熱戦譜〜2004年12月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.12.04  日本スーパー・ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 木村登勇  判定  五百久寛行
2004.12.04 8回戦  石井一太郎  TKO1R  藤原康志
2004.12.04 8回戦  三浦隆司  引き分け  鈴木哲記
2004.12.06  日本ミニマム級
 タイトルマッチ10回戦
 小熊坂諭  判定  金田淳一朗
2004.12.08 10回戦  高山勝成  KO3R  ナムチャイ・タクシンイーサン
2004.12.13  東洋太平洋スーパー・ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 クレイジー・キム  KO4R  アデ・アルフォンス
2004.12.13 10回戦  相澤国之  判定  ジェリー・パハヤハイ
2004.12.13 10回戦  酒井俊光  判定  江川宗武
2004.12.13 10回戦  亀田興毅  KO2R  ノパデレック・チュワタナ
10 2004.12.14 10回戦  マサ・バキロフ  引き分け  山口裕司
11 2004.12.18  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 イサック・ブストス  TKO4R  イーグル京和
12 2004.12.18  WBC世界スーパー・ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 マルクス・バイエル  判定  西澤ヨシノリ

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                      2004年12月4日(土)    後楽園ホール
                    日本スーパー・ライト級タイトルマッチ10回戦
                   チャンピオン               挑戦者(同級5位)
               ○  木村登勇    判 定    五百久寛行  ●
                   (横浜光) 140 lbs              (不二) 139 3/4 lbs

               木村登勇=きむら・のりお       五百久寛行=いおく・ひろゆき

 初回,余裕を持ってノーモーションからの伸びのいい左ストレートを狙う木村はさらに五百久の入り際に右フック,左ストレートをヒットする。3回には右ジャブに次ぐロングレンジからの左ストレートで五百久がバランスを崩す。
 五百久は木村のパンチを警戒しているためか自分から仕掛けられず,なかなか突破口を見出せない。木村は5回にも左ストレートで五百久をぐらつかせるが,こちらも単発で後続打が出ず,試合は淡々と進んだ。7回,木村は左ストレートのボディブロー,右フックをヒット。
 マイペースで試合を進める木村が攻勢に出たのは9回。左ストレート,右フックで五百久を激しく追い上げる木村。ややラフだが,王者の攻撃に防戦に回る五百久。10回にも木村が左ストレート,右フックを浴びせて激しい攻勢に出る。右目上からの出血した五百久は防戦が精一杯。終了間際にようやく連打で反撃らしいものを見せる五百久だが,そこまで。

 ワンサイドで2度目の防衛に成功した木村だが,盛り上がりに欠ける試合となった。木村は相手を甘く見て余裕を持ち過ぎたのか,攻撃が単発になってフィニッシュできなかった点は大いに不満が残る。9・10回に見せた追い上げが前半から出ていれば倒せたはず。リング中央でのボクシングが目立ったが,もう少し五百久をロープに追い込んで攻撃を仕掛けるべきだった。東洋太平洋王座への挑戦を希望しているようだが,マイペースで試合を進めるだけではダメで,今後の反省材料として欲しい。
 五百久はリーチに恵まれた右ボクサータイプ。KO勝ちが皆無という戦績が示すようにパンチ力はないが,ワンツーを得意としている。しかし今夜は木村のパンチを警戒したためか,消極的なボクシングが目立った。実力伯仲ならば後半勝負の作戦も理解できるが,実力差がある場合には前半から積極的に出て行かなければ勝機はない。

採点結果 木村 五百久
主審:福地勇治 *** ***
副審:内田正一 100 91
副審:浅尾和信 100 91
副審:金谷武明 100 94
参考:MAOMIE 100 92


     ○木村:31戦24勝(10KO)5敗2分
     ●五百久:25戦11勝(0KO)11敗3分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:長谷川憲司


