熱戦譜〜2003年8月の試合から


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試合日 試合 結果
2003.08.02 10回戦  湯場忠志  KO7R  レックス・マルサン
2003.08.02 10回戦  鳥海純  判定  中里直人
2003.08.02 10回戦  矢澤慎太郎  判定  大西仁
2003.08.03  東洋太平洋フェザー級
 タイトルマッチ12回戦
 越本隆志  KO3R  センシー・ポー・チャイワット
2003.08.03  日本フェザー級
 タイトルマッチ10回戦
 大之伸くま  判定  藤原直人
2003.08.04 10回戦  コウジ有沢  TKO8R  藤原康志
2003.08.04 8回戦  木村登勇  TKO2R  太田宏樹
2003.08.16  東洋太平洋スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 ペドリト・ローレンテ  判定  福島学
2003.08.16 10回戦  横山啓介  判定  ジェリー・パハヤハイ
10 2003.08.16 8回戦  額賀勇二  判定  ワンパノン・サカウイ
11 2003.08.16 8回戦  三澤照夫  判定  岸田健一
12 2003.08.16 8回戦  矢代義光  KO2R  羅相賛
13 2003.08.24  東洋太平洋フライ級
 タイトルマッチ12回戦
 小松則幸  判定  トラッシュ中沼

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                       2003年8月2日(土)  後楽園ホール
                              10回戦
                日本S・ライト級3位    K      O    比国S・ライト級3位
              ○  湯場忠志     7回1分17秒    レックス・マルサン  ●
                (都城レオ) 141 3/4 lbs                       (比国) 141 lbs

 
佐々木基樹(協栄)にKO負けで王座を奪われ,一時は引退も表明していた湯場の再起戦。
 静かな立ち上がりとなったが,2回以降は183センチの長身から放つ得意の左ストレートでマルサンを何度もぐらつかせ,一方的な湯場ペース。マルサンもジリジリ前に出て右ストレートを放つが,湯場の左ストレートのカウンターが鋭く,なかなか主導権を握れない。
 湯場も慎重になり過ぎて,パンチが単発でチャンスに詰めを欠いたが,6回終盤にようやく攻勢をかける。左ストレート,右フックをまとめると,マルサンはダウン寸前。続く7回,湯場はようやく勝負を決めた。左ストレートを連発して攻勢に出る湯場。最後もやはり左ストレートがヒットして,マルサンついにダウン。同時にタオルが投入された。

 再起第一戦を鮮やかなKOで飾った湯場。鮮やかと言えば聞こえはいいが,相手が効いているのに手が出ず,見ている者をイライラさせた。佐々木戦のKO負けが尾を引いているのか,肝心のチャンスに相手を見てしまう場面が何度も見られた。技術的には高いものを持っているので,課題は精神面かも知れない。掴んだチャンスを一気にモノにしないと,KOチャンスを逃すだけでなく,相手が復活してしまい,勝てる試合を落としてしまうことにもなり兼ねない。
 湯場が上を狙うにはもっと貪欲さが欲しい。このクラスは佐竹政一(明石),江口慎吾(大橋)だけでなく,佐々木基樹も復活を狙っている。さらに帝拳と契約しているリチャード・レイナ(ベネズエラ)も参戦し,まさに戦国時代の様相を呈している。湯場は自分を取り巻く環境は1年前とはまったく変わっている。
 マルサンはジリジリ前に出て,右ストレートを振ってくるファイタータイプ。スピードはないが,非常にタフである。

6回までの採点 湯場 マルサン
主審:浦谷信彰 *** ***
副審:森田健 60 55
副審:山田一公 60 55
副審:鮫島英一郎 60 54
参考:MAOMIE 60 55


     ○湯場:25戦21勝(14KO)2敗2分
     ●マルサン:27戦13勝(6KO)13敗1分

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:舟津宜史

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                   2003年8月2日(土)  後楽園ホール
                          10回戦
               日本バンタム級6位           日本バンタム級(ノーランク)
             ○   鳥海 純    判 定     中里直人   ●
              
