熱戦譜〜2004年9月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.09.04  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 榎 洋之  TKO9R  大之伸くま
2004.09.07 10回戦  金田淳一朗  KO2R  ヨードゲン・シンワンチャー
2004.09.07 10回戦  嘉陽宗嗣  KO2R  トロン・ウィンディスポン
2004.09.07 8回戦  山中大輔  KO1R  ライサック・ポーファーカムロン
2004.09.18 10回戦  鈴木悟  KO2R  タイソン・ユン
2004.09.20  WBC世界スーパー・フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 川嶋勝重  判定  ラウル・フアレス
2004.09.20  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 トラッシュ中沼  判定  小松則幸
2004.09.20 10回戦  小嶋英次  判定  アドルフォ・ランデロス
2004.09.20 10回戦  仲 宣明  KO7R  ゴンスリン・シスソーエイ
10 2004.09.27 10回戦  亀田興毅  判定  ダオチャイ・KTジム

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                              2004年9月4日(土)    後楽園ホール
                            日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                      挑戦者(同級1位)    T   K  O    チャンピオン
                  ○    榎 洋之       9回1分56秒   大之伸くま    ●
                     (角海老宝石) 126 lbs                      (福間スポーツ) 126 lbs


 初回から激しい打ち合いとなった。手数がよく出る大之伸。スピードはないが,中間距離からワンツー,左右フック,アッパーが矢継ぎ早に出る。榎は作戦どおりのボディ攻撃から入る。
 2回以降は榎がボディ主体の攻撃で押し気味に進めた。大之伸のコンビネーションを許す場面もあったが,逆に左フックをヒットし,ボディに右ストレートを放って押して行く。3回,よく手が出る大之伸だが,榎の右ストレートをボディに打ち込まれて動きが鈍った。榎は押し込んで右ストレートのボディブローから顔面への左フックを放ち,嵩にかかったような攻勢に出る。この回終盤には左フック,右ストレートの攻勢でタフな大之伸がぐらつく場面が見られる。
 中盤も激しく壮絶な打ち合いが続く。大之伸の頑張りが目立つが,4回,榎はワンツー,左フックから右ストレートをボディに打ち込んで大之伸をロープに押し込み,執拗な左右のボディ打ちで攻勢。大之伸は鼻血を流して苦しい戦いを強いられた。榎は5回にも執拗なボディ攻撃から左フック,右ストレートで大之伸をぐらつかせて一気に攻勢。
 6・7回には榎も打ち疲れの兆候が見られたが,それでも攻勢は止まない。大之伸もさすがに動きが鈍るが,7回には左ストレートで榎をのけぞらせて見せ場を作った。
 8回,榎の右ストレートで再三ぐらつく大之伸。榎もかなり消耗しているが,終盤,大之伸をコーナーに押し込んで左フック,右ストレートを浴びせる。
 そして9回に勝負が決まった。下から上への執拗な連打で押して行く榎。後退するところに右ストレートが決まり,大之伸はロープ際でついにダウン。立ち上がったが,勝負を賭けた榎の攻勢に見舞われる。左右の猛攻に晒されたところで大之伸陣営からタオルが投入された。

 実力者同士,無敗同士の一騎打ちとあって,後楽園は超満員のファンで膨れ上がった。その期待に違わず,タイトルマッチに相応しい激戦で見応え十分の好ファイトとなった。
 待ちに待った初挑戦をモノにした榎の勝因は何といってもボディ攻撃主体の執拗な連打。減量苦の大之伸に序盤からプレッシャーをかけ続けたことが勝利につながった。打ち疲れを見せる場面もあったが,執拗にボディを叩いて顔面に右ストレート,左フックを返す攻撃が奏効した。
 もともとパンチ力には定評がある榎。今夜は中間距離で見ている隙に大之伸のワンツー,左右フックのコンビネーションに先手を取られる場面があったが,それは得意の左ジャブ,ストレートが出なかったことが原因。出せば当る距離にいたのだから,左を多用していれば先手を取られずもっと楽な展開になっていただろう。また,ボディ攻撃がほとんど外からのパンチだったことが気になった。もう少しインサイドからのボディ打ちを織り交ぜれば攻撃の幅が広がるはず。
 いずれにしても,待ち続けたチャンスをモノにした執念は見事。課題は残るが,今後の精進に期待したい。
 5度目の防衛に失敗した大之伸も見事な戦いぶり。最後まで王者のプライドを維持し,試合を投げずに応戦した姿勢に拍手を送りたい。パンチの引きが遅くて被弾する欠点は相変わらずだが,中間距離からノーモーションの左ストレート,左右フック,アッパーがどんどん出るサウスポーのファイター。敗れはしたが,まだ老け込む年齢ではない。減量苦が噂されるだけに,クラスを上げるのか,それともフェザー級に止まって雪辱のチャンスを窺うのか,今後の去就が注目される。