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                      2004年12月4日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本ライト級9位    T   K  O    日本ライト級(ノーランク)
              ○  石井一太郎    1回2分28秒     藤原康志    ●
                  (横浜光) 135 lbs                      (レパード玉熊) 135 lbs


 抜群の強打で評価急上昇中の石井が怒涛の速攻で勝負を決めた。
 サウスポーの藤原に対して,開始早々から左ジャブを細かく突いてチャンスを窺う石井。早くもロープに詰め,右ストレートから接近してバネの効いた左フック,アッパーをボディ,アゴに打ち分ける。右を軽く出して合わせた左フックが見事なカウンターになり,ぐらつく藤原。勝負どころと読んだ石井は藤原をロープに釘付けにしてエンジン全開のラッシュ。ワンツー,左右フックの乱打に晒された藤原を鮫島主審が救って呆気なく試合終了。

 石井はバネが効いて非常に柔軟な体から繰り出す右ストレート,左フックを武器とする右ファイター。右ストレートでも倒せるが,右を捨てパンチにして放つ左フックあるいはもぐり込んでからの左フック,アッパーのボディブローも角度が良くて強烈。強打者にありがちな一発に頼る癖がなく,連打が出ることも長所である。今後はぜひ接近するまでのパンチの出し方を身につけて欲しい。また同じ場所に止まらず,インアウトができるようになればもっと伸びる。捨てパンチやフェイントなどの細かいテクニックを覚えて行けば,上位に進出して日本タイトル挑戦もそう遠い話ではないだろう。”赤丸要チェック”の最右翼である。
 粘り強くタフで鳴るサウスポーの藤原だが,新鋭・石井の強打を浴びて完敗となった。前半凌いで石井に疲れが出る後半に持ち込めば面白かったと思うが,初回から石井のペースに巻き込まれてしまっては勝機はない。

     主審:鮫島英一郎,副審:浅尾和信&熊崎広大&福地勇治
     ○石井:13戦11勝(11KO)1敗1分     ●藤原:20戦9勝(4KO)8敗3分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:寺島淳司

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                      2004年12月4日(土)    後楽園ホール
                              8回戦
                  日本ライト級(ノーランク)           日本ライト級(ノーランク)
               ×   三浦隆司     引き分け   鈴木哲記    ×
                   (横浜光) 135 lbs                (ワールド日立) 134 lbs

                                      鈴木哲記=すずき・あきのり

 初回,早くも左ストレートを狙い打ちしてジリジリと迫る三浦。2回には強烈な左フックがカウンターになって鈴木がバランスを崩す。コーナーに鈴木を詰めて重い右フック,左ストレートを浴びせて攻勢に出る三浦。鈴木は右回りなので三浦の左ストレートを受ける。
 しかし,鈴木もしぶとい。3回には逆に隙を見て思い切りのいい右フック,ストレート,左フックを再三ヒットして反撃。上体の動きがない三浦はこれをまともに食う場面が目立つ。
 4回には三浦が重い左フック,アッパーでボディを叩いて前に出る。鈴木も思い切った右フックを返すが,後半三浦は鈴木をロープに詰めて右フック,左ストレートの連打を浴びせる。
 5回,押して行くのは三浦だが,手数はあまり出ない。逆に鈴木が捨て身とも思える右フック,アッパーを顔面やボディに叩き込む。一進一退の攻防が続くが,8回にはスタミナ切れした三浦は必死にパンチを出すものの,足の踏ん張りが効かず,両足が揃う場面が目立つ。鈴木にも疲れが見られるが,右フックのヒットで上回る。

