熱戦譜〜2003年4月の試合から

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試合日 試合 結果
2003.04.26  WBC世界スーパー・バンタム級
 タイトルマッチ12回戦
 オスカー・ラリオス  判定  仲里繁
2003.04.26  東洋太平洋スーパー・ライト級
 タイトルマッチ12回戦
 佐竹政一  KO8R  ディンド・カスタニヤレス
2003.04.26  東洋太平洋スーパー・バンタム級
 王座決定12回戦
 福島学  判定  鄭在光
2003.04.27  東洋太平洋ウェルター級
 タイトルマッチ12回戦
 渡辺 博  判定  大塚陽介


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                    2003年4月26日(土)     両国国技館
                  WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
                  チャンピオン            挑戦者(同級5位)
             ○  オスカー・ラリオス   判  定    仲里 繁    ●
                
(メキシコ) 122 lbs                 (沖縄ワールドリング) 122 lbs

 善戦した仲里だが,ラリオスを詰め切れず,大魚を逸した。
 ラリオスは仲里の強打を警戒して,足を使って左ジャブを多用する,予想以上に慎重なボクシング。仲里は3回に左フックでラリオスをぐらつかせて攻勢に出るが,5回,逆に左フックを受けてダウン。これはスリップダウンの判定に救われたが,ラリオスの猛攻につかまり,コーナーで崩れるようにダウン(カウント9)。
 これ以降,仲里はよく踏ん張り,何度か左フックからの攻勢でラリオスをぐらつかせるが,ラリオスの足と左に阻まれて決定打を打ち込めない。ラリオスは足を使い,左ジャブからワイルドなワンツー,左フックで要所を締めた。
 11,12回には仲里の猛反撃でラリオスは何度かピンチを迎えたが,仲里も詰め切れず,試合終了。

 惜しくも敗れたが,仲里は世界との距離がそう離れていないことを実感したのではないか。貴重なベンチマーキングになったと思う。その意味では次につながる善戦だったろう。
 試合中に解説の浜田剛史氏が何度も強調していたように,上体が立ち過ぎて真正面からラリオスと向き合っていたことが悔やまれる。もう少し腰を低く構え,前傾姿勢で”溜め”を作れば,もっと効果的なパンチが打てたと思う。もっとボディブローも欲しかったし,手数を出したかった。
 いくつかの反省点は残したが,ぜひそれらを矯正して再挑戦して欲しい。
 一方,大苦戦のラリオスは仲里の強打にアゴの骨を割られるダメージを受けた。それでも足と左ジャブによるアウトボクシングで要所を締めたうまさはさすがである。

採点結果 ラリオス 仲里
主審:トビー・ギブソン(米国) *** ***
副審:トニー・カステラーノ(米国) 116 110
副審:ゲイル・バンホイ(米国) 114 111
副審:マルコム・ブルナー(豪州) 116 110
参考:MAOMIE 115 112


     ○ラリオス:52戦48勝(33KO)3敗1分
     ●仲里:29戦23勝(18KO)6敗

     放送:G+
     解説:ファイティング原田&浜田剛史
     実況:村山喜彦

※ 第3ラウンドの偶然のバッティングによる仲里の減点1を含む採点。

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                       2003年4月26日(土)     両国国技館
                    東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦
                   チャンピオン     K       O   挑戦者(同級1位)
              ○   佐竹政一    8回2分04秒  ディンド・カスタニヤレス  ●
                
 (明石) 140 lbs                       (比国) 140 lbs

 佐竹が前評判の高かった無敗のカスタニヤレスを見事なワンパンチで沈めた。これで9度目の防衛。
 試合はカスタニヤレスが前に出て右ストレートで仕掛け,佐竹がこれをさばくという展開に終始した。佐竹は素早く回り込んでカスタニヤレスを寄せつけない。ワンツー,右フック,アッパーが面白いようにヒットし,完全に主導権を掌握した。佐竹の足について行けないカスタニヤレスのパンチはいたずらに空を切る。
 佐竹は4,5回には左ストレート,6回にも左アッパー,右フックでカスタニヤレスをぐらつかせる。そして迎えた8回,飛び込んで放った右ショートフックがテンプルをとらえ,カスタニヤレスは前のめりにダウン。立ち上がったものの足元が定まらず,カウントアウトされた。

 佐竹はまったく危なげない試合運びを見せた。どこに立てば打たれないかを熟知したような相変わらず抜群のボクシングセンスである。
 もともとディフェンステクニックは抜群。その上,大嶋宏成(シャイアン長谷川),坂本博之(角海老宝石)戦で見せたように,最終回にパンチをまとめて倒し切るパワーと勝負勘を備えている。さらに今夜のようにワンパンチで仕留める切れ味もある。強豪が多いこのクラスでも十分に世界を狙える逸材。まさに”和製スティーブ・ジョンストン”である。
 しかし,佐竹のボクシングは”待ち”のボクシング。いざ世界戦となると,自分から仕掛けて試合を作る工夫が絶対に欠かせない。特に6回に迎えたチャンスに大事に行き過ぎたのは反省点である。僅差でもいずれかの選手に振り分ける現在の世界的な採点傾向の下では,”待ちのボクシング”は不利。もっと右ジャブ,フックを多用して,積極的に自分から試合の流れを作らないと接戦になると非常に印象が悪くなる。世界で戦うために佐竹に足りないものはそれだけである。

7回までの採点 佐竹 カスタニヤレス
主審:キム・ビュンキ(韓国) 70 64
副審:アントニオ・ペレス 69 70
副審:森田 70 65
参考:MAOMIE 70 64

