熱戦譜〜2004年7月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.07.03  WBA世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 新井田 豊  判定  ノエル・アランブレット
2004.07.03 10回戦  アルマンド・サンタクルス  TKO1R  ノエル・ハンマー・パン 
2004.07.03 8回戦  矢代義光  KO3R  金 東一
2004.07.17 10回戦  長嶋健吾  TKO6R終了  白 承元
2004.07.17 10回戦  鳥海 純  TKO5R  姜 廷勲
2004.07.19  日本バンタム級
 タイトルマッチ10回戦
 サーシャ・バクティン  判定  瀬川設男
2004.07.19 8回戦  加藤壮次郎  TKO3R  春山正太
2004.07.19 8回戦  中真光石  TKO5R  ルンタワン・ソーウォラピン
2004.07.19 8回戦  翁長吾央  TKO5R  サクナロン・ファンプラサート
10 2004.07.24  WBC世界フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 池 仁珍  TKO10R  洲鎌栄一

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                       2004年7月3日(土)    後楽園ホール
                      WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
                    挑戦者(同級8位)           前チャンピオン
                ○   新井田 豊    判 定   ノエル・アランブレット   ●
                        (横浜光) 105 lbs               (ベネズエラ) 105 3/4 lbs

 前日の計量で3/4ポンドのウェイトオーバーで失格となり,戦わずして”前王者”となったアランブレットだが,計量後の1日の”猶予”での食事と休養により,そこそこのコンディションに戻していた。慎重なスタートの新井田に対し,初回,早くもロープに詰めて攻勢を仕掛ける。2回,新井田は右ストレートを放ち,接近して左アッパー,フックの速いダブルを見せる。足を使うと見られていたアランブレットは意外に打ち気に出た。
 前半戦はむしろアランブレットのペース。新井田はときおり左アッパーのボディブロー,右フックで迫るが,手数が少なく,ファンのイライラが募った。一方のアランブレットはフック系統のパンチで積極的に手数を出して上回った。
 さすがのアランブレットも5回に入ると減量失敗の影響か,口元から青いマウスピースを覗かせて苦しげに呼吸する場面が目立つようになった。先手を取りたい新井田だが,肝心の手数が少なく,アランブレットの動きを止められない。
 6回,新井田の左アッパーがボディに決まり,アランブレットは思わずクリンチ。老獪なアランブレットは7回,逆に新井田をロープに詰め,ワンツー,左右フックでなりふり構わぬ攻勢を仕掛ける。
 しかし,終盤戦で新井田が猛烈な追い上げを見せた。10回,それまでとは打って変わり,アランブレットは足を使い始める。新井田は右フック,ボディへの左右フックでロープに詰めてようやく攻勢に出る。アランブレットは青いマウスピースを吐き出さんばかりの苦しげな表情で必死にクリンチに出る。
 11回,動きが鈍ったアランブレットをロープに詰め,新井田が左右のボディブローで攻勢をかける。12回にも新井田の攻勢。アランブレットは恥も外聞もなくクリンチで露骨な時間稼ぎ。新井田は最後まで必死の連打でアランブレットを追い込んだ。

 悲願の王座奪回を果たした新井田。前半は思うように手数が出ず,老獪なアランブレットに苦しんだが,終盤の激しい追い上げで勝利を呼び込んだ。大きなパンチでクリーンヒットを狙うのではなく,小さいパンチを数多く出していればもっと楽に戦えたはず。それだけの攻撃力とボクシングの幅を持った選手であり,今後の課題としてぜひ克服して欲しい。
 アランブレットは過去何度かの来日時とは違い,足をあまり使わず,打ち合いに応じていたのは意外だった。減量苦で前半勝負と考えたのか,それとも足が動かなかったためか,いずれにしても新井田にとっては願ってもない前半の展開だっただけに,新井田が手数を多くして早い回から先手を取っていればKO奪取も期待できたはず。
 さすがのアランブレットも終盤にスタミナ切れの様相を呈していたが,バッティングで大袈裟に痛がって露骨に時間稼ぎをするなど,心憎いまでの老獪さは相変わらず。自分が苦しくなると執拗にクリンチ,新井田がクリンチに出るとムキになって振りほどいてパンチを放つ。こういう勝利への貪欲さは日本人選手にもぜひ見習って欲しい。