 ホープ三浦にとっては試練のドロー。曲者・鈴木の思い切った反撃に再三タジタジとなる場面を見せ,最後はスタミナ切れの様相を呈していた。相変わらず膝の動きがなく,上体だけでパンチを打っているが,パンチ力は一級品。上体だけで打ってあれだけ破壊力があるのだから驚異的である。もう少し膝を柔軟に使い上体を振ることを覚えれば,コンビネーションブローが打てるようになって攻撃に幅が生まれるはず。被弾が多かった原因は上体の振りがないからに他ならない。また膝の動きが硬いと消耗戦になった場合に踏ん張りが効かず,打たれた場合のダメージも増幅しやすいだろう。いいものを持っている逸材だが,今後上位に進出するためにはその欠点を克服することが不可欠である。今夜の苦戦は非常に勉強になったはず。これを糧にさらなる精進を期待する。
 相変わらずのしぶとさを存分に披露した鈴木は右ファイター。パンチ力はないが,試合を捨てずに粘り強く食い下がるため,相手にしてみればやりにくいことこの上ない。何をやれば相手がいやがるかを計算しているかのような試合ぶりだった。思い切った右フック,ストレートを主体とする積極的な攻撃が身上。

採点結果 三浦 鈴木
主審:熊崎広大 *** ***
副審:福地勇治 77 78
副審:内田正一 77 76
副審:金谷武明 77 77
参考:MAOMIE 77 76


     ×三浦:6戦5勝(4KO)1分
     ×鈴木:16戦8勝(2KO)5敗3分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司


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                   2004年12月6日(月)    後楽園ホール
                    日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
                   チャンピオン             挑戦者(WBA8位)
             ○   小熊坂諭    判 定    金田淳一朗   ●
                (新日本木村) 105 lbs           (白井・具志堅) 104 lbs


 小柄な金田が初回から小刻みに上体を振って迫り,左右ボディブロー,右ストレートで先制攻撃を仕掛ける。小熊坂は慎重な入り。金田はさらに左フックを下から上にダブり,上々の立ち上がりを見せた。
 2回,小熊坂は金田の入り際に右フックをヒット。金田は構わず距離を詰め,得意の速い左右フックの連打で迫る。小熊坂は入り際に金田のボディに左アッパーを合わせるが,ここまでは積極的な金田のペースで試合が進んだ。
 3回,小熊坂はようやく金田の入り際に左ストレート,アッパーをヒットして接近を止めにかかる。
 中盤は一進一退の攻防が続く。前に出て仕掛ける金田に対して,小熊坂はカウンターを合わせ,金田がなおも出ると巧みなクリンチワークで金田の追撃を阻止する展開となった。
 終盤も激しい主導権争いとなったが,8・9回はやや手数が減った金田に対して,小熊坂がカウンターを合わせて挽回を図った。

 善戦した金田だが,小熊坂の老獪なボクシングのため,後半に思うように追撃できなかったことが敗因。序盤は鋭い足の運びで肉迫して連打を浴びせていたが,中盤以降は小熊坂の巧みなクリンチワークで攻撃の芽を摘まれて単発に終わる場面が目立った。しかし,将来性は十分。経験を積めば,いずれは世界挑戦も期待される逸材である。世界にはクリンチワークやカウンターなどのうまい相手がゴロゴロいる。今夜の敗戦を糧に,さらなる精進によって飛躍することを望む。
 小熊坂は相変わらず相手を見ながら後退し,入り際に左ストレートや左アッパーを合わせるボクシング。相手の打ち気を巧みなクリンチワークでかわすあたりは老獪だが,このボクシングでは限界があり,このままではあまり多くは望めない。

採点結果 小熊坂 金田
主審:島川 威 *** ***
副審:館 秀男 96 98
副審:吉田和敏 98 96
副審:内田正一 96 95
参考:MAOMIE (86) (86)


     ○小熊坂:30戦21勝(9KO)6敗3分
     ●金田:12戦10勝(7KO)2敗

     放送:TBS
     解説:鬼塚勝也
     実況:新夕悦男

※第4ラウンドのみカットして放送。MAOMIEの採点は第4ラウンドを除く参考集計です。

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                      2004年12月8日(水)    大阪市中央公会堂
                                 10回戦
                  WBA世界ミニマム級14位   K       O     前タイ国ミニマム級チャンピオン
               ○   高山勝成       3回1分48秒    ナムチャイ・タクシンイーサン   ●
                  (グリーンツダ) 106 3/4 lbs                        (タイ) 106 1/2 lbs


