熱戦譜〜2004年1月の試合から


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試合日 試合 結果
2004.01.03  WBC世界フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 ポンサクレック・クラテンディンジム  判定  トラッシュ中沼
2004.01.03  WBC世界スーパー・フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 徳山昌守  判定  ディミトリー・キリロフ
2004.01.03  WBA世界スーパー・フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 アレクサンデル・ムニョス  TKO10R  小島英次
2004.01.10  WBC世界ミニマム級
 タイトルマッチ12回戦
 イーグル赤倉  判定  ホセ・アントニオ・アギーレ
2004.01.10  日本スーパー・フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 本望信人  判定  コウジ有沢
2004.01.10 10回戦  三浦誉士  TKO6R終了  キンジ天野
2004.01.17 10回戦  湯場忠志  TKO2R  盧 錫根
2004.01.17 8回戦  三澤照夫  6R負傷判定  正藤秀明
2004.01.19  WBA世界スーパー・ミドル級
 タイトルマッチ12回戦
 アンソニー・マンディン  TKO5R  西澤ヨシノリ

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                     2004年1月3日(土)    パシフィコ横浜
                     WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                 チャンピオン                   挑戦者(同級13位)
        ○   ポンサクレック・クラテンティ゙ンジム   判 定   トラッシュ中沼   ●
                (タイ)  112 lbs                        (国際)  112 lbs


 激しいパンチの応酬になったが,ポンサクレックが手数でも的確さでも上回った。ポンサクレックは9度目の防衛に成功。
 初回,中沼は落ち着いてフェイントをかけ,顔の前でカードを固めて果敢に攻める。サウスポーのポンサクレックは左右ボディブロー。中沼はこれをブロックし,意表を突く左アッパーをヒットして,幸先のよいスタートを切った。
 しかし,試合運びに長けるポンサクレックは2回以降,手数と的確さで主導権を掌握する。中沼はときおりワイルドな左フック,右ストレートで応戦するが,ポンサクレックは中沼の攻撃が途切れると必ずパンチをまとめ,主導権は譲らない。
 中盤以降も激しい打ち合いが続くが,ポンサクレックのスピーディな連打が上回った。接近しての右アッパーの3段打ちなど,手数でリード。10回以降は中沼のボディブローが効いて,ポンサクレックもペースダウンするが,細かい左右アッパー,ワンツーで要所は締めた。

 初挑戦の中沼は健闘したが,手数で劣り,ポンサクレックの牙城を崩すには至らなかった。手数で打ち負けたら勝ち目がないことは試合前から指摘されていたはずだが,その手数で劣ってしまった。果敢なボクシングは賞賛に値するが,外からのワイルドなパンチ主体なので,後半は歴戦の王者に読まれていた。もう少しフェイントを多用し,インサイドからのパンチを増やしていれば面白かったと思う。
 ポンサクレックのうまさはさすが。空いているところにうまくパンチを集めて来る。連打の回転がよく,相手の攻撃の直後には必ずパンチをまとめてお返しし,絶対に主導権を渡さない試合運びのうまさがある。

採点結果 ポンサクレック 中沼
主審:ブルース・マクタビッシュ(比国) *** ***
副審:マルコム・ブルナー(豪州) 116 112
副審:キム・ジェボン(韓国) 116 113
副審:チャック・ウィリアムス(米国) 115 113
参考:MAOMIE 116 113


     ○ポンサクレック:52戦50勝(27KO)2敗
     ●中沼:28戦23勝(10KO)5敗

     放送:テレビ東京
     解説:セレス小林&赤井英和
     実況:四家秀治

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                2004年1月3日(土)    大阪市中央体育館
                WBC世界スーパー・フライ級タイトルマッチ12回戦
              チャンピオン            挑戦者(同級1位)
           ○  徳山昌守     判 定   ディミトリー・キリロフ   ●
            