採点結果 新井田 アランブレット
主審:マーク・ネルソン(米国) *** ***
副審:ジャン・レグラント(フランス) 117 112
副審:ガイ・ジュトラス(カナダ) 117 111
副審:マイケル・リー(韓国) 116 113
参考:MAOMIE 115 115


     ○新井田:20戦16勝(8KO)1敗3分
     ●アランブレット:25戦21勝(10KO)3敗1無効試合

     放送:G+
     解説:ファィティング原田&浜田剛史&セレス小林
     実況:長谷川憲司

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                         2004年7月3日(土)    後楽園ホール
                                  10回戦
                 
  米国ライト級(ノーランク)   T   K  O   比国ライト級3位
                ○ アルマンド・サンタクルス   1回2分48秒   ノエル・ハンマー・パン  ●
                      
  (米国) 135 1/2 lbs                      (比国) 135 lbs

 初回開始早々からカサにかかって攻めまくるサンタクルス。右ストレート,アッパー,ボディへの左アッパーなどの乱打にパンは早くも防戦一方。右ストレート,左フックでよろめくパン。ロープを背にのけぞったパンに右ストレートの追い打ちが決まったところで,マーチン主審がためらわずストップした。

 サンタクルスは帝拳の契約選手。長いリーチをフルに生かし,恵まれた長身から打ち下ろす右ストレートを突破口に右アッパー,左フック,ボディへの左アッパーなど,多彩なコンビネーションで果敢に攻撃する右ボクサーファイター。一発当るとカサにかかってどんどん攻めて来る。ややスピードがないのが欠点だが,何しろよく手が出て,パンチが目の前でグンと伸びる。

     主審:ビニー・マーチン,副審:内田正一&浅尾和信&福地勇治
     ○サンタクルス:17戦17勝(9KO)     ●パン:42戦17勝(8KO)19敗6分
     放送:G+     解説:浜田剛史     実況:寺島淳司

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                       2004年7月3日(土)    後楽園ホール
                                 8回戦
                 
  日本フェザー級10位   K     O   韓国S・バンタム級10位
                ○   矢代義光     3回2分13秒    金 東一    ●
                       (帝拳) 128 lbs                       (韓国) 127 1/2 lbs


 初回,超変則の金は上体を揺すって矢代に迫り,右ストレート,フックを振る。矢代はよく見てこれをさばき,軽く右ジャブ,ストレートからスタート。
 2回,早くも矢代の強打が炸裂する。左アッパーのボディブローから右フックがヒット。入り際の右フックでよろめく金。左ストレートのボディブローを多用する矢代は,終盤,突っ込んで来る金のテンプルに右フックをヒット。金はワンテンポ遅れて倒れ込み,ダウン。
 そして3回,再び突っ込んで来る金のテンプルに右フックが決まり,この試合2度目のダウン。金は立ち上がったものの,再三左ストレートをボディに打ち込まれて苦しそう。最後はガラ空きのアゴに左ストレートがヒットし,金はたまらずダウン。浦谷主審がためらわずノーカウントでストップした。

 フィニッシュの左ストレートは一瞬体勢を低くしてボディに行くと見せかけ,すかさずアゴに放った見事なパンチ。あらためて勘の良さを見せた。パンチの切れ,カウンターのタイミングは申し分ない。ランク入り第1戦を見事に飾ったが,欲を言えば,何も手を出さずに見ている時間をどんどん少なくして行って欲しい。それには絶えず右ジャブ,ストレートを出すことである。今後上位とぶつかれば,手数が出なければつけ入る隙を与える危険が多くなる。
 金は韓国には珍しいムエタイ経験者。スキンヘッドの超変則な右ファイタータイプ。上体を揺すり,強引に肉薄して右強打を振り回して来る。ガードがガラ空きになるのが最大の欠点。

     主審:浦谷信彰,副審:内田正一&浅尾和信&森田健
     ○矢代:12戦12勝(7KO)     ●金:7戦3勝(2KO)3敗1分
     放送:G+     解説:セレス小林     実況:寺島淳司

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                       2004年7月17日(土)    後楽園ホール
                              10回戦
                 