8回までの集計結果 大之伸
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:桑田和昌 77 75
副審:安田裕候 78 74
副審:森田 健 80 74
参考:MAOMIE 79 73


     ○榎:21戦20勝(16KO)1分
     ●大之伸:27戦26勝(11KO)1敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:舟津宜史

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                              2004年9月7日(火)    後楽園ホール
                                     10回戦
                     WBA世界ミニマム級9位   K      O   タイ国ミニマム級(ノーランク)
                  ○   金田淳一朗      2回1分51秒   ヨードゲン・シンワンチャー  ●
                     (白井・具志堅) 104 lbs                        (タイ) 104 lbs


 開始早々からワンツーをボディに放ってプレッシャーをかけて行く金田。ヨードゲンも左フックを返すが,金田は構わずロープからコーナーに追い詰め,左右のボディブローで攻勢。2回,ロープを背にしたヨードゲンに左フックを上下にダブルで打ち分ける金田。これでぐらついたところに左右の速攻を浴びせ,鮮やかなダウンを奪う。金田は立ち上がったヨードゲンに左右フックを連打し,2度のダウンを追加してフィニッシュした。

 期待の新鋭・金田の圧勝。ボディ攻撃を中心によく手数が出ており,まずまずの試合内容。常に先手を取って,上下にパンチを打ち分けているのがいい。コーナーへの追い込み方も相手の逃げ道を塞ぐような詰め方ができており,今後が楽しみ。KO率がアップしているが,けっしてパンチ力に頼ることなく,スピードとコンビネーションで勝負することに徹して欲しい。経験を積んでいけば,必ずタイトル挑戦のチャンスが開ける。

     主審:山田一公,副審:ビニー・マーチン&鮫島英一郎&ウクリッド・サラサス
     ○金田:11戦10勝(7KO)1敗     ●ヨードゲン:10戦6勝(1KO)4敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                          2004年9月7日(火)    後楽園ホール
                                    10回戦
                     日本ライトフライ級1位   K      O  タイ国ライトフライ級(ノーランク)
                  ○   嘉陽宗嗣      2回1分26秒   トロン・ウィンディスポン  ●
                    (白井・具志堅) 108 lbs                       (タイ) 107 1/2 lbs


 初回,トリッキーな動作で場内を沸かせるトロンだが,サウスポーの嘉陽は落ち着いて動きを見極める。左ストレートでぐらつかせ,すかさず左ストレートを追い打ちすれば,トロンはたまらずダウン。必死に抱きついてピンチを脱しようとするが,左ストレートで2度目のダウン。ストップしてもいい状況だったが,立ち上がったところでトロンは辛うじてゴングに救われる。
 2回,再び左ストレートをカウンター気味にヒットしてダウンを奪う嘉陽。立ち上がったが,嘉陽が左アッパーでアゴを突き上げれば,トロンは2度目のダウン。抱きつくトロンを振りほどいて左アッパーがボディに決まり,3度目のダウン。

 嘉陽はサウスポーのボクサーファイターで,タイミングよく放つ左ストレートに切れがある。ただし,やや手数が少ないことが気になる。もう少し右ジャブ,フックを多く出しながらチャンスを広げるように心掛けて欲しい。
 トロンは変則的なファイターだが,手足の動きがバラバラで,まったくボクシングの形になっていない。まったくの4回戦ボーイ以下で,お粗末極まりない。海外からわざわざ呼んで,こういう相手をいくら倒しても実力は身につかない。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&鮫島英一郎&山田一公
     ○嘉陽:11戦11勝(6KO)     ●トロン:11戦4勝(2KO)7敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                           2004年9月7日(火)    後楽園ホール
                                    8回戦
                   日本S・バンタム級(ノーランク)  K      O     タイ国フェザー級7位
                  ○   山中大輔      1回1分16秒   ライサック・ポーファーカムロン   ●
                    (白井・具志堅) 122 lbs                        (タイ) 121 lbs