  (金沢)  115 lbs               (ロシア) 114 1/2 lbs

 難敵と見られていたキリロフに完勝し,徳山が8度目の防衛に成功した。
 左ガードを下げてジリジリと前に出るキリロフだが,徳山のカウンターを警戒し,慎重なスタート。徳山は単発ながらも,的確な右ストレートで早くもリードする。数はすくないが,左ジャブ,ストレートも正確にヒットした。
 3回,打ち下ろしの右ストレートで一瞬ぐらつくキリロフ。徳山は胸の前で両手を小刻みに動かし,キリロフを牽制しながら左ストレートを決めて行く。中盤もお互いに手数こそ少ないが,カウンター狙いの緊迫感に溢れた試合になった。キリロフはときおり飛び込んで左ボディブローのチャンスを窺うが,徳山の懐が深く,なかなか突破口を開けない。8回には打ち下ろしの右ストレートが再三ヒットし,キリロフがのけぞる場面が目立つ。9・10回にも徳山の足と左が冴え,キリロフはまったく自分のボクシングをさせてもらえない。
 最大のヤマ場は11回。終盤,徳山の左から右のストレートがクリーンヒットし,足がもつれたキリロフはダウン寸前のピンチ。辛うじてゴングに救われた。12回,セコンドのGOサインを受けた徳山はフィニッシュを狙って勝負に出るが,キリロフの捨て身の反撃に遭い,逆にヒヤリとさせる場面もあった。

 最強の挑戦者という呼び声が高かったキリロフに圧勝した徳山。懐の深さとストレートの切れは世界の超一流。どこへ出しても恥かしくないものを持っている。微妙に角度やタイミングを変えた左ストレートは天下一品である。
 しかし,今夜は前評判の高かったキリロフを警戒したのか,その左の手数が少なく,本来持っている実力の6割程度しか出なかったように見えた。今後噂されるWBA王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)との統一戦などのビッグマッチに臨むには多少の不安がある。自分の生命線が懐の深さとストレートの切れだということを忘れないことである。
 敗れたキリロフは身長162cm。171cmの長身・徳山のカウンターと絶妙な間合いに翻弄され,自分のボクシングをまったくできないままに敗退した。左ボディブローと右クロスが武器だが,予想外にスピードがなく,徳山の術中にはまってしまった。

採点結果 徳山 キリロフ
主審:ビック・ドラクリッチ(米国) *** ***
副審:ブラッド・ボカレ(豪州) 117 112
副審:オレン・シュレンバーガー(米国) 117 111
副審:ポルフィリオ・ゴメス・ルエダ(国籍不明) 116 112
参考:MAOMIE 119 111


     ○徳山:33戦30勝(8KO)2敗1分
     ●キリロフ:25戦22勝(7KO)2敗

     放送:テレビ東京
     解説:鬼塚勝也&星野敬太郎
     実況:久保田光彦

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                    2004年1月3日(土)    大阪市中央体育館
                     WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン       T    K   O    挑戦者(同級14位)
          ○   アレクサンデル・ムニョス    10回3分03秒     小島英次   ●
             (ベネズエラ) 114 3/4 lbs                            (金沢) 115 lbs


 昨年7月の2回KO負けに続く,ムニョスへの再挑戦となったサウスポーの小島。初回,やや低くしたガードからスピーディな動きで右ジャブ,ボディに左ストレートを放つ。2回,ムニョスは主武器の右ストレートをヒットする。4回,ムニョスの左アッパーと小島の左ストレートが相打ちになり,ムニョスがぐらつく。小島は動きがよく,出入りが鋭いので,ムニョスは少々持て余す。スタミナに不安があるムニョスは早くも口をパクパクさせて呼吸する。
 しかし,地力で優るムニョスの強打が5回に火を噴いた。右ストレート,アッパーを強振して小島をロープに追い,左フック,右ストレートで最初のダウンを奪う。中盤以降,よく応戦したが,ムニョスのパワーは凄まじく,小島はダメージを蓄積して行った。
 9回,再びムニョスの強打が炸裂した。左右フック,右ストレートの猛攻で小島はたまらず仰向けにダウン。小島はよく立ち上がり,左フックでムニョスをぐらつかせる反撃を見せた。しかし,小島の頑張りもそこまで。10回,再び左右強打の嵐が吹き荒れ,小島,この試合3度目のダウン。ラミレス主審がストップした。