 開始ゴングと同時に速いフットワーク,左ジャブ,ワンツー,左フックを放つ高山。ナムチャイも思い切った左フック,右ストレートで応戦するが,2回,肩越しの右ストレートが軽くヒットしてダウンを奪われる。チャンスと見た高山は動きながらナムチャイをロープに詰め,スピードに乗ったワンツー,ボディへの左フックを浴びせた。
 3回,ナムチャイが猛然と仕掛ける。高山はこれを冷静にさばき,ロープに詰めてワンツー,ボディへの左アッパーをまとめる。ボディが効いたナムチャイはたまらずダウンし,そのままカウントアウトされた。

 高山の快勝。フットワークを駆使して縦横無尽に動きながら,スピーディな連打を浴びせる右ボクサーファイター。スピードがあり,チャンスにパンチがまとめて出るのが強味でボディ打ちも心得ている。もう少し腰の回転を効かせてパンチを打つようにすればもっとよくなる。ときどき振りが大きくなることが気になるが,将来が楽しみな存在である。世界ランク入りしているが,まだ14戦目なのでさらに経験が必要。

     主審:原田武男,副審:宮崎久利&大黒利明&安田裕候
     ○高山:14戦13勝(7KO)1敗     ●ナムチャイ:24戦11勝(2KO)13敗
     放送:スカイA     解説:荒木慶大     実況:松原宏樹

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                      2004年12月13日(月)    後楽園ホール
                   東洋太平洋スーパー・ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン      K   O     挑戦者(同級6位)
             ○   クレイジー・キム    4回22秒    アデ・アルフォンス  ●
                   (ヨネクラ) 154 lbs                   (インドネシア) 150 lbs

                         日本スーパー・ウェルター級チャンピオン

 開始早々からプレッシャーをかけ,左アッパー,右フックをボディに叩き込むキム。テンプルへの右ストレートでぐらついたところに左右をたたみかければ,アルフォンスはロープ際でもろくもダウン。立ち上がったところにキムの左右フック,アッパー,ワンツーの攻勢があり,試合は早くもワンサイドゲームの様相となる。
 完全に挑戦者を呑んでいるキムは2回にもカサにかかり,対格差を生かしてどんどんブレッシャーをかける。3回には右ストレート,左右フックの連打でアルフォンスはロープに詰まって防戦一方。ここはよく持ちこたえたが,右フックからの左アッパーでこの試合2度目のダウン。
 そして4回開始前のインターバル中にアルフォンスが突然右肩の痛みを訴えて棄権の意思表示。開始時間になってもマウスピースを装着しない挑戦者にサラサス主審がカウントを開始し,フルカウントを数えて呆気なく試合終了となった。

 挑戦者の戦意喪失によって後味の悪い結末となったが,2度のダウンを奪う圧勝でキムが初防衛に成功した。対格差を生かして押しまくり,自信に満ちたボクシングは圧巻。力をセーブしたパンチとウェイトを乗せて思い切り打ち込むパンチをうまく使い分けていた点が良かった。無駄打ちを避け,当てることにポイントを置いた攻撃が光る。
 強敵と前評判が高かったアルフォンスは右ストレートを得意とする右ボクサーファイター。しかし開始早々から自信満々のキムの威圧感に圧倒され,前に何もできずに敗退する結果となった。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:マホメッド・ジェレス(インドネシア)&浅尾和信
     ○キム:24戦21勝(18KO)3敗     ●アルフォンス:16戦13勝(2KO)2敗1分
     放送:フジテレビ739     解説:川島郭志     実況:森 昭一郎