 (ワタナベ) 119 1/2 lbs            (国分寺サイトー) 119 1/2 lbs

 サウスポーの鳥海は170センチの長身でリーチに恵まれている。その鳥海をロープにつめて果敢に左右フックで攻勢をかける中里。3回には中里が鳥海をロープにつめ,左右のボディ連打を見せる。鳥海は右ジャブ,ストレートが出ず,中里の接近を許した。5回,中里は攻勢に出てリードしたが,終了間際,鳥海の右フックを受け,逆に右フックを返そうとしてヒザをつき,ダウンを取られてしまう。
 元気のない鳥海は7回以降,打ち疲れを見せる中里に対して,打ち合いの中からようやくワンツー,右フックを浴びせて主導権を握った。9回終盤にはワンツー,右フックの連打で中里はロープまで飛ばされ,ゴングに救われた。
 しかし,10回には逆に中里が苦しい中から鳥海をコーナーにつめ,死力を振り絞ってのラッシュを見せた。左右の連打で鳥海をあわやというところまで追い込み,見せ場をつくった。

 日本タイトル挑戦の経験を持つ鳥海は中里の頑張りに大苦戦。苦戦の原因は中里の前進をストップする工夫がなかったこと。リーチに恵まれているのだから,もっと右ジャブ,ストレートを多用し,自分から試合を作るようにしないとダメ。相手のラッシュに対して,策もなく,ロープを背にしているようでは上は狙えない。スピードがあり,パンチもシャープで,非常にいいものを持っている。考え方ひとつで展望が開けて来るはず。
 敗れた中里は大健闘。一杯一杯になりながら最終回に見せた頑張りは見事。あの最終回のラッシュは本来は鳥海がやらなければいけなかった仕事である。左右フックを主体とするファイタータイプだが,連打の中でときおり見せる右ストレートにもいいものがある。

採点結果 鳥海 中里
主審:福地勇治 *** ***
副審:杉山利夫 98 93
副審:浦谷信彰 99 93
副審:森田健 98 92
参考:MAOMIE 97 95


     ○鳥海:23戦19勝(6KO)3敗1分
     ●中里:18戦11勝(2KO)6敗1分

     放送:G+
     解説:浜田剛史
     実況:長谷川憲司

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                    2003年8月2日(土)    後楽園ホール
                            10回戦
              日本フェザー級(ノーランク)         日本フェザー級(ノーランク)
            ○  矢澤慎太郎     判 定    大西 仁  ●
                 (帝拳) 126 lbs                    (塚原京都) 126 lbs

 帝拳のホープ矢澤は4回以降,強引な仕掛けで大西を圧倒した。ワンツーから左右のボディブローを浴びせ。5回には右フックで大西をぐらつかせた。バッティングで大西が6回に右まゆ,矢澤が7回に左側頭部をカットするなど,激しい打ち合いを見せた。
 大西はサウスポースタイルにスイッチして右フック,左アッパーを浴びせたが,終盤は矢澤が強引な攻めでリードした。

 矢澤はワンツー,左フックを主体とした強引とも言える攻撃が身上だが,接近するまでの工夫が欲しい。パンチを出さず,接近してから打とうとするので,攻防がハッキリしてしまうのが難点。パワーは十分にあるので,今のままでもノーランカークラスならば通じるし,高いKO率もうなずける。しかし,今後上位進出を目指すには,上下の打ち分け,左の使い方,フェイントなどの駆け引きを徐々に体得して欲しい。
 大西はオーソドックスでもサウスポーでもそこそこ戦える珍しいスイッチヒッターである。高いKO率が示すように右ストレートが強いが,今夜の試合を見た限りではちょっとスタミナに難がありそう。スタミナ不足の克服が今後の課題である。

採点結果 矢澤 大西
主審:杉山利夫 *** ***
副審:山田一公 100 94
副審:鮫島英一郎 100 94
副審:森田健 99 95
参考:MAOMIE 99 94