 開始早々から前後への小刻みな動きでプレッシャーをかける山中。左フック,ワンツーに次ぐ左アッパーのボディブローの攻勢で早くも防戦に回るライサック。左アッパーのボディブローが決まってライサックの動きが止まる。すかさず放った左アッパーが再びボディを抉ると,ライサックは呆気なくダウンしてカウントアウトされた。

 山中はワンツー,左フックを武器とするボクサーファイター。スピードがあり,前後の出入りのフットワークに乗せたパンチに威力がある。積極的な姿勢が奏効している。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:ビニー・マーチン&浦谷信彰&福地勇治
     ○山中:15戦13勝(9KO)2敗     ●ライサック:戦績不明
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                          2004年9月18日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                     日本ミドル級1位    K      O    韓国S・ウェルター級6位
                  ○  鈴木 悟      2回1分30秒      タイソン・ユン   ●
                  (八王子中屋) 153 1/4 lbs                       (韓国) 150 3/4 lbs

 初回,小刻みに左右のグラブを動かして前に出る鈴木。サウスポーのユンも下がりながら左ストレートを返すが,鈴木はプレッシャーをかけて,右ストレートをボディに放つ。
 2回,鈴木の右ストレートがアゴを捉え,ユンは仰向けにダウン。立ち上がったユンにボディ攻撃を仕掛ける鈴木。ロープに詰まったユンは左からの右アッパーをボディに打ち込まれて2度目のダウン。鈴木は攻撃の手を緩めず,最後は左アッパーのボディブローで3度目のダウンを奪ってフィニッシュした。

 昨年の2連敗(荒木慶大戦,サム・ソリマン戦)の内容が悪く,前途が危ぶまれた鈴木だが,今夜はまずまずの動きを見せた。小刻みな動きでリズムを取り,積極的にプレッシャーをかけており,ひとまず復調と言ってもいいだろう。最初のダウンを奪った右ストレートはユンの左ストレートの打ち終わりにオフガードになったところをすかさず打ち込んだもので,見事なカウンターだった。スーパー・ウェルター級への転向を表明しているが,減量もうまく行ったようで,体の動きに切れが戻っていた。今夜は目立たなかったが,手数が少なくなって,後手に回る欠点だけは矯正するべきだろう。
 ユンはサウスポーのボクサーファイターで,スーパー・ウェルター級の元韓国王者。下がりながら機を見て放つ左ストレートはなかなか鋭い。

     主審:福地勇治,副審:浦谷信彰&館秀男&染谷路朗
     ○鈴木:27戦22勝(15KO)5敗     ●ユン:27戦10勝(4KO)16敗1分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:高橋雄一

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                     2004年9月20日(月)    横浜文化体育館
                    WBC世界スーパー・フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン          挑戦者(同級14位)
                ○   川嶋勝重   判 定    ラウル・フアレス   ●
                       (大橋)  115 lbs               (メキシコ) 114 1/4 lbs


 互いに様子を見る慎重な立ち上がりとなったが,2回中盤,早くも川嶋の強打が火を噴いた。フアレスの左にかぶせるように放った右クロスのワンパンチがテンプルを捉え,フアレスは仰向けにダウン。これで決まるかと思われるほどの痛烈なダウンだったが,フアレスはよく立ち上がった。川嶋も一気に詰め切れず,KOチャンスを逸した。
 3回以降,逆にフアレスが左ジャブの連打からワンツー,ボディへの左アッパーなどの細かいパンチを集めて反撃に出る。川嶋は一発を狙っているのか,手数が少なく,ミスパンチが目立った。4・5回,フアレスはスピードはないが,うるさい連打で細かく加点する。川嶋も大きい右フック,ボディへの左アッパーを浴びせるが,単発。
 しかし,6回,川嶋の強打が再び火を噴いた。右クロスを浴びせ,左ボディブローで攻勢に出る川嶋。ボディ攻撃を嫌って足を使うフアレスだが,終盤,飛び込んで放った川嶋の左アッパーがボディを捉え,たまらずダウン。立ち上がったがマウスピースを吐き出しており,一時中断。
 7回中盤,リング中央でボディの叩き合いとなるが,ここは川嶋が一枚上。左アッパーでボディを抉られたフアレスはたまらずガックリと膝をついてダウン。再開となったが,またもマウスピースを吐き出して中断し,フアレスは1点減点。
 終盤は川嶋も雑な攻撃に終始し,フアレスが足を使いながら放つ細かいパンチの連打に苦戦。8回には右フックを打ち終わってオフガードになったところを突かれ,右ストレートをまともに受けてのけぞる場面もあった。10回,フアレスのローブローで一時中断。
 12回,体ごと叩きつけるような左ボディブローで攻勢に出る川嶋。激しい打ち合いになるが,終盤,右ストレートがアゴを捉え,フアレスがぐらつく。