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                       2004年12月13日(月)    後楽園ホール
                               10回戦
                    日本S・フライ級4位              比国フライ級チャンピオン
                 ○   相澤国之    判  定    ジェリー・パハヤハイ  ●
                    (三迫) 114 1/2 lbs                  (比国) 114 lbs


 左に右にと回り,りきみのない動きから左ジャブを突く相澤。初回,早くもワンツーをヒット。2回,前に出るパハヤハイのボディに左アッパーがヒット。一瞬動きが止まるパハヤハイ。相澤はなおも右フックでボディを叩く。
 しかし百戦錬磨のパハヤハイもしぶとく食い下がり,3回には右ストレートをヒット。すかさずフォローした右クロスで相澤がバランスを崩す場面が見られた。相澤は4回にも果敢なパハヤハイの左右フックに苦しむ。パハヤハイはなおも左から右のフック,右ストレート。相澤の打ち終わりやガードが下がったところにパハヤハイの右が再三ヒットする場面が見られた。
 5回,今度は相澤がガードを固めて左アッパーのボディブロー,右ストレートをヒット。しかし,攻撃が単発のため,しぶといパハヤハイを崩すには至らない。
 8・9回,相澤はワンツーでぐらつかせるなどの見せ場を作ったが,追撃がなく,歯痒い場面が続く。10回は激しい打ち合いとなったが,お互いに譲らないまま終了ゴングを聞いた。

 91戦目という大ベテランに苦しんだ相澤。苦戦の原因はいいパンチがヒットした後のフォローがなかったこと。今夜はワンツーやボディへの左アッパーで再三チャンスを掴みながら,プロらしい追撃がなかった。りきみのないボクシングは相変わらずで,豊富なアマチュア経験で培ったスピードもテクニックもある。しかし,逞しさに欠け,物足りない印象は拭えない。これがプロ入り8戦目,ランキングも上位に進出しているだけに,チャンスには怒涛の厳しい攻めを見せて欲しい。逞しさを身につけて脱皮を図らない限り,ここから上を目指すのはかなり苦しいと言わざるを得ない。逸材だからこそ要求も厳しくなることを肝に銘じて欲しい。
 パハヤハイは来日経験が豊富なベテラン。小柄な右ファイターで,果敢な攻撃を身上としている。スピードはないが,左右フックやワンツーを主体に積極的に仕掛けるタフガイである。

採点結果 相澤 パハヤハイ
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:ビニー・マーチン 97 96
副審:山田一公 98 95
副審:島川 威 97 97
参考:MAOMIE 98 96


     ○相澤:8戦7勝(5KO)1分
     ●パハヤハイ:91戦42勝(5KO)46敗3分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:竹下陽平

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                     2004年12月13日(月)    後楽園ホール
                               10回戦
                   日本S・バンタム級3位           日本S・バンタム級(ノーランク)
                 ○   酒井俊光    判  定    江川宗武   ●
                   (三迫) 121 1/2 lbs                (角海老宝石) 122 lbs


 上背で優る酒井が初回からグイグイと肉迫。右ストレートから接近戦に持ち込み,左右フック,アッパーの執拗なボディ攻撃に出る酒井。2回にもボディ攻撃から江川をロープに詰め,ワンツーの猛烈な連打を浴びせる。江川も得意の左フックをカウンターして反撃するが,酒井に距離を詰められて苦しい戦い。
 3回には一本調子になった酒井に対して,江川がワンツー,左フックをヒットする。
 しかし,4回からは再び酒井のペースとなり,執拗な左右のボディ連打で中盤戦を制した。江川もよく応戦するが,もう少し距離を取りたいところ。
 終盤は酒井もやや疲れが見え,攻撃が単調になる。それでも手数で押して終了ゴングを聞いた。

