藤 臼井
主審:熊崎広大 *** ***
副審:福地勇治 77 74
副審:鮫島英一郎 76 76
副審:安部和夫 77 76
参考:MAOMIE 78 76


     ○伊藤:24戦14勝(1KO)6敗4分
     ●臼井:29戦15勝(6KO)10敗4分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:高橋雄一

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                        2005年1月15日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                   日本フェザー級4位    T    K   O    韓国S・フェザー級1位 
               ○   竜 宮城      2回2分19秒    朴 賛烈   ●
               (沖縄ワールドリング) 129 lbs                       (韓国) 130 lbs


 強打の宮城が初回からプレッシャーをかける。思い切った右フックあるいはボディへの左フックで応戦する朴だが,パワーの差は歴然。後半,右ストレート,左フックで朴をぐらつかせた宮城はロープに釘付けにして左右の猛攻を見せる。何とかゴングに救われた朴は足元がふらつき,ダメージの色が濃い。
 続く2回,宮城が一気に勝負を決めた。果敢に反撃に出る朴だが,右アッパー,右ストレートを受けて泳ぐ。宮城はすかさず襲いかかり,左フック,右ストレートの猛攻。朴の足がもつれたところでタオルが舞った。

 よく頑張った朴だが,終わってみればパワーの差を見せつけた宮城の圧勝。手数がよく出ており,上下の打ち分けが見事だった。またパンチに緩急があった点も評価できる。ただし,ガードを低くしたまま相手の正面に立ってしまう悪い癖がある。今後さらに上位を狙う場合,これは致命傷になりかねない。もう少し上体を振るなど,今のうちに矯正しておくことが望ましい。低いガードから放つパンチが持ち味なので,それは敢えて直さない方がいいだろう。
 朴はタフでやや変則的な右ファイタータイプ。スピードはないが,非常に闘志あふれるコリアンファイターである。

     主審:鮫島英一郎,副審:島川威&葛城明彦&杉山利夫
     ○宮城:14戦12勝(10KO)2分     ●朴:10戦5勝(2KO)4敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:長谷川憲司

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                        2005年1月15日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                   米国バンタム級(ノーランク)             比国S・フライ級8位 
               ○  ネストール・ロチャ       判 定    シャーウィン・マナタッド   ●
                    (米国=帝拳) 116 lbs                    (比国) 117 1/2 lbs


 マナタッドの固いガードの上から右ストレート,左フック,右アッパーを打ち込んで初回から早くも攻勢に出るロチャ。2回には左アッパーでボディを叩かれたマナタッドが上体を折り曲げる場面が見られた。
 3回にマナタッドの右フックで鼻から出血したロチャはそれでも手数で押して,ポイントでは大きくリードする。しかし,マナタッドの固いガードを崩すまでには至らず,いささか不完全燃焼気味の展開が続いた。
 大きく試合が動いたのは8回。ようやくリズムを掴んだロチャが接近戦で右フックのボディブローから左アッパーでわき腹を抉れば,しぶといマナタッドもたまらずダウン。辛うじて立ち上がったマナタッドに攻勢をかけるロチャ。
 しかし,9・10回は追い上げながらも崩し切れず,フルラウンドを戦い抜いた。

 ロチャは帝拳ジムがマネジメント契約しているメキシコ出身の米国西海岸のホープ。長身の右ボクサータイプで,長いリーチを生かした右ストレート,ボディへの左右アッパーを武器としている。パンチは重く,メキシカン特有の多彩なコンビネーションブローを上下に打ち分ける。しかし,驚くほどのスピ−ドはない。足の動きがなく,左ジャブ,ストレートが少ないことが欠点。せっかくの長いリーチに恵まれているのだから,もう少し左ジャブ,ストレートを多用し,フェイントをかけながら相手を崩すことを覚えて欲しい。
 マナタッドはガードが固い右ファイタータイプ。意外に動きが速く,相手にとっては非常にやりにくいタイプである。右フックが武器だが,手数が少なく,消極的なボクシングに終始した。

