熱戦譜〜2004年11月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.11.06 10回戦  福島 学  判定  レイ・リャガス
2004.11.06 10回戦  高橋 巧  TKO2R  ジョム・ルークシーマー
2004.11.20  日本ライト級
 タイトルマッチ10回戦
 嶋田雄大  判定  長嶋健吾
2004.11.20 10回戦  プロスパー松浦  判定  ロヘリオ・ガリシア
2004.11.27  日本スーパー・フライ級
 タイトルマッチ10回戦
 田中聖二  判定  有永政幸
2004.11.28 10回戦  武本在樹  KO2R  サムトノイ・シスナルポン
2004.11.28 8回戦  玉越強平  KO4R  目次 誠

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                         2004年11月6日(土)    後楽園ホール
                                10回戦
                     WBA世界バンタム級7位        比国バンタム級7位       
                ○     福島 学     判 定    レイ・リャガス  ●
                           (JBスポーツ) 120 lbs                (比国) 118 1/2 lbs

 軽く動きながら左グラブで牽制してワンツー,ボディへの左アッパーを放つ福島は快調な滑り出しを見せた。2回には左アッパーのボディブローをヒット。右フックを顔面に決め,さらにボディへの右ストレートもヒット。
 4回終盤,福島の右アッパーがアゴに決まる。続く左アッパーのアゴ打ちから右ストレートもヒット。
 5回,福島は作戦を切り換え,ボディにパンチを集める。ボディブローを嫌うリャガスをロープに詰め,右アッパー,左右フックをボディに集中した。しかし福島も肝心なところで手数が出ず,6回には逆にリャガスの左フックを許した。柔軟な体を持つリャガスはロープに詰まりながらも,巧みに福島のパンチの威力を殺して決定打を許さない。
 7回開始早々,福島の右ストレートでリャガスは大きくぐらつき,ダウン寸前に追い込まれる。コーナーにリャガスを押し込んだ福島は右ストレートでボディを叩くが,まとまった連打が出ない。8回,バッティングで右目上をカットした福島は出血に苦しみながらもリャガスをロープ,コーナーに押し込むが,単発で連打が出ず,リャガスを崩せない。
 10回,ワンツー,左右フックで攻勢に出る福島。左フックを受けてよろめくリャガス。福島は最後まで一方的に攻めたものの,決定打を欠いた。

 福島は勝つには勝ったものの,本人にとっては不本意な試合だったろう。一方的に攻めながらも,肝心なところでまとまった連打が出ず,決定打を欠いてしまったことがフィニッシュに結びつかなかった原因。最終回には打ち疲れが出たためか,リャガスをロープに詰めて連打しながら”よそ見”をしてホール内の残り時間表示を気にするなど,集中力を欠く場面も見せた。
 リャガスは長身で柔軟な体から繰り出す左ジャブ,ワンツーを武器とするボクサータイプ。豊富なキャリアを誇っており,相手のパンチを巧みに殺す老獪な一面を見せた。

採点結果 福島 リャガス
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:鮫島英一郎 100 89
副審:土屋末広 99 92
副審:金谷武明 100 90
参考:MAOMIE 100 92


     ○福島:35戦27勝(18KO)6敗2分
     ●リャガス:84戦57勝(35KO)25敗2分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:長谷川憲司

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                        2004年11月6日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                   日本フライ級3位    T   K  O    タイ国S・フライ級3位
                ○  高橋 巧     2回1分56秒   ジョム・ルークシーマー  ●
                      (ロッキー) 111 1/2 lbs                      (タイ) 111 3/4 lbs
                   高橋 巧=たかはし・さとし

 初回,左ジャブに次ぐ右フックのボディブローから入る高橋。終盤,ワンツーでチャンスを掴むと一気の攻勢。左フック,左右ボディブローで怒涛の攻めを見せる。左右フックの連打があったところで杉山主審が割って入り,カウント8を取った。
 2回,左右フックのボディ連打からの左フックでルークシーマーはたまらずダウン。立ち上がったものの,高橋の詰めは鋭い。右クロスがテンプルを捉え,膝が硬直したルークシーマーをロープに釘付けにして一気の攻勢。最後は左フックでロープに腰を落としたところで杉山主審がストップ。