     ○矢澤:20戦17勝(11KO)3敗
     ●大西:16戦10勝(9KO)6敗

     放送:G+
     解説:セレス小林
     実況:村山喜彦

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                     2003年8月3日(日)    宗像ユリックス
                    東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦
                    チャンピオン    K    O    挑戦者(同級3位)
               ○   越本隆志    3回40秒   センシー・ポー・チャイワット   ●
                 (福間スポーツ) 125 3/4 lbs                (タイ) 125 3/4 lbs


 越本が鮮やかなワンパンチKOで5度目の防衛を飾った。
 サウスポー同士,探りあいの静かなスタート。176aの長身・越本は右ジャブを突いてチャンスを狙う。一方,164aのセンシーは音なしの構え。両者相打ちの左ストレートが交錯し,スリリングな場面があったが,これは互いに不発。2回,右ジャブで突破口を開こうとする越本に対し,センシーは左ストレートのカウンター狙い。
 そして3回開始早々,唐突なフィニッシュを迎える。センシーが踏み込んで左ストレートをボディに放った直後,越本の左ストレートが見事なカウンターでクリーンヒット。一瞬間を置いて仰向けにダウンしたセンシーは立ち上がろうとしたが,朦朧としており,サラサス主審がカウントアウト。

 フィニッシュはセンシーがボディに放った左ストレートの打ち終わりに小さく合わせた左ショートストレートがカウンターになったもので,りきみのない素晴らしいパンチ。センシーが打ち終わりにオフガードになった瞬間を見逃さなかった越本は改めて目と勘のよさを見せた。今夜の感触を忘れないこと。
 しかし,再び世界の声も聞かれるが,まだまだ右ジャブが足りない。フェザー級では破格の長身とリーチに恵まれているのだから,もっと右ジャブ,ストレートを多用して欲しい。今のままでは,世界レベルでは簡単に中に入られてしまう。今夜は左で倒したが,ジャブ,ストレートにフックを織り交ぜた右パンチが生命線であることを忘れてはいけない。
 センシーはサウスポーで手数は少ないが,ドッシリとした構えから左ストレート,右フックをカウンター気味に放ってくる。パンチは重い。

     主審:ウクリッド・サラサス,副審:不明(2名)
     ○越本:36戦33勝(15KO)1敗2分     ●センシー:23戦17勝(8KO)6敗
     放送:FBS(G+)     解説:浜田剛史     実況:久保俊郎

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                       2003年8月3日(日)    宗像ユリックス
                        日本フェザー級タイトルマッチ10回戦
                      チャンピオン              挑戦者(同級5位)
                  ○ 大之伸くま    判  定    藤原直人   ●
                 (福間スポーツ) 125 3/4 lbs            (エディタウンゼント) 125 1/2 lbs


 一進一退の打撃戦を制した大之伸が2度目の防衛に成功するとともに,デビュー以来無傷の24連勝をマークした。
 スタートから激しい打ち合いとなった。サウスポースタイルでぐいぐい前に出る大之伸は左ストレート,フック,ボディへの左アッパーで攻勢。藤原も負けずに右ストレート,フックを返すが,大之伸に押される。2回開始早々の左ストレートでガクッと膝が落ちる藤原。よく打ち返すが,大之伸のプレッシャーがきつい。
 しかし,大之伸は攻め込みながらもガードの甘さを突かれ,藤原の左フック,右ストレートを食う場面が目立った。藤原は4・5回に細かくワンツー,左フックをヒットして挽回。
 中盤も一進一退の攻防が続いたが,8回,大之伸は左ストレートを連発して藤原をのけぞらせ,左アッパーをボディに打ち込むなど,再び攻勢。藤原もよく頑張るが,さすがに余力がなくなる。そして9回開始早々,藤原の右ストレートの打ち終わりに合わせた大之伸の左ストレートがカウンターになる。この1発で藤原はストンと尻から落ちるようにダウン。最終回にも大之伸は左ストレート,右フックで攻勢。藤原は頑張ってよく打ち返したが,ダメージの蓄積で踏ん張りが効かず,形勢挽回には至らなかった。