採点結果 ロチャ マナタッド
主審:土屋末広 *** ***
副審:島川 威 100 91
副審:館 秀男 100 91
副審:鮫島英一郎 99 92
参考:MAOMIE 100 90


     ○ロチャ:12戦12勝(3KO)
     ●マナタッド:29戦11勝14敗4分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:高橋雄一

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                        2005年1月15日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本フェザー級(ノーランク)           日本フェザー級(ノーランク)
               ○     宮田芳憲      判 定    矢澤慎太郎   ●
                    (角海老宝石) 125 1/2 lbs               (帝拳) 125 3/4 lbs


 初回,164cmと小柄な宮田が軽いステップから重い切ったワンツーを伸ばして積極的に仕掛ける。矢澤は慎重な滑り出しだが,終盤に宮田のワンツーを受けて腰が落ち,早くもピンチ。2回にも宮田が右アッパー,そして再びワンツーをヒットして矢澤をぐらつかせた。矢澤は後手に回って苦しい展開。
 3回,積極的な宮田は右アッパーに次ぐ左フックの連打で矢澤をロープに詰めて攻勢。
 もう少し積極的に手を出したい矢澤。5回にはようやくワンツー,左右フックの連打を見せるが,宮田も接近戦で思い切った左右アッパーを返して譲らない。試合は小気味のいい好ファイトとなった。
 リードされていた矢澤が反撃に転じたのは6回。左フックで宮田をぐらつかせ,一気に連打で攻勢に出る。2分過ぎにも右ストレート,左フックに次ぐ左右フックの連打で宮田をコーナーに詰める。
 終盤は疲れが見える宮田を矢澤が激しく追い上げた。打ち疲れのためか,宮田はもともと大きいパンチの振りがますます大きくなって,正確さを欠いた。8回,手数で矢澤がポイントを挽回して終了。

 昨年4月のビータイト大会の4回戦で対戦(矢澤の判定勝ち)して以来の再戦となったが,僅差で宮田が雪辱を果たした。パンチ力のある若手同士のケレンミのない好ファイトとなった。
 宮田は小柄だがガッシリした体躯から思い切った攻撃を見せる右ファイタータイプ。パワーに加えて,思い切りと踏み込みの良さが身上で,リーチのハンデを感じさせない。前半から先手先手で攻め,カウンター狙いの矢澤の攻め手を封じていたことが勝因。終盤に打ち疲れが出て大振りになり,矢澤の追い上げを許したが,前半のリードを守ってリターンマッチを制した。
 3連敗となった矢澤。いいワンツー,左フックを持っているが,パンチ力に自信を持っているためか,手数が少なく,後手に回ってしまったことが痛い。スランプ気味だが,パンチ力に頼るのではなく,手数を多くして,その中からチャンスを掴むようにすることが望ましい。いいモノは持っているので,再浮上を期待する。

採点結果 宮田 矢澤
主審:葛城明彦 *** ***
副審:杉山利夫 77 77
副審:館 秀男 78 76
副審:土屋末広 77 76
参考:MAOMIE 78 77


     ○宮田:18戦14勝(9KO)3敗1分
     ●矢澤:25戦19勝(13KO)6敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:高橋雄一

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                            2005年1月15日(土)    後楽園ホール
                                    8回戦
                   日本S・ウェルター級(ノーランク)    K       O    比国ウェルター級4位 
               ○      松橋拓二       1回2分14秒    タタ・レガツナ  ●
                    (帝拳) 153 1/4 lbs                            (比国) 153 1/2 lbs


 開始早々からプレッシャーをかける松橋。レガツナをロープに詰め,迫力十分の左ストレート,右フックを浴びせる。ニュートラルコーナーで左右の猛ラッシュ。連打からアゴへの左アッパーがヒットすると,レガツナはワンテンポ置いてよろめくようにダウン。そのまま立ち上がれずカウントアウト。