 話題の新鋭・高橋はこれで1つのドローを挟み13勝オールKO勝ち。楽しみな新人が出現したものである。色白でいかにも弱々しそうな風貌からは想像もつかない派手な戦績とは裏腹に,インタビューでの受け答えはシャイな性格がそのまま出てしまう。『白面のKO貴公子』との異名にピッタリで,試合振りとのギャップの大きさに今後さらに人気が出そう。話題性は抜群である。
 切れのいい左フック,右ストレートあるいはボディへの左右連打など,とにかく手数が出るのが最大の強みである。大振りせず,チャンスを掴むと主審が割って入るまでノンストップで連打をまとめる姿勢が非常に素晴らしい。概してKO率が高いボクサーは肝心な場面で相手を見てしまい,手数が少なくなってしまうのが難点だが高橋にはその欠点がない。前後の出入りのフットワークに乗せてパンチが出るようになれば非常に楽しみな選手である。真正面から行き過ぎるのが少々気になるが,これはサイドからの攻撃ができるように努力してぜひ矯正して欲しい。

     主審:杉山利夫,副審:染谷路朗&土屋末広&ウクリッド・サラサス
     ○高橋:14戦13勝(13KO)1分     ●ルークシーマー:12戦9勝(4KO)3敗
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:寺島淳司

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                2004年11月20日(土)    後楽園ホール
                   日本ライト級タイトルマッチ10回戦
                チャンピオン         挑戦者(WBC3位)
           ○   嶋田雄大   判 定    長嶋健吾   ●
                (ヨネクラ)  135 lbs           (エイティーン古河)  135 lbs


 好調な滑り出しを見せたのは長嶋。初回,じっくり出る嶋田に対して踏み込んで左フック,ストレートを上下に決め,早くもリードを奪う。長嶋は2回にもよく見て左ストレートを嶋田の胸元に狙い打ち。嶋田はジリジリと距離を詰めて崩そうとするが,長嶋に先手先手を取られ,苦しい立ち上がりとなった。
 しかし,3回に入ると嶋田が徐々に本領を発揮し始めた。少しずつ緩急をつけたプレッシャーのかけ方で長嶋に迫り,右ストレートあるいは接近しての左右フックを浴びせる。4回序盤には接近戦で嶋田の軽い左フックに次ぐ右フックがクリーンヒットし,長嶋がバランスを崩す場面が見られた。長嶋は嶋田の撹乱戦法に徐々に巻き込まれ,序盤戦で見せた本来のボクシングを見失った。
 老獪な嶋田の真骨頂が見られたのは6回。上下の動きを織り交ぜた独特の距離の詰め方で迫り,右ストレートのボディブローで長嶋をロープに詰める。嶋田は輪島功一ばりのカエル飛びを見せるなどの余裕を見せた。長嶋は嶋田の老獪なボクシングにペースを乱され,単発になる。
 7回,嶋田は体のパワーを生かし,接近して揉み合いに持ち込んで変則的な動きから左右フックを浴びせる。8回には長嶋の左フックもヒットするが,9回には再び嶋田のペース。揉み合いから巧みにポジションを変えて左右のボディ連打。10回,長嶋の左フックが顔面にヒットして嶋田がぐらつく場面が見られた。

 接戦を制した嶋田が5度目の防衛に成功。会心の試合とは行かなかったものの,持ち前の老獪なボクシングで随所に見せ場を作った。”オーソドックスなサウスポー”の長嶋に対して,緩急をつけてプレッシャーをかけ,変則的な動きから巧みなポジション取りで左右フックをまとめた攻撃が効果的。守っては老獪なクリンチワークと反則スレスレのレスリング行為で巧妙に長嶋のペースを撹乱していたあたりはさすが。
 序盤戦の長嶋は非常に気合十分でパンチにも切れがあり,後半に期待を抱かせる内容だった。しかし,中盤以降は老獪な嶋田のペースに徐々に巻き込まれ,本来のスピード主体のボクシングを見失ったことが敗因。レスリング行為も含む嶋田の老獪なクリンチワークにも足の踏ん張りが効かず,再三キャンバスに倒れて反撃の芽を摘まれたことが痛かった。如何せんボクシングが正直過ぎることが惜しまれる。試合数では優るが,老獪さでは一枚も二枚も嶋田にかなわない。

採点結果 嶋田 長嶋
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:内田正一 97 96
副審:鮫島英一郎 97 96
副審:福地勇治 97 96
参考:MAOMIE 96 95


     ○嶋田:19戦15勝(8KO)3敗1分
     ●長嶋:31戦26勝(15KO)3敗2分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:高橋雄一

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                       2004年11月20日(土)    後楽園ホール
                               10回戦
                  日本S・フライ級7位           WBA世界S・フライ級7位
                ○ プロスパー松浦     判 定    ロヘリオ・ガリシア  ●
                       (国際) 115 lbs                   (比国) 115 lbs