 大之伸は挑戦者のような”攻めの姿勢”は好感が持てるが,ボクシングが正直過ぎる。やや大振りで,打った直後のパンチの引きが遅いので,逆にそこを打たれる場面が目立つ。上体の動きが少なく,突っ立ったまま攻め込んで来るので,世界レベルのうまい相手にかかったらまず通用しないだろう。陣営は来年あたり世界挑戦を狙っているようだが,多くの課題を残した試合となった。ディフェンスが最大の課題だが,まずパンチを放った直後の引きをもっと速くすること。
 敗れた藤原は元々はボクサータイプに近いと思う。今夜は大之伸のペースに巻き込まれて打撃戦に応じざるを得なかったという感じがする。足が使えて左フック,右ストレートに伸びがある。なかなかの根性もあり,見事な頑張りを見せた。もっと左右に動き,スピードを生かしたボクシングに徹すること。上体をうまく使えるようになると,もっとよくなる。
 7〜10点差という公式採点だが,それほどの差はなかったと感じた。

採点結果 大之伸 藤原
主審:桑田和昌 *** ***
副審:山添光男 99 92
副審:吉田和敏 99 91
副審:牧角健次郎 100 90
参考:MAOMIE 98 94


     ○大之伸:24戦24勝(11KO)
     ●藤原:17戦14勝(7KO)3敗

     放送:FBS(G+)
     解説:浜田剛史
     実況:浜崎正樹

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                       2003年8月4日(月)    後楽園ホール
                              10回戦
               日本S・フェザー級1位    T   K   O    日本S・フェザー級(ノーランク)
            ○   コウジ有沢      8回2分27秒      藤原康志   ●
            
    (草加有沢) 133 1/2 lbs                       (レパード玉熊) 133 1/2 lbs

 激しい打ち合いになったが,地力でまさる有沢が粘る藤原を連打で仕留めた。
 変則サウスポーの藤原は体を相手に預けるようにしてワイルドな左右フックを放つ。有沢は初回,まず得意の右ストレートをヒット。藤原の右から左のフックで有沢が棒立ちになる場面もあったが,逆に右ストレートで藤原をぐらつかせる。
 2回以降,執拗にくっついて来る藤原に対して,有沢も接近しての左右ボデイブローで応戦。後半には右ストレートから左右フックを浴びせて藤原をダウン寸前に追い込んだ。
 藤原は執拗に食い下がるが,有沢は中盤以降も接近戦での打ち合いに応じ,左右のショート連打を浴びせた。そして8回,左アッパーでぐらついた藤原を一気に攻め立てる有沢。ロープに詰めて左右の連打があったところで,ついに安部主審がストップした。

 有沢は粘る藤原を何とか仕留めたが,左ジャブ,ワンツーなどの相手の出鼻を叩くパンチが出ず,持て余した感じ。執拗に出て来る相手に正対して構えるのではなく,もう少しサイドにいなすとか,体を入れ替えてパンチを出すなどの工夫が欲しい。年齢的にも32歳ということで,この半年か1年くらいが勝負のはず。強打とスタミナは折り紙付き。後は積み重ねたキャリアをどこまで生かせるかがカギになる。
 敗れたものの,藤原の粘りは驚異的。サウスポーで執拗に食い付いて来るファイタータイプ。ワイルドな左右フックが武器だが,ここに左ストレートが加わると攻撃に厚みが増すはず。

7回までの採点 有沢 藤原
主審:安部和夫 *** ***
副審:熊崎広大 70 64
副審:吉田和敏 68 65
副審:島川威 69 66
参考:MAOMIE 70 65


     ○有沢:33戦29勝(21KO)2敗2分
     ●藤原:17戦9勝(4KO)5敗3分

     放送:TBS
     解説:畑山隆則&竹原慎二
     実況:土井敏之

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                  2003年8月4日(月)    後楽園ホール
                          8回戦
             日本S・ライト級2位   T  K  O   日本S・ライト級(ノーランク)
           ○  木村登勇      2回47秒     太田宏樹  ●
               (横浜光) 140 lbs                      (花形) 140 lbs