 酒井の連続KOは5でストップしたが,これで6連勝。旺盛で果敢なファイティングスピリットと執拗な連打を身上としており,和製ガッティの異名をとる右ファイタータイプである。しかし今夜は本来の回転のいい連打が見られず,一本調子となってしまった。ガッツ溢れる試合ぶりは好感が持てるが,攻撃が単調。上へのアッパーで相手の上体を起こしてボディに連打をまとめるなど,変化が欲しい。タイトルを狙える位置まで上昇したが,現状のままでは層が厚いスーパー・バンタム級でベルトを手にするのは困難。もう一段上を視野に入れて脱皮することが求められる。
 江川は右ボクサーファイターで,左フックを得意としている。今夜は酒井のプレッシャーに自分の距離を保てなかったことが敗因。ときおり鋭いカウンターで酒井を苦しめたが,せっかくの反撃も距離が詰まり過ぎて効果が半減していた。

採点結果 酒井 江川
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:浦谷信彰 98 95
副審:山田一公 99 95
副審:島川 威 99 94
参考:MAOMIE 99 94


     ○酒井:19戦15勝(7KO)3敗1分
     ●江川:18戦9勝(5KO)8敗1分

     放送:フジテレビ739
     解説:川島郭志
     実況:西岡孝洋

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                    2004年12月13日(月)    大阪市中央公会堂
                              10回戦
                 日本フライ級(ノーランク)   K   O     タイ国フライ級2位
              ○   亀田興毅      2回59秒   ノバデレック・チュワタナ   ●
                 (グリーンツダ) 112 lbs                    (タイ) 111 3/4 lbs


 開始早々から速い動きで迫り,右ジャブ,左ストレートを放つ亀田。さらにボディにいきなりの左ストレートを打ち込んで早くも呑んでかかる。
 そして2回,勝負は呆気なく決まった。ガードを固めて接近し,体勢を低くして右フック,左アッパーをボディに集める亀田。飛び込むように放った左アッパーがボディを抉れば,ノパデレックはたまらずダウン。辛うじて立ち上がったものの,亀田の詰めは鋭い。ロープに押し込み,連打から再び左アッパーのボディブローを打ち込めば,ノパデレックは2度目のダウン。そのままカウントアウトとなった。

 亀田の見事な速攻。今夜はボディ主体にパンチを集める攻撃で過去4試合とはひと味違うところを見せた。相変わらずパンチに強弱がないことが気になるが,これは今後の課題としたい。派手な言動でアンチファンは多いが,それも稀有なスター性の裏返しである。スター不在の日本ボクシング界にあっては貴重なタレントであり,ぜひ大事に育てて欲しい。ノーランカークラスでは相手にならないので,来年あたりはそろそろ日本ランカークラスの骨のある相手との対戦により,経験を積むことが求められる。

     主審:宮崎久利,副審:安田裕候&大黒利明&(もう1名は不明)
     ○亀田:5戦5勝(4KO)     ●ノパデレック:6戦3勝(1KO)3敗
     放送:TBS     解説:竹原慎二&畑山隆則     実況:藤森祥平

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                     2004年12月14日(火)    後楽園ホール
                              10回戦
               WBA世界ウェルター級5位            日本ウェルター級6位
             ×   マサ・バキロフ      引き分け   山口裕司    ×
              (グローバル協栄) 147 lbs                 (ヨネクラ) 146 1/4 lbs

                  ウズベキスタン               山口裕司=やまぐち・ひろし

 開始早々から山口がスピードのある動きで積極的にプレッシャーをかける。サウスポーのバキロフに対し,速い右ストレートのボディブロー。バキロフは下がりながら右ジャフを突き,ボディへの左アッパーを狙う展開。2回にも山口の右ストレート,左フックのボディブローにバキロフは上体が反ってしまう。終了間際,バキロフもようやく左ストレートで反撃を見せた。
 3回後半にはバキロフが左ストレート,アッパーを狙い打ちして挽回する。
 しかし4回以降は山口が積極的にプレッシャーをかけ,押し気味に進めた。バキロフは動きがぎこちなく,山口の思い切った右ストレートあるいは左フックにバランスを崩す場面が何度も見られた。7回に大きい左アッパー,左ストレートを叩きつけて反撃したが,それ以降は再び山口のペース。8・9回にも山口の右ストレートでバキロフがバランスを崩して後退する場面が見られる。
 10回,山口がバッティングで右目上をカットして一時中断。血が目に入って視界が悪くなった山口に対してバキロフは死に物狂いで攻勢に出る。