 川嶋は初防衛に成功。3度のダウンを奪い,一見して圧勝だが,フアレスのしぶといボクシングに手を焼き,苦戦といっていいだろう。公式採点を見てもわかるように,フアレスのパンチがかなり評価されており,3度のダウンがなければ勝つことさえ難しかったと考えられる。苦戦の原因は何と言っても雑な攻撃に終始したこと。右クロスの強打あるいは飛び込んで体ごと叩きつけるボディへの左アッパーに依存する大味なボクシング。手数が少なく,待っているところに細かいパンチの連打を許す場面が目立った。フェイントを使ったり,上下にパンチを散らすなど,もう少し工夫が欲しかった。今後はホセ・ナバーロ(米国)との指名試合やアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)ら強豪との対戦も考えられるが,今夜の試合内容では非常に不安が大きい。課題を残した初防衛戦と言える。
 フアレスはスピードこそないが,足を使いながら細かい左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーなど,よく手数が出る右ボクサーファイター。なかなかしぶとく,ボディを打たれるとマウスピースを吐き出して時間稼ぎをするなど,老獪な一面も見せた。

採点結果 川嶋 フアレス
主審:ビル・クレンシー(米国) *** ***
副審:トニー・カステリャーノ(米国) 114 110
副審:ジュリー・レーダーマン(米国) 113 111
副審:ブラッド・ボカレ(豪州) 117 107
参考:MAOMIE 115 111


     ○川嶋:30戦27勝(18KO)3敗
     ●フアレス:43戦32勝(15KO)10敗1NC

     放送:テレビ東京
     解説:畑山隆則&星野敬太郎
     実況:久保田光彦

※ 7回,フアレスがマウスピースを吐き出して時間稼ぎをしたことによる減点1を含む。

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                       2004年9月20日(月)    横浜文化体育館
                      東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                 挑戦者(WBC同級13位)          チャンピオン
                ○  トラッシュ中沼   判 定    小松則幸   ●
                      
 (国際) 112 lbs               (エディタウンゼント) 112 lbs
                                          
          WBC2位

 初回,積極的に前に出て左ジャブ,フック,ワンツーで仕掛けて行く小松。中沼は例のごとく顔面をグラブでガッチリとカバーした覗き見スタイルで小松の出方を見る。
 2回に入ると一転して中沼が前に出てプレッシャーをかける。左アッパーをアゴ,ボディに放つ中沼。小松は左フックを受けてのけぞる。勢いに乗る中沼が右アッパーをヒットすれば,小松は大きく膝を落としてダウン寸前のピンチ。中沼はすかさずロープに詰めてラッシュを見せる。
 3回,中沼は動きながら手数を稼ぐ小松にプレッシャーをかけ続ける。左フックを受けてバランスを崩す小松。中沼の右フックもヒット。4回終了間際にも中沼の左フックで小松がぐらつく場面が見られた。
 しかし,小松も負けてはいない。手数が少ない中沼に対し,動きながら左ジャブ,フック,ワンツーを細かく連打して5・6・7回をリードした。7回には打ち合いの中で小松のワンツーがヒットする。
 終盤も一進一退の攻防が続いた。9回は左アッパーをインサイドからアゴへ,アウトサイドからボディに放つ中沼がリード。逆に10回は手数で小松が上回る。
 11回,やや疲れが見える小松に対して,余力を残していた中沼が単発ながらも右アッパー,ストレートをヒット。12回にも激しい打ち合いの中で左フックがヒットして,小松がぐらつく場面があった。

 判定問題で大きな論議を呼んだ昨年8月の第1戦と同様に審判員泣かせの接戦となった。試合は動きながら手数を出して細かく連打する小松に対して,中沼がガードを固めながらプレッシャーをかけてビッグパンチを狙うという展開に終始し,両者一歩も譲らぬ熱戦。
 私の採点は115−114で中沼。中沼のクリーンヒットがあったラウンドは中沼支持,中沼のクリーンヒットがなく,小松がブロックの上からでも手数を出し続けたラウンドは小松支持・・・・・というように振り分けて行った積み重ねの結果である。いずれにしても,2−0で中沼支持という公式採点は妥当な線であり,第1戦のように紛糾することはないものと考える。
 中沼のスタイルは相変わらず。ブロックしながらプレッシャーをかけ,大きいパンチでクリーンヒットを重ねる戦法は今後も変わらないだろう。ただ,本人が希望する世界再挑戦を視野に入れた場合,この戦法では限界があることを自覚する必要がある。
 初黒星となった小松はよく手数を出して応戦したが,終盤に疲れが出てポイントを失ったことが痛い。ガードの甘さと打たれ脆さは相変わらずで,こちらも本人が希望している世界初挑戦への道のりは険しいと言わざるを得ない。