WBC世界ライト級4位   T K O   韓国S・フェザー級5位
               ○   長嶋健吾     6回終了     白 承元    ●
                    
 (エイティーン古河) 135 lbs                (韓国) 134 1/4 lbs

 初回から積極的な長嶋はスピードに乗ったワンツー,左右フックで早くも優位に立つ。白の動きをよく見てボディに大きな左フックを見舞う。白はひるまず果敢に前に出るが,2回にも長嶋のワンツー,左ボディがヒット。
 3回,白が右前頭部をカットし,一時中断。長嶋はスピーディな攻撃で迫るが,振りが大きく,単発。6回,長嶋の左ストレートでぐらついた白は右前頭部からの出血がひどくなり,再度中断。白は果敢に食い下がるが,目の異常もあり,6回終了時に棄権を申し出てストップとなった。

 長嶋は去る2月のデニス・ローレンテ(比国)戦での拙戦を挽回しようと,積極的でスピーディな攻撃を見せた。しかし,接近して放つ左右フックは大振りでアゴのガードがガラ空きになる欠点を露呈した。多用していたボディへの大きな左アッパー,フックも単発のため,後続打が見られなかった。若干の進歩は見られたものの,世界レベルのうまい相手にかかったらまず通用しないだろう。
 白はファイティングスピリット旺盛な右ファイタータイプ。打たれても前に出て,果敢に食い下がる。右ストレート,左フックが武器。

5回までの採点 長嶋
主審:浅尾和信 *** ***
副審:山田一公 60 54
副審:鮫島英一郎 60 55
副審:島川威 60 55
参考:MAOMIE 60 55


     ○長嶋:30戦26勝(15KO)2敗2分
     ●白:13戦9勝(2KO)4敗

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:高橋雄一

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                       2004年7月17日(土)    後楽園ホール
                                 10回戦
                 
WBA世界バンタム級6位   T   K   O   韓国バンタム級7位
                ○   鳥海 純      5回2分55秒     姜 廷勲   ●
                      (ワタナベ) 120 1/4 lbs                      (韓国) 118 1/2 lbs


 サウスポーの鳥海は初回,落ち着いて姜の動きをよく見て,左アッパーのボディブロー,ワンツーを決めて早くも優位に立つ。終盤,ワンツーで姜を後退させ,ロープに詰めて左ストレート,右フックを浴びせる。
 2回開始早々から攻勢に出た鳥海はワンツー,ボディへの左アッパー,ストレートで姜を圧倒する。3回,姜は執拗に前に出るが,鳥海はよく動きを見て,的確にクリーンヒットを奪った。
 鳥海も距離の取り方が中途半端で,ときおり姜の反撃を許すが,5回,鮮やかな集中打で勝負を決めた。終盤,ワンツーで姜をぐらつかせた鳥海は一気に攻勢。ロープに詰まった姜がワンツー,左右フックで防戦一方になったところで浦谷主審がストップした。

 積極的なボクシングを見せた鳥海はワンツー,左アッパーなどのコンビネーションにいいものを持っている。しかし,今夜は距離の取り方にやや中途半端な面を見せた。格下相手ならば通用するが,世界レベルでは命取りになる。パンチ力には欠けるので,いかに足とスピードを生かしたボクシングに徹するかが課題。
 姜はやや変則的な動きから右フック,ストレートを振って打ち合いを挑むファイタータイプ。スピードはないが,なかなかしぶとい。

     主審:浦谷信彰,副審:山田一公&葛城明彦&浅尾和信
     ○鳥海:26戦22勝(9KO)3敗1分     ●:8戦4勝(3KO)4敗
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:舟津宜史

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                        2004年7月19日(月)    後楽園ホール
                        日本バンタム級タイトルマッチ10回戦
                       チャンピオン              挑戦者(同級6位)
                ○  サーシャ・バクティン    判 定    瀬川設男   ●
                       (協栄) 117 1/2 lbs                (ヨネクラ) 118 lbs