 今夜の小島は前回の惨敗の反省に立ち,同じ場所に止まらず,前後左右の出入りを鋭くするなど,随所に工夫の跡が見られた。実力差,パワーの差は埋めようがなく,最後は力負けしたが,スピードがあり,キャリアさえ積めば今後に十分期待が持てる。
 それよりもわずか11戦目という浅いキャリアでムニョスのような危険なパンチャーとの試合を2度も組んだ陣営は大いに反省すべきである。今夜の試合も強振して来るムニョスに対して,小島に豊富な経験があればかわせたかも知れない。せっかくの好素材だから,ぜひ段階を踏んで経験を積ませるマッチメーキングをお願いしたい。
 相変わらずの強打を披露したムニョス。ガードは甘いし,スタミナにも不安を抱えているのに,そのウィークポイントをカバーし,さらにお釣りが来るほどのパワーである。危険を冒して本場の強豪と対戦しなくても,キャリアの浅い日本の挑戦者が次々と高額なファイトマネーで迎えてくれる・・・日本は最高のマーケットだろう。

9回までの採点 ムニョス 小島
主審:ロベルト・ラミレス(プエルトリコ) *** ***
副審:エクトル・エルナンデス(メキシコ) 89 81
副審:ルーベン・ガルシア(米国) 89 80
副審:柳完洙(韓国) 87 82
参考:MAOMIE (58) (54)


     ○ムニョス:25戦25勝(24KO)
     ●小島:11戦9勝(2KO)2敗

     放送:テレビ東京
     解説:鬼塚勝也&星野敬太郎
     実況:久保田光彦

※ 第3・7・8ラウンドをカットして放送(MAOMIEの採点は放送されたラウンドのみの集計結果です)。

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                 2004年1月10日(土)    後楽園ホール
                 WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
              挑戦者(同級3位)          チャンピオン
          ○   イーグル赤倉    判 定   ホセ・アントニオ・アギーレ   ●
              (角海老宝石) 105 lbs                (メキシコ) 105 lbs


 果敢に攻め,先手を取った赤倉が初挑戦で王座を奪った。アギーレは8度目の防衛に失敗。
 赤倉は初回から積極的。開始早々いきなり左フックを振って襲いかかるアギーレだが,赤倉はよく見ている。早くもワンツーでアギーレの腰が落ちる。アギーレは軽く誘いの左を突き,赤倉が入ってくる出鼻にカウンターを合わせようとするが,2回終盤には赤倉のワンツー,左フックがヒット。
 4回序盤には赤倉の右フックでぐらつくアギーレ。5回終盤にも左フックがヒットし,アギーレの足がもつれた。赤倉は不敵な笑みを浮かべてブレッシャーをかけ,単発ながらもクリーンヒットを重ねて,中盤までに完全に主導権を握った。
 アギーレは焦りの色が濃厚となり,足を踏ん張って右ストレート,左アッパーのカウンターで形勢逆転を狙うが,赤倉は非常に冷静。
 8回,アギーレがローブローを訴えて,一時中断。再開後,チャンスと見た赤倉は一気に攻勢に出て,連打を浴びせる。9回開始早々のバッティングで赤倉が左目上をカットし,アギーレは減点されて,ますます苦しい戦いを強いられた。
 10回以降,アギーレのスピードは完全に落ち,赤倉は単発ながらも右ストレート,フックを再三ヒットし,危なげない試合ぶり。12回には右フックでアギーレの顔が上を向く場面が再三みられた。

 アギーレが昨年6月の星野敬太郎(花形)戦程度の内容ならば赤倉にも十分チャンスがあると見ていたが,予想を上回る圧勝となった。赤倉の勝因は終始冷静な試合運びを保ったことに尽きる。このクラスでは破格のパンチ力を誇るアギーレとの正面衝突を避け,単発ながら機を見て放つクロス気味の右ストレート,フックで序盤に主導権を握ってしまい,アギーレの焦りを誘ったことも勝利につながった。
 パンチの振りが大きく,得意のコンビネーションブローが見られなかったが,これは今後の課題としたい。今夜の試合も,パンチの振りを小さくして,手数を多く出し,連打の回転力で勝負していれば,終盤のアギーレの失速ぶりからKOチャンスも生まれたと思う。
 陥落したアギーレは星野戦に比べれば好調だったが,前半から赤倉に主導権を握られ,空振りの繰り返しでスタミナをロスしたことが敗因。相変わらずパンチの破壊力はケタはずれだが,スピードがないため,赤倉に読まれてしまい,うまく外されていた。

採点結果 赤倉 アギーレ
主審:ローレンス・コール(米国) *** ***
副審:ルー・フィリポ(米国) 119 108
副審:チャック・ハセット(米国) 120 107
副審:ヒューバート・ミン(米国) 117 110
参考:MAOMIE 120 109