採点結果 中沼 小松
主審:ブラッド・ボカレ(豪州) 114 114
副審:福地勇治 114 113
副審:北村信行 115 113
参考:MAOMIE 115 114

     ○中沼:30戦25勝(11KO)5敗
     ●小松:25戦19勝(8KO)1敗5分

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                   2004年9月20日(月)    大阪府立体育会館第2競技場
                                10回戦
                     日本S・フライ級3位        WBC世界S・バンタム級17位
                  ○   小島英次    判 定   アドルフォ・ランデロス   ●
                     (金沢) 117 3/4 lbs              (メキシコ) 117 lbs


 サウスポーの小島は初回,軽快な動きから右ジャブを突き,左ストレートをボディに送り,好調な滑り出し。ランデロスは踏み込んで左ストレートをヒット。右ストレートで小島のアゴが上がる。4回,小島は左ストレートをボディに決め,すかさず右フックを返す。ランデロスは小島の速い動きに戸惑い,前に出てプレッシャーをかけるものの,攻撃が直線的で小島を捉え切れない。
 しかし,5回に波乱が起きた。コーナーでランデロスの突進を回り込んでかわそうとしたところに右フックがヒットし,小島は呆気なくダウン。ダメージはなかったが,再開後に受けた左フックでぐらつき,ピンチを迎えた。終盤,小島も左ストレートを浴びせて反撃を見せる。
 9回,バッティングで小島が左前額部,ランデロスが右目上をカットして一時中断。小島の出血が激しい。小島は機を見て左ストレートをヒットするが,こちらも単調な動きになる。
 10回,踏み込んで放ったランデロスの左ストレートがヒットした直後にバッティングが発生。しかし,その直後にランデロスの右フックがヒットして,小島ダウン。しかし,原田主審はスリップダウンと判定し,試合は続行。逆にランデロスはヘディングで2点の減点となった。

 小島は勝つには勝ったが,ランデロスのパワーに押され,苦しい戦いとなった。序盤こそスピーディな動きを見せて好調をアピールしたが,ランデロスが突進すると,右回りを忘れ,押し込まれる場面が目立った。もともとアップライトスタイルに構えるタイプではあるが,押し込まれると上体が突っ立ってアゴが出てしまう悪い癖が出た。攻撃も機を見て左ストレートをカウンターするだけの単調なものに終始した。
 ランデロスはパンチ力がある右ボクサーファイター。踏み込んで放つ左ストレートあるいは右フック,ストレートに威力がある。うまさやスピードは感じられないが,パワーは十分。ただし,小島同様に攻撃が直線的で単調なのが欠点。
 相変わらず不手際が目立ったのは原田主審。10回の”ダウンシーン”は一度はノックダウンを宣告してカウントを開始しながら,ヘディングによるものと判断して途中でスリップダウンに変更したもの。このとき確かにヘディングによるバッティングは発生していたが,直後にランデロスの右フックがヒットしており,明白なノックダウンである。また,原田主審はランデロスの故意でない偶然のヘディングに対し,2点もの減点を課すという”暴挙”に出ている。接戦の終盤でのこのような不手際は大いに誤解を招く。猛省を促したい。

採点結果 小島 ランデロス
主審:原田武男 *** ***
副審:宮崎久利 95 92
副審:安田裕候 94 93
副審:上中一郎 97 90
参考:MAOMIE (46) (46)


     ○小島:14戦11勝(3KO)3敗
     ●ランデロス:19戦14勝(10KO)4敗1分

     放送:読売テレビ
     解説:六車卓也&辰吉丈一郎
     実況:野村明大

※ 第10ラウンドのヘディングによるランデロスの減点2を含む採点。
※ 第1・4・5・9・10ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。


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                        2004年9月20日(月)    大阪府立体育会館第2競技場
                                     10回戦
                    WBC世界バンタム級11位   K      O    タイ国Sー・バンタム級5位
                  ○   仲 宣明       7回2分03秒    ゴンスリン・シスソーエイ   ●
                     (尼崎) 122 lbs                             (タイ) 122 lbs