 定石どおりの左ジャブで距離を取ろうとするサーシャに対して,瀬川は低い姿勢から潜り込んで乱戦狙い。予想どおりの主導権争いでスタートした。2回,サーシャは単発ながらも左ジャブ,右ストレートを決め,瀬川がひるむとボディへの左アッパーに切り替えた。3回以降もサーシャの左ジャブがうるさい。前に出る瀬川は潜り込みたいが,サーシャにうまく間合いを取られる。4回,瀬川の左フックがヒットするが,サーシャも右ストレートを返す。瀬川は左目上をカット(有効打によるもの)して,苦しい展開。
 5回,瀬川は右から左のフックをヒットして攻勢に出るが,逆にサーシャの左フックでのけぞる場面を見せた。6回,右目下を腫らした瀬川にサーシャの左ジャブが飛ぶ。右ストレートでのけぞる瀬川。何とか接近するが,サーシャに抱え込まれて攻め手を封じられた上に,上からのしかかられて引き回され,次第に体力を消耗した。7回終盤,サーシャの右から左の”逆ワンツー”で動きが鈍った瀬川はサーシャの攻勢にあってピンチ。
 敗色濃厚な瀬川は必死に前に出て食らい付くが,左フックを受けてのけぞる場面が目立った。9回,サーシャのワンツーでロープに詰まった瀬川は右目下を腫らしながらもフルラウンドを戦い抜いた。

 ”高速ジャバー”のサーシャに対して,老獪・変則の瀬川。好対照の両者だけに,序盤の主導権争いが注目された。しかし,瀬川は思った以上に足が動かず,潜り込めずに見ているとサーシャの左ジャブ,右ストレートあるいは右から左の逆ワンツーが飛んだ。ようやく接近すると抱え込まれて引き回され,あるいは上からのしかかられ,体力を消耗したところにパンチを浴びるという悪循環。持ち味を完全に殺された末の,完敗と言える。老獪な瀬川が若いサーシャのずるさにしてやられたという感じの試合内容だった。
 今までのサーシャは左一本の正直なボクシングだけが印象的だったが,反則スレスレのレスリング行為などで反撃の芽を摘む場面もあり,老獪な一面を見せた。バンタム級に下げて来た瀬川に対して,スタミナの消耗を狙った頭脳的な試合運びをしたと言える。
 本来ならば,サーシャがやったボクシングをやらなければいけないのは瀬川の方だったが,体が追随できなかったのか・・・・・。残念ながら,数年前に比べると踏み込みの鋭さが消え,さすがに衰えは隠せない。
 大差で難敵を退けたサーシャは試合運びに進歩の痕跡が見られた。しかし,世界を狙うにはまだまだ実力不足。速射砲のような左ジャブ,ストレートが最大の武器だが,世界レベルでは通用しない。今後もっと攻撃の幅を広げるよう精進に期待する。

採点結果 サーシャ 瀬川
主審:福地勇治 *** ***
副審:金谷武明 100 91
副審:ビニー・マーチン 100 89
副審:内田正一 100 92
参考:MAOMIE 100 91


     ○サーシャ:11戦11勝(5KO)
     ●瀬川:26戦21勝(12KO)5敗

     放送:なし
     解説:なし
     実況:なし

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                        2004年7月19日(月)    後楽園ホール
                                  8回戦
                 
  日本ウェルター級7位    T   K   O   日本ウェルター級(ノーランク)
                ○  加藤壮次郎     3回1分15秒    春山正太    ●
                      
(協栄) 139 3/4 lbs                        (ナカハマ) 140 lbs
                    壮次郎=タケジロウ

 やや変則タイプの加藤は前に出てプレッシャーをかける。春山は左ジャブを出しながら左に回って様子を見る。2回,加藤が変則的な動きからワイルドな左右フックを浴びせれば,春山は早くも弱気な面を見せる。そして3回,右フックがヒットしてぐらつく春山。足がもつれ防戦に回る春山に加藤が一気に襲い掛かる。スリップダウンの後,ロープに詰まった春山に加藤が左右フックの攻勢。春山が防戦一方になったところで館主審がストップ。
 
 春山の応援団からは『ストップが早い』と不満の声も聞かれたが,足元がふらついて防戦一方に回っており,館主審の判断はタイムリーで妥当なものと言える。
 日本ランカーの貫禄を見せた加藤の圧勝。開始早々から気迫で春山を呑んでいた。掴み所がない変則的な右ファイタータイプで右フックが武器。スピードは欠けるが,パンチには威力がある。気迫を前面に押し出すファイターである。
 春山は長身で左ジャブ,ワンツーを得意としている。いかつい顔をしているが,攻め込まれると弱気になるのが欠点。