     ○赤倉:12戦12勝(5KO)
     ●アギーレ:33戦30勝(19KO)2敗1分

     放送:G+
     解説:ファィティング原田&浜田剛史&セレス小林
     実況:舟津宜史

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                 2004年1月10日(土)    後楽園ホール
                日本スーパー・フェザー級タイトルマッチ10回戦
               チャンピオン           挑戦者(同級1位)
          ○   本望信人   判 定   コウジ有沢   ●
            (角海老宝石) 129 1/2 lbs          (草加有沢) 130 lbs

              WBC9位,WBA7位

 本望が持ち味のテクニックを存分に披露し,完勝で4度目の防衛に成功した。
 本望は初回から左右にサークリングしながら,左ジャブを連発し,機を見てワンツー,左右フックをまとめる頭脳的なボクシングで有沢を翻弄した。3回終了間際にはタイミングのいいワンツーをヒット。このパンチで有沢はガクッと腰が落ちてピンチ。本望は一気にパンチをまとめる。
 中盤もまったくの本望ペース。有沢は果敢に前進するが,動きの速い本望を捉えられない。6回には強引に仕掛けて何とか試合の流れを変えようとするが,逆に本望の左ジャブ,ワンツーを狙い打ちされる。終了間際には本望の右フックがヒット。有沢は鼻血を流し,ますます苦しくなる。そして,7回終了間際,本望の左フックでぐらついた有沢は連打を浴びてダウン寸前に追い込まれた。
 9・10回,セコンドのGOサインを受けて敢然と出ていく有沢だが,冷静な本望にかわされ,最後まで自分のペースを握れなかった。

 実力者同士の見応えある好試合となった。最後まで勝負を捨てず,常に前に出て流れを引き戻そうとした有沢の執念は立派。特に10回終了間際に,鬼のような形相で逆転を狙い,必死に反撃を試みた姿には鬼気迫るものを感じた。しかし,本望の変わり身の速さに追随できず,その闘志が空回りしてしまった。
 さらに一段と充実したボクシングを見せた本望。速いステップワークと速射砲のような左ジャブの連打は見事である。絶妙なポジショニングで相手に的を絞らせないあたりは,まさにテクニシャンの面目躍如。出ると見せて引き,引くと見せてパンチをツルベ打ちする変幻自在のボクシングである。『蝶のように舞い,蜂のように刺す』という名言を髣髴とさせた。パワーの面でも進歩が見られており,今後精進すれば,さらに上を目指すことも期待できる。

採点結果 本望 有沢
主審:福地勇治 *** ***
副審:内田正一 99 90
副審:森田健 100 91
副審:金谷武明 99 91
参考:MAOMIE 100 90


     ○本望:29戦23勝(5KO)4敗2分
     ●有沢:35戦30勝(22KO)3敗2分

     放送:G+
     解説:ファィティング原田&浜田剛史
     実況:高橋雄一

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                2004年1月10日(土)    後楽園ホール
                         10回戦
          日本S・フェザー級(ノーランク)   T K O   日本S・フェザー級4位
        ○   三浦誉士       6回終了    キンジ天野   ●
          (金沢) 129 3/4 lbs                      (国際) 129 lbs


 左ジャブの打合いでスタートしたが,3回,天野が主導権を握る。左ジャブ,ボディへの右から左のフック攻撃,上への右ストレートもヒットして攻勢。天野は4回にも左ジャブ,ワンツー,ボディへの左アッパーを浴びせ,クロス気味の右ストレートもヒットし,キャリアの浅い三浦を圧倒した。
 山場は5回に訪れた。天野のワンツーからの左アッパーがボディに決まり,ガクッとくる三浦。クリンチで脱しようとするが,天野のコンビネーションブローを浴び,ダウン寸前のピンチ。しかし,天野も肝心な場面で後続打が出せず,詰めの甘さを露呈した。
 6回,その詰めの甘さが天野にとって”致命傷”になった。三浦の右ストレートがヒットし,左目上をカットする天野。ドクターチェックで一時中断したが,裁定は”有効打によるカット”。息を吹き返した三浦は俄然元気になって反撃に転じる。
 結局,左目上の負傷と目の異常を訴えた天野が自ら棄権し,6回終了で三浦のTKO勝ちとなった。