              木村登勇=きむら・のりお

 元日本ライト級王者の木村が貫禄を見せ,見事な2回TKO勝ち。スーパー・ライト級に転向してから,これで3連続KO勝ちである。
 木村はりきみのないスタイルから,ときおりノーモーションの左ストレートを多用して好調な滑り出し。
 2回,攻勢に出る太田だが,木村の右アッパーからの左ストレートを受けてガクッと腰が落ちる。このチャンスに木村は一気にラッシュ。左右フック,左ストレートを浴びて,崩れるように太田がダウンしたところで,マーチン主審がストップした。

 木村はノーモーションからの左ストレートなど,力みのないボクシングが非常にいい。パンチも切れて,スピードがあるだけでなく,判断も素早いので今後が非常に楽しみ。独特の間合いがあり,相手にしてみれば非常にやりにくいはず。佐竹政一,江口慎吾,佐々木基樹,湯場忠志,リチャード・レイナなどが揃って層が厚いこのクラスに,また役者が一枚加わった。
 ただ,ひとつだけ気になること。フィニッシュにつないだラッシュは非常によかったが,パンチを打つときにマウスピースをしっかり噛んでいないように見えた。これを直せば,さらにパンチの切れが増すはず。
 太田は果敢なファイタータイプ。ちょっと脇が甘い感じがするが,右ストレート,フックに良いものがある。

     主審:ビニー・マーチン,副審:安部和夫&葛城明彦&島川威
     ○木村:27戦20勝(8KO)5敗2分     ●太田:14戦6勝(4KO)6敗2分
     放送:TBS     解説:畑山隆則&竹原慎二     実況:新夕悦男

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                  2003年8月16日(土)    後楽園ホール
                東洋太平洋S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
                挑戦者(同級9位)                チャンピオン
            ○  ペドリート・ローレンテ    判 定    福島 学   ●
                (比国) 121 1/4 lbs               (JBスポーツ) 122 lbs


 自転車に乗って登場という前代未聞のパフォーマンスを見せた福島。前半を優位に進めながら,ローレンテの反撃を許し,初防衛に失敗した。
 福島はいきなりサウスポースタイルでスタート。若いローレンテを攪乱する作戦。3回には右ストレートをボディ,顔面に右ロングフックを飛ばして優位に立つ。4,5回にもフェイントからボディにパンチを集め,動きの速いローレンテを崩しにかかった。5回までは福島のワンサイドケームを予感させる展開。
 しかし,ローレンテのスピードは落ちない。6回以降,逆に打ち疲れのせいか手数が減った福島。ローレンテは前後左右に動きまわり,機を見て左右フックを放ち,徐々に劣勢を挽回して行く。終盤はスピードが鈍った福島に,もみ合いからクルリと体を入れ替えてパンチを放つなどの意表を突く攻撃も見せた。11回,福島はスピードが落ち,左右フックでバランスを崩す場面もあった。12回,必死に攻め込む福島に対し,ローレンテの動きは最後まで衰えず,試合終了。

 福島は前半こそフェイントを使って若いローレンテを攪乱し,ボディブロー主体の積極的な攻撃で優位に立ったが,若いローレンテの動きが最後まで衰えなかったのが誤算だった。逆に福島に打ち疲れが見られた。
 この敗戦は痛い。世界は一気に遠のいたと言わざるを得ない。もう一度立て直し,足元から見直す必要がある。
 ローレンテは長身で顔が小さく,リーチが長い。手打ちのため,パンチに威力はないが,アップライトスタイルから実によく手が出る。攻めは雑だが,ハンドスピードには見るべきものがあり,スタミナも十分。足もよく動き,油断するとクリンチから体を入れ替え,すかさず連打するなどのうまさも見せた。ただし,やはりボディ攻撃をかけられるのは苦手のよう。