 左肩亜脱臼のためにリングを離れ,1年2ヶ月ぶりの再起戦となった松橋。相変わらず粗削りだが,爆弾を抱えている肩を庇う素振りも見せず,初回から全開の猛攻を見せた。持ち味をフルに生かしており,豪腕復活と言っていいだろう。相手の正面に立ってしまう欠点があるが,上位に進出してタイトルを狙える力は十分に持っている。じっくり調整して欲しい。
 レガツナは長身でリーチに恵まれた右ボクサータイプ。松橋のパワーに押し込まれたこともあるが,上体が突っ立ってしまうのが最大の欠点。

     主審:島川威,副審:葛城明彦&館秀男&鮫島英一郎
     ○松橋:7戦6勝(6KO)1敗     ●レガツナ:48戦20勝(15KO)27敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:望月浩平

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                        2005年1月15日(土)    後楽園ホール
                                8回戦
                   日本ミニマム級8位     K       O    日本ミニマム級(ノーランク)
               ○   辻 昌建      2回2分48秒    田中強士   ●
                 
  (帝拳) 105 1/2 lbs                      (京浜) 105 lbs
                 
  辻 昌建=つじ・まさたて

 サウスポーの辻がスピードに乗った攻撃で初回からリード。軽快で小刻みな動きから左ストレート,右フックをヒットすれば,田中が早くもバランスを崩す場面が見られた。
 続く2回中盤,田中が打ち合いに出たところ,待ってましたとばかりに放ったショートの左ストレートがカウンター気味に決まる。この一発で田中は腰から落ちてダウン。チャンスと見た辻は一気の速攻を見せる。左ストレートからの連打で2度目のダウン。よく立ち上がったが,再び左ストレートで腰が砕けた田中を杉山主審が救って試合終了。

 国体ライト・フライ級で準優勝というアマチュアでの実績があるだけに,辻のボクシングは基本に忠実そのもの。サウスポースタイルから軽快な動きでリズムを取り,積極的に左ストレート,右フックのコンビネーションブローをビシビシ決めて行く。パンチの切れとタイミングが非常に良い。チャンスに連打がまとめて出ることも長所のひとつ。好素材なので,じっくり経験を積ませて大事に育てて欲しい。パンチは切れるので,今夜のように積極的なボクシングを忘れなければ,KO率もアップするだろう。
 田中は右ファイタータイプ。果敢なボクシングをするが,スピードの差が出てしまった。動きが少ないため,相手のパンチの標的になってしまう。

     主審:杉山利夫,副審:葛城明彦&土屋末広&島川威
     ○辻:7戦7勝(2KO)     ●田中:17戦7勝(4KO)8敗2分
     放送:G+     解説:なし     実況:望月浩平

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                        2005年1月29日(土)    大阪府立体育会館
                            WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                       チャンピオン                      挑戦者(同級10位)
                ○  ポンサクレック         T   K   O    小松則幸     ●
                     ・クラティーンデンジム   5回1分42秒   
                          (タイ) 112 lbs                         (エディタウンゼント) 112 lbs

 初回,小松は左フックをヒットするが,ポンサクレックはりきみのないフォームから左ストレート,ダブルの右アッパーを突き上げて主導権を握った。
 2回,早くも小松の力量を見切ったポンサクレックは左ストレート,接近して右アッパー,フックを連打。小松は左目上をカットして出血(ポンサクレックの有効打によるもの)。左ショートストレートがヒットして小松は腰から落ちてダウン。小松の左目上の傷により一時中断。
 3回,ポンサクレックの右フックで腰が落ち,ダウン寸前の小松。ドクターチェックのために再び中断する。小松は正面に立っているため,王者の左ストレートを浴びる。
 4回,ポンサクレックのコンビネーションブローでワンサイドゲームとなる。左ストレートで再三バランスを崩す小松。ポンサクレックは接近すると下から執拗に右アッパーを連発する。
 そして5回開始早々,3度目のドクターチェックからの再開後,王者の右フックで小松たまらずダウン。立ち上がったものの足元が定まらない小松は連打に晒され,ロープ際で再びダウンする。辛うじて立ち上がったが,4度目のドクターチェックで続行不能とされ,ついにブルナー主審がストップ。