     主審:館秀男,副審:安部和夫&内田正一&福地勇治
     ○加藤:22戦16勝(9KO)4敗2分     ●春山:15戦7勝(4KO)8敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                         2004年7月19日(月)    後楽園ホール
                                      8回戦
                 
  日本フェザー級(ノーランク)     T   K  O   タイ国フェザー級(ノーランク)
                ○    中真光石        5回1分17秒   ルンタワン・ソーウォラピン   ●
                      (沖縄ワールドリング) 128 1/2 lbs                      (タイ) 125 3/4 lbs

                     中真光石=なかま・こうせき

 初回,新鋭・中真の入りは伸びのいい左ジャブから。思い切って右を振ったルンタワンより一瞬早く中真の右ストレートがアゴを捉え,ルンタワンはたまらずダウン。立ち上がったルンタワンに一気に襲い掛かり,ワンツー,左右フックを浴びせる中真。
 2回,ルンタワンが果敢に反撃する。打ち下ろしの右ストレートで中真を苦しめる。手数が減った中真は終盤ようやく右ストレートを返した。
 3回,左右のボディ連打,右ストレートの攻勢にルンタワンは思わずクリンチに出る。4回,ワンツー,左フックでぐらつきながらも果敢に前に出るルンタワンはボディブローが効いているが,中真はチャンスに自ら下がってしまう場面を見せた。
 しかし5回,中真がようやく勝負を決めた。ワンツー,ボディへの左右フックでルンタワンが防戦一方に回ったところでマーチン主審がストップした。

 中真はバランスのいい右ボクサータイプ。左ジャブで間合いを取り,ワンツー,左フックでチャンスを掴むとボディへの左右連打も見せる。初回にダウンを奪った右ストレートは相打ちの絶妙なカウンターである。しかし,一方的に攻めながら,チャンスに見てしまったり,自ら下がってしまうなど,詰めの甘さが気になる。今後の課題として克服して欲しい。
 ルンタワンは右ファイタータイプで右ストレート,フックが武器。相手が手を出さないと,タイ人特有の変則的な動きから,どんどん攻勢に出て来る。試合を投げないしぶとさが身上である。

     主審:ビニー・マーチン,副審:安部和夫&館秀男&金谷武明
     ○中真:4戦4勝(2KO)     ●ルンタワン:16戦10勝(2KO)6敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                               2004年7月19日(月)    後楽園ホール
                                       8回戦
                 
  日本スーパー・フライ級(ノーランク)    T   K   O   タイ国スーパー・フライ級(ノーランク)
                ○    翁長吾央          5回1分30秒    サクナロン・ファンプラサート   ●
                    
  (沖縄ワールドリング) 113 1/2 lbs                          (タイ) 112 lbs
                    翁長吾央=おなが・ごおう

 サウスポーの新鋭・翁長が初回から一方的にリード。右ジャブから踏み込んで左ストレート,ロープに詰めてボディへの左アッパーなどで攻勢。サクナロンはサウスポーにスイッチしてカウンター狙い。2回,左ストレートでロープに下がるサクナロン。3回にも翁長がロープに詰めて左右のボディ連打で襲い掛かる。
 4回,翁長がボディにパンチを集めるとサクナロンは失速の兆候。翁長は右フックのボディ打ちを多用して攻勢に出る。右フック,左アッパーのボディブローでサクナロンたまらずダウン。
 5回,翁長の攻勢が続く。サクナロンをロープに押し込み,ボディへの集中打でダウンを奪う。サクナロンは立ち上がったが,連打を浴びて防戦一方になったところで内田主審がストップ。

 翁長は攻防両面でバランスの取れたサウスポーのボクサーファイター。右ジャブを突いて積極的にチャンスを窺い,左ストレート,左右のボディブローで攻勢をかける。一発の威力よりも連打で攻め落とすタイプ。間合いを詰めて積極的にプレッシャーをかけるが,肝心な場面で見てしまうことと,攻撃が直線的なのが欠点。上位進出を狙うにはその点が課題となる。
 サクナロンは右ボクサーファイターだが,サウスポーにスイッチするなど,変則的な一面も見せた。