採点結果 ローレンテ 福島
主審:浦谷信彰 115 114
副審:ガルシア 116 112
副審:内田正一 117 113
参考:MAOMIE 116 115


     ○ローレンテ:19戦13勝(4KO)5敗1分
     ●福島:31戦24勝(17KO)6敗1分
     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:長谷川憲司

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                  2003年8月16日(土)    後楽園ホール
                             10回戦
             日本S・フライ級(ノーランク)              比国フライ級7位
           ○  横山啓介       判 定   ジェリー・パハヤハイ  ●
             (JBスポーツ) 114 3/4 lbs                   (比国) 114 1/2 lbs


 いつの間にかベテランの仲間入りをしていた横山が紆余曲折を経て,うれしい2年ぶりの白星をマークした。
 横山はスタートから気迫十分。ウェイトが乗った左ジャブ,ストレートを突いてプレッシャーをかけ,右ストレートからボディへの左アッパーで攻勢。パハヤハイもボディ連打で応戦するが,横山のパンチに切れがあり,劣勢を崩せない。
 3回,横山は右ストレートをクリーンヒット。5回にはパハヤハイをロープに詰め,ワンツー,左フック,ボディブローを浴びせて攻勢。
 8,9回には手数が減ったところに,しぶといパハヤハイの反撃を許したが,10回には右ストレートをクリーンヒット。ボディへの左アッパーも決まり,久々の勝利を決定的なものにした。

 ミニマム級,ライトフライ級で2階級制覇に輝きながら,多くの挫折,2度のジム移籍などで足踏みした横山。しかし,それらの紆余曲折を栄養に,ひと回り成長し,見事な復活を遂げた。10年を越えるベテランの域に入ったが,これからが楽しみ。今後はスーパー・フライ級でやって行くようだが,そのパンチ力はこのクラスでも十分通用する。
 今夜の試合で特によかった点は,気迫を前面に出し,先手先手で攻めたこと。元来パワーは十分だし,コンビネーションブローにもいいものがある。今後上を狙えるかどうかのカギはただひとつ。後手に回らず,今夜のように積極的に自分から試合を作ることである。
 これが82戦目というベテランのパハヤハイは実に老獪でしぶとい。横山が後手に回った8,9回には手数で上回るなど,うまさを見せた。

採点結果 横山 パハヤハイ
主審:ウクリッド・サラサス *** ***
副審:熊崎広大 99 94
副審:浦谷信彰 99 94
副審:安部和夫 100 95
参考:MAOMIE 98 94


     ○横山:30戦18勝(10KO)10敗2分
     ●パハヤハイ:82戦38勝(15KO)41敗3分

     放送:G+
     解説:葛西裕一
     実況:寺島淳司

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                2003年8月16日(土)    後楽園ホール
                            8回戦
              日本バンタム級2位           タイ国バンタム級(ノーランク)
           ○   額賀勇二    判 定    ワンパノン・サカウイ   ●
              (鹿島灘) 121 1/2 lbs               (タイ) 120 3/4 lbs


  額賀は今年2月にサーシャ・バクティン(協栄)との日本バンタム級王座決定戦で7回TKO負けして以来の再起戦。フェイントからワンツー,左フックをヒットし,まずまずの滑り出し。
 しかし,3回には手数が少なく大振りになったところを突かれた。ワンパノンは小刻みな左ジャブを数多く放つ。額賀は飛び込んで左フックを放つが,単発。手数が少ない額賀は,4回にもワンパノンの小刻みな左ジャブとトリッキーな動きに翻弄され,クリーンヒットを奪えない。
 額賀は7回,左フックでワンパノンをのけぞらせるが,ワンパノンも曲者で,小刻みな左ジャブからワンツーを連発。結局,額賀は老獪なワンパノンを捕え切れず,終了のゴングを聞いた。