 山口にとっては気の毒な判定となった。序盤から果敢に攻めの姿勢を見せ,終始攻勢に出ていただけに悔やまれる採点結果である。アマチュア出身らしからぬアグレッシブな右ボクサーファイターで,非常にスピードがある。右ストレート,左フックを得意としている。今夜はサウスポーのバキロフに対して,速くて思い切りのいい右ストレートのボディブローで先手を取っており,これによってバキロフが手を出しにくい状況を作っていた。欲を言えばもう少しフェイントを使っていればと思うが,これは今後の課題としたい。日本タイトル挑戦もそう遠くない将来に実現するだろう。注目しておく必要がある新鋭である。
 バキロフはサウスポーのボクサーファイターで,左アッパーが武器。アップライトスタイルから右ジャブを突いてチャンスを窺い,相手の入り際や怯んだところに大きい左アッパーを思い切り打ち込む展開を得意としている。しかし,世界的に層が厚いこのクラスの世界5位という肩書きにしてはかなりお粗末と言わざるを得ない。攻撃パターンは単調で細かいテクニックも感じられない。動きがぎこちなく,体の柔軟性もないので,バランスが非常に悪いことが最大の欠点。山口の思い切ったプレッシャーに遭い,大きくバランスを崩して後退する場面が何度も見られた。上体が突っ立ってしまい,重心が後に残ってしまうことも欠点のひとつである。

採点結果 バキロフ 山口
主審:杉山利夫 *** ***
副審:住吉栄一 95 96
副審:染谷路朗 96 96
副審:金谷武明 98 96
参考:MAOMIE 93 97


     ×バキロフ:10戦9勝(6KO)1分
     ×山口:12戦11勝(7KO)1分

     放送:スカイA
     解説:大橋秀行&平田淳一
     実況:河路直樹

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                      2004年12月18日(土)    後楽園ホール
                      WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                  挑戦者(同級1位)     T K O      チャンピオン
              ○   イサック・ブストス    4回39秒    イーグル京和   ●
                   (メキシコ) 105 lbs                   (角海老宝石) 105 lbs


 オープニングヒットは開始早々に放ったイーグルの右フック。これが顔面を捉えて優位に立ったイーグルはワンツー,左フックで積極的に出る。イーグルはブストスをロープに詰め,左右フック,ワンツーを浴びせて上々の滑り出しを見せた。2回にも右クロス,ワンツーで積極的に仕掛けるイーグル。ブストスは距離を取って左ジャブ,ストレートを返すがスピードがない。
 KO防衛も予感させる好調なスタートを切ったイーグルだったが,3回に思わぬ落とし穴が待っていた。右ストレートでロープに詰めて攻勢に出るイーグルだが,右肩に違和感を覚えたのか突然攻撃を中止する。俄然元気になったブストスは攻勢に出てイーグルを追う。イーグルは左一本で足を使いながらブストスをかわすのに精一杯。
 4回,痛みをこらえて開始ゴングに応じたイーグル。左一本と足でブストスの攻勢をさばこうとするが,再び痛みを訴えて自らコーナーに下がり棄権を申し出た。