 ともにスピーディな動きで好調なスタート。初回,サウスポーのガリシアは小刻みな動きから積極的に仕掛ける。松浦は落ち着いてワンツー,ボディへの左アッパーを返す。2回,松浦の左アッパー,ガリシアの右フック。ガリシアの左フックでバランスを崩してロープを背にする松浦。3回,ガリシアは左右アッパーを振って果敢に出るが,松浦も負けずに左フック,右ストレートで応戦。
 松浦は単調になるが,5回には前に出るガリシアを迎撃し,右フックから左アッパーを浴びせる。なおも出てくるガリシアを足でかわし,ワンツーをヒット。
 7回,今度はガリシアが反撃。左アッパーがボディに決まり,松浦が後退する場面が見られた。手数が少なくなったガリシアは急に元気になって攻勢に出る。8回,バッティングで松浦が左目上,ガリシアが右目上をカットして一時中断。松浦は右ストレートに次ぐ左アッパーから右フックという3連打を決めるが,ガリシアの手数に苦しんだ。
 試合の流れが大きく動いたのは9回。左フックを振って入ろうとしたガリシアのアゴを松浦の右ストレートがヒット。鮮やかなカウンターにガリシアがダウン。10回,松浦はよく動き,回り込んで右フックあるいはワンツーを決める本来のボクシングを展開。さらに細かい左右フック,右アッパーにつなげて試合を決めた。

 目立ったのは松浦のたくましさ。どちらかというと線が細かったが,今夜は果敢に打ち合いを挑むガリシアにもひるまず,堂々と渡り合っていた。9回にダウンを奪ったパンチは見事。出てくるガリシアを右へのサイドステップでかわし,ガラ空きとなったアゴに右ストレートをカウンターで決めたもの。最終回にはフットワークに乗せて放つワンツー,右フックを的確にヒットし,持ち味を披露した。この感触を忘れないこと。ただし,積極的に打ち合うのはいいが,上体が突っ立つ傾向がある。この点は要注意。
 ガリシアはサウスポーのファイタータイプで非常によく手数が出る。パンチの威力は感じられないが,やや振りの大きい左右フック,アッパーで果敢に打ち合いを仕掛ける。

採点結果 松浦 ガリシア
主審:杉山利夫 *** ***
副審:福地勇治 98 93
副審:浦谷信彰 98 91
副審:山田一公 98 93
参考:MAOMIE 96 93


     ○松浦:29戦24勝(11KO)5敗
     ●ガリシア:29戦23勝(8KO)4敗2分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:舟津宜史

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                  2004年11月27日(土)    横浜文化体育館
                    日本スーパー・フライ級タイトルマッチ10回戦
                挑戦者(WBC13位)           チャンピオン
             ○    田中聖二   判 定   有永政幸   ●
                 (金沢)  114 3/4 lbs           (大橋)  114 1/2 lbs

                                    WBA5位,WBC14位

 サウスポー同士の一戦。初回,小刻みな動きから積極的に仕掛ける田中が思い切りのいい左ストレート,フックで先手を取る。左ストレートを受けた有永は早くもバランスを崩す。3回,田中の右アッパーは空打となったが,後続の左ストレートがヒット。有永も田中をロープに詰めて反撃の姿勢を見せるが,終盤再び田中の左ストレートがヒットする。ここまでは田中が積極的な攻撃で好調な滑り出しを見せた。
 初防衛戦の緊張からか動きがやや硬さが見られる有永が中盤ようやく挽回に出た。4回には飛び込んで右フックのボディブローを見せる。5回には左ストレートをヒット。さらに田中をコーナーに詰めて左ストレート,右フックをヒットする。積極的だった田中だが,有永が攻勢に出ると手数が減った。6回には有永の左ストレートで田中がぐらつく場面が見られた。
 しかし,その有永もスピードがある田中を捉えきれず,8・9回は手数で田中に譲り,接戦のままフルラウンドを戦った。

 両者ともに決定的なリードを奪えないまま,僅差で田中が競り勝ち,初挑戦で念願のタイトル獲得を果たした。有永は初防衛に失敗。
 田中はこのクラスでは170cmという長身のサウスポー。長いリーチを生かした左ストレート,ワンツーを武器とするボクサータイプである。スピードがあり,パンチに伸びがある。思い切りがいいのが長所である。今夜はパンチのある有永に対して序盤から積極的に試合を進め,手数で上回ったことが勝因。ただし,相手が攻勢に出ると消極的になる面もある。りきみが目立つこととパンチを打つときにアゴが出るのが欠点。その辺が課題となる。
 有永はもう少し強引に掻き回すべきだった。フェイントを利用しながらボディブローを軸として上下にパンチを散らし,スピードのある田中を崩せば面白くなったはず。得意の左強打がヒットする場面が何度かあったが,単発で終わったことが痛かった。