     主審:内田正一,副審:ビニー・マーチン&福地勇治&金谷武明
     ○翁長:4戦4勝(4KO)     ●サクナロン:14戦7勝7敗
     放送:なし     解説:なし     実況:なし

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                 2004年7月24日(土)    韓国ソウル:セントラルシティ・ミレニアムホール
                      WBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン   T   K   O   挑戦者(同級12位)     
                ○  池 仁珍   10回1分03秒    洲鎌栄一   ●
                       (韓国) 126 lbs                      (尼崎) 126 lbs

 1回目の計量で900gのウェイトオーバーとなり,サウナに入ってパスした池。スタミナに対する不安のためか,前半勝負を狙って初回から積極的に手数を出す。距離を詰め,接近して左右フック,アッパーで積極的に攻める池は1・2回をリード。2回には洲鎌の左アッパーが低く入って一時中断。
 3回,洲鎌もワンツーから接近して左右アッパーをボディに放つ。池は洲鎌のボディ打ちを嫌い,イヤな表情を見せる。
 しかし,4回,池が手数で再び優位に立った。洲鎌も得意の右ストレートをヒットするが,池の左右フックでロープを背にする。5回も池が左右フックで攻勢。洲鎌は右ストレートをクリーンヒットし,ロープを背に左アッパーのボディブロー。明らかに有効打だったが,ブルナー主審にローブローと判定され,洲鎌は減点1のハンデを負った。
 試合のヤマ場は6回。手数で押す池だが,洲鎌は単発ながらも左ストレート,ワンツー,右アッパーをクリーンヒットして池をたじろがせる。そして終了間際,強烈なワンツーがアゴを捉え,池はたまらず右グラブでキャンバスに触れてしまう。しかし,これはゴング後と判定され,ノックダウンとはならず,洲鎌にとっては不運となった。
 7回,勢い付いた洲鎌は挽回を狙って攻勢に出る。ワンツーの連打を浴びた池はロープを背にグロッギー。辛うじて反撃に出るが,中盤,洲鎌の強烈な左フックを受けてグラリ。しかし,このKOチャンスに洲鎌も疲れが出てしまい,詰め切れなかった。
 池も動きが鈍るが,8回終盤,右ストレート,左右フックで攻勢。洲鎌はロープ伝いに辛うじて逃れるが,疲労の色を隠せない。
 大健闘の洲鎌だが,10回に破局が訪れた。池は右フックで洲鎌をぐらつかせて攻勢。左右フックの連打から右アッパーを受けて洲鎌ついにダウン。立ち上がったが,再び左右の猛攻を浴び,ロープ伝いにコーナーで崩れ落ちて2度目のダウン。そのままストップとなった。

 初挑戦の洲鎌は予想以上の善戦を見せた。最後は力負けしたが,敵地でこれだけのファイトができれば十分に合格点が与えられる。今後の糧として,一層の精進を望みたい。6回に”ダウン”を奪ったワンツーは強烈で,さすがにタフで鳴る池も耐え切れなかった。惜しむらくは,手数で打ち負けてしまったことか。池がストレート系のパンチに弱い面を見せていただけに,得意のワンツーを主体にストレート系のパンチで前半から積極的に攻めていれば面白かったと思う。
 苦戦の末に初防衛に成功した池は手数がよく出る右ファイタータイプ。ただガムシャラに手を出すのではなく,非常によく相手を見て,空いているところにパンチを当てて来る。ただし,アウトサイドからの攻撃が主体で,逆に正面からのストレート系のパンチを食いやすい欠点も露呈した。減量の失敗もあった池だけに,洲鎌が手数で打ち負けずに上下を打ち分けていればと惜しまれる。

     主審:マルコム・ブルナー(豪州),副審:フレッド・ウッチ(米国)&アレハンドロ・ロチン(メキシコ)&ノパラット・スリチャラン(タイ)
     ○池:32戦29勝(18KO)2敗1分     ●洲鎌:31戦26勝(19KO)4敗1分
     放送:読売テレビ     解説:六車卓也&辰吉丈一郎     実況:尾山憲一

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