 予想外のアクシデントで痛恨の王座陥落となったイーグルは2度目の防衛に失敗。好調だっただけに悔やんでも悔やみ切れない結末となった。試合後に行われた都内の病院での診断の結果は『右肩甲骨関節窩(かんせつか)骨折』。全治まで3カ月,復帰までは半年かかる見込みとのこと。スタートから得意の右クロス,ワンツーを主体にスピードに乗ったボクシングでKO防衛さえ予感させただけに残念な結果となった。故障を完治させ,再起を期待する。
 ブストスは左ジャブ,ストレートを丹念に突くが,今夜の試合を見た限りではスピードに欠け,パンチ力も感じられない。

     主審:トビー・ギブソン(米国),副審:ジェームス・ジェンキン(米国)&エドワード・クグラー(米国)&ジェラルド・リッター(米国)
     ○ブストス:33戦24勝(12KO)6敗3分     ●イーグル京和:14戦13勝(5KO)1敗
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:村山喜彦

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             2004年12月18日(土)    ドイツ:バイエルン州バイロイト:オーバーフランケン・ホール
                                          
                    WBC世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン              挑戦者(同級15位)
              ○   マルクス・バイエル    判 定     西澤ヨシノリ   ●
                   (ドイツ) 166 3/4 lbs                 (ヨネクラ) 167 lbs


 お互いに探るようにロングレンジからボディを狙う静かな立ち上がりとなった。2回,バイエルは左から右のフックをボディに。西澤はバイエルの左ストレートを食うが,終了間際にバイエルが回り込もうとしたところ,踏み込んで放った右ストレートが顔面を捉える。このパンチでバイエルはあっけなく腰から落ちてダウン。
 しかし,王者は冷静なボクシングで徐々に挽回して行った。3回,西澤は右フック,ストレートで仕掛けるが,バイエルはこれに乗らず,逆にタイミングのいい左フックを顔面に持っていく。終了間際には左フックが西澤のボディを捉える。
 果敢に仕掛ける西澤だが,中盤もバイエルがタイミングのいいパンチでポイントを重ねて行く。8回,西澤が右ストレートから入ろうとするところに右フックを決めて右に回り込み,西澤の後続打を封じる。
 9回,バイエルの的確なパンチに西澤の鼻血がひどくなる。西澤は左ストレート2発を受けて大きくバランスを崩す。バイエルはさらに左フックをボディに,すかさず上に左ストレートをフォロ−する。
 終盤もいいところまで攻めながら決定的な見せ場を作れない西澤に対し,バイエルは危なげない試合運びを見せた。12回,果敢に仕掛ける西澤だが,バイエルはポイントを計算してか,足を使って完全に逃げ切りの姿勢。

 初挑戦のアンソニー・マンディン(豪州)戦と同様に序盤戦でダウンを奪うという見せ場を作った西澤。敵地であることをまったく感じさせない堂々たる試合ぶりを見せ,積極果敢な攻撃で健闘したが,バイエルのうまさに屈した。上への右ストレート,フックだけの単調な攻撃になってしまったことが惜しまれる。ボディブロー主体の攻撃の中からアゴを狙う右ストレートを織り交ぜていれば面白い展開になっていたはず。
 バイエルはサウスポーのテクニシャン。豊富なアマチュア経験を誇っており,試合運びは基本に忠実そのもの。怖さは感じられないが,目と勘が良く,サウスポースタイルからのワンツー,右フックで確実にポイントを取りに来る。無駄な動きがなく,スタミナのロスを最小限に抑えている点が目につく。

採点結果 バイエル 西澤
主審:ジョン・キーン(英国) *** ***
副審:ゲイル・バンホイ(米国) 116 111
副審:セルヒオ・シルビ(イタリア) 117 111
副審:フランシスコ・バスケス(スペイン) 118 109
参考:MAOMIE 118 112

     ○バイエル:33戦31勝(12KO)2敗
     ●西澤:46戦26勝(14KO)15敗5分

     放送:BSジャパン
     解説:大橋秀行
     ゲスト:西澤ヨシノリ
     実況:島田弘久

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