 3−0で額賀の判定勝ちとなったが,これはワンパノンに少々気の毒な採点。
 額賀はパンチ力はあるが,手数が少なく,大振りが目立つのが難点。もう少し捨てパンチが欲しい。上を狙うためには,手数を多くして,その中から得意の左フック,右ストレートを打ち込むチャンスを探る必要がある。左フックを放つときにアゴが上がり,ガードが甘くなるのも非常に気になる。
 ワンパノンは非常に老獪なテクニシャン。パンチは非力だが,相手の打ち気を逸らし,相手がひるむとカサにかかって攻め込むなどのうまさがある。

採点結果 額賀 ワンパノン
主審:鮫島英一郎 *** ***
副審:熊崎広大 79 77
副審:ウクリッド・サラサス 78 74
副審:内田正一 79 77
参考:MAOMIE 77 79


     ○額賀:17戦15勝(9KO)2敗
     ●ワンパノン:13戦8勝(1KO)5敗

     放送:G+
     解説:なし
     実況:田中毅

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               2003年8月16日(土)    後楽園ホール
                          8回戦
             日本ミニマム級4位           日本ミニマム級(ノーランク)
           ○  三澤照夫    判 定     岸田健一     ●
               (帝拳) 105 lbs                 (ワタナベ) 105 lbs


 日本タイトル挑戦のチャンスを窺う三澤が判定でノーランクの岸田を退けた。
 三澤はスタートから切れのいいコンビネーションブローで岸田を圧倒する。岸田も闘志満々で迫り,しつこい左右フックを浴びせるが,三澤のワンツー,ボディへの左アッパーの回転が速い。
 3回にはもみ合いから三澤がワンツー,左右フックを浴びせて,岸田をぐらつかせた。しつこい岸田はよく食い下がるが,8回にはヘディングで減点(1点)された。両者,死力を振り絞っての打ち合いが展開される。的確さでは三澤だが,手数では岸田も負けてはいない。

 三澤は非常に切れのいいコンビネーションブローを放つファイタータイプ。左ジャブを突き,ワンツー,左フック,ボディへの左アッパーなど,多彩なパンチを持っている。ただし,すべてのパンチに力が入っているのが難点。もう少し強弱をつけ,メリハリを出せるようにするともっとよくなる。また,今夜の岸田のようにしつこい相手に合わせてもみ合うのではなく,突き放すテクニックも研究して欲しい。
 岸田はパンチ力には欠けるが,旺盛なスタミナを誇るファイタータイプ。実によく手が出る。

採点結果 三澤 岸田
主審:安部和夫 *** ***
副審:熊崎広大 78 74
副審:ウクリッド・サラサス 78 74
副審:鮫島英一郎 78 75
参考:MAOMIE 79 75


     ○三澤:16戦12勝(6KO)1敗3分
     ●岸田:11戦6勝(1KO)3敗2分

     放送:G+
     解説:なし
     実況:高橋雄一

※ 第8ラウンドのヘディングによる岸田の減点1を含む採点。

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                    2003年8月16日(土)    後楽園ホール
                             8回戦
             日本フェザー級(ノーランク)    K     O    韓国フェザー級7位
           ○   矢代義光      2回2分40秒    羅 相賛   ●
                (帝拳) 126 lbs                          (韓国) 126 1/2 lbs


 帝拳のホープ矢代の見事なKO勝ち。
 初回,サウスポーの矢代はやや右グラブを突き出した構えから,右ジャブでチャンスを窺い,ワンツーをヒット。中盤,左アッパーのボディブローから右フックを決めて早くもダウンを奪う。
 続く2回,矢代はまず左ストレートをボディに送り,右フックを返す。強引に突っかかって来る羅のガラ空きのアゴに右フックがカウンターになり,羅は大の字にダウン。浦谷主審がノーカウントで試合を止めた。

 インターハイ2位,全日本アマ3位という実績を持つ矢代はサウスポーで,非常に目と勘がいいのが特徴。アップライトスタイルから右グラブを突き出す独特の構えでチャンスを窺う。軽い右ジャブからカウンター気味に放つ左ストレート,右フックに一発KOの威力を秘める。相手の右をかわしてすぐに左をカウンターで合わせるなど,かなりのボクシングセンスを持っている。まだキャリアが浅いが,今後,右ジャブ,ストレートを磨き,右でタイミングをとるだけでなく,相手を崩せるように練習して欲しい。いずれにしても注目株の最右翼のひとりである。