 5回のKOチャンスに詰めを欠いた天野。皮肉にも次の回に落とし穴が待っていた。決めるべき場面で決めてしまわないと,何が起きるかわからないのがボクシング。その恐さを見せられた一戦。故障とはいえ,自ら棄権するという不本意な負け方となった。故障を直しての再起を期待する。
 三浦はアマ経験があり,175cmという長身のボクサータイプ。左ジャブを多用してボクシングを組み立てるオーソドックスな試合をする。右ストレートを武器としている。

6回までの採点 三浦 天野
主審:熊崎広大 *** ***
副審:森田健 55 59
副審:福地勇治 56 59
副審:金谷武明 56 59
参考:MAOMIE 57 59


     ○三浦:6戦4勝(2KO)1敗1分
     ●天野:32戦21勝(11KO)8敗3分

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:寺島淳司

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                  2004年1月17日(土)    後楽園ホール
                         10回戦
          日本ウェルター級1位   T   K   O  韓国ウェルター級チャンピオン
        ○   湯場忠志     2回1分29秒    盧 錫根    ●
          (都城レオスポーツ) 147 1/4 lbs                 (韓国) 147 3/4 lbs

                                   盧 錫根=ノ・スクン

 得意の左カウンター一閃,湯場の鮮やかなTKO勝ちとなった。
 開始早々から小刻みに体を振ってグイグイと前に出る。左右フックで仕掛けるが,湯場は冷静。下がりながら盧をさばき,サウスポースタイルからの左ストレートのカウンターを合わせるタイミングをはかる。
 2回,早くも勝負が決まった。盧は左フック,右ストレートを振って迫る。右ストレートを放って盧が飛び込もうとした瞬間,待ち構えていたような湯場
の左ストレートがカウンターでヒット。崩れかかる盧にすかさずフォローされる右フックは余分だった。前のめりに倒れ込んだ盧のダメージは深く,福地主審がカウントの途中で試合をストップした。

 今夜の湯場は非常に冷静で,相手をよく見ていた。倒した左ストレートのカウンターはタイミング,切れともに抜群。盧はタフでパンチもあり,けっして楽な相手ではなかったが,見事に仕留めた会心のTKO勝ちである。昨年2月,佐々木基樹(協栄)戦でKO負けを喫してから,今夜が再起第3戦だが,第1戦第2戦に比べると自信に満ちており,完全復調といってもいいだろう。正規王者・小林秀一,暫定王者・前田宏行に加え,湯場が参戦したことにより,ウェルター級は俄然戦国時代の様相を呈してきた。
 は見るからに頑丈そうな右のファイタータイプ。小刻みに体を動かし,グイグイと前に出て,打ち合いを挑んでくる。左フック,右ストレートに威力がある。

     主審:福地勇治,副審:住吉栄一&鮫島英一郎&熊崎広大
     ○湯場:27戦23勝(16KO)2敗2分     ●盧:12戦7勝(5KO)3敗2分
     放送:G+     解説:葛西裕一     実況:長谷川憲司

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                2004年1月17日(土)    後楽園ホール
                         8回戦
           日本ミニマム級4位   負 傷 判 定   日本ミニマム級8位
        ○   三澤照夫     6回2分10秒    正藤秀明    ●
            (帝拳) 105 lbs                      (エディタウンゼント)  105 lbs


 出身地・広島から駆けつけた応援団が名物の”しゃもじ”を叩いて声援を送る中,サウスポーの正藤は左右フック,左ストレートで果敢に打ち合いを挑む。気の強い三澤も負けじと打ち返し,試合はスタートから一歩も譲らぬ激しい打ち合いとなった。三澤は初回,右ストレートを上下に放ってややリード。2回には右ストレートで正藤がわずかにぐらつく。
 3回には正藤が三澤をロープに詰め,左右フックを浴びせて反撃するが,4回には三澤が右ストレートで正藤をのけぞらせ,ボディにパンチを集める。5回,三澤は打ち合いから一転して足を使って距離を取るが,それも束の間。すぐに激しい打ち合いに戻る。正藤が有効打によって右目上をカットして中断。しかし,三澤も偶然のバッティングで左目上をカットして中断する。
 そして6回,両者一歩も引かぬ打ち合いの中で三澤の左フックがヒットして正藤が倒れる。明らかにノックダウンと見られたが,杉山主審の裁定はスリップ。白熱したが,三澤の左目上の傷が深く,続行不能となった。結果は6回を含む採点の集計結果で上回った三澤の負傷判定勝ち。