 初回から小刻みな動きからどんどんプレッシャーをかけ,ワンツー,ボディへの左アッパーを放つ仲。勢い込んだところにゴンスリンの左フックを合わされて腰が落ちたが,2回以降は左右のボディブローから右ストレートでゴンスリンをロープに詰める。仲はジクザグの足の運びでゴンスリンを追い詰め,小気味のいいコンビネーションブローで攻勢。
 5回,仲は左ジャブからの左右アッパーをボディに集める。ゴンスリンが体を寄せると,グラブで回したり,自らサイドに回りこんで攻撃するなど,うまさを見せた。6回にもタフなゴンスリンに左フック,右ストレート,ボディへの左右アッパーを浴びせて攻勢。ゴンスリンはヘディングで減点。
 そして7回,左右アッパー,ワンツーで攻勢に出る仲。右ストレート,左フックでぐらつかせ,ロープ際に逃げるところに左アッパーを追い打ちすればゴンスリンはたまらずダウン。そのままカウントアウトとなった。

 3月の世界挑戦での惜敗からの再起戦となった仲だが,よく手数が出て,まず会心のKO勝ちと言える。
 特に目立ったのは,相手をジグザグの動きで追い詰めて行く足の運び。これはジョニー・ブレダル(デンマーク)戦でも見せた最大の長所。やみくもに連打するのではなく,クリンチに出ようとする相手をグラブで回したり,自らサイドに回り込んで巧みにポジションを変え,空いているところにパンチを集めるなど,頭脳的なボクシングが光った。欲を言えば,パンチに強弱がないことか。もう少しメリハリが加われば,いずれ世界再挑戦の実現も夢ではない。

6回までの採点 ゴンスリン
主審:宮崎久利 *** ***
副審:大黒利明 59 54
副審:安田裕候 60 53
副審:上中一郎 60 53
参考:MAOMIE (39) (36)


     ○仲:21戦18勝(12KO)1敗2分
     ●ゴンスリン:13戦7勝(1KO)6敗

     放送:読売テレビ
     解説:六車卓也&辰吉丈一郎
     実況:尾山憲一

※ 第6ラウンドのヘディングによるゴンスリンの減点1を含む採点。
※ 第1・2・5・6・7ラウンドのみを放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                     2004年9月27日(月)    大阪府立体育会館第2競技場
                                10回戦
                     日本フライ級(ノーランク)        タイ国フライ級(ノーランク)
                  ○   亀田興毅     判 定    ダオチャイ・KTジム   ●
                   
 (グリーンツダ) 111 3/4 lbs               (タイ) 112 lbs

 初回から飛び込んで左ストレートあるいはボディへの左アッパーで攻勢に出る亀田。スピードはあるものの,りきみが目立つ。2回,ダオチャイもワンツーを返すが,亀田は顔面をグラブでカバーしてかわす。
 3回に入ると,逆に亀田は下がりながら機を見て,ボディへの左右フック,上への左ストレートを放つ。試合は一方的だが,亀田も手数が少なく,ダオチャイがしぶといこともあって,なかなか決定的なチャンスは掴めない。
 6回,ダオチャイをロープに詰め,左右フックで一気に攻勢に出る亀田だが,その後は手数が減る。7回にも左ストレートで腰が落ちたダオチャイをロープに釘付けにしてラッシュする亀田。
 9・10回,亀田はようやく左ストレート,左右フックのラッシュ攻撃に出るが,決め手を欠き,プロ入り4戦目ではじめてフルラウンドを戦い抜いた。

 亀田はいつもの思い切りの良さがなく,やや精彩を欠いた。ときおり左ストレート,左右フックのラッシュを見せたが,特に後半は打ち疲れかあるいはスタミナ切れへの不安があったためか,手数が減り,一方的にリードしながらもフィニッシュを逸した。力みをなくし,緩急をつけた攻撃ができるようにしなければ上位では通用しない。

採点結果 亀田 ダオチャイ
主審:宮崎久利 *** ***
副審:上中一郎 100 91
副審:原田武雄 99 91
副審:北村信行 99 91
参考:MAOMIE (90) (82)


     ○亀田:4戦4勝(3KO)
     ●ダオチャイ:14戦5勝(1KO)9敗

     放送:TBS
     解説:竹原慎二&畑山隆則
     実況:藤森祥平

※ 第5ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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