     主審:浦谷信彰,副審:内田正一&ウクリッド・サラサス&安部和夫
     ○矢代:8戦8勝(5KO)     ●羅:9戦6勝(2KO)2敗1分
     放送:G+     解説:なし     実況:高橋雄一

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                2003年8月24日(日)    大阪中央体育館サブアリーナ
                     東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
                     チャンピオン             挑戦者(WBC13位)
                 ○  小松則幸   判 定    トラッシュ中沼  ●
                  (エディタウンゼント) 112 lbs              (国際) 111 1/2 lbs


 激しい打ち合いに終始し,小松が辛うじて3度目の防衛に成功した。しかし,中沼には気の毒な判定であり,今後議論を呼びそうな結果となった。
 初回ジリジリ追って行く小松だが,いきなり中沼の左フックがヒット。2分過ぎ,いきなりの右フックもヒットした。顔の前でガッチリとガードを固めながら,機を見てダイナミックなパンチを狙い打ちする中沼。小松のショート連打はことごとくブロックされる。2回には飛び込んでの左アッパーが決まり,小松が大きくのけぞる。
 3・4回にも中沼がうまさを見せる。顔の前に置いたグラブで小松の連打をブロックし,機を見て左アッパー,飛び込んで右フック,左フックをヒット。小松が打ち気に出るとサウスポーにスイッチして攪乱するなど,変幻自在のボクシングで完全に主導権を掌握した。一方の小松はボクシングが正直過ぎ,うまい中沼を崩せない。小松は鼻血を流し,右目上もカットして苦しい試合となる。中盤も中沼ペース。
 ヤマ場は8回に訪れた。右アッパーを受け,グラッときた小松に,すかさずラッシュする中沼。小松をロープに詰め,ワンツー,左右フックの猛攻で一気に勝負をかける。ダウン寸前に追い込まれた小松はさらに左ボディブローを打ち込まれ,ますます苦しい展開。
 9回以降,持ち直した小松は手数が減った中沼に対してショート連打で攻勢に出る。終盤は手数で小松が押し,最後まで死力を振り絞った打ち合いが続いた。

 中沼はガードを固めてクリーンヒットを許さず,小松の手が止まるとガードを低くして打ち気を誘い,機を見て大きいパンチを叩き込むなど,随所にキャリアの差を見せた。中盤まではベテランが新人のスパーリングの相手をしているような余裕タップリのボクシングで完全に主導権を握っていた。終盤,打ち疲れのせいか,手数が減ったところに小松の反撃を許したが,まず判定は文句なしだったはず。
 意外な判定に泣いた中沼だが,随所に見せた変幻自在で頭脳的なボクシングが光る。いきなり世界挑戦は無理だが,小松との再戦も含め,巻き返しに期待したい。
 一方,辛うじて防衛に成功した小松は,あらゆる点で大きな課題を残した。おそらく中沼ほどうまい相手とはグラブを交えたことがなかったのだろう。特に前半は中沼のうまさに翻弄され,気持ちにゆとりがまったくない戦いぶりだった。陣営は次は世界挑戦を表明しているが,今の実力では結果は見えている。うまくて強い相手が国内にいくらでもいるので,ぜひグラブを交えて,経験を積むべき。その意味では中沼を相手に苦しんだことは勉強になったはず。ぜひ,その経験を生かして欲しい。

採点結果 小松 中沼
主審:原田武男 115 113
副審:森田健 114 115
副審:野田昌宏 115 114
参考:MAOMIE 113 118


     ○小松:22戦17勝(8KO)5分
     ●中沼:27戦23勝(10KO)4敗
     放送:スカイA
     解説:畑中清詞
     実況:松原宏樹

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