採点結果 田中 有永
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:熊崎広大 97 96
副審:ウクリッド・サラサス 97 95
副審:安部和夫 97 95
参考:MAOMIE 97 96


     ○田中:25戦16勝(4KO)6敗3分
     ●有永:22戦17勝(8KO)4敗1分

     放送:BSジャパン
     解説:川嶋勝重&トラッシュ中沼
     実況:島田弘久

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                        2004年11月28日(日)    神戸サンボーホール
                                  10回戦
                 WBA世界フェザー級15位   K      O   タイ国フェザー級(ノーランク)
               ○   武本在樹       2回1分10秒    サムトノイ・シスナルポン   ●
                     (千里馬神戸) 128 lbs                           (タイ) 127 lbs
                 武本在樹=たけもと・ざいき

 開始早々から落ち着いて左ジャブを突き,プレッシャーをかける武本。終盤,鋭いワンツーがヒットし,サムトノイは呆気なくダウン。早くも相手の力を読み切った武本は続く2回,一気に勝負を決めた。右ストレートで呆気なくダウンするサムトノイ。立ち上がったが,再び右ストレートが決まって2度目のダウン。最後は左右のボディブローから右ストレートがフォローされ,3度目のダウンで万事休す。

 武本の圧勝。立ち上がりから自信に満ちた試合ぶりで,落ち着いて左ジャブから入っていた。切れのいい右ストレートを武器とするボクサーファイターである。ワンツーストレートの鋭さが光る。ただしパンチのスピードはともかく,体の動きのスピードに課題を残したと言える。もう少し前後左右に動いてフェイントを多用するなど,世界ランカーらしいテクニックを見せて欲しかった。今夜の相手は完全に役不足で実力差があり過ぎた。こういうマッチメーキングばかりでは,若くて有望な武本の将来のためにはならない。

     主審:宮崎久利,副審:野田昌宏&上中一郎&安田裕候
     ○武本:21戦16勝(11KO)4敗1分     ●サムトノイ:6戦2勝(1KO)4敗
     放送:スカイA     解説:長谷川穂積     実況:山下剛

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                          2004年11月28日(日)    神戸サンボーホール
                                  8回戦
                  日本S・バンタム級7位    K      O    日本フェザー級(ノーランク)
                ○   玉越強平      4回2分55秒      目次 誠   ●
                     (千里馬神戸) 125 3/4 lbs                          (ハラダ) 126 lbs
                                                目次 誠=めつぎ・まこと  

 初回,足を使って左に回りながら左ジャブを突く玉越。前に出る目次に早くも右フックがヒット。目次はヘディングで減点されたが,これは少々厳しい減点だった。2・3回,前に出る目次だが,パンチの振りが大きく,冷静な玉越はこれをよく見て,左フック,右ストレートをヒットする。
 そして4回,玉越が鮮やかに試合を決めた。目次は執拗に前に出るが,入り際に右フックを打ち込まれてバランスを崩す。冷静な玉越はなおも前に出る目次に対して,自らロープを背に誘い,右から左のフックをフォロー。この攻撃にドッとキャンバスに倒れる目次。辛うじて立ち上がったものの戦える状態ではなく,そのままカウントアウトされた。

 玉越が見事なボクシングでランカーの貫禄を見せた。長身でリーチに恵まれた右ボクサーファイターである。足を使いながら,機を見て放つ左ジャブ,フック,右ストレートに威力がある。打ち合いにも堂々と応じる勇敢な一面がある。打ち合いに持ち込むときにガードが開くのが欠点だが,相手の動きを落ち着いて見極める冷静さが光る。フィニッシュブローはロープ際に誘い込んで放った見事なカウンター。今年6月のタイトル初挑戦では結果が出せなかったが,持ち味である足と左ジャブで組み立てるボクシングに徹すれば必ず再浮上のチャンスが来るはず。
 目次はベタ足に近い右ファイタータイプ。パンチの振りが大きく,正確さに欠けるのが欠点。スピード不足のため,動きのある玉越を崩すには力不足。

     主審:野田昌宏,副審:上中一郎&大黒利明&安田裕候
     ○玉越:22戦13勝(6KO)4敗5分     ●目次:11戦4勝(4KO)6敗1分
     放送:スカイA     解説:長谷川穂積     実況:山下剛

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