 両者が死力を尽くした全力ファイトだったが,パンチの正確さで三澤が上だった。三澤はパンチの強弱がなく,右ストレート,左右フックを強振するファイタータイプ。パワーもある。本来はコンビネーションブローにいいものを持っているが,今夜は正藤のペースに合わせ,ややラフなボクシングになった。メリハリがついたボクシングができればとも思うが,かえって持ち味を殺してしまうだろう。このスタイルを貫いて,経験を積んで欲しい。いずれタイトル挑戦のチャンスが回ってくるはず。
 正藤は相変わらずの全力ファイト。右フック,左ストレートにはいいものを持っているが,少々パンチの正確さに欠ける。

6回までの採点 三澤 正藤
主審:杉山利夫 *** ***
副審:住吉栄一 59 57
副審:染谷路朗 59 57
副審:鮫島英一郎 58 57
参考:MAOMIE 59 56


     ○三澤:17戦13勝(6KO)1敗3分
     ●正藤:21戦12勝(5KO)7敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:羽鳥慎一

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           2004年1月19日(月)    豪州ウロンゴン・エンターテイメントセンター
               WBA世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ12回戦
            チャンピオン       T K O   挑戦者(同級15位)
         ○ アンソニー・マンディン   5回43秒   西澤ヨシノリ  ●
            (豪州)                 (ヨネクラ)


 圧倒的不利の予想の中,西澤が敵地で大健闘を見せた。
 初回,マンディンはやや低目のガードから速くて鋭い左ジャブを見舞う。西澤も果敢にロープに詰め,マンディンのボディに左右フックを浴びせるが,マンディンの鋭いワンツーがヒット。
 2回にも攻勢に出る西澤の出バナにマンディンの左ジャブ,ワンツーが飛ぶが,西澤にとって最高の見せ場が終了間際に訪れた。攻勢に出てマンディンをロープからコーナーに追う西澤。空打となった最初の左フックに続いて放った右ストレートが見事にアゴをヒットし,マンディンはもんどり打ってダウン。しかし,これは再開したところでゴング。西澤は最大のチャンスを逸した。
 しかし,3回以降は地力で数段優るマンディンが幅のある攻撃で優位に立つ。4回,マンディンは右ストレートで西澤をぐらつかせ,一気に攻勢。左右の連打につぐ右アッパーで,今度は西澤ダウン。これは回転レシーブよろしく立ち上がったが,マンディンの追撃は圧巻。西澤にクリンチを許さないほどの一気の攻勢を見せた。
 驚異的な頑張りで沸かせた西澤は5回,負けじと左右フックで反撃に転じるが,攻撃が途切れたほんの一瞬を突かれ,マンディンの左から右のストレートをまともに浴び,再びダウン。よく立ち上がったが,ジョン・コイル主審がカウント途中でストップした。

 結果はTKO負けの完敗となったが,西澤の頑張りは賞賛に値する。非常に見応えのある一戦。
 いつになく好調でスピードもあり,得意の右ストレートがよく切れていた。非常に度胸がよく,敵地の観衆の前でも臆することなく攻めたことが善戦につながった要因と考える。最後は地力の差に屈したが,立派な試合ぶりであり,私は合格点を付ける。
 初防衛に成功したマンディンはプロラグビーの花形プレイヤーから転向した異色。わずか3年のキャリアであるが,抜群の身体能力を披露した。やや低く構えたガードから繰り出す左ジャブは非常に速くて鋭い。マンディンにとっては,これこそが攻防両面の生命線になっている。このジャブで突破口を開き,右ストレート,左フックにつないで行く。ボクシングの組立は基本に忠実そのもの。フィニッシュとなったワンツーは大振りせず,鋭く放った矢のようなストレートだった。
 目を引いたのは,4回に最初のダウンを奪った後に見せた攻勢。西澤がクリンチに出る余裕すら与えない厳しい攻めを見せたが,これはまさに圧巻。日本の選手も学ぶべき点が多いと感じた。

     主審:ジョン・コイル,副審:(不明)
     ○マンディン:21戦20勝(15KO)1敗     ●西澤:43戦24勝(12KO)14敗5分
     放送:WOWOW     解説:ジョー小泉&浜田剛史     実況:高柳謙一     アシスタント:荻野奈緒美

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