     ○佐竹:24戦18勝(11KO)2敗4分
     ●カスタニヤレス:14戦12勝(9KO)1敗1分
     放送:G+
     解説:浜田剛史&飯田覚士
     実況:舟津宜史

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                        2003年4月26日(土)     両国国技館
                    東洋太平洋スーパーバンタム級王座決定12回戦
                WBC世界S・バンタム級18位         東洋太平洋S・バンタム級1位
               ○   福島 学        判 定     鄭 在光   ●
                  (JBスポーツ) 122 lbs                     (韓国) 122 lbs


 仲里繁(沖縄ワールドリング)の返上で空位となった王座を争う一戦。2−1の判定勝ちで福島が王座を獲得したが,変幻自在の鄭に苦しみぬいた末の薄氷の戴冠となった。
 試合は激しい打ち合いに終始したが,序盤は完全に鄭のペース。福島は速い動きから左右フックで積極的に仕掛ける鄭に苦しみ,まともにパンチを受ける場面が目立つ。中盤からボディにパンチを集めたのが効いて,ようやく動きが鈍った鄭に攻勢をかける福島。7回には右から左のフックでぐらつかせ,鄭をロープに追い込んだ。
 9回以降もボディが効いた鄭に左右フックを浴びせるが,自分もまともにパンチを食う場面が多かった。

 辛うじて王座についた福島だが,相変わらず相手のパンチをまともに食う場面が目立つ。もう少しディフェンスに気を使わないと,上は狙えない。正直なところ,世界を狙う選手に漂うはずの”閃き”はまったく感じられない。ディフェンスはなっていないし,攻めにも工夫がない。ボディにパンチを集めてチャンスを掴んだのはよかったが,もう少し工夫しないと世界はおろか,せっかく手に入れた東洋王座の防衛もおぼつかない。
 一方の鄭はファイタータイプでよく手数が出る。韓国スーパー・バンタム級の現役チャンピオンでもある。今回がアマチュア,プロを通じて初黒星となった。変幻自在な足と上体の動きに乗せて放つ左ジャブ,フックからの右クロスが武器。相手が仕掛けてくると早い動きと左ジャブの多用でさばくなど,器用な面もある。動きは非常にスムーズで,バランスもいい好選手である。

採点結果 福島
主審:マルコム・ブルナー(韓国) 118 113
副審:キム・ビュンキ(韓国) 114 115
副審:熊崎広大 118 113

     ○福島:30戦24勝(17KO)5敗1分
     ●鄭:12戦9勝(4KO)1敗2分
     放送:G+
     解説:飯田覚士&セレス小林
     実況:長谷川憲司

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                 2003年4月27日(日)     パークアリーナ小牧
                  東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦
                 チャンピオン           挑戦者(同級8位)
             ○   渡辺 博    判 定    大塚陽介   ●
              (天熊丸木) 146 3/4 lbs              (松田) 147 lbs


 壮絶な打撃戦の末,渡辺が初防衛に成功した。
 初回,お互いにジャブを突いて静かな探り合いだったのは束の間。相打ちの右フックで渡辺をぐらつかせた大塚が激しく攻勢をかける。右フックを食った渡辺は大きくぐらつき,再びピンチ。渡辺はバッティングで右目上をカットするハンデも負い,不安なスタートとなる。
 しかし,2回,渡辺が反撃に転じた。大塚の積極的な仕掛けにタジタジとなりながらも,左フック一発で大塚をぐらつかせて形勢を逆転する。右クロスでぐらつく大塚。激しい打ち合い。3回には渡辺の激しい攻勢に大塚は何度もよろめき,ダウン寸前のピンチ。足に来ている大塚は終了10秒前の拍子木の音をゴングと勘違いして割って入った柳主審の不手際に救われた形になった。
 しかし,大塚も負けてはいない。4回には手数で押し,右フックで渡辺をぐらつかせて反撃を見せる。大塚もバッティングで左目上をカットし,流血の打撃戦となる。中盤は激しい打ち合いで一進一退の攻防が続いた。5・6回,渡辺はマウスピースを覗かせ,打ち疲れの色を見せながらも体ごと叩き付けるような左右フックで攻勢。7回にはオーバーハンドライトや左右のボディブローで大塚を追い込む。大塚はよく立っている。
 8回,逆に大塚の右ストレート2発でぐらついた渡辺がピンチを迎える。11回,大塚は細かくジャブを突いて攻勢をかけるが,渡辺がマウスピースを入れ忘れ,一時中断。そして,渡辺の右目上,大塚の左目上の傷を同時にチェックするために再び中断する。ドクターは渡辺の傷に対して,両手を交差して×印を作り,『続行不能』のサインを出すが,柳主審はそれを無視して試合を続行させた。12回にも激しい打ち合いが続いたが,左フックで大塚をぐらつかせた渡辺がリード。

 渡辺はスピードこそないが,タフネスと粘り強さが身上で,非常によく手数が出る。右ボクサーファイターで右フック,ストレートが武器。パンチ力はそこそこのものがあるが,打ち疲れを露骨に見せてしまうなど,欠点も目立つ。
 敗れた大塚は強打の右ファイター。こちらもスピードはなく,ディフェンスにもかなりの難がある。ダウン寸前に追い込まれながらも,再三盛り返したタフネスと根性が売り物。

採点結果 渡辺 大塚
主審:柳完洙(韓国) 116 114
副審:登本康夫 115 113
副審:安部和夫 115 113
参考:MAOMIE 115 112


     ○渡辺:22戦18勝(13KO)2敗2分
     ●大塚:19戦16勝(13KO)3敗
     放送:ファンによる生録りビデオ
     解説:なし
     実況:なし

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