 ポンサクレックは小松をまったく相手にしない強さを披露し,圧勝で11度目の防衛に成功。連打のスピード,回転力は相変わらず。落ち着いた試合運びで初回に小松の力量を見切ると,その後はピッチを上げて攻勢に転じた。この辺の勝負勘はさすがと言うより他に言葉がない。小松が正面に立ってしまう場面が多かったため,左ストレートを狙い打ちし,右フックで泳がせ,接近すれば下から執拗に右アッパーを突き上げるなど,まさにやりたい放題のボクシング。
 初挑戦の小松は緊張のために舞い上がってしまったのか,サウスポーの王者を相手にセオリーの左回りを完全に忘れてしまい,右に回ろうとして正面に立つ場面が多かった。そのため,王者の正確なコンビネーションブローの絶好の標的になってしまった。逃げずに正面に立っていてくれて,しかもガードが甘いとあっては,ポンサクレックにとってこれ以上イージーな挑戦者はいなかっただろう。よく頑張ったが,王者との実力の差は埋めようがない。

     主審:マルコム・ブルナー(豪州),副審:オレン・シェレンバーガー(米国)&アレハンドロ・ロチン(メキシコ)&キム・ジェー・ボン(韓国)
     ○ポンサクレック:57戦55勝(30KO)2敗     ●小松:26戦19勝(8KO)2敗5分
     放送:読売テレビ     解説:六車卓也     実況:尾山憲一

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                        2005年1月29日(土)    大阪府立体育会館
                                 10回戦
                  WBC世界S・・フライ級18位            WBC世界バンタム級8位
               ○     小島英次      判  定    仲 宣明     ●
                      (金沢) 120 lbs                    (尼崎) 119 1/2 lbs


 初回から足を使い,左右に目まぐるしく動いて右ジャブで牽制する小島。仲は前に出るが,小島の左ストレートがヒット。小島はさらに左ストレートをボディに放つが,偶然のバッティングで右目上をカット。
 2回,小島の右アッパーに次ぐ左ストレートで大きく腰を落とす仲。小島はロープに詰めて一気にラッシュ。終了間際,フェイントからの小島の右アッパーで仲,あっけなくダウン。3回にも狙いすましたような左フックで仲は再びダウン。後半にも小島の右フックを受けてぐらつく仲。
 さらに5回,仲は前に出ようとしたところに大きな左フックを受け,腰から落ちて3度目のダウンを喫した。
 7・8回,仲は距離を詰めようとするが,小島の動きに追随できず,逆に左ストレート,フックをカウンターされた。
 9回,ようやく仲が反撃に転じた。本来の鳥を追い込むような足の運びで距離を詰めて小島に迫る。右ストレートでぐらついた小島は仲の左フックでバランスを崩してダウンを取られた。10回,勢いに乗る仲はどんどん距離を詰める。小島は左フックでぐらつき,足に来てピンチを迎えた。仲は攻勢を強めるが,時間切れ。

 関西軽量級の実力者同士の注目の好カード。不利を予想された小島が3度のダウンを奪う健闘を見せて仲を制した。小島の勝因は変幻自在の動きで仲に的を絞らせなかったこと。距離を詰めるのがうまい仲の上を行くような見事なヒットアンドアウェイ戦法だった。攻めてはタイミングをワンテンポ遅らせた左フックを中心としたカウンターが奏功した。
 仲は得意の鳥を追い込むようなフットワークが見られず,小島の速い動きを封じられなかったことが敗因。終盤にようやく見せ場を作ったものの,攻めあぐんだところに小島のカウンターを浴びてしまい,内容的には完敗。

採点結果 小島
主審:原田武男 *** ***
副審:上中一郎 96 90
副審:安田裕候 95 91
副審:野田昌宏 95 91
参考:MAOMIE (77) (71)


     ○小島:15戦12勝(3KO)3敗
     ●仲:22戦18勝(12KO)2敗2分

     放送:読売テレビ
     解説:六車卓也
     実況:野村明大

※ 第4・6ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は第4・6ラウンドを除く集計結果です)。

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